JP2554190Y2 - 水田用歩行型移動農機の操作装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、歩行型田植機等の水田
用歩行型移動農機に係り、詳しくはフロート等の機体高
さ検知機構により機体高さを自動的に制御し得る水田用
歩行型移動農機において、走行クラッチに連結している
走行クラッチレバー及び作業クラッチに連結している作
業クラッチレバーの２本のレバーにより機体高さを操作
する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、本出願人は、例えば特公平３−２
１１２３号公報に示すように、上述した２本のレバーに
よる機体高さ操作装置を案出した。

【０００３】この操作装置によれば、１本の走行クラッ
チレバーからワイヤを介して、主クラッチをオン・オフ
すると共に、更に別のワイヤを介して、機体の高さを制
御する油圧シリンダの切換えバルブの作動プレートを回
動操作している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、１本の
走行クラッチレバーから２本のワイヤが屈曲して狭いス
ペースに配設されていることは構造が複雑となると共
に、取付部品等の個数が多くなるという欠点がある。更
に、こみ入った空間を通るワイヤによる操作では抵抗が
多くて、走行クラッチレバーの操作が重くなる欠点があ
る。

【０００５】そこで、本考案は、走行クラッチレバーか
ら延びている連結部材を途中で分岐して走行クラッチ及
び油圧切換えバルブを連結し、もって上述の課題を解決
した水田用歩行型移動農機の操作装置を提供することを
目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本考案は、上述の事情に
鑑みてなされたものであって、作業クラッチ（１）に連
結している第１の操作レバー（２）及び走行クラッチ
（３）に連結している第２の操作レバー（５）を備え、
また機体（３５）に揺動自在に支持された揺動部材
（６）に水田車輪（７）を設け、更に該揺動部材（６）
を油圧アクチュエータ（９）に連結し、該油圧アクチュ
エータ（９）に連通する切換えバルブ（１０）を機体高
さ検知機構（１１，１２）に連結して、該切換えバルブ
（１０）を切換えて機体高さを自動的に制御し得るよう
に構成した水田用歩行型移動農機（Ｐ）において、前記
切換えバルブ（１０）と前記第１の操作レバー（２）及
び第２の操作レバー（５）との間に介在して、第１の操
作レバー（２）の作業クラッチ切方向の操作により機体
の左右方向に延びる連結軸（１６）を介して切換えバル
ブ（１０）を所定融通関係で上げ方向に連係すると共
に、該連結軸（１６）を前記切換えバルブ（１０）の近
傍に配置し、更に、第２の操作レバー（５）の走行クラ
ッチ切方向の操作により切換えバルブ（１０）を所定融
通関係で下げ方向に連係する融通機構（１９ｂ）を設
け、前記第２の操作レバー（５）から延びているロッド
連結部材（５６）を、分岐して前記融通機構（１９ｂ）
及び前記走行クラッチ（３）の操作部にそれぞれ連結し
てなる、ことを特徴とする。

【０００７】

【作用】以上の構成に基づき、水田用歩行型移動農機
（Ｐ）は第１の操作レバー（２）で作業クラッチ（１）
を操作し、第２の操作レバー（５）により走行クラッチ
（３）を操作する。そして、機体高さ検知機構（１１，
１２）により切換えバルブ（１０）を切換えて、油圧ア
クチュエータ（１０）を伸縮させて、揺動部材（６）を
揺動させ、該揺動部材（６）に設けられた水田車輪
（７）を昇降することにより機体（３５）の高さを自動
的に制御する。この際、第１の操作レバー（２）を作業
クラッチ（１）を切方向に所定融通関係以上に操作し
て、機体の左右方向に延びる連結軸（１６）と融通機構
（１３ａ又は７３ａ）を介して、切換えバルブ（１０）
を作動させ、機体（３５）を上昇させる。そして、前記
連結軸（１６）を切換えバルブ（１０）の近傍に配置し
たことで、例えば第１の操作レバー（２）及び第２の操
作レバー（５）から延びているロッド連結部材（５１，
５６）を、機体後方から機体前方の作動部側（切換えバ
ルブ１０側）に至るまで、屈曲した配置とすることなく
直線状に機体の左右に振り分けて配置することが可能と
なる。また、第２の操作レバー（５）を走行クラッチ
（３）の切方向に所定融通関係以上操作すると共に、融
通機構（１９ｂ）を介して切換えバルブ（１０）を作動
させ、機体（３５）を下降させる。一方、第２の操作レ
バー（５）の前記所定関係以内の操作により、該第２の
操作レバー（５）から延びているロッド連結部材（５
６）が前記走行クラッチ（３）を接続して、機体を走行
する。

【０００８】

【考案の効果】以上説明したように、本考案によれば、
第２の操作レバー（５）から延びている連結部材（５
６）が分岐（２０，７７）して、走行クラッチ（３）を
操作すると共に、融通機構（１９ｂ）を介して、切換え
バルブ（１０）を操作するので、第２の操作レバー
（５）の連結部材（５６）が一体になり、第２の操作レ
バー（５）の構造が簡易化できると共に、その部品個数
を削減できる。また、走行クラッチレバー（５）からの
連結部材（５６）を、ワイヤを少なくして、ほとんどロ
ッドにて構成できるので走行クラッチレバー（５）の操
作性を向上できる。

【０００９】なお、前記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであって、何等本考案の構成を限定する
ものではない。

【００１０】

【実施例】以下、図面に沿って本考案による実施例につ
いて説明する。

【００１１】歩行型田植機Ｐは、図２及び図３に示すよ
うに、エンジン３１、ミッションケース３２及びフレー
ム３３等よりなる機体３５を有しており、該機体３５の
後方にはハンドル３６が延設されていると共に、苗のせ
台３７が左右方向に摺動自在に支持されており、かつ該
苗のせ台３７の下端部分に植付け杆３８が配設されてい
る。更に、フレーム３３の下方には後方の揺動支点１１
ａを中心に揺動自在にフロート１１が懸架されており、
該フロート１１は田面の土圧を感知して機体高さを検知
する機体高さ検知機構を構成している。また、ミッショ
ンケース３２の左右から出力軸３９が突設しており、更
に該出力軸３９を中心に上下方向に揺動自在にチェーン
ケース６，６が支持されており、かつこれらチェーンケ
ース６，６の先端には水田車輪７，７が支持されてい
る。

【００１２】そして、図２に詳示するように、機体３５
の前方におけるエンジン３１に固定されたブラケット４
１とミッションケース３２に固定されたバンパ部材４２
との間には、機体高さ調節用の油圧シリンダ９が配設さ
れている。該油圧シリンダ９は、シリンダ可動型からな
り、そのロッド９ａが前記ブラケット４１及びバンパ部
材４２とに夫々固定され、かつ該ロッド９ａに案内され
てシリンダ９ｂが上下に往復動する。更に、該シリンダ
９ｂにはピン４３ａを中心に天秤アーム４３が左右揺動
自在に連結されており、該天秤アーム４３の両端はそれ
ぞれロッド４５，４５を介して揺動チェーンケース６，
６の基端部に固定されているアーム４０ａ，４０ａに連
結されている。また、天秤アーム４３の中間部とシリン
ダ９ｂとの間には水平制御用油圧シリンダ４６が介在し
ており、該シリンダ４６は傾斜センサ４７に基づき制御
されて、天秤アーム４３を左右に動かすことにより左右
両水田車輪７，７を背反的に上下に調節する。

【００１３】そして、ハンドル３６部分に設けられたガ
イドプレート５０（図３参照）には作業（植付け）クラ
ッチレバー２及び走行クラッチレバー５の２本の操作レ
バーが配置されている。

【００１４】植付けクラッチレバー２は、図１に示すよ
うに、操作ロッド５１を連結しており、該ロッド５１に
はその先端部にカラー５２が、また、中間部にカラー５
３が固定されている。先端側カラー５２には圧縮スプリ
ング５４を介して植付けクラッチアーム１が連結されて
おり、植付けクラッチレバー２の入位置又は切位置によ
り植付けクラッチが入・切操作される。一方、ミッショ
ンケース３２には、機体の左右方向に延びる連結軸とし
てのシャフト１６が回動自在に支持されており、該シャ
フト１６の一端に固定されたアーム１５の孔１５ａに前
記ロッド５１が貫通しかつ中間部カラー５３が当接し
て、前記植付けクラッチレバー２の入から切方向への操
作によりシャフト１６が回動し得る。また、シャフト１
６の他端には他のアーム１７が固定されており、該アー
ム１７には内方に突出してピン１７ａが植設されてい
る。なお、前記シャフト１６は後述する油圧切換えバル
ブ１０の近傍に配置されている。

【００１５】更に、シャフト１６には、連結プレート５
５、第１のプレート１３、第２のプレート１９及び感知
ロッド１２がそれぞれ回動自在に支持されている。一
方、走行クラッチレバー５に連結している操作ロッド５
６は圧縮スプリング５７を介して前記連結プレート５５
に連結しており、更に該プレート５５はロッド５９を介
して走行クラッチアーム３に連結しており、走行クラッ
チレバー５の入位置又は切位置への操作により走行クラ
ッチが入・切される。また、第１のプレート１３には長
孔１３ａが形成されており、該長孔１３ａに前記アーム
１７のピン１７ａが嵌挿して所定遊び機構を構成してい
る。また、該第１のプレート１３はプレート６０及びロ
ッド６１を介して油圧切換えバルブ１０の操作アーム１
０ａに連結している。該切換えバルブ１０は、油圧シリ
ンダ９に連通していると共に、その操作アーム１０ａの
回動位置により上げ位置、下げ位置及び中立位置に切換
えられる。また、該操作アーム１０ａには戻しスプリン
グ１４が張設されており、該スプリング１４は切換えバ
ルブ１０を下げ位置方向に付勢している。

【００１６】また、第２のプレート１９は長孔１９ｂ、
一側方に突出している第１ラグ１９ａ、反対方向に突出
している第２のラグ１９ｃ及びスプリング引掛け部１９
ｄを有している。そして、第１のラグ１９ａは第１のプ
レート１３の側面１３ｂに当接でき、第２のプレート１
９から第１のプレート１３へ向って切換えバルブ１０の
上げ方向に連動でき、かつ第２のプレート１９の位置に
拘りなく第１のプレート１３の上げ方向への回動を許容
している。また、第２のラグ１９ｃは感知ロッド１２の
底側１２ａに当接しており、かつ引掛け部１９ｄと感知
ロッド１２の屈曲部との間にスプリング２１が張設され
て、第２のプレート１９と感知ロッド１２とはスプリン
グ２１を介してまたは当接により連動している。そし
て、前記走行クラッチレバー５から延びているロッド５
６の中間に固定されたプレート６２からロッド２０が延
びており、該ロッド先端２０ａが前記長孔１９ｂに嵌挿
されて所定遊び機構を構成していると共にロッド２０が
前後方向に移動できて、ロッド５６、ロッド２０が屈曲
しないように構成されている。

【００１７】また、前記フロート１１の前部上面には断
面ハット状の連結プレート２２が固定されており、そし
て該プレート２２の中空部２２ａに前記感知ロッド１２
の先端部１２ｂが挿通している。これにより、フロート
１１の上下方向の移動は、感知ロッド１２にシャフト１
６回りの回動として伝達され、また感知ロッド１２は比
較的長いボス部１２ｃによりシャフト１６に上下方向移
動かつ回転自在に支持されているので、フロート１１の
横方向の振れが阻止されている。

【００１８】ついで、以上構成に基づく、本実施例の作
用について説明する。

【００１９】歩行型田植機Ｐで植付け作業を行うには、
走行クラッチレバー５を入位置に操作して、走行クラッ
チアーム３により該クラッチを接続状態にすると共に、
植付けクラッチレバー２を入位置に操作して、植付けク
ラッチアーム１により該クラッチを接続状態する。これ
により、田植機Ｐは水田車輪７が駆動されて走行すると
共に、植付け杆３８が回動して植付け作業を行う。この
際、走行クラッチレバー５に連動しているピン先端２０
ａは第２のプレート１９の長孔１９ｂの中間部に位置
し、かつ植付けクラッチレバー２に、ロッド５１、アー
ム１５及びシャフト１６を介して連結しているアーム１
７のピン１７ａは第１のプレート１３の長孔１３ａの中
間部に位置している。この状態にあっては、切換えバル
ブ１０の戻しスプリング１４からの付勢力に基づき、第
１のラグ１９ａが側面１３ｂに当接して第１のプレート
１３と第２のプレート１９とは一体に回動する状態にあ
って、かつピン１７ａ及び２０ａにてこれらプレート１
３，１９の回動が規制されていない状態にあり、従っ
て、フロート１１の土圧感知に基づく上下動は、感知ロ
ッド１２に揺動移動として伝達され、更に第２のラグ１
９ｃまたはスプリング２１を介して第２のプレート１９
に伝達され、そして一体に回動する第１のプレート１
３、プレート６０及びロッド６１を介して切換えバルブ
１０の操作アーム１０ａに伝達される。これにより、該
切換えバルブ１０は、フロート１１の土圧感知に基づき
田面に対して機体３５が一定高さになるように上げ位
置、下げ位置及び中立位置に切換えられ、油圧シリンダ
９を操作して水田車輪７，７を上下動して、自動的に機
体高さが制御される。

【００２０】なお、走行クラッチレバー５及び植付けク
ラッチレバー２のいずれか一方又は両方を切位置に操作
しても、ピン１７，２０ａは長孔１３ａ，１９ｂの中程
に位置してプレート１３，１９の自由な動きを阻害せ
ず、上述同様に、フロート１１の上下動に基づき切換え
バルブ１０が自動制御される。

【００２１】ついで、田植機Ｐが枕地に至り、旋回する
際は、走行クラッチレバー５を入位置に保持した状態
で、植付けクラッチレバー２を固定位置に操作する。す
ると、植付けクラッチアーム１が該クラッチを切って植
付け杆３８（図３参照）の回動を停止すると共に、ロッ
ド５１、カラー５３、プレート１５及びシャフト１６を
介してプレート１７のピン１７ａを長孔１３ａの上端に
当接する。この位置にあっては、第１のプレート１３は
下げ方向の回動が阻止され、切換えバルブ１０は下げ位
置になることはなく、上げ方向のみ許容される上げ半自
動状態となる。この状態で、オペレータはハンドル３６
を上方に持上げると、フロート１１の前部と機体３５と
の間隔が狭くなり、感知ロッド１２を時計方向に回動し
て、スプリング２１、第２のプレート１９及び第１のラ
グ１９ａを介して第１のプレート１３を同方向に回動
し、切換えバルブ１０を上げ位置に切換える。これによ
り、油圧シリンダ９は車輪７，７を下降して機体３５を
上昇する。そして、機体３５が希望量上昇すると、ハン
ドル３６を下げて田植機Ｐを水平状態にするが、この
際、第１のプレート１３をピン１７ａに規制されて下げ
（反時計）方向に回動することが阻止されているので、
切換えバルブ１０は中立位置に保持され、機体３５は該
上昇位置に固定される。またこの際、フロート１１の前
部は垂れ下がって、感知ロッド１２が反時計方向に回動
し、第２のラグ１９ｃの当接により第２のプレート１９
も同方向に回動するが、第１のラグ１９ａと側面１３ｂ
との当接が離れるだけで、第１のプレート１３に何等影
響を及ぼすことはない。

【００２２】更に、田植機Ｐの苗のせ台３７に苗補給等
を行う場合には、植付けクラッチレバー２を入位置また
は切位置にして、走行クラッチレバー５を下げ位置に操
作する。すると、走行クラッチ３が切断されると共に、
ロッド先端２０ａが長孔１９ｂの後端に当接して、第２
のプレート１９はその上げ（時計）方向の回動を規制さ
れる。この位置では、フロート１１から感知ロッド１２
に上げ（時計）方向の回動が与えられても、第２のプレ
ート１９はロッド先端２０ａにて回動が規制され、従っ
て第１のプレート１３を介して切換えバルブ１０は上げ
位置になることはなく、下げ方向のみ許容される半自動
状態となる。この状態では、機体３５はフロート１１に
所定土圧が作用する下げ位置となり、ハンドル３６を持
上げて機体を上昇しようとしても、該下げ状態に保持さ
れる。

【００２３】また、運搬または格納するために、田植機
Ｐの高さ制御を停止して機体３５を固定するには、走行
クラッチレバー５を下げ位置に操作すると共に、植付け
クラッチレバー２を固定位置に操作する。この状態で
は、走行クラッチ３及び植付けクラッチ１が共に切断状
態にあると共に、ピン１７ａが第１のプレート１３の長
孔１３ａの下端に当接して該プレートの下げ（反時計）
方向の回動を規制すると共に、ロッド先端２０ａが第２
のプレート１９の長孔１９ｂの後端に当接して該プレー
トの上げ（時計）方向の回動を規制する。従って、切換
えバルブ１０は中立位置に固定された状態になり、フロ
ート１１の動きに拘りなく、機体３５は所定高さに保持
される。

【００２４】そして、走行クラッチレバー５の操作位置
に拘りなく、即ち入位置にあって走行状態にあっても、
下げ位置にあって機体下降状態にあっても、植付けクラ
ッチレバー２を上げ位置に操作すると、ロッド５１、カ
ラー５３、プレート１５及びシャフト１６を介してプレ
ート１７を上げ（時計）方向に回動し、更にピン１７ａ
が長孔１３ａの端に当接して第１のプレート１３を上げ
方向に回動し、切換えバルブ１０の操作アーム１０ａを
戻しスプリング１４に抗して上げ位置に移動する。これ
により、油圧シリンダ９はチェーンケース４０を揺動し
て水田車輪７，７を下降し、機体３５を上昇する。この
際、フロート１１は垂れ下がって感知ロッド１２を介し
て第２のプレート１９を相対的に反時計方向に回動する
が、第１のラグ１９ａが側面１３ｂと離れるだけで、第
１のプレート１３の上げ方向の動きを何等妨げることは
なく、また走行クラッチレバー５を下げ位置にして第２
のプレート１９の上げ方向の動きを規制した状態であっ
ても、同様に、第１のラグ１９ａが側面１３ｂから離れ
るだけで、第１のプレート１３の動きを妨げることはな
い。

【００２５】従って、本実施例によると、植付けクラッ
チレバー２を上げ位置に操作すると、優先して機体３５
は上昇するので、緊急時においても素早く機体を上昇す
ることができ、かつこの際、植付けクラッチレバー５は
戻しスプリング１４に抗して操作すれば足り、軽く操作
できて操向フィーリングを向上できる。

【００２６】また、第１のプレート１３と第２のプレー
ト１９とが分離されているため、植付けクラッチレバー
２からの操作系及び走行クラッチレバー５からの操作系
はそれぞれ独立して調整でき、調整が容易である。

【００２７】更に、植付けクラッチレバー２及び走行ク
ラッチレバー５からのそれぞれの操作ロッド５１，５６
上に、機体昇降用の連結部１５（プレート）、１９（第
２のプレート）及び各クラッチレバー１（植付クラッチ
アーム）、５５（連結プレート）を配置しており、また
シャフト１６を油圧切換えバルブ１０の近傍に配置して
いるので、ワイヤ等の操作連牽部材が少なくて足り、構
造が簡単となると共にコストの低減を図ることができ、
更にメンテナンス性及び外観性をも向上することができ
る。

【００２８】なお、上述実施例は、歩行型田植機につい
て説明したが、これに限らず、水田湛水直播機等の他の
水田作業機にも同様に適用することができる。

【００２９】次に、他の実施例を図４に沿って説明す
る。

【００３０】本実施例において、前記実施例と同作用・
効果を有する部材に対しては同じ符号を付して説明を省
略する。

【００３１】フレーム３３上面に取付けられたブラケッ
ト３３ａに、機体３５に対して横方向に向いた軸７０が
軸支されており、この軸７０の中間部右側にレバー７１
が固定され、この軸７０の中間部左側にレバー７２が固
定されている。そして、レバー７１の下端に、ピン７１
ａを介して第１の操作レバー２に連結された操作ロッド
５１が取付けられており、レバー７２の下端にボルトナ
ット７２ａによりリンク７３が取付けられ、このリンク
７３の上端部がその長孔７３ａを介して、ロッド６１の
下端に設けられたピン部６１ａにより、移動可能に第１
のプレート１３′の孔１３′ｃに取付けられている。そ
して、ロッド６１の上端部が切換えバルブ１０の操作ア
ーム１０ａに取付けられており、ロッド６１の下端部
に、前記したように、ピン部６１ａにより第１のプレー
ト１３′の孔１３′ｃに取付けられている。そして、こ
の第１のプレート１３′はミッションケース３２を貫通
した軸７５に軸支されている。また、レバー７１から横
方向に張り出した突片７１ｂにロッド７６が取付けら
れ、このロッド７６の他端が作業クラッチアーム１に連
結されている。なお、スプリング５４ａ，５４ｂは作業
クラッチアーム１に調整可能な戻し力を付与するように
なっている。

【００３２】以上が第１の操作レバー２に関係した構成
であり、次に第２の操作レバー関係の構成を述べると、
操作ロッド５６の先端に前記実施例と同様のロッド２０
が取付けられ、このロッド２０に突出したピンよりなる
ロッド先端２０ａが、第２のプレート１９の長孔１９ｂ
に連係し、このプレート１９の第１のラグから後方に突
出した係止部１９′ａ（前記実施例の第１のラグ１９ａ
と同作用）が前記した第１のプレート１３′の前側の側
面１３′ｂに連係すると、第２のプレート１３′の孔１
３′ｃ、ロッド６１操作アーム１０ａを介して、切換え
バルブ１０が切換えられるようになっている。なお、第
２のプレート１９及び感知ロッド１２′（２又に形成さ
れ、安定化されている）は軸７５に軸支されており、前
記実施例と全く同様に構成されている。また、操作ロッ
ド５６の先端部から分岐されたプレート７７が、軸７５
に軸支されたアーム７９にピン７９ａにより連結され、
更に、ピン７９ｂにより、走行クラッチアーム３に連結
するロッド５９の基端部が連結されている。

【００３３】なお、軸７０にコ字状のレバー８０，８１
に夫々右側、左側のサイドクラッチワイヤ８２，８３が
連結されており、更に、これ等レバー８０，８１に夫々
ロッド８５，８６の基端部が連結され、これ等ロッド８
５，８６の先端が夫々右側のサイドクラッチアーム８７
と左側のサイドクラッチアーム８９とに連結されてお
り、サイドクラッチワイヤ８２，８３をサイドクラッチ
操作レバーにより引くと右側のサイドクラッチ、左側の
サイドクラッチが夫々独立して断たれるようになってい
る。

【００３４】上述のように構成されているので、第２の
プレート１９の長孔１９ｂ及びプレート１９の第１のラ
グから後方に突出した係止部１９′ａが前記第１のプレ
ート１３′の側面１３′ｂに連係する状態は、前記実施
例と全く同じであり、リンク７３の長孔７３ａは、前記
実施例における第１のプレート１３の長孔１３ａを、引
張部材、即ち、リンク７３に移したものであって、全く
第１の操作レバー２とロッド６１との対応は前記実施例
と同じである。また、第１の操作レバー２と作業クラッ
チアーム１との対応及び第２の操作レバー５と走行クラ
ッチアーム３との対応も前記実施例と全く同じである。

【００３５】従って、本実施例の作用は前記実施例と同
じであるが、感知ロッド１２′が２又で軸７５に軸支さ
れており、レバー、リンク、ロッド、プレート等がほぼ
長手方向の同一面に配列されているので、本実施例の操
作装置においては、こじれ等を最小にできて、操作性を
円滑にすることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る機体昇降用操作装置を示す分解斜
視図。

【図２】本考案を適用し得る歩行型田植機の前部を示す
斜視図。

【図３】その歩行型田植機の全体を示す側面図。

【図４】他の実施例による機体昇降装置を示す分解斜視
図。

【符号の説明】

１ 作業クラッチ（植付クラッチアーム） ２ 第１の操作レバー（植付クラッチレバー） ３ 走行クラッチ（走行クラッチアーム） ５ 第２の操作レバー（走行クラッチレバー） ６ 揺動部材（チェーンケース） ７ 水田車輪 ９ 油圧アクチュエータ（油圧シリンダ） １０ 切換えバルブ １１ 機体高さ検知機構（フロート） １２ 機体高さ検知機構（感知ロッド） １３ａ 融通機構（長孔） １９ｂ 融通機構（長孔） ２０，７７ 分岐部（ロッド，プレート） ３５ 機体（走行機体） ５６ 連結部材（操作ロッド） Ｐ 水田用歩行型移動農機（歩行型田植機）

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 作業クラッチに連結している第１の操作
   レバー及び走行クラッチに連結している第２の操作レバ
   ーを備え、また機体に揺動自在に支持された揺動部材に
   水田車輪を設け、更に該揺動部材を油圧アクチュエータ
   に連結し、該油圧アクチュエータに連通する切換えバル
   ブを機体高さ検知機構に連結して、該切換えバルブを切
   換えて機体高さを自動的に制御し得るように構成した水
   田用歩行型移動農機において、 前記切換えバルブと前記第１の操作レバー及び第２の操
   作レバーとの間に介在して、第１の操作レバーの作業ク
   ラッチ切方向の操作により機体の左右方向に延びる連結
   軸を介して切換えバルブを所定融通関係で上げ方向に連
   係すると共に、該連結軸を前記切換えバルブの近傍に配
   置し、 更に、 第２の操作レバーの走行クラッチ切方向の操作に
   より切換えバルブを所定融通関係で下げ方向に連係する
   融通機構を設け、 前記第２の操作レバーから延びているロッド連結部材
   を、分岐して前記融通機構及び前記走行クラッチの操作
   部にそれぞれ連結してなる、 水田用歩行型移動農機の操作装置。