JPH0587326U - 円筒ころ軸受 - Google Patents

円筒ころ軸受

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JPH0587326U
JPH0587326U JP3560492U JP3560492U JPH0587326U JP H0587326 U JPH0587326 U JP H0587326U JP 3560492 U JP3560492 U JP 3560492U JP 3560492 U JP3560492 U JP 3560492U JP H0587326 U JPH0587326 U JP H0587326U
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JP
Japan
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ring
lubricant
idle
grease
cylindrical roller
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Pending
Application number
JP3560492U
Other languages
English (en)
Inventor
比呂志 森下
肇 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
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Publication date
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Publication of JPH0587326U publication Critical patent/JPH0587326U/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 内部に溜めたグリースを無駄なく供給し、潤
滑寿命の向上を図る。 【構成】 両列のころ2,2間に、外輪3の内径面に沿
う遊転リング4を回転自在に介在させる。遊転リング4
には潤滑剤溜り14となる周方向溝11および軸方向溝
13を外径面および内径面に各々形成すると共に、径方
向の貫通孔12を設ける。遊転リング4の表面は、グリ
ース保持用の微小窪みを無数に有する粗面に加工する。
遊転リング4は、軸6の回転に伴い、転動するころ2と
の接触により摩擦力でゆっくりと回転させられ、潤滑剤
溜り部14のグリースをころ2側へ供給する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、工作機械の主軸軸受やその他種々の用途に使用されるグリース潤 滑等の円筒ころ軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
工作機械の主軸軸受等に使用されるグリース潤滑の軸受では、軸受寿命がグリ ース寿命で制限される。そのため、複列円筒ころ軸受では、両列のころ端面間の 空間にグリースを保持させて、軸受全体のグリース保持量を多くする等の対策が 取られる。ころ端面間の空間に保持させるグリースは、攪拌抵抗による発熱を避 けるため、外輪の内径面に付着する程度の量とされる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、この外輪内径面に付着したころ端面間のグリースは、強制的に送り込 む力が作用しないため、軸の回転が生じても軌道面に供給されず、外輪内径面に 付着したまま残り、大部分が利用されないで終わることになる。そのため、充分 な潤滑寿命の向上を望むことが難しい。
【0004】 この考案の目的は、内部に溜めた潤滑剤を無駄なく供給できて、潤滑寿命の向 上が図れる円筒ころ軸受を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この考案の円筒ころ軸受は、ころの端面に接する遊転リングを、内輪、外輪、 内輪間座、または外輪間座の周面に沿って回転自在に設けたものである。遊転リ ングには潤滑剤溜りを設け、遊転リングの表面には、潤滑剤保持用の微小窪みを 無数に形成する。
【0006】
【作用】 遊転リングは、軸の回転に伴い、転動するころとの接触により摩擦力で回転さ せられる。しかし内輪ほど速くは回転せず、そのため遊転リングに保持された潤 滑剤は、遊転リングの回転に伴って、ゆっくりと僅かずつころ側へ供給される。 このように、遊転リングの潤滑剤が軸の回転に伴って僅かずつ供給されるので、 保持した潤滑剤が有効に利用され、潤滑寿命が向上する。 遊転リングの表面には、無数の微小窪みが形成してあるが、これらの窪みで潤 滑剤が保持されることにより、遊転リング表面の油膜形成率が向上する。そのた め、遊転リングところとの滑り接触による発熱が抑制される。
【0007】
【実施例】
この考案の一実施例を図1ないし図4に基づいて説明する。この複列円筒ころ 軸受1は、両列のころ2,2間に、外輪3の内径面に沿う遊転リング4を回転自 在に介在させたものである。外輪3は鍔無しのものであり、内輪5は両端と中央 に鍔5a,5bを有するものである。外輪3の周方向の1箇所には、内外に貫通 した給油孔10が、両列のころ2,2間において形成されている。各列のころ2 ,2は、一対の保持器9,9のポケットで各々保持してある。 内輪5は、軸6に内輪間座7と共に固定され、外輪3はハウジング8に外輪間 座18と共に固定される。
【0008】 遊転リング4は、図2および図3に拡大して示すように、外周面の中央に環状 の周方向溝11を有し、周方向複数箇所において、周方向溝11の底面から内径 面に貫通する貫通孔12が形成されると共に、各貫通孔12に底面が連通した複 数の軸方向溝13が内径面に形成されている。前記周方向溝11と軸方向溝13 とで潤滑剤溜り14が構成される。外輪3の給油孔10は、遊転リング4の周方 向溝11に開口する。
【0009】 この遊転リング4は内外輪5,3と同様の軸受鋼で形成したものであり、外径 面4a(図3)および両側の幅面4bは、潤滑剤保持用の微小窪みを無数に形成 した粗面に形成してある。前記の微小窪は、例えば面粗さがRmax 1.0〜2. 0μmのすり傷の粗面にすることによって得られるランダムな独立した凹形状の ものとする。このような粗面は、例えば特殊なバレル加工等によって得ることが できる。なお、遊転リング4の内径面は前記の粗面に加工する必要がないが、粗 面加工の方法によっては、遊転リング4の表面の全体が粗面に加工される。
【0010】 図4は、この複列円筒ころ軸受1を用いた工作機械の主軸支持部を示す。軸6 はワークまたは工具が装着される主軸からなり、この複列円筒ころ軸受1と、他 の複数の軸受(図示せず)とでハウジング8に支持されている。軸6の端部には 、駆動伝達用のプーリ15が取付けられる。ハウジング8には潤滑剤供給用の給 油路16が設けてあり、その先端16aは複列円筒ころ軸受1の外輪3の給油孔 10に連通する。
【0011】 この構成によると、ハウジング8の給油路16から軸受1の外輪3の給油孔1 0を介して、図2に矢印aで示すように潤滑剤を流し込み、遊転リング4の潤滑 剤溜り部14に潤滑剤を保持させる。前記潤滑剤にはグリースまたはグリース含 有組成物等が使用される。
【0012】 軸受1の使用時において、軸6が回転すると、転動するころ2の端面との接触 により、遊転リング4は摩擦力で回転させられる。しかし内輪5ほど速くは回転 せず、そのため遊転リング4の周方向溝11および軸方向溝13に保持された潤 滑剤は、遊転リング4の回転に伴って、ゆっくりと僅かずつころ2側へ供給され る。このように、遊転リング4の潤滑剤が軸6の回転に伴って僅かずつ供給され るので、保持した潤滑剤が有効に利用され、潤滑寿命が向上する。
【0013】 遊転リング4の表面には、無数の微小窪みを有する粗面としてあるが、これら の窪みで潤滑剤が保持されることにより、遊転リング4の表面の油膜形成率が向 上する。そのため、遊転リング4ところ2との滑り接触、および遊転リング4と 外輪3との滑り接触による発熱が抑制され、焼き付が防止される。なお、遊転リ ング4をセラミックスで成形した場合は、特別な加工を行わなくても、前記のよ うな微小窪が自然に形成される。 また、遊転リング4が両側のころ2,2間に介在することにより、ころ2のス キュー(ころ2が斜めになること)が防止され、スキューに伴う発熱によって潤 滑剤が劣化すること防止される。
【0014】 図5は他の実施例を示す。この例は、図1の実施例で設けられる内輪5の中央 側の鍔部5bをなくし、両端のみに鍔部5aを設けたものである。 このように内輪5の中央の鍔部を省略しても、両側のころ2,2間に介在した 遊転リング4によって鍔部の機能が兼用され、ころ2,2が軸方向にずれること が防止される。また、遊転リング4が両側のころ2,2間に介在することにより 、ころ2のスキュー(ころ2が斜めになること)が防止され、スキューに伴う発 熱によって潤滑剤が劣化すること防止される。このように中央の鍔部が省略され ることにより、内輪5の加工が行い易くなる。その他の構成,効果は前記実施例 と同様である。
【0015】 図6は、図1の実施例の複列円筒ころ軸受1と、潤滑剤溜め用の側部遊転リン グ26とを組み合わせた軸受装置を示す。側部遊転リング26は、軸受1側の側 面に潤滑剤溜め凹部26aを形成したものであり、内輪間座7に形成した円周溝 17に内周部を回転自在に嵌合させてある。この構成の場合、側部遊転リング2 6も軸6の回転に伴ってゆっくりと回転し、その潤滑剤溜め凹部26aのグリー ス等の潤滑剤が軸受1内に供給される。このため、軸受1では、中央の遊転リン グ4からの潤滑剤供給と、側部遊転リング26からの潤滑剤供給とで、より一層 良好な潤滑が行える。
【0016】 なお、前記各実施例では遊転リング4の内径面にのみ軸方向溝13を設けたが 、外径面にも軸方向溝を設けても良い。
【0017】 図7はこの考案のさらに他の実施例を示す。この例は、内輪5が鍔無しで外輪 3が鍔付きの複列円筒ころ軸受1において、両列のころ2,2間に、内輪5の外 径面に沿う遊転リング19を回転自在に介在させると共に、両列のころ2,2の 外側の端面に各々接する2個の遊転リング20,20を設けたものである。外側 の遊転リング20は、内輪間座7の端部に設けた切欠溝21内に回転自在に配置 してあり、その切欠溝21の底面は内輪5の外径面と同じ径とされている。
【0018】 各遊転リング19,20には、各々内径面に環状溝からなる潤滑剤溜り22, 24を形成し、かつ両側の幅面にも環状溝からなる潤滑剤溜り23,25を各々 設けてある。遊転リング19,20の表面は、前記各実施例と同様に無数の微小 窪みを有する粗面としてある。前記各潤滑剤溜り22〜25には、グリースまた はいわゆるプラスチックグリースが充填される。プラスチックグリースは、超高 分子量ポリエチレンまたは低分子量ポリエチレンとグリースとの混合物を適宜の 温度で加熱して固形化した組成物であり、油の滲み出しが徐々に安定的に行われ るものが開発されている。
【0019】 このように構成した場合も、軸6の回転に伴い、転動するころ2の端面との接 触によって各遊転リング19,20がゆっくりと回転し、その回転により、遊転 リング19,20の各潤滑剤溜り22〜25内の保持潤滑剤(またはその成分) が、ころ2側へ徐々に供給される。そのため優れた潤滑寿命が得られる。また、 遊転リング19,20は、表面の無数の微小窪みのために、前記各実施例と同様 に、ころ2の端面との滑り接触における潤滑性が向上し、かつ切欠溝21の内面 との滑り接触における潤滑性も向上する。そのため、滑り接触による発熱が抑制 される。さらに、この実施例においても、中央の遊転リング19によってスキュ ー防止が行われる。また、両側の遊転リング20は、内輪5の鍔としても機能す る。
【0020】 なお、図7の実施例において、内輪5の幅を広げて内輪5に両側の遊転リング 20を支持させても良い。また、同図の実施例において、両側の遊転リング20 を省略し、あるいは中央の遊転リング19を省略しても良い。 さらに、この考案は、複列の円筒ころ軸受に限らず、単列の円筒ころ軸受に適 用することもできる。
【0021】
【考案の効果】
この考案の円筒ころ軸受は、ころの端面に接する遊転リングを回転自在に設け 、この遊転リングに潤滑剤溜りを設けたため、転動するころとの接触により遊転 リングがゆっくりと回転し、この回転に伴って遊転リングの保持潤滑剤がころ側 へ徐々に供給される。そのため、遊転リングの保持潤滑剤が有効に利用され、潤 滑剤封入形式の軸受でありながら、優れた潤滑寿命が得られる。 また、遊転リングの表面には無数の微小窪みを形成したため、これらの窪みで 潤滑剤が保持されることにより、ころ端面と滑り接触する遊転リング表面の潤滑 性が向上する。そのため、遊転リングところ端面との滑り接触による発熱が抑制 される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例の部分断面図である。
【図2】その一部を拡大して示す断面図である。
【図3】同じくその遊転リング部分斜視図である。
【図4】同実施例の複列円筒ころ軸受を応用した工作機
械の主軸支持部の断面図である。
【図5】他の実施例における断面図である。
【図6】図1の実施例の複列円筒ころ軸受に他の潤滑剤
供給手段を設けた軸受装置の断面図である。
【図7】さらに他の実施例の部分断面図である。
【符号の説明】
1…複列円筒ころ軸受、2…ころ、3…外輪、4…遊転
リング、5…内輪、6…軸、11…周方向溝、12…貫
通孔、13…軸方向溝、14…潤滑剤溜り、19,20
…遊転リング、22〜25…潤滑剤溜り

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ころの端面に接する遊転リングを、内
    輪、外輪、内輪間座、または外輪間座の周面に沿って回
    転自在に設け、この遊転リングに潤滑剤溜りを設け、前
    記遊転リングの表面に潤滑剤保持用の微小窪みを無数に
    形成した円筒ころ軸受。
JP3560492U 1992-04-27 1992-04-27 円筒ころ軸受 Pending JPH0587326U (ja)

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JP3560492U JPH0587326U (ja) 1992-04-27 1992-04-27 円筒ころ軸受

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