JPH09163833A

JPH09163833A - 苗植付装置

Info

Publication number: JPH09163833A
Application number: JP34861095A
Authority: JP
Inventors: Masabumi Saeki; 正文佐伯; Hideo Izeki; 秀夫井関; Satoru Kato; 哲加藤; Tatsuyuki Toritsu; 龍之鳥津; Sumi Fukushima; 寿美福島
Original assignee: Iseki and Co Ltd; Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Current assignee: Iseki and Co Ltd; Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Priority date: 1995-12-18
Filing date: 1995-12-18
Publication date: 1997-06-24

Abstract

(57)【要約】【課題】苗移植後、苗植付体が上動する際に当該苗植
付体が苗を持ち上げないようにする。【解決手段】苗Ｎの身丈方向と交差する方向へ移動し
て苗供給位置Ａに供給される苗Ｎを圃場の苗植付位置Ｂ
まで押しながら移送し、該苗植付位置まで苗を移送した
後は苗Ｎの身丈方向へ移動して苗Ｎを苗植付位置Ｂに残
すように作動する苗植付体４６を備えた苗植付装置３５
において、前記苗植付体４６における苗移送時に苗Ｎの
床部Ｎａに当接する部分４６ａを、苗植付体４６の作動
平面に対し直交する方向から見て苗側に凸となる曲面状
に形成し、苗植付後、苗植付体４６が苗Ｎの身丈方向へ
移動する際に、苗植付体４６の前記苗の床部に当接する
部分４６ａが苗Ｎの床部Ｎａを引っ掛けない構成とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、田植機等の苗移植
機に設けられる苗植付装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】左右方向の軸回りに回転する回転体に苗
植付体を取り付けたロータリ方式の苗植付装置は、図９
に示す移動軌跡で苗植付体４６が作動し、苗供給位置Ａ
に供給される苗Ｎを苗植付体４６が上から叩いて下方に
取り出し、そのまま苗植付体４６が苗の身丈方向と交差
する方向へ移動して苗Ｎを圃場の苗植付位置Ｂまで移送
し、該苗植付位置まで苗Ｎを移送した後は苗植付体４６
が苗の身丈方向に移動し、苗Ｎを苗植付位置Ｂに残した
まま苗植付体４６だけが上方へ移動する構成となってい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の苗植付装置には、苗移植後、苗植付体４６が上動す
る際に当該苗植付体の先端部（苗移送時に苗の床部Ｎａ
に当接する部分）が苗に引っ掛かり、植付けた苗Ｎを一
緒に持ち上げてしまうことがあった。本発明は、このよ
うな事態を防止し、苗を確実に圃場に植付けるようにす
ることを課題としている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のような構成とした。すなわち、本発明
にかかる苗植付装置は、苗の身丈方向と交差する方向へ
移動して苗供給位置に供給される苗を圃場の苗植付位置
まで押しながら移送し、該苗植付位置まで苗を移送した
後は苗の身丈方向へ移動して苗を苗植付位置に残すよう
に作動する苗植付体を備えた苗植付装置において、前記
苗植付体における苗移送時に苗の床部に当接する部分
を、苗植付体の作動平面に対し直交する方向から見て苗
側に凸となる曲面状に形成したことを特徴とし、苗植付
後、苗植付体が苗の身丈方向へ移動する際に、苗植付体
の前記苗の床部に当接する部分が苗の床部を引っ掛けな
いようにした。

【０００５】

【発明の実施の形態】図１乃至図８は本発明の苗植付装
置を備えた苗移植機を例示している。この苗移植機１は
水田に稲の苗を植付ける田植機であって、乗用型の走行
車体２の後側にリンク装置３を介して６条植えの植付部
４が昇降可能に装着され、また、走行車体２の後部に
は、側条施肥装置５の肥料ホッパ５ａと、各条ごとに肥
料を繰り出す肥料繰出装置５ｂ…が配設されている。

【０００６】走行車体２は、駆動回転する左右一対の操
向用の前輪６・６と駆動回転する左右一対の後輪７・７
を備え、フレーム８上の前側にミッションケース９、そ
の後側にエンジンＥが搭載されている。エンジンＥの回
転動力は、ベルト伝動装置１０によりミッションケース
９の上部に取り付けた油圧ポンプに一旦伝動され、そこ
から、無段変速操作可能なベルト伝動装置１１によりミ
ッションケース９内に伝動される。そして、ミッション
ケース９内の動力は前輪６・６と後輪７・７に伝動され
るとともに、伝動軸９ａ、植付クラッチケース９ｂ、伝
動軸９ｃを介して植付部４に伝動される。尚、図中の１
２は前輪６・６を操向操作するためのハンドル、１３は
操縦者が座る座席、１４は操縦者が走行車体２上を移動
する際のステップフロアである。

【０００７】リンク装置３は、走行車体２のフレーム８
の後端部に固着のリンクベース８ａに上リンク１５ａ・
１５ａおよび下リンク１５ｂ・１５ｂが回動自在に取り
付けられ、これら上下リンクの後端部に縦リンク１５ｃ
が連結されている。そして、その縦リンク１５ｃの下端
部から後方に突出する連結軸受部１５ｃ’に、植付部４
の伝動ケース１６に一体の連結軸１６’が回動自在に連
結して、植付部４が進行方向に対して左右に回動自在に
装着される。また、リンク装置３を駆動するための油圧
シリンダ１７が、基部側をフレーム８に取り付けて設け
られていて、そのピストンロッド側が上リンク１５ａ・
１５ａの基部から下向きに一体的に固着されたアーム１
５ａ’の先端部にスプリングを介して連結されている。
この油圧シリンダ１７が伸縮作動すると、上下のリンク
１５ａ・１５ａ・１５ｂ・１５ｂがリンクベース８ａ側
の支軸回りに回動し、植付部４が昇降動するようになっ
ている。尚、油圧シリンダ１７は植付部４に設けた油圧
バルブ１８によって作動制御される。

【０００８】走行車体２の前部左右両側には補給用の苗
を載せておく予備苗載台２０，２０が設けられている。
また、走行車体２の前部左右両側には、次行程における
走行車体２の進路を圃場面に線引きする線引きマーカー
２１・２１が起倒切替可能に設けられている。

【０００９】植付部４は６条植え構成で、２条ごとに１
組づつ設けられている苗箱搬送装置３０・３０・３０、
苗取出装置３１・３１・３１、第一苗搬送装置３２・３
２・３２、苗抜出装置３３・３３・３３及び第二苗搬送
装置３４・３４・３４と、各条ごとに設けられている苗
植付装置３５…とを備えている。

【００１０】苗を一株づつ収容するポットを縦横に多数
配列した苗箱を各苗箱搬送装置３０…に装填して植付部
４の各部を駆動すると、苗箱搬送装置３０…によって苗
箱が苗押出位置Ｐ…へ順に搬送され、その苗押出位置Ｐ
…に搬送されてきた苗箱の横１列のポットから苗取出装
置３１…の苗押出ピン３１ａ…によって苗が一斉に押し
出され、その押し出された苗を保持した第一苗搬送装置
３２…の苗ホルダー３２ａ…が下方に移動して苗を搬送
し、その下方に搬送された苗が苗抜出装置３３…の苗抜
出具３３ａ…によって第二苗搬送装置３４…の苗送りベ
ルト３４ａ・３４ａ…の上に抜き落とされ、その抜き落
とされた苗が第二苗搬送装置３４…によって左右両側の
苗供給位置Ａ・Ａ…に左右半分づつに分かれて横送りさ
れ、その苗供給位置Ａ・Ａ…に供給された苗を苗植付装
置３５・３５…が一株づつ取って圃場に植付けてゆく。

【００１１】植付部４の下部にはセンターフロート３６
と左右一対のサイドフロート３７・３７が設けられてお
り、植付作業時は、これらフロートが圃場面を整地しな
がら滑走してゆく。これら各フロート３６・３７・３７
には、各条の苗植付位置の近傍の圃場面に施肥用の溝を
形成する作溝体３８…が取り付けられ、その後側に平面
視断面が後方開口のＵ字状の施肥ガイド５ｃ…が取り付
けられ、そこに肥料繰出装置５ｂ…から繰り出された肥
料を移送する施肥ホース５ｄ…が各条ごとに連結されて
いる。

【００１２】また、センターフロート３６は圃場面の凹
凸を検出するセンサでもあり、このセンターフロート３
６の上下動に応じて油圧バルブ１８のスプールが作動す
るようになっている。すなわち、センターフロート３６
が上動すると、油圧シリンダ１７を伸ばす方向に油圧バ
ルブ１８が作動され、逆にセンターフロート３６が下動
すると油圧シリンダ１７を縮める方向に油圧バルブ１８
が作動されるのである。これにより、植付部４は圃場面
に対し一定の高さを維持するように制御される。

【００１３】次に、第二苗搬送装置３４と苗植付装置３
５について更に詳しく説明する。第二苗搬送装置３４
は、互いに逆方向に回転する駆動軸３４ｂ・３４ｂに駆
動ローラー３４ｃ・３４ｃを一体回転するよう連結し、
該駆動ローラーとその左右内側に回転自在に支持された
従動ローラ３４ｄ・３４ｄとに苗送りベルト３４ａ・３
４ａを巻き掛けて、左右の苗送りベルト３４ａ・３４ａ
の上面がそれぞれ左右両外側に移動するようになってい
る。また、苗送りベルト３４ａの外周面には、回動軸方
向に沿って並ぶ複数の突起３４ａ’…が設けられ、苗Ｎ
…がこの突起３４ａ’…の左右間に挟まれた状態で搬送
される。苗送りベルト３４ａ・３４ａの回動作動は、苗
植付装置３５・３５が苗供給位置Ａ・Ａから苗を一株づ
つ取っていくタイミングに合わせて苗Ｎ…を苗供給位置
Ａ・Ａに搬送するようになっている。

【００１４】苗植付装置３５は、伝動ケース１６から後
方に延びる植付伝動フレーム１６ａの後部に軸受４０・
４０によって回転自在に支承される植付駆動軸４１にロ
ータリケース（回転体）４２をキー４３によって一体に
取り付け、そのロータリケース４２に軸受４４・４４・
４４・４４によって回転自在に支承される一対の苗植付
体取付軸４５・４５の角軸部４５ａ・４５ａに苗植付体
４６・４６をボルト４７・４７によって一体に取り付け
ている。ロータリケース４２の内部には植付伝動フレー
ム１６ａに一体のカムプレート４９が設けられていて、
このカムプレート４９のガイド溝４９ａに苗植付体取付
軸４５・４５と一体作動するアーム５０・５０の先端部
に設けたカムピン５１・５１が摺動自在に嵌合してい
る。カムプレート４９のガイド溝４９ａの形状は偏心不
等径のループ状であって、このガイド溝４９ａに沿って
カムピン５１・５１が移動することにより、苗植付体４
６・４６のロータリケース４２に対する角度が逐次変化
するようになっている。これにより、植付駆動軸４１が
回転すると、一対の苗植付体４６・４６が先端移動軌跡
Ｔを描いて作動し、苗供給位置Ａに供給される苗Ｎを圃
場の苗植付位置Ｂに交互に植え込んでゆく。

【００１５】機体の進行を加味した苗植付体の移動軌跡
Ｔ′は図７に示すようになり、苗植付体４６は、苗供給
位置Ａに供給される苗Ｎをその身丈方向と交差する方向
へ押しながら苗植付位置Ｂまで移送し、該苗植付位置ま
で苗Ｎを移送した後は、苗植付体４６が苗の身丈方向に
沿って上方へ移動し、苗植付体４６が苗Ｎから離れて苗
を苗植付位置Ｂに残すようになっている。

【００１６】なお、苗供給位置Ａから苗植付位置Ｂへ至
る苗移送路の左右両側には板状のガイド体５３・５３が
設けられている。第二苗搬送装置３４の苗送りベルト３
４ａで横送りされた苗Ｎは、上記ガイド体５３・５３の
上部に形成された苗受け部５４に落とし込まれる。そし
て、上方から移動してくる苗植付体４６の先端部が苗Ｎ
の床部Ｎａを上から押すことにより、苗Ｎがガイド体５
３・５３の間を移動して圃場に植付けられる。

【００１７】苗植付体の先端部４６ａは、図６に示すよ
うに、苗植付体４６の作動平面に対して直交する方向か
ら見て苗側に凸となる曲面状に形成されている。この先
端部形状は、苗供給位置Ａから苗植付位置Ｂまで苗植付
体４６が苗を移送する行程から苗植付体４６だけが上方
へ移動する行程へ切り替わる時に、苗の床部Ｎａとの接
触部の位置を先端側から根本側へ次第に移しながら苗植
付体４６の姿勢が変化するようになっている。これによ
り、苗植付体４６が上動する際に、苗植付体の先端部４
６ａが苗の床部Ｎａに引っ掛からず、植付けた苗を持ち
上げにくくなっている。

【００１８】また、苗植付体の先端部４６ａは、先端側
ほど幅が狭くなっている。これにより、苗植付体の先端
部４６ａと苗の床部Ｎａとの接触面積が苗植付体の先端
側にゆくほど小さくなるので、苗植付体４６の苗離れが
良好となり、植付けた苗を持ち上げにくくなっている。

【００１９】更に、苗植付体の先端部４６ａは、苗との
接触面側の断面形状が苗側に凸となる曲面状に形成され
ている。これにより、苗植付体の先端部４６ａと苗の床
部Ｎａとの接触面積を小さくすることができ、苗植付体
４６の苗離れが良好となり、植付けた苗を持ち上げにく
くなっている。なお、図８に示すように、苗との接触面
側の断面形状を中央部分は直線状にして、且つ角部を斜
めに切り欠いた形状としても、苗植付体の先端部４６ａ
と苗の床部Ｎａとの接触面積が小さくなり、上記効果を
得ることができる。

【００２０】

【発明の効果】以上に説明した如く、本発明にかかる苗
植付装置は、苗植付体における苗移送時に苗の床部に当
接する部分を苗植付体の作動平面に対し直交する方向か
ら見て苗側に凸となる曲面状に形成することにより、苗
植付後、苗植付体が苗の身丈方向へ移動する際に、苗植
付体の前記苗の床部に当接する部分が苗の床部に引っ掛
かからず、植付けた苗を持ち上げることがなくなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】苗移植機の全体側面図である。

【図２】植付部の背面図である。

【図３】苗植付装置の側面図である。

【図４】苗植付装置の平面断面図である。

【図５】苗植付装置の側面断面図である。

【図６】（ａ）苗植付体の先端部の側面図、（ｂ）苗植
付体の先端部の背面図、及び（ｃ）Ｓ−Ｓ断面図であ
る。

【図７】苗植付体の移動軌跡を示す図である。

【図８】異なる苗植付体の先端部の断面図である。

【図９】従来の苗植付装置の苗植付体の移動軌跡を示す
図である。

【符号の説明】

Ａ苗供給位置Ｂ苗植付位置Ｎ苗Ｎａ床部１苗移植機２走行車体３リンク装置４植付部３５苗植付装置４６苗植付体４６ａ苗の床部に当接する部分

フロントページの続き (72)発明者鳥津龍之愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地井関農機株式会社技術部内 (72)発明者福島寿美愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地井関農機株式会社技術部内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】苗の身丈方向と交差する方向へ移動して
苗供給位置に供給される苗を圃場の苗植付位置まで押し
ながら移送し、該苗植付位置まで苗を移送した後は苗の
身丈方向へ移動して苗を苗植付位置に残すように作動す
る苗植付体を備えた苗植付装置において、前記苗植付体
における苗移送時に苗の床部に当接する部分を、苗植付
体の作動平面に対し直交する方向から見て苗側に凸とな
る曲面状に形成したことを特徴とする苗植付装置。