JPS6215057Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリモートコントロール式自動車変速機
のフロアシフト機構に関する。

従来のフロアシフト機構としては第１図および
第２図に示すものが提案されていた。この第１図
および第２図に示すフロアシフト機構は、車両の
前後方向に延在するセレクト軸１を回転自在に支
承し、このセレクト軸１に対して直交する水平な
シフト軸２をセレクト軸１によつて回転自在に支
承し、セレクト軸１には下方に突出する一対の突
片３を平行に突設してなり、シフトレバー４によ
つてセレクト軸１を回転させたときに、突片３に
よつてボールジヨイント５を介してベルクランク
６を回動させてセレクトケーブル７を押引し、一
方シフトレバー４によつてシフト軸２を回動させ
たときに、シフト軸２に突設されたアーム８によ
つてシフトケーブル９を押引するものであつた。

しかしながら、このような構成においては、セ
レクト操作に際してシフト軸２も左右に揺動し、
その結果シフトケーブル９に曲げ荷重が加わり、
シフトケーブル９と、ベース１０に固定されたア
ウターケーブル１１との摩擦が増大し、シフトフ
イーリングが悪化するという欠点があつた。

本考案の目的は上述した欠点に鑑みなされたも
ので、セレクト操作時にシフトケーブルに曲げ荷
重が加わらないようにして、シフトフイーリング
の向上を図つたフロアシフト機構を提供するにあ
る。

このような目的を達成するために、本考案は、
ベースに取り付けられるハウジングに球面部を介
してシフトレバーを回動自在に取り付け、該シフ
トレバーの球面部に結合されたシフトアームの下
端部にシフトケーブルを枢着すると共に、シフト
レバーの球面部に設けられかつハウジングに支承
されるセレクトアームに、ハウジングに枢着した
ベルクランクの一端を結合したフロアシフト機構
において、前記シフトアームは、シフトレバーの
セレクト操作方向に対して相対的に揺動できるよ
うシフトレバーの球面部に結合されて成る構成と
したものである。

以下、図に示す実施例を用いて本考案の詳細を
説明する。

第３図は本考案に係るフロアシフト機構の一実
施例を示す一部破断側面図、第４図は第３図を
−線で切断したときの断面図、第５図は同フロ
アシフト機構の縦断面図である。自動車の変速機
の変速操作を行なうシフトレバー１１は、球面部
１１ａがベース１５に取り付けられたハウジング
１６にボールシート１９を介して無方向に回動自
在に取り付けられており、このシフトレバー１１
の球面部１１ａには、シフト回転軸を成すセレク
トアーム１２が下記のセレクト回転軸の軸線と直
交する方向に突設されている。このセレクトアー
ム１２はハウジング１６に上下方向移動可能に支
承されると共に、該セレクトアーム１２の突出端
部にはハウジング１６に枢軸１７ａを介して、枢
着されたベルクランク１７の一端が結合され、セ
レクトケーブル１８を介して歯車箱のセレクト軸
（図示せず）を回動させるよう構成されている。
一方、前記シフトレバー１１の球面部１１ａには
Ｔ字型のシフトアーム１３が結合されている。こ
のシフトアーム１３の上端水平部１３ａはセレク
ト回転軸を成しており、前記セレクトアーム１２
と直交する方向に穿設された前記球面部１１ａの
穴１１ｂ内に回動自在に取り付けられている。ま
た、シフトアーム１３の垂直部１３ｂは前記穴１
１ｂに接続された切欠部１１ｃを通つてその下端
にシフトケーブル１４が枢着されており、前記球
面部１１ａに対してシフトレバー１１のセレクト
操作方向（第５図において矢印Ａで示す方向）に
対して相対的に揺動できるように構成されてい
る。

次に、以上のような機構の作用について説明す
る。まず、シフトレバー１１をニユートラル位置
から第３図において矢印Ｂで示すシフト操作方向
に動かすと、この場合はシフトレバー１１とシフ
トアーム１３とが一体化となり、該シフトアーム
１３を介してシフトケーブル１４をシフト揺動さ
せる。一方、シフトレバー１１をニユートラル位
置から第５図において矢印Ａで示すセレクト操作
方向に動かすと、この場合シフトレバー１１は、
シフトアーム１３の下端部がシフトケーブル１４
の張力によつて固定されかつシフトアーム１３は
シフトレバー１１に対してセレクト操作方向に相
対的に揺動可能なため、この時はシフトレバー１
１、セレクトアーム１２のみがセレクト操作方向
に上下動し、ベルクランク１７を介してセレクト
ケーブル１８に操作力を伝達する。

尚、第６図および第７図はそれぞれ本考案に係
わるフロアシフト機構の他の実施例を示すもの
で、第６図のものはシフトアーム１３において、
セレクト回転軸を成す上端水平部１３ａを、シフ
トレバー１１の球面部１１ａに穿設した貫通孔１
１ｄに回動自在に貫通させると共に、二股状に形
成した垂直部１３ｂの上端を、前記上端水平部１
３ａの両端に接続し、これによつて該シフトアー
ム１３の垂直部１３ｂを球面部１１ａに対してシ
フトレバー１１のセレクト操作方向に対して相対
的に揺動できるよう構成したものである。また、
第７図のものはシフトアーム１３の上端水平部１
３ａを、シフトレバー１１の球面部１１ａに穿設
した貫通孔１１ｄに回動自在に貫通させると共
に、クランク状に形成した垂直部１３ｂの上端を
前記上端水平部１３ａの一端部に連結し、これに
よつてシフトアーム１３を球面部１１ａに対して
シフトレバー１１のセレクト操作方向に対して相
対的に揺動できるよう構成したものである。以上
のように構成したとしても上述した第１実施例と
同様の効果を得ることができるのは勿論である。

以上説明したように本考案によれば、シフトレ
バーをセレクト操作方向に作動させた時に、シフ
トケーブルが連結されているシフトアームは作動
しないよう構成したので、このシフトレバーのセ
レクト操作時にシフトケーブルに無理な曲げ荷重
がかかるようなことはなくなり、従つてシフトフ
イーリングの向上を図ることができるという効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のフロアシフト機構を示す斜視
図、第２図は同従来例の異なる視点からの拡大斜
視図、第３図は本考案に係わるフロアシフト機構
の一実施例を示す一部破断側面図、第４図は第３
図を−線で切断したときの断面図、第５図は
同フロアシフト機構の縦断面図、第６図および第
７図はそれぞれ本考案に係わるフロアシフト機構
の他の実施例を示す要部斜視図である。 １１……シフトレバー、１１ａ……球面部、１
２……セレクトアーム、１３……シフトアーム、
１４……シフトケーブル、１５……ベース、１６
……ハウジング、１７……ベルクランク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ベースに取り付けられるハウジングに球面部を
   介してシフトレバーを回動自在に取り付け、該シ
   フトレバーの球面部に結合されたシフトアームの
   下端部にシフトケーブルを枢着すると共に、シフ
   トレバーの球面部に設けられかつハウジングに支
   承されるセレクトアームに、ハウジングに枢着し
   たベルクランクの一端を結合したフロアシフト機
   構において、前記シフトアームは、シフトレバー
   のセレクト操作方向に対して相対的に揺動できる
   ようシフトレバーの球面部に結合されて成ること
   を特徴とするフロアシフト機構。