JPH057615Y2 - - Google Patents

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JPH057615Y2
JPH057615Y2 JP10150484U JP10150484U JPH057615Y2 JP H057615 Y2 JPH057615 Y2 JP H057615Y2 JP 10150484 U JP10150484 U JP 10150484U JP 10150484 U JP10150484 U JP 10150484U JP H057615 Y2 JPH057615 Y2 JP H057615Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、直流安定化電源の過電流保護回路に
関し、更に詳しくは、過電流検出時に出力電圧が
比較的高い間は定電流特性で、また出力電圧が低
くなるとフの字形特性で、更に出力電圧が低くな
ると再び定電流特性で垂下するような変形フの字
形の出力電圧−出力電流特性を呈する過電流保護
回路に関するものである。
[従来の技術] 安定化電源においては、過負荷になると主回路
の負担が増大し、そのままでは破損に至る虞れが
生じる。特に定電圧電源の場合には、その機能に
より出力短絡時のような過負荷状態においても定
電圧出力を維持すべく作用するため過大な電流が
流れることになる。そこで過負荷時における過大
な電流を防止するための過電流保護回路が設けら
れている。
従来の過電流保護回路としては、通常、第1図
Aに示すような定電流特性(電流制限型)かある
いは第1図Bに示すような「フの字」特性(電流
遮断型)のいずれかの出力電圧−出力電流特性を
呈するような回路構成が採られていた。
[考案が解決しようとする問題点] しかしながらこのような定電流形もしくはフの
字形の出力電圧−出力電流特性を呈する従来の過
電流保護回路には次のような問題点があつた。ま
ず定電流垂下特性を呈する過電流保護回路の場合
には、過負荷時における電力損失が非常に大き
く、半導体の使用状態にかなりの無理が生じ、長
時間の短絡事故に対して装置の信頼性が著しく低
下する虞れがあるという欠点があり、大出力容量
の電源装置には適用できないということである。
これに対してフの字形特性を呈する過電流保護
回路の場合には、負荷が抵抗性であれば全く問題
がないが、容量性の場合(例えば半導体回路はこ
れに該当し、特に典型的なものとしてはICメモ
リ装置等がある)には電源投入時に出力が立ち上
がらないことがあるとつた問題が生じる。また特
に低電圧となつた場合(出力が短絡に近い状態に
なつた場合)には、使用している部品の特性上の
ばらつき等により第1図Bの破線で示すようない
ろいろなカーブを呈するため短絡電流を規定でき
ないし、また発振のパルス幅が狭くなるため異常
発振、間欠発振が生じ動作が非常に不安定となる
という欠点もある。
本考案の目的は、このような従来技術の欠点を
解消し、出力短絡時等のような低電圧時において
も内部電力損失が比較的少なく、短絡電流を正確
に規定でき、容量性負荷に対しても電源をスムー
ズに立ち上がらせることができるし、しかも低電
圧出力時における不安定状態を無くすることがで
き、直流安定化電源の信頼性を大幅に向上させる
ことができるようなユニークな過電流特性(出力
電圧−出力電流特性)を呈する過電流保護回路を
提供することにある。
[問題点を解決するための手段] このような目的を達成することのできる本考案
は、出力電流に比例した信号を検出する電流検出
部と、基準電圧発生部と、それら双方の出力を比
較増幅し電源の出力制御部に供給する増幅器とを
備えた直流安定化電源の過電流保護回路におい
て、特に該増幅器の一方の入力(基準電圧)を生
じる基準電圧発生部の構成に工夫を加えたもので
ある。
即ち、本考案における過電流保護回路の基準電
圧発生部は、出力電圧を分圧する第1,第2,第
3の抵抗からなる分圧抵抗回路と、第2,第3の
抵抗の直列接続に対して並列に接続された第1の
定電圧素子と、電源電圧が印加される抵抗と前記
第1の定電圧素子より低い定電圧特性を有する第
2の定電圧素子とを直列に接続した定電圧回路
と、前記第2,第3間の抵抗の接続点の電圧と第
2の定電圧素子の端子電圧のうち絶対値の大きい
方の電圧を選択して出力する選択回路とから構成
される。そしてこのような基準電圧発生部を用い
ることによつて、電源の出力電圧が高い間は定電
流特性で、出力電圧が低くなるとフの字形特性、
その後再び定電流特性で垂下する変形フの字形の
出力電圧−出力電流特性を呈するように工夫した
ものである。
[実施例] 以下、図面に基づき本考案について更に詳しく
説明する。第2図は本考案の基本構成を示す説明
図である。本考案にかかる直流安定化電源1の過
電流保護回路は、出力電流に比例した信号を検出
する電流検出部2と、基準電圧発生部とそれら双
方の出力を比較増幅し出力制御部3に供給する増
幅器4とから構成される。
ところで基準電圧発生部は、電源の出力電圧
VOUTを分圧する第1,第2,第3の3個の分圧
抵抗R1,R2,R3からなる分圧抵抗回路5と、前
記第2,第3の抵抗R2,R4の直列接続に対して
並列に接続された第1の定電圧素子(この実施例
ではツエナーダイオード)ZD1と、電源電圧VCC
が印加される抵抗R4と前記第1の定電圧素子ZD1
の定電圧値VZD1より低定電圧特性を有する第2の
定電圧素子(この実施例ではツエナーダイオー
ド)ZD2とを直列に接続した定電圧回路6と、前
記第2,第3の抵抗R2,R3間の接続点の電圧VA
と第2の定電圧素子ZD2の端子電圧VZD2のうち絶
対値の大きい電圧を選択して出力する選択回路7
とから構成される。ここで出力電圧VOUTは、直
流安定化電源1から負荷側に供給される出力電圧
であり、電源電圧VCCは、電源回路の動作に無関
係に常時生きている電圧である。このように分圧
抵抗回路5には出力電圧VOUTを印加し、定電圧
回路6には電源電圧VCCを印加する点に本考案の
一つの大きな特徴がある。
なお、定電圧素子として本実施例に記載されて
いるように、ツエナーダイオードを用いるのが最
も一般的であるが、所定の定電圧特性を呈しうる
ものであればどのようなものでも使用可能であ
り、低電圧の場合には例えばダイオードを複数個
直列に接続したような定電圧回路を用いてもよ
い。電流検出部2における過電流の検出は、抵抗
検出法によつてもよいし、電流変換器(CT)検
出法によつてもよい。更に選択回路7は、図示の
如く、例えば2個のダイオードのカソードを共通
に接続したダイオード・オア回路等により簡単に
構成することが可能である。
このように構成された過電流保護回路は次に述
べるように動作する。第3図は、この過電流保護
動作時の出力電圧−出力電流特性線図を示すもの
である。正常動作時には、直流安定化電源1から
の出力電圧VOUTは規定出力電圧値EOであり、負
荷側(図示せず)に出力が供給されている。ここ
で何らかの原因により負荷に過電流が流れ過電流
保護回路が動作したとすると、まず出力電圧
VOUTが規定出力電圧値EOから低下しはじめる。
出力電圧が低下しはじめる点(過電流保護動作の
開始点)は、第1の定電圧素子ZD1のツエナー電
圧VZD1と分圧抵抗回路5中の2個の抵抗R2,R3
の分圧比によつて決まる。
さて、出力電圧VOUTが多少低下しても、分圧
抵抗回路5の第1,第2の抵抗R1,R2間の接続
点の電圧VBは、第1の定電圧素子ZD1で規定され
ているため一定であり、それ故、第2,第3の抵
抗R2,R3の接続点の電圧VAも一定に保たれる。
次に、出力電圧VOUTがさらに低下して第1の
定電圧素子ZD1のツエナー電圧VZD1より低くなる
と、該第1の定電圧素子ZD1はオフ(非導通)状
態となる。それ故、電圧VAは第1,第2の抵抗
R1,R2と第3の抵抗R3とで出力電圧VOUTを分圧
した形となるため、徐々に低下していく。ところ
で、電源電圧VCCは生きており第2の定電圧素子
ZD2の端子電圧VZD2は一定だから、分圧抵抗回路
5の第2,第3の抵抗R2,R3間の接続点の電圧
VAがこのツエナー電圧VZD2よりも大きい期間は
分圧抵抗回路5からの出力が選択回路7で選択さ
れて増幅器4の一方の入力に印加されることにな
る。従つて第3図に示すように、出力電圧VOUT
が低下しても出力電流は一定に保たれ(同図aで
示す部分参照)、定電流特性で垂下し、その後、
出力電圧VOUTが第1の定電圧素子ZD1のツエナー
電圧VZD1以下になると、該出力電圧VOUTが低下す
るにつれて出力電流も低下するという所謂「フの
字」形特性(電流遮断型特性)を呈する(同図b
で示す部分参照)。出力電圧VOUTがさらに低下し
て分圧抵抗回路5の第2,第3の抵抗R2,R3
の接続点の電圧VAが第2の定電圧素子ZD2ツエ
ナー電圧VZD2より低くなると、今度はツエナー電
圧VZD2が選択されて選択回路7から増幅器4に印
加される、そのため、それ以降出力電圧VOUT
低下しても出力電流は変わらず定電流特性で垂下
することになる(同図cで示す部分参照)。
[考案の効果] 本考案は、上記のように構成した過電流保護回
路であり、過電流保護機能が動作したとき、直流
安定化電源の出力が高い間は定電流特性で、その
後フの字形特性、更に出力電圧が低くなると定電
流特性となるような出力電圧−出力電流特性を呈
し、また定電流特性の領域を任意に設定すること
ができるため、出力短絡時等の過負荷時における
内部損失が少なく、ICを多用した装置のような
容量性負荷に対してもスムーズに電源を立ち上が
らせることができるし、低電圧時の不安定領域を
無くすことが可能であり、いままでどうしても過
電流保護を定電流特性としてしか設計しにくかつ
た小容量電源にもフの字形特性を導入できるなど
数々のすぐれた効果を奏しうるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図A,Bはそれぞれ従来の過電流保護回路
の出力電圧−出力電流特性線図、第2図は本考案
の基本構成を示す説明図、第3図はそれによる出
力電圧−出力電流特性線図である。 1……直流安定化電源、2……電流検出部、3
……出力制御部、4……増幅器、5……分圧抵抗
回路、6……定電圧回路、7……選択回路、R1
R2,R3,R4……抵抗、ZD1……第1の定電圧素
子、ZD2……第2の定電圧素子。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 出力電流に比例した信号を検出する電流検出部
    と、基準電圧発生部と、それら双方の出力を比較
    増幅し電源の出力制御部に供給する増幅器とを備
    えた直流安定化電源の過電流保護回路において、
    前記基準電圧発生部は、出力電圧を分圧する第
    1,第2,第3の抵抗からなる分圧抵抗回路と、
    第2,第3の抵抗に対して並列に接続された第1
    の定電圧素子と、電源電圧が印加される抵抗と前
    記第1の定電圧素子より低い定電圧特性を有する
    第2の定電圧素子とを直列に接続した定電圧回路
    と、前記第2、第3間の抵抗の接続点の電圧と第
    2の定電圧素子の端子電圧のうち絶対値の大きい
    方の電圧を選択して出力する選択回路とからな
    り、電源の出力電圧が高い間は定電流特性で、出
    力電圧が低くなるとフの字形特性、更には定電流
    特性で垂下するようにした過電流保護回路。
JP10150484U 1984-07-05 1984-07-05 過電流保護回路 Granted JPS6116619U (ja)

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