JPH0568210U - 移植機の苗植付装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 苗載台から苗取出爪によって取出した苗
の、苗植付爪に対する受継ぎ供給を確実に行わしめる。 ［構成］ 苗載台（１４）から苗取出爪（１６）によ
って取出した苗を苗植付爪（１８）に受継いで圃場に植
付けるようにした構造において、前記苗植付爪（１８）
の苗供給口（１８ｃ）を上部停止位置で苗取出爪（１
６）側に傾ける爪軌跡規制ガイド（４１ｂ）を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は左右往復移動させる苗載台の苗トレイより、苗取出爪により苗を取出 しホッパ形苗植付爪に受継ぎ供給して、該苗植付爪によって１株分毎のポット苗 を順次圃場に植付けるようにした移植機の苗植付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

苗植付爪による苗の持上げ対策の一つに、苗植付爪の植付軌跡（上下ストロー ク）を大きくする手段がある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし乍らこのような苗植付爪の植付軌跡を大きくした場合、苗植付爪の上部 停止位置も高くなり、その分苗取出爪からの苗の受継ぎが難しくなるという欠点 があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

したがって本考案は、苗載台から苗取出爪によって取出した苗を苗植付爪に受 継いで圃場に植付けるようにした構造において、前記苗植付爪の苗供給口を上部 停止位置で苗取出爪側に傾ける爪軌跡規制ガイドを設けることによって、たとえ 苗植付爪の植付軌跡が大きい場合でも前記苗取出爪からの苗の受継ぎを確実に行 わしめるもので、またこの受継ぎ時苗に苗取出爪の慣性力を有する場合でもこの 飛び出しを防止して、これら苗受継ぎでの安定性を向上させるものである。

【０００５】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳述する。図１は苗植付爪の側面説 明図、図２は移植機の全体側面図、図３は同全体平面図であり、図中（１）はエ ンジン（２）を搭載する前フレーム、（３）は前記フレーム（１）後端に連設す るミッションケース、（４）は前記ミッションケース（３）に左右伝動ケース（ ５）を介し上下揺動可能に支持する左右の走行駆動輪である後輪、（６）は前記 前フレーム（１）の前端側にアクスルフレーム（７）を介し上下揺動可能に支持 する左右の前輪、（８）は前記ミッションケース（３）の後方にシャーシフレー ム（９）を介し装設する苗供給装置、（１０）は左右の後輪（４）間で前記ミッ ションケース（３）に植付伝動ケース（１１）を介して装設する苗植付装置、（ １２）は畝面（Ａ）を鎮圧する鎮圧ローラ、（１３）は前記苗植付装置（１０） を上下揺動可能に支持するゲージ輪であり、前記苗供給装置（８）における左右 往復移動する苗載台（１４）上の苗トレイ（１５）より１株分のポット苗を苗取 出爪（１６）でもって取出すと共に、この取出されたポット苗を前記苗植付装置 （１０）のマルチカッタ（１７）と連動して上下動するホッパ形苗植付爪（１８ ）に放出供給して、操向ハンドル（１９）操作による機体の走行中畝面（Ａ）に 一定間隔毎のポット苗の植付けつまり移植を行うように構成している。

【０００６】 なお、（２０）は昇降レバー、（２１）は植付クラッチレバー、（２２）は主 変速レバー、（２３）は株間変速レバー、（２４）は植付深さ調節レバー、（２ ５）は左右サイドクラッチレバーである。

【０００７】 図４にも示す如く、前記植付爪（１８）は植付伝動ケース（１１）の出力軸で ある植付駆動軸（２６）にロータリケース（２７）及びクランクアーム（２８） を介し支持する植付アーム（２９）に取付けるもので、前記伝動ケース（１１） はミッションケース（３）からの入力軸にチェン（３０）及びスプロケット（３ １）を介し植付駆動軸（２６）を連動連結させ、該駆動軸（２６）に一体連結さ せるロータリケース（２７）の出力軸であるクランクアーム（２８）の取付軸（ ３２）に取付ける遊星ギヤ（３３）を、伝動ケース（１１）側に固定する太陽ギ ヤ（３４）に中間ギヤ（３５）を介して噛合せ連結させ、前記駆動軸（２６）を 中心としてロータリケース（２７）をａ方向に回転させるとき、クランクアーム （２８）をロータリケース（２７）と反対方向のｂ方向に回転させるように構成 している。

【０００８】 また前記植付アーム（２９）は、クランクアーム（２８）先端に基端アーム軸 （３６）を支持するアーム本体（３７）と、該本体（３７）にボルト（３８）を 介し基端を固定させ先端に植付爪（１８）を取付ける爪支持体（３９）とで形成 し、前記伝動ケース（１１）側に枢着板（４０）を介し固定する昇降ガイド（４ １）のガイド溝（４１ａ）に、前記アーム本体（３７）先端のガイドローラ（４ ２）を上下動自在に嵌入させて、前記クランクアーム（２８）の回転時このガイ ド溝（４１ａ）に沿ってアーム本体（３７）を上下動させて植付爪（１８）を楕 円形状の植付軌跡で上下運動させるように構成している。

【０００９】 さらに、前記植付爪（１８）は半円錐形状の２つの分割爪体（１８ａ）（１８ ｂ）に分割形成され、これら爪体（１８ａ）（１８ｂ）の上端側を爪支持体（３ ９）の軸受用ボス（４３ａ）（４３ｂ）に各アーム（４４ａ）（４４ｂ）を介し てそれぞれ回動自在に支持させ、該アーム（４４ａ）（４４ｂ）基端に固設する 各揺動板（４５ａ）（４５ｂ）の中央を係合ピン（４６）を介し相互に係合連結 させると共に、前記アーム本体（３７）の基端ボス（３７ａ）内のアーム軸（３ ６）に一体回動可能に設けるカム（４７）に、前記揺動板（４５ａ）に係止した 進退ロッド（４８）を当接連結させ、前記クランクアーム（２８）が１回転する ときカム（４７）でロッド（４８）を進退させて爪体（４４ａ）（４４ｂ）の下 部を開閉させるように構成している。

【００１０】 ところで、前記昇降ガイド（４１）は、ガイド溝（４１ａ）の上端側の一定寸 法を後方側に傾斜させる規制ガイドである後傾ガイド溝部（４１ｂ）に形成して いて、前記植付爪（１８）を上部停止位置に位置させるとき、該溝部（４１ｂ） によって植付爪（１８）の上部苗供給口（１８ｃ）を後側に傾ける状態とさせて 、この供給口（１８ｃ）を後方の苗取出爪（１６）側に臨ませて苗取出爪（１６ ）からの苗の受継ぎを安定且つ確実なものとさせるように構成している。

【００１１】 図５乃至図６に示す如く、前記苗載台（１４）は、該台（４）上の苗トレイ（ １５）底部を、下部駆動スプロケット（４９）と上部遊転輪（５０）間に張架す る縦送りチェン（５１）の縦送りピン（５２）に掛合させて、苗載台（１４）の 左右移動終端時に縦送りチェン（５１）の駆動でもって苗トレイ（１５）の縦送 りを行うようにしたもので、苗取出爪（１６）による苗取出位置に苗トレイ（１ ５）を裏面側及び上面側より摺動案内するリブ状の上下ガイド（５３）（５４） をそれぞれ設けていて、前記苗載台（１４）の下ガイド板（１４ａ）に前記下ガ イド（５４）を、また苗載台（１４）左右両側の縦フレーム（１４ｂ）にブラケ ット（５５）を介し前記上ガイド（５３）をそれぞれ支持させて、これら上下ガ イド（５３）（５４）の案内によって苗取出位置付近での苗トレイ（１５）の歪 みのないスムーズな縦送りを行わしめるように構成している。そして前記上ガイ ド（５３）の苗取出位置における彎曲内側面（５３ａ）には、前記苗トレイ（１ ５）上面に下側平坦面を摺接させるトレイ押えガイド板（５６）を固定させてい て、前記苗トレイ（１５）が上ガイド（５３）の彎曲内側面（５３ａ）に直接摺 接することによって苗トレイ（１５）のポット（１５ａ）が傾き、苗取出不良と なったり苗トレイ（１５）が破損するなどの事故発生の防止を行うように構成し ている。

【００１２】 本実施例は上記の如く構成するものにして、前記昇降ガイド（４１）のガイド 溝（４１ａ）の上端部に後傾溝部（４１ｂ）を設けて、苗植付爪（１８）の上部 停止位置時にはこの苗供給口（１８ｃ）を後側に傾ける状態とさせることによっ て、たとえ苗植付爪（１８）の植付軌跡（上下ストローク）が大きな場合でも、 前記苗取出爪（１６）からの苗を確実に受継ぎすることができる。また前記苗供 給口（１８ｃ）の前面立上り部となる爪体（１８ａ）上端延長部（１８ｄ）の効 果とも相まって、この苗受継ぎ時に苗取出爪（１６）からの慣性力で苗が前方向 に移動する状態のときにもこの飛び出しが阻止され確実な受継ぎが可能になる。

【００１３】

【考案の効果】

以上実施例からも明らかなように本考案は、苗載台（１４）から苗取出爪（１ ６）によって取出した苗を苗植付爪（１８）に受継いで圃場に植付けるようにし た構造において、前記苗植付爪（１８）の苗供給口（１８ｃ）を上部停止位置で 苗取出爪（１６）側に傾ける爪軌跡規制ガイド（４１ｂ）を設けたものであるか ら、たとえ苗植付爪（１８）の植付軌跡（上下ストローク）が大きくなる場合で も苗取出爪（１６）から確実に苗を受継ぎできるもので、また苗取出爪（１６） からの慣性力による苗受継ぎ時における苗植付爪（１８）よりの苗飛び出しも防 止できてこの受継ぎ性能を一層向上させることができるなど顕著な効果を奏する 。

【図面の簡単な説明】

【図１】苗植付爪の側面説明図である。

【図２】移植機の全体側面図である。

【図３】移植機の全体平面図である。

【図４】苗植付爪の平面説明図である。

【図５】苗載台の側面説明図である。

【図６】トレイ上ガイドの説明図である。

【符号の説明】

（１４） 苗載台 （１６） 苗取出爪 （１８） 苗植付爪 （１８ｃ） 苗供給口 （４１ｂ） ガイド溝部（規制ガイド）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 苗載台から苗取出爪によって取出した苗
   を苗植付爪に受継いで圃場に植付けるようにした構造に
   おいて、前記苗植付爪の苗供給口を上部停止位置で苗取
   出爪側に傾ける爪軌跡規制ガイドを設けたことを特徴と
   する移植機の苗植付装置。