JPS6217289Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、自動車用空気調和装置の制御を行な
うために自動車のインストルメントパネルに取付
けられるコントロール装置に関する。

一般に、自動車用空気調和装置においては、運
転席のインストルメントパネル中央部に自動車用
空気調和装置の各種ドアあるいはフアンモータの
回転数を制御するためのコントロール装置が設け
られている。このコントロール装置は吹出し口を
選択するエアコントロールレバーあるいは吹出し
空気温度を調節するテンプコントロールレバー等
の各種レバーを有し、これらレバーの先端を操作
パネルを通して外側に突出せしめ、その先端摘み
を把んでレバーを左右に回動させそれに連結して
いるワイヤーやスイツチ等により各種制御を行な
うようにしている。

これらレバーは基板上に枢着され、その枢着点
を中心にして回動するようになつているが、これ
らレバーを基板上に取付ける際、レバーの基部に
穴を設け基板よりピンを植立させ樹脂スペーサを
介してレバーを挿入し弾性を有する部材で抜け止
めし組立ている。特に前記レバーの先端が操作パ
ネル板に沿つて平行に移動するような平行スライ
ドタイプのものが安全対策より使われるようにな
つている。この構造ではレバーの基部が枢動する
とともに前後方向に基板上で摺動しなければなら
ず、コントロールへの各種レバーの組付けに手間
がかかるばかりでなく、部品点数が多くなり構造
が複雑になるという問題点があつた。

本考案は、かかる点に鑑み、各種レバーの基板
上への組付けが容易でかつ確実であり、しかも組
付けがスムースに行なわれるような自動車用空気
調和装置のコントロール装置を提供することを目
的とする。

以下、図面を参照して本考案の実施例について
説明する。

第１図において、基板１の前部には、基板１か
ら上方に隆起した案内面２が形成され、この案内
面２上をエアコントロールレバーあるいはテンプ
コントロールレバー等のコントロールレバー３が
摺動し、このコントロールレバー３は前記案内面
２から後方に離間した位置に形成された枢着部４
を中心に回動する。

前記案内面２の前端面に沿つて円弧状のガイド
溝５が伸び、このガイド溝５中には前記コントロ
ールレバー３の前部裏側に突出形成されたガイド
ピン６が係合しており、前記案内面２の図上左側
には基板１表面から案内面２に対して斜めに上昇
する傾斜案内面７（第４図，第５図）が形成さ
れ、この傾斜案内面７は前記コントロールレバー
３を水平に回動させて案内面２上に導く際に、前
記ガイドピン６を案内するためのものである。

前記枢着部４は、基板１上に隆起して形成され
た円座８と、この円座８の中央部から上方に突出
した枢軸９と、この枢軸９上端に形成された短径
は枢軸の径と同じ又は少さい長円形の頭部１０と
を有し、前記頭部１０の裏側の長軸方向およびこ
れに対応する円座８上には、コントロールレバー
３の基部を上下から支持するための突条１１，１
２が形成されている（第２図）。

前記コントロールレバー３の基部には長孔１３
が形成され、この長孔１３の巾は前記枢軸９の頭
部１０よりもわずか径が大きくスライド量だけ長
く形成され、コントロールレバー３の中央部分に
は、第３図に示すようなクリツクスプリング１４
が取付けられ、このクリツクスプリング１４は折
曲した上片１４ａと下片１４ｂからなり、上片１
４ａの先端１４a₁はコントロールレバー３の裏側
から表側に突出してその表面を係止し、上片１４
a₁の後部からは突起１４a₂がコントロールレバー
３の開口中を上方に伸びてクリツクスプリング１
４が前後左右にずれないように位置決めしてい
る。

前記クリツクスプリング１４の下片１４ｂの先
端１４b₁は、前記案内面２の裏面に当接してお
り、前記コントロールレバー３の裏側のクリツク
スプリング取付位置近傍には突起１５が設けら
れ、この突起１５が案内面２上に当接している。
この案内面２の裏面にクリツク用凹を設け先端１
４b₁が係合してクリツク作用をする。

なお、前記コントロールレバー３の先端は図示
しない操作パネルのスリツト中を通り抜けて車室
側に突出しその突出先端には摘み１６が固着され
又図示しないケーブルを介し各種ドアを制御す
る。

前記コントロールレバー３を基板１上に組付け
る際にはコントロールレバー３を円弧状のガイド
溝５と平行にして長孔１３と枢軸頭部１０とを整
合させつつ押下げて枢軸９に長孔１３を嵌め込
む。その後コントロールレバー３を図上反時計方
向に回動して前記ガイドピン６を円弧状のガイド
溝５に係合させるとともに前記クリツクスプリン
グ１４の下片１４ｂを案内面２の裏側に係合させ
るが、この際、コントロールレバー３の基部は前
記枢着部４の突条１１，１２に支持されているの
で、コントロールレバー３の先端は上下動でき、
前記ガイドピン６が前記傾斜案内面７上を摺動す
る場合にもコントロールレバー３自体に無理な力
が加わらない。また、クリツクスプリング１３を
案内面２の裏側に係合させる際にも、案内面２の
左端面には切欠き１７が形成されているので、コ
ントロールレバー３を案内面２に沿つて回動させ
るだけでその係合がスムースに行なわれる。ガイ
ドピン６が傾斜案内面７上を登つて行く時はクリ
ツクスプリング１４は案内面に係合して広げられ
ながら登つて行きガイドピン６がガイド溝に係合
した時正規の位置になる。

また、第１図のような状態で摘み１６を持つて
コントロールレバーを左右に回動させれば、ガイ
ドピン６が円弧状のガイド溝５に案内されるの
で、コントロールレバー３は前後にも摺動するこ
とになる。そしてコントロールレバー３の先端の
摘み１６は直線的に左右に動く。この前後方向の
摺動は長孔１３によつて許容されうる。

以上説明したように、基板上にコントロールレ
バーを案内する案内面と、この案内面上に形成さ
れコントロールレバーの動きを規制する直線ガイ
ド溝と、前記コントロールレバーを枢着する枢着
部とを設け、この枢着部は長形の頭部を持つた枢
軸を備え、前記頭部と基板上の互いに対向する位
置にコントロールレバーの基部を支持する突条を
形成し、前記コントロールレバーの基部に、前記
枢軸の頭部が通過しうるような長孔を形成したの
で、この長孔と頭部とを整合させて長孔を枢軸に
外嵌せしめた後、コントロールレバーを案内面の
方向に回動させれば、コントロールレバーの先端
部分の上下動に自由度を与えることができるとと
もに枢着部からコントロールレバーが抜けること
がなくなりしかもコントロールレバーを水平に回
動させて案内面上にそれを載せるのみで簡単にコ
ントロールレバーの組付ができ、さらに案内面端
部に傾斜案内面あるいはクリツクスプリング用の
切欠きを形成してあるのでコントロールレバーに
無理な力を加えることなくスムースにその組付け
が完了するという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコントロール装置の要部
斜視図、第２図は第１図の−線に沿う断面
図、第３図は第１図の−線に沿う断面図、第
４図は第１図の−線に沿う断面図、第５図は
傾斜案内面部の斜視図である。 １……基部、２……案内面、３……コントロー
ルレバー、４……枢着部、５……円弧状のガイド
溝、７……案内傾斜面、９……枢軸、１０……頭
部、１１，１２……突条、１４……クリツクスプ
リング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 基板上に各種コントロールレバーを回動自在
   に取付け、これらコントロールレバーの操作に
   より空気調和装置を制御するようにした自動車
   用空気調和装置のコントロール装置において、
   前記基板上に形成され、コントロールレバーを
   案内する案内面と、この案内面上に形成されコ
   ントロールレバーの動きを規制する円弧状のガ
   イド溝と、この円弧状のガイド溝から離間した
   位置に形成され、前記コントロールレバーを枢
   着せしめるための枢着部とを有し、この枢着部
   は長形の頭部を持つた枢軸を備え、前記頭部と
   基板上の互いに対向する位置にコントロールレ
   バーを支持する突条を形成し、前記コントロー
   ルレバーに、前記頭部が通過しうるような長孔
   を形成したことを特徴とする自動車用空気調和
   装置のコントロール装置。 (2) 前記コントロールレバーの動きを、それに固
   着したガイドピンを前記円弧状のガイド溝に係
   合せしめることにより規制し、前記案内面の端
   部に、コントロールレバーを水平に回動させて
   コントロールレバーを案内面上に載せる際に、
   前記ガイドピンを案内面上に案内するための傾
   斜案内面を形成したことを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載の自動車用空気調
   和装置のコントロール装置。 (3) 前記コントロールレバーに、それが案内面上
   から浮上がらないように係止しておくためのク
   リツクスプリングを取付け、コントロールレバ
   ーを水平に回動して案内面上に載せる際に、前
   記クリツクスプリングが容易に案内面の下面に
   係合しうるように、前記案内面に切欠きを形成
   したことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項又は第２項に記載の自動車用空気調和装
   置のコントロール装置。