JP2008240796A - シール付きアンギュラ玉軸受及び主軸装置 - Google Patents

シール付きアンギュラ玉軸受及び主軸装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高速回転域で使用されても、外内輪軌道面と玉との転がり接触部や、保持器のポケットと玉とのすべり接触部を確実に潤滑し、長寿命なシール付きアンギュラ玉軸受及び主軸装置を提供する。
【解決手段】外輪11と、内輪12と、該外内輪間11、12に配置される複数の玉13と、玉13を転動自在に保持する玉案内型保持器14と、一対のシール部材17と、を備えるシール付きアンギュラ玉軸受100であって、保持器14は、ポケット15の端部から突設し、玉13と接触して保持器14の半径方向の移動を規制する係止部21を備え、更に保持器14の軸方向中心部近傍の内周面には、円周方向溝20が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、シール付きアンギュラ玉軸受及び主軸装置に関し、より詳細には、高速回転する工作機械等の主軸を長期間に亘って安定して支持することが可能なシール付きアンギュラ玉軸受及び主軸装置に関する。
工作機械の主軸を支持する転がり軸受を潤滑する従来の潤滑法としては、潤滑剤の攪拌抵抗を低減させて温度上昇を抑えるため、グリース潤滑やオイルエア・オイルミスト潤滑等の微量潤滑法が採用されている。オイルエア・オイルミスト潤滑は、グリース潤滑と比較して高速回転での耐焼付き性は向上するものの、給排油機構が複雑でありコストの増大、ノズルから軸受に向けて噴出させる空気の風切音による騒音発生、排油穴やラビリンス部からの使用後の潤滑油流出に対する配慮等が必要である。このため、近年、外部に潤滑剤が放出されないグリース潤滑によって、高速回転する主軸を支持する転がり軸受の要求が強まっている。
一方、グリース潤滑では、軸受内に充填したグリースは、使用に伴って消費され、或いは軸受両端の開口部から徐々に流出して、オイルエア・オイルミスト潤滑と比較して軸受寿命が短くなる傾向がある。また、高速回転で使用される軸受、特に、高速での連続加工、急加減速運転等の過酷な条件でサイクル加工される工作機械の主軸を支持する軸受では、軸受の温度上昇が大きく、グリース寿命が低下する傾向がある。このため、軸受の両側面にシールを装着してグリースの流出を防止し、これにより軸受の長寿命化を図ったシール付きアンギュラ玉軸受が提案されている。また、比重の小さなセラミック製の玉を採用し、高速回転時の玉に作用する遠心力を低減させて軸受の発熱を抑制するようにした玉軸受も提案されている。
また、グリース潤滑では、グリースの消費、劣化が進んで、保持器と転動体、或いは保持器と外内輪案内面の潤滑油膜形成が不安定となったとき、すべり接触面の摩擦抵抗が変動して保持器の自励振動が発生し、異音の発生や回転精度が悪化する可能性があった。このような現象を防止するため、保持器が玉で案内される玉案内保持器を用いると共に、玉との接触面積を低減させるようにポケット部に係止部を設けた玉軸受が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
例えば、特許文献1に記載のアンギュラ玉軸受100では、図9に示すように、内周面に軌道面101aを有する外輪101と、外周面に軌道面102aを有する内輪102と、外輪101と内輪102との間に転動自在に配設された複数の玉103と、玉103を転動自在に保持する保持器104と、外輪101と内輪102の両側面の開口部に設けられ、グリースの流出を防止するシール105と、を備える。
保持器104は、合成樹脂製の環状部材であり、玉103を保持するためのポケット106が周方向に複数形成されている。保持器104の内周側には、ポケット106の内側に向かって突出する係止部107が形成されており、玉103と接触して保持器104のラジアル方向の移動が規制されている。
特開2003−42160号公報 特開2003−4047号公報
ところで、工作機械の主軸では、dmn値(dm:転動体のピッチ円直径(mm)、n:軸回転速度(min−1))が100万を超えるような領域で使用されることが、近年益々要求されている。このような領域で使用される主軸では、シール付き玉軸受を用いたり、特許文献1、2に記載の玉案内保持器を有する玉軸受を採用しても、外内輪軌道面と玉との転がり接触部や、保持器のポケットと玉とのすべり接触部で、潤滑油が枯渇し、自励振動の発生や焼付きが生じる可能性があり、グリース潤滑の耐久性に更なる改善が望まれていた。
また、セラミック製の玉による軸受の発熱抑制も低発熱化には限界があり、外内輪軌道面と玉との転がり接触部近傍や、保持器のポケットと玉とのすべり接触部近傍に潤滑油膜を確実に確保することができる方策が望まれていた。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、高速回転域で使用されても、外内輪軌道面と玉との転がり接触部や、保持器のポケットと玉とのすべり接触部を確実に潤滑し、長寿命なシール付きアンギュラ玉軸受及び主軸装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 内輪と、外輪と、該外輪及び内輪間に所定の接触角を持って配置される複数の玉と、半径方向に貫通して該複数の玉をそれぞれ保持する円筒形状の複数のポケットを有する合成樹脂製の玉案内型保持器と、前記外輪及び内輪の軸方向両側開口部をシールする一対のシール部材と、を備えるシール付きアンギュラ玉軸受であって、
前記保持器は、前記ポケットの端部から突設し、前記玉と接触して前記保持器の半径方向の移動を規制する係止部を備え、
前記保持器の軸方向中心部近傍の内周面には、円周方向溝が形成されることを特徴とするシール付きアンギュラ玉軸受。
(2) 上記(1)に記載のシール付きアンギュラ玉軸受を用いて、工作機械主軸を回転自在に支持することを特徴とする主軸装置。
本発明のシール付きアンギュラ玉軸受によれば、合成樹脂製の保持器は、ポケットの端部から突設し、玉と接触して保持器の半径方向の移動を規制する係止部を備えるので、玉と保持器の接触面積を少なくすることができ、これにより軸受の接触による発熱を抑制して充填されたグリースの劣化や流出を防止することができる。また、保持器の軸方向中心部近傍の内周面には、円周方向溝が形成されるので、潤滑が必要な箇所の近傍である該円周方向溝内に保持されたグリースによって、玉と保持器とのすべり接触部、及び外内輪の軌道面と玉との転がり接触部を確実に、且つ長期間に亘って潤滑することができる。これにより、dmn値が100万を超えるような高速回転域でも、自励振動や異音発生がなく、回転精度が高く、且つ長寿命なものとなる。
以下、本発明に係るシール付きアンギュラ玉軸受の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態のシール付きアンギュラ玉軸受10は、内周面に外輪軌道面11aを有する外輪11と、外周面に内輪軌道面12aを有する内輪12と、外輪軌道面11aと内輪軌道面12aとの間に転動自在に配設された複数の玉13と、該玉13をポケット15内に転動自在に保持して外輪11と内輪12の間に配置されたもみ抜き保持器14と、を備える。
外輪11の内周面には、外輪軌道面11aの一方の側方に肩部11bが形成されている。また、内輪12の外周面には、玉13を中心として肩部11bと軸方向対称位置に肩部12bが形成されている。シール付きアンギュラ玉軸受10は、非回転時において接触角αを有しており、ラジアル荷重及びスラスト荷重を負荷する。また、外輪11と内輪12の両側面の開口部には、芯金17がゴム等の弾性体18によって覆われて環状に形成されたシール部材16が装着され、内部からのグリース流出が防止されている。
保持器14は、合成樹脂製からなり、図2に示すように、軸方向両側の環状部22a,22bと、これら環状部22a,22bを連結する複数の柱部23とを有し、これら環状部22a,22bと隣接する柱部23とで玉13を転動自在に保持する複数のポケット15を構成する。
保持器14の外径は、外輪11の肩部11bの内径より小さく、また内径は、内輪12の肩部12bの外径より大きく形成されている。ポケット15の内面は径方向に貫通する略円筒形状であり、その内径(2×半径R)は玉13の外径(2×半径R)より僅かに大きい。
また、保持器14の内周面側で、軸方向中心部近傍には、円周方向溝20が全周に亘って形成されている。即ち、円周方向溝20は、保持器14の柱部23の内周面が、隣接するポケット15間で円周方向に連続して、部分的に半径方向に切り欠かれるように形成されている。図2(b)に示すように、円周方向溝20の直径φCは、ピッチ円直径PCDより小さく設定され、ピッチ円直径PCDと直径φCとの差Δ1が正であることが望ましい。これにより、シール付きアンギュラ玉軸受10の回転に伴って玉13がポケット15内で移動してポケット15の内面と接触したとき、玉13はピッチ円直径PCD上のポケット15の内面P1と接触するので、ポケット15の内面と円周方向溝20との縁部Qと、玉13との干渉を防止することができ、縁部Qによるエッジ摩耗を防止することができる。
さらに、保持器14の円周方向溝20の軸方向両側には、ポケット15の内側に向かって突出する係止部21が形成されている。係止部21は、柱部23からポケット15内に4箇所で突出し、2箇所ずつが保持器14の周方向に沿った対向位置に設けられている。図2(a)に示すように、ポケット15内に突出する係止部21の端縁部の形状は、半径方向から見たとき、半径R(<R)の円弧状に形成されている。図2及び図3に示すように、係止部21には、ポケット15の内面から連続する傾斜面21aが形成されており、該傾斜面21aが玉13と接触することにより、保持器14の半径方向の移動を規制する。係止部21は、隣接するポケット15間で連続して帯状に形成されており、本実施形態では、この軸方向両側の係止部21の軸方向内側面が円周方向溝20の側面を形成している。
また、円周方向溝20の軸方向幅W1は、係止部21に玉13が接触したときの変形や損傷を防止できるように、係止部21の軸方向幅W2が最小でも1〜2mm程度確保されることが望ましい。
保持器14の合成樹脂材料としては、ポリアミド66やポリアミド46、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン等を母材として使用することができる。更に、10〜30重量%の炭素繊維やアラミド繊維、或いは、10〜40重量%のガラス繊維を添加して強度を向上させることが好ましい。また、高速回転で使用するためには、炭素繊維やアラミド繊維がより好ましいが、使用条件に応じてガラス繊維を選択することもできる。炭素繊維やアラミド繊維の添加量が10重量%より少ないと十分な強度が得られず、また、30重量%より多いと成型性が劣化して外観も悪くなる。炭素繊維やアラミド繊維の添加量を20〜30重量%とすることにより、強度及び成型性が共に良好となり、更に好ましい。同様の理由により、ガラス繊維も10〜40重量%の添加量が好ましい。
このような保持器14は種々の方法で製作可能であり、例えば、すべて切削加工により製作してもよく、或いは、射出成型後に円周方向溝のみを切削加工して製作、また、すべて射出成型により製作することもできる。
このように構成されるシール付きアンギュラ玉軸受10は、内部にグリースを封入した後、グリースが玉13とポケット15とのすべり接触部や、玉13と外内輪11、12の軌道面11a、12aとの転がり接触部等、潤滑を要する部分に行き渡るように、運転初期に徐々に回転数を上げる、所謂ならし運転を行なう。これにより、封入されたグリースは、アンギュラ玉軸受10の両側面のシール部材16の内面(G1)や、外輪11及び内輪12の内側表面(G2、G3)、保持器14の表面にも、余剰グリースとして分散して付着する。さらに、円周方向溝20内にも、ポケット15や外内輪11、12と玉13との転がり接触部から押し出されたグリースG4が蓄積される(以下、グリースG4が蓄積される円周方向溝20内側の空間を「グリースポケットGP」と言う。)。
通常の工作機械の主軸を支持するアンギュラ玉軸受10の1列当たりの玉数は、20〜30個程度であるので、保持器14の柱部23も同数形成されている。従って、柱部23の内径側に形成されるグリースポケットGPの合計容積は大きく、相当量のグリースG4が蓄積される。
シール部材16の内面や外内輪11、12の内側表面に付着した余剰グリースG1,G2,G3は、すべてがすべり接触部や転がり接触部等、潤滑を要する部分に供給されるわけではなく、玉13の近く等回転中心近傍に近いグリースのみが潤滑に寄与できる。
特に、外輪11等の非回転部分に付着したグリースG2には、遠心力が作用することがないので、外輪軌道面11a近くに付着したグリースG2の基油だけが、僅かに潤滑に寄与する。また、内輪12の外周面に付着したグリースG3は、その殆どが遠心力によって飛散してしまい、潤滑には大きく寄与しない場合が多い。
これに対して、グリースポケットGPに蓄積された相当量のグリースG4は、柱部23の内径側にあるので回転中の振動や遠心力等によって振り飛ばされ難く、更にグリースポケットGPの軸方向両側に突設された係止部21によって軸方向へのグリースG4の流出が防止されることから、グリースポケットGPに長期間に亘って留まり易い。
また、グリースポケットGPは、玉13とポケット15とのすべり接触部や、玉13と外内輪11、12の軌道面11a、12aとの転がり接触部等の潤滑を要する部分に最も近接した位置にあり、保持器14の公転に伴う遠心力によってグリースG4の基油が徐々に染み出して潤滑を要する部分に供給される。
内輪12が回転輪として使用される場合、保持器14の公転数は、通常、内輪12の回転数の40%程度である。このため、グリースG4に作用する遠心力は、グリースG4がグリースポケットGPから振り飛ばされるほど大きくはなく、遠心力によってグリースG4から適度の量の基油が染み出し、長期間に亘って潤滑を要する部分に供給される。
また、dmn値が100万を超えるような高速回転の場合には(特に、定圧予圧において)、図4に示すように、玉13に作用する遠心力Fcによって玉13が外輪11側に変位し、外輪11との接触角αは軌道面11aの底寄りに(非回転時の接触角αより小さくなる方向)、また、内輪12の接触角αは軌道面12aの肩部12b寄り(非回転軸の接触角αより大きくなる方向)に移動する。これは、内輪12側においては、内輪12の肩部12bに付着しているグリースG3から基油の供給が容易となる一方、外輪11側においては、外輪11の肩部11bに付着しているグリースG2から離れる傾向となって、基油の供給がされ難くなることを意味する。
しかし、シール付きアンギュラ玉軸受10では、保持器14の軸方向中心部近傍の内周面に設けられ、多量のグリースG4が蓄積されたグリースポケットGPから基油が供給され、且つグリースポケットGPは、玉13とポケット15とのすべり接触部、及び玉13と軌道面10a、11aとの転がり接触部に近接配置されているので、確実に潤滑することができる。
従って、本実施形態のシール付きアンギュラ玉軸受10によれば、多量のグリースG4を蓄積することができる円周方向溝20(グリースポケットGP)が、保持器14の内周面側で、軸方向中心部近傍に形成されているので、保持器14の回転によってグリースG4が飛散することはなく、また適度の大きさの遠心力を利用してグリースG4から基油を徐々に染み出させ、グリースポケットGPのきわめて近傍に位置する玉13とポケット15とのすべり接触部や、玉13と外内輪11、12の軌道面10a、11aとの転がり接触部等の潤滑を要する部分に供給して潤滑することができる。
また、上記したシール付きアンギュラ玉軸受10は、工作機械等の主軸装置30において、主軸31を支持するのに好適に使用される。図5に示すように、工作機械の主軸(回転軸)31は、その前後で互いに背面を向けて2列ずつ配置された(DBB組合せ)シール付きアンギュラ玉軸受10を介してハウジング32に転動自在に支持されている。各シール付きアンギュラ玉軸受10の外輪11は、外輪間座33を介してハウジング32に内嵌し、ハウジング32の両端にボルト締めされた一対の固定リング34で挟持されて固定されている。内輪12は、内輪間座35と共に主軸31に外嵌され、主軸31の雄ねじ部31aに螺合するナット36によって固定されている。
主軸装置30の主軸31は、本発明のシール付きアンギュラ玉軸受10によって支持されるので、高速回転時においてもシール付きアンギュラ玉軸受10の振動や温度上昇が抑制される。従って、軸受に起因する主軸31及び主軸装置30の振動や温度上昇がなく、加工精度が向上する。また、長期に亙ってその性能を維持できる。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、図6に示すように、円周方向溝20は、軸方向から見て柱部23の円周方向中央部が最深部となるように、半径Rからなる円弧状に形成してもよい。これにより、グリースポケットGPの容積がさらに増大して、より多くのグリースG4を蓄積できると共に、グリースG4の保持性が向上し、長期間に亘って潤滑油を安定して供給することができる。また、この場合にも、ピッチ円直径PCDと、ポケット15の内面と円周方向溝20の縁部Qとの差Δ1は正とすることで、縁部Qと玉13との干渉を防止することができ、縁部Qによるエッジ摩耗を防止することができる。
また、半径方向から見た円周方向溝20の断面形状も、任意の形状が可能であり、例えば、図7(a)に示す逆V字形状や、図7(b)に示す台形形状、図7(c)に示す半円形状等、本発明の範囲内で適宜、変更することができる。また、円周方向溝20は、例えば、ポケット15への開口を絞ってグリースG4の保持性を向上する等、その軸方向幅を円周方向に沿って任意に変更することも可能である。
さらに、係止部21の形状は、本実施形態のような半径方向から見て円形に限定されるものではなく、例えば、図8(a)に示すように、互いに中心点が異なる半径Rのゴシックアーチ形状や楕円形状としてもよく、図8(b)に示すように、軸方向中央からずれた位置に適正数を形成するようにしてもよい。これにより、ポケット15の内面と円周方向溝20の縁部Qと、玉13との干渉が防止されると共に、玉13と保持器14との接触面積を最小にすることができる。さらに、玉13の自転軸RC(図4参照。)の極に近い位置に玉13とポケット15との接触点が移動するので、接触点でのすべり速度が小さくなって接触による発熱を低減できる。高速回転の場合、遠心力により玉13が外輪溝に強く押し付けられるので、外輪コントロールで自転軸RCが決まる。なお、図8(a)及び(b)の玉13は、係止部21と接触する位置での断面外形を示している。
また、本発明においては、係止部を保持器の外周面側に配置し、グリースポケット(円周方向溝)だけを保持器の内周面に形成することもできる。また、本発明においては、円周方向溝は軸方向中心部近傍に形成されればよく、例えば、軸方向中心部を跨ぐように対称に複数形成されてもよい。
また、本発明のシール付きアンギュラ玉軸受は、工作機械の主軸装置だけでなく、高速回転する軸部を支持する機械装置に適用することができ、同様の効果を奏する。
本発明の一実施形態であるシール付きアンギュラ玉軸受の要部縦断面図である。 (a)は、図1におけるシール付きアンギュラ玉軸受の保持器の部分平面図で、(b)は、図1におけるII−II線に沿う断面図である。 保持器の部分斜視図である。 回転時における軌道輪と球の接触位置を示す断面図である。 本発明の主軸装置の一実施形態を示す断面図である。 円周方向溝の軸方向形状が異なる保持器の変形例を示す断面図である。 (a)〜(c)は、円周方向溝の半径方向形状が異なる保持器の変形例を示す断面図である。 (a)及び(b)は、係止部の形状が異なる保持器の変形例を示す部分平面図である。 従来のシール付きアンギュラ玉軸受の要部縦断面図及び保持器の平面図である。
符号の説明
10 アンギュラ玉軸受
11 外輪
12 内輪
13 玉
14 玉案内型保持器
15 ポケット
16 シール部材
20 円周方向溝
21 係止部
30 主軸装置
31 主軸(工作機械主軸)
α 接触角
α 接触角

Claims (2)

  1. 内輪と、外輪と、該内輪及び外輪間に所定の接触角を持って配置される複数の玉と、半径方向に貫通して該複数の玉をそれぞれ保持する円筒形状の複数のポケットを有する合成樹脂製の玉案内型保持器と、前記内輪及び外輪の軸方向両側開口部をシールする一対のシール部材と、を備えるシール付きアンギュラ玉軸受であって、
    前記保持器は、前記ポケットの端部から突設し、前記玉と接触して前記保持器の半径方向の移動を規制する係止部を備え、
    前記保持器の軸方向中心部近傍の内周面には、円周方向溝が形成されることを特徴とするシール付きアンギュラ玉軸受。
  2. 請求項1に記載のシール付きアンギュラ玉軸受を用いて、工作機械主軸を回転自在に支持することを特徴とする主軸装置。
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