JPH0567845B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、予め塑成された大容量のガス等から
なる気体燃料を比較的長い送気加熱通路中を流通
せしめる間に混気筒よりの加熱作用で高温となつ
た燃焼用空気と直接衝突させて攪拌混合し、完全
な混気ガスとした後、ガス室より安定状態のもと
に噴気燃焼せしめることができる気体燃料燃焼装
置に関する。

［従来の技術］ 従来、予めガス状態に塑成された気体燃料を混
気筒よりガス室に向け流通させる間に強制風と混
気させて混気ガスとした後、これを一定圧力状態
のもとに噴気燃焼させることができる気体燃料燃
焼装置は本出願前例えば実公昭57−52496号公報
に記載されて知られており、これが内容を第３図
について説明する。

すなわち、先端を開放した有底筒状の燃焼筒１
の内周に亘り、表面に多数の混気ガス噴出孔３を
穿孔した燃焼盤２を配設して、燃焼筒１と燃焼盤
２との間にガス室４を形成する。

そして、上記ガス室４の中央に開口された中央
開口部５に対向する燃焼盤２内には、先端を閉
じ、基端側を開放した混気筒６を、該混気筒６と
中央開口部５の周囲に設けた噴気室７との間に噴
気間隙８が形成されるように配設して、混気筒６
内部を中央開口部５を経てガス室４と流通せしめ
る。そして、前記燃焼筒１の有底側より中央開口
部５を経て混気筒６内へ深く挿通開口した送風筒
９内の先端内側には全体をドーナツ状に形成し、
しかも、周囲に多数のガス噴出孔１１を開孔した
ガス噴出体１０を配設して構成したものである。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、従前のこの種気体燃料燃焼装置にお
いては、気体燃料を混気筒内に噴出させるための
ガス噴出体は全体がドーナツ状を呈して低温の燃
焼用空気が流通している送風筒の先端側開口部付
近に配設されていたので、混気筒内への送風作用
時にガス噴出体が通風の邪魔となり所期の燃焼用
空気量を正確に送風することができない許りか、
ガス噴出体の容積も大きく形成できないので、ガ
ス噴出体の表面に穿孔したガス噴出孔の孔数も必
然的に少なくなつて、１ケ当たりのガス噴出孔よ
り噴出する気体燃料の噴出速度が大容量の燃焼時
に極端に大きくなつて、混気筒内に勢いよく噴出
された後、混気筒内周面に沿つて流通し、最後に
ガス室内に圧入される状態を呈する。

したがつて、前記気体燃料は送風筒内を混気筒
に向け送風される低温の燃焼用空気と攪拌混合作
用を営むことなく燃焼用空気と分離状を呈しなが
らガス室内に圧入されるため、完全な混気ガスと
ならず、燃焼時にあつては不安定状態のまま燃焼
されるという問題点を有していた。

本発明は、低温の燃焼用空気が送風室より送気
管、送気室を経て送気加熱通路中を流通される間
に、混気筒よりの加熱で加熱燃焼用空気としなが
ら送気案内筒内をガス室に向け流通せしめるとと
もに、上記加熱燃焼用空気が送気案内筒内部をガ
ス室に向け流通する程度で、気体燃料を加熱燃焼
用空気に向け衝突するよう直接噴出せしめて攪拌
混合させることで完全な混気ガスとして気体燃料
の燃焼安定化を図ることができる気体燃料燃焼装
置を得ることを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明の気体燃料
燃焼装置においては、基端側を開放した混気筒を
回転自在に内設した燃焼筒の内周に多数の混気ガ
ス噴出孔を穿孔した燃焼盤を配設して燃焼筒と燃
焼盤との間にガス室を形成し、前記混気筒とガス
室との間には、基端開口側がガス室と連通され、
先端開口側が混気筒内に挿入された送気案内筒を
配設し、前記混気筒内周壁面と送気案内筒外周壁
面との間に送風基端側が送気室および送気管を経
て送風室に接続され、また送風先端側が送気案内
筒を経てガス室に接続された送気加熱通路を形成
したものにおいて、前記送気案内風筒の基端側内
周には内部を中空筒状に形成した気体燃料噴出室
を配設するとともに、前記気体燃料噴出室の内周
面には送気加熱通路より送気案内筒内部を通過し
てガス室に流入する加熱燃焼用空気に向け気体燃
料を噴出衝突させて直接攪拌混合せしめる多数の
気体燃料噴出孔を穿孔したものである。

［作用］ 気体燃料の燃焼始動に際して、低温の燃焼用空
気を送風室１１７より給気管１１８、送気室１１
４を経て混気筒１２１と送風案内筒１２７との間
に形成された送気加熱通路１２５の基端側に送風
する。さすれば、低温の燃焼用空気は送気加熱通
路１２５に沿い混気筒１２１の頂部に送風され、
さらに、混気筒１２１頂部において反転して送気
案内筒１２７および気体燃料噴出室１３９内部を
円滑に流通した後、ガス室１１０内に圧入され、
ガス室１１０より混気ガス噴出孔１０９を経て内
方に向け噴出される。

そこで、上記のような状態のもとで、気体燃料
噴出室１３９内に気体燃料を供給すれば、該気体
燃料は気体燃料噴出室１３９の内周壁面１４０に
多数穿孔された気体燃料噴出孔１４４から勢いよ
く噴出され、送気加熱通路１２５より送気案内筒
１２７内部を通過してガス室１１０に流入する燃
焼用空気と激しく衝突し攪拌混合され、速やかに
混気ガスとなつてガス室１１０内に圧入される。
そして、ガス室１１０内に圧入された混気ガスは
均等圧状態をもつてガス室１１０より噴気燃焼さ
れ、その燃焼焔で混気筒１２１を強烈に加熱す
る。その結果、送気加熱通路１２５中を流通する
低温の燃焼用空気は比較的長い送気加熱通路１２
５中を円滑に流通している間に混気筒１２１より
の加熱作用で速やかに高温状態となるので、上記
加熱燃焼用空気との攪拌混合時に液化状態となら
ず確実に攪拌混合し、より完全な混気ガスとなつ
てガス室１１０内に圧入され、安定した燃焼を営
むことができる。

［実施例］ 実施例について図面を参照して説明する。

第１図および第２図において、１０１は、横断
面が多角形となり、かつ、上端を開放した竪型の
筒壁１０２を有し、底壁１０３中央部には外側に
向け膨出した環状膨出部１０４を設けた有底筒状
の燃焼筒であつて、該燃焼筒１０１の内周には、
竪型の筒壁１０６全周に多数の混気ガス噴出孔１
０７……を穿孔し、かつ底壁１０８の中央部に凹
陥燃焼室１０９を設けた燃焼盤１０５を間隔をお
き張設して、燃焼体１０１と燃焼盤１０５との間
にガス室１１０を形成せしめる。

上記凹陥燃焼室１０９は筒壁１１１と底壁１１
２とにより形成されている。前記凹陥燃焼室１０
９の内底側には中央に送気路１１３を開口した送
気室リング１１９を設けて、送気室リング１１９
と凹陥燃焼室１０９の底壁１１２との間に内部を
送風旋回案内路１１５に形成した送気室１１４を
配置せしめる。

１１６は、送気室リング１１９の表面に、一方
に向け開口した複数の旋回噴気口であつて、該旋
回噴気口１１６より噴気する燃焼用空気を凹陥燃
焼室１０９内で旋回せしめる。

前記送気室１１４は燃焼筒１０１の環状膨出部
１０４側に隣設した送風室１１７と複数本の給気
管１１８……を介して連通せしめる。

１２０は、送風室１１７側より燃焼筒１０１内
の中央部に向け挿通した回転軸であつて、該回転
軸１２０の先端には該回転軸１２０を覆うように
基端側を開放した混気筒１２１が直結されてい
る。上記混気筒１２１の開放端部は外方へ折曲し
て張出させ、これが周端面には中空筒状を呈する
混気体１２２を混気筒１２１端部との間に燃油飛
散間隙１２３が形成せられるよう一体に装着せし
めてある。１２４は、回転間隙である。

１２５は、混気筒１２１の内周壁面と、基端側
を環状膨出部１０４の中央に開口した連通口１２
８端部に装着し、先端開口側を混気筒１２１の頂
部近傍位置に臨むように挿入立設した送風案内筒
１２７の外周壁面との間に形成された送気加熱通
路であつて、該送気加熱通路１２５の送風基端側
は送気路１１３を介して送気室１１４に接続さ
れ、さらに、送気室１１４より送気管１１８を経
て送風室１１７に接続せしめる。また、送風先端
側は送気案内筒１２７の内部を通つてガス室１１
０に接続されている。１２６は、送気室１１４よ
り上方位置の凹陥燃焼室１０９の筒壁１１１に適
当数穿孔した補助噴焔孔であつて、該補助噴焔孔
１２６より噴気燃焼される燃焼焔で混気筒１２１
を加熱せしめる。１２９は、混気筒１２１の頂部
内面に一体に装着した中空状の燃油拡散体であつ
て、該混気筒１２１の内面と燃油拡散体１２９の
上端面との間には適宜寸法の燃油飛散間隙が設け
られている。１３０は、燃油拡散体１２９の下部
内面に燃油を送油させるための給気管であつて、
この給気管１３０は気体燃料の代わりに液体燃料
を気化燃焼させるときに使用する。その際にあつ
ては、給気管１３０より液体燃料を燃油拡散体１
２９に送油し、次いで、液体燃料を拡散流下させ
た後、燃油飛散間隙１２３より凹陥燃焼室１０９
内へ燃焼用空気とともに微粒状に噴散して生燃焼
せしめると同時に混気筒１２１を強烈に加熱し、
以後供給された液体燃料を蒸発気化し、発生した
気化ガスを燃焼用空気と混合して混気ガスとした
後、ガス室１１０内に圧入して気化燃焼を営ませ
るものである。

１３１は、燃焼盤１０５内部と送風室１１７と
をガス室１１０を貫通して接続せしめるために、
下端側を燃焼筒１０１の底壁１０３に、また、上
端側を燃焼盤１０５の底壁１０８に夫々装着した
複数本からなる給気筒であつて、該給気筒１３１
……は燃焼筒１０１の形状を第２図の如き矩形状
とした場合には、混気筒１２１より遠い左右両側
対称位置に複数個設けるとともに、これら左右位
置に夫々配設された複数の給気筒１３１……の開
口上方位置には内側を弧状に形成した一枚からな
る噴気拡散案内板１３２を間隔をおき配設する。
そして、給気筒１３１……の上方開口部を覆うよ
うに設けられた噴気拡散案内板１３２の周囲に
は、送風室１１７より給気筒１３１を経て噴気拡
散案内板１３２に噴き当たるよう送風された冷却
用の燃焼用空気を燃焼盤１０５の底壁１０８面に
沿つて周囲へ噴出させるための噴風口１３３が開
口されている。１３４は、燃焼筒１０１の先端側
に設けた取付フランジ１３５と燃焼盤１０５の先
端側に設けた取付フランジ１３６との接合部に貫
設した複数の二次燃焼用空気の噴気孔である。

１３７は、燃焼盤１０５の内周に亘つて自由端
側が内側に向け折曲されるように装着した焔安定
リングである。１３８は、ドレーンパイプであ
る。

１３９は、送気案内筒１２７の基端内側に配設
した気体燃料噴出室であつて、該気体燃料噴出室
１３９は、内周壁１４０と外周壁１４１とを、先
端側および基端側がともに封止された中空筒状の
室となるよう一体に装着して形成せしめるととも
に、気体燃料噴出室１３９の先端内側は通風入口
１４２に、また、先端内側を通風出口１４３に形
成されている。そして、気体燃料噴出室１３９の
内周壁１４０面には多数の気体燃料噴出孔１４４
を穿孔せしめるとともに、気体燃料噴出室１３９
の基端側には複数本の気体燃料供給管１４５を開
口接続せしめて、気体燃料供給管１４５より気体
燃料噴出室１３９内に供給した気体燃料を送気加
熱通路１２５より送気案内筒１２７内部を通過し
てガス室１１０に流入する加熱燃焼用空気に向け
て噴出させて、直接攪拌混合し、完全な混気ガス
を起成せしめる。

［発明の効果］ 本発明は、以上説明したように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。

従来の気体燃料燃焼装置に比較して、気体燃料
を収容する内容積の大きな気体燃料の噴出室１３
９を送気案内筒１２７の基端側内周の比較的広い
空間に送風抵抗も発生させることなく容易に設置
して大容量の気体燃料を均等圧状態のもとに噴出
させて完全燃焼せしめることができる許りか、送
気案内筒１２７が混気筒１２１内に奥深く挿入さ
れているので、送気案内筒１２７外周壁面と混気
筒１２１外周壁面との間に形成された送気加熱通
路１２５を比較的長く形成でき、もつて、送風室
１１７より送気室１１４、送気管１３１を経て送
気加熱通路１２５へ送気された低温の燃焼用空気
をその流通中に混気筒１２１よりの加熱作用で速
やかに高温の加熱燃焼用空気として、気体燃料と
加温燃焼用空気との攪拌混合を的確に行わせて完
全な、しかも高温の混気ガスを速やかに起成し、
これが高温の混気ガスを安定状態のもとに燃焼せ
しめることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る気体燃料燃焼装置の一実施
例を示すものであつて、第１図は、一部を切欠し
た縦断正面図、第２図は、同平面図、第３図は、
従来の一部切欠した縦断正面図である。 １０１……燃焼筒、１０５……燃焼盤、１０７
……混気ガス噴出孔、１１０……ガス室、１１４
……送気室、１１５……送気管、１１７……送風
室、１２１……混気筒、１２５……送気加熱通
路、１２７……送風案内筒、１３９……気体燃料
噴出室、１４０……内周壁面、１４４……気体燃
料噴出孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 基端側を開放した混気筒を回転自在に内設し
   た燃焼筒の内周に多数の混気ガス噴出孔を穿孔し
   た燃焼盤を配設して燃焼筒と燃焼盤との間にガス
   室を形成し、前記混気筒とガス室との間には、基
   端開口側がガス室と連通され、先端開口側が混気
   筒内に挿入された送気案内筒を配設し、前記混気
   筒内周壁面と送気案内筒外周壁面との間に送風基
   端側が送気室および送気管を経て送風室に接続さ
   れ、また送風先端側が送気案内筒を経てガス室に
   接続された送気加熱通路を形成したものにおい
   て、前記送気案内筒の基端側内周には内部を中空
   筒状に形成した気体燃料噴出室を配設するととも
   に、前記気体燃料噴出室の内周壁面には送気加熱
   通路より送気案内筒内部を通過してガス室に流入
   する加熱燃焼用空気に向け気体燃料を噴出衝突さ
   せて直接攪拌混合せしめる多数の気体燃料噴出孔
   を穿孔したことを特徴とする気体燃料燃焼装置。