JPH0467087B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、気化筒内において発生した気化ガス
を燃焼用空気と良く攪拌混合して完全な混気ガス
とした後、該混気ガスを多数のガス噴出孔から均
等な噴出速度のもとに噴気燃焼させることができ
る気化バーナに関する。

従来の技術 従来、燃焼筒内に敷設した燃焼盤の面積が如何
に大きくとも、起成された混気ガスが何処も均等
圧状態をもつて一斉に燃焼盤より噴気燃焼させる
気化バーナは本出願前例えば実公昭52−54036号
公報に記載されているように公知であり、これを
第３図を用いて説明する。すなわち、燃焼筒１内
に多数のガス噴出孔８を穿孔した燃焼盤２を敷設
して内部にガス室３を形成し、上記ガス室３の中
央開放部５には一側を開放状とした気化筒４を回
転自在に位置せしめて気化筒４とガス室３とを連
通状ならしめると共に、上記ガス室３内には適当
数の混気ガス通路７を周端部に設けた環状のガス
圧均等板６を斜設してガス室３内部を仕切つたも
のである。

発明が解決しようとする問題点 ところで、上記公知の気化バーナにおいては、
気化筒内において発生した混気ガスをガス圧均等
板に沿つて混気ガス通路よりガス室内に流入せし
めた際には、該混気ガスのガス速度は混気ガス通
路を通過する位置が一番早いため、混気ガス通路
を通過してガス室に流入した混気ガスは混気ガス
通路直上に設けられたガス噴出孔より勢いよく噴
気されリフト燃焼されるのに対し、混気ガス通路
より遠い位置、すなわち、気化筒寄りの位置に設
けられたガス噴出孔より噴気する混気ガスは噴出
速度が遅いため、燃焼盤表面に密着して炎を形成
するという不均等な燃焼状態を呈し、得られた混
気ガスをを多数のガス噴出孔から均等な噴出速度
をもつて一斉に噴気燃焼させることができない許
りか、気化筒内において発生した気化ガスはガス
室に至る距離が短かいので燃焼用空気との攪拌混
合が不完全となり、完全な混気ガスの起成が達成
できない等の問題があつた。

問題点を解決するための手段 本発明は前記問題点を解決するものであつて、
以下にその内容を実施例に対応する第１図および
第２図を用いて説明する。

すなわち、燃焼筒１０１内に、多数のガス噴出
孔１０３を穿孔した燃焼盤１０２を敷設する。そ
して上記燃焼筒１０１と燃焼盤１０２との間にガ
ス室１０４を形成する。上記ガス室１０４の中央
開放部１０５には基端開放側がガス室１０４と連
通する気化筒１０６を回転自在に位置せしめる。
上記のように形成されたガス室１０４内には自由
端側と燃焼筒１０１との間に環状の狭隘なガス流
通路１０８が形成されるようにガス圧均等板１０
７を配設してガス室１０４内部を仕切る。

前記ガス圧均等板１０７の基端側周辺には複数
のガス噴気孔１０９……を穿孔してガス流通路１
０８およびガス噴気孔１０９……よりガス室１０
４内部に向け夫々噴気した混気ガスをガス室１０
４内部において衝突させ、攪拌混合せしめる。

作 用 今、バーナを始動すれば、気化筒１０６が高速
回転すると共に、気化筒１０６内に燃焼用空気が
送風され、その燃焼用空気はガス圧均等板１０７
に沿つて流通し、狭隘なガス流通路１０８よりガ
ス室１０４内に流入した後、多数のガス噴出孔１
０３より燃焼筒１０１内に噴気されると共に気化
筒１０６を通つた燃焼用空気の一部はガス圧均等
板１０７の基端側周辺に穿孔した複数のガス噴気
孔１０９よりガス室１０４に噴気される。したが
つてガス流通路１０８よりガス室１０４内に流入
した燃焼用空気とガス噴気孔１０９よりガス室１
０４内に噴気された燃焼用空気とはガス室１０４
内において衝突し攪拌混合される。この状態のも
とで、燃料を気化筒１０６に供給すれば、気化筒
１０６内で燃料は拡散微粒化され、さらに送風さ
れる燃焼用空気の噴送作用により一層微粒化され
たら、気化筒１０６の開放側端部から燃焼筒１０
１内へ噴散され、点火により生燃焼される。

さすれば、発生した生燃焼焔により気化筒１０
６全体が加熱されるので、以後気化筒１０６内に
供給された燃料は蒸発気化され、燃焼用空気と攪
拌混合されて混気ガスとなり、この混気ガスはガ
ス圧均等板１０７に沿い流通した後、狭隘なガス
流通路１０８から内側に向けガス室１０４内に圧
入される。一方気化筒１０６よりガス室１０４に
送られた混気ガスの一部はガス圧均等板１０７の
基端周辺に穿孔された複数のガス噴気孔１０９…
…よりガス室１０４内を外側に向け噴気される。

したがつて、ガス流通路１０８からガス室１０
４内を内側に向け流通する混気ガスとガス噴気孔
１０９よりガス室１０４内を外側に向け流通する
混気ガスはガス室１０４内において互いに衝突
し、攪拌混合されて減圧され、略均等な圧力状態
のもとに蓄気されると同時に混気ガスも前記衝突
による攪拌混合作用でより良好な混気ガスとなつ
た後、多数のガス噴出孔１０３……より均等な噴
出速度をもつて一斉に噴気燃焼される。

したがつて、混気ガスが多数のガス噴出孔１０
３より均等な噴出速度で噴気燃焼されるため、従
来気化バーナの如く、気化筒１０６より遠い側が
リフト燃焼し、近い側が燃焼盤１０２に密着して
炎を形成するという不均等な燃焼状態を発生させ
ることなく、常に一定長さの燃焼焔を安定よく焔
上させることができる。

実施例 本発明を添附図面に示された好適な実施例につ
いて説明する。

第１図において、１０１は、先端を開放し、基
端底壁側に中央開口部を設けた有底筒状の燃焼筒
であつて、該燃焼筒１０１の底壁側には送風室１
１０が隣接されている。そして燃焼筒１０１内
に、多数のガス噴出孔１０３……を穿孔した燃焼
盤１０２を略水平に敷設して、燃焼筒１０１と燃
焼盤１０２との間にガス室１０４を形成する。上
記ガス室１０４の中央開放部１０５には、先端を
閉じ、基端を開放した筒状の気化筒１０６を送風
室１１０側から燃焼筒１０１内に挿通した回転軸
１１１の先端に直結して回転自在に位置せしめて
ある。

１０７は、気化筒１０６内において起成された
混気ガスが均等な圧力状態のもとにガス室１０４
内に圧入され、多数のガス噴出孔１０３より均等
な噴出速度のもとに噴気燃焼させるためのガス圧
均等板であつて、該ガス圧均等板１０７は内側位
置の燃焼盤１０２より下向きに垂下した壁筒１０
７ａと、該壁筒１０７ａの下端側を外側に向けて
略水平に延出した環状の張出板１０７ｂとを一体
に設けて形成せしめると共に、燃焼筒１０１と張
出板１０７ｂの端部との間には、供給側が気化筒
１０６内部と接続され、吐出側がガス室１０４と
接続する環状を呈する狭隘なガス流通路１０８が
形成せられるようにガス圧均等板１０７を配設し
て、ガス室１０４内部を二分するように仕切る。
１０９は、ガス圧均等板１０７の基端側周辺（第
１図の実施例にあつては壁筒１０７ａの周面）に
複数穿孔したガス噴気孔であつて、気化筒１０６
よりガス室１０４に向け流通する混気ガスの一部
を前記ガス噴気孔１０９よりガス室１０４内を外
側に向け流通するように噴気せしめる。

したがつて、ガス流通路１０８よりガス室１０
４内を外側より内側に向け流通する混気ガスとガ
ス噴気孔１０９よりガス室１０４内を内側より外
側に向け流通する混気ガスは、ガス室１０４内に
おいて互いに衝突し、攪拌混合されてガス圧が減
圧された均等圧状態のもとにガス室１０４内に蓄
気され、多数のガス噴出孔１０３……より均等な
噴出速度のもとに噴気燃焼されると同時に混気ガ
スもより一層攪拌混合して完全な混気ガスに起成
されるものである。１１２は、送風筒であつて、
該送風筒１１２の基端は送風室１１０に接続さ
れ、かつ先端側は気化筒１０６内へ深く挿通され
ていて、気化筒１０６と送風筒１１２との間には
混気ガス通路１１３が形成されている。

気化筒１０６内の先端には送風筒１１２の先端
開口に対向して中空逆円錐状の燃料拡散体１１４
が取付けられており、該燃料拡散体１１４の内側
には送油管１１５の先端が近接対向されている。
また、上記気化筒１０６の基端開放側には、先端
を燃料飛散端１１６とした環状の混気体１１７が
燃料飛散間隙１１８をおいて一体に装着されてお
り、この混気体１１７とガス室１０４との間に環
状の噴気通路１１９が形成されている。そして上
記環状の噴気通路１１９はガス室１０４を貫通す
る多数の通気管１２０……によつて送風室１１０
に連通されている。この噴気通路１１９は、気化
筒１０６の回転間隙であると同時に送風室１１０
から常に燃焼用空気を流通させて気化筒１０６の
基端側と燃焼盤１０２の焼損を防止する役目を有
する。１２１は、点火栓である。

第２図に示されたものは、ガス圧均等板１０
７′を基端側から先端側に向けて順次下向き傾斜
した截頭円錐形状とした場合の第２実施例の気化
バーナであつて、該第２実施例の気化バーナにあ
つても、截頭円錐形状を呈するガス圧均等板１０
７′の基端側周辺には複数のガス噴気孔１０９′…
…が穿孔されると共に燃焼筒１０１とガス圧均等
板１０７′との間に環状のガス流通路１０８′を設
けて気化筒１０６よりガス室１０４に向け流通す
る混気ガスをガス流通路１０８′およびガス噴気
孔１０９′……よりガス室１０４内部において互
いに衝突し、攪拌混合せられるようガス室１０４
に噴流せしめ、均等圧の混気ガスをガス室１０４
に蓄気させ、常に一定長さの燃焼焔が得られるよ
うにした以外の構成は第１実施例の気化バーナと
同一である。

発明の効果 要するに本発明は、燃焼筒１０１内に多数のガ
ス噴出孔１０３……を穿孔した燃焼盤１０３を敷
設して内部にガス室１０４を形成し、上記ガス室
１０４の中央開放部１０５には基端開放側がガス
室１０４と連通する気化筒１０６を回転自在に位
置せしめると共に、上記ガス室１０４内には自由
端側と燃焼筒１０１との間に環状の狭隘なガス流
通路１０８が形成せられるようにガス圧均等板１
０７を配設してガス室１０４内部を仕切つたもの
であつても、前記ガス圧均等板１０７の基端側周
辺には複数のガス噴気孔１０９……を穿孔してガ
ス流通路１０８およびガス噴気孔１０９……より
夫々噴気した混気ガスをガス室１０４内部におい
て衝突し攪拌混合せしめたから、気化筒１０６内
において起成された混気ガスはガス圧均等板１０
７により二分され、しかも一方の混気ガスは狭隘
なガス流通路１０８よりガス室１０４内を外側よ
り内側に向け流通せしめ、又、他方の混気ガスは
ガス噴気孔１０９よりガス室１０４内を内側より
外側に向け流通せしめて、両混気ガスをガス室１
０４内において互いに衝突させ、攪拌混合せしめ
ることができ、その結果、混気ガスはガス室１０
４内において減圧され、均等なガス圧分布状態の
もとに蓄気された後、多数のガス噴出孔１０３よ
り略一定長さの燃焼焔を噴焔させることができる
と共に気化筒１０６とガス室１０４との流通距離
が例え短かくても、前記混気ガスの衝突攪拌混合
作用により完全な混気ガスを起成せしめて、長期
に亘り安定した気化燃焼を継続させることができ
る効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る気化バーナの実施例を示す
ものであつて、第１図は一部を切欠した第１実施
例における気化バーナの縦断正面図、第２図は一
部を切欠した第２実施例における気化バーナの縦
断正面図、第３図は従来例における気化バーナの
一部切欠した縦断正面図である。 １０１…燃焼筒、１０２…燃焼盤、１０３…ガ
ス噴出孔、１０４…ガス室、１０５…ガス室の中
央開放部、１０６…気化筒、１０７，１０７′…
ガス圧均等板、１０８，１０８′…ガス流通路、
１０９，１０９′…ガス噴気孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 燃焼筒内に多数のガス噴出孔を穿孔した燃焼
   盤を敷設して内部にガス室を形成し、上記ガス室
   の中央開放部には基端開放側がガス室と連通する
   気化筒を回転自在に位置せしめると共に上記ガス
   室内には自由端側と燃焼筒との間に環状の狭隘な
   ガス流通路が形成せられるようにガス圧均等板を
   配設してガス室内部を仕切つたものにおいて、前
   記ガス圧均等板の基端側周辺には複数のガス噴気
   孔を穿孔してガス流通路およびガス噴気孔よりガ
   ス室内に向け夫々噴気した混気ガスをガス室内部
   において衝突させ、撹拌混合せしめたことを特徴
   とする気化バーナ。