JPH0373765B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は燃焼筒の内側にガス室を配設し、かつ
外套を固定式とした場合にあつても、供給された
燃油の微粒化促進と、燃油の蒸発気化の発生なら
びに混気ガスの発生促進を図つて、何時でも燃油
を生燃油から自動的に青焔気化燃焼に移行させる
ことができる許りか、気化燃焼中における逆火燃
焼の発生を防止せしめた気化バーナに関する。

従来技術 従来、燃焼筒内に突出した固定送油軸の外周を
取まくように送風筒を突出させ、固定送油軸の頭
部には、頂部を閉じ基部を開放状とした固定気化
体を送風筒の外周を覆うように固着すると共に、
前記固定送油軸には、下部に放射状羽根を装着し
上部に燃油飛散体を固着した回転軸受筒を遊嵌
し、該回転軸受筒には、固定気化体の開放側との
間に燃油飛散間隙を形成するように回転燃油飛散
盤を装着して、重量の大きい気化筒は固定式と
し、軽量の回転燃油飛散盤を強制風により回転で
きるようにして、バーナの始動直後からそれらを
高速回転させ燃料の微粒化を促進し着火時に安定
した生燃焼を生じさせ、速かに気化燃焼へ移行さ
せる許りか、燃油飛散体および回転燃油飛散盤の
不規則な回転をなくして長期に亘り安定した気化
燃焼を維持せしめることができる液体燃料気化バ
ーナは本出願前例えば実公昭60−9543号公報に記
載されていて公知である。

又、燃油の拡散移行方向と燃焼用空気との流通
方向とを向流させることにより燃油の蒸発気化を
早めると同時に発生した気化ガスと燃焼用空気と
の攪拌混合を良好ならしめるよう構成した液体燃
料燃焼装置も本出願前例えば特公昭60−11762号
公報に記載されていて公知である。

発明が解決しようとする問題点 ところで上記公知の如く、気化筒を固定式とし
たり、或は回転式とした気化バーナにおいては、
燃油の拡散移行方向と燃焼用空気の流通方向とを
並流させたり或は向流させて発生した蒸発気化ガ
スと燃焼用空気との攪拌混合を図つているが、そ
の何れのものも、発生した蒸発気化ガスは混気通
路中において停滞されることなく一方に向け流通
する燃焼用空気に乗つて噴送される過程において
攪拌混合されるだけであつたから、蒸発気化ガス
と燃焼用空気との攪拌混合をより促進させること
ができない許りか、混気通路中に供給される燃焼
用空気も、その構成上から常に一定量を給風する
ことができないことからして均質の混気ガスが得
られず、その結果、安定した気化燃焼を長期に亘
り継続させる上において問題があつた。

そこで本発明における第１発明にあつては、ガ
ス室を内側に設けた燃焼筒内に設置した外套を固
定式とし、内套を回転式となし、しかも回転式の
内套の周囲から混気ガス通路を横切つて固定外套
の燃油蒸発部に向け直接旋回する燃焼用空気を噴
き当てるようにして、燃油を回転内套の上端側に
設けた燃油拡散壁の表面又は裏面を介して固体外
套に向け微粒状に飛散し、次いで飛散された燃油
を固定外套の内周面に沿つて拡散移行させ、最後
に回転内套と共に一体回転する燃油飛散体で燃焼
筒内への微粒状に噴散させ良好な生燃焼を行わせ
た場合にあつても、固定外套の燃油蒸発部に沿い
流下する燃油を旋回燃焼用空気により旋回滞留さ
せ燃油の流下速度を極力抑えると同時に拡散を促
進させて蒸発気化ガスの発生をより促進させるこ
とができるは勿論のこと、発生した蒸発気化を、
混気ガス通路中に一時滞留させた後、燃油蒸発部
に噴き当り周囲へ拡散状に旋回飛散する燃焼用空
気と攪拌混合させて、気化ガスと燃焼用空気との
攪拌混合をより促進し、完全な混気ガスを得さし
めると共に、常に一定量の旋回燃焼用空気を混気
ガス通路を横切つて燃油蒸発部へ直接噴き当てて
燃油の旋回を促進し、もつて長期に亘り安定した
青焔気化燃焼を継続させることができる目的をも
つた気化バーナを提供したものであり、又第２発
明にあつては、上記第１発明の目的に加え、青焔
気化燃焼の継続中において、青焔気化燃焼焔の一
部がガス室内に吸引され逆火燃焼が発生するのを
未然に防止する目的をもつた気化バーナを提供し
て上記の問題を解決したものである。

問題を解決するための手段 従つて、本発明の技術的課題は、燃油を回転す
る回転内套の燃油拡散壁を使用して固定外套に噴
散し、これが噴散燃油をさらに固定外套の内周面
に沿い拡散移行せしめた場合にあつても、燃油を
確実に生燃焼し、これが生燃焼焔の加熱作用で、
燃油の蒸発気化の促進化と蒸発気化ガスと燃焼用
空気との効率的な攪拌混合と燃焼用空気の定量供
給化ならびに逆火燃焼の発生防止化とを容易に達
成させることにある。

上記技術的課題を解決するため、特に第１項の
発明を、 内側にガス室を備えた燃焼筒内に、上端を閉
じ、基端を開放し、かつ周壁を燃油蒸発部に形成
した固定外套を設置し、上記燃焼筒の底壁側より
固定外套内に挿通した回転軸には、吐出側がガス
室に連通する混気ガス通路を介して周囲に多数の
遠心送風翼片を放射状に設け、上端側に、表面又
は裏面に供給した燃油を拡散しながら固定外套内
周面に噴散する燃油拡散壁を、又、下端側に発生
した混気ガスをガス室へ誘導するガス誘導壁を
夫々備えた回転内套を直結すると共に、前記ガス
誘導壁には、固定外套の開放側端部より流下した
燃油を受け止め燃焼筒内周面に噴散する燃油飛散
体をガス誘導壁との間にガス通路が形成されるよ
う間隔材を介し一体に装着して、遠心送風翼片に
より起成された旋回風を混気ガス通路を横切つて
位置蒸発部に直接噴き当てたことを特徴とする気
化バーナとしたものであり、又、第２項の発明
を、 内側にガス室を備え、かつ底壁中央に逆火防止
筒を立設した燃焼筒内に、上端を閉じ、基端を開
放し、かつ周壁を燃油蒸発部に形成した固定外套
を、逆火防止筒が覆われるよう設置し、上記逆火
防止筒を通して固定外套内に挿通した回転軸に
は、固定外套と逆火防止筒との間に位置され、し
かも吐出側がガス室に連通する混気ガス通路を介
して周囲に多数の遠心送風翼片を放射状に設け、
上端側に、表面又は裏面に供給した燃油を拡散し
ながら固定外套内周面に噴散する燃油拡散壁を、
又、下端側に発生した混気ガスをガス室へ誘導す
るガス誘導壁を夫々備えた回転内套を直結し、上
記ガス誘導壁には固定外套の開放端部より流下し
た燃油を受け止め、燃焼筒内周面に噴散させる燃
油飛散体をガス誘導壁との間にガス通路が形成さ
れるよう間隔部材を介し一体に装着せしめると共
に回転内套の底部側と燃油筒の底壁側および逆火
防止筒との間に回転間隙を設けて遠心送風翼片に
より起成された旋回風を混気ガス通路を横切つて
燃油蒸発部に直接噴き当てたことを特徴とする気
化バーナとしたものである。

作 用 上記技術的手段は次のように作用する（第１図
参照）。

先ず燃焼の始動に際し回転軸９を回転させる。
さすれば回転軸９に直結された回転内套１１の回
転に伴ない、多数の遠心送風翼片１３も同調回転
され、起成した旋回燃焼用空気を混気ガス通路１
６を横切つて固定外套５の燃油蒸発部７内周面へ
直接噴き当て周囲へ拡散状に旋回飛散させながら
圧送作用により混気ガス通路１６を経てガス室２
４に送つた後、燃焼筒１内に噴気させる。

この状態のもとで、燃油を回転する回転内套１
１の燃油拡散壁１２の表面又は裏面に給油すれ
ば、該燃油は回転内套１１の回転遠心作用により
燃油拡散壁１２で均等に拡散されながら周縁部又
は遠心送風翼片１３の設置上端縁から固定外套５
の燃油蒸発部７内周面に向け微粒状に噴散され
る。

ところで、上記燃油蒸発部７には遠心送風翼片
１３により起成された旋回燃焼用空気が混気ガス
通路１６を横切つて勢いよく噴き当つているの
で、燃油蒸発部７内周面に沿い開放側に向け流下
していた燃油は、前記旋回燃焼用空気の噴き当り
作用で燃油蒸発部７内周面に沿つて旋回滞留さ
れ、その流下速度が著しく減退されると同時に薄
膜状に拡散され、徐々に流下して開放側端部より
回転内套１１と一体回転している燃油飛散体１５
上に滴下され、次いで燃油飛散体１５の周縁部に
設けた燃油飛散端１７より微粒状となつて燃焼筒
１内に噴散され、点火により速かに生燃焼を発生
し、固定外套５全体を周囲より加熱する。

この様にして固定外套５が加熱されて、混気ガ
ス通路１６が燃油を蒸発気化させる温度に達する
と以後燃油拡散壁１２の表面又は裏面上を拡散状
をもつて固定外套５の燃油蒸発部７に噴散された
燃油は、直接噴き当る旋回燃焼用空気により旋回
滞留されながら薄膜状に拡散され、その流下速度
が極力抑えられる。したがつて、燃油は上記の作
用で燃油蒸発部７に止まる間に固定外套５よりの
加熱を長い時間受けることで速かに蒸発気化され
る許りか、発生した気化ガスは混気ガス通路１６
中に停滞されている間に燃油蒸発部７に噴き当つ
て周囲へ拡散状に飛散されながら旋回する燃焼用
空気により迅速に攪拌され、気化ガスと燃焼用空
気とは完全に混合して混気ガスとなつた後、混気
ガス通路１６よりガス通路１９を経てガス室２４
に圧送され青焔気化燃焼焔を焔上せしめる。そし
て上記青焔気化燃焼の継続中にあつては、混気ガ
ス通路１６に噴き当る旋回燃焼空気は送風損失の
ないものであるから、常に一定量が供給され、均
質の混気ガスをガス通路１９を経て確実にガス室
２４を送り込むことができるため青焔気化燃焼を
長期に亘り安定して継続させることができる許り
か、回転する回転内套１１に設けられた遠心送風
翼片１３の下部側には燃焼筒１内に立設した逆火
防止筒２により回転間隙２８をおいて覆われてい
るので、遠心送風翼片１３の負圧作用は殆んど逆
火防止筒２内部に及び、回転間隙２８側に及ぶこ
とがない許りか、却つて遠心送風翼片１３の下部
部分によつて回転間隙２８中を内部から外側に向
けて燃焼用空気の一部を流通させて青焔気化燃焼
の継続中において気化燃焼焔の一部が負圧作用で
ガス室２４内に吸引されることで発生する逆火燃
焼を未然に防止できる。

実施例 本発明に係る気化バーナの構成を添附図面に示
された好適な各種実施例について説明する。

第１図において、１は上端を開放した有底筒状
の燃焼筒であつて、該燃焼筒１の底壁中央位置に
は、先端に向け順次小径とした中空の逆火防止筒
２を立設すると共に、燃焼筒１の底壁側には、内
部に電動機４を収設した吸気室３を隣設して、燃
焼筒１と吸気室３とを逆火防止筒２を介して接続
せしめてある。５は上端側を閉塞壁６で閉じ、基
端開放側周辺を燃焼筒１の開放側に向け屈曲状に
展開形成せしめると共に、周壁を燃油蒸発部７に
形成した固定外套であつて、該固定外套５は逆火
防止筒２を覆うように適当数の取付部材８を介し
て燃焼筒１の中心部に宙吊り状に固定されてい
る。９は内部に給油通路１０を設けた回転軸であ
つて、該回転軸９は吸気室３側より逆火防止筒２
の中心部を通つて固定外套５内に挿通されてお
り、これが先端側には、胴壁下部が固定外筒５と
逆火防止筒２との間に位置された回転内套１１が
直結されている。前述の回転内套１１は、上端側
に、中央部を僅かに内側に向け凹ませた水平の燃
油拡散壁１２を設け、胴の周囲には固定外套５の
燃油蒸発部７との間に混気ガス通路１６が形成さ
れるように多数の遠心送風翼片１３を放射状に設
け、しかも下端側には、燃焼筒１の底壁に沿つて
外側に向け水平に延出したガス誘導壁１４を設け
ると共に、これがガス誘導壁１４の上面側には固
定外套５の基端開放側周辺とガス誘導壁１４との
間に、外周辺を斜め上向きに傾斜して、その周端
縁を燃油飛散端１７とし、内周端部は固定外套５
の基端開放側より内側に位置するように設けて、
固定外套５の内周面に沿い拡散流下した燃油を受
け止めて、燃油飛散端１７から燃焼筒１内へ微粒
状に噴散させるドーナツ形状の燃油飛散体１５が
適当数の間隔材１８を介してガス誘導壁１４に装
着して、ガス誘導壁１４と燃油飛散体１５との間
に混気ガス通路１６の吐出側が接続するガス通路
１９を、又固定外套５の基端開放側周辺と燃油飛
散体１５との間に狭い間隙２０を設けて構成して
ある。

上述した回転内套１１を回転軸９に直結せしめ
るには、該回転軸９の先端側に取付金具２１、燃
油拡散壁１２および給油金具２２の三者を順次嵌
装して、これらを適宜の緊定手段により一体に連
結せしめると共に、燃油拡散壁１２の上面に密接
した給油金具２２の下面には、給油通路１０と連
通する放射状の燃油噴出溝２３を設けて、給油通
路１０から供給された燃油を燃油噴出溝２３を通
して、燃油拡散壁１２上面側に噴散供給せしめ
る。２４は燃焼筒１の内側全体に設けたガス室で
あつて、該ガス室２４は、固定外套５の基端開放
側周辺より外側の燃焼筒１の内側に燃焼盤２５を
燃焼筒１との間に間隔をおいて張設したことで形
成されており、しかも該燃焼盤２５の筒壁面およ
び底壁面には多数のガス噴出孔２６が穿孔されて
いる。そして燃焼盤２５の中央開口端と燃油飛散
体１５との間に環状のガス噴出路２７を形成せし
める。

したがつて、前記ガス室２４はガス通路１９を
経て混気ガス通路１６に接続されている。２８は
ガス誘導筒１４および遠心送風翼片１３の下部
と、燃焼筒１の底壁および逆火防止筒２との間に
形成された回転間隙である。２９は燃焼筒１内に
配設された点火栓である。

第２図に示された第２実施例の気化バーナは、
第１図に示された気化バーナよりも、混気ガスの
噴気面積を少くした場合の変形実施例であつて、
この第２実施例の気化バーナにあつては、ガス噴
出孔２６を燃焼盤２５の筒壁側のみに開口した以
外は、第１図の気化バーナと構成が同一である。
又第３図に示された第３実施例の気化バーナは、
上記２実施例のものよりさらに混気ガスの噴気面
積を少くした場合の変形実施例であつて、該第３
実施例の気化バーナにあつては燃焼筒１の底壁側
のみに水平の燃焼盤３０を間隔をおいて張設し
て、燃焼筒１の底壁側と燃焼盤３０との間にガス
室２４を形成せしめると共に、燃焼盤３０の表面
には上向きのガス噴出孔３１が多数穿孔されてい
る。

第４図乃至第６図に示された各実施例のものは
第１図に示された給油手段以外の構成によつて、
燃油を燃焼拡散壁１２上面に沿いながら拡散させ
た後、燃油蒸発部７内周面に向け微粒状に噴散す
ることができる給油装置を示したものである。

即ち第４図に示された第４実施例の給油装置
は、燃油拡散壁１２の中央開口部周辺を内側に向
け凹ませて逆円錐形状の拡散面３２を設け、該拡
散面３２の上部側には燃油拡散壁１２との間に燃
油噴出間隙３４が形成されるように位置せしめた
取付体３３を燃油拡散壁１２に一体に装着し、該
取付体３３を取付金具３５を介して給油通路１０
を設けない回転軸９へ直結せしめると共に小径側
の拡散面３２の内側に給油管３６の先端開口部を
臨ませた構成として、給油管３６から供給された
燃油を拡散面３２に沿い拡散しながら、燃油噴出
間隙３４より燃油拡散壁１２上に噴散し、次いで
燃油拡散壁１２に沿いながら拡散した後、その周
端より燃油蒸発部７内周面に向け微粒状に噴散供
給したものである。

第５図に示された第５実施例の給油装置は、燃
油拡散壁１２の中央開口部周辺を僅かに内側に凹
ませ、該開口部の上部には開口部を覆うように薄
皿状の取付体３７を、その周壁が燃油拡散壁１２
との間に燃油噴出間隙３８が形成せられるよう燃
油拡散壁１２へ一体に装着し、上記取付体３７の
内側に逆円錐状の燃油拡散体３９が密着するよう
挿通した回転軸９へ嵌着せしめると共に、取付体
３７を回転軸９に直結し、さらに給油管３６の先
端開口部を燃油拡散体３９の小径側表面に臨ませ
た構成として、給油管３６より給油した燃油を回
転する燃油拡散体３９により、取付体３７内面に
拡散移行せしめた後、回転内套１１の回転遠心力
により燃油噴出間隙３８から燃油拡散壁１２上面
に向け噴散させ、さらに該燃油を燃油拡散壁１２
上面に沿い拡散させながら移行せしめた後、その
周端より燃油蒸発部７内周面に向け微粒状に噴散
せしめたものであり、かかる実施例の給油装置に
よれば、燃油の拡散距離を可成り長くして、燃油
を薄膜状に拡散することができる。

第６図に示された第６実施例の燃油装置は、燃
油拡散壁１２の央部を開口し、該開口部の上部に
は、開口部を覆うように短長円錐形状の取付体４
０を、その周壁が燃油拡散壁１２との間に燃油噴
出間隙４１が形成されるよう一体に装着せしめる
と共に、開口部より取付体４０内側に挿通した給
油管３６の先端開口部の燃油拡散壁１２の表面近
傍位置に臨ませて構成したものであつて、前記取
付体４０は装着部材４２により回転軸９に直結せ
しめて、給油管３６より供給した燃油を、燃油拡
散壁１２上面に沿い拡散移行せしめた後、燃油蒸
発部７内周面に向け微粒状に噴散供給せしめたも
のである。

第７図乃至第９図に亘り示された各実施例の給
油装置は、給油管３６より供給された燃油を、燃
油拡散壁１２の裏面を使用して拡散移行させた
後、回転する遠心送風翼片１３で微粒状としなが
ら燃油拡散壁７内周面に向け噴散させたものであ
つて、第７図に示された第７実施例の給油装置
は、回転軸９に直結された燃油拡散壁１２の央部
を、幾分外側に膨出４３させ、これが膨出部４３
内側に逆円錐状を呈する燃油拡散体４４の大径側
上面が密接するよう回転軸９に嵌装して装着せし
めると共に、上記燃油拡散体４４の小径側表面に
は給油管３６の先端開口部を臨ませた構成とし
て、給油管３６より供給した燃油を燃油拡散体４
４で拡散しながら、燃油拡散壁１２の裏面に供給
した後、燃油蒸発部７内周面に向け微粒状に噴散
供給したものである。

第８図に示された第８実施例の給油装置は、回
転軸９に直結された燃油拡散壁１２の央部を外側
に向け適当長さ膨出し、該膨出部４５基端側周辺
下部に、燃油拡散壁１２裏面との間に燃油噴出間
隙４６が形成せられる間隔をおいて水平中空の燃
油供給盤４７を一体に装着せしめると共に、燃油
供給盤４７を通して膨出部４５内に挿通した給油
管３６の先端開口部を燃油供給盤４７の地面側へ
近接して臨ませた構成として、給油管３６より燃
油供給盤４７上に供給された燃油は、燃油噴出間
隙４６より燃油拡散壁１２の裏面側に噴散供給さ
れ、次いで燃油拡散壁１２裏面に沿い拡散された
後、遠心送風翼片１３により燃油蒸発部７内周面
に向け微粒状に噴散供給されるようにしたもので
ある。

第９図に示された第９実施例の給油装置は、燃
油拡散壁１２の央部に背丈の低い凹凸面４８を設
け、これが凹凸面４８を設けた燃油拡散壁１２の
内面に、上記凹凸面４８と合致するよう密接する
蓋板４９を上部に備え、下部に、該蓋板４９と燃
油噴散間隙４９をおいて逆円錐体５１を一体に装
着して形成した燃油拡散体５０を装着部材５２を
介して、燃油拡散壁１２と共に回転軸９の先端側
に直結せしめると共に、燃油拡散体５０の内側小
径部に給油管３６の先端開口部を臨ませた構成と
して、給油管３６より供給された燃油は回転する
燃油拡散体５０内周面に沿い拡散移行して、燃油
噴散間隙４９より燃油拡散壁１２裏面に噴散さ
れ、さらに回転遠心力で燃油拡散壁１２裏面に沿
つて拡散移行された後、遠心送風翼片１３に燃油
蒸発部７内周面に向け微粒状に噴散供給されるよ
うにしたものである。

第１０図に示された第10実施例の気化バーナ
は、第１図に示された実施例の気化バーナと同様
の給油装置と、第３図に示された実施例の気化バ
ーナのガス室２４とを使用して、気化バーナ全体
の背丈をより低位となるように構成した場合の変
形実施例であつて、該実施例の気化バーナにおい
ては、固定外套５、回転内套１１および逆火防止
筒２のテーパー角度を大きくして全体を第１実施
例の気化バーナに比較して扁平状となるように形
成したものである。

したがつて、本発明の気化バーナにおいては、
前述した各実施例の給油装置およびガス室２４と
を適宜使用して需要に応じた気化バーナを提供す
ることができる。

又、逆火防止筒２は燃焼筒１と一体若しくは別
体として、燃焼筒１内に立設することができる。

発明の効果 要するに本発明は、前記のような具体的構成を
具備せしめたから、例え固定外套５を固定化して
も、燃油を回転内套１０の燃油拡散壁１２の表面
又は裏面を使用して簡単に拡散状を呈しながら微
粒化し、均等に固定外套５の燃油蒸発部７内周面
に向け噴散させることができる許りか、上記燃油
蒸発部７内周面に沿つて流下する燃油は回転内套
１０と同調回転する遠心送風翼片１５により起風
された旋回風の直接噴き当て作用で燃油蒸発部７
内周面に沿い旋回滞留させながら徐々に拡散移行
せしめ、その流下を緩慢ならしめた上、燃油飛散
体１５により微粒状として飛散させ生燃料の発生
を速かに行うことができ、その結果、以後供給さ
れた燃油を前述と同様の拡散作用で気化し、蒸発
気化ガスの発生をより促進させることができるは
勿論のこと、発生した蒸発気化ガスを旋回風によ
り、混気ガス通路１６中に一時旋回滞留させた
後、燃油蒸発部７に直接噴き当つて周囲へ拡散状
に飛散しながら旋回する燃焼用空気と攪拌混合さ
せ、気化ガスと燃焼用空気との攪拌混合をより促
進し、完全な混気ガスとした後、ガス通路１９を
通つてガス室２４に圧入し、均質の青焔気化燃焼
筒を焔上させることができると共に旋回燃焼用空
気は固定外套５の内側において回転する回転内套
１１に直接設けられた遠心送風翼片１３により起
風されるので、従来の気化バーナの如き送風損失
も起さず常に、一定量の旋回燃焼用空気を混気ガ
ス通路１６を横切つて直接燃油蒸発部７へ噴き当
て、もつて長期に亘り安定した青焔気化燃焼を継
続させることができる許りか、青焔気化燃焼の継
続中において、青焔気化燃焼焔の一部が回転内套
１１内に吸引され逆火燃焼が発生するのを未然に
防止することができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係る気化バーナを示すものであ
つて、第１図は本発明の基本的気化バーナの一部
切欠した縦断正面図、第２図はガス室の第２実施
例を示す一部切欠した縦断正面図、第３図はガス
室の第３実施例を示す一部切欠した縦断正面図、
第４図は給油装置の第４実施例を示す一部切欠し
た縦断正面図、第５図は給油装置の第５実施例を
示す一部切欠した縦断正面図、第６図は給油装置
の第６実施例を示す一部切欠した縦断正面図、第
７図は給油装置の第７実施例を示す一部切欠した
縦断正面図、第８図は給油装置の第８実施例を示
す縦断正面図、第９図は給油装置の第９実施例を
示す一部切欠した縦断正面図、第１０図は気化バ
ーナの変形実施例を示す一部切欠した縦断正面図
である。 １……燃焼筒、２……逆火防止筒、５……固定
外套、６……閉塞壁、７……燃油蒸発部、９……
回転軸、１１……回転内套、１２……燃油拡散
壁、１３……遠心送風翼片、１４……ガス誘導
壁、１５……燃油飛散体、１６……混気ガス通
路、１８……間隔材、１９……ガス通路、２４…
…ガス室、２８……回転間隙。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 内側にガス室を備えた燃焼筒内に、上端を閉
   じ、基端を開放し、かつ周壁を燃油蒸発部に形成
   した固定外套を設置し、上記燃焼筒の底壁側より
   固定外套内に挿通した回転軸には、吐出側がガス
   室に連通する混気ガス通路を介して周囲に多数の
   遠心送風翼片を放射状に設け、上端側に、表面又
   は裏面に供給した燃油を拡散しながら固定外套内
   周面に噴散する燃油拡散壁を、又、下端側に発生
   した混気ガスをガス室へ誘導するガス誘導壁を
   夫々備えた回転内套を直結すると共に、前記ガス
   誘導壁には、固定外套の開放側端部より流下した
   燃油を受け止め燃焼筒内周面に噴散する燃油飛散
   体をガス誘導壁との間にガス通路が形成されるよ
   う間隔材を介し一体に装着して、遠心送風翼片に
   より起成された旋回風を混気ガス通路を横切つて
   燃油蒸発部に直接噴き当てたことを特徴とする気
   化バーナ。 ２ 内側にガス室を備え、かつ底壁中央に逆火防
   止筒を立設した燃焼筒内に、上端を閉じ、基端を
   開放し、かつ周壁を燃油蒸発部に形成した固定外
   套を、逆火防止筒が覆われるよう設置し、上記逆
   火防止筒を通して固定外套内に挿通した回転軸に
   は固定外套と逆火防止筒との間に位置され、しか
   も吐出側がガス室に連通する混気ガス通路を介し
   て周囲に多数の遠心送風翼片を放射状に設け、上
   端側に、表面又は裏面に供給した燃油を拡散しな
   がら固定外套内周面に噴散する燃油拡散壁を、
   又、下端側に発生した混気ガスをガス室へ誘導す
   るガス誘導壁を夫々備えた回転内套を直結し、上
   記ガス誘導壁には固定外套の開放端部より流下し
   た燃油を受け止め、燃焼筒内周面に噴散させる燃
   油飛散体をガス誘導壁との間にガス通路が形成さ
   れるよう間隔部材を介し一体に装着せしめると共
   に回転内套の底部側と燃焼筒の底壁側および逆火
   防止筒との間に回転間隙を設けて遠心送風翼片に
   より起成された旋回風を混気ガス通路を横切つて
   燃油蒸発部に直接噴き当てたことを特徴とする気
   化バーナ。