JPH0132118Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車の変速機操作装置に関するもの
である。

（従来技術） シフトケーブルとセレクトケーブルによつてチ
エンジレバーの動きを変速機に伝達するようにし
た従来の自動車の変速機操作装置は、チエンジレ
バーの下端にシフトケーブルを装着してチエンジ
レバーのシフト操作を変速機に伝達させるととも
に該チエンジレバーのセレクト操作をベルクラン
クにより方向変換したうえでセレクトケーブルを
介して変速機に伝達するようにしたものを普通と
するため、セレクト操作系に多数の構成部品を必
要とするのみならず、セレクト操作力の伝達効率
が悪く、ダイレクトなセレクトフイーリングを得
ることができないという問題点があつた。そこで
本出願人は先に実願昭58−133766号としてチエン
ジレバーの中間部に直接シフトケーブルを装着す
るとともにチエンジレバーの下端のセレクトアー
ムに直接セレクトケーブルを装着し、ダイレクト
なセレクトフイーリングが得られるようにした変
速機操作装置を提案したが、この装置ではシフト
操作の際にチエンジレバー先端のノブがチエンジ
レバーのセレクト回転軸を中心とする放射状の軌
跡を描くため、ノブの軌跡がＨパターンを描く一
般の変速機操作装置に比較して運転者に奇異感を
与える欠点があつた。

（考案の目的） 本考案は上記のような問題点を解決してセレク
ト操作力の伝達効率が良好でダイレクトなセレク
トフイーリングを得ることができ、しかも操作時
にノブの軌跡がＨパターンを描いて運転者に奇異
感を与えることのない自動車の変速機操作装置を
目的として完成されたものである。

（考案の構成） 本考案は中間部に車体の前後方向に延びるシフ
トケーブルが装着されたチエンジレバーの下端に
球状部を設けて該球状部を球面軸受けにより基板
上に取付けるとともに、チエンジレバーの中間部
以下の部分を車体の前後方向に延びる案内溝に貫
通させ、また前記球状部にはチエンジレバーの軸
線及び車体の前後方向と直交する方向にセレクト
アームを突設してその先端に車体の前後方向に延
びるセレクトケーブルを装着したことを特徴とす
るものであり、以下、図示の実施例により詳細に
説明する。

図中１は上端に操作用ノブ２を備えたチエンジ
レバーであつて、該チエンジレバー１にはその中
間部に小球部３を形成して該小球部３に球面軸受
状のソケツト４を介して車体の前後方向に延びる
シフトケーブル５を装着するとともに該チエンジ
レバー１の下端には小球部３より大きい球状部６
を一体的に設ける。該球状部６はポリアミド系樹
脂等の合成樹脂製の上下一対の成形部材よりなる
球面軸受７により基板８上に回動自在に支持され
ている。９は球面軸受７を基板８に取付けるため
のチエンジレバーキヤツプであつて、その上面に
は第５図に明示されるような車体の前後方向に延
びる案内溝１０を備えた案内板１１がボルト１２
によつて固定され、チエンジレバー１の下方部分
が該案内溝１０に貫通されている。また、この球
状部６には第２図及び第３図に示されるように、
チエンジレバー１の軸線及び車体の前後方向と直
交する方向にセレクトアーム１３が突設されてお
り、このセレクトアーム１３の先端には小球部１
４が形成され、球面軸受状のソケツト１５を介し
て前記シフトケーブル５と同様に車体の前後方向
に延びるセレクトケーブル１６が装着されてい
る。セレクトアーム１３の周囲の球面軸受７には
矩形孔２４が透設されてチエンジレバー操作時の
セレクトアーム１３と球面軸受７との干渉を防止
している。第２図から明らかなように該セレクト
ケーブル１６のアウターケーブル１７の口金１８
はクリツプ１９により基板８の端部に固定され、
同様にシフトケーブル５のアウターケーブル２０
の口金２１をクリツプ２２により基板８の端部に
固定することによりセレクトケーブル１６及びシ
フトケーブル５の押し引きいずれの方向の変位も
変速機に伝達することができるよう構成されてい
る。なお、２３は該チエンジレバーキヤツプ９の
外周に配設されたトーシヨンスプリングであつ
て、その先端はＬ字状に成形されてセレクトアー
ム１３に係合され、セレクトアーム１３をニユー
トラル位置に引き戻すセレクトリターン作用をさ
せている。

以上の実施例では案内溝１０を備えた案内板１
１をチエンジレバーキヤツプ９の上面に設けた
が、その設計位置はこれに限定されるものではな
く、小球部３の付近等の適宜の位置に設けること
もできる。

このように構成されたものは、シフト操作の際
には第１図に示すようにチエンジレバー１のノブ
２を車体の前後方向に動かせば、チエンジレバー
１はその下端の球状部６が球面軸受７により基板
８に回動自在に支持されているとともに、その下
方部分が車体の前後方向に延びる案内溝１０に貫
通されているため、球状部６を中心として車体の
前後方向に揺動し、その中間部に装着されたシフ
トケーブル５が前後方向に動かされて変速機にシ
フト動作を行わせる。また、セレクト操作の際に
は第２図に示されるようにチエンジレバー１のノ
ブ２を横方向に動かせば、チエンジレバー１は案
内溝１０と球面軸受７を通る直線の周りに回転
し、チエンジレバー１の軸線と直交する方向に球
状部６に突設されたセレクトアーム１３がその先
端に装着されたセレクトケーブル１６を直接動か
して変速機にセレクト動作を行わせる。このよう
に本考案においてはチエンジレバー１の操作時に
ノブ２の先端は車体の前後方向及び横方向へのＨ
パターンを描くとともにセレクト操作はチエンジ
レバー１の球状部６に突設されたセレクトアーム
１３により直接セレクトケーブルを動かすので、
セレクト操作力の伝達効率は極めて高く、ダイレ
クトなセレクトフイーリングを得ることができる
ものである。

（考案の効果） 本考案は以上の説明から明らかなように、チエ
ンジレバー操作時のノブ先端の軌跡を従来一般の
ものと同様のＨパターンとしたので運転者に奇異
感を与えることがなく、また従来のベルクランク
を介してセレクトケーブルを動かす形式のものに
比べ全体の構成部品数が減少するうえセレクト操
作力が効率よくセレクトケーブルに伝達されてダ
イレクトなセレクトフイーリングを得ることがで
きるもので、製作が容易で安価に提供できる利点
と相俟ち従来の自動車の変速機操作装置の問題点
を解消したものとして実用的価値極めて大なもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠正面
図、第２図は同じく一部切欠平面図、第３図は同
じく一部切欠側面図、第４図は第３図のＡ−Ａ矢
視図、第５図は第３図のＢ−Ｂ矢視図である。 １……チエンジレバー、５……シフトケーブ
ル、６……球状部、７……球面軸受、８……基
板、１０……案内溝、１３……セレクトアーム、
１６……セレクトケーブル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中間部に車体の前後方向に延びるシフトケーブ
   ル５が装着されたチエンジレバー１の下端に球状
   部６を設けて該球状部６を球面軸受７により基板
   ８上に取付けるとともに、チエンジレバー１の中
   間部以下の部分を車体の前後方向に延びる案内溝
   １０に貫通させ、また前記球状部６にはチエンジ
   レバー１の軸線及び車体の前後方向と直交する方
   向にセレクトアーム１３を突設してその先端に車
   体の前後方向に延びるセレクトケーブル１６を装
   着したことを特徴とする自動車の変速機操作装
   置。