JP2005324756A - リバースミスシフト防止構造 - Google Patents

リバースミスシフト防止構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2005324756A
JP2005324756A JP2004146909A JP2004146909A JP2005324756A JP 2005324756 A JP2005324756 A JP 2005324756A JP 2004146909 A JP2004146909 A JP 2004146909A JP 2004146909 A JP2004146909 A JP 2004146909A JP 2005324756 A JP2005324756 A JP 2005324756A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
shift lever
reverse
shift
ball member
lever
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004146909A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Tachikawa
義彦 立川
Koichiro Hamaka
康一郎 浜加
Tomohiro Kawasaki
智広 川崎
Shuji Maki
周次 真木
Tomoyoshi Yamazaki
智義 山▲崎▼
Koji Tokunaga
幸司 徳永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Delta Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Delta Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp, Delta Kogyo Co Ltd filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2004146909A priority Critical patent/JP2005324756A/ja
Publication of JP2005324756A publication Critical patent/JP2005324756A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Arrangement Or Mounting Of Control Devices For Change-Speed Gearing (AREA)

Abstract

【課題】 ベース部材50のボール部材支持部51に切欠き部53が設けられたリバースミスシフト防止構造に対して、省スペースかつ低コストでベース部材50の剛性を確実に確保する。
【解決手段】 シフトレバー30のリバースシフトを規制する規制部材59を、ベース部材50のボール部材支持部51の切欠き部53の上側を跨ぐように配設して該ボール部材支持部51に固定する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、略上下方向に延びかつ押し下げ操作又は引き上げ操作からなる所定操作が可能に構成された、マニュアルトランスミッションのシフトレバーに対して、上記所定操作がなされたときには、該シフトレバーのリバースシフトを許可する一方、上記所定操作がなされないときには、シフトレバーのリバースシフトを規制するようにしたリバースミスシフト防止構造に関する技術分野に属する。
従来より、車両のドライバーがマニュアルトランスミッションのシフトレバーを誤ってリバースシフトするのを防止するためのリバースミスシフト防止構造は知られており、例えば特許文献1には、プッシュ式のリバースミスシフト防止構造が開示されている。このプッシュ式のリバースミスシフト構造は、シフトレバーのプッシュ操作(押し下げ操作)により該シフトレバーのリバースシフトを許可するものであり、具体的には、上方に突出したリテーナの組付孔にボールシートが上下方向に摺動自在に嵌合されており、このボールシートに、シフトレバーの軸方向(上下方向)中間部に設けられたボール部材が、シフトレバーが揺動自在となるように支持されている。シフトレバーは、組付孔内に収容された付勢バネによって上方に付勢されており、その付勢力に抗してプッシュ操作することが可能になっている。また、リテーナの組付孔開口部には突出部が突出成形され、シフトレバーにも突出部が設けられている。そして、シフトレバーをリバース側にセレクト操作する場合であってシフトレバーがプッシュ操作されないときには、上記シフトレバーの突出部が上記組付孔開口部の突出部に当接することで、シフトレバーのリバース側へのセレクト操作を規制する、つまりリバースシフトを規制する一方、シフトレバーの押し下げ操作がなされたときには、シフトレバーの下側への移動に伴ってシフトレバーの突出部が上記組付孔開口部の突出部の下方に移動することで、シフトレバーのリバース側へのセレクト操作を許可する、つまりリバースシフトを許可するようになっている。
また、上記特許文献1のものとは逆に、シフトレバーの引き上げ操作によりシフトレバーのリバースシフトを許可するものもある(例えば、特許文献2参照)。
ところで、上記特許文献1及び2に記載されたものは、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)車に適用されたものであり、シフトレバーの操作をトランスミッションの本体に伝達するために、シフトレバーの下端部に、シフトレバーのシフト操作及びセレクト操作にそれぞれ連動して中心軸回りに回動及び中心軸方向に移動するコントロールロッドが連結されている。
一方、FF(フロントエンジン・フロンドライブ)車の場合には、シフトレバーの操作をトランスミッションに伝達するために、通常、車両前後方向に延びるケーブルが用いられており、シフトレバーのシフト操作(通常、シフトレバーを車両前後方向に揺動させる操作)に連動して車両前後方向に移動するシフトケーブルと、セレクト操作(通常、シフトレバーを車幅方向に揺動させる操作)に連動して車両前後方向に移動するセレクトケーブルとが設けられている。上記シフトケーブルは、シフトレバーに設けたブラケット等に固定されるが、セレクトケーブルは、例えば、ボール部材にシフトレバーの側方に延びるように固定した棒状部材の先端部に連係して回動される回動部材に固定される。すなわち、棒状部材の先端部がシフトレバーのセレクト操作に連動して上下方向に移動し、この上下方向の移動により回動部材の先端部が車両前後方向に移動するようになされており、この回動部材の先端部に固定されたセレクトケーブルも車両前後方向に移動することとなる。尚、FF車の場合には、通常、上記ボール部材を支持するためにベース部材が車体に固定され、このベース部材のボール部材支持部がボール部材を支持するように構成される。
特開2003−118412号公報 特開平10−287143号公報
しかしながら、上記のような棒状部材をボール部材に設けた場合、このボール部材を支持するために設けたベース部材の剛性が低下してしまうという問題がある。すなわち、ベース部材のボール部材支持部は、上記特許文献1のリテーナの組付孔のように、通常、該ボール部材支持部の上面に開口しかつボール部材が収容された凹状部で構成されるが、棒状部材をボール部材に設けた場合には、その棒状部材と凹状部の周囲側壁部とが干渉しないように、凹状部の周囲側壁部における周方向の一部に、凹状部と連通するようにボール部材支持部の上面から下側に切り欠かれてなる切欠き部が設けられるために、ベース部材(特にボール部材支持部)の剛性が低下してしまう。このため、シフトレバーの操作に伴って凹状部の径が変化してボール部材を確実に支持することができなくなる。また、シフトレバーに設けたピン部材を、ベース部材に設けた規制部材に当接させることで、シフトレバーのリバースシフトの規制を行う場合に、規制部材がピン部材から力を受けたときにベース部材が変形してリバースシフトの規制を確実に行うことができなくなってしまう。一方、ベース部材のボール部材支持部の剛性を補強部材等で単純に高めようとすると、補強部材のスペースが必要になるとともに、コストアップを招いてしまう。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のようにベース部材のボール部材支持部に切欠き部が設けられたリバースミスシフト防止構造に対して、省スペースかつ低コストでベース部材の剛性を確実に確保しようとすることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、シフトレバーのリバースシフトを規制する規制部材を、ベース部材のボール部材支持部の切欠き部の上側を跨ぐように配設して該ボール部材支持部に固定するようにした。
具体的には、請求項1の発明では、略上下方向に延びかつ押し下げ操作又は引き上げ操作からなる所定操作が可能に構成された、マニュアルトランスミッションのシフトレバーに対して、上記所定操作がなされたときには、シフトレバーのリバースシフトを許可する一方、上記所定操作がなされないときには、シフトレバーのリバースシフトを規制するようにしたリバースミスシフト防止構造を対象とする。
そして、上記シフトレバーに設けられた球状のボール部材と、上記ボール部材に上記シフトレバーの側方に延びるように固定された棒状部材と、上記シフトレバーに該シフトレバーの側方に突出するように設けられ、該シフトレバーの上記所定操作に連動して下側又は上側に移動するように構成されたピン部材と、車体に固定され、上記ボール部材を上記シフトレバーが揺動自在となるように支持するボール部材支持部を有するベース部材と、上記ベース部材に固定され、上記シフトレバーのリバース操作時において上記所定操作がなされないときにのみ上記ピン部材が当接することで、該シフトレバーのリバースシフトを規制する規制部材とを備え、上記ベース部材のボール部材支持部は、該ボール部材支持部の上面に開口しかつ上記ボール部材が収容された凹状部と、該凹状部の周囲側壁部における周方向の一部がボール部材支持部の上面から下側に切り欠かれてなりかつ上記棒状部材が挿通される切欠き部とを有し、上記規制部材は、上記ボール部材支持部の切欠き部の上側を跨ぐように配設されて該ボール部材支持部に固定されているものとする。
上記の構成により、規制部材が、ベース部材におけるボール部材支持部の切欠き部の上側を跨ぐように配設されて該ボール部材支持部に固定されているので、規制部材によりボール部材支持部が効果的に補強されて、シフトレバーの操作に伴う凹状部の径の変化や、規制部材がピン部材から力を受けたときのボール部材支持部の変形を防止することができる。この結果、補強部材等を別途に設ける必要はなく、省スペースかつ低コストでベース部材の剛性を確実に確保することができる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、規制部材は、ボール部材支持部の切欠き部の上側を凹状部略周方向に横切って跨ぎかつ該凹状部側の面にピン部材が当接するように配設された規制本体部と、該規制本体部から該ボール部材支持部の上面に沿って延び、該ボール部材支持部の上面に固定された固定部とを有しているものとする。
このことにより、ボール部材支持部を効果的に補強可能な規制部材を簡単な形状で形成することができる。
請求項3の発明では、請求項2の発明において、規制部材の固定部は、少なくとも規制本体部における切欠き部を跨ぐ方向の両端近傍位置でボール部材支持部に固定されているものとする。
このことで、シフトレバー操作に伴う凹状部の径の変化を確実に防止することができるとともに、規制本体部がピン部材から力を受けたときのボール部材支持部の変形を確実に防止することができることができる。
請求項4の発明では、請求項1の発明において、規制部材は、ボール部材支持部の切欠き部の上側を凹状部略周方向に横切って跨ぎかつ該凹状部側の面にピン部材が当接するように配設された規制本体部を有し、上記規制本体部における凹状部とは反対側の面に、上下方向に延びる縦リブが形成されているものとする。
こうすることで、規制部材の規制本体部がピン部材からの力を確実に受け止めるとともに、車体の捩れがベース部材を介して規制部材に伝わったとしても、規制本体部の破損を防止することができる。すなわち、規制本体部を、ピン部材からの力に対して剛性を高めるべく分厚い固まりにしたとしても、車体は常に捩れるものであるため、その捩れがベース部材を介して規制部材に伝わって、その規制本体部が応力集中により破損する可能性がある。しかし、この発明のように、規制本体部における凹状部とは反対側の面に縦リブを形成することで、上記捩れに対しては剛性が高すぎることがなくて応力集中による破損を防止することができるとともに、ピン部材からの力に対しては剛性が高くてその力を効果的に受け止めることができる。
請求項5の発明では、請求項4の発明において、規制部材の規制本体部における凹状部側の面は、ピン部材が当接する当接部と、該当接部の下側に設けられ、切欠き部を跨ぐ方向の両端部を残して凹状部とは反対側に窪む窪み部とを有しているものとする。
このことにより、請求項4の発明と同様の作用効果が得られるとともに、シフトレバーの押し下げ操作によりリバースシフトを許可するように構成する場合に、その押し下げ操作によりピン部材を窪み部に対応するように位置させることで、リバースシフト許可の構成が簡単になる。
請求項6の発明では、請求項4又は5の発明において、規制部材の規制本体部の上面に、凹状部側からその反対側に延びるリブが形成されているものとする。このことで、請求項4の発明の作用効果をより一層高めることができる。
請求項7の発明では、請求項1〜6のいずれか1つの発明において、シフトレバーは、ボール部材に上下方向に延びるように固定された下側レバー部と、該下側レバー部に上下方向に摺動自在に支持され、ピン部材が固定されかつ上端部にレバー操作用ノブが設けられた上側レバー部とで構成されているものとする。
こうすることで、シフトレバーの所定操作(押し下げ操作又は引き上げ操作)がなされたときに、上側レバー部だけが下側レバー部に対して下方又は上方に移動し、シフトレバーの下部を構成する下側レバー部は上下移動しないような構成にすることができる。この結果、ボール部材を含めてシフトレバー全体が上下方向に移動する従来の構成のように、ボール部材を支持するボール部材支持部において該ボール部材を上下に摺動可能にするという構成は必要がなく、このことで大きなスペースが不要となって、車室内のスペース効率を向上させることができる。
以上説明したように、本発明のリバースミスシフト防止構造によると、シフトレバーのリバースシフトを規制する規制部材を、ボール部材支持部の切欠き部の上側を跨ぐように配設して該ボール部材支持部に固定するようにしたことにより、省スペースかつ低コストでベース部材の剛性を確実に確保することができ、シフトレバーのリバースシフトの規制を確実に行うことができるとともに、シフトレバーの操作フィーリングの低下を防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4は、本発明の実施形態に係るリバースミスシフト防止構造(リバースインヒビット構造ともいう)10を示し、このリバースミスシフト防止構造10は、車両(この実施形態では、FF車であって、エンジンルームにエンジンと共にマニュアルトランスミッション(MTミッション)が設けられている)のドライバーが、マニュアルトランスミッションの変速を行うためのシフトレバー30をプッシュ操作(押し下げ操作)しないときに該シフトレバー30のリバースシフトを規制することでドライバーのリバースシフト誤操作を防止するものである。
上記シフトレバー30は、略上下方向に延びかつベース部材50(詳しくは、後述のボール部材支持部51(図5等参照))に揺動自在に支持されていて、図8に示すようなシフトパターンに沿って操作可能に構成されている。このシフトパターンは、互いにセレクト方向(車幅方向)に所定間隔を開けて平行に並ぶ1−2速シフトレーンr1、3−4速シフトレーンr2及び5−6速シフトレーンr3と、セレクト方向左側端(1−2速シフトレーンr1の左隣)に単独で設けられた後退用シフトレーンr4とからなる。尚、r5はシフトレバー30のセレクト方向の操作(以下、セレクト操作という)が行われるニュートラルレーンであり、ニュートラル位置は、このニュートラルレーンr5と3−4速シフトレーンr2との交点上にある。そして、シフトレバー30を1−2速シフトレーンr1から後退用シフトレーンr4へセレクト操作(以下、リバース操作という)する場合において、シフトレバー30をプッシュ操作したときにのみ、シフトレバー30のニュートラルレーンr5におけるセレクト方向の後退用シフトレーンr4側(セレクト方向左側)への移動が許可されるようになっている。つまり、シフトレバー30のリバースシフトが許可されることになる。
上記シフトレバー30は、プッシュ操作可能に構成されている。すなわち、図6及び図7に詳細に示すように、シフトレバー30は、下側レバー部32と、この下側レバー部32に上下方向に摺動自在に支持された上側レバー部33とで構成され、この上側レバー部33は、下側レバー部32に対しスプリング35により上方に付勢されている。このため、シフトレバー30がプッシュ操作されると、上側レバー部33がスプリング35の付勢力に抗して下側レバー部32に対して下側に移動するようになっている。
上記下側レバー部32の下端部(つまりシフトレバー30の下端部)には、球状のボール部材31が設けられ、上側レバー部33の下端部近傍における周側面には、ガイドピン34がシフトレバー30の側方(径方向)に突出するように設けられている。尚、ボール部材31は、シフトレバー30の下端部に限らず、シフトレバー30の上下方向中間部に設けてもよい。
上記ボール部材31は、上記ベース部材50のボール部材支持部51に該ボール部材31の略中心回りに回動自在に支持されており、このことで、シフトレバー30がベース部材50のボール部材支持部51に揺動自在に支持されることになる。このボール部材31には、上下方向に延びかつ上記下側レバー部32の下端部が挿入固定されるシフトレバー用孔部31aと、セレクト方向に延びるロッド用孔部31bとが形成されている(図7参照)。
上記ロッド用孔部31bには、セレクト方向に延びるセレクトロッド36の車両右側端部が挿入固定されている。つまり、このセレクトロッド36は、ボール部材31にシフトレバー30の側方(セレクト方向一方側(左側))に延びるように固定された棒状部材を構成する。このセレクトロッド36の先端部である車両左端部には球状部36aが設けられ(図3、図6等参照)、この球状部36aが、略L字状をなすセレクトケーブル固定用ブラケット37の屈曲部に取付固定した円筒状部材37aの内側に嵌められている(図1、図3、図5等参照)。
上記セレクトケーブル固定用ブラケット37の一端部には、図5に示すように、車幅方向に延びる軸部材38が取付固定されており、この軸部材38は、上記ベース部材50の車両左側側面(後述の切欠き部53の車両後側近傍)に設けたボス部50aに、軸受部材65を介して上記軸部材38の軸周りに回動可能に支持されている。一方、セレクトケーブル固定用ブラケット37の他端部にはセレクトケーブル固定用ピン37bが差込固定され、このセレクトケーブル固定用ピン37bに、車両前後方向に延びるセレクトケーブル70(図1参照)の一端部が取付固定されている。このセレクトケーブル70の他端部はマニュアルトランスミッションに接続されている。そして、シフトレバー30をセレクト操作したとき、セレクトロッド36の先端部が略上下方向に移動し、これに伴いセレクトケーブル固定用ブラケット37及び軸部材38が該軸部材38の軸周りに回動し、このことで、セレクトケーブル固定用ピン37bが略車両前後方向に移動して、セレクトケーブル70が車両前後方向に移動するようになっている。すなわち、セレクトケーブル70は、シフトレバー30のセレクト操作に連動して車両前後方向に動き、シフト方向の操作では殆ど動かない。尚、上記ベース部材50のボス部50aの外周囲には、捩りコイルばね71が配設されており、この捩りコイルばね71は、シフトレバー30をニュートラル位置からセレクト方向に操作したときに、該シフトレバー30に対しニュートラル位置に戻す力を付与するものである。また、捩りコイルばね71とセレクトケーブル固定用ブラケット37との間には、軸部材38が貫通するワッシャ66が配設されている。
上記シフトレバー30の下側レバー部32は、その上端及び下端がそれぞれ開口した中空円筒状のものからなっていて、その下端部を上記ボール部材31のシフトレバー用孔部31aに差し込むことにより、その軸が上下方向に延びるようにボール部材31に固定されている。
上記下側レバー部32の軸方向(上下方向)中間部には、上下方向に延びる一対の長孔32a,32aが形成されている。これら2つの長孔32a,32aは下側レバー部32の径方向(詳しくは、セレクト方向)に互いに対向する位置に設けられていて、各々、下側レバー部32を径方向に貫通して該下側レバー部32の中空部32fに通じている。そして、下側レバー部32において上記長孔32a,32aが形成された部分が、長孔部32b,32bをそれぞれ構成している。
上記下側レバー部32の長孔部32b,32bよりも上側部分は、拡張部32cを構成している。この拡張部32cは、下側レバー部32の外周面からその全周に亘って外側に向かって突出形成されてなっている。すなわち、拡張部32cの外径は、下側レバー部32における拡張部32cよりも下側部分に比べて大きくなされている。言い換えれば、下側レバー部32には段差部が形成されている。
上記拡張部32cの下部には、その外周面を凹ませてなる2つの節度機構用凹部32d,32dが形成されており、それら節度機構用凹部32d,32dの底部にはそれぞれ下側レバー部32を径方向(詳しくは、車両前後方向)に貫通して該下側レバー部32の中空部32fに通じる節度機構用貫通孔32e,32eが形成されている。この節度機構用凹部32d,32dには、シフトレバー30のプッシュ操作時に該操作者であるドライバーに対して節度感を付与する節度機構39が設けられている。この節度機構39は、上記節度機構用凹部32d,32dに外嵌合された断面コ字状の嵌合固定部39aと、この嵌合固定部39aの内周面からそれぞれ内側に突起して節度機構用貫通孔32e,32eに挿通されている弾性変形可能な2つの突起部39b,39bとを有する(図7参照)。
上記下側レバー部32における上記拡張部32cの下端面とガイドピン34との間には、円環状のゴム部材40が嵌められている。このゴム部材40は、拡張部32cの下端面及びガイドピン34によって支持されている。このゴム部材40の厚みは、拡張部32cの下端面と長孔部32bの上端に位置しているガイドピン34との間の距離よりも若干大きい。
上記下側レバー部32の拡張部32cの上部、すなわち、下側レバー部32の上端部には、板状をなすシフトケーブル固定用ブラケット41が固定されている。このシフトケーブル固定用ブラケット41は、水平方向に延びる水平部41aと、上下方向に延びる鉛直部41bとを有する。上記水平部41aは平面視で略三角形状に形成されていて、下側レバー部32に対する取付位置(厚み方向に貫通する貫通孔41c(図7参照)が形成された部分)からシフト方向(セレクト方向に垂直な方向、つまり車両前後方向)前側でかつセレクト方向右側に延びている。このシフトケーブル固定用ブラケット41は、上記貫通孔41cに下側レバー部32の上端部を挿通することにより下側レバー部32に取付固定されている。上記鉛直部41bは車幅方向から見て略三角形状に形成されていて、水平部41aの右辺部から上方に延びている。この鉛直部41bの車両前側上部の隅部には厚み方向に貫通する貫通孔41dが形成されている。この貫通孔41dにはシフトケーブル固定用ピン42が差込固定されている。このシフトケーブル固定用ピン42に、車両前後方向に延びるシフトケーブル72(図1参照)の一端部が取付固定されている。このシフトケーブル72の他端部はマニュアルトランスミッションに接続されている。そして、シフトレバー30をシフト方向に操作したとき、シフトケーブル固定用ブラケット41及びピン42が車両前後方向に移動し、このことで、シフトケーブル72が車両前後方向に移動するようになっている。すなわち、シフトケーブル72は、シフトレバー30のシフト方向の操作に連動して車両前後方向に動き、セレクト操作では車両前後方向に殆ど動かない。このシフトケーブル72と上記のセレクトケーブル70とにより、シフトレバー30のセレクト操作及びシフト方向の操作に従って、マニュアルトランスミッションにおいて適切な変速ギヤが選択されることになる。
上記上側レバー部33は、略円柱状の中実部材からなっていて、その軸が上下方向に延びる上部33aと、その軸がほぼ水平方向に延びる中央部33bと、その軸が上下方向に延びる下部33cとを有する。上部33aの上端部、すなわち、上側レバー部33の上端部には、ドライバーがシフトレバー30を操作するときに手に持つレバー操作用ノブ(図示せず)が取付固定されている。上側レバー部33は、その下部33cを下側レバー部32の中空部32f内に挿入することにより、下側レバー部32に対して上下方向に摺動自在に支持されている。下部33cの下端部には、軸方向に延びるスプリング用凹部33dが形成されている。また、下部33cのスプリング用凹部33dよりも上側部分には、径方向(詳しくは、セレクト方向)に貫通するガイドピン用貫通孔33eが形成されている。さらに、下部33cのガイドピン用貫通孔33eよりも上側部分には、その外周面がその全周に亘って内側に凹んでなる節度機構用凹部33fが形成されている。この節度機構用凹部33fには、シフトレバー30がプッシュ操作されていないときに上記節度機構39の突起部39bが引っ掛かっている。
上記ガイドピン34は、上側レバー部33における下部33cのガイドピン用貫通孔33eに、長孔部32b,32bに挿通された状態で挿入固定されている。詳しくは、ガイドピン34は、上側レバー部33を下側レバー部32の中空部32f内に挿入した状態で下側レバー部32の一方の長孔部32bから上側レバー部33のガイドピン用貫通孔33eに圧入した後に他方の長孔部32bに挿通することにより、上側シフトレバー33に圧入固定されている。ガイドピン34は、その両端部が下側レバー部32の両長孔部32b,32bからセレクト方向にそれぞれ飛び出していて、長孔部32b,32bによって上下方向にのみガイドされる。このことで、ガイドピン34は、上側レバー部33が下側レバー部32の中空部32fから抜けることを防ぐ役割と、上側レバー部33が下側レバー部32の中空部32f内でその軸回りに回転することを防ぐ役割とを果たす。そして、ガイドピン34は、シフトレバー30がプッシュ操作されていないときには、スプリング35の上側レバー部33に対する上方付勢力によって長孔部32b,32bの上端に位置し、ガイドピン34が長孔部32b,32bの上端に位置しているときにおいてのみ、シフトレバー30を1−2速シフトレーンr1からリバース操作しようとすると、上記ガイドピン34の車両左端部が後述の規制部材59に当接するようになっている。このことで、ガイドピン34は、シフトレバー30のリバース操作時においてシフトレバー30をプッシュ操作しないときにシフトレバー30のニュートラルレーンr5におけるセレクト方向の後退用シフトレーンr4側への移動を規制する役割を果たす(この規制の詳細については後述する)。そして、ガイドピン34は、シフトレバー30がプッシュ操作されたときには、上側レバー部33がスプリング35の上方付勢力に抗して下側レバー部32に対して下側に移動することで長孔部32b,32bの上端位置から下側に移動し、このときには、後述の如く、リバース操作を行ってもガイドピン34が規制部材59に当接せず、シフトレバー30のリバース操作が許可される。したがって、ガイドピン34は、シフトレバー30の側方(セレクト方向)に突出するように設けられかつシフトレバー30の押し下げ操作に連動して下側に移動するとともにシフトレバー30のリバース操作時においてプッシュ操作がなされないときにのみ規制部材59に当接するピン部材を構成する。尚、ガイドピン34は、上記ゴム部材40が下側レバー部32から抜け落ちることを防止する機能をも有する。
上記スプリング35は、下側レバー部32の中空部32f内に収容されている。このスプリング35の上部は、上側レバー部33のスプリング用凹部33dに差し入れられており、その上端部がスプリング用凹部33dの底部に接している。一方、スプリング35の下端部は、ボール部材31のロッド用孔部31bに挿入固定されたセレクトロッド36の外周面に接している(図3及び図4参照)。
上記ベース部材50は、車両前後方向に延びるように車体(図示せず)に取付固定されている。このベース部材50の車両後側部分には、ボール部材31をシフトレバー30が揺動自在となるように支持するボール部材支持部51が設けられている。このボール部材支持部51は、図5に示すように、該ボール部材支持部51の上面に開口しかつ上記ボール部材31が収容された円形の凹状部52と、この凹状部52の周囲側壁部における周方向の一部(本実施形態では、凹状部52の中心軸(略上下方向に延びている)に対してセレクト方向左側となる位置)が、凹状部52と連通するようにボール部材支持部51の上面から下側に切り欠かれてなりかつ上記セレクトロッド36が挿通される切欠き部53とを有している。すなわち、この切欠き部53は、上記セレクトロッド36が凹状部52の周囲側壁部を凹状部52内側から外側に貫通するために設けられたものであり、シフトレバー30、ボール部材32、セレクトロッド36等を組み付けた状態のユニット(図6に示す状態)を、ボール部材支持部51に組み付けることができるように、ボール部材支持部51の上面から下側に切り欠かれている。
上記凹状部52は、凹状部52の開口側(上側)に位置する上側凹状部57と、この上側凹状部57の底面に該上側凹状部57と同心状に設けられた下側凹状部58とで構成されている。上側凹状部57の内径は、上下方向全体に亘って一定である(図3及び図4参照)。すなわち、上側凹状部57の内周面は鉛直面である。この上側凹状部57には、その内周面を外側に溝状に凹ましてなる溝部57aが3つ形成されている(図5参照)。これら溝部57aは上下方向に延びている。一方、下側凹状部58の内径は、上側から下側に行くに従って直線的に小さくなっている(図3及び図4参照)。すなわち、下側凹状部58の内周面は、下側に向かって径が小さくなるテーパ面とされている。この下側凹状部58には、その内周面を外側に溝状に凹ましてなる溝部58aが1つ設けられている(図5参照)。この溝部58aも、上記各溝部57aと同様に、上下方向に延びている。また、下側凹状部58の開口径(上端の内径)は、上側凹状部57の内径よりも小さくなっており、このことで、上側凹状部57の底面は、棚状(段状)に形成されてなる棚部57bを構成することになる。
上記ボール部材支持部51は、該ボール部材支持部51における凹状部52の上側及び下側凹状部57,58内にそれぞれ設けられた上側及び下側Cリング54,55を介してボール部材31を支持するように構成されている。上記上側Cリング54は、周方向の一部が開放された開放部54bを有する樹脂製リング部材からなっていて、凹状部52内におけるボール部材31の上側に、該上側Cリング54の外周面が上側凹状部57の内周面に当接するように嵌められている。上記下側Cリング55も、上側Cリング54と同様に、周方向の一部が開放された開放部55bを有する樹脂製リング部材からなっていて、凹状部52内におけるボール部材31の下側に、該下側Cリング55の外周面が下側凹状部58の内周面に当接するように嵌められている。これら上側及び下側Cリング54,55の開放部54b,55bは、該上側及び下側Cリング54,55の中心軸(凹状部52の中心軸と略一致する)に対してセレクト方向左側に位置するように、つまりセレクト方向の上記切欠き部53と同じ側に位置するようになされている。すなわち、上側Cリング54の外周面には、外側に向かって突起しかつ上下方向に延びる突起部54aが3つ形成されており(図5参照)、上側Cリング54は、その下面を上記棚部57bに載せるとともにその各突起部54aを上側凹状部57の各溝部57aにそれぞれ嵌め込むことにより、周方向の位置決めがなされて、上記開放部54bが切欠き部53と対向するようになされる。また、下側Cリング55の外周面にも、外側に向かって突起しかつ上下方向に延びる突起部55aが1つ設けられており(図5参照)、下側Cリング55は、その突起部55aを下側凹状部58の溝部58aに嵌め込むことにより、周方向の位置決めがなされて、上記開放部55bが切欠き部53と対向するようになされる。
上記上側Cリング54の外径は、上下方向全体に亘って略一定である一方、上側Cリング54の内径は、上側から下側に行くに従って直線的に小さくなっている。この上側Cリング54の下面における内周面との角部は、上記ボール部材31の表面に略沿うように球面形状をなしていて、球面形状部54cを構成している(図3及び図4参照)。また、上側Cリング54の高さ(厚み)は、上側凹状部57の深さと略同じであり、上側Cリング54は、その上側に位置する規制部材59(詳しくは、後述の固定部59b)によりリング状のゴムリング56を介して上側凹状部57の底面に押し付けられて、上下移動不能に固定されている。
上記下側Cリング55の外径は、上側から下側に行くに従って直線的に小さくなっている。つまり、下側Cリング55の外周面は、上記下側凹状部58の内周面に略沿うテーパ面とされている。一方、下側Cリング55の内径は、上下方向全体に亘って略一定である。この下側Cリング55の上面における内周面との角部は、上記ボール部材31の表面に略沿うように球面形状をなしていて(略半球状に凹んでいて)、球面形状部55cを構成している。また、下側Cリング55の高さ(厚み)は、下側凹状部58の深さよりも小さくて、下側Cリング55は上下方向に移動可能になっている。
そして、上記ボール部材31は、上記上側Cリング54の球面形状部54c及び下側Cリング55の球面形状部55cによってその間に挟まれるように支持されている。より詳細には、下側Cリング55は、縮径した状態で下側凹状部58内に嵌められており、このことと、下側Cリング55の外周面及び下側凹状部58の内周面が下側に向かって径が小さくなるテーパ面となっていることとで、シフトレバー30がプッシュ操作されていないときには、下側Cリング55に、縮径時の弾性力により拡径して上側に移動しようとする力が生じて、この力によりボール部材31を上側Cリング54へ押圧し、この下側Cリング55により押圧されたボール部材31が上側Cリング54によって受け止められる。このときに下側Cリング55がボール部材31を上側に押す部分は、球面形状部55cにおいて内周面に最も近い部分であり、この部分よりも外周側の部分では、ボール部材31との間に隙間が形成されており、この隙間は内周側から外周側に行くに従って大きくなっている。これにより、ボール部材31の上下ガタ(つまりシフトレバー30の上下ガタ)が抑えられるとともに、球面形状部55cの一部しかボール部材31と当接していないことで、ドライバーに対し或る程度の手応え感を付与しつつシフトレバー30がスムーズに揺動し、シフトレバー30の操作性が向上する。
一方、シフトレバー30のプッシュ操作がなされたときには、該プッシュ操作により下側Cリング55がボール部材31を介して下方に押されて移動し(つまり、このときはシフトレバー30全体が下側に移動し、この移動後に、上側レバー部33が下側レバー部32に対して下側に移動することになるが、上記シフトレバー30全体の移動量は、上側レバー部33の下側レバー部32に対する移動量よりもかなり小さい)、下側Cリング55の下面が下側凹状部58の底面に当接する。このとき、下側Cリング55は、該下側Cリング55の外周面及び下側凹状部58の内周面が下側に向かって径が小さくなるテーパ面となっていることで、更に縮径され、これにより、下側Cリング55の球面形状部55cの略全体がボール部材31の表面に沿って当接して、球面形状部55cとボール部材31との接触面積が、シフトレバー30のプッシュ操作されていないときに比べて増大する。この結果、シフトレバー30の揺動のフリクションが増して、ドライバーに対しリバース操作において比較的大きな手応え感を付与することができるとともに、ボール部材31が下側Cリング55の球面形状部55cの中心位置にセンタリングされ、リバース操作時に、ボール部材31が押し下げ力を受けても確実に支持されるとともに、ボール部材31の位置精度を高めることができる。
上記ベース部材50のボール部材支持部51の上面には、図1〜図5に示すように、ドライバーのシフトレバー30のリバース操作時においてシフトレバー30をプッシュ操作しないときにのみシフトレバー30のセレクト方向の後退用シフトレーンr4側への移動を規制する規制部材59が配設されている。この規制部材59は、上記ボール部材支持部51の切欠き部53の上側を跨ぐように配設されて該ボール部材支持部51の上面に固定されている。具体的には、規制部材59は、ボール部材支持部51の切欠き部53の上側を凹状部52略周方向(本実施形態では、車両前後方向)に横切って跨ぎかつ該凹状部52側の面(車両右側面)に上記ガイドピン34が当接するように配設された規制本体部59aと、この規制本体部59aからボール部材支持部の51上面に沿って延び、該ボール部材支持部51の上面(凹状部52の周囲壁部上面)に固定された、規制部材59をベース部材50に固定するための板状の固定部59bとを有する。上記規制本体部59aの凹状部52側の面は、上記ガイドピン34が当接する当接部59cと、この当接部59cの下側に設けられ、切欠き部53を跨ぐ方向(車両前後方向)の両端部を残して凹状部52とは反対側(車両左側)に窪む窪み部59dとを有している(図3参照)。上記当接部59cには、ドライバーのシフトレバー30のリバース操作時においてガイドピン34が長孔部32bの上端に位置しているとき(プッシュ操作されないとき)にのみガイドピン34の車両左端部が当接する。そして、シフトレバー30のリバース操作時においてプッシュ操作がなされたときには、ガイドピン34が上記窪み部59dと同じ高さ位置に位置して窪み部59d内に入り込み、このことで、シフトレバー30のリバースシフトが許可されることになる。
上記固定部59bは、上記規制本体部59aにおける切欠き部53を跨ぐ方向の両端部から車両右側にそれぞれ延びていて、ボール部材支持部51の上面に4つのボルトで固定されている。これら4つのボルト固定位置のうち2つは、規制本体部59aにおける切欠き部53を跨ぐ方向の両端近傍位置にあり、このことで、シフトレバー30の操作に伴う凹状部52の径の変化を確実に防止することができるとともに、規制本体部59aがガイドピン34から力を受けたときのボール部材支持部51の変形を確実に防止することができる。尚、固定部59bは、その一部が上側凹状部57の上側に張り出すようになされていて、上述の如く上側Cリング54をゴムリング56を介して該上側凹状部57の底面に押し付けるようになっている。
上記規制本体部59aにおける凹状部52とは反対側の面(セレクト方向左側の面)には、上下方向に延びる複数の縦リブ59eが形成されている。これら複数の縦リブ59eにより、規制本体部59eがガイドピン34からの力を確実に受け止めるとともに、車体の捩れがベース部材50を介して規制部材59に伝わったとしても、規制本体部59eの破損を防止することができる。すなわち、規制本体部59eを、ガイドピン34からの力に対して剛性を高めるべく分厚い固まりにしたとしても、車体は常に捩れるものであるため、その捩れがベース部材50を介して規制部材59に伝わって、その規制本体部59aが応力集中により破損する可能性がある。しかし、この実施形態ように、規制本体部59aにおける凹状部52とは反対側の面に縦リブ59eを形成することで、上記捩れに対しては剛性が高すぎることがなくて応力集中による破損を防止することができるとともに、ガイドピン34からの力に対しては剛性が高くてその力を効果的に受け止めることができる。
また、上記規制本体部59aの上面には、凹状部52側からその反対側に延びて(切欠き部53を跨ぐ方向と垂直な方向に延びて)上記各縦リブ59eにそれぞれ連なる複数のリブ59fが形成されている。これらリブ59fにより、上記縦リブ59eを設ける効果がより助長される。
−リバースミスシフト防止構造の動作−
以下、シフトレバー30をリバース操作する際のリバースミスシフト防止構造10の動作について説明する。ここで、シフトレバー30が1−2速シフトレーンr1にあるときには、シフト方向のどの位置にあっても、シフトレバー30をプッシュ操作しなければ、ガイドピン34の車両左端部が規制部材59の規制本体部59aの当接面59cに略接触している。したがって、ドライバーがシフトレバー30をリバース操作する際において、該シフトレバー30をプッシュ操作しないときには、ガイドピン34の車両左端部が規制部材59の当接面59cに当接して(図3の二点鎖線の状態参照)、シフトレバー30のニュートラルレーンr5におけるセレクト方向の後退用シフトレーンr4側への移動が禁止される。このとき、上述の如く、ボール部材31が上側Cリング54へ押圧されているので、シフトレバー30の上下ガタが抑えられるとともに、シフトレバー30が比較的小さいフリクションでもってスムーズに揺動し、ドライバーに対して或る程度の手応え感を付与しつつ、シフトレバー30の操作性が向上する。また、ガイドピン34が、その上下位置が安定して規制部材59の規制本体部59aの当接面59cに確実に当接する。
一方、ドライバーがシフトレバー30をリバース操作する際において、シフトレバー30をプッシュ操作したときには、上述の如く下側Cリング55の下方移動によりシフトレバー30全体が僅かに下側に移動した後に、節度機構39の突起部39bが上側レバー部33の節度機構用凹部33fから外れてドライバーに対して節度感が付与されるとともに、上側レバー部33がスプリング35の付勢力に抗して下側レバー部32に対して下側に移動する。そして、上側レバー部33の下側レバー部32に対する下方移動に伴い、ガイドピン34も長孔部32bに案内されながら下方移動し、やがてガイドピン34が規制部材59の窪み部59dと同じ高さ位置まで下方移動すると、シフトレバー30のニュートラルレーンr5におけるセレクト方向の後退用シフトレーンr4側への移動が可能になる。すなわち、ドライバーがシフトレバー30を後退用シフトレーンr4側へセレクト操作すると、ガイドピン34の左端部が窪み部59d内に入り込み、これにより、シフトレバー30の1−2速シフトレーンr1から後退用シフトレーンr4への移動が可能になって、シフトレバー30を後退用シフトレーンr4に入れることができるようになる。このとき、上述の如く、シフトレバー30の揺動のフリクションが比較的大きくなっており、ドライバーに対しリバース操作において比較的大きな手応え感を付与してリバース操作を意識させるとともに、ボール部材31が下側Cリング55の球面形状部55cの中心位置にセンタリングされ、このことで、リバース操作時に、ボール部材31を確実に支持するとともに、ガイドピン34が規制部材59等に当接したりするのを確実に防止することができる。そして、シフトレバー30が後退用シフトレーンr4に入ると、プッシュ操作を止めても、ガイドピン34が窪み部59dの上側面に当接して上側レバー部33は上方移動しない。一方、シフトレバー30を後退用シフトレーンr4から1−2速シフトレーンr1等に移動させると、上側レバー部33はスプリング35によって自動的に上方移動して元の状態に復帰する。
上記実施形態におけるベース部材50のボール部材支持部51においては、凹状部52の周囲側壁部における周方向の一部が切り欠かれてなる、セレクトロッド36挿通用の切欠き部53が形成されているために、ベース部材50単独では剛性がかなり低いものとなっている。しかし、上記実施形態では、シフトレバー30のリバースシフトを規制する規制部材59を、上記ボール部材支持部51の切欠き部53の上側を跨ぐように配設して該ボール部材支持部51に固定するようにしたので、規制部材59によりボール部材支持部51が効果的に補強されて、シフトレバー30の操作による凹状部52の径の変化を防止することができるとともに、規制部材59の規制本体部59aがガイドピン34から力を受けたときにベース部材50のボール部材支持部51を変形させないようにすることができる。この結果、補強部材等を別途に設ける必要はなく、省スペースかつ低コストでベース部材50の剛性を確実に確保することができる。
尚、上記実施形態では、シフトレバー30の押し下げ操作により該シフトレバー30のリバースシフトを許可するプッシュ式のリバースミスシフト防止構造に本発明を適用したが、本発明は、シフトレバー30の引き上げ操作により該シフトレバー30のリバースシフトを許可するプル式のリバースミスシフト防止構造にも適用することができる。また、ベース部材50のボール部材支持部51が、上記実施形態のセレクトロッド36のような棒状部材が挿通される切欠き部53を有するものであれば、本発明は、FF車に限らず、FR車にも適用することができる。
また、上記実施形態では、シフトレバー30を下側レバー部32と上側レバー部33との分割構造にして、押し下げ操作時に上側レバー部33が下側レバー部32に対して下側に移動するように構成したが、リバースシフトを許可するために、ボール部材31を含めてシフトレバー30全体が上下方向に移動するような従来の構成であっても本発明を適用することができる。但し、上記実施形態のように分割構造にする方が、ボール部材31やセレクトロッド36が上下方向に大きく移動しなくなり(上記実施形態では、下側Cリング55の移動によりシフトレバー30全体が下側に移動する構成になってはいるが、その移動量は、上記従来の構成のものよりもかなり小さい)、この結果、ボール部材支持部51において大きなスペースが不要となり、車室内のスペース効率を向上させることができる。勿論、シフトレバー30を分割構造にするとともに、下側Cリング55を上下方向に移動させないようにして、シフトレバー30全体が完全に移動しないように構成してもよい。
さらに、シフトレバー30のリバースシフトを規制する規制部材59としては、ボール部材支持部51の切欠き部53の上側を跨ぐように配設されて該ボール部材支持部51に固定される構成であれば、どのような形態であってもよく、規制部材59を、例えばボール部材支持部51の側面における切欠き部53の両側等に固定するようにしてもよい。
さらにまた、本発明は、上記実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明は、ベース部材のボール部材支持部に切欠き部が設けられたリバースミスシフト防止構造に有用である。
本発明の実施形態に係るリバースミスシフト防止構造を示す斜視図である。 リバースミスシフト防止構造を車両後側から見た図である。 図1のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 ベース部材に取り付けられる各種部品の分解斜視図である。 シフトレバーの斜視図である。 シフトレバーの分解斜視図である。 シフトパターンを示す図である。
符号の説明
10 リバースミスシフト防止構造
30 シフトレバー
31 ボール部材
32 下側レバー部
33 上側レバー部
34 ガイドピン(ピン部材)
36 セレクトロッド(棒状部材)
50 ベース部材
51 ボール部材支持部
52 凹状部
53 切欠き部
59 規制部材
59a 規制本体部
59b 固定部
59c 当接部
59d 窪み部
59e 縦リブ
59f リブ

Claims (7)

  1. 略上下方向に延びかつ押し下げ操作又は引き上げ操作からなる所定操作が可能に構成された、マニュアルトランスミッションのシフトレバーに対して、上記所定操作がなされたときには、該シフトレバーのリバースシフトを許可する一方、上記所定操作がなされないときには、シフトレバーのリバースシフトを規制するようにしたリバースミスシフト防止構造であって、
    上記シフトレバーに設けられた球状のボール部材と、
    上記ボール部材に上記シフトレバーの側方に延びるように固定された棒状部材と、
    上記シフトレバーに該シフトレバーの側方に突出するように設けられ、該シフトレバーの上記所定操作に連動して下側又は上側に移動するように構成されたピン部材と、
    車体に固定され、上記ボール部材を上記シフトレバーが揺動自在となるように支持するボール部材支持部を有するベース部材と、
    上記ベース部材に固定され、上記シフトレバーのリバース操作時において上記所定操作がなされないときにのみ上記ピン部材が当接することで、該シフトレバーのリバースシフトを規制する規制部材とを備え、
    上記ベース部材のボール部材支持部は、該ボール部材支持部の上面に開口しかつ上記ボール部材が収容された凹状部と、該凹状部の周囲側壁部における周方向の一部がボール部材支持部の上面から下側に切り欠かれてなりかつ上記棒状部材が挿通される切欠き部とを有し、
    上記規制部材は、上記ボール部材支持部の切欠き部の上側を跨ぐように配設されて該ボール部材支持部に固定されていることを特徴とするリバースミスシフト防止構造。
  2. 請求項1記載のリバースミスシフト防止構造において、
    規制部材は、ボール部材支持部の切欠き部の上側を凹状部略周方向に横切って跨ぎかつ該凹状部側の面にピン部材が当接するように配設された規制本体部と、該規制本体部から該ボール部材支持部の上面に沿って延び、該ボール部材支持部の上面に固定された固定部とを有していることを特徴とするリバースミスシフト防止構造。
  3. 請求項2記載のリバースミスシフト防止構造において、
    規制部材の固定部は、少なくとも規制本体部における切欠き部を跨ぐ方向の両端近傍位置でボール部材支持部に固定されていることを特徴とするリバースミスシフト防止構造。
  4. 請求項1記載のリバースミスシフト防止構造において、
    規制部材は、ボール部材支持部の切欠き部の上側を凹状部略周方向に横切って跨ぎかつ該凹状部側の面にピン部材が当接するように配設された規制本体部を有し、
    上記規制本体部における凹状部とは反対側の面に、上下方向に延びる縦リブが形成されていることを特徴とするリバースミスシフト防止構造。
  5. 請求項4記載のリバースミスシフト防止構造において、
    規制部材の規制本体部における凹状部側の面は、ピン部材が当接する当接部と、該当接部の下側に設けられ、切欠き部を跨ぐ方向の両端部を残して凹状部とは反対側に窪む窪み部とを有していることを特徴とするリバースミスシフト防止構造。
  6. 請求項4又は5記載のリバースミスシフト防止構造において、
    規制部材の規制本体部の上面に、凹状部側からその反対側に延びるリブが形成されていることを特徴とするリバースミスシフト防止構造。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載のリバースミスシフト防止構造において、
    シフトレバーは、ボール部材に上下方向に延びるように固定された下側レバー部と、該下側レバー部に上下方向に摺動自在に支持され、ピン部材が固定されかつ上端部にレバー操作用ノブが設けられた上側レバー部とで構成されていることを特徴とするリバースミスシフト防止構造。
JP2004146909A 2004-05-17 2004-05-17 リバースミスシフト防止構造 Pending JP2005324756A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004146909A JP2005324756A (ja) 2004-05-17 2004-05-17 リバースミスシフト防止構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004146909A JP2005324756A (ja) 2004-05-17 2004-05-17 リバースミスシフト防止構造

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005324756A true JP2005324756A (ja) 2005-11-24

Family

ID=35471437

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004146909A Pending JP2005324756A (ja) 2004-05-17 2004-05-17 リバースミスシフト防止構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005324756A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58163750U (ja) * 1982-04-28 1983-10-31 富士重工業株式会社 変速操作装置の誤操作防止装置
JPS60126823U (ja) * 1984-01-31 1985-08-26 万能工業株式会社 自動車の変速機操作装置
JPS61196824A (ja) * 1984-12-18 1986-09-01 エフハ−エス・シユタ−ルフエルフオルムング・ゲ−エムベ−ハ− 後進ロツク付きシフトレバ−用の回動ハウジング
JPH01173812U (ja) * 1988-05-16 1989-12-11
JPH09226397A (ja) * 1996-02-29 1997-09-02 Fuji Kiko Co Ltd 自動車用マニュアル変速機の操作レバー装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58163750U (ja) * 1982-04-28 1983-10-31 富士重工業株式会社 変速操作装置の誤操作防止装置
JPS60126823U (ja) * 1984-01-31 1985-08-26 万能工業株式会社 自動車の変速機操作装置
JPS61196824A (ja) * 1984-12-18 1986-09-01 エフハ−エス・シユタ−ルフエルフオルムング・ゲ−エムベ−ハ− 後進ロツク付きシフトレバ−用の回動ハウジング
JPH01173812U (ja) * 1988-05-16 1989-12-11
JPH09226397A (ja) * 1996-02-29 1997-09-02 Fuji Kiko Co Ltd 自動車用マニュアル変速機の操作レバー装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6144722B2 (ja) 車両用シフト装置
KR101954191B1 (ko) 이중 힌지를 이용한 변속제어장치
JP2008080831A (ja) シフトレバー装置
EP3128209B1 (en) Shift selector mechanism for motor vehicle transmissions
JP2006266467A (ja) 手動変速機
JP2005324756A (ja) リバースミスシフト防止構造
JP2005324757A (ja) 車両のシフトレバー装置
JP2011207452A (ja) シフトレバー装置
JP4388342B2 (ja) 自動変速機のシフトレバー装置
JP4593167B2 (ja) リバースミスシフト防止構造
JP4593166B2 (ja) リバースミスシフト防止構造
WO2015098542A1 (ja) シフトレバー装置
JPH11294582A (ja) 変速操作装置
JP2007160966A (ja) 自動変速機の変速操作装置
JP2007118787A (ja) 自動変速機操作装置
KR102314340B1 (ko) 자동변속기의 변속레버 조립구조
JP2018149955A (ja) シフト装置
EP3124310B1 (en) Lever device
JPH10309956A (ja) コラム式シフトレバー装置
JP3740723B2 (ja) ケーブル式コラムシフトレバー装置
JP2006111248A (ja) 自動変速機用シフトレバー装置
JP2005075204A (ja) 手動変速機の変速操作機構
JP2008128303A (ja) 変速機のシフトレバー装置
JP2007084002A (ja) 自動変速機の変速操作装置におけるノブ構造
JP2009107504A (ja) 手動変速機の変速操作機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100413

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100817