JPS6131220Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車における変速操作装置の誤操作
防止装置に関するものである。

自動車の変速操作装置においては、前進走行中
における変速操作時誤つて後退段にシフトされる
ことのないよう、前進段セレクト位置から後退段
のセレクト位置に至る間にストツパ機構を設け、
操作レバーを軸方向に押し下げることにより上記
ストツパ機構の拘止を解除した上でないと後退段
へのセレクトが行い得ないようになつている（特
公昭50−369号公報参照）。

ところが、第１図に示すようにある前進段例え
ばエキストラローELと後退段Ｒが同一シフタレ
ールのシフト操作によつて行われるようになつて
いるシフトパターンのものにあつては、上記先行
技術のようにＡ部にストツパ機構を設けることに
より１速乃至４速の範囲での前進走行時における
後退段Ｒへの誤操作は防止できるが。例えばエキ
ストラローELにシフトすべくところを誤つて後
退段Ｒにシフトしてしまつたり、或いはエキスト
ラローELからシフトアツプする場合、誤つてニ
ユートラル位置を通りこして後退段に至つてしま
うような誤操作を防止することができない。

本考案は上記のようにある前進段と後退段が同
一シフタレールのシフト操作によつて行われるシ
フトパターンの変速操作装置における誤操作を完
全に防止することを目的とするもので、以下本考
案を附図実施例を参照して説明する。

第２図において、１は変速操作レバーで、該変
速操作レバー１の下端球状部１１は、合成樹脂等
よりなるブツシユ２に回動可能なるよう嵌装され
ている。

該ブツシユ２は車体側に固着されたブラケツト
３の筒状ボス部３１内に上下摺動可能なるよう嵌
装され、スプリング４により上方に向けて押し上
げる方向に附勢されている。ブラケツト３にはブ
ツシユ２の外周上面部を押える押え板３２がスク
リユー等で固定され、ブツシユ２はスプリング４
にて該押え板３２に押付けられた状態となつてい
る。

上記ブツシユ２の外周面と筒状ボス部３１の内
周面間には、ボール５と該ボールが嵌る半球状の
凹部６と該ボール５を凹部６に嵌入する方向に押
圧附勢するスプリング７とからなる節度附与機構
が設けられ、ブツシユ２が押え板３２に押しつけ
られた上段位置ａ，１段押し下げられた中段位置
ｂ及び更に押し下げられた下段位置ｃにおいて、
ブツシユ２の上下スライド位置を節度をもつて規
制するよう構成されている。

一方ブラケツト３には、変速操作レバー１に一
側方に突出するよう設けた突出部１２に対向する
フランジ部８１を先端部に折曲形成したストツパ
部材８がボルト９等により固着されている。

上記ストツパ部材９のフランジ部８１は、第
２，３図に示すようにその先端縁８１ａが、前記
ブツシユ２の上段位置ａにおいて、変速操作レバ
ー１の突出部１２の先端縁１２ａに近接対向し第
２図において変速操作レバー１の反時計方向回動
即ちエキストラローEL、後退段Ｒへのセレクト
作動を拘止し、変速操作レバー１を軸方向に押し
下げ中段位置ｂとしたとき上記突出部１２がフラ
ンジ部８１の先端縁８１ａと干渉しない位置とな
りエキストラローEL、後退段Ｒへのセレクト操
作が可能となるよう構成されると共に、このエキ
ストラローEL、後退段Ｒのセレクト位置におい
てフランジ部８１の下側に位置している突出部１
２の一側縁１２ｂに近接対向し、後退段Ｒへのシ
フト作動を拘止する段部８１ｂがフランジ部８１
に形成され、変速操作レバー１を更に軸方向に押
し下げ下段位置ｃとしてはじめて突出部１２の一
側縁が段部８１ｂと干渉しない位置となり、後退
段Ｒへのシフト操作が可能となるよう構成されて
いる。

即ち本考案では第１図において、１速乃至４速
の前進段からエキストラローEL、後退段Ｒへの
セレクト操作を拘止規制するストツパ機構Ａをス
トツパ部材８のフランジ部８１先端縁８１ａと変
速操作レバー１の突出部１２先端縁１２ａにて構
成すると共に、エキストラローEL、後退段Ｒの
セレクト位置から後退段Ｒへのシフト操作を拘止
規制するストツパ機構Ｂをストツパ部材８のフラ
ンジ部８１に形成した段部８１ｂと変速操作レバ
ー１の突出部１２側端縁１２ｂにて構成した構造
を採るもので、これによりＡのストツパ機構のみ
を設けた従来構造のものに比し、部品点数の増加
は一切なしに、エキストラローELからシフトア
ツプする場合誤つてニユートラル位置を通りこし
て後退段にシフトされてしまうような事故或はエ
キストラローELにシフト操作すべきところを誤
つて後退段にシフトしてしまうような事故を完全
に防止することができるもので、１速、２速のセ
レクト位置の明確化をはかり得ること、及び構成
が簡単でコスト低廉なること等と相俟つて実用上
多大の効果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を適用すべき変速操作装置のシ
フトパターンの一例を示す図、第２図は本考案の
実施例を示す要部断面図、第３図は第２図のもの
の要部平面説明図である。 １……変速操作レバー、１１……球状部、１２
……突出部、２……ブツシユ、３……ブラケツ
ト、３１……筒状ボス部、３２……押え板、４…
…スプリング、５……ボール、６……凹部、７…
…スプリング、８……ストツパ部材、８１……フ
ランジ部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ある前進段と後退段のシフトを同一シフタレー
   ルにて行うシフトパターンの変速操作装置におい
   て、変速操作レバーの球状部を嵌装支持するブツ
   シユを、車体側に固定した筒状ボス部にスプリン
   グにて押上力を附勢した状態で上下に摺動可能な
   るよう嵌装すると共に、ブツシユと筒状ボス部間
   に、ブツシユ上段位置、中段位置及び下段位置を
   それぞれ節度をもつて規制する節度附与機構を設
   け、上端にフランジ部を折曲形成したストツパ部
   材を車体側に固定し、上記ブツシユの上段位置に
   おいて該ストツパ部材のフランジ部先端縁と変速
   操作レバーの突出部先端縁とが対向してある前進
   段と後退段へのセレクト作動を拘止し、ブツシユ
   の中段位置において上記セレクト作動が可能とな
   るよう構成すると共に、ブツシユの中段位置にお
   けるある前進段と後退段のセレクト位置におい
   て、変速操作レバーの突出部側端縁が対向し後退
   段へのシフト作動を拘止する段部を上記ストツパ
   部材のフランジ部に設け、ブツシユの下段位置に
   おいて後退段へのシフト作動が可能となるよう構
   成したことを特徴とする変速操作装置の誤操作防
   止装置。