JP5100017B2 - ベルトコンベヤ - Google Patents
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しかしながら、搬送ベルトに油、水、粉等が付着し、それらがドライブプーリに付着した時、搬送ベルトとの接触摩擦力が低下し、それにより搬送ベルトへの回転伝達力が低下し、搬送ベルトの回転走行が不安定になるという問題点を有する。
又、他の目的は駆動源を備えた下側の回転部材のメンテナンス等を容易に行なうことができるベルトコンベヤを提供することにある。
具体的には、フレームの機長方向両側に配置した折り返し部材に亘って巻回した搬送ベルトの復路側を、外周面に磁力による吸着作用を生じる吸着部材を周方向に間隔をおいて取り付けた一対の無端回動する回転部材の吸着作用で上下より挟持し、その無端回動する一対の回転部材の少なくとも片方を駆動回転することにより搬送ベルトを前記一対の回転部材で挟持回動させるベルトコンベヤにおいて、前記搬送ベルトの復路側を挟持する上側の回転部材を巻回保持する回転体の中心を通り搬送ベルト面と直交する中心線と、下側の回転部材を巻回保持する回転体の中心を通り搬送ベルト面と直交する中心線とを、搬送ベルトの回動方向に相対的にずらして配置したことを特徴とする(請求項1)。
前記回転部材を巻回保持する上側の回転体の中心を通り搬送ベルト面と直交する中心線と、下側の回転体の中心を通り搬送ベルト面と直交する中心線をずらす方向は上側の回転部材と下側の回転部材が相対的にずれていればよく、例えば、上側の回転部材の始端側の中心を通り搬送ベルト面と直交する中心線位置に対して下側の回転部材の始端側の中心を通り搬送ベルト面と直交する中心線位置を搬送ベルトの回動方向下流側にずらす、或いはその逆の方向にずらすなど何れでもよい。尚、機長方向(搬送ベルトの回動方向)と直交する幅方向は、上下一致させることは言うまでもないことである。
そして、上記回転部材と回転体とからなる挟持手段の配置位置は、搬送ベルトの幅方向の範囲内であればよく、その配置する位置及び挟持手段の列数は搬送ベルトのベルト幅等に応じて適宜決定する。例えば、ベルト幅方向の両側部、或いはベルト幅の幅方向の中央部(請求項2)等、任意である。
又、本発明で言う搬送ベルトの復路側とは、一般的なベルトコンベヤにおける搬送物を載承して搬送する往路側の下方に位置する該往路側と略平行な戻り側だけでなく、搬送ベルトが略三角形状に巻回されたものにあっては往路面以外の二辺を復路側といい、要は搬送物を載承して搬送に供する面以外の全ての部分を意味する。
更に、回転部材に取り付ける吸着部材の個数は任意で、回転部材に対する吸着部材の取付個数が多ければ搬送ベルトを挟持する力が増大し、吸着部材の取付個数が少なければ搬送ベルトを挟持する力が弱くなる。従って、吸着部材の取付個数は、前記した挟持手段の列数とにより増減し決定する。
そして、搬送ベルトを挟持する上側の回転部材を巻回保持する回転体の中心の位置と、下側の回転部材を巻回保持する回転体の中心の位置が搬送ベルト面と直交する同一直線上になく、搬送ベルトの回動方向に相対的にずれている為、上側の回転部材に取り付けられた吸着部材(磁石)と下側の回転部材に取り付けられた吸着部材(磁石)が吸着し合う位置は、一方の回転部材が水平移動する区間(回転部材を巻回保持する始端側と終端側の回転体の中心間の範囲)内となる。それにより、磁石同士の吸着は、水平移動する一方の磁石に対して他方の磁石は回転体の外周を円軌道で移動しながら前記水平移動に合流し、対向する磁石同士が吸着する。従って、上下の磁石が上下の回転体の中心を結ぶ直線上で吸着し合う従来構造に対して、本発明は上下何れか一方の磁石だけが吸着方向に移動して吸着し合うため、吸着時に生じる衝突音は低く、又回転部材の振動音も少なくなる。
この場合、搬送ベルトの復路側と床面との間の空間は、少なくとも搬送ベルトの往路側と復路側との間の空間に比べて広く開放されているため、駆動源を備えた下側の挟持手段の大きさは制約を受けることなく構成でき、配置についても制約されること無く取り付けることが出来る。
その場合は、駆動源の保守点検、及び回転部材の交換等を容易に行なうことができると共に、搬送ベルトの着脱交換を簡単に行なうことができる。
又、請求項2記載の構成により、駆動源等をフレーム幅の範囲内に配置でき、フレーム外方への突出物を少なくしたコンベヤ、例えば搬送ベルト幅とフレーム幅を同一にしたコンベヤを構成することができる。
更に、請求項3記載の構成により、駆動源を備えた下側の挟持手段の大きさは制約を受けることなく構成でき、配置場所について制約されること無く取り付けることが出来る。
また、請求項4記載の構成により、駆動源の保守点検、及び回転部材の交換等を容易に行なうことができると共に、搬送ベルトの着脱交換を簡単に行なうことができ、搬送ベルトを洗浄し、清潔に保つことができる。
図1乃至図4は、下側の回転部材が駆動タイプで且つフレームに対して着脱可能に構成したベルトコンベヤを示し、図中、1はフレームで、アルミニウム材で成型した型材で構成され、そのフレーム1の機長方向両側にテールブラケット2,2’を介してテールローラ3,3’が回転可能に支持され、そのテールローラ3,3’に亘って無端状の搬送ベルト4が回転可能に巻回されている。
又、前記フレーム1は下面に脚部材5が取り付けられて水平に支持され、更に前記搬送ベルト4の復路側には該復路側のベルトを上下から挟持して搬送ベルトを回動する駆動機構Aが配置されている。
回転部材12に対する磁石13の取付は、矩形平板状の磁石13を樹脂製の磁石ホルダ14に内蔵し、その磁石ホルダ14は固定ブラケット15を用いて前記回転部材12に定着固定されている。
又、前記凸部14a,14bによって形成する差込溝は、回転部材12における歯の部分が嵌入する溝とし、それにより回転部材12に対して磁石ホルダ14が周方向に移動しないように構成されている。尚、凸部14a,14bは回転体11,11’の歯無しプーリ11bに対する回転部材(タイミングベルト)12の巻回に支障とならない幅とし、この凸部14a,14bが回転体11,11’の歯無しプーリ11bの側縁に係合することで、回転部材12が前記歯無しプーリ11bから外れるのが防止されている。
上記従動回転体23は、平面視略コ形に形成した軸受枠22に軸23aを横架固定し、軸受枠22の外側に突出する軸23aの両側部に軸受(図示省略)を介して歯無しプーリ23bが回転可能に取り付けられて構成されている。
回転部材24に対する磁石27の取付は、回転部材12に対する磁石13の取り付けと同様、矩形平板状の磁石27を樹脂製の磁石ホルダ28に内蔵し、その磁石ホルダ28は固定ブラケット29を用いて前記回転部材24に定着固定されている。尚、磁石ホルダ28及び固定ブラケット29の構成は、前記した磁石ホルダ14及び固定ブラケット15の構成と同じであるため説明は省略する。
即ち、駆動機構A’は、搬送ベルト33の搬送面(水平面)と略直角に交差する鉛直状の戻り側ベルト33aの内側に配置した駆動回転タイプの挟持手段A1’と、前記鉛直状の戻り側ベルト33aの外側(図面では右側)に配置した従動回転タイプの挟持手段A2’とで構成され、それぞれの挟持手段を構成する回転体の中心位置は、搬送ベルト33の戻り側ベルト33aに対し直交する同一直線上に位置しないようずらして配置されている。尚、挟持手段を構成する回転体、磁石を備えた回転部材の構成は前示実施例と同じであるため説明は省略する。
(1)図示の実施例は回転部材として歯付ベルト(タイミングベルト)を使用しているが、チェーンでもよく、その場合チェーンに対する磁石の取付は該チェーンを構成するリンクプレート等を利用して取り付ける。尚、その場合、回転体はスプロケットを使用する。
(2)搬送ベルトを挟持して回動する挟持手段を構成する磁石を備えた回転部材は、固体の磁石を取り付けた形態に限らず、磁石を歯付ベルトに練り込み、吸着作用が生じるように着磁したものでもよい。
(3)図示の実施例は折り返し部材としてローラを示したが、これに限定されず、平板状部材(ナイフエッジ)でもよい。
(4)実施例では一対の回転部材を2列としたが、搬送ベルト幅に応じ1列でも、又は3列以上の多列としてもよい。
(5)1本の回転部材24に、N極、S極を交互に配列した場合、駆動手段をギヤモータ20に代えて、回転部材24に非接触に対向したリニアモータによって駆動させてもよい。
4…搬送ベルト 4b…搬送ベルトの復路側
A…駆動機構 A1…上側の挟持手段
A2…下側の挟持手段 11,11’…回転体
12…回転部材 13…磁石
21…駆動回転体 23…従動回転体
24…回転部材 27…磁石
Claims (4)
- フレームの機長方向両側に配置した折り返し部材に亘って巻回した搬送ベルトの復路側を、外周面に磁力による吸着作用を生じる吸着部材を周方向に間隔をおいて取り付けた一対の無端回動する回転部材の吸着作用で上下より挟持し、その無端回動する一対の回転部材の少なくとも片方を駆動回転することにより搬送ベルトを前記一対の回転部材で挟持回動させるベルトコンベヤにおいて、
前記搬送ベルトの復路側を挟持する上側の回転部材を巻回保持する回転体の中心を通り搬送ベルト面と直交する中心線と、下側の回転部材を巻回保持する回転体の中心を通り搬送ベルト面と直交する中心線とを、搬送ベルトの回動方向に相対的にずらして配置したことを特徴とするベルトコンベヤ。 - 前記上下一対の回転部材は、搬送ベルトのベルト幅の幅方向中央部を挟持するよう配置されていることを特徴とする請求項1記載のベルトコンベヤ。
- 前記下側の回転部材が駆動回転し、上側の回転部材は該下側の回転部材との吸着により従動回転する請求項1又は2記載のベルトコンベヤ。
- 前記下側の駆動回転する回転部材及び駆動源が、搬送ベルトを巻回保持したフレームに対して着脱可能となっていることを特徴とする請求項3記載のベルトコンベヤ。
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