JPH0349324Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は変速機のコントロールレバー装置に関
するものである。

［従来の技術］ 例えば、実開昭58−15535号公報に開示される
ように、変速レバーが所要のセレクト操作位置と
シフト操作位置に操作されると、この位置で所定
のスイツチが閉成され、歯車変速機のセレクト操
作およびシフト操作がアクチユエータにより遠隔
的に達せられる変速レバー装置が提案されてい
る。この従来技術では、手動歯車変速機の変速レ
バーと全く同様の操作を行うことによりスイツチ
が閉成される。

ところで、車両におけるクラツチ機構と歯車変
速機にそれぞれクラツチアクチユエータ、セレク
トアクチユエータおよびシフトアクチユエータを
連結し、これらのアクチユエータの流体圧回路を
機関の回転数、機関の負荷、アクセルペダルの踏
込み量に相当する電気信号を入力とするマイクロ
コンピユータの出力により制御し、自動的にクラ
ツチ機構を遮断・接続するとともに、歯車変速機
を最適な変速段とする自動歯車変速機が既に実用
化されている。

この自動歯車変速機では、変速レバーに代わる
コントロールレバーが、歯車変速機の電子制御装
置と電気的に接続されるだけで、コントロールレ
バーは従来のオートマチツク車両と同様に駐車位
置Ｐ、後退段Ｒ、レンジＤ、２速段および１速段
にセレクトされるようになつている。

すなわち、第２，３図に示すように、従来の変
速機のコントロールレバー装置は、厚板をほぼＵ
字形に折り曲げてなるブラケツト２の両側壁４に
好ましくは円弧状の長穴８が設けられるととも
に、底壁５に窪み６ａを有する波形の節度板６が
溶接またはピンなどにより固定される。

一方、ブラケツト２の内部にはコントロールレ
バー１に結合したブロツク７が収容され、この両
側壁に支持したローラ３が前述した長穴８に転動
可能に係合される。ブロツク７にはこの底壁から
ばねにより下方へ突出される先端が半球形をなす
係合部材１０が支持され、この係合部材１０が窪
み６ａに係合することによりコントロールレバー
１がその操作位置に保持される。節度板６と係合
部材１０とによりデイテント機構が構成される。

ブロツク７はデイテント機構のばねの力により
上方へ付勢される。そして、両側壁４の間にあつ
て円滑に摺動し得るようにブロツク７の側面とブ
ラケツト２の側壁４との間に隙間ａが、またロー
ラ３と長穴８との間に隙間ｂがそれぞれ設けられ
る。

この従来の自動歯車変速機のコントロールレバ
ー装置では、コントロールレバー１を前後（矢印
Ｘ）方向に動かすと、ブロツク７の下側に支持さ
れた係合部材１０が節度板６にばね１８により付
勢係合されているために、ブロツク７が押し上げ
られ、ブロツク７が４個のローラ３で長穴８に沿
つて案内される。

しかし、長穴８とローラ３との間に隙間を設け
てあるために、第４図に示すように、コントロー
ルレバー１が側方へ傾けられると、ローラ３が長
穴８の縁部（エツジ）で強く点接触し、前後（矢
印Ｘ）方向の摺動が非常に固くなり、円滑な操作
が妨げられる。

［考案が解決しようとする問題点］ 本考案の目的は上述の問題を解決するために、
簡単な構成で、コントロールレバーが側方へ傾け
られても、円滑な操作が得られる変速機のコント
ロールレバー装置を提供することにある。

［問題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案の構成は断
面Ｕ字形のブラケツトの内部にシフトブロツクを
摺動可能に配置し、該シフトブロツクの両側壁に
支持したローラを前記ブラケツトの両側壁に設け
た長穴に転動可能に支持し、前記両側壁の長穴の
縁部に外方へ突出する案内片を一体に形成したも
のである。

［作用］ 長穴８の案内片２１によりローラ３の案内面が
形成されるので、コントロールレバー１とともに
ブロツク７が傾けられても、この傾きがローラ３
と案内片２１との係合により制限される。そし
て、ローラ３が長穴８に引つ掛かるなどの不具合
が解消され、ローラ３が円滑に転動するので、コ
ントロールレバー１が側方へ傾けられた状態で
も、前後方向へ円滑に操作することができる。

［考案の実施例］ 本考案を実施例に基づいて説明する。従来はブ
ラケツト２の側壁４に長穴８が打ち抜かれていた
のに対し、本考案では第１図に示すように長穴８
から側壁４の外方へ突出する上下２枚の案内片２
１が一体に形成される。このような案内片２１は
プレス成形により容易に一体に形成することが可
能である。他の構成については第２，３図に示す
従来例と同様である。

本考案は上述のように構成することにより、長
穴８の幅の広い案内片２１によりローラ３の周面
に対向する案内面が形成されるので、コントロー
ルレバー１とともにブロツク７が傾けられても、
この傾きがローラ３と案内片２１との係合により
制限されるので、ローラ３が長穴８に引つ掛かる
などの不具合が解消される。

また、案内片２１を側壁４からプレス成形（バ
ーリング加工）により形成すれば、側壁４の板面
と案内片２１のローラ３を案内する面との接続部
に円弧状の面２２が形成されるので、この点でも
ローラ３の軸が傾いた場合に、第４図に示すよう
な引つ掛かりが起こらない。

［考案の効果］ 本考案は上述のように、ブラケツトの長穴に、
長穴の縁部から外方へ突出する案内片を設けたも
のであるから、構成が簡単であり、厚板から予め
長穴を成形した後で、ブラケツトを断面Ｕ字形に
折り曲げるだけで簡単にプレス成形することがで
き、コストの増加をもたらすことなく、コントロ
ールレバーの側方への傾きが抑えられ、引掛りな
どの不具合が解消され、コントロールレバーの操
作性が改善される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る変速機のコントロールレ
バー装置を示す正面断面図、第２図は従来の変速
機のコントロールレバー装置の正面図、第３図は
同側面図、第４図は同要部の作動を説明する正面
断面図である。 １：コントロールレバー、２：ブラケツト、
３：ローラ、４：側壁、６：節度板、７：ブロツ
ク、８：長穴、１０：係合部材、２１：案内片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断面Ｕ字形のブラケツトの内部にシフトブロツ
   クを摺動可能に配置し、該シフトブロツクの両側
   壁に支持したローラを前記ブラケツトの両側壁に
   設けた長穴に転動可能に支持し、前記両側壁の長
   穴の縁部に外方へ突出する案内片を一体に形成し
   たことを特徴とする変速機のコントロールレバー
   装置。