JPH0596853A - 可逆的感熱記録媒体 - Google Patents

可逆的感熱記録媒体

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JPH0596853A
JPH0596853A JP3290820A JP29082091A JPH0596853A JP H0596853 A JPH0596853 A JP H0596853A JP 3290820 A JP3290820 A JP 3290820A JP 29082091 A JP29082091 A JP 29082091A JP H0596853 A JPH0596853 A JP H0596853A
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JP
Japan
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group
color
acid
carbon atoms
thermosensitive recording
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JP3290820A
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English (en)
Inventor
Eiichi Kawamura
栄一 川村
Hiroshi Goto
寛 後藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 発色剤と顕色剤との間の反応を利用した可逆
的感熱記録媒体において、従来技術に見られる問題点を
解決し、その発色と消色を加熱のみで容易に行わせるこ
とができ、しかもその発色状態と消色状態を常温におい
て保持することが可能で、かつ消色温度が発色温度より
も低く、その上、画像の形成及び消去を温度変化により
何度も問題なく繰返すことのできる感熱記録媒体を提供
する。 【構成】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化合物
を含有するとともに、加熱溶融により発色記録状態を形
成し、発色記録温度よりも低い温度の加熱により記録の
消えた消色状態を形成する可逆的感熱記録層を備えた可
逆的記録媒体において、該感熱記録層にあるいは該感熱
記録層の上に設けたオーバーコート層に高分子カオチン
系導電剤を含有させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子供与性呈色性化合
物と電子受容性化合物との間を発色反応を利用した可逆
的感熱記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】従来、電子供与性呈色性化
合物(以下、発色剤とも言う)と電子受容性化合物(以
下、顕色剤とも言う)との間の発色反応を利用した感熱
記録媒体は広く知られ、電子計算機のアウトプット、フ
ァクシミリ、自動券売機、科学計測機のプリンター、C
RT医療計測用プリンター等に広範囲に応用されてい
る。しかし、従来の製品は、いずれも、その発色が不可
逆的なもので、発色と消色を交互に繰返し行わせること
はできない。
【0003】一方、特許公報によれば、発色剤と顕色剤
との間の発色反応を利用した感熱記録媒体において、発
色と消色を可逆的に行わせるものもいくつか提案されて
いる。例えば、特開昭60−193691号によれば、
顕色剤として没食子酸とフロログルシノールとの組合せ
を用いたものが示されている。このものを熱発色させて
得られる発色体は水又は水蒸気で消色するものである。
しかし、この感熱記録媒体の場合、その耐水化に困難が
伴う上に、記録保存性に難点があり、さらに発色体を消
色させるための消色装置が大型になるという問題があ
る。特開昭61−237684号には、顕色剤にフェノ
ールフタレン、チモールフタレン、ビスフェノール等の
化合物を用いた書換形光記録媒体が示されている。この
ものは、これを加熱し、徐冷することにより発色体を形
成し、一方、発色体を発色濃度よりもいったん高い温度
に加熱した後、急冷することにより消色させることがで
きる。しかし、この記録媒体の場合、その発色及び消色
の工程が複雑である上、発色体を消色させて得られる消
色体に未だ幾分の着色が見られ、コントラストの良い発
色画像を得ることができない。特開昭62−14088
1号、特開昭62−138568号及び特開昭62−1
38556号には、発色剤と顕色剤とカルボン酸エステ
ルの均質相溶体が示されている。このものは低温で完全
着色状態、高温で完全消色状態を示し、それらの中間温
度で着色又は消色状態を保持させることができるもの
で、この媒体にサーマルヘッドで印字することにより、
着色地肌(発色体)の上に白色文字(消色体)を記録す
ることができる。従って、この記録媒体の場合、記録さ
れる画像がネガ画像であることから、その用途が限定さ
れる上、記録画像の保存のために画像を特定の温度範囲
内に保持する必要がある。特開平2−188294号及
び特開平2−188293号には、それぞれ、顕色剤と
して、顕色作用と減色作用を可逆的に行う没食子酸と高
級脂肪族アミンとの塩及びビス(ヒドロキシフェニル)
酢酸又は酪酸と高級脂肪族アミンとの塩を用いたものが
示されている。このものは、特定温度域で熱発色させ、
それより高温での加熱により消色させることができる
が、その顕色作用と減色作用とは競争的に起るため、こ
れらの作用を熱的に制御することがむつかしく、良好な
画像コントラストが得られにくい。以上のように、発色
剤と顕色剤との反応を利用した従来の可逆的感熱記録媒
体は種々の問題点を含み、未だ不満足のものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、発色剤と顕
色剤との間の反応を利用した可逆的感熱記録媒体におい
て、従来技術に見られる前記問題点を解決し、その発色
と消色を加熱のみで容易に行わせることができ、しかも
その発色状態と消色状態を常温において保持することが
可能で、かつ消色温度が発色温度よりも低く、その上、
画像の形成及び消去を温度変化により何度も問題なく繰
返すことのできる感熱記録媒体を提供することをその課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。
【0006】すなわち本発明者らは、電子供与性呈色性
化合物と電子受容性化合物を含有するとともに、加熱溶
融により常温で安定な発色記録状態を形成し、発色記録
温度よりも低い温度に加熱することで溶融時の記録を消
し、常温で安定な消色状態を形成する可逆的感熱記録層
を持つ可逆的感熱記録媒体を開発したが、該記録媒体に
おいて記録層は絶縁体に近いため静電気を帯びやすく、
フィルムシート上に記録層を形成させた本発明者らの可
逆的感熱記録媒体では、摩擦帯電によってシート状の記
録媒体が互いに貼り付いてしまい、取扱に不都合を生じ
ることがあった。本発明はこの新規な可逆的感熱記録媒
体に帯電防止を施すことをねらったものであり、本発明
の可逆的感熱記録媒体は記録層中に帯電防止剤を含有さ
せるか、あるいは記録層の上に帯電防止剤を含むオーバ
ーコート層を設けることによって帯電防止機能を与え
る。なお、本発明でオーバーコート層を設けた場合は、
帯電防止機能のほかスティック防止機能や加筆性も付与
されるし、オーバーコート層に光安定剤を加えることに
よる耐光性改善や、耐薬品性や耐水性の高い素材でオー
バーコート層を形成することで該オーバーコート層に保
護層の役割を兼備させることも可能であり、オーバーコ
ート層の利点は大きい。
【0007】本発明の感熱記録媒体は、加熱により瞬時
に発色し、その発色状態は常温においても安定的に存在
し、一方、発色状態にある記録層は、これを発色温度以
下の加熱により瞬時に消色し、その消去状態は常温にお
いても安定的に存在するものである。
【0008】本発明の感熱記録媒体の発色と消色、即ち
画像形成と画像消去の原理を図1に示したグラフによっ
て説明する。グラフの縦軸は発色濃度を表わし、横軸は
温度を表わしており、実線1は加熱による画像形成過程
を、破線3は加熱による画像消去過程を示したものであ
る。Aは完全消去状態における濃度であり、BはT1
上の温度に加熱した時の完全発色状態における濃度であ
り、Cは完全発色状態のT0以下の温度における濃度で
あり、DはT0〜T1間の温度で加熱消去した時の濃度を
示している。
【0009】本発明の感熱記録媒体は、T0以下の温度
においては無色の状態(A)にある。記録を行うにはサ
ーマルヘッド等によりT1以上の温度に加熱することに
より発色(B)して記録画像を形成する。この記録画像
は実線2に従ってT0以下の温度に戻しても、そのまま
の状態(C)を保持しており記録のメモリー性は失われ
ない。
【0010】次に記録画像の消去を行うには、形成され
た記録画像を発色温度よりも低いT0〜T1間の温度に加
熱することによって無色の状態(D)になる。この状態
はT0以下の温度に戻しても、そのままの無色の状態
(A)を保持している。即ち記録画像の形成過程は実線
ABCの経路によりCに至り記録が保持される。次に記
録画像の消去過程は破線CDAの経路によりAに至り消
去状態が保持される。この記録画像の形成と消去の挙動
特性は可逆性を有し何回も繰り返し行うことができる。
【0011】図2は画像形成及び画像消去の一例を示し
た説明図であって、1は支持体、2は本発明の可逆的感
熱記録層である。画像形成工程(A)→(B)は画像形
成用熱源、例えばサーマルヘッド4によって図1のT1
以上の温度で記録印字を行うことによって達成される。
次に画像消去工程(B)→(A)は画像消去熱源、例え
ば加熱ローラー5によってT0〜T1間の温度に加熱する
ことにより達成される。図2において、3は発色画像を
示す。
【0012】本発明の可逆的感熱記録媒体は、発色剤と
顕色剤を必須成分としている。そして、発色剤と顕色剤
の加熱溶融により発色状態を形成し、一方、発色温度よ
りも低い温度の加熱により発色状態は消去され、発色状
態及び消色状態が常温で安定的に存在するものである。
本発明の感熱記録媒体におけるこのような発色と消色の
機構は、発色剤と顕色剤を発色温度で加熱溶融混合した
時に、発色剤と顕色剤からなる組成物が非晶化して発色
状態を形成し、一方、発色温度よりも低い温度で加熱し
た時に、発色した組成物の顕色剤が結晶化して発色の消
去状態を形成する特性に基づくものである。
【0013】通常の発色剤と顕色剤、例えば、従来の感
熱記録紙に広く用いられている色素前駆体であるラクト
ン環を有するロイコ系化合物と顕色作用を示すフェノー
ル性化合物からなる組成物は、これを加熱によって溶融
混合させると、ロイコ化合物のラクトン環の開環に基づ
く発色状態となる。この発色状態は両者が相溶した非晶
質状態を呈している。この発色した非晶質状態は常温で
安定的に存在するが、再び加熱を行っても結晶化は起こ
らず、フェノール性化合物のロイコ化合物からの分離が
ないためにラクトン環の閉環がなく消色はしない。
【0014】これに対して、本発明の発色剤と顕色剤か
らなる組成物も加熱によって溶融混合させた時に、発色
状態となり、従来の場合と同様に非晶質状態を呈し、常
温で安定的に存在する。しかし、本発明の場合は、この
発色した非晶質状態の組成物は、発色温度以下、即ち溶
融状態に至らない温度で加熱すると、顕色剤の結晶化が
起こり、発色剤との相溶状態による結合が保持できなく
なり、顕色剤が発色剤から分離する。そして、この顕色
剤の結晶化による発色剤からの分離により、顕色剤は発
色剤から電子を受容することができず、発色剤は消色す
るものと考えられる。
【0015】本発明の感熱記録媒体に見られる前記の特
異な発消色挙動は、発色剤と顕色剤との加熱溶融による
相溶性、発色状態での両者の作用の強さ、顕色剤の発色
剤に対する溶解能、顕色剤の結晶性等が関係している
が、原理的には、加熱溶融により非晶化し、一方、発色
温度よりも低い温度の加熱により結晶化する発色剤/顕
色剤系であれば、本発明の記録層成分として利用し得る
ものである。さらに、この様な特性を有するものは、熱
分析において溶融による吸熱変化と、結晶化による発熱
変化を示すことから、本発明に適用し得る発色剤/顕色
剤系は、熱分析により容易に確認することができる。ま
た、本発明の記録層には、第三物質が存在してもかまわ
ず、例えば、高分子物質が存在してもその可逆的な消発
色挙動が保持されることが確認された。
【0016】本発明で用いられる発色剤は、電子受容性
を示す化合物であり、それ自体無色あるいは淡色の染料
前駆体であり、特に限定されず、従来公知のもの、例え
ば、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン
系化合物、フェノチアジン系化合物、ロイコオーラミン
系化合物、ローダミンラクタム系化合物、スピロピラン
系化合物、インドリノフタリド系化合物等がある。
【0017】本発明で用いられる特に好ましい発色剤
は、置換基としてハロゲンを含有するものである。この
ようなものとしては、例えば、以下のものが挙げられ
る。 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ク
ロルフタリド、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロル
フルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−ブロモフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロルフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−7−ブロモフルオラン、3−
ジプロピルアミノ−7−クロルフルオラン、3−ジエチ
ルアミノ−6−クロル−7−フェニルアミノ−フルオラ
ン、3−ピロリジノ−6−クロル−7−フェニルアミノ
−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロル−7−
(m−トリフロロメチルフェニル)アミノ−フルオラ
ン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロル−7−(o
−クロルフェニル)アミノ−フルオラン、3−ジエチル
アミノ−6−クロル−7−(2′,3′ジクロルフェニ
ル)アミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−クロルフルオラン、3−ジブチルアミノ−6
−クロル−7−エトキシエチルアミノ−フルオラン、3
−ジエチルアミノ−7−(o−クロルフェニル)アミノ
−フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−ブロモ
フェニル)アミノ−フルオラン、3−ジエチルアミノ−
7−(o−クロルフェニル)アミノ−フルオラン、3−
ジブチルアミノ−7−(o−フルオロフェニル)アミノ
−フルオラン、6′−ブロモ−3′−メトキシベンゾイ
ンドリノ−ピリロスピラン、3−(2′−メトキシ−
4′−ジメチルアミノフェニル)−3−(2′−ヒドロ
キシ−4′−クロル−5′−クロルフェニル)フタリ
ド、3−(2′−ヒドロキシ−4′−ジメチルアミノフ
ェニル)−3−(2′−メトキシ−5′−クロルフェニ
ル)フタリド、2−{3,6−ビス(ジエチルアミ
ノ)}−9−(o−クロルフェニル)アミノ−キサンチ
ル安息香酸ラクタム、3−N−エチル−N−イソアミル
アミノ−7−クロルフルオラン、3−ジエチルアミノ−
6−メチル−7−m−トリフロロメチルアニリノフルオ
ラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−m−トリフロ
ロメチルアニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシ
ル−N−メチル)アミノ−6−メチル−7−m−トリフ
ロロメチルアニリノフルオラン、3−モルホリノ−7−
(N−n−プロピル−N−m−トリフロロメチルフェニ
ル)アミノフルオラン。
【0018】本発明で用いるよりに好ましい発色剤は、
次の一般式(1)で示される化合物である。
【0019】
【化1】
【0020】(但し、R1は水素原子又は炭素数1〜4
のアルキル基、R2は水素原子又は置換されていてもよ
いアミノ基、Xは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基
又はフェニルアミノ基、Yは水素原子、炭素数1〜4の
アルキル基又は炭素数1〜2のアルコキシ基、m及びn
は1又は2の整数を表わす)
【0021】この一般式(1)で示される化合物の具体
例を示すと、例えば、以下のものが例示される。 3−(N−メチル−N−フェニルアミノ)−7−アミノ
−フルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミ
ノ)−7−アミノ−フルオラン、3−(N−プロピル−
N−フェニルアミノ)−7−アミノ−フルオラン、3−
{N−メチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−
7−アミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p
−メチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラ
ン、3−{N−プロピル−N−(p−メチルフェニル)
アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−メチル
−N−(p−エチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−エチルフェ
ニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−
プロピル−N−(p−エチルフェニル)アミノ}−7−
アミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−(2',
4'−ジメチルフェニル)アミノ}−7−アミノ−フル
オラン、3−{N−エチル−N−(2',4'−ジメチル
フェニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−
{N−プロピル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)
アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−メチル
−N−(p−クロルフェニル)アミノ}−7−アミノ−
フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−クロルフェ
ニル)アミノ}−7−アミノ−フルオラン、3−{N−
プロピル−N−(p−クロルフェニル)アミノ}−7−
アミノ−フルオラン、3−(N−メチル−N−フェニル
アミノ)−7−メチルアミノ−フルオラン、3−(N−
エチル−N−フェニルアミノ)−7−メチルアミノ−フ
ルオラン、3−(N−プロピル−N−フェニルアミノ)−
7−メチルアミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N
−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−エチルアミノ
−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフ
ェニル)アミノ}−7−ベンジルアミノ−フルオラン、
3−{N−メチル−N−(2',4'−ジメチルフェニ
ル)アミノ}−7−メチルアミノ−フルオラン、3−
{N−エチル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)ア
ミノ}−7−エチルアミノ−フルオラン、3−{N−メ
チル−N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ}−
7−ベンジルアミノ−フルオラン、3−{N−エチル−
N−(2',4'−ジメチルフェニル)アミノ}−7−ベ
ンジルアミノ−フルオラン、3−(N−メチル−N−フ
ェニルアミノ)−7−ジメチルアミノ−フルオラン、3
−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−7−ジメチルア
ミノ−フルオラン、3−{N−メチル−N−(p−メチ
ルフェニル)アミノ}−7−ジエチルアミノ−フルオラ
ン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)ア
ミノ}−7−ジエチルアミノ−フルオラン、3−(N−
メチル−N−フェニルアミノ)−7−ジプロピルアミノ
フルオラン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−
7−ジプロピルアミノフルオラン、3−{N−メチル−
N−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−ジベンジル
アミノ−フルオラン、3−{N−エチル−N−(p−メ
チルフェニル)アミノ}−7−ジベンジルアミノ−フル
オラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニ
ル)アミノ}−7−ジ(p−メチルベンジル)アミノ−
フルオラン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェ
ニル)アミノ}−7−アセチルアミノ−フルオラン、3
−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}
−7−ベンゾイルアミノ−フルオラン、3−{N−メチ
ル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−7−(o−
メトキシベンゾイル)アミノ−フルオラン、3−{N−
エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メ
チル−7−フェニルアミノ−フルオラン、3−{N−メ
チル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−メチ
ル−7−フェニルアミノ−フルオラン、3−{N−メチ
ル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−6−t−ブ
チル−7−(p−メチルフェニル)アミノ−フルオラ
ン、3−(N−エチル−N−フェニルアミノ)−6−メ
チル−7−(N−エチル−N−(p−メチルフェニル)
アミノ−フルオラン、3−{N−プロピル−N−(p−
メチルフェニル)アミノ}−6−メチル−7−{N−メ
チル−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−フルオラ
ン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)ア
ミノ}−5−メチル−7−ベンジルアミノ−フルオラ
ン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)ア
ミノ}−5−クロロ−7−ジベンジルアミノ−フルオラ
ン、3−{N−メチル−N−(p−メチルフェニル)ア
ミノ}−5−メトキシ−7−ジベンジルアミノ−フルオ
ラン、3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)
アミノ}−6−メチル−フルオラン、3−{N−エチル
−N−(p−メチルフェニル)アミノ}−5−メトキシ
−フルオラン等。
【0022】本発明で好ましく用いられる他の発色剤は
次の一般式(2)で示される。
【0023】
【化2】
【0024】(但し、R3は炭素数1〜12のアルキル
基、環状アルキル基、アルコキシアルキル基、アリル
基、アリール基、R4は炭素数1〜12のアルキル基、
アルコキシアルキル基、アリル基を表す) この一般式(2)で示されるものの具体例を以下に示
す。 3−ジエチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−
ベンゾフルオラン 3−(N−エチル−N−n−オクチルアミノ)−7,8
−ベンゾフルオラン 3−N,N−ジブチルアミノ−7,8−ベンゾフルオラ
ン 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−7,
8−ベンゾフルオラン 3−(N−エチル−N−P−メチルフェニルアミノ)−
7,8−ベンゾフルオラン 3−N,N−ジアリルアミノ−7,8−ベンゾフルオラ
ン 3−(N−エトキシエチル−N−エチルアミノ)−7,
8−ベンゾフルオラン
【0025】次に、本発明で好ましく用いられる顕色剤
を例示すると以下の通りであるが、前記のように、本発
明に適用できる顕色剤は熱分析により容易に知見し得る
ので、それらのものに限定されるものでないことは明ら
かであろう。 (1)下記一般式(3)で示される有機リン酸化合物 R5−PO(OH)2 (3) (但し、R5は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状のア
ルキル基又はアルケニル基を表わす) この有機リン酸化合物の具体例としては、例えば、以下
のものが挙げられ。オクチルホスホン酸、ノニルホスホ
ン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、テトラ
デシルホスホン酸、ヘキサデシルホスホン酸、オクタデ
シルホスホン酸、エイコシルホスホン酸、ドコシルホス
ホン酸、テトラドコシルホスホン酸等。
【0026】(2)下記一般式(4)で示されるα−位
炭素に水酸基を有する有機酸 R6−CH(OH)COOH (4) (但し、R6は炭素数6〜28の直鎖状又は分枝状のア
ルキル基又はアルケニル基を表わす) このα−位炭素に水酸基を有する有機酸の具体例として
は、例えば、以下のものが挙げられる。 α−ヒドロキシオクタノイック酸、α−ヒドロキシドデ
カノイック酸、α−ヒドロキシテトラデカノイック酸、
α−ヒドロキシヘキサデカノイック酸、α−ヒドロキシ
オクタデカノイック酸、α−ヒドロキシペンタデカノイ
ック酸、α−ヒドロキシエイコサノイック酸、α−ヒド
ロキシドコサノイック酸等。
【0027】(3)下記一般式(5)で示される二塩基
(但し、R7は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状のア
ルキル基又はアルケニル基、Zは酸素原子又はイオウ原
子、mは0、1又は2の整数を表す) 一般式(5)で示される二塩基酸の具体例として以下の
ものが挙げられる。オクチルコハク酸、デシルコハク
酸、ドデシルコハク酸、テトラデシルコハク酸、ヘキサ
デシルコハク酸、オクタデシルコハク酸、エイコシルコ
ハク酸、ドコシルコハク酸、テトラドコシルコハク酸、
オクチルリンゴ酸、デシルリンゴ酸、ドデシルリンゴ
酸、テトラデシルリンゴ酸、ヘキサデシルリンゴ酸、オ
クタデシルリンゴ酸、エイコシルリンゴ酸、ドコシルリ
ンゴ酸、テトラドコシルリンゴ酸、オクチルチオリンゴ
酸、デシルチオリンゴ酸、ドデシルチオリンゴ酸、テト
ラデシルチオリンゴ酸、ヘキサデシルチオリンゴ酸、オ
クタデシルチオリンゴ酸、エイコシルチオリンゴ酸、ド
コシルチオリンゴ酸、テトラドコシルチオリンゴ酸、オ
クチルジチオリンゴ酸、デシルジチオリンゴ酸、ドデシ
ルジチオリンゴ酸、テトラデシルジチオリンゴ酸、ヘキ
サデシルジチオリンゴ酸、オクタデシルジチオリンゴ
酸、エイコシルジチオリンゴ酸、ドコシルジチオリンゴ
酸、テトラドコシルジチオリンゴ酸等。
【0028】(4)下記一般式(6)で示される二塩基
(但し、R8は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状のア
ルキル基又はアルケニル基、R9は水素原子又は炭素数
1〜30のアルキル基を示す) この一般式(6)で示される二塩基酸の具体例として以
下のものが挙げられる。オクチルマロン酸、デシルマロ
ン酸、ドデシルマロン酸、テトラデシルマロン酸、ヘキ
サデシルマロン酸、オクタデシルマロン酸、エイコシル
マロン酸、ドコシルマロン酸、テトラドコシルマロン
酸、ジオクチルマロン酸、ジデシルマロン酸、ジドデシ
ルマロン酸、ジテトラデシルマロン酸、ジヘキサデシル
マロン酸、ジオクタデシルマロン酸、ジエイコシルマロ
ン酸、ジドコシルマロン酸、メチルオクタデシルマロン
酸、メチルエイコシルマロン酸、メチルドコシルマロン
酸、メチルテトラドコシルマロン酸、エチルオクタデシ
ルマロン酸、エチルエイコシルマロン酸、エチルドコシ
ルマロン酸、エチルテトラドコシルマロン酸等。
【0029】(5)下記一般式(7)で表わされるフェ
ノール化合物
【化3】 (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖状または分岐状のア
ルキル基またはアルケニル基を表す) この一般式(7)で示されるフェノール化合物の具体例
としては、以下のものが挙げられる。 P−(オクチルチオ)フェノール、P−(ノニルチオ)
フェノール、P−(デシルチオ)フェノール、P−(デ
シルチオ)フェノール、P−(ドデシルチオ)フェノー
ル、P−(テトラデシルチオ)フェノール、P−(ヘキ
サデシルチオ)フェノール、P−オクタデシルチオ)フ
ェノール、P−(エイコシルチオ)フェノール、P−
(ドコシルチオ)フェノール、P−テトラドコシルチ
オ)フェノール等。
【0030】本発明において、顕色剤は単独もしくは二
種以上混合して適用される。また、発色剤についても同
様に単独もしくは二種以上混合して適用することができ
る。この場合、発色剤及び顕色剤は、そのまま或いはマ
イクロカプセルにより内包して用いることができる。
【0031】本発明の感熱記録媒体は、感熱記録層上に
高分子カチオン系導電剤を含有させるか、あるいは感熱
記録層の上に高分子カチオン系導電剤を含むオーバーコ
ート層を設けることによって得られる。本発明に用いる
高分子カチオン系導電剤は従来公知の物質であり、アミ
ノ基を持つ高分子化合物のアミノ基を第4級アンモニウ
ム基に転換した形の化合物であるが、第4級アンモニウ
ム基を持つオレフィン性不飽和単量体と、他の不飽和単
量体を共重合して製造するのが一般的である。この場
合、第4級アンモニウム基を持つオレフィン性不飽和誘
導体としては下記一般式(8)で示される化合物ビニル
ベンジン系モノマー、ジアルキルジアリル系ビニルモノ
マー、ビニルモノマーの第4級化合物などが使用され
る。
【0032】
【化4】 この一般式で示した化合物のR1は水素またはメチル
基、Aは炭素数1〜4のアルキル基またはヒドロキシア
ルキレン基、R2及びR3は炭素数1〜4のアルキル基ま
たは炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、R4は炭素
数1〜4のアルキル基または炭素数2〜4のヒドロキシ
アルキル基あるいは炭素数2〜4のアラルキル基であ
る。また、X-は対アニオンを示し、Cl-やBr-のよ
うなハロゲンイオンのほか、メチル硫酸イオンCH3
SO3 -、エチル硫酸イオンC25OSO3 -、ヒドロ硫酸
イオンHSO4 -、ジヒドロリン酸イオンH2PO4 -、酢
酸イオンCH3COO-、メチル亜硫酸イオンCH3SO3
-、亜硫酸イオンNO2 -などが好適な対アニオンである
が、特に好ましいものはCl-、Br-、CH3OS
3 -、C25OSO3 -、およびHSO4 -である。以上に
示した置換基又は対アニオンで構成される一般式の化合
物のうち、特に好ましい化合物を具体的に例示すると表
1のような置換基及び対アニオンが例示されるが、これ
ら化合物に限定されるものではない。
【表1】
【0033】前記一般式(8)で示した化合物以外の化
合物についても特に好ましい化合物を具体的に示すと、
ビニルベンジル系モノマーとしてはビニルベンジルトリ
メチルアンモニウムクロライドのようなビニルベンジル
トリアルキルアンモニウム塩を、ジアルキルジアリル系
ビニルモノマーとしてはジメチルジアリルアンモニウ傷
ムクロライドのようなジアルキルジアリルアンモニウム
塩を、ビニルモノマーの第4級化合物としてはビニルイ
ミダゾリンやビニルピリジンの第4級化合物を例示する
ことができる。
【0034】以上に示した第4級アンモニウム基を持つ
オレフィン性不飽和単量体と共重合される不飽和単量体
としては、各種ビニルモノマーが用いられる。すなわ
ち、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、クロ
トン酸アルキル、イタコン酸モノ(又はジ)アルキル等
の不飽和アルキルエステル類、スチレン、メチルスチレ
ン、クロルスチレン等の芳香族不飽和単量体類、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル
類、エチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のオレフ
ィン及びハロオレフィン類、酢酸ビニル、ビニルバサテ
ート等のビニルエステル類等である。このほか不飽和単
量体としてアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の
不飽和酸、不飽和酸アミド、不飽和酸アミドのN−メチ
ロール化物、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートなどの官能基を持つ
不飽和単量体を使用することもできる。
【0035】前記第4級アンモニウムを持つオレフィン
性不飽和単量体(A)と不飽和単量体(B)との共重合
体において、単量体(A)の使用割合は5〜95重量、
好まマくは10〜60重量であり、単量体(B)の使用
割合は95〜5重量%、好ましくは90〜40重量%で
ある。単量体(A)の使用割合が5重量%より少なくな
ると高分子の導電性が劣り、95重量%を越えるように
なると高分子の皮膜強度が弱くなる。共重体の数平均分
子量は2,000〜150,000、好ましくは10,
000〜100,000である。数平均分子量が2,0
00より小さくなると高分子の皮膜強度が弱くなり、1
50,000を越えるようになると高分子溶液の粘度が
高くなり、塗布作業性が悪くなる。なお、以上のような
共重合体からなる高分子カチオン系導電剤として市販さ
れているものを用いることもできる。例えば、エレコン
ド508(綜研化学(株))、ケミスタット(630
0、8800、5500)(三洋化成(株))、コンダ
クティブポリマーC−280(カルゴン社)、ゴーセイ
ファイマーC−760(日本合成(株))等の市販され
ているものを用いることができる。高分子カチオン系導
電剤を感熱記録層自体に混入する場合は、その添加量は
一般に1〜20重量%好ましくは3〜15重量%であ
る。
【0036】本発明における記録層は、発色剤と顕色剤
を、あるいは発色剤と顕色剤に高分子カチオン系導電剤
を加え、バインダーと共に水、又は有機溶剤により均一
に分散もしくは溶解して、これを支持体上に塗布するこ
とによって得られる。バインダーとしては慣用の種々の
バインダーを適宜用いることができ、例えばポリビニー
ルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、メトキシセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、酢酸セルロース、ゼラチン、カゼイン、澱粉、ポ
リアクリル酸ソーダ、ポビニールピロリドン、ポリアク
リルアミド、マレイン酸共重合体、アクリル酸共重合
体、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル
類、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、スチレン共重合
体、ポリエステル、ポリウレタン等がある。本発明では
必要に応じて、塗布特性或いは記録特性の向上を目的
に、通常の感熱記録紙に用いられている種々の添加剤、
例えば分散剤、界面活性剤、填料、発色画像安定剤、酸
化防止剤、光安定化剤、滑剤等を記録層に加えることも
出来る。
【0037】本発明においては、さらに、前記の感熱記
録層と支持体との間に、中空体微粒子を含む断熱層を介
在させることができる。断熱層に含まれる中空体微粒子
は、それを支持体に塗工する以前に既に中空体構造を持
っているものでもよく、あるいは塗工時に加熱発泡させ
て中空体構造としたものであってもよい。微小中空体と
しては、ガラス、セラミックス、プラスチックス等の種
々の材質で形成された微小中空体がある。加熱発泡性の
微小中空体としては発泡性プラスチックフィラーが用い
られる。発泡性プラスチックフィラーは、熱可塑性物質
を殻とし、内部に低沸点溶剤を含有する中空状のプラス
チックフィラーであり、加熱により発泡する。発泡時の
粒子径は10〜100μm、好ましくは10〜50μm
である。このプラスチックフィラーの殻となる熱可塑性
樹脂としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリアクリルニトリル、ポリブタジエン、或いはそ
れらの共重合体等が挙げられる。また殻内に含まれる発
泡剤としては、プロパンやイソブタン等がある。微小中
空体はバインダーと共に支持体に塗工されるが、その微
小中空体の塗布量は1g/m2以上好ましくは2〜5g
/m2程度である。バインダーとしては慣用の種々のバ
インダーを適宜用いることができ、その具体例として
は、前記感熱記録層に関して示したものを挙げることが
できる。
【0038】本発明の感熱記録媒体の基体は使用目的に
より、紙、合成紙、プラスチックフィルム或いはそれら
の複合物であってもよく特に限定されない。記録画像の
形成は、使用目的によって熱ペン、サーマルヘッド、レ
ーザー加熱等特に限定されない。同様に記録画像の消去
も加熱ローラー、面状発熱体、恒温槽、温風、サーマル
ヘッド等消去の温度条件が与えられるものであれば特に
限定はされない。また、記録画像を消去温度に設定した
サーマルヘッドにより消去しながら、同時に記録温度に
設定した別のサーマルヘッドにより記録画像の形成を行
う所謂オーバーライトも可能である。
【0039】本発明においては、耐薬品性、耐水性、耐
摩擦性、耐光性及びヘッドマッチング性にすぐれる感熱
記録媒体を得るために、記録層の上面に保護層を設ける
こともできる。この保護層には、水溶性高分子や疎水性
高分子化合物の水性エマルジョンを主体として形成され
た被膜や、紫外線硬化性樹脂又は電子線硬化性樹脂を主
体として形成した被膜等が包含される。このような保護
層の形成により、有機溶剤、可塑剤、油、汗、水等の接
触によっても、温度変化による画像の形成及び消去を問
題なく繰り返すことのできる記録媒体を得ることができ
る。また保護層中に光安定化剤を含有させることによ
り、画像及び地肌の耐光性が著しく改良された記録媒体
を得ることができ、さらに保護層に有機又は無機フィラ
ー及び滑剤を含有させることにより、サーマルヘッド等
との接触で生ずるスティッキングなどの問題もなく、信
頼性及びヘッドマッチング性にすぐれた感熱記録媒体を
得ることができる。
【0040】次に、本発明感熱記録媒体の保護層につい
て詳述する。本発明で用いる水溶性高分子及び高分子水
性エマルジョンは、その種類は制限されず、従来公知の
種々のものを用いることができ、水溶性高分子の具体例
としては、例えば、ポリビニルアルコール、変性ポリビ
ニルアルコール、澱粉及びその誘導体、セルロース誘導
体(メチルセルロース、メトキシセルロース、ヒドロキ
シエチルセルロース等)、カゼイン、ゼラチン、ポリビ
ニルピロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、
ジイソブチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリアクリ
ルアミド、変性ポリアクリルアミド、メチルビニルエー
テル−無水マレイン酸共重合体、カルボキシ変性ポリエ
チレン、ポリビニルアルコール/アクリルアミニブロッ
ク共重合体、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−
ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられ、又、水性エマルジ
ョンとしては、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタ
ン、スチレン/ブタジエン共重合体、スチレン/ブタジ
エン/アクリル系共重合体、ポリアクリル酸、ポリアク
リル酸エステル、塩化ビニル、酢酸ビニル共重合体、ポ
リブチルメタクリレート、エチレン/酢酸ビニル共重合
体等が挙げられる。これらは、単独もしくは混合して使
用され、更に必要に応じては硬化剤を添加して樹脂を硬
化させても良い。
【0041】また、本発明で用いる紫外線硬化性樹脂に
は、その種類は制限されず、従来公知の種々のものを用
いることができる。紫外線硬化性樹脂を使用する時に
は、溶剤等を使用する場合があるが、この場合の溶剤と
しては、例えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、クロロホルム、四塩化
炭素、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、トルエン、ベンゼン等の有機溶剤が挙
げられる。又、これらの溶剤の代わりに、取り扱いを容
易にするため反応性希釈剤として光重合性モノマーを使
用することができる。
【0042】光重合性モノマーとしては、2−エチルヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ブ
トキシエチルアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリット
トリアクリレート等が挙げられる。
【0043】保護層の形成に用いられる紫外線硬化性樹
脂としては紫外線照射により重合反応を起し、硬化して
樹脂となるモノマー又はオリゴマー(又はプレポリマ
ー)であれば全て使用できる。このようなモノマー又は
オリゴマーとしては(ポリ)エステルアクリレート、
(ポリ)ウレタンアクリレート、エポキシアクリレー
ト、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレ
ート等やメラミンアクリレートがある。(ポリ)エステ
ルアクリレートは1,6−ヘキサジオール、プロピレン
グリコール(プロピレンオキサイドとして)、ジエチレ
ングリコール等の多価アルコールとアジピン酸、無水フ
タル酸、トリメリット酸等の多塩基酸とアクリル酸とを
反応させたものである。その構造例を(a)〜(c)に
示す。
【0044】(a)アジピン酸/1,6−ヘキサジオー
ル/アクリル酸
【化5】 (b)無水フタル酸/プロピレンオキサイド/アクリル
【化6】 (c)トリメット酸/ジエチレングリコール/アクリル
【化7】
【0045】(ポリ)ウレタンアクリレートはトリレンジ
イソシアネート(TDI)のようなイソシアネートを基
を有する化合物にヒドロキシ基を有するアクリレートを
反応させたものである。その構造例を(d)に示す。
尚、HEAは2−ヒドロキシエチルアクリレート、HD
Oは1,6−ヘキサンジオール、ADAはアジピン酸の
略である。 (d)HEA/TDI/HDO/ADA/HDO/TD
I/HEA
【化8】
【0046】エポキシアクリレートは、構造から大別し
てビスフェノールA型、ノボラック型、脂環型とがあ
り、これらエポキシ樹脂のエポキシ基をアクリル酸でエ
ステル化し官能基をアクリロイル基としたものである。
その構造例を(e)〜(g)に示す。 (e)ビスフェノールA−エピクロルヒドリン型/アク
リル酸
【化9】 (f)フェノールノボラック−エピクロルヒドリン型/
アクリル酸
【化10】 (g)脂環型/アクリル酸
【化11】
【0047】ポリブタジエンアクリレートは、末端OH
基含有1,2ポリブタジエンにイシアネートや1,2−
メルカプトエタノール等を反応させてから、更にアクリ
ル酸等を反応させたものである。その構造例を(h)に
示す。 (h)
【化12】
【0048】シリコーンアクリレートは、例えば、有機
官能性トリメトキシシランとシラノール基含有ポリシロ
キサンとの縮合反応(脱メタノール反応)によりメタク
リル変性したものであり、その構造例を(i)に示す。 (i)
【化13】
【0049】保護層の塗工方法、塗工量に特別な制限は
ないが、塗工量については、保護層としての性能及び経
済性を考慮すると、記録媒体上に塗布厚が0.1〜20
μmの範囲、更に望ましくは塗布厚が0.5〜10μm
の範囲以内が、保護層としての性能が充分発揮され、記
録媒体の性能を落さない厚さ範囲である。更に、本発明
の感熱記録媒体の耐光性向上は、光安定化剤を保護層中
に含有させることにより達成される。本発明に使用され
る光安定化剤としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老
化防止剤、一重項酸素の消光剤、スーパーオキシドアニ
オンの消光剤が用いられる。
【0050】紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−
ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メ
トキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オク
トキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒド
ロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−
メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−
4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2,2′,1,
4′−テトラヒドロベンジフェノン、2−ヒドロキシ−
4−メトキシ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−オキシベンジルベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−5−クロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−
メトキシ−4′−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−4−n−ヘプトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキ
シ−3,6−ジクロル−4−メトキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−3,6−ジクロル−4−エトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2−ヒドロキシ−
3−メチルアクリルオキシ)プロポキシベンゾフェノン
などのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2′−ヒ
ドロキシ−5′−メチルフェノン)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジターシャ
リブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−
ヒドロキシ−3′−ターシャリブチル−5′−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ
−4′−オクトキシ)ベンゾトリアゾール、2−(2′
−ヒドロキシ−3′,5′−ジターシャリブチルフェニ
ル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3′−ター
シャリブチル−2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒド
ロキシ−5−エトキシフェニル)ベンゾトリアゾールな
どのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、フェニルサリ
シレート、P−オクチルフェニルサリシレート、P−タ
ーシャリ−ブチルフェニルサリシレート、カルボキシル
フェニルサリシレート、メチルフェニルサリシレート、
ドデシルフェジルサリシレートなどのサルチル酸フェニ
ルエステル系紫外線吸収剤、あるいはP−メトキシベン
ジリデンマロン酸ジメチルエステル、2−エチルヘキシ
ル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、
エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレー
ト、3,5−ジターシャリ−ブチル−P−ヒドロキシ安
息香酸、紫外線により転位してベンゾフェノンとなるレ
ゾシノールモノベンゾエート、2,4−ジターシャリブ
チルフェニル、3,5−ジターシャリ−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンゾエート等がある。
【0051】酸化防止剤、老化防止剤として例えば、
2,6−ジ−ターシャリ−ブチル−4−メチルフェノー
ル、2,4,6−トリターシャリ−ブチルフェノール、
スチレン化フェノール、2,2′−メチレンビス(4−
メチル−6−ターシャリ−ブチルフェノール)、4,
4′−イソプロピリデンビスフェノール、2,6−ビス
(2′−ヒドロキシ−3′−ターシャリ−ブチル−5′
−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、4,4′
−チオビス−(3−メチル−6−ターシャリ−ブチルフ
ェノール)、テトラキス−{メチレン(3,5−ジター
シャリ−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメー
ト)}メタン、パラヒドロキシフェニル−3−ナフチル
アミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキ
ノリン、チオビス(β−ナフトール)、メルカプトベン
ゾチアゾール、メルカプトベンズイミダゾール、アルド
ール−2−ナフチルアミン、ビス(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル)セパケート、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、
ジラウリル−3,3′チオジプロピオネート、ジステア
リル−3,3′−チオジブロミネート、トリス(4−ノ
ニルフェノール)ホスファイト等がある。
【0052】一重項酸素の消光剤としてはカロテン類、
色素類、アミン類、フェノール類、ニッケル錯体類、ス
ルフィド類等があるが、例えば、1,4−ジアザビシク
ロ(2,2,2)オクタン、β−カロテン、1,3−シ
クロヘキサジエン、2−ジエチルアミノメチルフラン、
2−フェニルアミノメチルフラン、9−ジエチルアミノ
メチルアントラセン、5−ジエチルアミノメチル−6−
フェニル−3,4−ジヒドロキシピラン、ニッケルジメ
チルジシオカルバメート、ニッケルジブチルジチオカル
バメート、ニッケル3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル−O−エチルホスホナート、ニッケル
3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−O
−ブチルホスホナート、ニッケル{2,2′−チオビス
(4−t−オクチルフェノラート)}(n−ブチルアミ
ン)、ニッケル{2,2′−チオビス(4−t−オクチ
ルフェノラート)}(2−エチルヘキシルアミン)、ニ
ッケルビス{2,2′−チオビス(4−t−オクチルフ
ェノラート)}、ニッケルビス{2,2′−スルホンビ
ス(4−オクチルフェノラート)}、ニッケルビス(2
−ヒドロキシ−5−メトキシフェニル−N−n−ブチル
アルドイミン)、ニッケルビス(ジチオベンジル)、ニ
ッケルビス(ジチオビアセチル)等がある。スーパーオ
キシアニオンの消光剤としては、スーパーオキシドジス
ムターゼとコバルト〔III〕及びニッケル〔II〕の錯体
等があるが、これらの例が本発明を限定するものではな
い。これらは単独又は2種以上混合して使用される。
【0053】更に、本発明感熱記録媒体のヘッドマッチ
ング性向上は、有機又は無機フィラー及び滑剤を含有さ
せることにより達成される。本発明に使用される有機フ
ィラーとしては、ポリオレフィン粒、ポリスチレン粒、
尿素−ホルムアルデヒド樹脂粒子、又はプラスチック微
少中空球体等が挙げられ、無機フィラーとしては、水酸
化アルミニウム、重質及び軽質炭酸カルシウム、酸化亜
鉛、酸化チタン、硫酸バリウム、シリカゲル、コロイダ
ルシリカ(10〜50μm)、アルミナゾイル(10〜
200μm)、活性白土、タルク、クレーサチンホワイ
ト、カオリナイト、焼成カオリナイト、ケイソウ土、合
成カオリナイト、ジルコニウム化合物、ガラス微少中空
球体等が挙げられ、又、滑剤としては、ワックス類があ
り、例えばステアリン酸アミド、ステアリン酸亜鉛、パ
ルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミ
ド、エチレンビスステアリルアミド、メチレンビスステ
アリルアミド、メチロールステアリルアミド、パラフィ
ンワックス、ポリエチレンワックス、更には、高級アル
コール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、シリコーン
系化合物等が挙げられるが。これらは、単独又は2種以
上混合して使用される。
【0054】本発明で感熱記録層に高分子カチオン系導
電剤を添加しない場合は、支持体上に感熱記録層を形成
した後、記録層上に高分子カチオン系導電剤を含有する
オーバーコート層を設ける必要がある。オーバーコート
層は、フッ素系またはシリコーン系離型剤を含有してい
ても良い高分子カチオン系導電剤の溶液を記録層に塗布
乾燥することで形成されるが、オーバーコート層は帯電
防止機能のほか、スティック防止機能や保護層などの機
能を兼ねることも可能なので、スティック防止層形成可
能は一般なスティック防止剤などを加えた高分子カチオ
ン系導電剤溶液を塗布・乾燥する方法が推奨される。こ
の場合、高分子カチオン系導電剤と共に使用するスティ
ック防止剤としてはシリコーン樹脂、フッ素樹脂、リン
酸エステル、ポリオキシエチレン系活性剤などが用いら
れる。
【0055】オーバーコート層を感熱記録層の表面上に
形成させる方法についてより具体的に説明すれば次のと
おりである。すなわち、高分子カチオン系導電剤、また
はこれと一般のスティック防止剤とを、水または有機溶
剤に総固形分が0.1〜2重量%程度になるように溶解
し、これをフィルム表面に固形分付着量が0.001〜
0.5g/m2になるように塗布乾燥する。この固形分付
着量が少な過ぎると、形成されるスティック防止層の導
電性及びスティック防止性が劣るようになり、一方、多
過ぎると、サーマルヘッドにより製版する時に、その固
形分がサーマルヘッドに付着し、サーマルヘッド汚れが
発生し易くなる。高分子カチオン系導電剤を従来の融着
防止剤と共に用いる場合、高分子カチオン系導電剤の使
用割合は融着防止剤1重量部に対し、0.05〜2重量
部の割合である。
【0056】なお、前記保護層に高分子カチオン系導電
剤を添加してオーバーコート層を形成しても良いことは
言うまでもなく、このような場合は保護層形成時に高分
子カチオン系導電剤を添加すれば良い。また、本発明の
可逆的感熱記録媒体を製造するに当たって、支持体上に
逐次断熱層、感熱記録層、導電象、スティック防止層、
保護層を形成させても良い。
【0057】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳細に
説明する。なお、以下における部及び%はいずれも重量
基準である。
【0058】実施例1 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルフェニル)アミノ−フルオラン 10部 オクタデシルホスホン酸 30部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイト社製VYHH) 30部 高分子カチオン導電剤(綜研科学社製エレコンド508固形分50%) 5部 テロラヒドロフラン 250部 イソプロピルアルコール 20部 よりなる溶液を75μm厚のポリエステルフィルム表面
にワイヤーバーを用いて塗布し、加熱乾燥し、塗布厚が
約6μmの可逆的感熱記録シートを得た。このようにし
て作製した記録シートを熱傾斜試験機(東洋精機製作所
製)を用いて、圧力2Kg/cm2、時間1秒の条件下で印
字して発色温度領域及び発色濃度を測定(マクベス濃度
計D−918)した結果100℃以上で濃度1.50の
高濃度の黒色の画像が得られた。次に、この印字された
可逆的感熱記録シートを75℃の恒温層に5秒間入れた
ところ、画像は完全に消去され、元の白色の状態に戻っ
た。この発色及び消色の可逆的な挙動は再現性があり、
このテストを10回繰り返したが機能の低下は見られな
かった。
【0059】実施例2 3−{N−エチル−N−(p−メチルフェニル)アミノ} −6−メチル−7−フェニルアミノ−フルオラン 10部 α−ヒドロキシオクタデカノイック酸 30部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカーバイト社製VYHH) 30部 高分子カチオン導電剤(日本純薬社製MAC) 5部 テロラヒドロフラン 250部 イソプロピルアルコール 20部 よりなる溶液実施例1と同様にしてポリエステルフィル
ム上に記録層として塗布して可逆的感熱記録シートを得
た。このようにして作製した記録シートについて実施例
1と同様の試験を行ったところ100℃以上で濃度1.
51の黒色に発色し75℃での消去条件で完全に消去し
た。このシートを用いてワードプロセッサー(リコーマ
イリポートN−11)によりサーマルヘッドで印字した
ところ、発色濃度1.53の鮮明な黒色印字が得られ
た。この印字した記録シートは通常の使用条件下では安
定であり、消去は75℃に設定した加熱ロール機に通す
ことによって消去されて残像のない元の白色状態に戻
り、繰り返し使用による機能の低下は認められなかっ
た。
【0060】 3−ジエチルアミノ−7−クロロ−フルオラン 10部 オクタデシルチオリンゴ酸 30部 塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体(ダウ サランF310)30部 高分子カチオン導電剤(三洋化成社製ケミスタット6300固形分3%)7部 テトラヒドロフラン 250部 トルエン 20部 よりなる溶液を実施例1と同様にしてポリエステルフィ
ルム上に記録層として塗布し可逆的感熱シートを得た。
得られた記録シートを用いて感熱プリンター(リコー製
CUVAX M−C50)により印字したところピンク
の鮮明な画像が得られた。この印字した記録シートを7
5℃に設定した加熱ロール機に通したところ印字画像は
消去され、元の白色の記録シートに戻った。再び同様の
印字、消去を繰り返したが同様の結果が再現された。
【0061】比較例1〜3 実施例1〜3のそれぞれから高分子カチオン導電剤を除
いた以外は実施例と同様にして可逆的感熱記録層を塗布
形成し、比較例1〜3の可逆的感熱記録シートとした。
得られた記録シートを用いて表面抵抗を20℃、60%
相対温度の条件下で測定(横河ヒューレットパッカード
社 高抵抗計)結果、上記実施例1〜3の表面抵抗はい
ずれも107Ωオーダーであったが、比較例1〜3のも
のはいずれも1014Ωオーダーの高抵抗値を示し、非常
に帯電し易くフィルムの貼り付きがあり取扱に不都合で
あった。
【0062】実施例4 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロルフェニル)アミノ−フルオラン 10部 オクタデシルホスホン酸 30部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(ユニオンカ−バイト社製VYHH) 30部 テロラヒドロフラン 250部 イソプロピルアルコール 20部 よりなる溶液を75μm厚のポリエステルフィルム表面にワイヤーバーを用いて 塗布し、加熱乾燥し、塗布厚約6μmの可逆性感熱記録層を設け、この上にさら にフッ素樹脂(ダイキン工業社製ダイフロンME413固形分3%) 33部 高分子カチオン導電剤(綜研化学社製ニンコンド508) 1部 イソプロピルアルコール 40部 水 26部 よりなるオーバーコート層形成易を塗布し、乾燥後の固
形分付着量が0.1g/m2のオーバーコート層を作成
し、可逆的感熱記録シートを得た。
【0063】実施例5 実施例4と同様にしてポリエステルフィルム支持体上に
感熱記録層を設け、この上にさらに シリコーングラフトポリマー(東亜合成化学社製 アロンXS705) 1部 高分子カチオン導電剤(三洋化成社製ケミスタット6300) 1部 イソプロピルアルコール 68部 水 30部 よりなるオーバーコート層形成液を塗布し、乾燥後の固
形分付着量が0.05g/m2のオーバーコート層を作成
した、可逆的記録感熱シートを得た。
【0064】実施例6 実施例4と同様にしてポリエステルフィルム支持体上に
感熱記録層を設け、この上にさらに シリコーンアクリル樹脂(東レシリコーン社製SR2400固形分50%)2部 硬化触媒(東レシリコーン社製SPX242AC) 0.1部 高分子カチオン導電剤(日本純葉社製MAC) 0.5部 イソピロピルアルコール 95部 水 2部 よりなるオーバーコート層形成液を塗布し、乾燥後の固
形分付着量が0.05g/m2のオーバーコート層を作成
した、可逆的感熱記録シートを得た。
【0065】比較例4〜6 実施例4〜6のそれぞれのオーバーコート形成液から高
分子カチオン導電剤を除いた以外は実施例と同様にして
それぞれの対応する比較可逆的感熱記録シートを作成し
た。比較例1〜3と同様の条件で表面抵抗を測定した結
果、上記実施例4〜6のシートの表面抵抗はいずれも1
7Ωオーダーであり、スティッキング防止性及びOH
P用マーカーによる加筆性共に良好であったが、比較例
4〜6のものの表面抵抗はいずれも1014Ωオーダーで
あった。また、、スティッキング防止性は変らなかった
が、加筆性は不良であった。
【0066】実施例7 実施例1に示した可逆的感熱記録媒体の記録層上に、以
下に示す各種の混合物を用いて保護層(オーバーコート
層)を形成し、可逆的感熱記録シートを得た。 (保護層A) メラミン−ホルマリンプレポリマ (保護層B) アクリルエマルジョン (保護層C) 2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−ベンゾトリ アゾール 16部 カルボキシ基変性ポリビニルアルコール10%水溶液 50部 エピクロルヒドリン/ポリアミド共重合体10%水溶液 20部 炭酸カルシウム 1部 水 29部 (保護層D) P−ターシャリ−ブチルフェニルサリシレート 16部 カルボキシ基変性ポリビニルアルコール10%水溶液 50部 エピクロルヒドリン/ポリアミド共重合体10%水溶液 20部 炭酸カルシウム 3部 ポリエチレンワックス 1部 水 29部 (保護層E) ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製、ユニディックC7−157) 100部 アルミナゾル(100〜200μm) 3部 ステアリン酸アミド 3部 酢酸ブチル 50部 (保護層F) ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製、ユニディック17−824−9) 100部 炭酸カルシウム(白石カルシウム社製、カルライトSA) 2部 ポリエチレンワックス 1部 トルエン 100部 (保護層G) ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂の75%酢酸ブチル溶液 (大日本インキ化学社製、ユニディックC7−157) 100部 シリカ(サイロイド244富士デビソン化学社製) 1部 ステアリン酸亜鉛 1部 トルエン 100部 (保護層H) ポリエステルポリアクリレートとポリウレタンポリアクリレートの 各プレポリマー混合物(モービル石油社製 78E204) 100部 真球状単分散シリコーン樹脂微粉末 (東芝シリコーン社製 トスパール120) 1部 (保護層I) トリメチロールプロパントアクリレート (東亜合成化学社製 M−309) 100部 不定形の単分散シリコーン樹脂状粉末 (東芝シリコーン社製、トスパール240) 1部 (保護層J) 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 16部 炭酸カルシウムをコーティングしたシリカ 4部 (水沢化学工業(株)製P−832) カルボキシ基変性ポリビニルアルコール10%水溶液 50部 ステアリン酸亜鉛 1部 水 45部
【0067】
【発明の効果】本発明の感熱記録媒体は、それに含まれ
る発色剤と顕色剤を加熱溶融混合させることにより発色
させることができ、一方、その発色状態にある組成物を
その溶融温度より低い温度で加熱することにより消色状
態に変化させることができる。そして、このような発色
と消色は繰返し行うことができる上、その発色状態と消
色状態は常温において保持させることができる。また、
本発明の感熱記録媒体においては、得られる画像のコン
トラストが高い上、画像消去性にもすぐれ、さらに発色
画像の色相も何ら制限されず、発色剤を変えることによ
り自由に色相を選ぶこともできる。なお、支持体として
透明フィルムを用いれば、鮮明で繰返し使用できる透明
記録媒体が得られ、オーバーヘッドプロジェクター用や
第2原図用記録媒体として有用である。また、本発明の
感熱記録媒体は、記録層及び/またはオーバーコート層
に高分子カチオン系導電剤を添加することによって感熱
記録材料の表面抵抗が著しく低下し、帯電が防止される
ためフィルムが互いに貼り付いたりすることによる使用
上の難点が解消し、作業性が大幅に向上する。またオー
バーコート層及び/又は保護層を設けることで、感熱記
録層が直接サーマルヘッドと接触することによるトラブ
ル、例えば感熱記録層の溶融によるサーマルヘッドの走
行不良を防止できるが、この効果はフッ素系またはシリ
コン系離型剤などの添加で助長される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆的感熱記録媒体の発色濃度と温度
との関係を示すグラフで、発色及び消色原理の説明図で
ある。実線(A→B→C)は画像形成過程を、破線(C
→D→A)は画像消去過程を示す。
【図2】画像形成工程と画像消去工程説明図を示す。
(イ)は記録層に高分子カチオン系導電剤を添加した場
合、(ロ)はオーバーコート層に高分子カチオン系導電
剤を添加した場合である。
【符号の説明】
1 支持体 2 可逆的記録層 〔(イ)では導電剤を含み(ロ)で
は導電剤を含まない〕 3 オーバーコート層 4 発色画像 5 サーマルヘッド 6 加熱ローラ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
    合物を含有するとともに、加熱溶融により発色記録状態
    を形成し、発色記録温度よりも低い温度の加熱により記
    録の消えた消色状態を形成する可逆的感熱記録層を備
    え、該可逆的感熱記録層が高分子カチオン系導電剤を含
    有していることを特徴とする可逆的感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 電子供与性呈色性化合物と電子受容性化
    合物を含有するとともに、加熱溶融により発色記録状態
    を形成し、発色記録温度よりも低い温度の加熱により記
    録の消えた消色状態を形成する可逆的感熱記録層を備
    え、さらに該可逆的感熱記録層上に高分子カチオン系導
    電剤を含有しているオーバーコート層が設けられている
    ことを特徴とする可逆的感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 電子供与性呈色性化合物が、ハロゲン又
    はハロゲンを含む置換基で置換されている電子供与性呈
    色性化合物であることを特徴とする請求項1又は2の可
    逆的感熱記録媒体。
  4. 【請求項4】 電子供与性呈色性化合物が下記一般式
    (1)で示される化合物であることを特徴とする請求項
    又は2の可逆的感熱記録媒体。 【化1】 (但し、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
    基、R2は水素原子又は置換されていてもよいアミノ
    基、Xは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又はフェ
    ニルアミノ基、Yは水素原子、炭素数1〜4のアルキル
    基又は炭素数1〜2のアルコキシ基、m及びnは1又は
    2の整数を表わす)
  5. 【請求項5】 電子供与性呈色性化合物が下記一般式
    (2)で示される化合物であることを特徴とする請求項
    1又は2の可逆的感熱記録媒体。 【化2】 (但し、R3は炭素数1〜12のアルキル基、環状アル
    キル基、アルコキシアルキル基、アリル基、アリール
    基、R4は炭素数1〜12のアルキル基、アルコキシア
    ルキル基、アリル基を表す)
  6. 【請求項6】 電子受容性化合物が下記一般式(3)〜
    (7)で示される化合物であることを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかの可逆的感熱記録媒体。 一般式(3): R5−PO(OH)2 (但し、R5は炭素数8〜30の直鎖又は分枝状のアル
    キル基又はアルケニル基を表す) 一般式(4): R6−CH(OH)COOH (但し、R6は炭素数6〜28の直鎖状又は分枝状のア
    ルキル基又はアルケニル基を表す) 一般式(5): (但し、R7は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状のア
    ルキル基又はアルケニル基、Zは酸素原子又はイオウ原
    子、mは0、1又は2を示す) 一般式(6): (但し、R8は炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状のア
    ルキル基又はアルケニル基、R9は水素原子又は炭素数
    1〜30のアルキル基を示す) 一般式(7): 【化3】 (式中、Rは炭素数8〜30の直鎖状又は分枝状のアル
    キル基又はアルケニル基を表す)
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US5409879A (en) * 1992-09-21 1995-04-25 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Reversible thermal recording medium
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