JPH0517448B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、気化筒内において発生した気化ガス
を燃焼用空気と良く撹拌混合して完全な混気ガス
とした後、該混気ガスを減圧状態のもとに均等に
ガス室内に流入して多数のガス噴出孔から均等な
噴出速度のもとに噴気燃焼させることができる気
化バーナに関する。

［従来の技術］ 従来、燃焼筒内に敷設した燃焼盤の面積が如何
に大きくても、起成された混気ガスが何処も均等
圧状態をもつて一斉に燃焼盤より噴気燃焼させる
気化バーナは、本出願前、例えば、実公昭52−
54036号公報に記載されているように公知であり、
これを第２図を用いて説明する。

すなわち、燃焼筒１内に多数のガス噴出孔８を
穿孔した燃焼盤２を敷設して内部にガス室３内を
形成し、上記ガス室３の中央開放部５には一側を
開放状とした気化筒４を回転自在に位置せしめて
気化筒４とガス室３とを連通状ならしめると共
に、上記ガス室３内には適当数の混気ガス通路７
を周端部に設けた環状のガス均等等板６を斜設し
てガス室３内部を仕切つたものである。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、上記公知の気化バーナにおいては、
気化筒内において発生した混気ガスをガス圧均等
板に沿つて混気ガス通路よりガス室内に流入せし
めた際には、該混気ガスのガス速度は混気ガス通
路を通過する位置が一番早いため、混気ガス通路
を通過してガス室に流入した混気ガスは、混気ガ
ス通路直上に設けられたガス噴出孔より勢いよく
噴気されリフト燃焼されるのに対し、混気ガス通
路より遠い位置、すなわち、気化筒寄りの位置に
設けられたガス噴出孔より噴気する混気ガスは噴
出速度が遅いため、燃焼壁表面に密着して炎を形
成するという不均等な燃焼状態を呈し、得られた
混気ガスを多数のガス噴出孔から均等な噴気速度
をもつて一斉に噴出燃焼させることができない許
りか、気化筒内において発生した気化ガスは、ガ
ス室に至る距離が短いので燃焼用空気との撹拌混
合が不完全となり、完全な混気ガスの起成が達成
できない等の問題点があつた。

本発明は、気化筒内において発生した気化ガス
が複数段からなる比較的長い屈曲混気ガス通路中
を流通する間に燃焼用空気と良く撹拌混合させ、
完全な混気ガスとした後、減圧状態のもとに均等
にガス室内に流入し、多数のガス噴出孔から均等
な噴出速度のもとに噴気燃焼させることができる
気化バーナを提供することを目的としている。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明の気化バー
ナにおいては、燃焼筒１０１内に、多数のガス噴
出孔１０３を穿孔した燃焼盤１０２を敷設する。
そして、上記燃焼筒１０１と燃焼盤１０２との間
にガス室１０４を形成する。上記ガス室１０４の
中央開放部１０５には基端開放側がガス室１０４
と連通する気化筒１０６を回転自在に位置せしめ
る。上記のように形成されたガス室１０４内には
自由端側と燃焼筒１０１との間に環状の狭溢なガ
ス流通路１０８が形成されるようにガス圧均等板
１０７を配設してガス室１０４内部を仕切る。

前記燃焼盤１０２とガス下均等板１０７との間
のガス室１０４内には、外側位置より内側位置に
向け順次開口面積を大きくした複数のガス噴出口
１１０を開口した仕切盤１０９を配設して、燃焼
筒１０１、ガス圧均等板１０７、仕切盤１０９お
よび燃焼盤１０２との間に、基端側が気化筒１０
６内部に接続され、吐出側がガス室１０４に通ず
る複数段からなる比較的長い屈曲混気ガス通路１
１１を設けたものである。

［作用］ 今、バーナを始動すれば、気化筒１０６が高速
回転すると共に、気化筒１０６内に燃焼用空気が
送風され、その燃焼用空気は気化筒１０６を通過
した後、複数段からなる比較的長い屈曲混気ガス
通路１１１中を紐余曲折しながら流通し、最後に
外側位置より内側位置に向け順次開口面積を大き
くした複数のガス噴出口１１０からガス室１０４
内に流入し、多数のガス噴出孔１０３より一斉に
噴気される。したがつて、上記燃焼用空気は、複
数段からなる比較的長い屈曲混気ガス通路１１１
中を流通することで、次第に減圧され流通速度が
遅くなつた状態のもとにガス室１０４内に流入さ
れるものである。

そこで、上記の状態のもとで、燃料を気化筒１
０６に供給すれば、気化筒１０６内で燃料は拡散
微粒化され、さらに送風される燃焼用空気の噴気
作用により一層微粒化されたうえ、気化筒１０６
の開放側端部から燃焼筒１０１内へ噴散され、点
火により生燃焼される。

さすれば、発生した生燃焼陥により気化筒１０
６全体が加熱されるので、以後気化筒１０６内に
供給された燃料は蒸発気化され、燃焼用空気と撹
拌混合されて高圧の混気ガスとなり、この混気ガ
スは、ガス圧均等板１０７と仕切盤１０９との間
に形成された複数段からなる比較的長い屈曲混気
ガス通路１１１に沿い流通される間に、次第に減
圧されると同時にその流通速度も減速状態となつ
て複数のガス噴出口１１０よりガス室１０４内に
流入する。

したがつて、気化筒１０６内において発生した
高圧の混気ガスは、複数段からなる屈曲混気ガス
通路１１１中を紐余曲折しながら流通する間に燃
焼用空気と何回となく撹拌混合され、完全な混気
ガスに起成されると同時に減圧状態のもとに複数
のガス噴出口１１０よりガス室１０４内に流入さ
れるため、混気ガスは一定圧状態のもとにガス室
１０４内に均等に畜気された後、多数のガス噴出
孔１０３より均等な噴出速度をもつて一斉に噴気
燃焼される。

それ故、燃焼盤１０２全面に亘つて穿孔された
多数のガス噴出孔１０３からは一定長さの燃焼陥
が安定よく噴焔される。

［実施例］ 本発明を添付図面に示された好適な実施例につ
いて説明する。

第１図において、１０１は、先端を開放し、基
端底壁側に中央開口部を設けた有底筒状の燃焼筒
であつて、該燃焼筒１０１の底壁側には送風室１
１２が隣設されている。そして、燃焼筒１０１内
に、多数のガス噴出孔１０３…を穿孔した燃焼盤
１０２を略水平に敷設して、燃焼筒１０１と燃焼
盤１０２との間にガス室１０４を形成する。上記
ガス室１０４の中央開放部１０５には、先端を閉
じ、基端を開放した筒状の気化筒１０６を送風室
１１２側から燃焼筒１０１内に挿通した回転軸１
１３の先端に直結して回転自在に位置せしめてあ
る。

１０７は、気化筒１０６内において起成された
混気ガスが均等な圧力状態のもとにガス室１０４
内に圧入され、多数のガス噴出孔１０３より均等
な噴出速度のもとに噴気燃焼させるためのガス圧
均等板であつて、該ガス圧均等板１０７は内側位
置の燃焼盤１０２より下向きに垂下した壁筒１０
７ａと、該壁筒１０７ａの下端側を外側に向けて
略水平に延出した環状の張出板１０７ｂとを一体
に向けて形成せしめると共に、燃焼筒１０１と張
出板１０７ｂの端部との間には、供給側が気化筒
１０６内部と接続され、吐出側がガス室１０４と
接続する環状を呈する狭溢なガス流通路１０８が
形成せられるようにガス圧均等板１０７を配設し
て、ガス室１０４内部を仕切つてある。

１０９は、燃焼盤１０２ガス圧均等板１０７と
の間のガス室１０４内に配設したドーナツ状の仕
切盤であつて、該仕切盤１０９には外側位置より
内側位置に向け順次開口面積を大きくした複数の
ガス噴出口１１０が開口されている。

したがつて、上記燃焼筒１０１、ガス圧均等板
１０７および仕切盤１０９間には、基端側が気化
筒１０６内部に接続され、吐出側がガス室１０４
に通ずる複数段からなる比較的長い屈曲混気ガス
通路１１１が形成されて、気化筒１０６において
起成された混気ガスが複数段からなる比較的長い
屈曲混気ガス通路１１１中を流通する過程で気化
ガスと燃焼用空気との撹拌混合をより一層促進さ
せることができる許りか、その流通速度を減速さ
せると同時に減圧せしめ、複数のガス噴出口１１
０より均等圧状態のもとに混気ガスをガス室１０
４内に流入畜気せしめ、多数のガス噴出孔１０３
…より略同一の噴出速度のもとに噴気燃焼せしめ
ることができる。

１１４は、送風筒であつて、該送風筒１１４の
基端は送風室１１２に接続され、かつ先端側は気
化筒１０６内へ深く挿通されていて、気化筒１０
６と送風筒１１４との間には混気ガス通路１１５
が形成されている。

気化筒１０６内の先端には送風筒１１４の先端
開口に対向して中空逆円錐状の燃料拡散体１１６
が取付けられており、該燃料拡散体１１６の内側
には送油管１１７の先端が近接対向されている。
また、上記気化筒１０６の基端開放側には、先端
を燃料飛散端１１８とした環状の混気体１１９が
燃料飛散間隙１２０をおいて一体に装着されてお
り、この混気体１１９とガス室１０４との間に環
状の噴気通路１２１が形成されている。そして、
上記環状の噴気通路１２１はガス室１０４を貫通
する多数の通気管１２２…によつて送風室１１２
に連通されている。この噴気通路１２１は、気化
筒１０６の回転間隙であると同時に、送風室１１
２から常に燃焼用空気を流通させて気化筒１０６
の基端側と燃焼盤１０２の焼損を防止する役目を
有する。

［発明の効果］ 要するに本発明は、燃焼筒１０１内に多数のガ
ス噴出孔１０３を穿孔した燃焼盤１０２を敷設し
て内部にガス室１０４を形成し、上記ガス室１０
４の中央開放部１０５には基端開放側がガス室１
０４と連通する気化筒１０６を回転自在に位置せ
しめると共に、上記ガス室１０４内には自由端側
と燃焼筒１０１との間に環状の狭溢なガス流通路
１０８が形成せられるようにガス圧均等板１０７
を配設してガス室１０４内部を仕切つたものであ
つても、前記燃焼盤１０２とガス圧均等板１０７
との間のガス室１０４内には、外側位置より内側
位置に向け順次開口面積を大きくした複数のガス
噴出口１１０が開口した仕切盤１０９を配設し
て、燃焼盤１０１、ガス圧均等板１０７、仕切盤
１０９および燃焼盤１０２との間に、基端側が気
化筒１０６内部に接続され、吐出側がガス室１０
４に通ずる複数心段からなる比較的長い屈曲混気
ガス通路１１１を設けたから、気化筒１０６とガ
ス室１０４との距離を極力長くして、気化筒１０
６内において発生した混気ガスが複数段からなる
比較的長い屈曲混気ガス通路１１１中を紐余曲折
しながらガス室１０４に向け流通する過程で燃焼
用空気と撹拌混合させ、完全な混気ガスとするこ
とができる許りが、混気ガスは外側位置より内側
位置に向け順次開口面積を大きくした複数のガス
噴出口１１０よりガス室１０４に噴出させたの
で、燃焼用空気との撹拌混合を促進せしめるは勿
論のこと、混気ガスの流通速度も減速して減圧
し、均等圧状態のもとにガス室１０４へ流入蓄気
させ、もつて、多数のガス噴出孔１０３から均等
な噴出速度のもとに一斉に噴気燃焼せしめること
ができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る気化バーナの実施例を示す
ものであつて、第１図は一部は切欠した気化バー
ナの縦断面図、第２図は従来例おける気化バーナ
の一部を切欠した縦断正面図である。 １０１……燃焼筒、１０２……燃焼盤、１０３
……ガス噴出孔、１０４……ガス室、１０５……
中央開放部、１０６……気化筒、１０７……ガス
圧均等板、１０８……ガス流通路、１０９……仕
切壁、１１０……ガス噴出口、１１１……屈曲混
気ガス通路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 燃焼筒内に多数のガス噴出孔を穿孔した燃焼
   盤を敷設して内部にガス室を形成し、上記ガス室
   の中央開放部には基端開放側がガス室と連通する
   気化筒を回転自在に位置せしめると共に、上記ガ
   ス室内には自由端側と燃焼筒との間に環状の狭溢
   なガス流通路が形成せられるようにガス圧均等板
   を配設してガス室内部を仕切つたものにおいて、
   前記燃焼盤とガス圧均等板との間のガス室内には
   外側位置より内側位置に向け順次開口面積を大き
   くした複数のガス噴出口を開口した仕切盤を配設
   して、燃焼盤、ガス圧均等板、仕切盤および燃焼
   盤との間に、基端側が気孔筒内部に接続され、吐
   出側がガス室に通ずる複数段からなる比較的長い
   屈曲混気ガス通路を設けたことを特徴とする気化
   バーナ。