JPH0138675Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車用チエンジコントロールの
デイテント構造の改良に関するものである。

一般に、自動車におけるケーブル式のオートチ
エンジコントロールでは、シフトレバーの操作時
に節度感がなく運転者に不安をいだかせる。

このため、例えば第１図ａ及び第１図ｂに示す
如く、ベースプレート（図示せず。）に枢着した
シフトレバー１に長溝２を有するガイドパイプ３
を溶接固定し、該ガイドパイプ３にスライド軸４
を嵌合して、該スライド軸４をスプリング５で下
方に付勢すると共に、該スライド軸４にガイドパ
イプ３の長溝２を挿通するローラ６を固定して、
さらに、シフトレバー１の内部には上下移動自在
にピン１ａを設け、シフトレバー１の回動操作に
より、ピン１ａはポジシヨン規制溝９，９内を移
動させ、ローラをデイテントプレート７の係合部
８，８内を移動させるようにしたものが実用化さ
れている。

ところが、ガイドパイプ３、その長溝２及びス
ライド軸４をいずれも切削加工する必要があるの
で、コスト高にならざるを得なかつた。

また、ガイドパイプ３とスライド軸４、長溝２
とローラ６等の加工精度による上下、前後のがた
つきがあり、軽快な節度感が得られないという問
題があつた。

この考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされ
たもので、シフトレバーに固定するブラケツトの
形状、板ばね部材の配置、固定方法を工夫して、
コンパクトで構造が簡単、コスト安価を図るとと
もに、がたつきのない軽快な節度感が得られるよ
うにしたものである。

以下、この考案の実施例を添付図面について詳
細に説明する。

第２図及び第３図に示すように、ベースプレー
ト１０にシフトレバー１１の基部１２を回動自在
に枢着すると共に、上記ベースプレート１０のシ
フトレバー１１の回動面の側方に、凹部を備えた
係合部１４ａ，１４ａを上縁に設け、ポジシヨン
規制溝１４ｂ，１４ｂを下縁に形成したデイテン
トプレート１４を固定する。

上記シフトレバー１１の中軸１１ａには、常時
は圧縮コイルばね１１ｃにより上方に付勢されて
いるピン１１ｂが設けられポジシヨン規制溝１４
ｂに係合してシフトレバー１１の動きを規制して
いる。プツシユボタン１５を押すと、ピン１１ｂ
が下方に移動し、シフトレバー１１の回動操作を
許容しプツシユボタン１５の押圧操作を解除する
と、該ピン１１ｂがポジシヨン規制溝１４ｂに係
合してシフトレバー１１のポジシヨンを規制す
る。

一方、回転面と直角方向のシフトレバー１１の
側面部には、ブラケツト１６の基部を溶接固定す
る。

該ブラケツト１６は、シフトレバー１１に固定
された基部からデイテントプレート配設方向の一
方側（図では後方側）に延設され、その先端部が
デイテントプレート側に向つて折曲されて略水平
方向に延びる平面部が形成されている。

第４図にも示すように、二叉状の先端部１７
ａ，１７ａにピン１８を巻回して、先端部１７
ａ，１７ａの間にピン１８でローラ１９を回転自
在に支承した板ばね部材１７を設け、該板ばね部
材１７は、シフトレバー１１の側方でかつデイテ
ントプレート上縁の上方位置において、シフトレ
バー１１と交差するようにデイテントプレート配
設方向の他方側に向つて延設され、該板ばね部材
１７の後端部１７ｂを上記ブラケツト１６の平面
部の上面にビス２０，２０で締結固定する。

上記ローラ１９は、板ばね部材１７によりデイ
テントプレート１４の係合部１４ａ，１４ａの１
つに係合するように付勢され、またシフトレバー
１１の回動により係合部１４ａ，１４ａを乗り上
げながら移動する。

上記板ばね部材１７の後端部１７ｂには、下方
に打出した凸部１７ｃを形成し、上記ブラケツト
１６の上面に該凸部１７ｃに嵌り込む凹部１６ａ
を形成しておけば、組付け時に板ばね部材１７の
位置決めが容易となる。

しかして、上記のデイテント構造であれば、プ
ツシユボタン１５を押圧すると、中軸１１ａを介
してピン１１ｂがポジシヨン規制溝１４ｂから離
脱し、この状態でシフトレバー１１を回動操作す
ると、板ばね部材１７の付勢力に抗してローラ１
９が係合部１４ａ，１４ａの山に乗り上げ、付勢
力でローラ１９が前記ピン１１ｂの各ポジシヨン
位置（PRND12）に対応した係合部１４ａ，１
４ａの谷（凹部）に落ち込んで、シフトレバー１
１の回動操作に節度感が生じるようになる。

第５図は第２図、第３図で示したものにミツシ
ヨン側に駆動を伝達するケーブル機構を追加して
示したもので、デイテントプレート１４とインナ
ーケーブルガイド片２２とを別体にて構成する一
方、シフトレバー１１に溶接固定したブラケツト
１６の側面に支持片２４の基部をピン２５で揺動
可能に枢着すると共に、該支持片２４の先端部を
ガイド片２２の斜めのガイド溝２６に嵌合させ、
該先端部の耳部２４ａに、アウターケーブル２７
内のインナーケーブル２８先端をナツト２９で固
定して構成したもので、シフトレバー１１の回動
操作時にインナーケーブル２８をガイド片２２の
ガイド溝２６に沿つて正確に押し引き操作できる
ようになる。

第６図、第７図は、板ばね部材１７の別実施例
で、この板ばね部材にはシフトレバー１１が挿通
自在な挿通孔１７ｄを設けており、板ばね部材と
隣接するシフト指示機構（図示略）との当接を回
避する際、板ばね部材の横幅が十分に確保できな
いときなど有効なものである。

なお、本実施例ではデイテントプレート１４と
インナーケーブルガイド片２２とを別体にて形成
したもので述べたが、このデイテントプレート１
４とインナーケーブルガイド片２２との下部を連
結部（図示せず）により一体的に連結して構成し
てもよいことは言うまでもない。

以上の説明からも明らかなように、この考案
は、基本的には、シフトレバーのブラケツトに、
突起部を形成した板ばね部材をビスで固定して、
該突起部をデイテントプレートの凹部に係合させ
るようにしたものであるから、部品点数が少な
く、構造がきわめて簡単でコスト安に製作でき
る。

また、シフトレバーに固定するブラケツトをデ
イテントプレート配設方向の一方側に配設して平
面部を形成し、この平面部に、シフトレバーと交
差するようにデイテントプレート上縁の上方位置
に延設させた板ばね部材の基端を固定したから、
板ばね部材がデイテントプレートの左右方向に略
均等な幅で略真直ぐに配設される、換言すれば、
ばねの作用点と係合部とがオフセツトしていない
ので板ばねにねじりモーメントが作用せず、突起
部の偏摩耗や取付部のがたつきが生じなくなり、
軽快な節度感が得られるようになる。

しかも、板ばね部材の基端をシフトレバーに直
付けした場合、適度な節度感を得るため板ばね部
材の長さをある程度確保する必要があることか
ら、デイテントプレートをシフトレバーから相当
に離して配置する必要があるのでデイテントプレ
ートの配設方向にみた装置の長さが長くなるが、
本願考案では板ばね部材をシフトレバーの一方側
から他方側に交差するように延設することができ
るので、板ばね部材の長さを良好な節度感が得ら
れるような長さとしてもデイテントプレートをシ
フトレバーに近付けて配置することができるので
装置の全長が短く、つまりコンパクトになる。

さらに、上記板ばね部材の基端をブラケツトの
平面部にビス固定したから、シフトレバーとデイ
テントプレートの取付位置にばらつきがあつて
も、板ばね部材の突起部とデイテントプレート上
縁の係合部との当接位置の調節を容易に行い得
る。

【図面の簡単な説明】

第１図ａは従来のデイテント構造の斜視図、第
１図ｂは第１図ａの要部拡大斜視図、第２図はこ
の考案に係るデイテント構造の斜視図、第３図は
第２図の要部拡大斜視図、第４図は板ばね部材の
斜視図、第５図は第２図、第３図のものにケーブ
ル機構を追加した斜視図、第６図及び第７図は板
ばね部材の別実施例の斜視図である。 １０……ベースプレート、１１ａ……中軸、１
１ｂ……ピン、１１……シフトレバー、１４ａ…
…係合部、１４ｂ……ポジシヨン規制溝、１４…
…デイテントプレート、１５……プツシユボタ
ン、１６……ブラケツト、１７……板ばね部材、
１９……ローラ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ベースプレートに回動自在に取付けたシフトレ
   バーと、このシフトレバー内にあつてプツシユボ
   タンの押圧により下動する中軸から外部に突出す
   るピンと、ベースプレートに固定され、下部に該
   ピンが移動するポジシヨン規制溝と、上縁に複数
   の凹部からなる係合部とを有するデイテントプレ
   ートとからなる自動車用チエンジコントロールの
   デイテント構造において、 上記シフトレバーにその基部が固着され先端部
   が折曲されて略水平方向に延び、かつデイテント
   プレート配設方向の一方側に配設された平面部を
   有するブラケツトと、シフトレバーの側方でかつ
   デイテントプレート上縁の上方位置において、上
   記シフトレバーと交差するようにデイテントプレ
   ート配設方向の他方側に向つて延設され、先端に
   は上記デイテントプレートの凹部に係合する突起
   部が形成される一方、基端は上記ブラケツト先端
   の平面部にビス固定される板ばね部材とを備え、
   該板ばね部材の弾力によつて上記突起部をデイテ
   ントプレートの係合部に係脱自在となるよう押圧
   したことを特徴とする自動車用チエンジコントロ
   ールのデイテント構造。