JPH0585108A - 空気入りタイヤ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行方向と関係なく、湿潤状態および雪中で
も良好な走行および制動特性を有する高速に適した空気
入りタイヤを提供する。 【構成】 トレッドの中心領域から、トレッド端にかけ
て伸び、該トレッド端で開口する周方向に配列された横
溝と、それによって形成された横リブを有する空気入り
タイヤにおいて、該横リブ上に縦溝が横リブを貫通して
十分に伸びて配置され、それによって個々のブロックが
形成されており、該縦溝には、まっすぐなものと折れ曲
がったものがあり、該折れ曲がった横溝はいくつかの部
分からなり、それらの部分は周方向に互いに連続し、か
つ、少なくとも１つの部分は周方向に傾斜していること
を特徴とする空気入りタイヤ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、空気入りタイヤ、さら
に詳しくは、１９０ｋｍ／ｈ以上の車速に適した空気入
りタイヤパターンに関する。

【０００２】

【従来の技術】空気入りタイヤは欧州特許第0 172 974
号から公知であり、タイヤの周方向に対して傾斜して伸
びる連続して湾曲した横溝の付いたパターンを有する周
方向に配置されたストリップを有している。そのため、
横溝はＶ形状で配置され、トレッドの中心から端部にか
けて伸びる横リブと結合される。

【０００３】この配置において、これらの横リブはその
前部に連続端部を有し、その後部には、周方向に伸びる
溝が設けられる。

【０００４】この公知のタイヤはその回転方向によって
異なった走行(traction)挙動を有することは別にして、
湿潤した車道を走行する時に排水される全ての水が横溝
を通して排除されることが必要である。

【０００５】また、タイヤパターンが、実質的にＳ形状
で配置される連続して湾曲した横溝を有し、方向とは無
関係の走行挙動を有することは、すでに公知である。こ
れらのタイヤにおいて、横パターン溝により結合された
横リブの両側で周方向に溝が設けられる

【０００６】この種のパターンに関して、車道に存在す
る水は横溝を通して排除されなければならない。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、走行
方向と関係なく、湿潤状態および雪中でも良好な走行お
よび制動特性を有する高速に適した空気入りタイヤを提
供することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、トレッ
ドの中心領域から、トレッド端にかけて伸び、該トレッ
ド端で開口する周方向に配列された横溝と、それによっ
て形成された横リブを有する空気入りタイヤにおいて、
該横リブ上に縦溝が横リブを貫通して十分に伸びて配置
され、それによって個々のブロックが形成されており、
該縦溝には、まっすぐなものと折れ曲がったものがあ
り、該折れ曲がった横溝はいくつかの部分からなり、そ
れらの部分は周方向に互いに連続し、かつ、少なくとも
１つの部分は周方向に傾斜していることを特徴とする空
気入りタイヤが提供される。

【０００９】車道の水は横溝だけでなく、縦溝を通して
も排除できるため、パターンは、特に湿潤した車道で良
好な走行特性を提供する。縦溝の傾斜配置は、改良工事
中に設けられてアクアプレーニング(aquaplaning)の危
険性を減少させる縦方向の車道溝が設けられた路面上で
も良好な走行挙動および側方誘導挙動(lateral guida-n
ce behaviour)を有するという利点がある。

【００１０】特に、良好な走行特性は、本発明によって
提供された縦および横溝の配置の結果として多くの均一
分散された横端部が存在するということに起因する。排
水の間のタイヤのさらに改良された挙動は、傾斜した縦
溝がトレッドの中心から端部にかけて増大するためにブ
ロックは外側に向かって拡がるという配置により達成さ
れる。この点で、縦溝の幅がトレッドの中心から端部に
かけて増大しても有利である。

【００１１】また、縦溝感度を有しない空気入りタイヤ
を提供するため、本発明は、折れ曲がった部分を縦溝に
設けるものである。また、折れ曲った縦溝は、周方向に
伸びるトレッド中心線に対して平行に配置された中心部
分と、該中心部分を連結する２つの折れ曲がった傾斜端
部を有するべきである。また、該傾斜縦溝は、周方向に
伸びるトレッド中心線に対して傾斜して配置されたトレ
ッド中心部分と、中心部分と連結しかつトレッド中心線
に対して平行に伸びる２つの端部を有することができ
る。これらの配置において、トレッドの全ての縦溝また
はそれらの傾斜部分は互いに平行に伸びるべきである。
これらの縦溝または傾斜部分はトレッド中心線に対し
て、５〜５１゜、好ましくは２０〜４０゜、特に好まし
くは３０゜の角度をなしている。

【００１２】トレッドの側方誘導を改良するため、本発
明の空気入りタイヤには、トレッド中心線から開始する
横溝が設けられ、該横溝は、トレッド中心線の片側にあ
る横溝の交点が、トレッド中心線の反対側で互いに一直
線に隣接して配置された２つの横溝のトレッド中心線を
有する２つの交点間にあるように円周方向に配置され
る。

【００１３】側方誘導を改良するため、横溝がトレッド
中心線から間隔をあけて開始する空気入りタイヤが提供
される。

【００１４】これら２つの本発明の具体例において、連
続する縦方向の中心リブがトレッド中心線の領域に設け
られ、縦方向の中心リブがタイヤの自然誘導に役立つだ
けでなく、走行性を同時に改良することが確かめられ
た。何故ならば、縦方向の中心リブの側端が、トレッド
方向の両方の力を伝達するのに好適であり、それを横切
るからである。

【００１５】空気入りタイヤは以下のような有利な特徴
を有する。すなわち、トレッド中心線の領域にある横溝
は該中心線に対して、５〜５４゜、好ましくは１０〜２
５゜、特に好ましくは１５゜の角度をなし、トレッドの
端部の領域にある横溝は実質的にトレッド中心線に対し
て垂直である。また、横溝の幅ｂはトレッド中心線から
端部にかけて有利に増大することができる。

【００１６】本発明の空気入りタイヤの排水性は特に有
利に改良でき、横溝はその端部領域でトランペット状に
増大する。このように、ノズル状効果が横溝の端部領域
において生じ、それにより、側方への排水を改良でき
る。

【００１７】また、本発明においては、雪またはぬかる
み上での空気入りタイヤの走行挙動を特に改良できる。
従って、トレッド中心線の片側の湾曲した横溝は、トレ
ッド中心線まはたトレッド中心線の端部に対して横方向
に見た場合、右また左にあり、トレッド中心線から端部
にかけて見た場合、トレッド中心線の反対側で各々左ま
たは右の湾曲を有する。また、横リブに対して平行に伸
びる溝と共に、各々が横リブを形成する少なくとも幾つ
かのブロックが設けられる。該溝は対向して配置された
ブロックの端部からブロックの中心にかけて有利に伸び
ることができ、該溝は中心溝により互いに連結される。
該ブロックは実質的にトレッドの方向に伸びるサイプ(s
ipe)を有する。これらのサイプは縦溝またはそれらの傾
斜部分に対して平行に伸びる。

【００１８】本発明のさらに他の具体例において、トレ
ッド中心線の両側には周方向に連続する縦溝が設けられ
る。連続した縦溝は横リブ中の比較的広範に折れ曲がっ
た縦溝により形成でき、縦溝の端部はトレッドを横切る
幅により互いに置換される。また、トレッド中心線に対
して垂直に伸びる連続したまっすぐな縦溝を設けること
ができる。トレッド中心線に関して対称に配置された縦
溝は、好ましくは、周方向で連続した中心リブに連結さ
れる。縦溝は、有利には、中心リブ上および中心リブ内
に伸びて、そこで溝を形成する。

【００１９】つぎに、添付図面を参照して本発明をさら
に具体的に説明する。図１は本発明トレッドパターンを
示す模式図である。図２はさらにブロック中にサイプを
設けた、図１と同様のタイヤパターンを示す模式図であ
る。図３はさらにブロックが中心サイプを部分的に有す
る、図２と同様のトレッドパターンの模式図である。図
４は周方向に伸びる中心溝またはサイプが設けられた、
図１と同様のタイヤパターンを示す模式図である。図５
はさらに連続したまっすぐな縦溝が設けられた本発明の
タイヤパターンを示す模式図である。図６は連続した中
心リブが連続したまっすぐな縦溝により結合された本発
明のタイヤパターンを示す模式図である。つぎに、添付
図面を参照して本発明をさらに具体的に説明する。

【００２０】図中、互いに対応するエレメントは同じ参
照番号である。

【００２１】図１は、トレッド中心線１１からトレッド
端１２にかけて伸びる複数の横溝１０を有する空気入り
タイヤのトレッド用のタイヤパターンを示し、連続して
隣接した横溝１０の間に各々横リブ１３が形成される。
該横リブ１３は、中心線１１に対してある角度をなし、
かつ、各横リブ１３を個々のブロック１５に再分割する
縦溝１４、１４′を有する。

【００２２】トレッド中心線１１の片側の各横溝１０は
空気入りタイヤの周方向に配列されているため、トレッ
ド中心線１１との交点はトレッド中心線１１の反対側の
２つの直接連続した横溝１０の交点間で実質的に中心に
ある。このようにトレッド中心線１１に隣接した一番ま
ん中の横リブ部分１６はトレッド中心線１１の反対側の
対応するリブ部分１６に合併する。したがって、連続す
る縦の中心リブ１７が形成され、それはタイヤの周囲で
実質的にジグザグ状に伸び、かつ、トレッド中心線１１
に対してある角度をなして配置された複数の横端部を有
する。

【００２３】トレッド中心線１１に対して傾斜して伸び
る横溝１０は、トレッド中心線１１の領域内の横溝に対
して付与されるタンジェント(tangent)１８がトレッド
中心線１１に対して角度α(例えば、１５〜２０゜)をな
すように湾曲している。トレッドの端部領域１２におい
て、横溝１０はトレッド中心線１１に対して略垂直であ
る。

【００２４】従って、横溝１０とトレッド中心線１１の
交点および横溝１０と端部１２の交点間の結合線１９は
トレッド中心線１１に対して角度β(例えば、４５〜８
５゜、好ましくは６５゜)で傾斜している。

【００２５】まっすぐな溝１４に加えて、縦溝１４′が
設けられ、該溝１４′は折れ曲がっており、かつ、２つ
の傾斜して配置された部分間でトレッド中心線１１に対
して実質的に平行に配置される中心部分を有する。この
配置において、互いに関連して折れ曲がった縦溝１４′
は、鋸歯状にタイヤの円周に沿って伸びる連続する縦溝
を実質的に形成するように個々の横リブ１３内に配置さ
れる。

【００２６】この配置を有するタイヤの周方向で良好な
排水性を提供するため、折れ曲がった縦溝１４′はまっ
すぐな溝１４より幅が広い。

【００２７】中心線１１の各側の折れ曲がった縦溝１
４′間の領域にあるブロック１５には、横溝１０に対し
て実質的に平行に伸びる短いブラインド溝２０が設けら
れる。

【００２８】両側に、すなわち、タイヤの回転軸に対す
る軸方向に良好な排水を生じさせるため、横溝１０の幅
ｂは中心線１１からトレッド端１２にかけて増大する。

【００２９】この配置において、幅ｂは(図１に示すよ
うに)中心線１１からトレッド端１２にかけて連続的に
増大する、または(図２に示すように)、中心線１１から
トレッド端１２にかけて見られるように、まず僅かに増
大し、ついで、トレッド端１２の領域で実質的に増大す
るように実質的に一定を保つため、横溝１０はトランペ
ット状に拡がる端部１０′を有する。

【００３０】図２に示すタイヤトレッドは、トランペッ
ト状の端部１０′は別にして、トレッドのトレッド端部
１２に隣接して存在するブロック１５′およびトレッド
中心線１１に隣接して配置された横リブ部分１６がサイ
プ２１または２２を有する点で図１と異なる。このサイ
プ２１はブロック１５内で連続しており、一方、横リブ
部分１６内のサイプ２２のみが、横リブ部分１６の各凸
状端部から伸びるが貫通していない。

【００３１】また、図２のタイヤパターンでは、まっす
ぐな縦溝１４だけが設けられ、それらは全て互いに平行
に伸びる。

【００３２】図３に示すトレッドパターンでは、各横リ
ブ１３の中心ブロック１５、すなわち、各横リブ部分１
６とトレッドの端部１２に隣接した各ブロック１５′と
の間にあるブロック１５には、各々ブロック１５の中心
まで横溝１０に対して平行に伸びる溝２０が設けられ
る。各ブロック１５のカット２０間では、中心サイプ２
３が形成されているため、各ブロック１５は実質的にＬ
形状のハーフブロック２５に再分割され、その対応する
リムは中心サイプ２３の領域で互いに接触する。

【００３３】図４に示すタイヤパターンは、周方向に伸
びる中心溝３２が設けられるか(図４の頂部に示すよう
に)、中心に伸びる中心サイプ３３が設けられる(図４の
底部に示すように)という点でのみ図１と異なる。周方
向に伸びる中心溝３２または中心サイプ３３は、トレッ
ド中心線１１に隣接した横リブ部分１６をトレッド中心
に対して境界を付けるため、横リブ部分１６は個々のブ
ロックとして形成される。

【００３４】この種の周方向に伸びる中心溝またはサイ
プは、図２および図３に関して記載したようなタイヤパ
ターンにおいて設けることもできる。

【００３５】図５に示すタイヤパターンは第１に周方向
において湾曲した横溝１０を有し、各横溝１０は中心線
１１の片側に実質的に並び、中心線１１の反対側でも横
溝１０が並ぶ。従って、この配置において、中心線１１
の領域で互いに隣接して配置された２つの横溝１０に対
するタンジェントは参照番号２４で示すように実質的に
一直線で互いに合併する。

【００３６】横溝１３がこのトレッドパターンにおいて
形成され、対応する横リブ部分１６に対して隣接するブ
ロック１６は傾斜した真っすぐな横溝１４によって横リ
ブ部分１６から分離され、一方、折れ曲がった縦溝１
４″は、このブロック１５と隣接する他方の側のブロッ
ク１５の間に設けられ、該折れ曲がった縦溝は、トレッ
ド中心線１１に対して平行に伸びる２つの部分間に傾斜
した中心部分を有する。

【００３７】ブロック１５と、トレッド端１２に隣接し
たブロック１５′の間には、各々、トレッド中心線１１
に対して平行に伸びる比較的拡がった真っすぐな縦溝が
設けられ、これらの縦溝は周方向に連続したまっすぐな
縦溝２６を全ての横リブ１３に対して形成する。

【００３８】トレッド端１２に隣接したブロック１５′
は狭い縦溝２７によって端部１２から分離され、その幅
はカットの幅に略等しい。カット２８はブロック内に配
置される。カット２８は横溝１０に対して平行に伸び、
ブロック１５′が個々の部分ブロックに再分割されるよ
うに折れ曲がった狭い縦溝１４″と交差する。

【００３９】図６のトレッドパターンは、横溝１０によ
って互いに分離された横リブ１３に加えて、周方向に伸
びる縦溝２６によりトレッド中心線１１の両側で境界が
付いた、連続した、実質的にまっすぐな縦方向の中心リ
ブ３１を有する。

【００４０】湾曲した横溝１０は、図５の具体例のよう
に、トレッド中心線１１の反対側の横溝１０に関して周
方向に配置され、縦リブ３１までまたは縦リブ中に伸び
るため、該横溝はそこでカット２９を形成する。

【００４１】横リブ１３は、各々傾斜した中心部分を有
する折れ曲がった縦溝１４″によって個々のブロック１
５に再分割される。

【００４２】狭く連続した縦溝２７が、横リブ１３内の
トレッドの端部間に設けられ、折り曲がった縦溝１４″
が各横リブ１３の領域内で縦溝２７から分岐するため、
端部に面する平行部分は縦溝２７と一致する。このよう
に、各横リブ１３は端部に隣接した台形の部分ブロック
３０を有する。

【００４３】図面を参照して示したパターンエレメント
に加えて、個々のブロックおよび／またはリブは通常の
パターン構成エレメントで構成することができる。

【００４４】各々の場合の溝の代わりに、特殊なサイプ
または他のサイプおよび溝(切り欠き)の組合わせを設け
ることもできる。また、個々のブロックがトレッド中心
線から端部に拡げることもできる。ブロック内の各溝に
おいても同様のことが言える。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明のトレッドパターンを示す模式図であ
る。

【図２】 さらにブロック中にサイプを設けた、図１と
同様のタイヤパターンを示す模式図である。

【図３】 さらにブロックが中心サイプを部分的に有す
る、図２と同様のトレッドパターンの模式図である。

【図４】 周方向に伸びる中心溝またはサイプが設けら
れた、図１と同様のタイヤパターンを示す模式図であ
る。

【図５】 さらに連続したまっすぐな縦溝が設けられた
本発明のタイヤパターンを示す模式図。

【図６】 連続した中心リブが連続したまっすぐな縦溝
により結合された本発明のタイヤパターンを示す模式図
である。

【符号の説明】

１０：横溝、１１：トレッド中心線、１２：トレッド
端、１３：横溝、１４：縦溝、１５：ブロック、２２：
サイプ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピーター・ロバート・マリオツト イギリス、イングランド、シーブイ９・２ エルピー、ウオーリツクシヤー、エヌアー ル・アーサーストーン、ハーリー・コモ ン、コツテスモア（番地の表示なし）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トレッドの中心領域から、トレッド端
   (１２)にかけて伸び、該トレッド端（１２）で開口する
   周方向に配列された横溝（１０）と、それによって形成
   された横リブ（１３）を有する空気入りタイヤにおい
   て、該横リブ（１３）上に縦溝が横リブを貫通して十分
   に伸びて配置され、それによって個々のブロック（１
   ５、１５′）が形成されており、該縦溝には、まっすぐ
   なもの（１４）と折れ曲がったもの（１４′）があり、
   該折れ曲がった横溝（１４′）はいくつかの部分からな
   り、それらの部分は周方向に互いに連続し、かつ、少な
   くとも１つの部分は周方向に傾斜していることを特徴と
   する空気入りタイヤ。