JPH0121375Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は自動車用チエンジコントロール装置に
係り、より詳しくはチエンジレバーとセレクトレ
バーの連結構造に関する。

［従来の技術］ 自動車の変速機の変速段を切り換えるチエンジ
コントロール装置として、チエンジレバーをその
支点部廻りで車幅方向に揺動させることによりセ
レクト操作、つまり中立位置内での所望の変速段
の選択操作を行うとともに、上記チエンジレバー
を支点部廻りで車体前後方向に揺動させることに
よりシフト操作、つまり中立位置と所望の変速段
の間での切換操作を行うようにしたものが汎用さ
れている。

このようなチエンジコントロール装置におい
て、チエンジレバーと変速機とをセレクト用及び
シフト用のケーブルを介して接続する場合、チエ
ンジレバーが互いに直交する２方向に揺動するに
も拘らず、両ケーブルは大略平行に（通常シフト
方向）張架されるため、チエンジレバーのセレク
ト方向の揺動に伴つてシフト方向に揺動するセレ
クトレバーを設け、シフト用ケーブルの一端をチ
エンジレバーの基部に接続するとともに、セレク
ト用ケーブルの一端をセレクトレバーに接続する
必要がある。そして、かかるチエンジレバーとセ
レクトレバーの連結構造として、その一端部がチ
エンジレバーの支点部内に挿入され、チエンジレ
バーと一体的にセレクト方向に揺動するセレクト
アームの他端部を、セレクトレバーに回動自在に
接続してなるものが知られている。

［考案がが解決すべき問題点］ ところが、上記の構成では、セレクトアームの
基部がチエンジレバーの支点部内に挿入されるた
め、支点部の構造が複雑になり、チエンジコント
ロール装置の組立が煩雑になるという問題があつ
た。

又、上記構成では、チエンジレバーからセレク
トレバーに操作力が伝達される際に、セレクトア
ームの一端部が力点に、他端部が作用点になるた
め、セレクトアームに無理な荷重が加わりやす
く、その結果、セレクトアームが変形したり、セ
レクトアームと上記支点部及びセレクトレバーと
の接続部間でがたが生じるという不具合がある。
それにより、上記セレクトレバーの揺動角が変動
し、セレクト操作が円滑に行なわれなくなる。

［問題点を解決するための手段］ 本考案はチエンジレバーとセレクトレバーの連
結構造を工夫することにより、上述の問題を解消
しようとするものである。そのため、本考案で
は、チエンジレバーの基部（支点部より下方に位
置する。）にガイド部材を固定し、該ガイド部材
によつて、シフト方向に伸びるリンクを、その長
手方向略中間部でシフト方向へスライド可能に支
持するとともに、互いに平行に配置されて夫々揺
動可能に支持されるリンクブラケツト及びセレク
トレバーを設け、該リンクブラケツト及びセレク
トレバーの各端部を上記リンクの両端部に夫々回
動自在に接続したものである。

［作用］ 上記の構成において、チエンジレバーをセレク
ト方向に揺動させると、上記リンクがチエンジレ
バーと一体的にセレクト方向に移動しながら、上
記ガイド部材に対しシフト方向にスライド移動す
ることにより、リンクブラケツトとセレクトレバ
ーが一体的に揺動し、このセレクトレバーの揺動
によつてセレクト操作が行なわれる。

一方、チエンジレバーがシフト方向に揺動する
と、シフト操作が行なわれるが、この場合は、上
記ガイド部材がリンクに対しシフト方向にスライ
ド移動するのみで、リンクは不動状態にあり、従
つてリンクブラケツト及びセレクトレバーは揺動
しない。

［考案の効果］ 本考案では、チエンジレバーとセレクトレバー
を連結するリンク（従来例のセレクトアームに相
当）が、チエンジレバーの基部に接続され、支点
部には接続されないので、支点部の構造を簡略化
することができ、又、それに伴つてチエンジコン
トロール装置の組立を簡単化することができる。

又、上記リンクを、リンクブラケツト及びセレ
クトレバーによつてその両端部で支持するととも
に、チエンジレバーの基部からガイド部材を介し
てリンクの長手方向略中間部、つまり、リンクの
支持部とは異なる部位に荷重を加えてリンクブラ
ケツト及びセレクトレバーを揺動させるようにし
たので、リンクの変形及びリンクと、リンクブラ
ケツト、セレクトレバー間の接続部におけるがた
等が減少し、その結果、セレクトレバーの揺動角
の変動が確実に防止されて、常時円滑なセレクト
操作が行なえるようになる。

［実施例］ 以下、添付図面を参照しながら、本考案の実施
例を説明する。

第２図に示すように、本実施例に係る自動車用
チエンジコントロール装置は、車室内のフロアパ
ネル（不図示）に固定されるベースプレート１を
有し、該ベースプレート１にはブラケツト２を介
してシートケース３が取付けられ、該シートケー
ス３内には、チエンジレバー４をシフト方向（車
体前後方向）及びセレクト方向（車幅方向）へ揺
動可能に支承する支点部Ａが収容されている。

第３図において、上記シートケース３は、２つ
割りの左ケース５と右ケース６が接合されてな
り、チエンジレバー４の上部は両ケース５，６間
の開口７を通して上方に突出するとともに、チエ
ンジレバー４の基部４ａは、ブラケツト２及び該
ブラケツト２の下部に固着されたストツパプレー
ト８に設けた開口１０，１１を通して、上記支点
部Ａから下方へ突出している。上記ストツパプレ
ート８には、チエンジレバー４の基部４ａに嵌
合・固着されたストツパ１２に衝合して、チエン
ジレバー４のシフト方向の最大揺動角を規定する
前後１対の立下り片８ａが形成されている。

上記支点部Ａは、チエンジレバー４に設けられ
た縦断面略円形で扁平な揺動中心部４ｂと、該揺
動中心部４ｂの両側に配置された１対のドラム１
３，１４と、上下１対のドラムシート１５，１６
とから構成されている。

上記揺動中心部４ｂには、左右両側に側出する
１対のボス１７，１８が一体成形されるととも
に、上記ドラム１３，１４には、ボス１７，１８
と同芯の円形穴２０，２１が形成されて、ボス１
７，１８がブツシユ２２，２３を介して円形穴２
０，２１にシフト方向へのみ回動自在に嵌合して
いる。それにより、チエンジレバー４をボス１
７，１８を中心にシフト方向へ揺動させることが
できる。なお、ボス１７，１８内の孔２４にはピ
ン２５が挿入されている。

一方、上記両ドラム１３，１４には、横断面円
弧状で凸状の回動面２６，２７（第３図内で両回
動面２６，２７が描く円弧は同一の曲率中心及び
同一の曲率半径を有する。）が形成されるととも
に、両ドラムシート１５，１６には、上記回動面
２６，２７に摺接する横断面円弧状で凹状の回動
面２８，２９が形成され、ドラム１３，１４が揺
動中心部４ｂとともにドラムシート１５，１６に
対しセレクト方向にのみ回動し得るようになつて
いる。それにより、チエンジレバー４をドラム１
３，１４を中心にセレクト方向へ揺動させること
ができる。なお、両ケース５，６とドラムシート
１５間には、ドラムシート１５を下方へ押圧する
スプリング３１が縮装されている。

チエンジレバー４の基部４ａの一側には、シフ
トピン３２が横設され、該シフトピン３２と変速
機（不図示）間には、大略シフト方向にシフト用
ケーブルが張架されて、チエンジレバー４のシフ
ト方向の揺動に伴つて、上記シフト用ケーブルが
牽引又は弛緩されることにより、シフト操作が行
われる。

又、チエンジレバー４の基部４ａの他側には、
横断面コ字形で下開きのガイド部材３３が固定さ
れ、該ガイド部材３３内を、リンク３４がシフト
方向に通過している。該リンク３４には、ブツシ
ユ３５がその溝部３５ａで嵌合・固定され、この
ブツシユ３５は外周の半円筒面３５ａで、ガイド
部材３３の内面に回動及びシフト方向のスライド
可能に摺接している。

第１図ａ及び第４図に示す如く、上記ガイド部
材３３の前方にはリンクブラケツト３６が、又、
後方には屈曲したセレクトレバー３４が配置さ
れ、夫々その一端部とコーナ部を貫通するピン３
８，４０により、前記ベースプレート１に枢支さ
れている。上記リンクブラケツト３６の他端部
と、セレクトレバー３７の一方の腕部３７ａの端
部には、シフト方向に伸びる上記リンク３４の各
端部が、夫々ピン４１，４２によつて回動自在に
連結され、リンクブラケツト３６とセレクトレバ
ー３７とがピン３８及びピン４０廻りで一体的に
揺動するようになつている。

そして、上記ピン３８とピン４０の各中心は、
シフト方向の同一直線ｌ−ｌ上に配置され、且つ
ピン３８，４１間の間隔d₁とピン４０，４２間の
間隔d₂とが等しく設定され、更に初期設定におい
て、リンクブラケツト３６と、セレクトレバー３
７の一方の腕部３７ａとが平行に配向されること
により、リンクブラケツト３６とセレクトレバー
３７がピン３８，４０廻りで揺動しても、リンク
３４が常にシフト方向を向くように設計されてい
る。なお、セレクトレバー３７の他方の腕部３７
ｂの端部には、セレクトピン４３が立設され、該
セレクトピン４３と変速機間には、セレクト用ケ
ーブル（不図示）が大略シフト方向に張架され
る。

第１図ｂに示す如く、チエンジレバー４がセレ
クト方向に揺動すると、リンク３４はチエンジレ
バー４と一体的にセレクト方向に移動しながら、
ブツシユ３５とともにガイド部材３３に対しシフ
ト方向にスライド移動し、それに伴つてピン３
８，４０廻りでリンクブラケツト３６とセレクト
レバー３７とが一体的に揺動する。セレクトレバ
ー３７が揺動すると、上記セレクト用ケーブルが
牽引又は弛緩され、セレクト操作が行われる。

一方、チエンジレバー４がシフト方向に揺動す
る際には、ガイド部材３３がリンク３４（及びブ
ツシユ３５）に対しシフト方向にスライド移動す
るのみで、リンク３４は不動状態にあり、従つて
リンクブラケツト３６及びセレクトレバー３７は
揺動しない。

なお、本考案は、上記の実施例に限定されるも
のではなく、例えば支点部Ａは、チエンジレバー
に一体成形されるボール部と、該ボール部を支承
するボール座で構成しても良い。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは本考案の実施例に係るチエンジコン
トロール装置の第３図中−線に沿う水平断面
図、第１図ｂは第１図ａのチエンジコントロール
装置のセレクトレバー回動時の水平断面図、第２
図は第１図ａのチエンジコントロール装置の全体
構成を示す斜視図、第３図は第２図のチエンジコ
ントロール装置のチエンジレバー支点部を車体前
方から示す横断面図、第４図は第１図ａ，ｂに示
される部品の分解斜視図である。 ４……チエンジレバー、４ａ……基部、３３…
…ガイド部材、３４……リンク、３６……リング
ブラケツト、３７……セレクトレバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 チエンジレバーをその支点部廻りで互いに直交
   するシフト方向とセレクト方向の２方向に揺動さ
   せることにより、シフト操作とセレクト操作を行
   うようにした自動車用チエンジコントロール装置
   において、 チエンジレバーの基部に固定されるガイド部材
   と、 シフト方向に伸び、その長手方向略中間部がガ
   イド部材によつてシフト方向へスライド可能に支
   持されるリンクと、 互いに平行な姿勢で夫々揺動可能に支持され、
   各々の端部がリンクの両端部に夫々回動自在に接
   続されるリンクブラケツト及びセレクトレバーと
   が設けられ、 チエンジレバーのセレクト方向の揺動に伴つ
   て、上記リンクがチエンジレバーと一体的にセレ
   クト方向に移動しながら、上記ガイド部材に対し
   シフト方向にスライド移動することにより、リン
   クブラケツトとセレクトレバーが一体的に揺動さ
   れ、このセレクトレバーの揺動によつてセレクト
   操作が行なわれるようにしたことを特徴とする自
   動車用チエンジコントロール装置。