JPH0568215U - 水田作業車輌におけるオートリターン操作装置 - Google Patents

水田作業車輌におけるオートリターン操作装置

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JPH0568215U
JPH0568215U JP1932992U JP1932992U JPH0568215U JP H0568215 U JPH0568215 U JP H0568215U JP 1932992 U JP1932992 U JP 1932992U JP 1932992 U JP1932992 U JP 1932992U JP H0568215 U JPH0568215 U JP H0568215U
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valve
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valve drive
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博 平井
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MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
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MITSUBISHI NOUKI KABUSHIKI KAISHA
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Abstract

(57)【要約】 【目的】オートリターンを円滑かつ確実に行うと共に、
組立時の作業性を向上させる。 【構成】作業部を昇降するための油圧を制御するカム板
22を、プレート21に回動自在に装着する。ロッド本
体52とボルト51とナット51cとピン53とによっ
てオートリターンロッド52を構成し、このロッド52
をプレート21に固着したプレート50によって移動自
在に支持し、ピン53をカム板22に係合する。作業部
と伴って上昇するリンク8bのラグ8cが上昇するとこ
れがボルト51を押圧し、ピン53がカム板22をリタ
ーン方向に回転駆動する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、乗用田植機等の水田作業車輌に係り、詳しくは油圧を制御して植付 部等の作業部を上昇させ、この上昇が所定高さに達したら作業部を停止して中立 位置に固定するための水田作業車輌におけるオートリターン操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、乗用田植機は、枕地において回行する際、運転席に配置した操作レバ ーを操作して、植付部(作業部)を昇降操作する。
【0003】 操作レバーの基端部には、この操作レバーと一体となって動作するバルブ駆動 プレートが走行機体のベース部材に対し回動自在に装着されている。バルブ駆動 プレートは、油圧バルブを操作するものであり、これにより、植付部を昇降する ための油圧シリンダ装置に供給する油圧をコントロールする。例えば植付動作中 は、操作レバーをオートの位置にセットし、田面の多少の凹凸があっても植付動 作が確実に行われるようにする。そして枕地での回行時には、操作レバーを上げ て、上げ位置にセットする。これにより、油圧シリンダへの供給油圧を高め、植 付部を田面から離して上昇させ、乗用田植機の円滑な回行を実現している。
【0004】 このような乗用田植機には、普通、オートリターン操作装置が装備されている 。植付部が適当な位置まで上昇したら、その上昇を停止し、さらに、植付部が不 要に上下しないようにこれを中立位置に保持するものである。
【0005】 この機構は次の通りである。植付部の上昇をリンク機構によって行っている場 合には、例えばリンク機構の一部とバルブ駆動プレートとをリンク等の複数の連 結部材によって連結し、植付部の上昇に伴うリンク機構の上昇をこれら複数の連 結部材を介してバルブ駆動プレートに伝達し、バルブ駆動プレートをリターン方 向に回転駆動する。これにより、油圧バルブを閉じて油圧シリンダ装置に対する 油圧の供給を停止し、植付部を中立位置に固定すると同時に、操作レバーを上げ 位置から中立位置にまで戻すものである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上述従来例によると、リンク機構の上昇をバルブ駆動プレートに伝達 する機構が、複数の連結部材を組み合わせて複雑に構成されていることに基づき 、これらの部材に連結ガタや、撓みが生じて、リンク機構の動きをダイレクトに バルブ駆動プレートに伝達するのが難しく、バルブ駆動プレートのリターン動作 を確実に行うのが困難であるという問題があった。
【0007】 更に、複数の連結部材を、バルブ駆動プレート及びリンク機構の組立後に組み 付けなければならず、組立作業の煩雑さを招いていた。
【0008】 そこで、本考案は、リンク機構の動きを単純形状のロッドによってバルブ駆動 プレートに伝達し、しかもこのロッドをバルブ駆動プレートを支持しているベー ス部材によって共通に支持する構成とすることにより、上述課題を解決した水田 作業車輌におけるオートリターン操作装置を提供することを目的とするものであ る。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上述事情に鑑みてなされたものであって、走行機体(5)と作業部 (10)との間に、該作業部(10)を昇降自在に支持するリンク機構(8a, 8b)を介装し、該リンク機構(8a,8b)を作動させる油圧シリンダ装置( 16)に対する油圧を制御することで前記作業部(10)に昇降動作を行わせて なる水田作業車輌(1)において、前記走行機体(5)のベース部材(21)に バルブ駆動プレート(22)を回動自在に装着し、該バルブ駆動プレート(22 )と一体動作する操作レバー(20)を揺動操作することによって油圧バルブ( 23)を操作し、前記油圧シリンダ装置(16)に対する油圧を制御して、前記 作業部(10)を上昇し、下降し、固定し、作業位置に保持するとともに、前記 バルブ駆動プレート(22)と前記リンク機構(8a,8b)との間に、前記作 業部(10)の上昇とともに上昇する前記リンク機構(8a,8b)の押圧部( 8c)が一端部を押圧することで他端部が前記バルブ駆動プレート(22)をリ ターン方向に回転駆動して、該バルブ駆動プレート(22)を前記作業部(10 )の上昇動作に対応する上げ位置から前記作業部(10)の固定に対応する中立 位置へ移動させるオートリターンロッド(52)を介装し、該オートリターンロ ッド(52)を、前記ベース部材(21)に移動自在に支持してなる、ことを特 徴とする。
【0010】 この場合、前記リンク機構(8a,8b)の押圧部(8c)の昇降動作と、前 記オートリターンロッド(52)の移動動作と、前記バルブ駆動プレート(22 )の回動動作とが、前記走行機体(5)の前後方向のほぼ同一鉛直面内で行われ るように、前記押圧部(8c)、オートリターンロッド(52)、バルブ駆動プ レート(22)を配置するように構成すると好ましい。
【0011】
【作用】
以上構成に基づき、操作レバー(20)を介してバルブ駆動プレート(22) を上げ位置に回転駆動すると、油圧バルブ(23)の油圧が油圧シリンダ装置( 16)に供給されて、リンク機構(8a,8b)を作動し作業部を上昇させる。
【0012】 一方、オートリターンロッド(52)は、バルブ駆動プレート(22)を回動 自在に支持しているベース部材(21)によって移動自在に支持されている。そ してリンク機構(8a,8b)には、その上昇に伴って上昇する押圧部(8c) が形成されていて、この押圧部(8c)が、オートリターンロッド(52)の一 端部を押圧し、他端部を押し出す。この他端部によって、バルブ駆動プレート( 22)が、リターン方向に回転駆動される。これにより例えばバルブ駆動プレー ト(22)が油圧バルブ(23)を閉じて油圧シリンダ(16)に対する油圧の 供給を絶って、作業部(10)を停止する。
【0013】 リンク機構(8a,8b)の押圧部(8c)とオートリターンロッド(52) とバルブ駆動プレート(22)とが同一鉛直面内で回動するときは、これらの回 動に際し、左右方向の不要な力が加わらず、円滑な動作が行われる。
【0014】
【考案の効果】
以上説明したように、本考案によれば、リンク機構(8a,8b)とバルブ駆 動プレート(22)との間に介装した1本のオートリターンロッド(52)によ って、リンク機構(8a,8b)がバルブ駆動プレート(22)をリターン方向 に回転駆動するので、リンク機構(8a,8b)の動きがバルブ駆動プレート( 22)に対してダイレクトに伝達され、バルブ駆動プレート(22)の回転動作 が確実となる。また、オートリターンロッド(52)は、バルブ駆動プレート( 22)を回動自在に支持しているそのベース部材(21)によって移動自在に支 持されているから、バルブ駆動プレート(22)に対するオートリターンロッド (52)の不要な動きを最小限にとどめることができ、このことによっても、バ ルブ駆動プレート(22)の回転駆動の確実性が増加される。
【0015】 更に、ベース部材(21)とバルブ駆動プレート(22)とオートリターンロ ッド(52)とが一体に構成されているので、これらの部材を一体に組上げた状 態で組立作業をすることが可能となり、組立の作業性が向上する。
【0016】 リンク機構(8a,8b)の押圧部(8c)とオートリターンロッド(52) とバルブ駆動プレート(22)とが走行機体(5)の前後方向のほぼ同一鉛直面 内で回動するようにするときは、バルブ駆動プレート(22)に対する回転駆動 力が一層有効に伝達される。
【0017】 なお、上述カッコ内の符号は、図面と対照するためのものであるが、何等本考 案の構成を限定するものではない。
【0018】
【実施例】 以下、図面に沿って、本考案の実施例について説明する。
【0019】 水田作業車輌としての乗用田植機1は、図1に示すように、前輪2及び後輪3 により支持されている走行機体5を有しており、該走行機体5にはその前端部分 にエンジン6が搭載されていると共に、後部分にシート7を有する運転席9が配 設されている。更に、走行機体5の後方にはリンク(リンク機構)8a,8bを 介して植付部(作業部)10が昇降自在に支持されており、該植付部10には多 数のプランタ11…、フロート14及び苗のせ台12が備えられている。また、 走行機体5における後端部分と上リンク8aに固設されたブラケット15との間 には油圧シリンダ装置16が配設されており、後述する油圧制御バルブによる油 圧シリンダ装置16の伸縮に基づき、植付部10が昇降作動する。また、植付部 10の左右には線引きマーカ171 ,172 が起倒自在に配設されている(図1 3、図14参照)。
【0020】 そして、図2ないし図4に詳示するように、運転席9にはそのシート7側方に 植付部昇降操作レバー20が配設されており、該操作レバーはシート側方のガイ ドプレート19に形成されたガイド溝19aに案内されている。また、前記機体 5を構成するフレーム5aに立設されたシート支柱5bにはブラケットを介して 正面視L字形のプレート(ベース部材)21が固定されており、該プレート21 の上板の下方で側板の内方、即ち該プレート21のL字内方には油圧制御バルブ (油圧バルブ)23が配置されており、該バルブ23の操作軸23aはプレート 21の側板外方に延び、そこでバルブ操作板25が固定されている。一方、プレ ート21の側板には支軸26にて制御部材を構成するカム板(バルブ駆動プレー ト)22が回転自在に支持されており、該カム板22の本体に直角方向に折曲さ れたラグ22aに枢支ピン27を介して前記操作レバー20が回転自在に支持さ れている。従って、操作レバー20は、支軸26によりカム板22と一体に機体 前後方向に回動自在に支持されると共に、枢支ピン27にて左右方向に揺動自在 に支持される。また、カム板22と油圧制御バルブ23及びバルブ操作板25と は側面視においてラップするように配置されている。
【0021】 そして、図4及び図5に示すように、平板状のカム板22は、前記ラグ22a からなる操作レバー連結部、植付クラッチ操作部22b、油圧制御部22c及び 支軸26を中心とする円弧状の長孔22dからなるオートリターン操作部を備え ている。植付クラッチ操作部22bは、カムアーム30先端に回転自在に支持さ れているローラ31に当接するカム面からなり、該ローラが嵌入する大凹部a、 該大凹部から小凸部bを経てランド部cに形成された小凹部c1 及び該ランド部 cの端に形成された凹部c2 を有する。また、油圧制御部22cは、バルブ操作 板25に植設されたピン25aを受け入れる凹部fからなり、該凹部内にてピン 25aの移動を許容して融通機構(自動範囲)を構成すると共に、凹部の1側面 f1 にピン25aを当接して一体に移動する(手動範囲)。
【0022】 なお、油圧制御バルブ23の操作軸23aに固設されているバルブ操作板25 は、該操作板に植設されたピン25aがカム板22の油圧制御部22cにより直 接操作され、従ってカム板22により直接的に油圧制御バルブ23が制御されて 、応答性の高い植付部10の昇降制御が行え得ると共に、融通機構を構成する凹 部fは、カム板22に直接形成されて、その融通幅を必要に応じて大きく設定す ることができ、油圧制御バルブ23の自動範囲を大きく設定して、素早い昇降自 動制御が可能となる。
【0023】 一方、前記プレート21の側板には支軸32により前記アーム30が回転自在 に支持されており、該アーム30の他端は、長孔33aを有するロッド33及び スプリング35を介して植付クラッチアーム36に連結しており、該アーム36 は植付クラッチを操作する。更に、前記スプリング35は、クラッチの内蔵スプ リングに抗して植付クラッチを操作すると共に、その反作用がロッド33及びア ーム30を介してローラ31からカム板22のクラッチ操作部22bに作用する 。従って、該クラッチ操作部22bは、植付クラッチの操作を行うと共に、スプ リング35にて付勢されているローラ31が圧接することにより該カム板22を 所定位置に保持する位置決め機構を兼用している。また、カム板22は、クラッ チ操作部22bがクラッチの操作カム面の外、位置保持用の規制面をも兼用して いるので、コンパクトに構成できると共に、規制面部分を他の機能に割り当てる ことができ、油圧制御等の機能を充実することができる。
【0024】 また、前記バルブ操作軸23aには側面視逆L字状のフロート連動用アーム3 8が回転自在に支持されており、該アーム38の先端は、図2及び図3に示すよ うに、プレート37及びアーム39更に感知ロッド40及びリンク41を介して フロート14の先端部分に連結している。一方、カム板25にはその内方に突出 して連係ピン25bが植設されており、該ピン25bは前記アーム38に当接・ 連動し得る。また、該ピンはカム板25の外方に貫通して突出しており、該ピン 25b′と前記アーム39に植設されたピン42との間にスプリング43が張設 されて、前記ピン25bをアーム38に当接・連動するように付勢している。ま た、プレート21とピン42との間に他のスプリング45が張設されており、該 スプリング45はフロート14を田面に向けて押圧・付勢する。一方、プレート 21には油圧感度調節レバー46が機体前後方向に回動自在に支持されており、 該レバー46はガイドプレート19の感度調節用ガイド溝19bに案内されてシ ート側方に延びている。該感度調節レバー46はボーデンワイヤ47を介してリ ンク41に設けられたリンク長さ調節装置49に連結しており(図2参照)、該 調節レバー46を操作することにより、フロート14の前傾角度を操作して、フ ロート14に作用する土圧の感知感度を調節し得る。なお、図4における48, 48はピン42に当接して、フロート14の移動量を規制するストッパである。
【0025】 また、プレート21には斜め後下方に突出してプレート50が一体に固設され ており、該プレート50の先端は折曲されて、該折曲部50aにボルト51が摺 動自在に嵌挿している。該ボルト51の頭部と折曲部50aとの間にはスプリン グ52aが縮設されており、かつボルト51の折曲部内側にはオートリターンロ ッド本体52bが固定されていると共にナット51cが螺合されて、ボルト51 の突出量が調節自在に規制されている。更に、ロッド本体52bの他端に固定さ れているピン53が前記オートリターン用長孔22dに嵌挿しており、カム板2 2の所定回動を許容すると共に、ロッド本体52bの移動によりカム板22を所 定位置即ち上昇位置から固定位置に強制移動し得る。
【0026】 また、植付部10を支持している昇降リンクの下リンク8bにはラグ(押圧部 )8cが固設されており(図3、図8参照)、植付部10の所定上昇位置にて該 ラグ8cがオートリターン用のボルト51に当接して植付部10の上昇に伴いロ ッド本体52bを移動する。すなわち、オートリターンロッド本体52bと、そ の基部側のボルト51及びナット51cと、その先端側のピン53とが一体とな ってオートリターンロッド52を構成しており、基端側のボルト51がプレート 21に固着されたプレート50によって移動自在に支持される一方、先端側のロ ーラ53が上述のようにカム板22に係合している。つまり、リンク8bが上昇 すると、これに伴なってラグ8cがオートリターンロッド52の一端部(ボルト 51)を押圧し、他端部(ピン53)がカム板22を回転駆動することになり、 リンク8bの上昇力は、1本のオートリターンロッド52を介して、直接的にカ ム板22の回転駆動力となって伝達される。さらに、ラグ8cとオートリターン ロッド52とカム板22とは、それぞれの動作がいずれも走行機体5の前後方向 のほぼ同一鉛直面内で行われるように配置されており、このことによっても、オ ートリターンロッド52を介しての力の伝達がより一層円滑に行われるものであ る。また、図4に示すように、操作レバー20とプレート21に固定されている ピン54との間にスプリング55が張設されており、前記オートリターンに際し て、操作レバー20がガイド溝19aの斜め側面hに沿って上昇位置から固定位 置に案内されるように構成されている。なお、図中56は、バルブ操作板25を 固定位置に保持するためのフックレバーである。
【0027】 一方、図9及び図10に示すように、前記操作レバー20は枢支ピン27より 更に横方向(機体内方向)に延びており、該延長部20aの先端には縦方向に延 びる短かい縦ピン20bが固定されている。また、プレート21の上板上にはマ ーカー切換え装置を構成するマーカ切換えレバー57がピン59を中心に水平面 にて揺動自在に支持されている。該マーカ切換えレバー57はピン59を挟んだ 左右に該ピン59を中心とする円弧からなる長孔59a,59bが形成されてお り、更に調整ボルト60,60にて固定されているキャップ57′との間で係合 孔57cが形成されている。該係合孔57cには前記操作レバー20がガイド溝 19aの自動(作業)位置Aにある状態にて、前記縦ピン20bが係合するよう に設定されている。
【0028】 そして、プレート21の上板に切起されたラグ21cには支軸61が水平横方 向に支持されており、該支軸61には左右マーカ保持手段を構成するマーカスト ッパ621 ,622 が前後方向に平行にて回動自在に支持されている。これら左 右マーカストッパ621 ,622 は同じ形状からなり、かつ上方向を向いて並ん で配置されていると共に、それぞれ支軸61を中心とする半円状のストッパカム 面63aを有する突起部材63がボルトにより固定され、かつつる巻スプリング 65により図10の反時計方向に付勢されている。そして、これらマーカストッ パ621 ,622 にはそれぞれ連結ロッド661 ,662 が連結されており、こ れら連結ロッドの先端66a,66aは折曲されて、前記マーカ切換えレバー5 7の左右長孔59a,59bに嵌挿している。なお、連結ロッド661 ,662 の中間部にはそれぞれストッパカラー66b,66bが固定されており、左右マ ーカストッパ621 ,622 を所定起立位置に保持すると共に、マーカ切換えレ バー57の中立位置においてロッド先端66aを長孔59a,59bの一端部に 位置する。更に、前記つる巻スプリング65,65に基づく付勢力は、ロッド6 61 ,662 及び切換えレバー57を介して操作レバー20に作用し、該レバー を中立位置nに付勢している。
【0029】 また、シート支柱5bの上端部には水平方向に延びる支軸67が設けられてお り、該支軸67にて2枚のマーカ駆動アーム691 ,692 が前後方向に平行に て回動自在に支持されている。これらマーカ駆動アームは板状の同じ形状からな り、その先端に前記カム面63aに係合し得るローラ70がピン69aにて回転 自在に支持されており、かつその突出部にそれぞれマーカ連結用ワイヤ711 , 712 が連結され、更に基部に当接部69bが構成されている。また、植付部昇 降用リンク8aの基部にはマーカ復帰アーム72が一体に固設されており、該ア ーム72先端部に設けられたローラ72aは左右マーカ駆動アーム691 ,69 2 の当接部69bに当接して、これらアームを一体に回動し得る。そして、図1 3及び図14に示すように、左右マーカ連結用ワイヤ711 ,712 はそれぞれ 左右マーカ171 ,172 に連結しており、かつこれらマーカはスプリングにて 左右に倒伏する作業位置に付勢されていると共に、ワイヤ711 ,712 の引張 り作用により起立する非作業位置に切換えられる。
【0030】 ついで、本実施例の作用について説明する。
【0031】 乗用田植機1によって植付け作業するには、オペレータはシート7に座った状 態で操作レバー20を自動(作業)位置Aに操作する。この状態では、図5に示 すように、カム板22は操作レバー20と一体に回動して、大凹部aにカムアー ム30のローラ31が嵌入すると共に、融通機構を構成する凹部f内にバルブ操 作板25のピン25aが位置する。すると、カムアーム30はロッド33を介し てスプリング35を緩める方向に回動し、これにより植付クラッチアーム36が 回動して植付クラッチがその内蔵スプリングにより接続する。また、ピン25a が凹部fの両側面に当接しない融通位置にあって、バルブ操作板25はカム板2 2に拘束されることなく自由に回動し得る。この状態にあっては、フロート14 の土圧感知に基づく上下動が、リンク41、感知ロッド40、アーム39及びプ レート37を介してフロート連動用アーム38に伝動され、更にスプリング43 に基づき該アーム38の一側に当接しているピン25bを介してバルブ操作板2 5に伝達される。
【0032】 従って、走行機体5が沈下してフロート14に作用する土圧が高まり、フロー ト14の前部がスプリング45に抗して上方に移動すると、バルブ操作板25は 油圧制御バルブ23を自動範囲のアンダーラップそして上昇位置に操作し、油圧 シリンダ装置16に油圧を供給して植付部10を上昇する。また反対に、フロー ト14の前部が下方に移動すると、バルブ操作板25はバルブ23を自動範囲の アンダーラップそして手動範囲と共通の下降位置に操作し、油圧シリンダ装置1 6の油圧をドレーンして植付部10を下降する。そして、フロート14が所定中 立状態になると、バルブ23は自動範囲の中立位置になり、植付部10をその位 置に保持する。従って、乗用田植機1は、植付部10が田面上に下降し、かつフ ロート14に作用する土圧に基づき所定作業位置に自動制御される状態において 、植付クラッチが接続して植付部10が駆動し、即ち苗のせ台12が左右往復動 すると共にプランタ11が回動して、苗が一定深さにて田面に植えられる。
【0033】 なおこの際、カム板22は、ローラ31が大凹部aに嵌入していることにより 、該自動位置Aに保持されており、従って該カム板22と一体の操作レバー20 も自動位置に保持される。また、操作レバー20を、中立位置方向から該自動位 置Aに操作する際、ローラ31は、ランド部cから小凸部bを経て大凹部aに嵌 入するが、この際、小凸部bに基づきスプリング35が一旦引き伸ばされ、つい でスプリング35が一気に縮むため、植付クラッチの操作が勢いづけられて確実 に接続作動させる。特に、カムアーム30から植付クラッチアーム36にワイヤ を介して連結すると、該ワイヤの摩擦に拘りなく、植付クラッチを確実に作動す ることができる。
【0034】 ついで、図6に示すように、操作レバー20を下げ位置Dに操作すると、カム 板22も一体に回動する。この状態では、カムアーム30のローラ31はランド 部cの小凹部c1 に位置し、またバルブ操作板25のピン25aは依然として融 通凹部f内に位置している。すると、カムアーム30は時計方向に回転して、ロ ッド33を介してスプリング35を伸長し、かつ該スプリングの付勢力は植付ク ラッチ内蔵スプリングに打勝って植付クラッチアーム36を回動し、該クラッチ を切作動する。また、バルブ操作板25は、自動(作業)位置Aと同様に、自由 に動き得る位置にあり、植付部10はフロート14が田面に着地している下降位 置にある。
【0035】 またこの際、前記スプリング35の付勢力は、反作用としてカムアーム30に 作用し、ローラ31を小凹部c1 に押付ける。これにより、カム板22は該下降 位置に保持され、また該カム板と一体に、操作レバー20及びバルブ操作板25 も該位置に保持される。また、ローラ31がランド部cの小凹部c1 に乗り上げ る際、小凸部bを越えるが、この際、カムアーム30のオーバストロークにより スプリング35が一旦大きく伸長し、これによるスプリング35の大きな荷重に より植付クラッチを確実に切作動することができる。従って、この状態(下げ位 置D)にあっては、植付部10は所定下降(自動)状態にあるが、植付クラッチ は切断されている。
【0036】 また、図7に示すように、操作レバー20を固定(中立)位置Nに操作すると 、カム板22も一体に回動する。この状態にあっては、カムアーム30のローラ 31はカム板22のランド部cの上にあって、植付クラッチ(アーム)36は切 状態にあり、かつ凹部fの一側面f1 がバルブ操作板25のピン25aに当接し て、該操作板25を一体に回動し、バルブ操作軸23aを介して油圧制御バルブ 23を手動操作範囲の中立位置に回動する。すると、該バルブ23は油圧の給排 を停止して油圧シリンダ装置16を停止する。一般に、該固定位置Nは植付部1 0の上昇状態にて操作され、従って植付部10のフロート14は垂れ下がった状 態にあるが、感知ロッド40及びアーム39を介して伝達される該フロートの垂 れ下り量は、アーム39に固定されたピン42が、シート支柱5bに固定された ストッパ48に当接することにより規制されている。
【0037】 また、乗用田植機1を路上走行する等で、確実に中立位置Nに保持する場合は 、操作レバー20の中立状態で、フックレバー56を図7の実線位置から鎖線位 置に倒す。すると、該フック56と一体にプレート56aが回動し、バルブ操作 板25の一側面に当接する。この状態にあっては、バルブ操作板25はその時計 方向の回転はピン25aがカム板22の側面f1 に当接して規制され、かつ反時 計方向の回転はプレート56aにより規制され、バルブ操作板25は中立位置N に確実に保持される。
【0038】 また、図8に示すように、操作レバー20を上げ位置Uに操作すると、カム板 22も一体に回動する。この状態にあっては、カム板の凹部c2 にローラ31が 嵌入すると共に、スプリング43に基づき凹部fの一側面f1 にピン25aが当 接した状態にあって、カム板22と一体にカム操作板25を回動して、油圧制御 バルブ23を手動範囲の上昇位置に回動・操作する。従って、油圧制御バルブ2 3は油圧を油圧シリンダ装置16に供給して植付部10を上昇する。またこの際 、カムアーム30はローラ31が凹部c2 に嵌入しても、該凹部c2 は支軸26 から遠い位置にあって、スプリング35を伸長状態に保持しており、植付クラッ チ(アーム)36を切位置に維持すると共に、該スプリング35の反作用力に基 づくローラ31の押付力が凹部c2 に作用して、カム板22、従ってそれと一体 の油圧制御バルブ23及び操作レバー20を該上昇位置に保持する。なおこの際 、フロート14は植付部10の上昇に伴い垂れ下がるが、該垂れ下り量はスプリ ング45に基づきピン42がストッパ48に当接することにより規制され、かつ プレート37を介してアーム38が所定位置に残置された状態で、ピン25bが 該アーム38から離れてカム板22により連動される。
【0039】 そして、植付部10の上昇に伴いリンク8bが所定量上方向に回動すると、ラ グ8cがオートリターン用ボルト51に当接する。更に、リンク8bの回動に伴 い、ボルト51はスプリング52aに抗して移動し、ロッド本体52bを介して その先端のピン53が長孔22dの端に当接してカム板22を時計方向に回動す る。すると、前述したローラ31が凹部c2 に嵌入することによる位置決め保持 が外れ、リンク8bの上昇回動によりカム板22が回動し、これと一体に操作レ バー20が回動する。この際、操作レバー20が枢支ピン27により横方向に回 動自在に支持されていること及びスプリング55の付勢力により、レバー20は ガイド溝19aの斜め側面h(図4参照)に沿って移動し、上げ位置Uから係合 段部となっている中立位置Nに移動し、該中立位置Nにて停止する。これにより 、乗用田植機1が枕地に至り、オペレータが操作レバー20を上げ位置Uに操作 して、植付部10を上昇すると、植付部10が所定量上昇した状態で、上述した オートリターン装置が機能して、中立位置Nに自動的に戻され、植付部10は所 定上昇位置に保持される。
【0040】 ついで、左右の線引きマーカ171 ,172 の切換え操作について説明する。 乗用田植機1の作業状態にあっては、左右マーカ171 ,172 のいずれか一方 が倒伏状態の作業位置にあって、未植付け側の田面に線を引く。この状態にあっ ては、倒伏側のマーカに連結しているマーカ駆動アーム691 又は692 は、図 10に示すように、実線位置にあり、また起立状態にあるマーカに連結している マーカ駆動アーム692 又は691 は、そのローラ70がマーカストッパ622 又は621 の突起部材63のカム面63aに当接して鎖線状態に保持されている 。
【0041】 そして、枕地に至り、図11に示すように、操作レバー20を上げ位置Uに操 作すると、前述したように植付部10が上昇して、リンク8aが実線で示すよう に上方向に回動し、それと一体に回動するマーカ復帰アーム72の先端に支持さ れたローラ72aが倒伏側のマーカに連結している駆動アーム692 又は691 の当接部69bに当接して、該駆動アームを鎖線位置から実線位置に回動し、そ の際、ローラ70がカムストッパ622 又は621 の突起部材63に当接して該 カムストッパをつる巻ばね65に抗して回動し、該突起部材63を越えた時点で 該カムストッパが該つる巻ばねにより所定起立位置に復帰して、ストッパカム面 63aがローラ70に係合することにより、マーカ駆動アーム692 又は691 は実線位置に保持される。これにより、駆動アーム692 又は691 はワイヤ7 12 又は711 を介してマーカ172 又は171 をその倒伏位置から起立位置に 移動する。
【0042】 そして、植付部10が所定上昇位置に至ると、前述したオートリターン装置に より操作レバー20は上げ位置Uから固定位置Nに戻される。図12に示すよう に、固定位置N及び下げ位置Dにあって、植付部10が下降しても、操作レバー 20先端の縦ピン20bが、マーカ切換えレバー57の係合孔57cに係合する ことはなく、左右マーカストッパ621 及び622 は起立位置にあって、かつ左 右マーカ駆動アーム691 及び692 はそのローラ70がストッパカム面63a に当接した位置にあって、左右マーカ171 及び172 を起立状態に保持してい る。
【0043】 乗用田植機1が枕地での回行が終了して、再び作業を開始する際、操作レバー 20は、カム板22の支軸26を中心に垂直平面にて回動されて自動位置Aに操 作され、前述したように植付部10は田面上に下降する。該操作レバー20の自 動位置Aにあっては、図10に示すように、レバー先端の縦ピン20bがマーカ 切換えレバー57の係合孔57cに係合する。そしてこの状態において、図9に 示すように、操作レバー20を、ガイド溝19aの自動位置Aにおいて左右方向 に拡がる横溝iに沿って、枢支ピン27を中心に左右方向に回動すると、略々直 角に屈曲しているレバー20先端部分20aに設けられた縦ピン20bは前後方 向に揺動し、該縦ピン20bに係合している切換えレバー57は、ピン59を中 心として水平面にて揺動する。
【0044】 例えば、操作レバー20を図9において右方向Rに回動すると、マーカ切換え レバー57は反時計方向に回動し、長孔59aに係合しているロッド661 を介 して右マーカストッパ621 をつる巻スプリング65に抗して回動し、ローラ7 0のストッパカム面63aによる掣肘を解除して右駆動アーム691 の回動を許 容する。すると、スプリングにより倒伏位置に付勢されている右マーカ171 は 倒伏して作業位置になる。なお、切換えレバー57の反時計方向の回動によって は、ロッド662 のピン66aは長孔59bが遊動するだけで何等作動せず、従 って左マーカストッパ622 は起立位置にあって、左駆動アーム692 はストッ パ係合位置にあり、左マーカ172 は起立位置に保持されている。
【0045】 また反対に、操作レバー20を図9において左方向Lに回動すると、マーカ切 換えレバー57はピン59を中心に時計方向に回動し、ロッド662 が長孔59 bの端に当接して移動し、左マーカストッパ622 を回動する。これにより、左 マーカ駆動アーム692 がストッパカム面63aによる掣肘が解除されて自由回 動し、左マーカ172 が作業位置になるように倒れる。そして、枕地に至って操 作レバー20を上げ位置Uに操作すると、前述したように、作業位置にあるマー カは起立位置に復帰される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案を適用した乗用田植機を示す全体側面
図。
【図2】その操作装置全体部を示す側面図。
【図3】その平面図。
【図4】昇降用油圧及びクラッチの操作部分を示す平面
図。
【図5】その側面図で、植付作業状態を示す。
【図6】その側面図で、植付部下げ状態を示す。
【図7】その側面図で、植付部固定状態を示す。
【図8】その側面図で、植付部上げ状態を示す。
【図9】左右マーカの切換え操作部分を示す平面図。
【図10】その側面図で、植付作業状態を示す。
【図11】その側面図で、植付部上げ状態を示す。
【図12】その側面図で、植付部固定状態及び下げ状態
を示す。
【図13】マーカ操作装置の全体部を示す平面図。
【図14】その側面図。
【符号の説明】
1 水田作業車輌(乗用田植機) 5 走行機体 8a,8b リンク機構(昇降リンク) 8c 押圧部(ラグ) 10 作業部(植付部) 16 油圧シリンダ装置 20 操作レバー 21 ベース部材(プレート) 22 バルブ駆動プレート(カム板) 23 油圧バルブ(油圧制御バルブ) 52 オートリターンロッド

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体と作業部との間に、該作業部を
    昇降自在に支持するリンク機構を介装し、該リンク機構
    を作動させる油圧シリンダ装置に対する油圧を制御する
    ことで前記作業部に昇降動作を行わせてなる水田作業車
    輌において、 前記走行機体のベース部材にバルブ駆動プレートを回動
    自在に装着し、該バルブ駆動プレートと一体動作する操
    作レバーを揺動操作することによって油圧バルブを操作
    し、前記油圧シリンダ装置に対する油圧を制御して、前
    記作業部を上昇し、下降し、固定し、作業位置に保持す
    るとともに、 前記バルブ駆動プレートと前記リンク機構との間に、前
    記作業部の上昇とともに上昇する前記リンク機構の押圧
    部が一端部を押圧することで他端部が前記バルブ駆動プ
    レートをリターン方向に回転駆動して、該バルブ駆動プ
    レートを前記作業部の上昇動作に対応する上げ位置から
    前記作業部の固定に対応する中立位置へ移動させるオー
    トリターンロッドを介装し、 該オートリターンロッドを、前記ベース部材に移動自在
    に支持してなる、 ことを特徴とする水田作業車輌におけるオートリターン
    操作装置。
  2. 【請求項2】 前記リンク機構の押圧部の昇降動作と、
    前記オートリターンロッドの移動動作と、前記バルブ駆
    動プレートの回動動作とが、前記走行機体の前後方向の
    ほぼ同一鉛直面内で行われるように、前記押圧部、オー
    トリターンロッド、バルブ駆動プレートを配置した、 ことを特徴とする請求項1記載の水田作業車輌における
    オートリターン操作装置。
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