JPH0578319B2 - - Google Patents

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JPH0578319B2
JPH0578319B2 JP59500696A JP50069684A JPH0578319B2 JP H0578319 B2 JPH0578319 B2 JP H0578319B2 JP 59500696 A JP59500696 A JP 59500696A JP 50069684 A JP50069684 A JP 50069684A JP H0578319 B2 JPH0578319 B2 JP H0578319B2
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    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
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    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
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    • C12Q1/6888Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for detection or identification of organisms
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    • C12Q2600/158Expression markers
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T436/00Chemistry: analytical and immunological testing
    • Y10T436/14Heterocyclic carbon compound [i.e., O, S, N, Se, Te, as only ring hetero atom]
    • Y10T436/142222Hetero-O [e.g., ascorbic acid, etc.]
    • Y10T436/143333Saccharide [e.g., DNA, etc.]

Description

【発明の詳細な説明】 (技術的分野) 本発明は、生物学的試料およびその他の試料中
の生物を検出、同定、定量する方法および手段に
関するものである。すなわち本発明は、リボソー
ムRNA(以後rRNA)、転移RNA(以後tRNA)、
或いはその他のRNAを含むあらゆる生物、その
ような生物を含む大小さまざまなカテゴリー又は
分類学的群に属するあらゆる生物、そしてrRNA
又はtRNAを含む未知の生物を特異的且つ鋭敏に
検出し定量する方法に関するものである。この方
法によれば、rRNA又はtRNAを含む1個の生物
の存在ですら検出することができる。 本発明は又、RNAの1種、mRNA若しくは
hnRNA若しくはsnRNAの特定の配列、又は
mRNA、rRNA、tRNA、hnRNA若しくは
snRNAの前駆体分子にのみ存在し、成熟形態の
mRNA、rRNA、tRNA、hnRNA若しくは
snRNA分子には存在しないRNA配列(以後、前
駆体特異的RNA配列又はpsRNAと呼ぶ)に相補
的になるように作成した核酸を用いて、特定の生
物、生物群、真核細胞群又は細胞内ウイルスを検
出し、同定し、定量する方法を含む。 本発明並びにその新規性、有用性および進歩性
は、当該分野の背景技術に関する以下の説明によ
り、明確に理解されよう。 (背景技術) ウイルスを除くあらゆる細胞はリボソームを含
み、従つて、リボソームRNAを含む。1個のリ
ボソームは大、中、小3種の1本鎖RNA分子を
含む。大きい方の2本のrRNA分子は、生物の種
類によつて大きさが異なる。 rRNAは、遺伝子から直接生産される分子であ
り、rRNA遺伝子によつてコードされる。この
DNA配列は、rRNA分子を合成するための鋳型
として用いられる。rRNAサブユニツト1個ずつ
に、個別の遺伝子が存在する。大部分の生物にお
いて多数のrRNA遺伝子が存在し、高等生物の多
くは核とミトコンドリアのrRNA遺伝子を含有す
る。植物およびその他のある種の生物は、核、ミ
トコンドリアおよびクロロプラストのrRNA遺伝
子をもつている。議論を簡単にするために、以後
は、これら3種のrRNA遺伝子をすべて、rRNA
遺伝子ということにする。 あらゆる細胞には多数のリボソームが存在す
る。通常の細胞では全RNAの約85〜90パーセン
トがrRNAである。大腸菌(E.coli)のような細
菌は細胞1個当り約104個のリボソームを含み、
哺乳類の肝細胞は約5×106個のリボソームを含
む。各リボソームは各々のrRNAサブユニツト1
個を含むから、細菌細胞および哺乳類の細胞は、
それぞれ104および5×106個の各rRNAサブユニ
ツトを含む。 当業者には周知の方法である核酸ハイブリダイ
ゼーシヨンが、従来から、関連のない配列が極度
に過剰に存在する場合においてさえ、極端に少量
又は大量の特定の核酸配列を特異的に検出するた
めに用いられている。従来の核酸ハイブリダイゼ
ーシヨンの利用例は、例えば、細胞およびウイル
スの分子遺伝学、細胞およびウイルスの遺伝子発
現、生命形態の遺伝子解析、生物および核酸配列
の進化および分類、疾病過程の分子メカニズム、
細胞および生物中におけるウイルスおよび細菌の
検出を始めとする特殊な目的のための診断法に関
する文献に認められる。 最もよく特徴づけられ最も多く研究された遺伝
子および遺伝子産物はrRNA遺伝子およびrRNA
であろう。そして従来、生物およびリボソーム遺
伝子配列の遺伝子解析、進化および分類に、
rRNAおよびリボソーム遺伝子のハイブリダイゼ
ーシヨンが利用されている。遺伝子解析には、例
えば、種々の生物におけるrRNA遺伝子の数の決
定、細胞内に存在する多数のrRNA遺伝子間の類
似性の分析、細胞中におけるrRNA合成の速度お
よび程度の決定並びにそれらをコントロールする
要素・因子の決定が含まれる。進化および分類学
的研究においては、近縁関係の生物および種々異
なる生物のrRNA遺伝子塩基配列を比較する。 rRNA遺伝子の塩基配列が、種々様々の生物に
おいて少くとも部分的には類似しており、大腸菌
rRNA遺伝子のDNAが植物、哺乳類、その他
様々な細菌等に由来するrRNAとよくハイブリダ
イズすることは公知である。このように他の種に
ハイブリダイズする大腸菌遺伝子の割合は、その
生物の近縁性の程度によつて変わる。ほとんどす
べてのrRNA遺伝子配列は、非常に近い関係の細
胞に由来するrRNAとハイブリダイズするが、遠
い関係の細菌種に由来するrRNAとはそれほどよ
くハイブリダイズせず、まして哺乳類rRNAとは
あまりハイブリダイズしない。 rRNAと同様、tRNAはすべての細胞、並びに
ある種のウイルスに存在する。tRNA遺伝子は、
原核細胞の染色体およびプラスミドDNAに、そ
して核、ミトコンドリア、葉緑体のDNAを含む
真核細胞のDNAに存在する。単一の細胞におい
て、1種類のtRNAに対して異なるtRNA遺伝子
が複数種存在することがよくある。ミトコンドリ
ア、核および葉緑体のtRNA遺伝子は全く異な
る。多くのウイルスゲノムは、そのウイルスに特
異的なtRNAの遺伝子を含む。 tRNA分子は、遺伝子から直接生産される分子
であり、細胞中で鋳型としてtRNA遺伝子を用い
て合成される。tRNAは、しばしばより大きい
RNA分子の一部分として合成され、その後、そ
のtRNA部分はこの前駆体分子から切り出され
る。合成後、tRNA分子の塩基の一部分は細胞に
よつて化学的に修飾される。典型的tRNA分子
は、75〜85個の塩基を含む。 生存しているすべての細胞には多数のtRNA分
子が存在する。普通は、細胞の全RNAの約10%
がtRNA分子から成り、典型的な細菌細胞はあら
ゆるタイプのtRNA分子を約1.5×105個含む。細
菌細胞中で各々異なる種類のtRNAが等しく発現
されるとすると、各細胞にはそれぞれ異なる
tRNA分子が2500個存在する。典型的な哺乳類肝
細胞は約108のtRNA分子を含み、或いは、それ
ぞれ異なる種類のtRNAのコピーを細胞1個につ
き平均して約106個含む。 蛋白合成中、個々のアミノ酸は種々の特異的
tRNAによつて正しい順序で一列に整列させられ
る。その時、各アミノ酸は異なるtRNA種によつ
て導かれる。いくつかのアミノ酸は2種類以上の
tRNAによつて導かれる。 ある種のウイルスはゲノム中にtRNA遺伝子を
含む。これらの遺伝子は、ウイルスゲノムが細胞
中で活性である時、ウイルスに特異的なtRNAを
生産する。これらのtRNAは、各感染細胞中で多
数コピーされて存在することもある。 tRNA遺伝子およびtRNAと同様に、先行技術
は、生物およびtRNA遺伝子配列の遺伝子解析、
進化および分類学的研究におけるtRNAおよび
tRNA遺伝子のハイブリダイゼーシヨンの利用を
開示している。遺伝子解析としては例えば、種々
の生物におけるtRNA遺伝子数の決定、細胞中に
存在する多数のtRNA遺伝子間の類似性の決定、
細胞中におけるtRNAの合成の速度および程度並
びにそれらをコントロールする要素・因子の決定
がある。進化および分類学的研究では、近縁関係
の生物および非常に異なる生物に由来するtRNA
遺伝子の塩基配列を比較する。 またtRNA遺伝子の塩基配列と同様に、個々の
tRNA遺伝子の塩基配列は異なる生物においても
少くとも部分的に類似していることが知られてい
る。全tRNAはこれと同じタイプの関係を示し、
或る種の生物に由来する全tRNAは、遠い関係の
生物のtRNA遺伝子とかなりの程度ハイブリダイ
ズする。ラツトミトコンドリアのロイシルー
tRNAは、ニワトリおよび酵母のミトコンドリア
DNAと有意にハイブリダイズした
(Biochemistry(1975)14,#10,p.2037)。また
tRNA遺伝子は、Enterobacteriaceae科の生物間
で高度に保存されていることも示されている。大
腸菌から得た全tRNA遺伝子は、異なる遺伝子を
もつ種から単離したtRNAとよくハイブリダイズ
する(J.Bacteriology(1977)129,#3,p.1435
−1439)。このように他の種にハイブリダイズす
る大腸菌tRNA/遺伝子の割合は、生物の近縁性
の程度によつて変わる。大腸菌tRNA遺伝子配列
が近い関係に由来するtRNAとハイブリダイズす
る割合は大きいが、遠い関係の種に由来する
tRNAとはずつと少なくしかハイブリダイズしな
い。 進化の過程におけるtRNA遺伝子配列の保存程
度は、rRNA遺伝子配列の保存程度ほど大きくは
ない。それにもかかわらず、tRNA遺伝子配列は
細胞中に存在する膨大な数のDNA配列よりずつ
と高度に保存されている。 特定の生物群のrRNA又はtRNAに特異的なプ
ローブを用いてその生物群に属する生物を検出す
る際の感度および容易さは、各細胞中に存在する
rRNA分子およびtRNA分子の数が多いことによ
つて著しく高まつている。その上、細胞中に存在
するRNA分子は1本鎖であるため、ハイブリダ
イゼーシヨンテストは著しく容易に行われる。し
たがつて、細胞DNAを検出するハイブリダイゼ
ーシヨンテストでは使用しなければならないよう
な変性段階は、標的分子がRNAである場合には
不必要になる。rRNA又はtRNA以外に、他の種
類の細胞核酸に特異的なプローブを用いても、核
酸ハイブリダイゼーシヨンによつて特定の群の生
物又は細胞を特異的に検出、同定および定量する
ことができる。例えば、原核細胞中の他のRNA
種には、メツセンジヤーRNA(以後mRNA)、お
よび種々の前駆体分子の一部であるRNA配列が
含まれる。例えば、rRNAは、大腸菌中で塩基約
6000個の長さの前駆体分子として合成される。こ
の前駆体分子はその後プロセツシングを受けて
rRNAサブユニツト(塩基約4500個)となり、こ
のサブユニツトはリボソームに組み込まれ、余分
のRNA配列(総計1500塩基)は捨てられる。
tRNA分子および5srRNAも同様に合成され、プ
ロセツシングを受ける。 ウイルスに感染した原核細胞には、ウイルス特
異的mRNAも存在する。或る種の原核細胞ウイ
ルスのmRNAもまた、後に切り取られてすてら
れる余分なRNA配列を含有する前駆体分子とし
て合成される。 原核細胞mRNAおよびウイルスmRNAの多く
は、1つの細胞につき数百倍まで存在する。一
方、rRNA又はtRNA前駆体分子に存在する余分
なRNA配列は、各細胞に数千個存在し得る。 真核細胞も、前駆体mRNA分子、並びに最終
的なrRNAまたはtRNA分子よりも大きい前駆体
rRNAおよびtRNA分子を含有する。原核細胞と
は対照的に、多くの合成されたばかりの真核細胞
mRNA分子は最終的なmRNA分子よりずつと大
きく、切り取られてすてられる余分なRNA配列
を含んでいる。真核細胞中に存在する他のRNA
種はヘテロ数RNA(以後hnRNA)であり、これ
は、mRNA前駆体分子(これは核から出て、蛋
白合成がおこる細胞質へ向かう)と、核から出る
ことのない大量のRNAとを含む様々なRNAの集
団である。これには2本鎖RNAも小量含まれる。
さらに、真核細胞の核は、100〜200塩基の長さの
核内低分子RNA(以後snRNA)と呼ばれる小さ
いRNA分子も含んでいる。 異なるmRNA分子の量、又は細胞あたりのコ
ピー数は著しく変る。これは、細胞あたり1〜2
倍だけ存在する複雑なmRNA分子種から、細胞
毎に数百倍存在する中位に豊富なRNA分子種、
そして、細胞あたり104倍又はそれ以上存在し得
るきわめて豊富なRNA分子種まで変化する。ま
た、hnRNA中に存在するRNA配列の多くも、
各細胞に非常に豊富に存在する。rRNA、tRNA
および多くのmRNAの前駆体RNA分子中に存在
するRNA配列も、各細胞中で非常に豊富である。
個々のsnRNA配列は極めて豊富で、細胞あたり
104から106倍存在し得る。 真核細胞もウイルスに感染し、ウイルス特異的
mRNA、および多くの場合成熟mRNA分子には
ないRNA配列を含むウイルス特異的前駆体
mRNA分子を産生する。個々のウイルス特異的
mRNAおよび前駆体RNA分子の存在量は、複雑
なもの(1細胞につき1〜2コピー)から、極め
て豊富なもの(1細胞につき約104コピー)まで
変化する。 従つて本発明はまた、細胞中に存在する生物並
びにウイルスを特異的かつ鋭敏に検出し、同定
し、定量する方法にも関係している。より詳細に
述べると、本発明の方法は、異なる大きさのカテ
ゴリーの生物、真核細胞、ウイルス、そして場合
によつては、mRNA、hnRNA、snRNA又は
rRNA、tRNA、mRNA若しくはhnRNA分子中
に存在する余分なRNA分子を含むこれまでに知
られていない生物を感度良く検出し、同定し、定
量するのに有用である。 そこで本発明は、生きている生物または細胞内
ウイルスの存否、生物、細胞、細胞内ウイルス又
は原核生物若しくは真核生物の細胞群の遺伝子発
現状態を決定することが重要な問題となるあらゆ
る分野に広く応用しうる。その種の領域は、医学
的、獣医学および農業上の診断並びに工業的およ
び製薬時の品質管理を含む。 本発明は、rRNAおよびtRNAに相補的である
のみならず、RNAの一種であるmRNA若しくは
hnRNA若しくはsnRNAの特定の配列、または、
mRNA、tRNA、hnRNA又はsnRNAの前駆体
分子にのみ存在していて成熟形態のmRNA、
rRNA、tRNA、hnRNA若しくはsnRNA分子に
は存在しないRNA配列(以後、前駆体特異的
RNA配列又はpsRNAと記す)の特定の配列にも
の相補的である特別に作製された核酸を用いて、
核酸ハイブリダイゼーシヨン法によつて、特定の
生物、生物群、真核細胞群又は細胞内ウイルスを
検出し、同定し、定量する方法に関するものであ
る。 本発明、およびその新規性、有用性および非自
明性は、以下に述べる当該分野に関する背景技術
を参照すれば明確に理解できるであろう。 (1) mRNAおよびpsRNAはすべての生物および
細胞に存在し、hnRNAおよびsnRNAは真核
細胞にのみ存在する。DNAを含有する細胞小
器官(ミトコンドリア、葉緑体を含む)は、
mRNA、psRNA、rRNAおよびtRNAも含有
している。 (2) 典型的な細菌細胞は1000個以上の遺伝子を含
み、その大部分が特異的な蛋白質をコードして
いる。哺乳類の細胞は10000個以上の遺伝子を
含み、その各々がRNAを生産する。その遺伝
子も細胞内で多数のRNAコピーを生産する能
力を有する。生産された各々の特異的RNA分
子は、遺伝子の直接的な産物である。 (3) 多数の異なるmRNA配列が、各生物又は細
胞中に存在し得る。多細胞生物の個々の細胞
は、個々の細胞毎に又は異なる細胞群毎に異な
るmRNA配列をもつかも知れない。 真核生物の各細胞又は細胞群には、多くの異
なるhnRNA、psRNAおよびsnRNA配列が存
在し得る。 あるウイルスが感染した細胞の中には、種々
の異なるタイプのウイルス特異的mRNAおよ
びpsRNAが存在することがある。 (4) 原核細胞中におけるあるmRNAのコピー数
(以後は単に存在量と記す)はゼロから数百ま
で変化する。原核生物又は原核細胞中のある
psRNA配列の存在量は、10〜20倍になり得る。 真核細胞中のあるmRNA分子の存在量は、
細胞あたり1〜2個から104個以上まの範囲で
ある。 真核細胞中のあるhnRNA配列の存在量は、
細胞あたり1〜2個から104個以上までの範囲
である。 真核細胞中のあるsnRNA分子の存在量は、
細胞あたり104から106個まで変化する。 真核細胞中のあるpsRNA配列の存在量は、
細胞あたり1〜2個から104個以上まで変化す
る。 (5) 多くの真核細胞では、種々のタイプのRNA
がDNAの反復配列部分からつくられる。この
結果、配列が互いに似てはいるが同一ではない
多くのRNA分子の集団が生ずる。しかし、こ
れらRNA分子の一つに相補的なプローブは、
類似した他のRNA分子すべてとハイブリダイ
ズすると思われる。 (6) ウイルスおよび生物の種々のmRNA、
psRNA、hnRNAおよびsnRNAをコードする
遺伝子配列は、進化の過程で種々の程度に保存
されてきた。これら配列の大部分は、tRNA配
列に比べれば保存度がずつと少ない。しかし、
その配列の若干は高度に保存されている。例え
ば、ヒストンmRNAをコードする遺伝子は進
化の間非常に高度に保存され、ヒストン遺伝子
配列は非常に異なる生物においても良く類似し
ている。 これらのRNAの多くのDNA配列における保
存性の欠如は、非常に近い関係の生物又はウイ
ルス同士を容易に見分けることのできるプロー
ブの作成を可能にする。 種々のmRNA、hnRNA、snRNAおよび
psRNAについて、非常に多数の研究が行われ
ている(B.Lewin,Gene Expression1巻およ
び2巻参照)。これらの研究は、原核生物およ
び真核生物並びにウイルスにおける遺伝子の解
析、調節および進化に関するものであり、これ
らRNAのハイブリダイゼーシヨンを行つてい
る。 先行技術におけるハイブリダイゼーシヨン法 従来、二つの基本的な核酸ハイブリダイゼーシ
ヨン法が開示されている。その一つ、溶液内ハイ
ブリダイゼーシヨン法では、プローブも試料の核
酸分子も両方共溶液中に遊離している。もう一つ
の方法では試料は個体支持体に固定され、プロー
ブは溶液中に遊離している。これらの方法は、両
方共広く用いられ、文献にも十分に記載されてい
る。溶液内ハイブリダイゼーシヨン法の一例を、
後述の実施例に示す。Thomas等の論文(Proc.
Natl.Acad.Sci.USA(1980),77,p.520)には、
固定法の一例がある。 核酸ハイブリダイゼーシヨンテストの基本成分
は、次の如くである。 (1) プローブ 検出するべき核酸配列(即ち標的配列)に相補
的な標識1本鎖核酸配列。ここで用いるように、
標的配列はrRNA、tRNA又はその他のRNAの
全配列又は部分配列である。 プローブの長さは特定のテストに依り5個〜数
万塩基の間で変動し得る。プローブ分子の一部だ
けが、検出すべき核酸配列(以後は標的配列と記
す)に相補的であればよい。その上、プローブと
標的配列との間の相補性は完全である必要はな
い。ハイブリダイゼーシヨンは不完全な相補的分
子間でもおこり、その場合、ハイブリダイズした
領域内にある塩基の一部分は、正確に相補的な塩
基とは対にならない。プローブは、RNAか又は
DNAから成ることができる。核酸プローブの形
態は、単一の極性をもつ標識1本鎖分子であつて
も、両方の極性をもつ標識1本鎖分子であつても
よい。プローブの形態は、その長さと同様、行う
べきハイブリダイゼーシヨンテストのタイプによ
つて定まる。 (2) 試料 試料は、標的分子(即ち、対象とする生物)を
含むかも知れないし、含まないかも知れない。試
料の形態は種々様々であり、水又は血清のような
液体でもよいし、埃塵、土壌又は組織試料のよう
に個体でもよい。試料核酸は、プローブと標的分
子のハイブリダイゼーシヨンがほんの少しでもお
こる前に、プローブと接触できるようにしておか
なければならない。従つて、生物のRNAはハイ
ブリダイゼーシヨンがおこる前に細胞から遊離さ
れ、正しい条件下に置かなければならない。先行
技術の溶液内ハイブリダイゼーシヨン法では、試
料rRNAとプローブとのハイブリダイゼーシヨン
が可能となるためには、RNAの精製が必要であ
る。この意味するところは、試料中の標的配列を
検出するべく溶液内法を用いるためには、試料の
核酸をまず精製して、蛋白質、脂質その他の細胞
成分を除去した後ハイブリダイゼーシヨン条件下
でプローブと接触させなければならないというこ
とである。試料核酸の精製には最低数時間はかか
り、試料の種類および量によつては、1日かかる
こともある。 (3) ハイブリダイゼーシヨン法 プローブと試料とは、核酸ハイブリダイゼーシ
ヨンが可能になる条件下で混合しなければならな
い。即ち、正しい濃度および温度条件下で、無機
又は有機の塩の存在下プローブと試料とを接触さ
せる。プローブおよび試料核酸は、プローブと試
料核酸間の可能なハイブリダイゼーシヨンがおこ
るのに十分長い時間、接触させなければならな
い。 混液中のプローブ又は標的の濃度はハイブリダ
イゼーシヨンがおこるのに必要な時間を決定す
る。プローブ又は標的濃度が高ければ高い程、ハ
イブリダイゼーシヨンに必要なインキユベーシヨ
ン時間はみじかくなる。 プローブおよび試料核酸から成る核酸ハイブリ
ダイゼーシヨンインキユベーシヨン混液は、特定
の温度でハイブリダイゼーシヨンがおきるのに十
分長い時間インキユベーシヨンしなければならな
い。ハイブリダイゼーシヨンが完了するのに必要
な時間の長さは、プローブ核酸の濃度、プローブ
に相補的な試料核酸の濃度、そして用いたハイブ
リダイゼーシヨン条件によつて特徴づけられるハ
イブリダイゼーシヨンの基本的速度によつて決ま
る。ハイブリダイゼーシヨンの基本的速度は、イ
ンキユベーシヨン混液中の塩の種類、その濃度そ
してインキユベーシヨン温度によつて決まる。塩
化ナトリウム、燐酸ナトリウム、クエン酸ナトリ
ウムがハイブリダイゼーシヨン用に最もよく使わ
れる塩であり、用いる塩濃度は1Mを越えること
はほとんどないが、時には1.5〜2Mにもなること
がある。上記の塩類は、同じ濃度および温度で用
いた場合、同等の核酸ハイブリダイゼーシヨン速
度を与える。カリウム、リチウム、ルビジウムお
よびセシウム塩も同様である。Britten等(1974)
Methods in Enzymology,巻、part
E.,Grossman&Moldave編、Academic Press,
ニユーヨーク、364ページおよびWetmurおよび
Davidson(1968)、J.Molecular Biology31巻,
349ページには、一般に使用される塩で達せられ
るハイブリダイゼーシヨン標準的速度のデータが
示されている。DNAとRNAとのハイブリダイゼ
ーシヨン速度はDNAとDNAとのハイブリダイゼ
ーシヨン速度とは若干異なる。その変化の大きさ
は、10倍以上になることはほとんどないが、例え
ば過剰のDNA又はRNAが用いられるかどうか等
によつて変わる。Galau et al.(1977)Proc.
Natl.Acad.Sci.USA,74巻、6号、2306ページ
を参照されたい。 或る条件は、DNA:DNAハイブリダイゼーシ
ヨンの加速をおこす。フエノールと塩との乳濁液
は、その混合物を振盪した時、DNAハイブリダ
イゼーシヨンを非常に速くする。その速度は、こ
の系の標準DNAハイブリダイゼーシヨン速度の
数千倍も速くなる。Kohne等、Biochemistry
(1977)16巻、532aページ参照。中性および陰イ
オン性デキストランポリマーを、溶液中で1本鎖
DNAと混合した時にも、標準速度を50〜100倍上
まわるDNAハイブリダイゼーシヨン速度促進が
認められた。Wetmet,Biopolymers(1975)14
巻、2517ページ参照。これらのDNA加速条件の
どれも、DNA:RNAハイブリダイゼーシヨンを
加速するということは報告されなかつた。本発明
者は、DNA:RNAハイブリダイゼーシヨンの加
速条件を記した公知文献を知らない。 (4) ハイブリダイゼーシヨンアツセイ 標的分子とハイブリダイズしたプローブ分子の
存在を検出する方法が必要である。そのような方
法は、標的分子とハイブリダイズしたプローブが
標的分子とハイブリダイズしなかつたプローブか
ら分離することができるという事実に基づいてい
る。溶液内ハイブリダイゼーシヨン混合物をアツ
セイする従来の方法は、まず精製して、次にハイ
ブリダイゼーシヨンインキユベーシヨン混合液中
でプローブと接触させた試料核酸に対して行われ
ている。 溶液内ハイブリダイゼーシヨン混合液中のハイ
ブリダイズしたプローブの存在をアツセイする標
準法としてヒドロキシアパタイト(HA)が使用
されている。適当な条件下でHAは、ハイブリダ
イズしたDNAプローブと選択的に結合するが、
ハイブリダイズしていないプローブとは結合しな
い。ハイブルダイズしたプローブをアツセイする
には他の方法も利用できる。その中には、S1又ク
レアーゼ法がある。これは、ある種の特異的酵素
がもつているハイブリダイズしていないプローブ
を分解して小さいサブユニツトにしてしまう能力
に依存しており、その際、ハイブリダイズしてい
るプローブはその酵素によつて分解されず、大き
いままである。分解したプローブは、その後サイ
ズ−分離法により、ハイブリダイズしているプロ
ーブから分離することができる。溶液内でハイブ
リダイズした核酸をアツセイする種々の方法が、
Britten等(1974)(上掲)によつて記されてい
る。 固定した試料核酸のハイブリダイゼーシヨン法
では、ハイブリダイゼーシヨンアツセイが、ハイ
ブリダイゼーシヨン法に組み込まれている。これ
らの方法は、試料核酸を不活性支持体上に固定
し、それからこの固定された核酸を溶液中に遊離
している標識プローブと、ハイブリダイズさせる
というものである。プローブと固定化試料核酸を
ハイブリダイゼーシヨンさせると、プローブが試
料核酸に結合し、従つて、プローブが不活性支持
体に結合する。ハイブリダイズしないプローブは
溶液中に遊離して残り、不活性支持体並びにハイ
ブリダイズしたプローブから洗浄によつて除去す
ることができる。このような方法では、核酸ハイ
ブリダイゼーシヨン用の試料調製のために最低数
時間、そして洗浄に1〜2時間かかり、大量のプ
ローブを必要とする。この方法の利点は、複数の
試料を同じ不活性支持体に固定し、すべての試料
を一度にハイブリダイズさせて処理することがで
きることである。このような固定化試料法の例
は、Analytical Biochemistry(1983)128巻、
415ページ、およびJ.of Infectious Disease
(1982)145巻,6号,863ページに出ている。 ハイブリダイゼーシヨンに利用できる核酸の調製 溶液内核酸ハイブリダイゼーシヨン法には、常
に他の細胞成分を除去して精製した核酸を用い
る。細胞およびウイルス中の核酸は、他の細胞成
分、一般には蛋白質としつかり結合しているのが
普通であり、この形ではハイブリダイゼーシヨン
につかえない。細胞又はウイルスを単純に破壊し
て成分を放出しても、ハイブリダイゼーシヨンに
使える核酸は得られない。核酸は細胞から放出さ
れた後でも他の細胞又はウイルス成分と複合した
ままになつており、実際には、同じく放出され得
るヌクレアーゼによつて分解されることもある。
その上、そのような混合物に添加された標識プロ
ーブは、「粘着性」の細胞又はウイルス成分と結
合し、ハイブリダイゼーシヨンには役に立たなく
なるかも知れないし、プローブもヌクレアーゼの
作用によつて分解するかも知れない。 核酸精製のためには従来種々の方法があり、そ
の中のいくつかはManiatis等(上掲)によつて
記述されている。これらの方法はすべて時間がか
かり(1時間かかるものは、非常に速いと見なさ
れる)、しかも、いろいろな操作を必要とする。 本発明の知る限り、従来、核酸をハイブリダイ
ゼーシヨンに使えるようにするための何らかの予
備的精製段階を必要としないで溶液内核酸ハイブ
リダイゼーシヨンを実施する方法はない。 固定化核酸ハイブリダイゼーシヨン法は試料核
酸を不活性支持体に固定する段階と、この固定さ
れた核酸を溶液中に遊離している標識プローブと
ハイブリダイズさせる段階とを含む。 核酸を不活性支持体上に固定するプロセスは、
固定された核酸をハイブリダイゼーシヨンに使え
るようにするのに十分効果的な精製段階となる。
核酸以外の細胞又はウイルス成分の大部分は不活
性支持体とは結合しない。また、結合したとして
も、核酸が結合した場所とは異なる場所に結合す
る。このような方法は、ハイブリダイゼーシヨン
用の試料核酸をつくるのに最低数時間を必要とす
る。この方法の利点は、複数の試料を不活性支持
体上に固定化し、ハイブリダイゼーシヨンおよび
ハイブリダイゼーシヨンアツセイ段階を通じてこ
れらを全部一緒に処理できることである。ハイブ
リダイゼーシヨンアツセイでは、ハイブリダイゼ
ーシヨン混合物から不活性支持体を取り出す。固
定試料とハイブリダイズしたプロセスは不活性支
持体と共に残り、ハイブリダイズしていないプロ
ーブは溶液中に遊離したまま残る。 このように、生物の存在は非常に多くの先行技
術の方法のいずれかによつて検出し得るが、これ
らの方法には何らかの理由で完全に満足の行くも
のは一つもない。そのような方法には、以下に示
すように、例えば、増殖法、光学的検出法、血清
学的および免疫化学的方法が含まれる。 増殖テスト 多数の異なる増殖テストが存在し、それぞれ特
定の生物又は生物群の増殖に有用である。増殖テ
ストは、1個の生物を検出する潜在感度を有す
る。しかし実際には、多くの生物は増殖させるの
が困難であるかまたは不可能である。これらのテ
ストは時間がかかるのが普通であり、完了するま
でに1日から数ケ月もかかる。その上、大きな生
物群(例えば細菌全体)に属するいずれかの生物
の存在を検出するには、その群のすべての生物の
増殖条件がわかつていると仮定して、膨大な数の
テストが必要である。 光学的検出法 検鏡法と鑑分染色法とを組み合わせると、非常
に強力な、多くの場合非常に迅速な検出法とな
る。この方法の主要な問題は、大量の他生物の存
在下における特定生物の検出である。例えば、多
くの種々のグラム陰性桿菌の存在下で特定のグラ
ム陰性桿菌を同定する場合である。その上、大き
な生物群(細菌全体の群のような)に属するすべ
ての生物の存在を検出するためには、多数のテス
トを行わなければならない。 血清学的および免疫化学的方法並びに生化学的テ
スト これらのテストには、多数の異なる種類があ
る。これらのテストは通常定性的であり、感度が
非常に良いわけではなく、しばしば増殖段階を必
要とする。大きな生物群に属するすべての生物を
検出するには、これらテストを多数行う必要があ
る。 Falkow等による米国特許第4358535号明細書
は、遺伝物質即ち遺伝子又はゲノムの検出法を開
示している。この米国特許の発明では、病原体を
含んでいるのではないかと疑いをもたれる臨床試
料又は単離物を不活性の多孔性支持体(例えばニ
トロセルロースフイルター)上に移し、細胞が局
在化されるように処理する。その後、細胞DNA
が放出されて支持体に結合するように細胞を処理
する。その後の処理で、ゲノムの個々のDNA鎖
の分離がおきる。それから、そのDNA鎖をハイ
ブリダイゼーシヨン条件下で特徴的ポリヌクレオ
チド配列に特異的な標識プローブと接触させる。
病原体由来の1本鎖ポリヌクレオチドとプローブ
とのハイブリダイゼーシヨンは、標識によつて検
出される。 この米国特許発明の遺伝子又はゲノムを検出す
る方法は、前述の他の方法と同様、本発明による
方法のような特異性、感度、迅速性又は簡便性を
もたない。米国特許に開示されたFalkow等の方
法と、以下に開示する本発明の方法との比較をま
とめて次に示す。 (1) ハイブリダイゼーシヨンを行う方法 Falkow等の方法 本発明の方法 固定法のみ 溶液内法、さらに 固定法も使用可能 (2) 検出すべき核酸の種類 Falkow等の方法 本発明の方法 遺伝物質(即ち遺伝 遺伝子の1次産物 子はゲノム)。細胞性 (RNA)のみを検出。 生物では、遺伝物質は RNAは、細胞性生物 常にDNAである。 中には遺伝物質として 存在しない。 (3) 検出すべき核酸配列の数(1細胞あたりのコ
ピー数) Falkow等の方法 本発明の方法 ほとんど全ての微生 1細菌細胞あたり、 物の染色体遺伝子は細 rRNAコピー104個 胞あたり1個のみ存在 が存在する。各細菌細 する。染色体外遺伝子 胞あたり、各tRNA は、普通細胞あたり1 のコピー約2×103個 〜3個存在する。rR が存在する。細菌細胞 NA遺伝子は細胞あた あたり、各々の特異的 り3〜6個存在する。 mRNA分子10〜200 個が存在する。その数 は、一般に真核細胞の 方が多い。 (4) ハイブリダイゼーシヨン法の核酸定量能 Falkow等の方法 本発明の方法 何も開示されていない。 核酸(DNAもRNA も)を定量できるす
ぐ れた能力。 (5) 細胞の遺伝子発現の状態を決定および定量す
る能力 Falkow等の方法 本発明の方法 遺伝子発現は遺伝物 遺伝子の1次産物即 質の検出によつては、 ちRNAを検出するプ 決定することができな ローブの使用により、 い。 遺伝子発現が決定およ び定量できる。 (6) 診断で偽陽性と検出される相対確率 Falkow等の方法 本発明の方法 高い(特定の遺伝子 低い(RNAの検出 のみ検出)。 に重点がおかれる時)。 (7) 核酸検出の相対感度 Falkow等の方法 本発明の方法 良い。核酸ハイブリ 高感度。Falkowが
示 ダイゼーシヨンテスト した方法による感度の は、一般に非常に鋭敏 20〜104倍鋭敏。RN である。 Aは、それをつくる遺 伝子より豊富にあるの がほとんど常である。 又溶液内法は、固定法 より感度が良い。 (8) ハイブリダイゼーシヨンテストのための試料
調製 Falkow等の方法 本発明の方法 試料核酸を固定し、 試料をハイブリダイ ハイブリダイゼーシ ゼーシヨン可能にする ヨンに使えるように ために1〜5分間かか するために2〜10 る。細胞中のRNAは 時間かかる。DNA すでに1本鎖である。 を1本鎖の形に変え 試料核酸のすべてがハ る段階を含む。すべ イブリダイゼーシヨン ての試料核酸がハイ 可能である。 ブリダイズするわけ ではない。 (9) 必要なプローブの量 Falkow等の方法 本発明の方法 ハイブリダイゼー 1試料につき、10-5 シヨン混合物中に、 〜10-6マイクログラム 通常0.01〜1マイク のプローブが必要であ ログラムのプローブ る。 を必要とする。 (10) ハイブリダイゼーシヨンがおこるのに必要な
時間 Falkow等の方法 本発明の方法 2〜20時間。 0.2〜0.6時間。 特定起源に由来するrRNA配列に相補的な選択
された標識核酸分子を用いる核酸ハイブリダイゼ
ーシヨンを利用して、特定の生物群に特徴的な
rRNA又はtRNAの存否を検出する本発明の方法
を教示している先行技術を本発明者は知らない。
又、特定の起源に由来するrRNA又はtRNAサブ
配列のすべてに相補的な標識核酸分子を用いる核
酸ハイブリダイゼーシヨンによつて、特定起源に
由来する一般にはrRNA又はtRNAの存否を検出
する本発明の方法を開示する先行技術も本発明者
は知らない。 又、特定起源に由来するmRNA、hnRNA、
snRNA又はpsRNAのサブ配列(1ケ又は複数)、
配列(1ケ又は複数)又は配列若しくはサブ配列
の集団に相補的な選択された標識核酸分子を用い
る核酸ハイブリダイゼーシヨンを利用して、
mRNA、psRNA、hnRNA又はsnRNAの特定の
配列又は種々の特定配列の集団の存否を検出して
特定の生物、生物群、真核細胞群又は特定の細胞
内ウイルス又は特定の細胞内ウイルス群を検出、
同定および定量するという本発明の方法を教示す
る先行技術も本発明者は知らない。 更に又、特定の生物群又はウイルス群に特徴的
な核酸の存否を検出する本発明の検出法、何らか
の目的で或る特定の生物群又はウイルス群の核酸
を標識特異的プローブとの溶液内核酸ハイブリダ
イゼーシヨンに使用できるように迅速に処理する
本発明の方法、特定の生物群の核酸を特異的相補
的プローブとのハイブリダイゼーシヨンに使用可
能にするための迅速な方法と、或る生物又はウイ
ルスの核酸とその生物又はウイルスの核酸に相補
的な標識プローブとの溶液内ハイブリダイゼーシ
ヨンの速度を著しく加速することによつてその生
物の核酸を検出する方法とを組み合わせた溶液内
核酸ハイブリダイゼーシヨン法を利用する本発明
の方法、特定の生物群又はウイルス群の抗菌剤に
対する感受性又は抗ウイルス剤に対する感受性を
測定する本発明の方法、血液、尿その他の体液若
しくはその他の試料中における抗菌性或いは抗ウ
イルス性物質の存在を検定する本発明の方法、細
胞の増殖状態を調べる方法、微生物又はウイルス
感染を検知する方法、又はハイブリダイゼーシヨ
ン混合物中に、所定の条件下で前記混合物とヒド
ロキシアパタイトとを接触させて生成した溶液を
特殊な方法で処理することにより、ハイブリダイ
ズしたプローブが存在するかどうかを迅速に検定
する本発明の方法を教示する先行技術を本発明者
は知らない。 発明の開示 本発明は、生物学的試料、およびその他の試料
中の生物を検出し、同定し、定量する方法および
手段を提供する。より詳細に言えば、リボソーム
RNA(以後rRNA)、トランスフアーRNA(以後
tRNA)又はその他のRNAを含むあらゆる生物、
そのような生物の大、小さまざまなカテゴリー又
は分類学的群に属するあらゆる生物、そして、
rRNA又はtRNAを含むこれまで未知の生物を特
異的かる鋭敏に検出し、定量する方法に関するも
のである。この方法は、rRNA又はtRNAを含む
1個の生物でも、その存在を検出することができ
る。 本発明は、RNAの一種であるmRNA、
hnRNA、若しくはsnRNAの特異的配列、又は
mRNA、rRNA、tRNA、hnRNA若しくは
snRNAの前駆体分子にのみ存在していて成熟し
たmRNA、tRNA、hnRNA若しくはsnRNAの
分子には存在しないRNA配列(以後は前駆体特
異的RNA配列又はpsRNAと呼ぶ)に相補的であ
る特別に作製された核酸を用いて、特定の生物、
生物群、真核細胞群又は細胞内ウイルスを検出、
同定そして定量する方法をも提供する。 また本発明は、(a)或る特定の生物の遺伝子発現
のパターンに関係なく働く1回のアツセイ操作で
多数の異なる生物のいずれかの一つの存在を特異
的に検出でき、(b)対象とする群に属しない生物が
存在していても特定種類の生物のみを検出できる
ように試験法を修正することができ、(c)極めて高
い検出感度を有していて一個体の生物又は一個の
細胞の存在を検出でき、(d)存在する生物又は細胞
の数を定量することができ、かつ、(e)増殖段階を
必要としない方法および手段をも提供する。 本発明は、特定の生物群又はウイルス群の抗菌
剤又は抗ウイルス剤に対する感受性を検知するた
めの手段、血液、尿、その他の体液、又は組織若
しくはその他の試料中の抗菌物質又は抗ウイルス
性物質の存在をアツセイするための手段、細胞の
増殖状態を調べるための手段、微生物またはウイ
ルス感染を検出するための手段、ハイブリダイゼ
ーシヨン混合物中におけるハイブリダイズしたプ
ローブの存在を迅速にアツセイするための手段を
提供する。 既に述べたように、rRNA塩基配列は非常に広
範囲の生物において部分的に類似している。二種
の生物の関係が近ければ近い程、全rRNAにおい
て二つの種で類似する部分(割合)は大きくな
る。いかなる生物種のrRNA配列も、短いrRNA
サブ配列のひとつながりと見なされ、その中の一
つのサブ配列はほとんどすべての生体で類似して
いる。従つて、ほとんどすべての生体のrRNAは
このサブ配列を含むに違いない。別のサブ配列
は、その生物が属する種のメンバーのrRNAにお
いてのみ類似している。その他のサブ配列は、そ
の種が属する目(もく)の生物に存在する。 非常に異なる生物のrRNA配列は少くとも一部
が類似しているから、非常に異なる生物で類似し
ているrRNA配列を検出するプローブを用いる本
発明の方法は、試料中のこれら生物の1つ又はそ
れ以上の存否を検知することができる。遠い関係
の生物において類似するrRNA配列に相補的な標
識核酸配列(1つ又は複数)を、核酸ハイブリダ
イゼーシヨンアツセイにおいてそのようなプロー
ブとして用いることができる。 近い関係の生物のrRNA配列は、遠い関係の生
物のそれよりもよく似ているから、特定の狭い生
物群において類似するrRNA配列のみを検出する
プローブを用いる本発明の方法は、試料中のこれ
ら特定の生物の1つ又はそれ以上の存否を多くの
(近縁関係のない)生物の存在下においてさえ検
知することができる。 これらの群特異的プローブは、種々の異なる大
きさのカテゴリーに対して特異的なものとするこ
とができる。或るプローブは分類学上の特定の属
に特異的であり得、又別の或るプローブは特定の
科又は他の属に特異的である。 群特異的プローブは或る生物群のrRNAとハイ
ブリダイズする能力をもつが、他のいかなる生物
群のrRNAともハイブリダイズしない。そのよう
な群特異的相補配列は、その特定の群に属さない
多くの生物に由来する大量のrRNAが存在してい
ても、その特定の群のいずれかの生物に由来する
rRNAの存在を検出する。 試料中のrRNA分子の総数は、rRNAに相補的
な標識配列(1つ又は複数)と、過剰プローブ又
は過剰試料RNAを利用する標準的な核酸ハイブ
リダイゼーシヨン法とを用いて測定される。 種々様々な生物の細胞のrRNA含有量は当業者
には公知である。類似生物の非常に大きい群、例
えば細菌群では、細胞あたりのrRNA量はざつと
2〜5倍に変化する。従つて、もし試料中の
rRNA分子の数がわかり、そのrRNAの起源とな
つた生物が属する広い意味での群が特定されれ
ば、試料中に存在する細胞数の正しい推定値が計
算できる。もし、その群が特定されていないなら
ば、その試料を、各々が特定の広い生物カテゴリ
ーに特異的であるように選択した一連のrRNAに
相補的なプローブにハイブリダイズすることによ
つてその群(クラス)を決定することができる。 現在、1回のアツセイ操作による検出および定
量範囲は、104個のrRNA分子(1個の細菌又は
10-2個の哺乳類細胞)から約1012個のrRNA分子
(108個の細菌又は106個の哺乳類細胞)までであ
り、細胞数では約108個に及ぶ。一回のテストを、
103個から1010個の細菌までを定量するような方
法で行うこともできる。このテストは、このよう
に極めてフレキシブルである。 rRNAに対するテストは特異的であり、非常に
少い生物の存在を検出することができるから、増
殖段階によつて生物数を増幅する必要はない。 rRNAを含む生物がそのような生物を含むかも
知れない試料中に存在するかどうかを決める本発
明は、基本的に、次のように実施する。 (a) 試料又はその試料から単離した核酸を、すべ
ての生物のrRNAに相補的な標識核酸分子から
成るプローブと一緒にする。 (b) 生成した混合物を、所定のハイブリダイゼー
シヨン条件下で所定時間インキユベートする。 (c) その後、生成した混合物について、プローブ
のハイブリダイゼーシヨンをアツセイする。 本発明により、rRNAを含む特定のカテゴリー
に属する生物がそのような生物を含むかも知れな
い試料中に存在するかどうかを決定する場合に
は、次のように実施する。 (a) 試料又はその中の核酸を、特定のカテゴリー
の生物のrRNAにのみ相補的であつて関連のな
い生物由来のrRNAには相補的でない標識核酸
分子からなるプローブと接触させる。 (b) そのプローブと試料又はその単離核酸とをイ
ンキユベートする。 (c) インキユベートした混合物について、上記プ
ローブのハイブリダイゼーシヨンをアツセイす
る。 本発明は又、被検試料中の生物の数を決定する
ためにも用いられる。そのためには、上記2番目
の方法において、プローブハイブリダイゼーシヨ
ンがおこつた場合、試料中のrRNA量を特定の群
に属する個々の生物に通常存在するrRNA分子の
数とを比較する。 勿論、使用し得る本発明の範囲内の変更とし
て、上述の2番目の方法における段階(a)の単一プ
ローブの代わりに、複数の異なるプローブを1組
含む方法も含まれる。そのような場合には、各別
個のプローブは特定の生物群のrRNAのみに相補
的な標識核酸分子から成り、各プローブは異なる
生物群に対して特異的である。段階(a)の後、各プ
ローブ試料混合物を所定のハイブリダイゼーシヨ
ン条件下で所定の時間インキユベートし、その
後、各混合物についてプローブのハイブリダイゼ
ーシヨンのアツセイを行う。 既述のように、tRNA塩基配列は、非常に異な
る生物において部分的に類似している。2種の生
物がより近い関係にあるならばある程、tRNA配
列における関連づけられる割合はより大きくな
る。各々のtRNA遺伝子配列は、一連の短い
tRNAサブ配列がつながつたものと考えられる。
或るサブ配列は関連のある生物を含む大きい群に
おいて類似している。又別のサブ配列は、関連の
ある生物が属する中位の大きさの群において類似
しており、第三のサブ配列は、関連のある生物の
小さい群において類似している。 非常に異なる生物のtRNA配列も少なくとも一
部は類似しているから、非常に異なる生物におい
て類似するtRNA配列を検出するプローブを用い
る場合の本発明の方法は、試料中にこれら生物が
1種類か又はそれ以上存在するかどうかを検出す
ることができる。したがつて、遠く離れた生物に
おいて類似のtRNA配列に相補的な標識核酸配列
(1個又は複数)を、核酸ハイブリダイゼーシヨ
ンアツセイにおいてそのようなプローブとして用
いることができる。 そして、関係の近い生物のtRNA配列は、関係
の遠い生物のそれよりもよく似ているから、特定
の狭い生物群において類似するtRNA配列のみを
検出するプローブを使用する場合の本発明の方法
では、試料中のこれら特定生物の1つ又はそれ以
上の存否を、関連性のない多くの生物の存在下に
おいてさえ検出することができる。そのような群
特異的プローブは、種々の大きさのカテゴリーに
特異的である。例えば、あるプローブは分類学上
の特定の属に対して特異的であるかもしれない
が、別の或るものは特定の科又は別の属に対して
特異的である。 群特異的プローブは、或る生物群のtRNAとは
ハイブリダイズできるが別の生物群のtRNAとは
ハイブリダイズできないという性質を有する。そ
のような群特異的相補配列は、その特異的生物群
のいずれかのメンバーのtRNAの存在を(その特
異的群に属さない多くの生物に由来するtRNAが
大量存在する場合でさえ)検出する。 tRNAを含む特定のカテゴリーの生物がそのよ
うな生物を含むかも知れない試料中に存在するか
どうかを決定することを目的とする本発明を実施
するには、 (a) 試料又はその中の核酸を、特定のカテゴリー
の生物のtRNAにのみ相補的であつて関連のな
い生物に由来するtRNAには相補的でない標識
核酸分子から成るプローブと接触させる、 (b) プローブと試料又はその単離された核酸とを
インキユベートし、 (c) インキユベートした混合物について、上記プ
ローブのハイブリダイゼーシヨンのアツセイを
行う。 本発明は又、被検試料中に存在する生物の数を
調べるために用いることもできる。それには、上
記の2番目の方法において、プローブハイブリダ
イゼーシヨンがおこつた場合、アツセイの後、試
料中のtRNAの量を、上記特定の群に属する個々
の生物に通常存在するtRNA分子の数と比較す
る。 勿論、本発明の範囲内で使用し得る変更とし
て、上記の2番目の方法における段階(a)の単一プ
ローブの代わりに、複数の異なるプローブを1組
用いてもよい。そのような場合、各別個のプロー
ブは、特定の生物群のtRNAのみに相補的である
標識核酸分子から成り、各プローブは異なる生物
群に対して特異的である。段階(a)の後、各プロー
ブ試料混合物を所定のハイブリダイゼーシヨン条
件下で所定の時間インキユベートし、その後各混
合物についてプローブのハイブリダイゼーシヨン
アツセイを行う。 本発明の方法および手段は、本発明に従うテス
ト方法を特徴づける次の記述によつてより明確に
理解しうる。 RNAの検出および定量のための核酸ハイブリダ
イゼーシヨンテスト手順 好ましい検出法は、(a)迅速で、(b)容易に使用で
き、(c)高度に鋭敏で、(d)1回の実験室アツセイで
検出および定量できるものでなければならない。 Legionella属のメンバー由来のrRNAにはハイ
ブリダイズするが他の生物に由来するrRNAには
ハイブリダイズしない核酸プローブがあれば、核
酸を試料から精製する必要なく、例えば
Legionella菌をたつた1回の実験室アツセイで検
出並びに定量する迅速で使用し易く鋭敏な溶液内
検出テストが可能になる。 この溶液内ハイブリダイゼーシヨンテスト法の
基礎的な面を、次に記述する。ここに記述する方
法はLegionella属のメンバーを検出するようにな
つているが、その他の多くの生物群又はウイルス
を検出する適当なプローブを用いてこの同じテス
ト方法を使用できることは当然である。 段階1 試料の調製 試料を、界面活性剤(洗浄剤)と蛋白分解酵素
を含む溶液を混ぜる。界面活性剤は細菌を溶解し
て細胞成分を可溶化するのに役立ち、酵素は(そ
の中には、RNA及びDNAを分解する酵素も含ま
れる)細胞蛋白質を破壊する。界面活性剤−酵素
混合物の組成は、使用する界面活性剤および蛋白
分解酵素の種類並びに検査する試料の量および種
類によつて定まる。使用される界面活性剤として
は、ラウリル硫酸ナトリウム、サルコシル、ツヴ
イツタージエント(Zwittergent)があり、使用
される酵素としてはプロテイナーゼKおよびプロ
ナーゼがある。非常に種々様々の酵素、カオトロ
ピツク・エージエント(chaotropic agents)の
ような溶解補助剤を用いることができる。プロー
ブは、試料に加える界面活性剤−酵素混合物中に
入つていてもよい。 酵素−界面活性剤は、試料中のLegionella菌に
非常に速かに作用する。大抵の場合は、rRNAを
プローブとの溶液内ハイブリダイゼーシヨンが可
能になるようにするために混合物をインキユベー
トする必要はない。特定の場合には、短時間のイ
ンキユベーシヨンが必要である。 場合によつては、蛋白分解酵素を含ませる必要
がなく、界面活性剤のみでもrRNAとプローブと
の溶液内ハイブリダイゼーシヨンが可能になる。 このアプローチにより、試料rRNAを、溶液内
アツセイにおいてプローブとハイブリダイズし得
る状態にするための非常に迅速かつ容易な方法が
得られる。その上、このアプローチによれば、試
料rRNAを精製せずに溶液中でハイブリダイゼー
シヨンをおこすことができる。この方法の鍵は、
プローブがLegionellarRNAを検出するというこ
とである。rRNAは細胞中で1本鎖であり、リボ
ソーム蛋白質がrRNAから除去されればすぐにプ
ローブとハイブリダイズする。これに対して、
rRNA DNA(即ちrRNAの遺伝子)又はその他
のDNA配列を直接検出するためには、プローブ
がDNAとハイブリダイズする前に、2本鎖の
rRNA遺伝子を分離させて2本の1本鎖にする操
作を行わなければならない。 本発明者の知る限りでは、一般の生物又は特定
の群の生物の存否を検出して定量する目的で
rRNA、tRNA、一般のRNA又はDNAをプロー
ブとの溶液内ハイブリダイゼーシヨンが可能にな
るようにするために上記のような酵素−界面活性
剤−試料法を用いた先行技術はない。 段階2 ハイブリダイゼーシヨンインキユベーシ
ヨン混合物の調製 試料−酵素−界面活性剤混合物に、プローブと
ハイブリダイゼーシヨンをおこすのに十分な塩と
を加え、生成した混合物を適当な温度でインキユ
ベートする。塩濃度とハイブリダイゼーシヨンイ
ンキユベーシヨン温度の組合せによつて規準
(criterion)が決定される。インキユベーシヨン
条件の規準は、プローブの選択の際に用いた基準
と等しくなければならない。さもないとプローブ
の特異性が変化し得る。 インキユベーシヨン混合物は、ハイブリダイゼ
ーシヨンがおこるのに十分な時間インキユベート
しなければならない。塩の種類および濃度によ
り、達し得るハイブリダイゼーシヨン速度が決ま
る。例えば、或る種の塩は適切な濃度で使用する
と、非常に速いハイブリダイゼーシヨンをおこ
す。そのような塩の一例は燐酸ナトリウムであ
る。Legionella特異的プローブを、3.0M燐酸ナ
トリウム緩衝液(PH=6.8)(以後PBと記す)中
で精製LegionellarRNAと混ぜ76℃でインキユベ
ートすると、0.72M NaCl、76℃という標準条件
(これら二つの条件は規準としては等しい)下で
インキユベートした同量のLegionellaプローブお
よびrRNAの場合より100倍以上速くハイブリダ
イズする。このハイブリダイゼーシヨン速度を上
昇させるためにその他の塩を用いることもでき
る。この中には、大部分のナトリウム塩、アンモ
ニウム塩、ルビジウム塩、カリウム塩、セシウム
塩、リチウム塩が含まれる。 3MのPB中76℃で、Legionella特異的プローブ
と、PB−酵素−界面活性剤−試料−プローブ混
合物中に存在するLegionellarRNAとのハイブリ
ダイゼーシヨン速度も、標準インキユベーシヨン
条件で見られるハイブリダイゼーシヨン速度を
100倍以上上まわる。標準塩濃度条件下でも、プ
ローブと酵素−界面活性剤−試料混合物中の
rRNAとの間でハイブリダイゼーシヨンがおこ
る。 本発明の特徴の一つは、前にも指摘したよう
に、生物のrRNAを検出することにより、非常に
少数の生物を検出することができるということで
ある。これは、各細胞中に多数のrRNA分子が存
在するために可能なのである。Legionella様生物
では、個々の細菌細胞中に、5000〜10000個の
rRNA分子がある。核酸ハイブリダイゼーシヨン
で到達し得る検出感度を決定する主な要因の一つ
は、達成することができるハイブリダイゼーシヨ
ン速度である。rRNAの検出と前述の加速インキ
ユベーシヨン条件の使用とを組み合わせると、非
常に少量の試料およびプローブの使用で非常に短
い時間内に細菌およびその他の生物を検出する極
端に高い感度を得ることができる。この実例を後
に記す。 本発明者の知る限りでは、或る生物又は生物群
が存在するかどうかを、その生物のrRNA、
tRNA、その他のRNA又はDNAを検出すること
によつて決定するための溶液内ハイブリダイゼー
シヨンテストにおいて上記のような加速系を使用
した先行技術はない。又本発明者の知る限り、特
定の生物又はウイルス又は生物群又はウイルス群
が存在するかどうかを、その特定の生物又は生物
群のrRNA、tRNA又はその他のRNA又はDNA
を検出することによつて決定するために、上記の
ような加速系と酵素−界面活性剤−試料−プロー
ブ混合物とを組み合わせて使用した先行技術もな
い。 段階3 インキユベーシヨン混合物におけるプロ
ーブと標的rRNAとのハイブリダイゼーシヨン
アツセイ 試料が標的rRNA分子(従つて標的生物)を含
んでいるというシグナルは、インキユベーシヨン
混合物中にハイブリダイズしたプローブが存在す
ることである。そこで、インキユベーシヨンの終
了後に、インキユベーシヨン混合物中に、ハイブ
リダイズしたプローブがあるかどうかアツセイし
なければならない。そのようなアツセイは、簡単
に行えて迅速であるのが好ましい。このアツセイ
のために、インキユベーシヨン混合物をヒドロキ
シアパタイト(HA)を用いて処理する。適切な
条件下で、HAはrRNAと速かにかつ完全に結合
するが、ハイブリダイズしてないプローブ分子と
は結合しない。プローブ分子が標的rRNA分子と
ハイブリダイズしているならば、プローブは
rRNAに物理的に結合しているのであるから、プ
ローブもHAと結合する。 当該生物のrRNAの検出によつて、生物を検出
することが本発明の特徴である。HAが数秒で
rRNA又は一般のRNAに結合でき、プローブと
は全然結合しないという性質を利用することによ
つて、フレキシビリテイーが大きく、数分間しか
かからず、しかも多数の試料をうまく処理できる
ハイブリダイゼーシヨン法が開発できる。その
上、試料−界面活性剤−酵素−プローブインキユ
ベーシヨン混合物は、適当な緩衝液で希釈し、直
接処理してハイブリダイズしたプローブの存在を
アツセイすることができる。 HAは、プローブのハイブリダイゼーシヨンを
アツセイするために用いる物質として当業者に知
られている。ここに記載したアツセイ法は、先行
技術によるHAの使用(Brennet et al.,
Analytical Biochem(1969)28、477)に比べて
遥かに有利であり、室温で行うことができ、約15
℃から約90℃までの温度範囲で有効に機能する。
必要な段階数は少なく、各遠沈段階で加熱する必
要がない。また、Zwittergent(Calbiochem,サ
ンデイエゴ、カリフオルニア)およびラウリル硫
酸ナトリウムのような界面活性剤の存在下でも不
存在下でも行うことができる。さらに、先行技術
の方法より3〜5倍も速く、1回のアツセイが3
〜5分で行える。必要なHAは約5分の1です
む。アツセイの種類によつて、界面活性剤の濃度
は0〜10%の範囲で、燐酸塩濃度は0.1M〜0.2M
の範囲で変え得る。またこの方法は、多数の試料
の処理にも容易に適用できる。 HA以外の方法も、プローブのハイブリダイゼ
ーシヨンアツセイに使用できる。これらには、S1
酵素法のような酵素アツセイ、サイズ分離法、そ
して種々の試料固定化法が含まれる。ここに言う
プローブは、ハイブリダイゼーシヨンおよびハイ
ブリダイゼーシヨンアツセイを行うこれらの方法
およびその他の方法と共に効果的に用いることが
できる。 rRNAに対する群特異的プローブの調製方法 群特異的プローブをつくるには、種々のアプロ
ーチをとることができる。これらのアプローチ
は、1つを除いてすべて、群特異的プローブ配列
を同定して精製するために種々の核酸ハイブリダ
イゼーシヨン法を使用する。 方法 A rRNAに対する群特異的プローブをつくる最も
有用な方法は、組換えDNA技術を用いることで
ある。この方法に含まれる段階は次の通りであ
る。(標準DNA組換え技術の詳細は、Molecular
Cloning,A Laboratory,T.Maniatis等、
Cold Spring Harbor Publication(1982)に記さ
れている。) (1) 対象とする特定の生物から核酸を単離する。
標準的単離法を用いる。 (2) この単離したDNAを用いて、この生物の
rRNA遺伝子をクローン化し、Maniatis等
(上掲)が示した標準的DNA組換え技術を用い
てリボソーム遺伝子DNAを大量につくる。 (3) 制限酵素を用いてrRNA遺伝子DNAを短い
断片にし、ついで、Maniatis等(上掲)が示
した標準的DNA組換え法を用いてこれら短い
DNA断片のライブラリーをつくる。 (4) ライブラリーをスクリーニングして、対象と
する特定の生物のみならず、その生物と分類学
上の同じ群に属する他の生物(例えば、対象と
する特定の生物が、ある「種」に属するもので
ある場合には、同じ「種」に属し「株」の異な
る他の生物)のrRNAにのみハイブリダイズ
し、その生物の群には属していないいかなる生
物のrRNAにもハイブリダイズしない、短い
rRNA遺伝子配列を含むクローンを同定する。
このクローンを単離する。このクローンは、対
象とする生物が属する特定の種のrRNAにのみ
相補的な種特異的DNA配列を含む。 ライブラリーを更にスクリーンし、次のクロー
ンを同定し、単離する。 (a) 対象とする生物が属する分類学上の属の生
物の由来するrRNAにのみハイブリダイズす
るrRNAに相補的なDNA配列を含むクロー
ン。 (b) 対象とする生物が属する分類学上の目の生
物に由来するrRNAにのみハイブリダイズす
るrRNAに相補的なDNA配列を含むクロー
ン。 (c) 対象とする生物が属する分類学上の科の生
物に由来するrRNAにのみハイブリダイズす
るrRNAに相補的なDNA配列を含むクロー
ン。 (d) 対象とする生物が属する分類学上の網の生
物に由来するrRNAにのみハイブリダイズす
るrRNAに相補的なDNA配列を含むクロー
ン。 (e) できるだけ多くの異なる生体に由来する
rRNAにハイブリダイズするrRNAに相補的
なDNA配列を含むクローン。 上述のクローン選択の図式は、多数の可能な図
式の一つに過ぎない。 Maniatis等(前出)が論じた標準的クローニ
ングおよびスクリーニング法が用いられる。 (5) (a) 各クローンのDNAを大量に生産する。
各クローンのDNAから、rRNAに相補的な
DNA配列だけを単離して精製する。このた
めには、例えばManiatis等の方法のような
多くの既存法の中から一方法を選んで行う。 (b) 場合によつては、クローン中に存在する全
DNAがプローブとして有用である。このよ
うな場合には、クローニングベクターから単
離した全DNAを用いる。 (c) 別のある場合には、rRNAに相補的な
DNA配列を含むクローニングベクターの1
本鎖DNAが、プローブとして用いられる。
そのような場合には、Maniatis等が記載し
たような多くの方法の中の一つを用いて、こ
の鎖を単離して精製しなければならない。 (6) (5a)(5b)(5c)で得られたプローブDNA
には、アツセイ混合物中で同定できるように、
何らかの方法で標識をつけなければならない。
多くの種類のマーカーを用いることができる
が、最もよく使われるマーカーは放射能であ
る。その他のものとして、螢光、酵素、ビオチ
ンがある。DNAにマーカーをつけるためには、
Maniatis等(前出)が示したような標準法が
用いられる。 (7) クローニングベクターにある群特異的rRNA
遺伝子配列は、2本鎖の状態で存在する。これ
らの鎖の1本はrRNAに相補的であつてそれと
ハイブリダイズする。もう1本の鎖は、rRNA
にはハイブリダイズしないが、rRNAに相補的
な標識群特異的配列を作成するのに用いること
ができる。このためには、DNA又はRNAポリ
メラーゼおよび標識された核酸前駆体分子を利
用する。この酵素はその標識前駆体を利用し、
鋳型としてそのDNA鎖を用いてDNA又は
RNAを合成する。新たに合成された標識分子
はrRNAに相補的であり、群特異的プローブと
して用いることができる。鋳型DNAは種々の
確立された手段によつて除去することができ、
1本鎖の標識核酸のみが残る。これは、
Maniatis et al.(前出)およびTaylor等の論文
Biochemica&Biophys.Acta(1976)442,p324
に記載されている。 方法 B いくつかの酵素は、全rRNA配列に相補的な標
識DNAを合成するための鋳型として任意の起源
のrRNAを利用することができる。特定種類の生
物のrRNAのみに相補的な群特異的配列は、ハイ
ブリダイゼーシヨン選択プロセスによつて単離す
ることができる。合成した標識DNAのうち、特
定の種類の生物のメンバー由来のrRNAのみにハ
イブリダイズするものは、標準的ハイブリダイゼ
ーシヨン法によつて単離できる。このプロセスの
一例を後に記す。このようなプローブは、方法A
に記述したようにクローン化するのに十分な量で
作成することができる。このクローンの塩基配列
は標準化によつて決定でき、その配列は、標準法
を使用する化学的合成によつてプローブを調製す
るために用いることができる。 方法 C 種々異なる生物から得たrRNAのヌクレオチド
配列がすでに決定されている。特定の生物群に類
似している群特異的配列は、これら既知の配列を
比較することによつて同定できる。その後、この
群特異的rRNA配列に相補的な配列を、標準法に
よつて化学合成して標識することができる。 tRNAに相補的な特異的プローブの調製 tRNAに対する特異的プローブを作るためには
いろいろなアプローチをとることができ、rRNA
に対するプローブ作成のための上記基本的アプロ
ーチを、tRNAに対するプローブ調製のために用
いることができる。個々のtRNA種および遺伝子
を単離するためには標準法が利用でき、これは当
業者には公知である。プローブの形態はDNAで
もRNAでもよく、プローブの長さは12〜数千塩
基にできる。プローブは、それが特異的である核
酸(即ち標的核酸)に完全に相補的である必要は
ない。また、プローブの全長が標的分子に相補的
である必要はない。 mRNA、hnRNA、snRNA又はpsRNAに相補
的な特異的プローブの調製 rRNAに相補的な特異的プローブを作成するの
に用いた同じ基本的アプローチを用いて特定種類
のmRNA、hnRNA、snRNA又はpsRNAに対し
て特異的なプローブを調製することができる。そ
れぞれの種類のRNAを単離し、それを更に分画
する方法は当業者には公知である。ここでも、プ
ローブの形態はDNAでもRNAでもよく、プロー
ブの長さは、約12〜数千塩基の範囲で変えられ
る。また、プローブの相補的領域は標的核酸に完
全に相補的である必要はなく、プローブの全長が
標的分子に相補的である必要はない。 試料核酸の単離 先行技術の標準法を用いて、アツセイすべき試
料から核酸を単離することができる。核酸の単離
および精製の標準法の一つを後述の実施例で示
す。これは、Maniatis et al.(前出)も論じられ
ている。 精製段階を行うことなく核酸を溶液内ハイブリ
ダイゼーシヨンに使用可能にする新しい技法を次
に述べる。 核酸ハイブリダイゼーシヨンの実施 標識プローブの適当量を試料核酸と混ぜる。こ
の混合物を特定の塩濃度に調節する(普通は
NaClが使われる)。混合物全体を一定温度で一定
時間インキユベートする。この時間の終わりに、
混合物をハイブリダイゼーシヨンアツセイにより
分析する。核酸ハイブリダイゼーシヨンをおこす
塩、溶媒、核酸濃度、容量、温度の多数の異なる
組み合わせが存在する。好ましい組み合わせは、
そのアツセイの実施状況による。しかし重要なこ
とは、ハイブリダイゼーシヨン段階の基準(「定
義」参照)が群プローブを同定し選択する時に用
いた基準と一致することである。もし、ハイブリ
ダイゼーシヨン段階の基準が異なるならば、プロ
ーブの特異性は変るかも知れない。Brittenと
Kohne「Repeated Sequences in DNA」Science
(1968)161,p.529、WetmurとDavidson
「Kinetics of Renaturation of DNA」J.Mol.
Biol.(1968)31,p.349、KohneとBritten
「Hydroxyapatite Techniques for Nucleic
Acid Reassociation」、HarperとRow、「核酸研
究法」(1971)Cantoni&Davies編、2巻,500ペ
ージ参照。 ハイブリダイゼーシヨン混合物中のプローブお
よび試料核酸の量に関して、2つの異なるアプロ
ーチが用いられる。その一つ、過剰プローブ法で
は、試料核酸(この場合RNA)より多量のプロ
ーブが存在する。もう一つの方法、過剰RNA法
では、プローブより多量のrRNAが存在する。過
剰プローブ法は、未知の試料中のRNAの存在を
検出するすぐれた方法であり、以下の述べるよう
ないくつかの利点を有する。この二つのアプロー
チの詳細については後記表1および2を参照され
たい。過剰プローブ法を用いると、もし適切な
RNAプローブが使えるならば、検出および定量
は一回の実験室アツセイで行なうことができる。
ハイブリダイゼーシヨンが完了したなら、ハイブ
リダイズしたプローブの量が試料中に存在する
RNA量の直接の尺度となる。 プローブが少しでもハイブリダイズするという
事実はRNAが存在することを示しており、ハイ
ブリダイズしたプローブの量は試料中にある
RNAの量を示す。 ハイブリダイゼーシヨンが或る既知の時間内に
完了したことを確めることは、RNAの定量のた
めに重要である。これは、ハイブリダイゼーシヨ
ンが所定の時間内に確実に完了するように十分な
量のプローブを加えることによつて、容易に達成
される。プローブを多く加えれば加える程、ハイ
ブリダイゼーシヨンが速く完了する。このよう
に、過剰プローブ法は、ハイブリダイゼーシヨン
を確実に完了させ、これがいつおこつたかを知る
手段を提供する。 これに対して、過剰rRNA法を用いると、一回
の実験室アツセイではRNAの検出および定量が
行えない。過剰RNA法では、いつテストポイン
トをとるべきかを予想することができない。少量
のRNAを含む未知の試料は、多量のRNAを含む
試料よりずつとゆつくりハイブリダイズする。 ハイブリダイゼーシヨンアツセイ 特定の群のRNAが試料中に存在するというシ
グナルは、2本鎖標識プローブの存在である。文
献中でよく論じられている多くの種々の方法がハ
イブリダイゼーシヨン混合物中の2本鎖型の標識
プローブの存在をアツセイするのに用いられる。
方法の選択は、ハイブリダイゼーシヨン段階のた
めに選ばれた方法、ハイブリダイゼーシヨン混合
物の組成、プローブ上のマーカーの種類およびそ
の他の要因に依存する。一般に用いられる方法の
一つを後述する。ここでも又、Wetmurと
Davidson、KohneとBritten、およびThomas等
の文献(前出)も参照されたい。又、Flavell等
の論文「Eur.J.Biochem.」(1974)47,p.535)、
Maxwell等の論文「Nucleic Acids Research」
(1978),5,2033ページも参照されたい。 しかし、すべての場合に重要なことは、ハイブ
リダイゼーシヨン反応のために用いたと同じ基準
か、ハイブリダイゼーシヨンがおこり得ない基準
のどちらかでアツセイを行うことである。 核酸ハイブリダイゼーシヨンによる核酸配列の
定量 試料中にある核酸の量は、当業者によく知られ
ている方法を用いて核酸ハイブリダイゼーシヨン
によるいくつかの方法で測定することができる。
2つの方法を、rRNAの定量例により後に開示す
る。 本発明の方法は、RNA又はDNAを含む生物の
存否を決定することが必要な場合に広く一般に用
いられ、咯痰、血清、その他の動物体液および組
織のような生物学的試料や、工業的または製剤的
試料および水にも適用できるものと理解された
い。このアプローチの詳細はRNAを定量するの
かDNAを定量するのかによつて変るが、一般的
アプローチはDNA、RNA両方共同じである。 表 1 過剰プローブ法 プローブ:プローブは、B群細菌の生物に由来す
る特異的な選択された標識配列である。これは
rRNAの塩基配列の10%に相当し、B群細菌由
来のrRNAと完全にハイブリダイズするが、そ
の他の生物由来のrRNAとはハイブリダイズし
ない。プローブは、それ自身とはハイブリダイ
ズしない。 A 陽性同種対照 (1) プローブ0.1μg+試料B群rRNA10-3μg (2) 完結するまでハイブリダイズさせ、2本鎖プ
ローブをアツセイする。 (3) (a) プローブの1%が2本鎖分子を形成す
る。 (b) これはrRNA試料の直接の尺度である。 ハイブリダイズしたプローブ分子の数は存在す
るrRNA分子の数と等しい。 B 異種対照 (1) プローブ0.1μg+試料ヒトrRNA10-3μg (2) 完結するまでハイブリダイズさせ、2本鎖プ
ローブをアツセイする。 (3) プローブは、B群細菌に由来するrRNA以外
のいかなるrRNAともハイブリダイズしない。 C 未知の試料 (1) プローブ0.1μg+未知の試料 (2) 完結するまでハイブリダイズさせ、2本鎖プ
ローブをアツセイする。 (3) (a) B群のrRNAがなければ、プローブはハ
イブリダイズしない。 (b) B群のrRNAがあるとプローブはハイブリ
ダイズして2本鎖分子を形成する。 (c) ハイブリダイズしたプローブ分子の数は、
試料中にあるB群rRNA分子の数と等しい。 (d) プローブの1%がハイブリダイズしたら、
B群rRNAが存在することになる。なぜなら
ば、プローブはB群細菌に由来するrRNAの
みとハイブリダイズするように選択されてい
るからである。プローブはB群rRNAのみと
ハイブリダイズするから、他のrRNAが存在
していても、存在する細菌rRNAの検出又は
定量を妨害しない。 (e) 選択されたプローブを使用すると、ハイブ
リダイゼーシヨンの完了が容易に確保され
る。rRNA配列の10%に当たる選択されたプ
ローブは、全rRNA配列に相当するプローブ
より10倍速くハイブリダイズする。 (f) 一般のrRNAの検出は不可能である。なぜ
ならば、プローブはB群rRNAとのみハイブ
リダイズするからである。B群rRNAの検出
感度は極めて高い。 D 要約 過剰プローブ法は、B群生物を検出し、定量す
るのに一回のアツセイだけで良い。 表 2 過剰rRNA法:選択されたプローブの使用 プローブ:プローブは、B群細菌に由来する特異
的な選択された標識配列であつてB群生物の
rRNA塩基配列の10分の1に相当する。このプ
ローブはB群由来のrRNAとは完全にハイブリ
ダイズするが、他の生物由来のrRNAにはハイ
ブリダイズしない。プローブは、それ自身とは
ハイブリダイズしない。 A 陽性同種対照 (1) 試料B群rRNA0.1μg+プローブ10-3μg (2) ハイブリダイゼーシヨンを完結させ、2本鎖
プローブをアツセイする。 (3) (a) ハイブリダイズするプローブの割合は、
rRNAとプローブとの間の類似性の直接の尺
度である。この場合、プローブの100%がハ
イブリダイズし得る。 (b) このパーセントは、存在するrRNAの量の
尺度ではない。これを測定するためには、反
応の動態を調べなければならない。 B 異種対照 (1) 試料ヒトrRNA0.1μg+プローブ10-3μg (2) ハイブリダイゼーシヨンを完結させ、2本鎖
プローブをアツセイする。 (3) プローブは、非細菌性rRNAとはハイブリダ
イズしない。 C 未知の試料 (1) 試料+プローブ10-3μg (2) ハイブリダイゼーシヨンを完結させ、2本鎖
プローブをアツセイする。 (3) (a) 試料中にB群rRNAが存在しなければ、
プローブはハイブリダイズしない。 (b) B群rRNAが存在するならば、プローブは
ハイブリダイズする。 (c) 反応が完了した時のハイブリダイゼーシヨ
ン率(%)からはrRNA量を決めることがで
きない。これを決めるためには、ハイブリダ
イゼーシヨンの動態を測定しなければならな
い。プローブは唯一種類のrRNAとハイブリ
ダイズするから、動態測定は簡単である。 (d) プローブの100%が試料とハイブリダイズ
するならば、これはB群rRNAが試料中にあ
ることを意味する。このことは、B群rRNA
のみが存在することを意味するものではな
い。プローブとハイブリダイズしない他の
rRNAも試料中に存在するかもしれない。 (e) プローブの100%が試料とハイブリダイズ
したら、試料rRNAとプローブのハイブリダ
イゼーシヨンの動態を測定することにより、
ヒトrRNAの存在下のB群rRNAを特異的に
定量することが可能である。プローブはB群
rRNAのみとハイブリダイズするので動態反
応の要素はB群rRNAとの反応に由来する1
つのみである。 (f) ハイブリダイゼーシヨンが完了しない状況
もある。この方法においては、プローブが非
常に少量しか存在しないから、試料中の
rRNAがハイブリダイゼーシヨンを完了させ
なければならない。試料中に十分量のrRNA
が存在しなければ、ハイブリダイゼーシヨン
は完了しない。そのような状況の解釈を次に
述べる。 通常のアツセイ時間で未知試料とプローブが20
%ハイブリダイズするとしたら、一回のみで反応
が完了したとは言えない。ハイブリダイゼーシヨ
ン値が高まるかどうか測定するために、最初の時
間の2倍の時間をかける必要がある。ハイブリダ
イゼーシヨン値が増加しなければ、ハイブリダイ
ゼーシヨンは完了である。この場合、試料中の
rRNA濃度はプローブが過剰になつてしまうくら
いに低く、試料中に存在するrRNA分子数をハイ
ブリダイズしたプローブ分子数と等しい。 ハイブリダイゼーシヨン値が高まれば、ハイブ
リダイゼーシヨンは最初の時点で完了していなか
つたのである。この時点で反応が終了したのかど
うか決定するには第3回目を実施しなければなら
ない。 D 要約 過剰試料rRNA法は、検出し、定量するために
多数回の測定を必要とし、過剰プローブ法よりも
時間がかかる。 特定の起源から得たrRNA配列の特定の部分の
みに相補的な選定プローブを使用してrRNAを
検出することと、特定の起源から得たrRNA配
列の全体に相補的な非選定プローブを使用して
rRNAを検出することとの対比 rRNAを検出し、定量し、同定するために
rRNA配列の特定の部分のみに相補的な特別に選
択したプローブを使用する場合の本発明は、
rRNAを検出するために全rRNA配列に相補的な
(特別には)選択されていないプローブ又は配列
を使用する場合の本発明と比べて、重要な能力と
利点を有する。過剰rRNA及び過剰プローブを用
いるハイブリダイゼーシヨン法で、選択されたプ
ローブを使用することの利点を下記に示す。配列
全体を利用するプローブを使用することの問題も
示した。 過剰プローブハイブリダイゼーシヨン及び過剰
rRNAハイブリダイゼーシヨンに関して、配列全
体に対応するプローブを用いる場合と比較して、
選択したプローブを用いることの利点を下記に示
す。 A 過剰プローブハイブリダイゼーシヨン法 1 rRNAの全配列に対応するプローブについて
の問題点 1 過剰プローブ法によつて試料中のrRNAを
検出することはできる。しかし、存在する
rRNAの型を決定する手段はない。従つて、
このプローブは、過剰プローブハイブリダイ
ゼーシヨン法によつて未知試料中の特定
rRNAの存在を特異的に検出し、定量するた
めには使えない。 2 上述のように、このプローブで試料中の特
定のrRNAの存在を検出し定量するために
は、過剰プローブ法は使えない。この目的の
ためには、このプローブは過剰rRNA法で使
用しなければならない。 過剰rRNA法は過剰プローブ法よりずつと
多くの時間と作業を必要とし、複雑である。 2 選択されたプローブを使用することの利点 1 選択されたプローブ過剰ハイブリダイゼー
シヨン法によつて未知試料中の特定rRNAの
存在を敏感かつ特異的に検出し、定量するた
めに使用することができる。これは他の生物
のrRNAが存在していても一回の実験室アツ
セイで行いうる。 2 選択されたプローブを使用すると、未知試
料中の特定のrRNAの存在を検出して定量す
るために、過剰プローブ法を使用することが
できる。このことは仕事を非常に単純化す
る。 B 過剰rRNAハイブリダイゼーシヨン法 1 全配列に対応するプローブについての問題点 1 このプローブを用いて未知試料中のrRNA
を検出することはできる。しかし、多くの場
合、存在するrRNAの型又は量を決定するた
めの手段はない。従つて、このプローブは、
未知試料中の特定のrRNAの存在を特異的に
検出し、定量するためには使えない場合が多
い。 2 特定のrRNAを検出する感度は他の生物の
rRNAが存在することにより限定される場合
が多い。 3 特定のrRNAの存在を検出し、定量するこ
とが可能な多くの場合、この方法では多くの
作業が必要となる。 2 選択されたプローブを使用することの利点 1 選択されたプローブは、全ての状況で未知
試料中の特定rRNAの存在を特異的に検出
し、定量するために用いることができる。こ
れは他の生物のrRNAが多量に存在していて
も実施できる。 2 選択されたプローブを用いると、他の生物
のrRNAが存在していても、特定のrRNAの
検出感度は下がらない。 3 選択されたプローブを用いると特定rRNA
の検出と定量がずつと容易になる。 実施例による具体的説明 試料が特定の群のメンバーの菌を含むかどうか
を決定するために、本発明は使用できる。下記に
具体的に示す本発明方法は、特定の群のメンバー
でない多数の生物が存在しても試料中の特定の群
の細菌の存在を検出し、定量化し得る方法であ
る。 実施例に記載されているように、本発明の方法
は、先ず特定の基準においては、関心のある特定
群のどのメンバーからのrRNAともハイブリダイ
ズ化するが他の生物から得られたrRNAとはハイ
ブリダイズ化しないrRNAに対する群特異的プロ
ーブを調製することである。核酸ハイブリダイゼ
ーシヨン試験にそのようなプローブを使用する
と、他の生物が多量に存在しても特定群のメンバ
ーを検出できる。 下記に本発明の実施例を示す。各々の例は、特
定群の生物のRNAとのみハイブリダイズする標
識核酸プローブを調製することを含む。 各々のプローブを調製する方法の基礎的な概略
は次の通りである。 1 関心のある群のrRNAに相補的な標識核酸を
調製する。 2 このDNAをプローブが特異的な生物群に進
化的に非常に近接した生物群から得たrRNAと
ハイブリダイズし、特異的な基準下では最も近
接した関連群の生物から得たrRNAとはハイブ
リダイズしない標識核酸フラクシヨンを選択す
る。このフラクシヨンは関心ある生物群の
rRNAに特異的であり、多くの近接した群又は
他の生物から得たrRNAとはハイブリダイズし
ない。 実施例 1 いかなる細菌のrRNAともハイブリダイズする
プローブの調製 代表的な状況では、組織培養用プレート上1回
に106〜107個の哺乳動物の細胞が成育する。細
菌、特にMollicutes網のメンバーは組織培養細胞
を汚染する。他の多くの細菌と異なり、
Mollicutes網の細菌は抗生物質によつては容易に
除去されず、組織培養上の困難な汚染菌である。
組織培養細胞中に多くのMollicutes種も検出され
てきた。組織培養用プレートにこれらの生物が1
個でも存在すれば、抗生物質が存在しても、増殖
し、細胞あたり数百個の生物が作られる可能性が
ある。そのような生物は細胞の活性を変化させる
能力があり、その際、多くの試験結果と組織培養
の市場性に影響する。 これらの生物を検出するための先行技術は、増
殖試験、鑑別染色試験及び免疫学的アツセイのよ
うな基本的に定性的な試験を含んでいる。 増殖試験の感受性はきわめて高いが、3〜6週
間かかる。増殖試験は、多くの生物は増殖が困難
であるか又は不可能であるという別の不便さもあ
る。 染色法の実際の検出上の感度は知られていない
が、細胞あたり数個以上の生物が存在しているは
ずであることが知られている。 免疫学的試験は定性的であり、特定の種に対す
る抗体を用いる。免疫学的試験は迅速に行なうこ
とができるが感度は高くない。さらに、全てのタ
イプのMollicutesを検出するためには、多くの異
なる抗体が必要である。 下記に示される本発明方法の実施はMollicutes
を含む全ての細菌群の菌の存在を検出し、定量
し、組織培養中Mollicutesの存在を検出し、通常
は細菌を含まない組織中の細菌の存在を検出し、
多数の哺乳動物の細胞が存在しても細菌を検出す
るために用いる試験である。 実施例に示すように、本発明方法は先ず第1に
何らかの細胞由来rRNAに相補的であるが、哺乳
類細胞のrRNAには相補的でないrRNAに対する
特異的プローブを作ることを含む。核酸ハイブリ
ダイゼーシヨンテストにおけるそのようなプロー
ブの使用は、多量の哺乳類細胞の存在下でもあら
ゆるタイプの細菌の検出を可能にする。 次に、本発明のこの実施例の詳細をあげる。 哺乳類細胞および細菌細胞からのrRNAの分離 哺乳類細胞を、0.3M NaCl、0.02MトリスPH=
7.4に再懸濁する。サルコシルを最終濃度1%に
なるように加えて、細胞を溶解する。 溶解後直ちに、フエノール/クロロホルム1/1
混液を同量加え、生成した混液を2分間烈しく振
盪する。その後、混液を遠沈し(8000×g、10分
間)水相と有機相とを分離する。水相を回収し、
これに又別のフエノール/クロロホルムの同量を
加える。 上のように振盪、遠沈した後、水相を再び回収
する。これに2倍量の95%エタノールを加え、こ
の混合物を−20℃で2時間放置して、核酸の沈澱
を容易ならしめる。 それから、混合物で遠沈し(8000×g、10分
間)、沈降物をチユーブの底に沈澱させる。液は
除去する。ペレツトとなつた核酸を水に再溶解す
る。この溶液に、その後、0.2M NaCl、5×
10-3M MgCl2、5×10-3M CaCl2、0.02Mト
リス(PH=7.4)50マイクログラム/mlのデオキ
シリボヌクレアーゼを加え、37℃で1時間イン
キユベートする。 それから、上のように、等量のフエノール/ク
ロロホルムを加えて振盪する。上記のように遠沈
し水相を回収する。エタノールは、上記のように
RNAを沈澱させる。上記のように沈降物を遠沈
し、ペレツトRNAを水に再溶解する。 この溶液を2M LiClにする。そして4℃で10〜
20時間放置し、高分子量RNAの沈澱を容易にす
る。これからこの溶液を遠沈し、沈殿物を回集
し、水に再溶解する。 このRNA標本は、95%以上のrRNAを含む。 細菌のrRNAは、下記の事項を除けば、同様に
して分離される。界面活性剤のみでは細菌が溶解
されない場合、その他の手段を用いる。これには
一般的には、細菌がサルコシルによる溶解を受け
やすくするために細菌を酵素(リゾチーム)で前
処理すること等である。細菌溶解後は、分離操作
は前述の通りである。 精製rRNAを、−70℃で貯える。 モレキユート網生物のrRNAに相補的な放射性
DNA(3H−cDNA)の調製 Mycoplasma hominis(M.hominis種)(分類学
的には、モレキユート網のメンバーである)に由
来するrRNAを鋳型として用いて、マイコプラズ
マ・ホミニスrRNAに相補的な放射性cDNAを合
成する。 このcDNAは、鋳型としてrRNAを利用し、
rRNAの相補的な(cDNA)、3H−cDNAをつく
ることができる逆転写酵素の性質を利用すること
によつて生産される。 逆転写酵素反応混合物は、次のものを含む。 50mMトリス・HCl(PH=8.3),8mM MgCl2
0.4mMジチオトレイトール、50mM KCl,
0.1mM3H−デオキシチミジン三燐酸
(50curies/mmole)0.2mMデオキシアデノシン
三燐酸、0.2mMデオキシシチジン三燐酸、
0.2mMデオキシグアノシン三燐酸、coli
DNAからつくられたオリゴデオキシリボヌクレ
オタイドプライマ200ミリグラム/ml、50マイク
ログラム/mlのマイコプラズマ・ホミニス
rRNA、50単位/mlAMVの逆転写酵素。 この混合物を、40℃で30分間インキユベーす
る。それからに、エチレンジアミン四酢酸
(EDTA)(PH=7.3)、ドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)、NaClおよびグリコーゲンを最終濃度が
それぞれ10-2M,1%,0.3M,100μg/mlになる
ように加える。 その溶液を、フエノール/クロロホルム(1:
1)の1容量と混合し、2分間烈しく振盪し、そ
れから遠沈して(8000×g,10分間)、水相を回
収する。 2.5容量の95%エタノールを加えて、核酸を沈
澱させる。遠沈により沈澱物を回収し、H2Oに
再溶解する。この溶液は、鋳型rRNAと新たに合
成された3H−cDNAとを含む。 この溶液をそれから0.3M NaOHにして、50℃
で45分間インキユベートする。水冷し、0.3M
HClで中和する。それに2.5容量の95%エタノー
ルを加えて、残る核酸を沈澱させ、生成した沈澱
を水に再溶解する。 この溶液を、0.3M NaCl,0.1%サルコシルで
平衡状態にしたSephadexG−100カラムを通過さ
せ、出てきた液を回収した。この液をエタノール
で沈澱させ、生成した沈澱物を少量の水に溶解す
る。 ここで述べたプロセスは、鋳型rRNAと3H−
cDNA製造に由来するその他の前駆物質を除去す
るためのものである。 それから3H−cDNAをマイコプラズマ・ホミ
ニスrRNAにハイブリダイズする。これは、それ
が本当にこのrRNAに相補的であることを確認す
るためである。 このハイブリダイゼーシヨン混合物は、1mlに
つき0.05マイクログラム1本鎖3H−cDNA、20
マイクログラムのマイコプラズマ・ホミニス
rRNAそして、0.48M PB(燐酸緩衝液)から成
る。この混合物を65℃で0.2時間イキユベートし、
これから0.14M PBに希釈して0.14M PBで平衡
状態にしたヒドロキシアパタイト(HA)カラム
に65℃で通過させる。 rRNAにハイブリダイズした3H−cDNAはヒ
ドロキシアパタイト(HA)カラムに吸着し、非
ハイブリダイズ3H−cDNAはカラムを通過する。
その後HAカラムを0.3M PBで溶出して、ハイブ
リダイズ3H−cDNAを回収する。 このフラクシヨンをその後透析してPBを除去
し、エタノールで沈澱させて核酸を濃縮し、遠沈
し、核酸を水に再溶解する。この溶液を上記のよ
うにNaOHで処理し、rRNAを取り除く。 中和し、グリコーゲン担体を添加し、エタノー
ル沈澱による濃縮後、3H−cDNAを少量の水に再
溶解する。この溶液は、マイコプラズマ・ホミニ
スrRNAに相補的な3H−cDNAのみを含む。 マイコプラズマ・ホミニスには相補的で、ヒト
rRNAには相補的でない3H−cRNAの選択 精製3H−cDNAを、これを大過剰のヒト
rRNAと、ハイブリダイズすることにより更に分
画化する。このハイブリダイゼーシヨン混合物
は、0.48M PB1mlあたり、0.05マイクログラム3
H−cDNAと40マイクログラムヒトrRNAとから
成る。 これを、68℃で1時間インキユベートし、
0.14M PBに希釈し55℃、0.14M PBで、平衡状
態にしたHAを通す。HAに吸着しないフラクシ
ヨン(全体の約50%)(即ちヒトrRNAにハイブ
リダイズしない3H−cDNA)を収集する。 このフラクシヨンを同じ条件で新しいHAカラ
ムを再び通過させる。ここでも、吸着しないフラ
クシヨンを集める。このフラクシヨンを透析して
PBを除き、エタノールで沈澱させて核酸を濃縮
し、水に再溶解する。この溶液を既述のように
NaOHで処理し、ヒトrRNAを除去する。 中和し、グリコーゲン担体を添加し、エタノー
ル沈澱による濃縮後、3H−cDNAを少量の水に再
溶解する。この3H−cDNA標本は、マイコプラ
ズマ・ホミニスrRNAには相補的であるが、ヒト
rRNAには相補的でない。 選択3H−cDNAと、異なる期限からのrRNA
とのハイブリダイゼーシヨン 選択3H−cDNAプローブの調製は、核酸ハイ
ブリダイゼーシヨンにより細菌rRNAの存在を検
出することによつて哺乳類組織培養細胞および哺
乳類組織にあるモリキユート網のメンバーを含む
細菌を検出することを可能にする。 そのようなテストに必要な要件は、選択プロー
ブが細菌を含まない哺乳類細胞からのrRNAにハ
イブリダイズしてはいけないということである。
この要求が合うことは表3Vに示されている。 表3のおよびは、プローブがモリキユート
網のすべてのメンバーを検出し、あらゆるタイプ
の細菌を検出する筈であることを示している。 例えば、LegionellaおよびE.coliおよび
Bacillus subtilisは非常に異なる細菌のタイプの
代表である。そしてプローブは、これらタイプの
各々からのrRNAとハイブリダイズする。 進化論的考案は、このプローブがほとんど全て
の既知又は未知の細菌に由来するrRNAにハイブ
リダイズすることを示す。これは、進化を通じて
rRNAヌクレオチド配列が非常によく保存されて
いるためである。 この選択プローブは、組織培養細胞中に細菌の
特異的な網、モリキユートの存在を検出するため
に役に立つ。大部分の組織培養細胞では増殖培地
に抗生物質が存在し、これがモリキユート網のメ
ンバー以外のほとんどすべての細菌の増殖を阻止
する。 従つて、組織培養標本の汚染はモリキユート網
のメンバーによることはほとんど確実である。 重要な点は、存在する生物の数を測定すること
ができることである。 先行技術の方法では、大抵の場合、細胞が汚染
されていることがわかると、細胞系およびその産
物は捨てられる。これら微生物を定量できれば、
その汚染による影響のひどさについて、判断を下
すことができる。 汚染は、非常に軽度で、1000個につきたつた1
個の微生物であるかも知れない。この汚染レベル
ならば細胞にほとんど影響を与えないであろう
し、多くの場合細胞産物を捨てる必要はない。そ
れらをもつとひどく汚染されるまでは、貴重な細
胞ラインをとつておくような決定を下しうるかも
知れない。何らかの種類の細胞汚染の重大性を判
断するためには、定量的考察が重要である。 表 3 選択したモリキユート3H−cDNAの、広く異
なる起源に由来するrRNAとのハイブリダイゼー
シヨン () 対照実験 3H−cDNAとrRNAとのハrRNAの起源 イブリダイゼーシヨン率 (A) rRNAは加えず、 <1% 3H−cDNAの自己反応。 (B) 偽rRNA分離。 <1% (C) マイコプラズマ・ ホミニスrRNAで汚染 97% されていることが わかつているヒト 細胞RNA。 () 3H−cDNAと分類学的モリキユート網
の種々の種とのハイブリダイゼーシヨン 3H−cDNAとrRNAとのハrRNAの起源 イブリダイゼーシヨン率 (A) Mycoplasmatales目 のメンバー (1) Mycoplasma hominis 97% (ヒトに感染) (2) Mycoplasma salivarius 93% (ヒトに感染) (3) Mycoplasma hyorhinis 84% (豚に感染) (4) Mycoplasma pulmonis 82% (マウスに感染) (B) Acholeplasma taceae 目のメンバー (1) Acholeplasma 52% laidlawii #1の分離 (牛、鳥、犬、家猫、 マウス、羊、ブタ、 霊長類に感染する) (2) Acholeplasma laidlawii(#2を分離) (C) Spiroplasmataceae 目のメンバー (1) SMCA(昆虫とマ 69% ウスに感染) (2) みつばち(みつばち 68% から分離) (3) サボテン(サボテン 71% から分離) (4) Corn stunt 69% (コーンから分離) (5) Corn stunt 65% (昆虫から分離) () 3H−cDNAと他のタイプの細菌(分類
学的 Schizomytes鋼)のrRNAとのハイブリダ
イゼーシヨン 3H−cDNAとrRNAとのハrRNAの起源 イブリダイゼーシヨン率 (A) Enterobateraceae科 のメンバー (1) Escherichia coli 52% (哺乳類に感染) (B) Legionella pneumophila のメンバー (1) Legionella pneumophila >28% (ヒトに感染) (C) Micrococcaceae科の メンバー (1) Micrococcus luteus 50〜60% (2) Staphylococcus 50% aureus (D) Lactobacillaceae科 のメンバー (1) Streptococcus 50% faecalis (E) Bacillaceae科の メンバー (1) Bacillus subtilis 40% () 3H−cDNAと酵母rRNA 2% とのハイブリダイゼーシヨン () 3H−cDNAと哺乳類、および鳥からの
rRNAとのハイブリダイゼーシヨン 3H−cDNAとrRNAとのハrRNAの起源 イブリダイゼーシヨン率 ヒト(霊長類) 1% 牛(ウシ科) 1% マウス(げつ歯類) 1% ラツト( 〃 ) 1% ハムスター( 〃 ) 1% 家兎(兎類) 1% にわとり(トリ) 1% 過剰rRNAハイブリダイゼーシヨンは、68℃、
0.48M PBで行なわれる。 ハイブリダイゼーシヨンアツセイは、67℃で、
0.14M PB、0.005%ドデシル硫酸ナトリウム中で
行われる。ハイブリダイズさせることは、該
rRNA又はミトコンドリアrRNAと3H−cDNA
の反応を完了させるだけで十分である。哺乳類お
よび鳥の場合には、非細菌性rRNAのCot値は最
低2×103に達する。1〜2%の非特異的シグナ
ルは、上記のハイブリダイゼーシヨン値からさし
引いた。 核酸ハイブリダイゼーシヨンによるrRNAの定
量 選択3H−cDNAプローブと、組織から分離し
たRNAとのハイブリダイゼーシヨンの動態を既
知の標準混合物のそれと比較することにより、試
料中にある細菌rRNAの量を測定できる。 これは、哺乳類細胞の大過剰が存在していても
可能である。なぜならば、プローブはこのrRNA
とはハイブリダイズしないからである(表3V参
照)。 動態を測定するために、ハイブリダイゼーシヨ
ン混合物は、10-5〜10-4マイクログラムのH−
cDNAと1〜103マイクログラムの精製RNA試料
とを、0.01〜0.1mlの0.48M PB中に含む。 この混合物を68℃でインキユベートし、一部を
とり、0.14M PBに希釈して反応開始後の種々の
時間にハイブリダイゼーシヨンアツセイを行う。
ハイブリダイゼーシヨンアツセイは、既述のよう
にヒドロキシアパタイトを用いて行う。 得られた結果を既知量の細菌rRNAを含む標準
RNAと反応したプローブのハイブリダイゼーシ
ヨンと比較する。 これらの標準は、哺乳類細胞RNAと既知量の
特異的細菌rRNAとの混合物である。 組織培養細胞中のMollicutes網のメンバーの検
出および定量 表4は、選択プローブと3種類の組織培養細胞
試料から分離した(既述のようにして)RNAと
をハイブリダイズすることによつて得られたデー
タである。 細胞系ナンバー3のみが検出可能程度に汚染さ
れ、反応の動態は約5×107個の細菌細胞が組織
培養細胞に存在することを示している。 【表】 約1モリキ
ユート)
過剰rRNAハイブリダイゼーシヨンを、68℃で
0.48M PB、0.01〜0.04ml容量で行なう。各混合
物は、2×105マイクログラムの3H−cDNAプロ
ーブと50〜200マイクログラムの試料RNAとを含
む。 次の実施例は、多数の血球の存在下で非常に少
数のたつた1個のトリパノソーマの検出に用いら
れる、本発明の方法のもう一つの実施例である。 原虫類Trypanosomaの或るメンバーは、人に
対して病原性を有し、東アフリカ睡眠症、西アフ
リカ睡眠症、南アメリカトリパノソーマ症を含む
病気を発生させるから、トリパノソーマの検出は
重要である。 これらの生物は大きく、生活環の段階によつて
変る特徴的な形を示す。先行技術の方法は、これ
ら生物をヒトに検出する場合、主として血清学的
方法、鑑別染色法を検鏡検査、動物接種法と組み
合わせて利用している。 血清診断法は感度および特異性が変化し、解釈
がむづかしいかも知れない。検鏡法が最も多く用
いられるが、大量の血球の存在下で少数のトリパ
ノソーマを見出すのは、しばしば困難である。動
物接種は時間と費用のかかる方法である。 次の例で示す発明の実施例は、多量の血球と共
存する場合でも1個のトリパノソーマを比較的容
易に検出できる方法である。 実施例 2 トリパノソーマrRNAに相補的な放射性DNA
の調製 Trypanosoma brucei rRNAに相補的な放射
性DNA(3H−cDNA)を前に詳述したM.
hominis 3H−cDNAと同じ方法で調製する。但
し、Trypanosoma b.rRNAを鋳型として用い
る。 トリパノソーマrRNAに相補的であるが、ヒト
rRNAには相補的でないトリパノソーマ3H−
cDNAの選択 これはTrypanosoma b.3H−cDNAをヒト
rRNAにハイブリダイズさせることを除けば、
M.hominisについて既述したものと同じ方法で行
われる。 ヒト組織、又は体液中のトリパノソーマの検出
および定量に、選択トリパノソーマ3H−
cDNAの使用 選択3H−cDNAプローブの調製により、トリ
パノソーマrRNAの存在の検出によるヒト試料中
のトリパノソーマの検出および定量が可能にな
る。 そのようなテストに必要な要件は選択プローブ
は、トリパノソーマを含まないヒト細胞に由来す
るrRNAにはハイブリダイズしてはいけないとい
うことである。表5はこの要求が満されることを
示す。 表 5 選択されたTrypanosoma brucei3H−cDNA
と異なる起源からのrRNAとのハイブリダイゼ
ーシヨン 3H−cDNAとrRNAのハイrRNAの起源 ブリダイゼーシヨン率 RNAを加えず 1% Trypanosoma brucei rRNA 98% Mycoplasma hominis rRNA 1% ヒトrRNA 1% Trypanosoma bruceiに汚染されて 98% いることがわかつているヒトrRNA 過剰rRNAハイブリダイゼーシヨンを65℃で
0.48M PB中で行なう。反応は24時間続き、その
ハイブリダイゼーシヨン時間はヒトrRNA又はミ
トコンドリアrRNAと細菌rRNAとの反応が確実
に完了するために十分である。 ハイブリダイゼーシヨンアツセイは、ヒドロキ
シアパタイトで72℃、0.14M PB、0.005%ドデシ
ル硫酸ナトリウム中で行われる。 本発明者がつくつたある例証的プローブは、
Legionella属のメンバーに対してのみ特異的であ
る。そのプローブは、Legionella属の種々のメン
バーからの核酸と50%以上ハイブリダイズし、哺
乳類、酵母および種々の広く異なる細菌株からの
核酸とは明白にはハイブリダイズしない(表8)。 プローブはLegionella pnuemophilaおよび
Legionella micdadeiのようなほとんど又は全然
集団DNA近縁度を示さないLegionella種ともよ
くハイブリダイズする。 その他の既知のLegionella種は表6で用いられ
ており、表7に列挙したこのプローブで検出する
ことができる。 既知のLegionella種(23種類もの種)のすべて
を調べた。すべては、表6で用いられたプローブ
によつて特異的に検出することができた。 このプローブの特異性は、関連性のない細菌又
は哺乳類細胞の多量の存在下でさえもLegionella
種の検出および定量を可能にする。例えば、
Legionella pneumophilaに感染したハムスター
の肝細胞について、特異的プローブと十分に確立
された核酸ハイブリダイゼーシヨン操作法を用い
て、Legionella菌の存在並びに数を検出した。 その肝は、微生物学的増殖試験により、あらか
じめ検査した。それは、感染した肝臓1gあたり
約107個のLegionellaがあることを示した。 核酸ハイブリダイゼーシヨンアツセイでは、肝
1gにつき約1〜2×108個のLegionella菌が示さ
れた。この結果は、増殖試験におけるプレーテイ
ング効率は約5〜10%であることを示唆する。 特異的プローブは、多量の哺乳類細胞の存在下
においてさえLegionella菌の高度に鋭敏かつ迅速
な検出を可能にする。 1日もかからないアツセイで、そのプローブは
0.4mg肝(約2×105個の細胞)と混ぜ合わせた約
400個のLegionella菌の存在を容易に検出した。 【表】 【表】 過剰rRNAハイブリダイゼーシヨンを76℃、
0.47M PBで行なう。ハイブリダイゼーシヨンア
ツセイは、72℃で0.14M PB、0.005%ドデシル硫
酸ナトリウム中で行なう。 ハイブリダイゼーシヨン時間は3H−cDNAと
核rRNA又はミトコンドリアrRNAとの反応を確
実に完了させるに十分である。哺乳類および鳥の
場合には、非細菌性rRNAのCot値は最低2×103
に達する。 表 7 表6の特異的核酸プローブによつて検出される
その他のLegionellaの種 種 L.WA−316 L.WO−44−3C(L.feeleii) L.phoenix 1 L.WA−270A L.PF−209C−C2 L.SC 65C3(ORW) L.jamestown 26G1−E2 L.MSH−4 L.lansing 3 L.SC18−C9 L.SC63−C7 L−81−716(L.wadsworthii) 実施例 3 Legionella属のメンバーのrRNAにのみ、ハイ
ブリダイズするプローブの調製 Legionella rRNAに相補的な放射性DNAの調製 Legionella pneumophila種に由来するrRNA
を鋳型として用いて、Legionella pneumophila
rRNAに相補的な標識(放射性)cDNAを合成す
る。 このcDNAの調製は逆転写酵素がrRNAを鋳型
として利用でき、rRNAに相補的な3H−cDNA
を調製できる能力を利用したものである。 これは、Legionella pneumophila由来の
rRNAを鋳型として用いるということを除けば、
Mycoplasma hominis 3H−cDNAの生産に関
して記載したと同じ方法で行われる。 Legionella属のメンバーからのrRNAにのみ、
ハイブリダイズする放射性プローブの選択 精製3H−cDNAをE.coli,Acholeplasma
laidlawaiiおよびProvidentia stuartiiに由来する
大過剰のrRNAとハイブリダイズさせることによ
り、分画化する。 ハイブリダイゼーシヨン混合物は、0.48M
PB1ml中に0.05〜1マイクログラム3H−cDNA
と20マイクログラムずつの細菌rRNAを含んで成
る。この混合物を、76℃で1時間インキユベート
し、その混合物を0.14M PBに希釈して72℃、
0.14M PBで平衡状態にしたHAカラムを通す。 HAに吸着しない3H−cDNA(即ち、その
rRNAにハイブリダイズしない3H−cDNA)の
フラクシヨンを集める。このフラクシヨンを上記
と同じ条件でHAを通し、再び吸着されなかつた
フラクシヨンを集める。 この3H−cDNAを濃縮し、再び上述のように
細菌rRNAとハイブリダイズさせる。吸着しない
フラクシヨンを集めて濃縮し、さらに上記のよう
に、3回目として細菌rRNAとハイブリダイズさ
せ、上のようにHAで分画化する。 吸着しないフラクシヨンを集める。塩基で処理
して、存在するrRNAを取り出し水中に濃縮す
る。この3H−cDNA標本は、Legionella属のい
かなるメンバーにもハイブリダイズするが、他の
起源のrRNAにはハイブリダイズしない。 Legionella特異的3H−cDNAプローブと、異
なる起源のrRNA、およびrRNA遺伝子とのハ
イブリダイゼーシヨン 選択プローブを用いれば、核酸ハイブリダイゼ
ーシヨンによつてLegionella rRNAの存在を検
出することにより、試料中のLegionella属のメン
バーを検出することができる。 そのようなテストに必要な要件は、Legionella
特異的プローブが他の起源に由来するrRNAにハ
イブリダイズしてはいけないということである。 核酸のハイブリダイゼーシヨン過剰rRNA法に
よるLegionella rRNAの定量 試料中にある細菌rRNAの量は、選択3H−
cDNAプローブと組織試料から分離したRNAと
のハイブリダイゼーシヨンの動態を測定し、これ
らの動態を既知の標準混合物のそれと比較するこ
とによつて決定することができる。 これは、哺乳類細胞のrRNAの大過剰が存在し
ていても可能である。なぜならば、そのプローブ
はこのrRNAとはハイブリダイズしないからであ
る。 動態を測定するためには、ハイブリダイゼーシ
ヨン混合物は0.01〜0.1mlの0.48M PB中に例え
ば、10-5〜10-4マイクログラム3H−cDNAと0.01
〜103マイクログラム精製試料RNAを含む。 この混合物を76℃でインキユベートし、一部を
とり、0.14M PBに希釈し、反応開始後の種々の
時間にハイブリダイゼーシヨンアツセイを行う。
ハイブリダイゼーシヨンアツセイは、既述のよう
に、ヒドロキシアパタイトを用いて行なう。 得られた結果を、既知量の細菌rRNAを含む標
準RNAと反応させたプローブはハイブリダイゼ
ーシヨン動態と比較する。これらの標準は、哺乳
類細胞RNAと既知量の特異的細菌rRNAとの混
合物である。 表8は、水試料中および感染ハムスター肝試料
中にあるLegionella pneumophilaの定量に関す
るデータを示す。 水試料および肝試料について、ジヨージア州ア
トランタ市の疾病コントロールセンターで、標準
定量的増殖試験により、Legionella
pneumophilaの存在を調べた。 【表】 りの同細菌 胞/ml
過剰プローブ法 試料中にある細菌rRNAの量は、存在する
Legionella rRNAの量に比較して、Legionella
特異的3H−cDNAプローブが過剰にあるという
条件下で、ハイブリダイゼーシヨンを行うことに
より、測定することができる。 この混合物を、最後までハイブリダイズさせ
る。この時点で、試料中にある各Legionella
rRNAはプローブ分子で飽和させられる。rRNA
とハイブリダイズしたプローブの量を、正確に作
成された標準検量曲線と比較することによつて試
料中のrRNA量を測定することができる。 それからLegionella pneumophila細菌1個あ
たりのrRNA分子の平均数を知ることによつて、
試料中にある該細菌の総数を計算できる。 表9は、後章に詳述する過剰プローブハイブリ
ダイゼーシヨン加速−酵素−界面活性剤試料法に
より測定した水試料中のLegionella
pneumophilaの定量に関するデータを示す。 水試料について、標準定量増殖法により、
Legionella pneumophilaの存在を調べた。これ
らの試験法は完了するまでに数日かかるが、ハイ
ブリダイゼーシヨンアツセイは約1時間ですむ。 【表】 Legionella属のメンバー由来のrRNAのみにと
特異的なプローブ A 水試料中の分析:加速ハイブリダイゼーシヨ
ン法 (1) 試料およびハイブリダイゼーシヨンインキユ
ベーシヨン混合物の調製。 次の順序で、できるだけ早く混合する。 (a) 試料9μl (b) 次のものを含む酵素−界面活性剤−溶液
2μl 5mg/mlのProteinase K, 0.5M
Tris(PH=8.1)、8%dodecyl硫酸ナトリウム
(SDS)、4%サルコシン酸ナトリウム、
0.25M NaCl、0.016M EDTA、0.016M
EGTA。 (c) プローブ水溶液1μl (d) 4.8M PB 20μl (2) 混合物を、76℃でハイブリダイゼーシヨン反
応が完了するまでの時間インキユベートする。 (3) ハイブリダイゼーシヨンアツセイを次によう
にして行う。 (a) インキユベーシヨン混合物を次のものを含
む室温溶液1mlに加える。 0.05gヒドロキシアパタイト(HA)、
0.054M PB、0.02%ツヴイツタージエント14
(CalBiochem)(以後はZ−14と記す) (b) 混合物を室温で30秒間振盪し、0.14M PB
5ml、0.02% Z−14を加え、混合物を72℃
で2分間インキユベートする。 (c) その溶液を遠沈してHAにペレツトにす
る。すべての遠沈は室温で行われる。傾瀉
し、液体部分をとる。これが洗浄#1であ
る。 (d) ペレツトに0.14M PB 6mlと0.02% Z−
14溶液を加える。それを渦巻き状に振つて、
HAペレツトを再懸濁する。遠沈してHAを
ペレツトにする。傾瀉し液体部分をとる。こ
れが洗浄#2である。 (e) 段階(d)を繰返す。この結果、洗浄#3が得
られる。 (f) 0.03Mを6ml加えて、渦巻き振盪により、
HAペレツトを再懸濁する。懸濁液を遠沈し
て、HAをペレツトとする。液を傾瀉し、そ
の中のプローブの存在をアツセイする。この
フラクシヨンは、ハイブリダイズしたプロー
ブを(もしあれば)含む。特定条件下、HA
からハイブリダイズしたプローブを溶出する
必要はない。 ハイブリダイズしたプローブを、例えば、もし
プローブに、HAの存在下でも検出できるような
マーカーで標識をつけると、段階(c)からのペレツ
トで直接プローブのアツセイを行うことができ
る。 ヨウ素125のようなマーカーの場合には、HA
ペレツトを含むチユーブを直接ガンマ検出器に入
れることができる。 より迅速にかつ容易に試験するために、その他
の変更も加えてよい。例えば、事情によつては、
使用するHAの容量および量を減らしたり、洗浄
回数を減らすことできる。 又別の場合には、HAの容量および洗浄数をふ
やすのが望ましい。燐酸ナトリウム以外の種々の
塩および他の界面活性剤もアツセイに使用するこ
とができる。 B 液体試料の分析:標準速度ハイブリダイゼー
シヨン初速度法 (1) 試料およびハイブリダイゼーシヨンインキユ
ベーシヨン混合物の調製 次の順序で、できるだけ早く混合する。 (a) 試料14μl (b) Aで記した酵素−界面活性剤溶液2μl (c) プローブ1μl (d) 3.2M PB、0.03M EDTA、0.03M EGTA
を含む溶液3μl (2) この混合物を、76℃で、ハイブリダイゼーシ
ヨンが完了するまでの時間インキユベートす
る。 (3) ハイブリダイゼーシヨンアツセイは次のよう
に行う。 (a) インキユベーシヨン混合物を0.14M PB、
0.02% Z−14、0.05g−HAを含む溶液1ml
に加える。 (b) 実験手順上のこの点からは、Aに記載のも
のと一致する。 C 組織試料の分析:加速ハイブリダイゼーシヨ
ン法 水性10%肝ホモジネートを組織試料として用い
た。 (1) 試料およびインキユベーシヨン混合物の調製 次の順序で、できるだけ早く混合する。 (a) 試料8μl(10%肝ホモジネート) (b) 8% SDS 4%サルコシネートNa 0.25M NaCl 0.016M EDTA 0.016M EGTA 0.38M Tris(PH=8.2) 195mg/ml Pronase を含有する酵素−界面活性剤−混合液3ml (c) Legionella rRNAのみに特異的なプロー
ブ 1μl (d) 4.8M PB 20μl (2) 混合物を76°でハイブリダイゼーシヨン反応
が確実に完了する時間、インキユベートする。 (3) ハイブリダイゼーシヨンアツセイを水試料の
分析の章、加速法に記したように行なう。 D 組織試料の分析:標準速度ハイブリダイゼー
シヨン法 試料として、水性10%肝ホモジネートを用い
る。 (1) 試料およびインキユベーシヨン混合物の調
製。できるだけ早く次の順序で混合する。 (a) 試料12μl (b) Bに記載した酵素−界面活性剤4μl (c) Legionella rRNAのみに特異的なプロー
ブ 1μl (d) 3.2M PB,0.03M EDTA,0.03M EGTA
を含む溶液3μl (2) 混合物を76℃で一定の時間インキユベートす
る。 (3) ハイブリダイゼーシヨンアツセイは、次のよ
うに行う。 (a) インキユベーシヨン混合物を、0.14M
PB,0.02% Z−14,0.05g−HAを含む溶
液1ml。 (b) この点からは、Aに記載の通りにする。 水および肝試料中のLegionella pneumophila
を検出する核酸ハイブリダイゼーシヨン試験の詳
細を以下に示す。 実施例 4 水性試料中のLegionella菌の迅速、鋭敏な検出
法(加速法) (1) 次の諸成分をできるだけ速く次の順序で混合
する。 (a) 1mlに対して約105個のレジオネラ・ニユ
ーモフイラ(Legionella pneumophila)菌
を含む水性試料4.5μl。水中の細菌数は米国
アトランタの疾病コントロールセンターで増
殖試験により測定した。 (b) Aに記載の酵素−界面活性剤溶液1μl (c) Legionella特異的プローブ0.5μl 7.5×10-6μg相当量のプローブ (d) 4.8M PB 10μl ハイブリダイゼーシヨン混合物を約2分間アセ
ンブリング。 (2) ハイブリダイゼーシヨン混合物を36分間、76
℃で、インキユベートする。 (3) Aに記載のようにハイブリダイゼーシヨンア
ツセイを行う。これには約5分かかる。 (4) フラクシヨンについて、プローブの存在をア
ツセイする。これには、約10分間かかる。 ハイブリダイゼーシヨン混合物中にある
Legionella菌の数は、約500個であつた。この微
生物数を検出し定量するのに、始めから終りまで
約1時間かかり、10-5マイクログラム以下のプロ
ーブを使用した。 過剰プローブハイブリダイゼーシヨンテストと
して計画されたこの試験では、プローブの23%が
Legionella rRNAとハイブリダイズした。 同条件で、細菌を加えない一つの試料、ハイブ
リダイゼーシヨン混合物に105個の大腸菌(E.
coli)を存在させた他試料をそれぞれ用いて対照
試験を行つた。 どちらの場合も、ハイブリダイズしたように振
舞つたプローブは1〜2%に過ぎなかつた。 上記試験を変形して、より大きな容量中の
Legionella菌の存在をアツセイすることができ
る。 例えば、1ml中に、104個のLegionella菌を含む
水試料1mlを30分間遠沈して、細菌をペレツトに
する。少量の酵素−界面活性剤をペレツトに加
え、この混合物について加速法を用いてハイブリ
ダイゼーシヨンテストを行つたら、Legionella菌
が容易に検出された。 更に多量の試料を遠沈することもできるし、細
菌を濃縮するその他の方法(膜濾過を含む)を使
うこともできる。これらの変形は、大量の試料中
の少量の細菌の検出を可能にする。 大気試料も膜濾過法を含む種々の方法によつて
濃縮することができ、大量の大気試料中の少数の
細菌を検出することができる。 実施例 5 ハムスター肝試料中のLegionella菌の迅速、鋭
敏な検出 (1) 次の諸成分をできるだけ早くつぎの順序で混
合する。 (a) Legionella pneumophilaに感染したハム
スター肝の10%肝ホモジネート4μl。これは、
肝臓400マイクログラム、又は約6×104個肝
細胞に相当する。この試料には約750個の
Legionella pnemophillaが存在した。 (b) 次のものから成る酵素−界面活性剤溶液
4μl。45μg/mlプロテイナーゼK、8%
SDS、4%サルコシン酸ナトリウム、0.5M
トリス(PH=8.2)、0.008M EDTA、
0.008M EGTA、0.25M NaCl。 (c) Legionella特異的プローブ4μl。プローブ
量は、約10-5マイクログラムである。 (2) ハイブリダイゼーシヨン混合物を76℃で3時
間インキユベートする。 (3) Aに記載の通り、ハイブリダイゼーシヨンア
ツセイを行う。 (4) 生じたフラクシヨンについて、Legionella
rRNAにハイブリダイズしたプローブの存在を
アツセーする。 ハイブリダイゼーシヨン混合物中にある
Legionella菌の数は約750個である。この数の
Legionella細胞中にあるrRNA量は約1.1×10-5
イクログラムである。存在する肝細胞の数は約6
×104個で、存在する肝rRNA量は約1マイクロ
グラムである。Legionella特異的プローブの10%
が、ハイブリダイズした。 対照試験は感染しない肝臓で同様にして行わ
れ、プローブの1%以下がハイブリダイズしてい
るように振舞つた。実施例4および5はそのよう
な試験の多くのあり得る形態の中の2つだけを示
しているに過ぎない。 種々の容量、塩、界面活性剤、プローブ、試料
の型、蛋白分解酵素、HA量、インキユベーシヨ
ン時間、生物の種類、プローブ量、インキユベー
シヨン温度、ハイブリダイゼーシヨン速度加速系
を用いる試験が、ここに記した試験の一般的状況
において、成功裡に利用される。 rRNAに対するプローブのどれでも、上述のシ
ステムに匹敵するシステムでは用いることができ
る。rRNAを標的としないプローブも、若干の明
白な変形を施したこれらのシステムで、有効に用
いることができる。 例えば、特定の生物又は生物群の特定のDNA
配列に特異的な試験を、もし2本鎖DNAを1本
鎖型に変える段階を入れるならば、正に上述のよ
うに行なうことができる。その他の場合には、又
異なる変形を施した方法を用いなければならな
い。 MycobacteriaおよびBacilliのような細菌は破
壊されにくい。上記の方法に関連して、これら細
菌を破壊する段階を用いなければならない。例え
ば、界面活性剤なしで酵素リゾチームを用いて1
回インキユベーシヨンすると、大部分のBacillus
菌は、界面活性剤により溶解し易くなる。 他方、マイコバクテリアは非常に溶解しにく
く、それらは試験する前に物理的に破壊する必要
があるかも知れない。 上記方法の変形をtRNAに対するプローブ又は
生物中に存在する他のRNAに特異的なプローブ
に関連しても用いることができる。 大きな容量の試料、例えば大気又は液体から、
少数の細菌又はその他の細胞を濃縮するための段
階をその他の細菌生物又はその他の種類の生物の
大部分を見出すハイブリダイゼーシヨンテストに
関連して用いることができる。 以上、Legionella属のメンバーに由来する核酸
にのみハイブリダイズする核酸プローブの生産お
よび使用について詳しく述べてきたが、この実施
例および他の実施例から、上に例証せる操作法を
基にして、その他のプローブも生産できるという
ことは当業者には容易に理解できる。 そのような他のプローブを生産するために用い
る方法は、次のようである。 (1) 関心のある群のメンバーのrRNAに相補的な
標識核酸をつくる。 (2) このDNAを、プローブが特異的である生物
群に進化論的に最も近い生物群のメンバーから
のrRNAにハイブリダイズさせる。 特異的なクリテリオンにおいて、この一番近い
生物群のメンバーからのrRNAにハイブリダイズ
しない標識核酸の1部分を選択する。この部分が
関心のある生物群に特異的である。 これらの例を、次にあげる。 (a) Legionella科の菌のメンバーに由来する
rRNAとのみハイブリダイズし、他の起源の
rRNAとはハイブリダイズしない標識プローブ
の生産。 (b) Mycoplasma科の菌のメンバーに由来する
rRNAとのみハイブリダイズし、その他の起源
に由来するrRNAとは、ハイブリダイズしない
標識プローブの生産。 (c) Enterobacteriaceae科の菌のメンバーに由来
するrRNAとのみハイブリダイズし、その他の
起源に由来するrRNAとは、ハイブリダイズし
ない標識プローブの生産。 (d) 嫌気的細菌群のメンバーとのみハイブリダイ
ズし、その他の起源由来のrRNAとはハイブリ
ダイズしない、標識プローブの生産。 (e) 菌類(Fungi)のメンバーに由来するrRNA
とのみハイブリダイズし、その他の起源に由来
するrRNAとはハイブリダイズしない標識プロ
ーブの生産。 (f) Chlamydia群のメンバーに由来するrRNAと
のみハイブリダイズし、その他の起源に由来す
るrRNAとはハイブリダイズしない標識プロー
ブの生産。 (g) Mycobacteriaceae科のメンバーに由来する
rRNAとのみハイブリダイズし、その他の起源
に由来するrRNAとはハイブリダイズしない標
識プローブの生産。 (h) 生きている生物に由来するrRNAにハイブリ
ダイズする標識プローブの生産。 (i) 哺乳類に由来するrRNAとのみハイブリダイ
ズし、その他の起源のrRNAとはハイブリダイ
ズしない標識プローブの生産。 生物を検出、定量、同定するために、tRNAに
対するプローブを使用する例証的実施例 tRNAに対するプローブをrRNAに対するプロ
ーブの場合と同様に用いて、生物、そして或る場
合には、ウイルスを検出、同定、定量することが
できる。 例えば、Legionellaに特異的なtRNAに対する
プローブをLegionellaにのみ特異的なrRNAに対
するプローブに関して記載した方法と同じやり方
で生産し、用いることができる。 こうして、Legionella特異的rRNAのために、
記述した例証的実施例は、Legionella特異的
tRNAに対するプローブの例証としても役立つ。 多くのDNAおよびRNAウイルスに存在する遺
伝子は、そのウイルスに特異的であるtRNA遺伝
子を含む。 mRNA,hnRNA,snRNA又はpsRNAに特異
的なプローブを使用して、生物および細胞中ウ
イルスを検出、定量、同定する例証的実施例 mRNA,hnRNA,snRNA又はpsRNAに特異
的なプローブ、rRNAおよびtRNAの場合と同様
なやり方で用いて特異性の大きい又は小さい生物
群、細胞又は細胞中のウイルスを検出、同定、定
量することができる。 これらの種々のRNAsを生産する個々の遺伝子
の進化的保存は非常に変化するから、非常に大き
い生物クラスのメンバーを検出するプローブと、
比較的小さい生物クラスのメンバー、細胞又は細
胞中のウイルスを検出するプローブを生産するこ
とは可能である。 高度に保存されている遺伝子配列の一例は、ヒ
ストン遺伝子、真核細胞に存在する一族の遺伝子
である。ヒストンは、すべての真核細胞にある核
−構造蛋白質である。ヒストンDNA配列は、広
く異なつた生物においてさえ非常に似ている。 例えば、ウニと人とのヒストン遺伝子はよく似
ていて、ハイブリダイズし合う。特定のヒストン
mRNA又はヒストンmRNA集団に特異的なプロ
ーブは、広く異なる生物から成る大きな群のメン
バーの存在又は不存在を検出し、定量することが
できる。 細胞又は生物の検出感度は、ヒストンmRNA
量が多いと高まる。増殖するためには、細胞又は
生物はヒストンmRNAを大量に合成しなければ
ならない。 別の実施例はpsRNAを規定し、真価の過程で
保存されない或る遺伝子配列を含む。 或るタイプの生物に由来するそのような遺伝子
配列は、遠い関係の種に由来するDNAにはハイ
ブリダイズしない。 或る一つの特定のpsRNA配列又は、1生物タ
イプ又はウイルスタイプに由来する種々の
psRNA配列の集団に特異的なプローブを用いて
近い関係の生物から成る小さい群又は、細胞中の
近い関係のウイルスの小群のメンバーを検出、定
量、同定することができる。 別の実施例は、特定の細胞損傷および破壊を検
討するために体液の検査に用い得るmRNA,
hnRNA,snRNA又はpsRNAの配列(1ケ又は
複数)に特異的なプローブの開発である。 別の実施例は、特定の細胞損傷および破壊を検
討するために体液の検査に用い得るmRNA,
hnRNA,snRNA又はpsRNAの配列(1ケ又は
複数)に特異的なプローブの開発である。 或る種の病気では細胞が破壊され、細胞核酸を
含むその内容物が循環血液中にもれる。肝炎によ
る肝損傷はそのような状態の一つであり、肝細胞
からのDNAもRNAも両方共、細胞損傷の結果と
して循環血液中へ入ることが知られている。 肝細胞にのみ特徴的であり、他の正常細胞タイ
プには存在しないRNA配列(1又は複数)に特
異的なプローブを生産することができる。そのよ
うなRNAの存在はよく知られている。 それから、このプローブを用いて本文中に記載
の核酸ハイブリダイゼーシヨン法によつて血液試
料中の肝−特異的−mRNA,hnRNA,snRNA
又はpsRNAの配列を検出し、同定し、定量する
ことかできる。 血液中にあるRNAの量は細胞損傷の程度を反
映するから、肝損傷の存在およびその大きさの程
度範囲を決めることができる。 特殊なタイプの肝細胞にのみ存在する特定の
mRNA,hnRNA,snRNA又はpsRNAの配列
(1又は複数)に特異的なプローブも生産するこ
とができる。それを使つて特殊な肝細胞タイプの
損傷の結果、血液中に存在するRNA配列を検出、
定量することができる。明らかに、肝細胞中の特
異的RNA配列が豊富であればある程RNA検出感
度は高くなる。 体組織又は器官(心、腎、脳、筋肉、膵、脾
等々を含む)の損傷も、この方法で検出、定量で
きる。脊髄液および尿を含むその他の体液も、こ
れらの特異的RNAの存在をアツセイすることが
できる。 rRNAに特異的なプローブを利用し、血液又は
その他の体液について、rRNA又はtRNA配列の
存在を試験することによつて、いかなる起源の組
織損傷があるかについて有用な初期スクリーニン
グをすることができる。 存在するrRNA又はtRNAの定量は、起源を確
認することなく組織損傷の程度の大きさを示す。 核酸ハイブリダイゼーシヨンテストおよびここ
に記載されたアプローチを使用する又別の例は大
腸菌(E.coli)腸毒素蛋白質を規定するプラスミ
ド遺伝子を含む大腸菌細胞の検出および定量であ
る。 そのようなテストは、腸毒素蛋白質mRNAを
含む大腸菌の存在を検出および定量するために腸
毒素蛋白質mRNAに相補的な標識核酸プローブ
を使用することを含む。 これは、この明細書中に記載の溶液内ハイブリ
ダイゼーシヨン法を利用することによつて達せら
れる。 既述したように、核酸ハイブリダイゼーシヨン
法を用いることにより大腸菌(E.coli)腸毒素を
生産し、従つて腸毒素mRNAを含む大腸菌の存
在を検出、定量するための手段として、大腸菌腸
毒素mRNAに相補的なプローブを使用すること
は前に論じたフアルコウ等の米国特許に記載され
ているような方法に比べて著しくすぐれている。 前述のものと同じアプローチを用いて、特定の
抗生物質又はその他の抗菌剤に対する耐性を与え
る、特定の微生物の特異的遺伝産物を検出するこ
とができる。 大部分の抗生物質に対する耐性を与える遺伝子
は、ほとんど常に細胞中のプラスミドに存在す
る。生物が耐性を伝える因子に生産するために
は、その因子のための遺伝子およびその因子のた
めのmRNAが細胞中に存在しなければならない。 そこで、核酸ハイブリダイゼーシヨン法によつ
て、その因子のmRNAに特異的なプローブはそ
の因子を生産する生物を検出、同定、定量するこ
とができる。 核酸ハイブリダイゼーシヨン法によつて、例え
ば、mRNA,hnRNA,snRNA又はpsRNA配列
を含む生物、細胞又は細胞中のウイルスの特定群
を検出、同定、定量する目的でmRNA,
hnRNA,snRNA又はpsRNAの特定配列又は配
列集団に特異的な核酸プローブを使用する上記の
例は例証的であるに過ぎず、限定するものではな
い。 抗菌剤に対する微生物の感受性の測定 多数の異なる臨床的情況は、種々の細菌の抗菌
剤および抗生物質に対する感受性の測定を必要と
するV.Lorian著「Antibiotics in Laboratory
Medicine」、Williams&Wilkens社 米国バルチ
モア.1980参照)。 これらの情況は、すべての特異的微生物クラス
を検出、定量する方法を利用する。これらの情況
の多くにおいては、既述の核酸ハイブリダイゼー
シヨンテストの使用が抗菌剤感受性の測定を著し
くスピードアツプする。 試料中の生物が成長し、分割するにつれて培地
中のRNA量は増加する。生物が2倍になると培
地中にある異なるタイプのRNAの量も2倍にな
る。 こうして、生物の増殖は増殖培養開始後種々の
時間に、培地中のRNA量を測定することによつ
て、モニターできる。 RNA量が時間と共に増加すれば、それは生物
の増殖を示す。その増加の大きさは増殖の程度を
示す。増殖速度は時間あたりの増殖程度である。
rRNA、tRNA,psRNA,pstRNA、或る種の
mRANs、又はpsmRNAs、ある種のsnRNA又
はpssnRNAs又はhnRNA又はpshnRNAに対し
て特異的なプローブを、個々に、又は組み合せて
用いて生物の増殖を測定することができる。なぜ
ならば微生物が増殖するにつれて、培地中のこれ
らのRNAの各々の量が増加するからである。 完全に増殖を阻止する1種類又はそれ以上の薬
剤の存在下で増殖する特殊なカテゴリーの生物を
培養してもRNAは時間につれて増加しない。一
方、そのような薬剤で部分的に阻害される培養菌
はより遅いRNA蓄積を示す。 阻害されない培養菌は、その薬剤を含まない対
照培養菌と同じ速度のRNA増加を示す。 この一例は、臨床的喀痰試料中のヒト型結核菌
Mycobacterium tuberculosisの感受性の測定で
ある。 そのような試料を診断する第1段階は、抗酸菌
を検出するための染色用にその喀痰の直接塗沫標
本をつくることである。陽性の直接塗沫標本を得
るには、喀痰1mlにつき、最低104〜105個のヒト
型結核菌が必要であると推定される。しかし、増
殖培養法ではたつた10〜100個のこれら微生物が
回収される。 もし、その喀痰標本が塗沫陽性を示すならばそ
の標本を処理して、マイコバクテリア以外のすべ
ての細菌を殺し、処理標本の希釈物を抗菌剤を含
む寒天培地と薬剤を含まない対照寒天上で平板培
養する。 生活力のある個々の細菌は、対照寒天上ではコ
ロニーを形成するが、特定の抗菌剤を含む寒天上
では増殖が阻止される。対照寒天上の数と薬剤処
理寒天上の数に対する比が、その抗菌剤の有効性
の尺度である。 小コロニーは最低106個の細菌を含む。これは、
1ケの細菌からコロニーを形成するには最低20回
分の分割が必要であることを意味し、そして、各
分割には最低12時間かかるから、全部で240時間
又は10日間が最低必要である。大抵の場合にはコ
ロニー出現までにこの長さの2〜4倍(3〜6週
間)かかる。 Legionellaについて前に記述した方法は、抗菌
剤−感受性の測定のために必要な時間を著しく短
縮する。 Mycobacterium属のメンバーに由来する
rRNAにのみ特異的なプローブをそのようなテス
トに用いることができる。そのようなプローブを
用いれば、Legionellaについて前述したものと等
しい定量並びに検出感度を得ることができる。 加速ハイブリダイゼーシヨン条件と過剰プロー
ブ法を用いる核酸ハイブリダイゼーシヨンテスト
は、約200個のMycobacteria細胞の容易な検出を
可能にする。 rRNAが遊離してハイブリダイズするように
Mycobacteria細胞の崩壊を確実にするための段
階を加える。Mycobacteriaは、酵素−界面活性
剤溶液の存在下で容易には崩壊しない。 上述のように、最小の陽性喀痰標本(酸性染色
で測定)は、1mlにつき約104〜105個の
Mycobacteria細胞を含みそしてこれらの10〜102
個の細胞は、コロニー形成単位として検出され
る。 寒天上の薬剤感受性試験では、抗菌剤が存在し
ない対照寒天上に、40〜50個のコロニーが出現す
るのを確実にするために十分量のMycobacteria
を対照および実験寒天表面に加える。 もし、核酸ハイブリダイゼーシヨンアツセイを
用いてこれを実施すると、これは培養が約50個の
Mycobacteriaで出発し、検出可能レベルの細胞
を得るためには約3〜4個の細胞分割又は約2〜
3日かかることを意味する。 もしも、薬剤による顕著な増殖阻害がおきたな
らば、対照は陽性で、薬剤を含む培地は陰性にな
る。高感度核酸ハイブリダイゼーシヨン法の使用
は、感受性測定のために要する時間を5〜10倍短
縮することができる。 上記のものは、Legionellaについて記したよう
な核酸ハイブリダイゼーシヨンテストを抗菌剤感
受性の測定のために使用する一例である。 どんな微生物の感受性も、標準増殖法と核酸ハ
イブリダイゼーシヨンに基づく微生物アツセイと
の組み合わせを用いて測定することができる。 その上、多くの場合では、微生物に対する核酸
ハイブリダイゼーシヨンテストの特異性および感
受性のために、他の微生物および真核細胞が大過
剰に存在している場合でも、特定生物の抗生物質
感受性の測定が可能である。 同じアプローチを用いて、血液、尿その他の体
液および組織およびその他の試料中の抗微生物活
性の存在を測定できることは明らかである。 この場合、本発明核酸ハイブリダイゼーシヨン
法を用いて、もし抗菌活性がなければ増殖がおこ
るという条件下で、血液、尿又はその他の試料と
接触して置かれている特定の微生物群の増殖に、
その血液、尿又はその他の試料が与える影響をモ
ニターし定量することができる。 細胞の増殖状態を測定する方法 細胞内における蛋白合成の全体的速度を細胞あ
たりのリボソームの数によつて測定する。tRNA
合成速度もまた細胞あたりのリボソーム数に関連
する。細胞内の蛋白合成の阻害は、細胞による
rRNA合成を停止させる結果になる。実際に、何
らかの手段により細胞増殖が止まるとrRNA合成
の停止がおこり、細胞増殖をスローダウンする
と、rRNA合成はスローダウンするという結果に
なる。 合成されたばかりのrRNA分子は、リボソーム
にある成熟rRNA分子サブユニツトの集合よりも
大きい。 例えば大腸菌(E.coli)のrRNAの長さが6000
塩基対という前駆体分子として合成される。前駆
体は、それから処理を受けてrRNAサブユニツト
(合計約4500塩基)を生じる。それはその後、リ
ボソームおよび「エキストラ(extra)」又は前駆
体特異的rRNA(psrRNA)配列に組み込まれる。
これらは、結局は細胞によつて分解される。 rRNAは、増殖していない細胞中では合成され
ない。従つて、前駆体特異的rRNA配列もこれら
細胞には存在しない。この場合、多数のrRNA分
子は細胞中に存在するが、psrRNA配列は存在し
ない。 ゆつくり増殖する細胞では少量のrRNA前駆体
が合成され、少量のpsrRNAが存在する。 速く増殖する細胞では大量のrRNA前駆体が合
成され、数千のpsrRNA配列が存在する。 細胞中にpsrRNAがないのは、細胞が増殖して
いないという信号である。細胞内のPSrRNAに
対するrRNAの比は、細胞の増殖速度の指標であ
る。 抗菌剤は細胞増殖を阻害する。その薬剤によつ
て増殖を阻害されない細胞は、大量のpsrRNAを
含む。部分的に増殖を阻害される細胞では、
psrRNAはより少量存在する。rRNA:psrRNA
の比は阻害程度の尺度である。 特定の微生物群のpsrRNA配列に特異的な核酸
プローブを核酸ハイブリダイゼーシヨンテストに
用いて、特定の抗微生物剤又はそのような薬剤群
の存在および不存在下で生物が成長する場合のこ
れら微生物中のpsrRNAの存在又は不在を決定し
定量することができる。 これは、関心のある微生物群に関係のない大量
の生物が存在する場合でも可能である。 又、この核酸ハイブリダイゼーシヨン法を用い
て血液、尿その他の体液および組織およびその他
の試料中に、抗微生物活性をもつた物質が存在す
るかどうかを決定することも当然である。 この細胞増殖測定方法を用いてrRNAを合成す
るあらゆる細胞の増殖状態を決定することができ
る。上記の例はそのような方法に用いられる多く
の例の1つに過ぎない。 特定の生物群又は細胞群のpstRNA配列に特異
的なプローブを用いる方法を利用して、これら生
物又は細胞の増殖状態を決定することもできる。 又、速く増殖する生物には豊富にあり、増殖し
ないかゆつくり増殖する細胞には存在しないか少
量しかない或る種のmRNA,psmRNA,
hnRNA,pshnRNA,snRNA、又はpssnRNA
に特異的なプローブの利用に基づく方法を用いて
これら生物又は細胞の増殖状態を測定することも
できる。 例えば、速やかに増殖する細胞には、RNAポ
リメラーゼという蛋白質に対するmRNAが豊富
に、即ち1細胞あたり数百コピー存在する。増殖
していない細胞ではほんの少しのRNAが合成さ
れ、mRNAはほとんど存在しない。 上記ウイルスが細胞中で速やかに増殖している
時には豊富にあり、ウイルスが細胞にはあるが増
殖していない時にはない或る種のウイルス
mRNA又はpsmRNAに特異的なプローブの利用
に基づく方法を用いて細胞内のウイルスの増殖状
態を測定することもできる。 こうして或る特定カテゴリーに属する生物のメ
ンバーが試料中にあることがわかつている状態で
は、単一のプローブを用いて上記生物の増殖状態
を測定することができる。 例えば、その生物にpsrRNAが検出できなけれ
ば、それは増殖していない状態にある。もし
psrRNAがその生物に検出されはしたが、そこに
ある生物の数に比べて相対的に少量である場合に
は、その生物はゆつくり増殖している。もしそこ
にある生物の数に比して多量のpsRNAが検出さ
れるならば、その生物は速やかに装飾している。 特定の生物又は生物クラスの増殖状態を測定す
る又は別のアプローチは2つのプローブの利用に
基づく。その各々は、特定カテゴリーの生物に由
来するRNAにのみハイブリダイズし、1つのプ
ローブは、増殖しない生物又は細胞でも、速やか
に増殖する生物又は細胞でも大体同量前記生物中
に存在する安定RNA(rRNA又はtRNA)に特異
的である。他のプローブは速やかに増殖する細胞
には豊富にあり、増殖しない生物又は細胞には存
在しないかもしくは少量存在する特定のmRNA,
psmRNA,pstRNA,pssnRNA,hnRNA,
pshnRNA又はpsrRNA又はpsrRNA配列(1又
は複数)に特異的である。これらのプローブは、
それぞれに特異的で試料中に存在するRNA量を
検出、同定及び定量するために用いられる。これ
らのRNAの量比は、その生物又は細胞の増殖状
態の指標を示す。 本発明の特定の実施例として、試料中に存在す
るrRNAおよびpsrRNAを検出、同定、定量する
ために2種のプローブを使用する。一方のプロー
ブは特定のカテゴリーの生物又は細胞のrRNAに
特異的であり、他方のプローブは同一カテゴリー
の生物又は細胞のpsrRNAに特異的である。 試料中にあるpsRNA:rRNAの量の比は、そ
の生物又は細胞の増殖状態の指標である。速やか
に増殖する細胞ではpsrRNAの数千のコピーがあ
りpsrRNA/rRNAの比は最大である。ゆつくり
増殖する細胞では比較的少量のpsrRNAがあり、
psrRNA/rRNAの比はずつと小さくなる。 増殖していない細胞ではpsrRNAはない筈であ
り、psrRNA/rRNAの比は最小である。 この同じ2プローブ法は、上記のプローブの異
なる種々の組合わせで用いられる。プローブで検
出される前記の特殊のカテゴリーのメンバーでは
ない生物又は細胞の存在下で行われ得る。 ここに述べた特殊カテゴリーの生物の増殖状態
を測定するための方法の明白な応用は、血液、尿
その他の体液又は組織又はその他の試料中の抗菌
剤の存在を決定するために、又、特定の抗菌剤又
はそのような薬剤群に対する、特定カテゴリーの
生物の感受性を決定するためにこれらの方法を使
用することである。 例えば、特定の薬剤によつて増殖を完全に阻害
される細菌は最小のpsrRNA/rRNA比をもつ。 ウイルスの検出、同定および定量 特定のウイルス又はウイルス群が試料中にある
かどうかを速やかに決定できることは、しばしば
重要である。これは、ここに記載の核酸ハイブリ
ダイゼーシヨンテストにより達せられる。 (a)溶液内ハイブリダイズに使える核酸を速くつく
る方法、(b)核酸ハイブリダイズの速度を著しく促
進する方法、(c)ハイブリダイズしたプローブの存
在をアツセイする迅速な方法を組み合わせた迅速
な核酸ハイブリダイゼーシヨンテストが、関心の
ウイルス群に相補的な核酸プローブの使用によつ
て試料中にあるDNA又はRNAウイルス群の検
出、同定および定量に直接応用できる。 その上、そのようなウイルスアツセイ法を用い
て特定の抗ウイルス剤の効力を測定したり、血
液、尿およびその他の試料中の抗ウイルス活性の
存在を測定することができる。 生物の食細胞の検査によつて微生物感染を検出す
る方法 上述のrRNAに特異的な核酸ハイブリダイゼー
シヨンテストの特徴である検出の極端に高い感受
性および特異性は、微生物診断用の適切な臨床標
本を得ることに関しておこる問題に簡単な解決を
与える。 多くの場合、白血球(以後WBCと記す)フラ
クシヨンを含む簡単な血液テスト試料で十分であ
る。 このWBCアプローチを用いる一つのやり方は、
まず、WBC試料をすべての細菌群のメンバーか
ら分離したrRNAにハイブリダイズし、その他の
起源に由来するrRNAには、ハイブリダイズしな
い標識プローブとハイブリダイズさせることであ
る。そのようなプローブは、どんな細菌にとつて
も一般的スクリーニング手段として役立つ。 細菌rRNAにポジテイブである試料は、それか
ら更にその存在する細菌を同定するために、その
他のプローブで段階的にアツセイを受ける。 例えば、エンテロバクター(Enterobacter)
科のメンバー由来のrRNAにはハイブリダイズす
るが、その他のあらゆる起源に由来するrRNAに
はハイブリダイズしないプローブを用いてエンテ
ロバクター(Enterobacter)菌を検出又は除外
することができる。一方、嫌気菌のrRNAにのみ
特異的なプローブは、嫌気菌を見出すために用い
られる。 上記の例証は、核酸ハイブリダイゼーシヨンに
よつて微生物感染を速やかに診断するための最初
の臨床試料としてWBCを用いる多くの可能な方
法の中の一つに過ぎない。例えば、診断のために
は、患者の臨床症状によつてプローブの異なる組
み合わせが用いられる。 以下に列挙する出版物は、本発明の種々の面と
関係があるので、開示の一部としてかかげる。 1 Repeated Sequences in DNA,R.J.
Britten and D.E.Kohne,Science(1968)161
p529。 2 Kinetics of Renaturation of DNA,J.G.
Wetmur and N.Davidson,J.Mol.Biol.
(1968)31 p349。 3 Hydroxyapatite Techniques for Nucleic
Acid Reassociation,D.E.Kohne and R.J.
Britten,in Procedures in Nucleic Acid
Research(1971),eds Cantoni and Davies,
Harper and Row,Vol,,p500。 4 Hybridization of Denatured RNA and
Small Fragments Transferred to
Nitrocellulose,P.S.Thomas,Proc.Natl.
Acad Sci.USA(1980)77 p5201。 5 DNA−DNA Hybridization on
Nitrocellulose Filters General
Considerations and Non−Ideal Kineteics,
Wur.J.Biochem.(1974)47p535。 6 Assay of DNA−DNA Hybrids by S1
Nuclease Digestion and Adsorption to
DEAE−Cellulose Filters,I.Maxwell et
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p2033。 7 Molecular cloning,A Laboratory
Manual,T.Maniatis et al.,Cold Spring
Harbor Publication,(1982)。 8 Efficent Transcription of RNA into
DNA by Avian Sarcoma Virus
Polymerase,J.Taylor et al.,Biocimica
et Biophys.Acta(1976)442 p324。 9 Use of Specific Radioactive Probes to
Study Transcription and Replication of
the Influenze Virus Genome,J.Taylor et
al.,J.Virology (1977)21 #2 p530。 10 Virus Detection by Nucleic Acid
Hybridization:Examenation of Normal
and ALs Tissue for the Presence of
Poliovirus,D.Kohneet al.,Journal of
General Virology(1981)56 p223−233。 11 Leukemogenesis by Bovine Leukemia
Virus,R.Kettmann et al.,Proc.Natl.
Acad.Sci.USA(1982)79 #8 p2465−
2469。 12 Prenatal Diagnosis of a Thalassemia:
Clinical Application of Molecular
Hybridization,Y.Kan et al.,New
England Journal of Medicine(1976)295
#21 p1165−1167。 13 Gene Deletions in a Thalassemia
Prove that the 5′ Locus is Functional,L.
Pressley et al.,Proc.Natl,Acad,Sci.
USA(1980) 77 #6 p3586−3589。 14 Use of Synthetic Oligonucleotides as
Hybridization Probes,S.V.Suggs et al.
Proc.Natl.Acad.Sci,USA(1981)78p6613。 15 Identification of Enterotoxigenic E.coli
by Colony Hybridization Using 3
Enterotox in Gene Probes,S.L.Mosely et
al.,J.of Infect.Diseases(1982)145 #6
p863。 16 DNA Reassociation in the Taxonomy of
Enteric Bacteria,D.Brenner,Int.J.
Systematic Bacteriology (1973)23 #4
p298−307。 17 Comparative Study of Ribosomal RNA
Cistons Enterobacteria and Myxobacteria,
R.Moore et al.,J.Bacteriology(1967)94
p1066−1074。 18 Ribosomal RNA Similarities in the
Classification of Rhodococcus and Related
Taxa,M.Mordarski et al.,J.General
Microbiology(1980) 118 p313−319。 19 Retention of Common Nucleotide
Sequences in the Ribosomal RNA DNA of
Eukaryotes and Some of their Physical
Characteristics,J.Sinclair et al.
Biochemistry(1971)10 p2761。 20 Homologies Among Ribosomal RNA
and Messenger RNA Genes in
Chloroplasts,Mitochondria and E.coli
H.Bohnert et al.,Molecular and General
Genetics(1980)179p539−545。 21 Heterogeneity of the Conserved
Ribosomal RNA Sequences of Bacillus
subtilis,R.Doe et al.,J.Bacteriology
(1966)92 #1 p88。 22 Isolation and Characterization of
Bacterial Ribosomal RNA Cistrons,D.
Kohne,Biophysical Journal(1968) #10
p1104−1118。 23 Taxonomic Relations Between
Archaebacteria Including 6 Novel
Genera Examined by Cross Hybridization
of DNAs and 16S R−RNAs,J.Tu et
al.,J.Mol.Evol.(1982)18p109。 24 R−RMA Cistron Homologies Among
Hypohomicrobium and Various Other
Bacteria,R.Moore,Canadian J.
Microbiology(1977) 23 p478。 25 Conservation of Transfer RNA and 5S
RNA Cistrons in Enterobacteriaceae,D.J.
Brenner et al.,J.Bacteriology Vol 129
#3(Mar1977)p1435。 26 Sequence Homology of Mitochondrial
Leucul−tRNA Cistron in Different
Organisms,S.Jakabcic et al.
Biochemistry Vol.14 #10(May 20.1975)
p2037。 27 Synthetic Deoxyoligonucleotides as
General Proves for Chloroplast t−RNA
Genes,J.A.Nikoloff and R.B.Hallick,
Nucleic Acids Research,Vol.10 #24
(1982)p8191−8210。 28 Antibiotics in Laboratry Medicine,V.
Lorianeed,Williams and Wilkens
(Baltimore/London)1980)。 29 Diagnostic Microbiology,Finegold and
Martin,Editors,C.V.Mosby Co.(St.Louis)
1982。 30 Spotbolt:A Hybridization Assay for
Specific DNA Sequences in Multiple
Samples,M.Cunningham,Analytical
Biochemistry Vol.128(1983) p415。 31 (29)Analysis of Repeating DNA
Sequences by Reassociation,R.Britten et
al.,in:Methods in Enzymolozy
,page 363,Eds.Grossman and Moldave,
Academic Press,New York(1974) 32 Studies on Nucleic Acid Reassociation
Kinetics:Retarded Rate of Hybridization
of RNA with Excess DNA,G.Galau et
al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA Vol.74 #6
(1974) p2306。 33 Acceleration of DNA Renaturation
Rates,J.Wetmur,Biopolymers Vol.14
(1975) p2517。 34 Room Temperature Method for
Increasing the rate of DNA Reassociation
by Many Thousandfold:The Phenol
EmulsionReassociation Technique,D.
Kohne et al. Biochemistry Vol.16 #24
(1977) p5349。 35 Molecular Biology,D.Freifelder,
Science Books International(Baston)Van
Nostrand Reinhold Co.(New York)1983。 36 Gene Expression2,B.Lewin,J.Wiley&
Sons,Wiley−Interscience Publication
(1980)New York。 37 Gene Expression 1,B.Lewin,Wiley&
Sons,Wiley−Interscience Publication
(1974)New York。 明細書および請求の範囲中に用いられている用
語の定義を、次に記す。 用語の定義 塩基:下記ヌクレオチドの項参照。 不適性塩基対:下記不完全相補的な塩基配列の項
参照。 塩基配列(ヌクレオチド配列又は遺伝子配列又は
ポリヌクレオチド配列又は1本鎖核酸配列): 複数の塩基から成るDNA又はRNA分子。 相補的塩基対: 或る塩基は、互いに化学的親和性を有し、対を
形成する。この場合、塩基は互いに相補的である
という。相補的塩基対は、DNAではA:Tと
G:C、RNAではA:Uである。 相補的鎖又は相補的塩基配列: 完全に相補的な核酸分子とは、1分子中の各塩
基が他の鎖中の相補的な塩基と対になつて、安定
な2重らせん分子を形成する核酸分子をいう。そ
の個々の鎖を相補的鎖という。 クリテリオン: 最も正確には、2本鎖核酸の融解温度と、ハイ
ブリダイゼーシヨンが行われる温度との差と定義
される。2本鎖核酸の融解温度は、主として、溶
液の塩濃度によつて定まる。クリテリオンは、2
本の1本鎖が安定な2本鎖分子を形成するために
必要な相補性の程度を定める。クリテリオンは、
ストリンジエントであるとか、ストリンジエント
ではない、と記載される。高度にストリンジエン
トなクリテリオンでは、2本の相互作用する相補
的配列が高度に相補的であつて、安定な2本鎖分
子が形成されることが要求される。ストリンジエ
ントでないクリテリオンとは、比較的似ていない
相補的鎖が相互に作用して2本鎖分子を形成する
ことを可能とするクリテリオンである。高度なス
トリンジエントでは、2本鎖分子中に少量の不適
性塩基対の存在しか許されない。あまりストリン
ジエントでないクリテリオンでは、ハイブリダイ
ゼーシヨン産物中に多量の不適性塩基対が許され
る。 核酸の変性又は解離: 2本鎖核酸分子中の塩基対間の結合が切れ、2
本の1本鎖分子を生成し、これらがその後拡散し
て互いに離れる。 2本鎖核酸: 細胞中でみられるように、大部分のDNAは2
本鎖の状態にある。DNAは、らせん状に互いに
巻きついた2本のDNA分子又は鎖から成る。塩
基は内側に向き合つて、互いに、別の鎖の相補的
塩基に特異的に結合する。例えば、1本の鎖のA
は常に他の鎖のTと対になり、1本の鎖のGは他
の鎖のCと対になる。細菌細胞では、2本鎖分子
は約5×106塩基対の長さである。この分子の1
本の鎖の塩基の各々は、他の鎖のそれに相補的な
塩基と対になる。個々の2本鎖分子の塩基配列は
相補的鎖と称される。 ハイブリダイゼーシヨン:下記核酸ハイブリダイ
ゼーシヨンの項参照。 不完全相補的な塩基配列(不適性塩基対): 2本の鎖の間で安定な2本鎖分子が形成される
が、一方の鎖のある塩基部分が、他の鎖の非相補
的塩基と対になつている場合をいう。 標識プローブ又は標識配列: 核酸ハイブリダイゼーシヨンによつて他の核酸
を検出するのに用いる1本鎖核酸分子。プローブ
分子は、特異的に検出され得るように標識されて
いる。これは、特定の標識分子を核酸に取り込ま
せるとか、特定の標識を核酸に結合させることに
よつて達せられる。 最も有効なプローブは、それ自身はハイブリダ
イズしないが、検出すべき核酸が存在する場合の
みハイブリダイズすることのできる、標識した1
本鎖核酸配列である。非常に多種類の異なる標識
が使える。これらの中には、放射性物質、蛍光物
質、および化学発光物質などが含まれる。 核酸ハイブリダイゼーシヨン又はハイブリダイゼ
ーシヨン(再対合又は復元): 2本鎖分子の2本の鎖間の結合が切れて、2本
の1本鎖が互いに完全に分離することがある。適
当な条件下では、これらの相補的な1本鎖は衝突
し、互いを認識し、2重らせん分子を再形成し得
る。このような相補的1本鎖分子から2本鎖分子
が形成されるプロセスを核酸ハイブリダイゼーシ
ヨンという。核酸ハイブリダイゼーシヨンは、部
分的に相補的なRNAおよびDNAの1本鎖間でも
おこり得る。 ヌクレオチド、ヌクレチオド塩基又は塩基: 大部分のDNAは、たつた4種類の窒素含有塩
基の配列から成る。即ちアデニンA、チミンT、
グアニンG、シトシンCである。これらの塩基が
組み合わさつて遺伝アルフアベツトを形成し、そ
れらの長い規則正しい配列は、遺伝暗号の形で遺
伝子情報を数多く含む。大部分のRNAもまた4
種類だけの塩基の配列から成る。しかし、RNA
ではチミンの変わりにウリジンUが入る。 再対合:上記核酸ハイブリダイゼーシヨンの項参
照。 復 元:上記核酸ハイブリダイゼーシヨンの項参
照。 リボソームRNAすなわちrRNA: シボソーム中にあるRNA。ほとんどすべての
リボソームは、3種類の1本鎖RNAサブユニツ
トを含む。その1つは大きく、1つは中位で、1
つは小さい。 リボソーム: 蛋白合成に必要な細胞内粒子(RNAと蛋白質
とを含む)。ウイルス以外のすべての生命体はリ
ボソームを含む。 rRNA DNA又はrRNA遺伝子: リボソームRNAをコードするDNA中の塩基配
列。各rRNAサブユニツトは別個の遺伝子によつ
てコードされる。 rRNAプローブ: rRNAに相補的で、rRNAにハイブリダイズし
て安定な2本鎖分子を形成する標識核酸配列。 mRNA: mRNAは、特定の蛋白質を規定するのに必要
な上方を含む直接の遺伝産物である。細胞の機序
によつて、mRNAの配列が特定の蛋白質に変換
される。各細胞には多くの異なるmRNAが存在
する。 hnRNA: 真核細胞の核中に存在するRNA配列の複雑な
一群であつて、前駆体mRNA分子を含む。殆ど
のhnRNA配列は核からでることはない。これら
の分子の大部分は機能がわかつていない。 snRNA: 主として真核細胞の核中にて大量に存在する比
較的安定な小さい核RNAの一群。 前駆体RNA: 原核生物及び真核生物における多くのRNA分
子は大きいRNA分子の一部として合成され、そ
れから種々のタイプの成熟RNA分子とその他の
より小さい配列(これは明らかにすてられる)が
形成される。 前駆体特異的RNA(psRNA): 前駆体mRNA,tRNA,rRNA,snRNA,
hnRNAに存在し、成熟rRNA、tRNA、
mRNA、snRNA、およびhnRNA分子には存在
しないRNA配列。 2本鎖核酸分子の熱安定性: 熱安定性、すなわち2本鎖分子集団の半分が1
本鎖形に変化する融解温度。 制限酵素: 異種核酸に対する制限−修飾細胞防御システム
の成分。これらの酵素は、非修飾(例えばメチル
化)2本鎖DNAをある一点で、二重対称を示す
特定配列のところで切断する。 トランスフアーRNA(tRNA): 蛋白合成が行われている間、個々のアミノ酸は
種々の特異的アダプター分子すなわちtRNA分子
によつて正しい順序に並ばされる。各アミノ酸
は、異なるtRNA種によつて配列させられる。 以上本発明を詳細に例を挙げて説明したが、こ
の発明の精神に反することなく、種々の変更、同
等物および別法の使用が可能であり、そのような
変更、同等物および別法のすべては、添附の請求
の範囲内に含まれることは明らかである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 試料中の非ウイルス性生物を、核酸プローブ
    を用いた核酸ハイブリダイゼーシヨンにより検
    出、同定または定量する方法において、当該核酸
    プローブが、非ウイルス性生物または生物群の(a)
    rRNAもしくはtRNAまたは(b)rRNAもしくは
    tRNAをコードするDNAの2本鎖のうちのいず
    れか1本の、当該生物または生物群に特異的な部
    分配列に相補的であることを特徴とする前記方
    法。 2 (a) 該核酸プローブを試料と混合し、 (b) 得られた混合物をハイブリダイゼーシヨン条
    件下で、ハイブリツドを形成させるのに必要な
    時間インキユベートし、 (c) 該ハイブリツドを測定する ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    方法。 3 該非ウイルス性生物が微生物であることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に記
    載の方法。 4 非ウイルス性生物または生物群の(a)rRNAも
    しくはtRNAまたは(b)rRNAもしくはtRNAをコ
    ードするDNAの2本鎖のうちのいずれか1本の、
    当該生物または生物群に特異的な部分配列に相補
    的である核酸プローブを含んでいることを特徴と
    する、試料中の非ウイルス性生物を該核酸プロー
    ブを用いた核酸ハイブリダイゼーシヨンにより検
    出、同定または定量するためのキツト。 5 該非ウイルス性生物が微生物であることを特
    徴とする特許請求の範囲第4項に記載のキツト。
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