JPH0436287B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、気化筒内において発生した混気ガス
をガス室に設けた多数のガス噴出孔から均等に噴
気燃焼させる気化バーナに関する。

［従来の技術］ 従来、送風室に隣設した有底筒状の燃焼筒内
に、多数のガス噴出孔を備えたガス室を配設し、
しかも基端開放側とガス室との間に環状の噴気通
路が形成されるように気化筒を回転自在に配設す
ると共に、前記環状の噴気通路を、ガス室を貫通
する多数の通気管により送風室に連通せしめた気
化バーナは、本出願前例えば特開昭57−73306号
公報に記載された如く先に本出願人が開発して公
知である。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、上記公知の気化バーナにおいては、
ガス室内の気化筒側にそれを貫通する通気管が多
数配設されているため、これが混気ガス流通の障
害になり、通気管のある部分とそれのない部分で
は混気ガスの流通速度に大きい差が生じ、その結
果として燃焼盤のガス噴出孔からの噴気燃焼状態
が部分的にリフト状態に陥つたり或は青焔中に赤
焔が混入する等の問題点を有していた。

そこで本発明においては、たとえガス室内に貫
通する多数の通気管が配設されていても、通気管
より外側で、しかもガス噴出孔より内側のガス室
内に環状の上向き混気筒と下向き混気筒とにより
形成された混気ガス通路を配設して、気化筒より
ガス室に圧入された混気ガスの混気攪拌をより一
層促進させると同時に混気ガスの流通速度のムラ
発生をなくし、略均等な流通速度とすることで多
数のガス噴出孔より噴気燃焼の安定化を図ること
ができる許りかガス室内に垂下した下向き混気促
進筒の自由端に張出縁を外側に向け水平に延出し
て、張出縁と燃焼盤との間に環状の通気ガス減速
部を設けて、気化筒に一番近い位置のガス噴出孔
より噴気する混気ガスの噴出速度を緩慢ならしめ
て噴気通路から噴気する燃焼用空気によつて気化
燃焼焔が吹き飛ばされることを未然に防止して安
定した気化燃焼を継続することができると共に、
燃焼筒の筒壁側よりのガス室内に内側へ向け水平
に延出した混気ガス減速リングを配設して、一番
外周側の燃焼盤のガス噴出孔よりのガス噴出速度
も緩慢ならしめて燃焼盤全面の噴気燃焼をより均
等なものとすることができるという目的をもつた
気化バーナを提供しようとしたものである。

［課題を解決するための手段］ 従つて、本発明の技術的課題は、ガス室内にお
ける混気ガスの流通速度を簡単かつ確実に均等化
ならしめると共に気化筒に一番近い側のガス噴出
孔および気化筒より一番遠い側のガス噴出孔より
夫々噴気する混気ガスの噴出速度をともに緩慢な
らしめて、燃焼盤全面より均等な気化燃焼焔を安
定よく焔上させることにある。

この技術的課題を解決するために、本発明の気
化バーナは、送風室に隣設した有底筒状の燃焼筒
内に、多数のガス噴出孔を上向きに穿孔した燃焼
盤を敷設して燃焼筒と燃焼盤との間にガス室を配
設し、該燃焼筒内には基端開放側がガス室と連通
し、しかも基端開放側とガス室との間に環状の噴
気通路が形成されるように気化筒を回転自在に配
設し、前記環状の噴気通路をガス室を貫通する多
数の通気管により送風室に連通せしめたものにお
いて、前記通気管より外側で、しかもガス噴出孔
より内側のガス室内には、燃焼筒の底壁側より上
向きに起立した上向き混気促進筒と、燃焼盤の内
側より下向きに垂下させた下向き混気促進筒を間
隔をおき配設して、該上向き混気促進筒と下向き
混気促進筒との間に屈曲混気ガス通路を設け、前
記下向き混気促進筒の自由端側には外側に向け水
平に延出した張出縁を設けて、張出縁と燃焼盤と
の間に環状の混気ガス減速部を配設すると共に、
燃焼筒の筒壁側よりのガス室内には内側へ向け水
平に延出した環状の混気ガス減速リングを配設し
てなるものである。

［作用］ バーナを始動すれば、気化筒６が高速回転する
と共に、送風室２から気化筒２内に燃焼用空気が
送風され、さらに屈曲混気ガス通路１９を通つて
ガス室３内に圧入され、さらにガス室３から多数
のガス噴出孔５を通つて燃焼筒１内に噴気され
る。またこれと同時に、送風室２から多数の通気
管１６……を経て環状の噴気通路１５に燃焼用空
気が送風れさ、燃焼筒１内へ噴気せられる。この
ような状態のもとで、燃料を供給すれば、気化筒
６内で燃料は拡散微粒化され、さらに送風室２か
ら送風される燃焼用空気の噴送作用により一層微
粒化されたうえ、気化筒６の開放側端部から燃焼
筒１内へ噴散され、点火により生燃焼される。さ
すれば、発生した生燃焼焔により気化筒６全体が
加熱されるので、以後気化筒６内に供給された燃
料は蒸発気化され、燃焼用空気と攪拌混合されて
混気ガスとなり、この混気ガスはガス室３内に噴
送蓄気されたうえ、多数のガス噴出孔５……から
燃焼筒１内に噴出され気化燃焼される。ところで
多数の通気管１６……より外側で、しかもガス噴
出孔５より内側のガス室３内には、燃焼筒１の底
壁側より上向きに起立した上向き混気促進筒１７
と燃焼盤４の内側より下向きに垂下させた下向き
混気促進筒１８を間隔をおき配設して、上向き混
気促進筒１７と下向き混気促進筒１８との間に屈
曲混気ガス通路１９が設けられているので、多数
の通気管１６……の存在で異なつた流通速度をも
つて通気管１６を通過した混気ガスは上向き混気
促進筒１７および下向き混気促進筒１８に衝突し
て、その流通速度が減速されながら屈曲混気ガス
通路１９に沿つて流通され、その間において混気
ガスはより一層攪拌され、完全な混気ガスとなつ
て均等な流通速度をもつてガス室３内へ導入蓄気
される。

その上、下向き混気促進筒１８の自由端側には
外側に向けて水平に延出した張出縁２０を設け
て、張出縁２０と燃焼盤４との間に環状の混気ガ
ス減速部２１が配設されているので、屈曲混気ガ
ス通路１９において攪拌混合され、かつ略均等な
流通速度をもつてガス室３内に導入された混気ガ
スが燃焼盤４に穿孔された多数のガス噴出孔５…
…より一斉に噴気燃焼される時に、気化筒６に一
番近い側のガス噴出孔５より噴送される混気ガス
噴出速度を緩慢ならしめ、噴気通路１５より燃焼
筒１内に旋回噴気される燃焼用空気で吹き飛ばさ
れ気化燃焼焔が不安定となるのを防止し、良好な
気化燃焼を継続させることができる。

その上、燃焼筒１の筒壁側よりのガス室３内に
は内方へ向け水平に延出した環状の混気ガス減速
リング２２を配設してあるので、屈曲混気ガス通
路１９を経て均等の流通速度をもつてガス室３の
周壁に向け噴気導入された混気ガスを一旦受け止
めてその流通速度をさらに減速させ、気化筒６よ
り一番遠い側のガス噴出孔５より噴気する混気ガ
スの噴出速度を緩慢ならしめ、もつて、燃焼盤４
全面よりの噴焔燃焼を均等なものとすることがで
きる。

［実施例］ 本発明を添付図面に示された好適な実施例につ
いて説明する。

第１図において、１は、先端を開放し、基端底
壁側に中央開口部を設けた有底筒状の燃焼筒であ
つて、該燃焼筒１の底壁側には送風室２が隣設さ
れている。燃焼筒１の底壁側と燃焼筒１内に配設
した燃焼盤４との間にはガス室３が形成されてお
り、その上面をなす燃焼盤４には多数のガス噴出
孔５が穿設されている。６は、先端を閉じ、基端
を開放した筒状の気化筒であつて、該気化筒６
は、送風室２側から燃焼盤１内に挿通された回転
軸７の先端に、該回転軸７に被せた状態に取付け
られている。８は、送風筒であつて、該送風筒８
の基端側は送風室２に接続され、かつ先端側は気
化筒６内へ深く挿通されていて、気化筒６と送風
筒８との間には混気ガス通路９が形成されてい
る。該混気ガス通路９は基端側でガス室３と連通
されている。気化筒６内の先端には送風筒８の先
端開口に対向して中空逆円錐状の燃料拡散体１０
が取付けられており、該燃料拡散体１０の内側に
は送油管１１の先端が近接対向されている。ま
た、上記気化筒６の基端開放側には、先端を燃料
飛散端１２とした環状の混気体１３が燃料飛散間
隙１４をおいて一体に装着されており、この混気
体１３とガス室３との間に環状の噴気通路１５が
形成されている。そして、上記環状の噴気通路１
５は、ガス室３を貫通する多数の通気管１６……
によつて送風室２に連通されている。したがつ
て、この環状の噴気通路１５は、気化筒６の回転
間隙であり、しかも送風室２から常に燃焼用空気
を流通させて気化筒６の基端側と燃焼盤４の焼損
を防止するためのものである。

前記多数の通気管１６……より外側で、しかも
穿孔したガス噴出孔５より内側のガス室３内に
は、燃焼筒１の底壁側より上向きに起立した上向
き混気促進筒１７と、燃焼盤４の内側より下向き
に垂下させた下向き混気促進筒１８を間隔をおき
配設して、上向き混気促進筒１７の外周面と下向
き混気促進筒１８との間に一端が気化筒６内部
と、また他端がガス室３に夫々接続する環状の屈
曲混気ガス通路１９を設けて、混気ガスの混気攪
拌の促進と流通速度の均等を達成させたものであ
る。

前記下向き混気促進筒１８の自由端側には幾分
外側に向け水平に延出した張出縁２０を設けて、
張出縁２０と燃焼盤４との間に凹陥状を呈する環
状の混気ガス減速部２１を配設せしめる。燃焼筒
１の筒壁側よりのガス室３内には、内方へ向け水
平に延出した環状の混気ガス減速リング２２が配
設されている。

なお、燃焼盤４は水平のものとして、燃焼筒１
の底壁側にのみガス室３を配設したものが図示さ
れているが、該ガス室３には燃焼筒１の内周全面
に亘りガス噴出孔５を穿孔した燃焼盤４を張設し
て燃焼筒１の内周全面をガス室３に形成した構成
の気化バーナであつてもよいことは勿論である。

［発明の効果］ 要するに本発明は、前記の如き技術的手段およ
び作用を有するものであるから、ガス室３内にお
いてそれを貫通する多数の通気管１６が配設され
ていても、該通気管１６よりも外側のガス室３内
に上向き混気促進筒１７と下向き混気促進筒１８
とにより形成された屈曲混気ガス通路１９によつ
て混気ガスを攪拌させて、混気状態を良好ならし
めると同時に、その流通速度のムラ発生をなく
し、略均等な流通速度としながらガス室３に導入
して気化燃焼がリフト状態になるのを未然に防止
し、安定した青焔燃焼を継続させることができる
許りか、下向き混気促進筒１８の自由端側に設け
た張出縁２０は外側に向け水平に延出させて張出
縁２０と燃焼盤４との間に環状の混気ガス減速部
２１を設けたから、気化筒６に一番近い位置のガ
ス噴出孔５より噴気する混気ガスの噴出速度を緩
慢ならしめて、噴気通路１５より噴気する燃焼用
空気によつて気化燃焼焔が吹き飛ばされることを
未然に防止して安定した気化燃焼を継続させるこ
とができると共に、燃焼筒１の筒壁側よりのガス
室３内には内方へ向け水平に延出した環状の混気
ガス減速リング２２を配設したので、ガス室３内
に勢いよく導入された混気ガスを受け止めて減速
させ、一番外側の燃焼盤４のガス噴出孔５よりの
ガス噴出速度を緩慢ならしめ、もつて燃焼盤全面
の噴気燃焼をより均等化ならしめ、長期に亘り安
定した気化燃焼を営ませることができる効果を奏
する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る気化バーナの実施例を示し
たものであつて、第１図は気化バーナの一部切欠
した縦断正面図、第２図は要部の一部切欠した拡
大平断面図である。 １……燃焼筒、２……送風室、３……ガス室、
４……燃焼盤、５……ガス噴出孔、６……気化
筒、１５……噴気通路、１６……通気管、１７…
…上向き混気促進筒、１８……下向き混気促進
筒、１９……屈曲混気ガス通路、２０……張出
縁、２１……混気ガス減速部、２２……混気ガス
減速リング。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 送風室に隣設した有底筒状の燃焼筒内に、多
   数のガス噴出孔を上向きに穿孔した燃焼盤を敷設
   して燃焼筒と燃焼盤との間にガス室を配設し、該
   燃焼筒内には基端開放側がガス室と連通し、しか
   も基端開放側とガス室との間に環状の噴気通路が
   形成されるように気化筒を回転自在に配設し、前
   記環状の噴気通路をガス室を貫通する多数の通気
   管により送風室に連通せしめたものにおいて、前
   記通気管より外側で、しかもガス噴出孔より内側
   のガス室内には、燃焼筒の底壁側より上向きに起
   立した上向き混気促進筒と、燃焼盤の内側より下
   向きに垂下させた下向き混気促進筒を間隔をおき
   配設して、該上向き混気促進筒と下向き混気促進
   筒との間に屈曲混気ガス通路を設け、前記下向き
   混気促進筒の自由端側には外側に向け水平に延出
   した張出縁を設けて、張出縁と燃焼盤との間に環
   状の混気ガス減速部を配設すると共に、燃焼筒の
   筒壁側よりのガス室内には内側へ向け水平に延出
   した環状の混気ガス減速リングを配設したことを
   特徴とする気化バーナ。