JP2007298184A - アンギュラ玉軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性を犠牲にする事なく回転トルクを低減できる構造を実現する。
【解決手段】外輪4の外径をDとし、内輪2の内径をdとし、各玉6のピッチ円直径をdmとした場合に、(D+d)/2×0.85≦dm≦(D+d) /2×0.97なる関係を満たす。又、上記各玉6の直径をDaとし、玉軸受の軸方向幅をBとし、円周方向に隣り合う各玉6の中心間距離をLとすると共に、H=(D−d)/2の関係式により算出される玉軸受の断面高さをHとした場合に、0.60≦Da/H≦0.75、且つ、0.58≦Da/B≦0.85、且つ、1.03Da≦L≦1.25Daなる関係を何れも満たす。
【選択図】図3

Description

本発明は、アンギュラ玉軸受の改良に関する。特に、産業機械、例えば、ポンプ装置やコンプレッサ装置の如き各種の機械装置の回転軸を支持する為に適当な、負荷容量が高く、且つ、回転トルクが低いアンギュラ玉軸受の実現を図るものである。
従来から、所定の回転軸を回転自在に支持する種々の転がり軸受が知られており、例えば、転動体として玉を使用した玉軸受の場合、深溝玉軸受、自動調心玉軸受及びアンギュラ型の玉軸受等、各種のタイプの玉軸受が実用されている。このうち、アンギュラ型の玉軸受は、1個の玉軸受でラジアル荷重及びアキシアル荷重を共に負荷する事が可能である為、例えば、ポンプ装置やコンプレッサ装置等各種の機械装置の回転軸を支持する転がり軸受として、広く用いられている。
この様なアンギュラ型の玉軸受(以下、単に玉軸受と言う場合もある)は、図7に示す様に、互いに同心に、且つ、相対回転可能に対向配置された1対の軌道輪(内輪20及び外輪40)と、これら両軌道輪(内輪20及び外輪40)同士の間に転動自在に組み込まれた複数の玉60とを備える。これら各玉60は、それぞれの接触角αを15°〜40°程度に設定された状態で、上記両軌道輪20、40同士の間に、それぞれ組み込まれている。上記接触角αとは、上記各玉60の転動面が上記内輪20の外周面に形成した内輪軌道20a及び上記外輪40の内周面に形成した外輪軌道40aとそれぞれ転がり接触する2つの点(転がり接触部に形成される接触楕円の中心点)を相互に結んだ作用線と、玉軸受の中心軸に垂直な平面(ラジアル平面)とが成す角度の事を言う。
又、上記各玉60は、保持器80に円周方向に関して所定間隔毎に設けたポケット80p内に、1個ずつ転動自在に保持された状態で、上記内輪軌道20aと上記外輪軌道40aとの間に組み込まれている。これにより、上記各玉60は、それぞれの転動面が相互に接触する事なく、上記内輪軌道20aと上記外輪軌道40aとの間で転動する事ができる。この結果、上記各玉60が相互に接触して摩擦が生じる事による回転抵抗の増大や、焼付き等の損傷を防止できる。
上記保持器80としては、所謂傾斜型の保持器や冠型の保持器、或いは、その他の形式のもみ抜きやプレス等の保持器を任意に選択して適用する事ができる。例えば、図7に示す様な傾斜型保持器(もみ抜きタイプ)80は、何れか一方の側(1例として、同図の左側)が他方の側(1例として、同図の右側)よりも小径のテーパ円筒状を成す本体部80mを有する。そして、この本体部80mに、それぞれの内側に上記各玉60を1個ずつ転動自在に保持する為のポケット80pを、円周方向に関して所定間隔(例えば等間隔)毎に形成している。尚、傾斜型保持器(打ち抜きタイプ)には、その本体部の小径側端部に連結し、内輪方向に延出して、上記両軌道輪20、40同士の間に存在して上記各玉60を設置する空間の一部を覆う側面部を設けた構造のものもある。
ところで、上記各玉60のピッチ円直径(各玉60の中心点を結んだ仮想円の直径)をdm[mm]とし、玉軸受の1分間当たりの回転数をN[min-1 ]とした場合、ピッチ円直径dmに回転数Nの値を乗じた回転速度特性値(dmN値:dmN=dm×N)が、玉軸受の回転数及び大きさを考慮して使用可能性を判定する指標の一種として知られている。即ち、回転支持部のdmN値を、当該回転支持部に組み込む玉軸受の耐久性を考慮する(損傷を少なくする)際の指標の一つとして利用する場合が多い。
例えば、工作機械のスピンドルモータ等の様に回転軸(主軸)が高速回転する機械装置の場合、その回転軸を支持する為に用いられる玉軸受は、dmN値が100万を超える状態で運転される場合が多い。これに対し、例えば、ポンプ装置やコンプレッサ装置等の様に、回転軸が上記スピンドルモータ程高速回転する事がない一般的な産業機械の場合、当該回転軸を支持する為に使用される玉軸受は、dmN値が50万以下で運転される場合が多い。
この様に、dmN値が50万以下の、比較的低速の運転環境下で用いられる玉軸受の場合、上記各玉60に加わる遠心力の影響を考慮する必要性が比較的低い。この為、例えば、前記内輪軌道20aと外輪軌道40aとの間に組み込む上記各玉60の数を多くしたり、これら各玉60の直径(外径)を大きくする事により、その許容負荷容量を大きくする事ができる。但し、玉軸受は、その大きさが規格によって定められている為、無闇に上記各玉60の数を多くしたり、これら各玉60の直径を大きくする事はできない。即ち、高負荷容量の玉軸受を実現する為には、限られた軸受サイズで、言い換えれば、玉軸受内部の限られたスペースで、如何にして上記内輪軌道20aと上記外輪軌道40aとの間に組み込む上記各玉60の数を多くしたり、或いは、これら各玉60の直径を大きくするかが重要となる。
この様な要求に対して、例えば、特許文献1には、限られた空間内により多くの玉を組み込んだり、より直径が大きな玉を組み込んだりできる玉軸受の構成が記載されている。上記引用文献1に記載された構造の玉軸受の場合、図7に示す様に、上記各玉60の直径をDa、アンギュラ玉軸受Xの軸方向幅(図7の左右方向の距離)をB4、アンギュラ玉軸受Xの断面高さ{(外輪外径−内輪内径)/2}をH4、円周方向に隣り合う上記各玉60の中心間距離をL4(図示省略)とした場合に、0.60≦Da/H4≦0.75、且つ、0.58≦Da/B4≦0.85、且つ、1.03≦L4/Da≦1.25なる関係を何れも満たすべく、各部の寸法を規制している。
上記特許文献1に記載された構造の場合には、各部の寸法を上述の様に規制する事により、同一サイズ(軸受内外径、幅が同一寸法)のアンギュラ玉軸受Xで比較した場合、隣り合う上記各玉60同士を接触させずに、より多くの玉60を上記内輪軌道20aと上記外輪軌道40aとの間に組み込む事ができる。同様に、これら内輪軌道20aと外輪軌道40aとの間の内部スペースをより大きくできて、上記各玉60の直径を大きくできる。この結果、上記アンギュラ玉軸受Xの許容負荷容量を大きく、即ち、このアンギュラ玉軸受Xの高負荷容量化を図れる。
又、前記傾斜型保持器80の寸法形状に関しても、次の様に規制している。即ち、この傾斜型保持器80の小径側端部(図7の左端部)の外径をD4、大径側端部(同図の右端部)の内径をSD4、ピッチ円直径をdmとした場合に、D4≦dm+0.10×Da、且つ、SD4≧dm−0.05×Daなる関係を何れも満たす様に、各部の形状及び寸法を規制している。上記傾斜型保持器80は、この様な寸法形状にする事により、同一サイズの玉軸受に組み込んだ場合、その強度を十分に確保しつつ、より多くの玉60を保持できる。
上述の様に、前記特許文献1に記載されたアンギュラ型の玉軸受の構成によれば、限られたスペースを有効に利用して、許容負荷容量を有効に大きくできる。但し、近年の産業を取りまく環境の変化、具体的には地球環境保護の為の省エネルギ化の要求の面から、改良の余地がある。即ち、各産業機械の回転支持部に組み込む玉軸受の回転トルク(特に動トルク)を、可能な限り低減する事が求められている。
玉軸受の回転トルクを低減する方法として従来から、この玉軸受の転がり接触部に供給するグリース等の潤滑油として低粘度のものを使用したり、潤滑油の給油量を少なく抑える方法が知られている。この様な方法により、玉軸受の回転トルクを或る程度低減できるが、上記転がり接触部に十分に強固な油膜を形成する事が難しくなり、上記玉軸受の耐久性確保の面からは不利になる。従って、グリース等の潤滑油の低粘度化や供給量の低減等により上記回転トルクを低減させる事には限界がある。
これに対して、特許文献2〜5には、玉軸受の外径及び内径に比較して各玉のピッチ円直径を小さくする事により、この玉軸受の回転トルクを低減する事が記載されている。又、このうちの特許文献2には、内輪外周面の内輪軌道及び外輪内周面の外輪軌道の断面形状の曲率半径を大きくし、これら両軌道と各玉の転動面との転がり接触部に形成される接触楕円を小さくする事で、玉軸受の回転トルクを小さくする事も記載されている。但し、特許文献2〜5の何れにも、アンギュラ型の玉軸受を対象とし、耐久性を確保しつつ回転トルクを十分に低減できる構造に就いては記載されていない。
特開2005−61508号公報 特開2001−90736号公報 特開昭63−289318号公報 特開昭56−101417号公報 特開平10−37951号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、耐久性を犠牲にする事なく回転トルクを低減できるアンギュラ玉軸受を実現すべく発明したものである。
又、本発明は、必要に応じて、内輪及び外輪と各玉との寸法を、所定の関係にそれぞれ設定し、この内輪の内周面に設けた内輪軌道と上記外輪の内周面に設けた外輪軌道との間により多くの玉を組み込むと共に、玉の直径を大きくする事で、回転トルクの低減だけでなく、高負荷容量化を図れるアンギュラ玉軸受の実現を図るものである。
上述の様な課題を解決すべく、本発明のアンギュラ玉軸受は、互いに同心に、且つ、相対回転可能に配置された内輪及び外輪と、この内輪の外周面に形成した内輪軌道とこの外輪の内周面に形成した外輪軌道との間に転動自在に組み込まれた複数個の玉と、これら各玉を転動自在に保持する保持器とを備える。そして、上記内輪軌道と上記外輪軌道とのうちの少なくとも一方の軌道を(片側をカウンタボアとした)アンギュラ型の軌道としている。尚、片側をカウンタボアとした軌道は、上記内輪軌道と上記外輪軌道とのうちの何れか一方の軌道であっても、或いは両方の軌道であっても良い。
特に、本発明のアンギュラ玉軸受では、上記外輪の外径をDとし、上記内輪の内径をdとし、上記各玉のピッチ円直径をdmとした場合に、(D+d)/2×0.85≦dm≦(D+d) /2×0.97なる関係を満たす。
上述の様な本発明のアンギュラ玉軸受を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した発明の様に、上記各玉の直径をDaとし、玉軸受(を構成する内輪及び外輪)の軸方向幅をBとし、円周方向に隣り合う各玉の中心間距離をLとすると共に、H=(D−d)/2の関係式により算出される玉軸受の断面高さをHとした場合に、0.60≦Da/H≦0.75、且つ、0.58≦Da/B≦0.85、且つ、1.03Da≦L≦1.25Daなる関係を何れも満たすべく、上記各玉と上記内輪及び上記外輪の寸法を規制する。
又、好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、上記各玉の接触角αを15゜〜45゜とする。即ち、これら各玉は、上記内輪軌道及び上記外輪軌道とそれぞれ1点ずつ、これら各玉毎に2点ずつで接触する。そして、これら2つの点同士を結んだ(各玉が支承する荷重の)作用線と、玉軸受の中心軸に垂直な平面との成す角度を接触角αとした場合に、15°<α<45°なる関係を満たすべく、各部の寸法及び形状を規制する。
更に、好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、上記外輪軌道の断面形状の曲率半径をReとし、上記内輪軌道の断面形状の曲率半径をRiとし、各玉の直径をDaとした場合に、Re/Daを、0.52を越え0.58未満とし、且つ、Ri/Daを、0.52を越え0.56未満とすべく、各部の寸法及び形状を規制する。
上述の様な構成を有する本発明のアンギュラ玉軸受の場合には、玉軸受の外径及び内径に比較して各玉のピッチ円直径を小さくしている為、アンギュラ玉軸受を組み込むべき空間の寸法を変える事なく、このアンギュラ玉軸受の回転トルクを低減できる。即ち、上記各玉の設置位置を、このアンギュラ玉軸受の径方向中間部よりも内径側に偏らせている為、梃子の原理から明らかな通り、これら各玉を転動させる為に要する力が小さくて済み、上記回転トルクの低減を図れる。
又、請求項2、3に記載した発明によれば、上記各玉の直径を確保しつつ、内輪の外周面に形成した内輪軌道と外輪の内周面に形成した外輪軌道との間に、より多くの玉を組み込む事ができ(玉の数を増やすか、玉の直径を大きくするかの、一方又は双方を行なえ)て、アンギュラ玉軸受の高負荷容量化を図れる。そして、アンギュラ玉軸受を、長期間に亙り、高精度に回転させ続ける事ができる。
更に、請求項4に記載した発明によれば、上記各玉の転動面と上記内輪軌道及び上記外輪軌道との転がり接触部に形成される接触楕円を小さくして、これら各接触楕円のスピンに基づく摩擦損失を低減し、上記回転トルクをより一層低減できる。
[実施の形態の第1例]
図1は、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本発明を実施する場合に於けるアンギュラ玉軸受A1の大きさ、各部の寸法比等は、例えば、各種の規格等に応じて任意に設定される為、特に限定しない。本例では、1例として、外輪4の外径(軸受外径D)、内輪2の内径(軸受内径)d、及び軸方向の幅Bが、何れも前述の図7に示した従来のアンギュラ玉軸受Xと同一寸法にそれぞれ設定されている(同一の大きさ及び同一の寸法比である)場合を想定し、以下、その構成に就いて説明する。
図1に示した、本発明の実施の形態の第1例のアンギュラ玉軸受A1は、互いに同心に、且つ、相対回転可能に配置された内輪2及び外輪4と、この内輪2の外周面に形成した内輪軌道2aとこの外輪4の内周面に形成した外輪軌道4aとの間に転動自在に組み込まれた複数個の玉6と、保持器8とを備える。これら各玉6は、この保持器8の円周方向等間隔複数個所に設けたポケット8p内に、転動自在に保持している。
上記内輪2は、その外周面の軸方向片側(図1の左側)が軸方向他側(図1の右側)に比べて肉薄となる様に、上記内輪軌道2aの肩部を落として、当該部分をカウンタボア2cとしている。本例の場合、このカウンタボア2cは、軸方向に関して外径が変化しない、円筒面状としている。一方、上記外輪4は、その内周面の軸方向両端部のうち、上記内輪2のカウンタボア2cと反対側端部(図1の右端部)がこのカウンタボア2c側(図1の左端部)に比べて肉薄となる様に、上記外輪軌道4aの肩部を落として、当該部分をカウンタボア4cとしている。本例の場合、このカウンタボア4cは、軸方向端面に向かう程内径が大きくなる方向に傾斜した、部分円すい状の傾斜凹面としている。
尚、上記内輪2及び上記外輪4の周面に形成した上記両カウンタボア2c、4cの形状及び寸法等は、例えば、これら内輪2及び外輪4の寸法等に応じて任意に設定されるもので、図示の様な形状及び大きさに限定されるものではない。例えば、上述した図1に示す構成の他、上記内輪2の外周面のカウンタボア2cは、上記アンギュラ玉軸受A1の端面に向かう程外径が小さくなる方向に傾斜した、部分円すい状凸面としても良いし、上記外輪4の内周面のカウンタボア4cは、軸方向に関して内径が変化しない、円筒面状としても良い。又、図1に示した構造の場合には、上記内輪2及び上記外輪4の両方を片側カウンタボアの形状としているが、これら内輪2と外輪4とのうちの何れか一方の軌道輪のみを片側カウンタボアの形状としても良い。この場合には、他方の軌道輪の周面には、深溝型の軌道を形成する。
更に、上記内輪2、上記外輪4、及び、上記各玉6の材料は、特に限定しない。上記アンギュラ玉軸受A1の用途等に応じて、要求される強度、剛性、耐熱性、耐食性等に応じて、適切な材料を選択使用する。例えば、上記内輪2及び上記外輪4の材料として、高炭素クロム軸受鋼、浸炭軸受用鋼、軸受用ステンレス鋼等の金属材料を使用可能である。又、上記各玉6の材料としては、これらの金属材料に加えて、合成樹脂(高剛性高機能樹脂)、セラミック等の非金属材料のうちから選択される材料も使用可能である。
又、図示の例の場合、前記保持器8は、上記外輪4の内周面のカウンタボア4c側の直径が上記内輪2の外周面のカウンタボア2c側の直径よりも大きくなる方向に傾斜した、部分円すい筒状の本体部8mを有する。更に、この本体部8mの軸方向中間部に複数のポケット8pを、円周方向に関して所定間隔毎に(等間隔で)形成している。即ち、上記保持器8は、上記円すい筒状の軸方向中間部を切削加工する事により上記各ポケット8pを形成した、もみ抜き型の保持器として構成している。そして、これら各ポケット8p内に上記各玉6を、これら各ポケット8p毎に1個ずつ、転動自在に保持している。上記保持器8とこれら各玉6とは、この状態で、上記内輪2の外周面に形成した内輪軌道2aと、上記外輪4の内周面に形成した外輪軌道4aとの間に組み込んでいる。
尚、図示の例の場合、上記保持器8の軸方向寸法(図1の左右方向の幅)を、上記アンギュラ玉軸受A1(を構成する内輪2及び外輪4)の軸方向寸法(同方向の幅)よりも小さな、所定の寸法としている。そして、上記保持器8の軸方向両端面を、上記アンギュラ玉軸受A1の軸方向両端面よりも凹んだ位置に存在させている。又、本例の場合に、上記保持器8の径方向位置は、上記各ポケット8pの内面と上記各玉6の転動面との係合に基づく、所謂玉案内で規制している。言い換えれば、上記本体部8mの内周面8a及び外周面8bは、上記内輪2の外周面及び上記外輪4の内周面に何れの面にも接触しない。但し、本発明を実施する場合に、上記保持器8の案内(径方向位置規制)方式は、上記玉案内に限定するものではない。例えば、上記本体部8mの内周面8aのうちの大径側端部を上記内輪2の外周面の溝肩(軌道面2aの肩部)に接触させる内輪案内型であっても、或いは、上記本体部8mの外周面8bの小径側端部を外輪4の内周面の溝肩(軌道面4aの肩部)に接触させて回転案内する外輪案内型であっても良い。何れの構造であっても、上記保持器8は、上記各玉6を1個ずつ上記各ポケット8p内にそれぞれ保持した状態で、これら各玉6と共に、上記内輪2の外周面と上記外輪4の内周面との間の環状空間内で回転する。
尚、上記保持器8の材料は、特に限定されず、この保持器8に要求される強度、剛性、耐熱性、耐食性等に応じて、適切な材料を選択使用する。例えば、上記保持器8の材料として、高力黄銅等の黄銅系合金、構造用炭素鋼等の鉄系合金等の金属材料を適宜選択使用できる。又、この様な金属材料の他、例えば、ポリアミド等の合成樹脂製であっても良い。上記保持器8をポリアミド等の合成樹脂製とする場合には、この保持器8を、合成樹脂を射出成形する事により一体成形できる。尚、この保持器8を合成樹脂製とする場合には、必要に応じてポリアミド等の基材(合成樹脂)に、例えば、ガラス繊維、炭素繊維等の繊維やウィスカ等の補強材を添加剤として混合する事により、上記保持器8の強度を高める事もできる。
本例の場合には、上述の様な基本構成を有するアンギュラ玉軸受A1に於いて、各部の寸法を次の様に規制している。即ち、上記外輪4の外径(軸受外径)をDとし、上記内輪2の内径(軸受内径)をdとし、上記各玉6のピッチ円直径(各玉6の中心点を結んだ仮想円の直径)をdmとした場合に、dm<(D+d)/2なる関係を満たす様に、各部の寸法を規制している。この為、前述の図7に示した従来のアンギュラ玉軸受Xの場合に、各玉60のピッチ円(各玉60の中心点を結んだ仮想円)が、外輪40の外径位置(アンギュラ玉軸受Xの外径位置)と内輪20の内径位置(アンギュラ玉軸受Xの内径位置)との径方向中央位置に設定されているのに対し、図1に示した本例のアンギュラ玉軸受A1の場合には、上記各玉6のピッチ円が、上記アンギュラ玉軸受A1の外径位置と同じく内径位置との径方向中央よりも上記内輪2側に片寄った位置に設定されている。即ち、本例のアンギュラ玉軸受A1の場合には、上記内輪2の径方向厚さに比べて上記外輪4の径方向厚さを大きくする(内輪2の径方向厚さを小さくした分だけ外輪4の径方向厚さを増大させる)事により、上記従来のアンギュラ玉軸受Xと、外径寸法及び内径寸法が同一でありながら、上記各玉6のピッチ円直径dmを小さく設定している。
本例のアンギュラ玉軸受A1の場合には、上述の様に、上記各玉6のピッチ円の直径dmを従来構造に比べて小さくしている為、これら各玉6を転動させるべく、上記内輪2と上記外輪4とを相対回転させる際に要するモーメントを小さくする事ができる。この結果、上記アンギュラ玉軸受A1の回転時(起動時及び回転時)に於ける回転トルク(静トルク及び動トルク)を低減できる。本例のアンギュラ玉軸受A1は、従来のアンギュラ玉軸受Xのサイズを変更する事なく、即ち、このアンギュラ玉軸受A1を構成する外輪4の外径(軸受外径)、及び、内輪2の内径(軸受内径)を、上記アンギュラ玉軸受Xを構成する内輪20及び外輪40の同位置の寸法と同じままに保ちながら、上記各玉6のピッチ円直径dmのみを小さく設定している。従って本例のアンギュラ玉軸受A1は、従来のアンギュラ玉軸受Xにそのまま置き換えて(アンギュラ玉軸受を組み込むべき部分の寸法等に何ら変更を加えずに)、回転トルクを有効に低減できる。
上記各玉6のピッチ円直径dmは、図2に示す様に、小さくする程回転トルク(損失)が小さくなり、この損失に伴って発生する熱が少なくなる。尚、上記図2は、外径Dが120mm、内径dが55mm、軸方向の幅Bが29mm、内輪軌道及び外輪軌道の断面形状の曲率半径が玉の直径の0.52倍であるアンギュラ玉軸受に関して、上記ピッチ円直径dmの大きさが上記損失に基づく発熱量に及ぼす影響に就いて求めた結果を示している。横軸は、dm=(D+d)/2である従来構造を1とした場合に於けるdmの大きさの比率を、縦軸は、この従来構造での発熱量を1とした場合に於ける発熱量の割合を、それぞれ示している。この様な図2から明らかな通り、上記各玉6のピッチ円直径dmを小さくする程、アンギュラ玉軸受の回転トルク(に基づく発熱量)が低減する。
この様に、上記各玉6のピッチ円直径dmを小さくする分だけ、上記アンギュラ玉軸受の回転トルクを低減できるが、十分な作用・効果を得る為には、図3に示す様に、上記ピッチ円直径dmを上記従来構造の0.85〜0.97倍にする。即ち、(D+d)/2×0.85≦dm≦(D+d) /2×0.97なる関係を満たす様に、上記アンギュラ玉軸受A1の各部の寸法を規制する。尚、上記図3に示したアンギュラ玉軸受A2の場合も、外輪4の外径D(軸受外径)、内輪2の内径d(軸受内径)、及び、軸方向の幅Bは、上述の図1に示したアンギュラ玉軸受A1、及び、前述の図7に示した従来のアンギュラ玉軸受Xの外径、内径、幅と同じに設定されている。又、上記アンギュラ玉軸受A2を構成する各玉6の寸法、及び、保持器8の形状及び寸法に就いても、上記図1に示したアンギュラ玉軸受A1と同じとしている。
本例の場合には、上述の様に、上記各玉6のピッチ円直径dmを適正値(上記範囲内の所定値)に設定する事により、上記アンギュラ玉軸受A2の許容負荷容量を低下させる事なく、回転トルクを低減させる事ができる。即ち、上記各玉6のピッチ円直径dmを(D+d)/2×0.97以下に設定する事により、上記アンギュラ玉軸受A2の回転トルクを、上記図7に示した従来のアンギュラ玉軸受Xの如き、同一サイズのアンギュラ玉軸受と比較して、明らかに低減できる。但し、上記各玉6のピッチ円直径dmを(D+d)/2×0.85よりも小さくすると、これら各玉6の直径を小さくする必要が生じたり、上記内輪2の径方向の厚さが小さくなり過ぎて、この内輪2の耐久性を確保する事が難しくなったりする。何れにしても、上記ピッチ円直径dmを小さくし過ぎる{dm<(D+d)/2×0.85にする}と、上記アンギュラ玉軸受A2の許容負荷容量が低下してしまう。そこで、上記各玉6のピッチ円直径dmは、(D+d)/2×0.85以上確保する。そして、上記アンギュラ玉軸受A2の許容負荷容量を低下させる事なく、前述した様に、回転トルクを有効に低減させる。
[実施の形態の第2例]
図4に示したアンギュラ玉軸受A3の場合には、上述した実施の形態の第1例のアンギュラ玉軸受A1(図1)、A2(図3)の構成(ピッチ円直径dmを抑える為の、内輪2、外輪4、各玉6の寸法関係)に加えて、各玉6の直径Daと、上記アンギュラ玉軸受A3の軸方向幅Bと、上記各玉6の中心間距離Lと、このアンギュラ玉軸受A3の断面高さHとの関係を適正に規制している。尚、このうちのアンギュラ玉軸受A3の断面高さHは、このアンギュラ玉軸受A3の外径Dと内径dとから、H=(D−d)/2により求められる。又、上記中心間距離Lとは、円周方向に隣り合う1対の玉6の中心同士の最短距離を言う。本例の場合には、上記各寸法を、0.60≦Da/H≦0.75、且つ、0.58≦Da/B≦0.85、且つ、1.03Da≦L≦1.25Daなる関係を何れも満たす様に規制している。
尚、上記アンギュラ玉軸受A3に於いて、外輪4の外径(軸受外径)D、内輪2の内径(軸受内径)d、及び軸方向の幅Bは、何れも、前述の図1に示したアンギュラ玉軸受A1、同じく図2に示したアンギュラ玉軸受A2、及び、図7に示した従来のアンギュラ玉軸受Xの対応する部分の寸法と同じにしている。又、上記アンギュラ玉軸受A3を構成する各玉6の寸法、及び、保持器8の形状及び寸法に就いても、上記図1に示したアンギュラ玉軸受A1及び上記図3に示したアンギュラ玉軸受A2と同じとしている。
上述の様な寸法関係となるべく、各部の寸法を規制した、本例のアンギュラ玉軸受A3の場合には、内輪2の外周面と外輪4の内周面との間の環状空間内に、保持器8の組み込みスペースを確保する事ができて、この保持器8の肉厚を確保できる。又、この保持器8に設ける各ポケット8pの大きさ(内径)を確保できて、これら各ポケット8p内に保持する前記各玉6の直径を確保できる。この為、同一サイズの軸受(例えば、前述の図1、3に記載したアンギュラ玉軸受A1、A2)に組み込む保持器8の強度を確保したり、或いは上記各玉6の直径を確保できて、上記アンギュラ玉軸受A3の許容負荷容量を大きくできる。
本例の場合、前記断面高さHと上記各玉6の直径Daと前記軸方向幅Bとを、前述の様に、0.60≦Da/H≦0.75、0.58≦Da/B≦0.85なる関係を満たす様に規制する事で、限られた上記環状空間内に、上記保持器8を組み込むべきスペースを確保できる。
尚、円周方向に隣り合う上記各玉6の中心間距離Lは、これら各玉6の直径Daよりも大きい事が必要である。即ち、この中心間距離Lがこの直径Daよりも小さい(L/Da<1である)と、上記環状空間内で円周方向に隣り合う上記各玉6が重なり合う事になる(実際上組み込めない)。又、上記中心間距離Lが直径Daよりも僅かに大きい(L/Daが1よりも僅かに大きい)程度の場合には、円周方向に隣り合う上記各玉6同士の間に、上記保持器8を組み込む(保持器8の柱部を通す)為のスペースを十分に確保できない。これに対して、上記中心間距離Lは、直径Daよりも大き過ぎる(L/Daが1よりも大幅に大きい)と、上記環状空間内に組み込める玉6の数が少なくなって、上記アンギュラ玉軸受A3の許容負荷容量が小さくなってしまう。
そこで本例の場合には、上記中心間距離Lと上記各玉6の直径Daとを、1.03Da≦L≦1.25Daの関係を満たすべく規制している。そして、上記保持器8の強度及び上記各玉6の数を確保しつつ、これら各玉6ピッチ円直径dmを効果的に小さくできる様にして、上記アンギュラ玉軸受A3の回転トルクを有効に低減できる様にしている。又、各種の規格により定められた大きさの範囲内で、上記アンギュラ玉軸受A3の内部スペースである上記環状空間のうち、上記保持器8を設置できる部分の容積を十分に確保する事ができる。この結果、この保持器8を肉厚化し、この保持器8の強度を向上させられて、上記アンギュラ玉軸受A3の許容負荷容量を確保できる。
本発明を実施する場合に、各玉6の接触角αは、各例のアンギュラ玉軸受A1、A2、A3の使用目的や使用条件等に応じて任意に設定する値であり、特に限定しない。好ましくは、上記接触角αを、15°よりも大きく、且つ、45°よりも小さい所定の値(15°<α<45°)に設定する。尚、接触角αとは、転がり軸受の技術分野で周知の様に、前述の通り、上記各玉6の転動面と内輪軌道2a及び外輪軌道4aとの転がり接触部に形成される接触楕円の中心同士を結んだ作用線と、上記アンギュラ玉軸受A1、A2、A3の中心軸に垂直な平面との成す角度の事を言う。
同様に、上記内輪軌道2a及び上記外輪軌道4aの断面形状曲率半径(所謂溝R)に就いても、各例のアンギュラ玉軸受A1、A2、A3の使用目的や使用条件等に応じて任意に設定する値であり、特に限定しない。但し、負荷容量が高く、且つ、回転トルクが低いアンギュラ玉軸受の実現を図ると言った、本発明の目的に対応して、上記外輪軌道4aの断面形状の曲率半径Re及び上記内輪軌道2aの断面形状のRi(図5参照)を、各玉6の直径Daとの関係で、下記の範囲に規制する事が好ましい。
0.52<Re/Da<0.58
0.52<Ri/Da<0.56
上記両軌道4a、2aの断面形状の曲率半径Re、Riを上述の様に規制すれば、十分な低トルク化を図り、発熱を抑制できる。
即ち、上記条件を満たすべく、上記外輪軌道4a及び上記内輪軌道2aの断面形状の曲率半径Re、Riを大きくすれば、上記各玉6の転動面と、これら外輪軌道4a及び内輪軌道2aとの転がり接触部に形成される接触楕円が小さくなって、回転時にこの接触楕円部分で生じる転がり抵抗(滑り摩擦を伴うスピン損失)を小さくして、アンギュラ玉軸受の低発熱化を図れる。
図6は、上記外輪軌道4a及び上記内輪軌道2aの断面形状の曲率半径Re、Riと上記各玉6の直径Daとの比が、アンギュラ玉軸受の発熱量に及ぼす影響を知る為に行なった計算の結果を示している。計算の条件として、次の様なアンギュラ玉軸受を想定した。 外径D:120mm
内径d:55mm
軸方向幅B:29mm
内輪、外輪、玉の材質:SUJ2
内輪回転速度:3600min-1
潤滑油:VG68
上記条件で、上記外輪軌道4a及び上記内輪軌道2aの断面形状の曲率半径Re、Riを変化させ、変化させた曲率半径が発熱量或いは動定格荷重に及ぼす影響を求め、その結果を、図6の(a)(b)に示した。このうちの(a)は、上記両軌道4a、2aの断面形状の曲率半径Re、Riを変化させた場合の発熱量の変動に就いて、(b)はこれら両軌道4a、2aの断面形状の曲率半径Re、Riを変化させた場合の動定格荷重の変動に就いて、それぞれ示している。又、図6の横軸はRe/Da又はRi/Daを、縦軸は、Re/Da=Ri/Da=0.52である構造を1とした場合に於ける発熱量或いは動定格荷重の割合を、それぞれ示している。この様な図6の(a)から明らかな通り、上記各曲率半径Re、Riを大きくする程、アンギュラ玉軸受の回転トルク(に基づく発熱量)が低減する。
但し、図6の(b)から明らかな通り、上記各曲率半径Re、Riを大きくし過ぎると、前記接触楕円が過度に小さくなって、この接触楕円部分での面圧が過度に高くなり、アンギュラ玉軸受の動定格荷重が低くなり、このアンギュラ玉軸受の耐久性が損なわれる。そこで、上記上記各曲率半径Re、Riを、Re/Daを、0.52を越えて0.58未満とし、Ri/Daを、0.52を越えて0.56未満となる範囲に規制した。
即ち、上記各曲率半径Re、Riと上記各玉6の直径Daとの関係で、Re/Da、Ri/Daの値が大きくなり過ぎると、上記接触楕円が小さくなって、動定格荷重が低下する。特に、円周方向に関する形状が凸円弧である上記内輪軌道2aに関しては、同じく凹円弧である上記外輪軌道4aに比べて、曲率半径が大きくなる事に伴う接触楕円の小さくなり方が著しく、Ri/Daの値が大きくなる事に伴う動定格荷重の低下が著しい。
そこで、本発明者が、アンギュラ玉軸受を組み込む回転機械装置として一般的なポンプの使用荷重条件で、上記仕様の軸受の転がり疲れ寿命計算を行ったところRe/Da=0.58、Ri/Da=0.56の場合に目標寿命を満足しない事が分かった。そこで、上記各比Re/Daの上限値を0.58未満、同じく比Ri/Daの上限値を0.56未満とした。
本発明の実施の形態の第1例を示す、アンギュラ玉軸受の部分断面図。 ピッチ円直径と運転時の発熱量との関係を示す線図。 図1と同様の部分断面図。 本発明の実施の形態の第2例を示す、アンギュラ玉軸受の、図1、3と同様の部分断面図(a)及びこれと直角方向の部分断面図(b)。 外輪軌道及び内輪軌道の断面形状の曲率半径の適正値を説明する為の、アンギュラ玉軸受の部分断面図。 外輪軌道及び内輪軌道の断面形状の曲率半径が運転時の発熱量に及ぼす影響を示す線図。 従来のアンギュラ玉軸受の構成例を示す部分断面図。
符号の説明
2 内輪
2a 内輪軌道
2c カウンタボア
4 外輪
4a 外輪軌道
4c カウンタボア
6 玉
8 保持器
8m 本体部
8p ポケット
20 内輪
20a 内輪軌道
40 外輪
40a 外輪軌道
60 玉
80 保持器
80m 本体部
A1、A2、A3 アンギュラ玉軸受
X アンギュラ玉軸受

Claims (4)

  1. 互いに同心に、且つ、相対回転可能に配置された内輪及び外輪と、この内輪の外周面に形成した内輪軌道とこの外輪の内周面に形成した外輪軌道との間に転動自在に組み込まれた複数個の玉と、これら各玉を転動自在に保持する保持器とを備え、上記内輪軌道と上記外輪軌道とのうちの少なくとも一方の軌道をアンギュラ型の軌道としたアンギュラ玉軸受であって、
    上記外輪の外径をDとし、上記内輪の内径をdとし、上記各玉のピッチ円直径をdmとした場合に、(D+d)/2×0.85≦dm≦(D+d) /2×0.97なる関係を満たす事を特徴とするアンギュラ玉軸受。
  2. 各玉の直径をDaとし、玉軸受の軸方向幅をBとし、円周方向に隣り合う各玉の中心間距離をLとすると共に、H=(D−d)/2の関係式により算出される玉軸受の断面高さをHとした場合に、0.60≦Da/H≦0.75、且つ、0.58≦Da/B≦0.85、且つ、1.03Da≦L≦1.25Daなる関係を何れも満たす事を特徴とする、請求項1に記載したアンギュラ玉軸受。
  3. 各玉は、内輪軌道及び外輪軌道とそれぞれ1点ずつ、各玉毎に2点ずつで接触し、これら2つの点同士を結んだ作用線と玉軸受の中心軸に垂直な平面との成す角度である接触角をαとした場合に、15°<α<45°なる関係を満たす事を特徴とする、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したアンギュラ玉軸受。
  4. 外輪軌道の断面形状の曲率半径をReとし、内輪軌道の断面形状の曲率半径をRiとし、各玉の直径をDaとした場合に、Re/Daが、0.52を越え0.58未満であり、且つ、Ri/Daが、0.52を越え0.56未満である事を特徴とする、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したアンギュラ玉軸受。
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