JPH0596618U - 自動変速機のシフトレバー装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 チェックプレート３３上の転動面３５に対す
るローラ３１の接触状態を良好に保つ。 【構成】 シフトレバー１９の操作に伴って移動するチ
ェックレバー２７の両側壁２７ａに、ローラ３１の両端
部を回転可能に支持する。ローラ３１は中央に環状のリ
ブ３１ａを有し、一方ローラ３１が転動するチェックプ
レート３３上の転動面３５には、ローラ３１の移動方向
に沿って前記リブ３１ａが入り込む溝３５ａが形成され
ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、シフトレバーの揺動操作に伴って移動する移動体に設けた転動体 が、チェックプレート上の転動面に形成されたシフトレバーの複数の操作位置に 対応する凹部に入り込むことで、シフトレバー操作時の節度感が得られる自動変 速機のシフトレバー装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の自動変速機のシフトレバー装置は、図４に示すように、車体側に固定さ れる基台に対し車体の前後方向（矢印Ａ方向）に揺動操作するシフトレバー１に 、シフトレバー１と共に移動するチェックレバー本体３が固定され、このチェッ クレバー本体３に対しチェックレバー５が支持ピン７を中心に回動可能に装着さ れている。チェックレバー５の回動先端側には、基台側に固定されるチェックプ レート９の転動面１１上を転動するローラ１３が取付けられている。ローラ１３ は、チェックレバー５に対し一端側の支持軸１５を介して片持ち状に回転可能に 装着されている。チェックプレート９の転動面１１は、シフトレバー１の操作方 向に沿って波状に形成され、シフトレバー１のニュートラルレンジやドライブレ ンジなど、複数の操作位置にそれぞれ対応する凹部が形成されている。

【０００３】 チェックレバー５は、チェックレバー本体３との間に設けられたスプリング１ ７により下方に付勢され、これによりローラ１３はチェックプレート９の転動面 １１に押し付けられた状態で転動面１１上を転動し、シフトレバー１の所定の操 作位置に設定するときにローラ１３が凹部に入り込むことで、シフトレバー操作 時での節度感が得られる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の自動変速機のシフトレバー装置においては、 ローラ１３は、チェックレバー５に対して片持ち状に支持されているため、傾き やすいばかりでなく、ローラ１３の軸方向に移動しやすい。このため、ローラ１ ３と転動面１１との接触状態が良好に保てず、転動動作が不規則になり、スムー ズな作動、操作感が得にくく、作動耐久性の低下や、チェック荷重の変動が生じ やすいという問題がある。

【０００５】 そこで、この考案は、チェックプレートの転動面に対する転動体の接触状態を 良好に保つことを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するために、この考案は、基台に対し揺動操作可能なシフトレ バーに、このシフトレバーと一体となって移動可能な移動体を設けるとともに、 この移動体に転動体を装着し、この転動体が転動し前記シフトレバーの複数の操 作位置にそれぞれ対応する凹部を有する転動面を前記基台側のチェックプレート に設け、前記転動体の転動面上における移動方向と直交する方向の移動を規制す る規制面を、前記移動体とチェックプレートとのいずれか一方に設けた構成とし てある。

【０００７】

【作用】

このような構成の自動変速機のシフトレバー装置によれば、シフトレバーを操 作すると、シフトレバーとともに移動する移動体に設けた転動体はチェックプレ ートの転動面上を転動するが、このとき移動体とチェックプレートとのいずれか 一方に設けた規制面が、転動体の転動面上における移動方向と直交する方向のず れを防止する。

【０００８】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づき説明する。

【０００９】 図１及び図２はこの考案の第１実施例を示すもので、図２は自動変速機におけ るシフトレバー装置の全体構成を示す斜視図、図１は図２のＢ部の拡大された斜 視図である。シフトレバー１９は車体に固定される基台２１に対し、車体の前後 方向（図２中で矢印Ｃ方向）に操作可能である。シフトレバー１９の側部にはポ ジションピン１９ａが突出して形成され、このポジションピン１９ａにチェック レバー本体２３に形成された係合孔２３ａが係合しており、これによりチェック レバー本体２３はシフトレバー１９の操作に伴って移動する。ポジションピン１ ９ａは、図示していないが、シフトレバー１９のニュートラルレンジやドライブ レンジなど、複数の操作位置に対応する係合溝に係合する。チェックレバー本体 ２３の車体後方側（図２中で右側）の端部には、自動変速機との連繋機構が連結 される連結部２５が形成されている。

【００１０】 チェックレバー本体２３は、係合孔２３ａが形成された面に対しシフトレバー １９を境にして反対側に屈曲した取付面２３ｂが形成され、この取付面２３ｂに チェックレバー２７の基端側が支持ピン２９を中心に回動可能に装着されている 。チェックレバー２７は、両側壁２７ａと上壁２７ｂとを有し、先端部の両側壁 ２７ａ間に転動体としてのローラ３１が回転可能に装着されている。ローラ３１ は、中央部の全周に凸状のリブ３１ａが形成されている。

【００１１】 一方、チェックレバー２７の下方における基台２１上にはチェックプレート３ ３が装着され、チェックプレート３３の上端面には前記ローラ３１が転動する転 動面３５が形成されている。転動面３５は、シフトレバー１９の操作方向に沿っ て波状に形成され、シフトレバー１９のニュートラルレンジやドライブレンジな ど、複数の操作位置にそれぞれ対応する凹部が形成されている。このような転動 面３５にはその全長にわたり規制面となる溝３５ａが形成され、前記ローラ３１ はリブ３１ａがこの溝３５ａに入り込んだ状態で転動面３５上を転動する。

【００１２】 チェックレバー２７のシフトレバー１９側の側壁２７ａの先端下部と、チェッ クレバー本体２３の下部との間には、スプリング３７が介装されてチェックレバ ー２７は下方に付勢され、これによりローラ３１はチェックプレート３３の転動 面３５に押し付けられる。

【００１３】 このような構成の自動変速機のシフトレバー装置によれば、シフトレバー１９ を矢印Ｃ方向に操作することで、ローラ３１はスプリング３７によりチェックプ レート３３の転動面３５に押し付けられた状態で転動面３５上を転動し、シフト レバー１９の所定の操作位置に設定するときにローラ３１が転動面３５の所定の 凹部に入り込むことで、シフトレバー操作時での節度感が得られる。このとき、 ローラ３１はリブ３１ａが転動面３５の溝３５ａに入り込んだ状態で転動するの で、ローラ３１の転動面３５に対する軸方向のずれが防止される。しかも、ロー ラ３１は両端がチェックレバー２７の両側壁２７ａに支持されているので、転動 面３５に対して傾きにくい。このため、ローラ３１と転動面３５との接触状態が 良好に保て、スムーズな作動、操作感が得やすく、作動耐久性の低下やチェック 荷重の変動が生じにくいものとなる。

【００１４】 図３は、この考案の第２実施例を示す要部の斜視図である。この実施例は、チ ェックレバー２７の両側壁２７ａを、チェックプレート３３の側面に沿って下方 に延ばし、チェックプレート３３の両側面に対向する規制面３９を、両側壁２７ ａに形成したものである。ローラ３１は、チェックプレート２７の両側壁２７ａ 間に固定されるピン４１に対し回転可能に支持されている。

【００１５】 この実施例においては、チェックプレート２７の両側壁２７ａの規制面３９が 、チェックプレート３３を両側から挟み込むようにしているので、この規制面３ ９によってチェックレバー２７の横方向の移動が防止され、これに伴いローラ３ １の転動面３５上での軸方向のずれが防止される。また、ローラ３１は両端がチ ェックレバー２７の両側壁２７ａに支持されているので、転動面３５に対して傾 きにくい。このため、ローラ３１と転動面３５との接触状態が良好に保て、スム ーズな作動、操作感が得やすく、作動耐久性の低下やチェック荷重の変動が生じ にくいものとなる。

【００１６】

【考案の効果】 以上説明してきたように、この考案によれば、シフトレバーと一体となって移 動し転動体を備えた移動体と、転動体が転動する転動面を備えたチェックプレー トとのいずれか一方に、転動体の転動面における移動方向と直交する方向のずれ を防止する規制面を設けたので、転動体と転動面との接触状態が良好に保て、ス ムーズな作動、操作感を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１実施例を示すシフトレバー装置
の要部の斜視図である。

【図２】この考案の第１実施例を示すシフトレバー装置
の全体構成を示す斜視図である。

【図３】この考案の第２実施例を示すシフトレバー装置
の要部の斜視図である。

【図４】従来例を示すシフトレバー装置の要部の斜視図
である。

【符号の説明】

１９ シフトレバー ２１ 基台 ２７ チェックレバー（移動体） ３３ チェックプレート ３５ 転動面 ３５ａ 溝（規制面） ３９ 規制面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基台に対し揺動操作可能なシフトレバー
   に、このシフトレバーと一体となって移動可能な移動体
   を設けるとともに、この移動体に転動体を装着し、この
   転動体が転動し前記シフトレバーの複数の操作位置にそ
   れぞれ対応する凹部を有する転動面を前記基台側のチェ
   ックプレートに設け、前記転動体の転動面上における移
   動方向と直交する方向の移動を規制する規制面を、前記
   移動体とチェックプレートとのいずれか一方に設けたこ
   とを特徴とする自動変速機のシフトレバー装置。