JPH0566262B2 - - Google Patents

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JPH0566262B2
JPH0566262B2 JP61021399A JP2139986A JPH0566262B2 JP H0566262 B2 JPH0566262 B2 JP H0566262B2 JP 61021399 A JP61021399 A JP 61021399A JP 2139986 A JP2139986 A JP 2139986A JP H0566262 B2 JPH0566262 B2 JP H0566262B2
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JP
Japan
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vinyl chloride
film
chloride resin
weight
resin film
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Application number
JP61021399A
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English (en)
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JPS62178341A (ja
Inventor
Mitsuo Yasui
Nobuyoshi Hiromitsu
Keiji Tanaka
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Vinyl Co
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Kasei Vinyl Co filed Critical Mitsubishi Kasei Vinyl Co
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Publication of JPH0566262B2 publication Critical patent/JPH0566262B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

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  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
「産業上の利用分野」 本発明は農業用塩化ビニル系樹脂フイルムに関
するものである。更に詳しくは、保温性に優れ、
かつ耐候性にも優れた農業用軟質塩化ビニル系樹
脂フイルムに関するものである。 「従来の技術」 近年、有用植物を栽培している農家は、収益性
向上を目的としてハウス(温室)、又はトンネル
によつて促進栽培、抑制栽培する方法を、広く採
用するようになつた。 このようなハウス、又はトンネルの被覆用資材
としては、ポリエチレンフイルム、エチレン−酢
酸ビニル共重合体フイルム、塩化ビニル系樹脂フ
イルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム、
ポリカーボネートフイルム等が使用されている。
中でも塩化ビニル系樹脂フイルムは、他の合成樹
脂フイルムに比較して、耐候性、透明性、保温
性、強度およびコスト等の面で優れているので、
使用量は最も多い。 最近、農業用塩化ビニル系樹脂フイルムにおい
ても、更に優れた保温性を示すことが要求される
ようになつた。 農業用塩化ビニル系樹脂フイルムに優れた保温
性を発揮させるには、(a)日中太陽光線が照射して
いる間に、太陽光線をできるだけハウス又はトン
ネルに透過できること。(b)太陽光線によつて温め
られ、土壌に蓄積された熱を、できるだけ放出さ
せないこと。の二つの性質を具備させる必要があ
る。 上記(a)の性質を満たすには、塩化ビニルフイル
ムは透明であることが要求されるし、上記(b)の性
質を満たすためには土壌から放出される熱線(3
ミクロンないし40ミクロンの範囲の赤外線領域の
波長に相当する。)をハウス又はトンネル外に出
さないようにすればよい。 ハウス又はトンネル被覆用合成樹脂フイルムの
保温性を改良する手法としては、特開昭55−
43114号公報に記載の技術が提案されている。こ
れは、基体となる合成樹脂フイルムに、赤外線領
域部に吸収能力を持つ不活性固体微粒子を添加す
るものである。しかしながら、これら従来技術に
は、次のような問題がある。 (1) 合成樹脂原料に前記赤外線領域に吸収をもつ
酸化珪性、マグネシウム珪酸塩等を配合してフ
イルム化し、このフイルムを被覆資材として使
用すると、被覆を開始してから2〜3カ月経過
した頃から変色がおこり、やがて破れてしま
い、長期間の使用には耐えられない。 (2) この耐候性を改良する目的で、通常使用され
ている紫外線吸収剤、光安定剤等を添加して
も、不活性固体微粒子を添加したことに伴うフ
イルムの耐候性の低下を抑制し、長期間にわた
り耐候性を特定の水準に維持することは困難で
ある。 (3) フイルムの耐候性の低下は、不活性固体微粒
子の添加量に比例することになり、フイルムの
保温性向上をはかるほど耐候性は低下するとい
う関係になる。 「発明が解決しようとした問題点」 本発明者らは、かかる状況にあつて、従来技術
における耐候性の問題を排除し、保温性が高く、
かつ耐候性にも優れた農業用塩化ビニル系樹脂フ
イルムを提供することを目的として鋭意検討した
結果、本発明を完成するに至つたものである。 「問題点を解決するための手段」 即ち、本発明は塩化ビニル系樹脂100重量部、
粒径10μm以下の不活性固体微粒子を1〜15重量
部、及び可塑剤30〜60重量部を主成分とする軟質
塩化ビニル系樹脂フイルムの片面にヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート化合物5〜40重量%
及び/又は1個もしくは2個以上のカルボキシル
基を含むα,β不飽和カルボン酸化合物0〜20重
量%、ならびにこれら化合物と共重合可能な他の
ビニル系化合物とを重合して得られる共重合体、
又はこれら化合物との共重合体と相溶性のある樹
脂との混合物よりなるアクリル系樹脂の厚さ0.5
〜10μmの被膜が形成されていることを特徴とす
る農業用塩化ビニル系樹脂フイルムを提供するも
のである。 以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フイルムにお
いて、基体となる塩化ビニル系樹脂としては、ポ
リ塩化ビニル、塩化ビニルを主体とし、これと他
のモノマー、例えば酢酸ビニル、エチレン、プロ
ピレン、アルキルビニルエーテル、アクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、アクリルニトリ
ルなどとのコポリマーや、ポリ塩化ビニル又は、
前記コポリマーと、塩素化ポリエチレン、塩素化
ポリプロピレン、塩素化ポリイソブチレンなどの
塩素を含有するポリマーまたはコポリマーとのポ
リマーブレンド等が挙げられる。塩化ビニル系樹
脂は、重合度が800〜2000の範囲から選ばれたも
のが好ましい。 本発明において好ましい可塑剤としては、例え
ばジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチル
ヘキシルフタレート、ジベンジルフタレート、ジ
イソデシルフタレート、ジドデシルフタレート、
ジウンデシルフタレート等のフタル酸誘導体;ジ
イソオクチルフタレート等のイソフタル酸誘導
体;ジ−n−ブチルアジペート、ジオクチルアジ
ペート等のアジピン酸誘導体;ジ−n−ブチルマ
レート等のマレイン酸誘導体;トリ−n−ブチル
シトレート等のクエン酸誘導体;モノブチルイタ
コネート等のイタコン酸誘導体;ブチルオレート
等のオレイン酸誘導体;グリセリンモノリシノレ
ート等のリシノール酸誘導体;その他トリクレジ
ルホスフエート、トリキシレニルホスフエート、
エポキシ化大豆油、エポキシ樹脂系可塑剤等があ
げられる。 これら可塑剤は、基体の塩化ビニル系樹脂100
重量部当り、30〜60重量部が配合される。 本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フイルム
は、基体となる塩化ビニル系樹脂に、必須配合成
分の保温剤としての不活性固体微粒子には、具体
例として、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
マグネシウム珪酸塩、水酸化アルミニウム、酸化
アルミニウム、酸化珪素、硫酸バリウム、硫酸カ
ルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ム、リン酸金属塩、亜リン酸塩のうちの金属成分
がカルシウム、バリウム、亜鉛、鉛又はアルミニ
ウム等でありこれらのうち水酸化アルミ、水酸化
マグネシウム、マグネシウム珪酸塩、酸化珪素及
び、下記の組成式で示されるマグネシウム−アル
ミ系塩基性炭酸塩は、フイルムの透明性を低下さ
せないので特に好ましい。 Mg1-x・Alx(OH)2(CO3x/2・mH2O (但し 0<x<1、0≦m) 本発明においては、不活性固体微粒子は、次の
物性値を備えてなるものであることが必要であ
る。 不活性固体微粒子の平均粒径が10μm以下であ
ることが望ましい。10μmより大きいとフイルム
の透明性が低下し、フイルム表面にピンホールが
発生し易く、強度の低下も著しくなるからであ
る。 不活性固体微粒子の基体の塩化ビニル系樹脂に
対する配合割合は、余り少ないときは保温性向上
効果が発揮できない。逆に余り多すぎるとフイル
ムの耐候性を好ましい水準に維持できないばかり
でなく、フイルムの透明性等も低下させるので好
ましくない。配合割合は、不活性固体微粒子の平
均粒径、フイルムの厚さ等によつて異なるが、通
常基体100重量部に対して、1ないし10重量部が
特に望ましい。 本発明の不活性固体微粒子は波長3〜40μmの
赤外域における光線の透過エネルギーを減少させ
る機能を果たすものであることが好適である。 本発明の不活性固体微粒子は、1種または2種
以上配合、混合して使用することができる。 又、本発明になる不活性固体微粒子の分散性を
向上させるため場合によつてはパラフイン、脂肪
酸、多価アルコール、チタネート系カツプリング
剤、シラン系カツプリング剤等の表面処理剤で処
理しておくことができる。 本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フイルムは、
基体の塩化ビニル系樹脂に、上記必須配合成分の
ほか、フイルムに軟質性を付与するために通常配
合される可塑剤のほか、防曇剤、紫外線吸収剤、
安定剤、酸化防止剤、安定化助剤、防カビ剤、防
藻剤、着色剤等の各種樹脂添加剤を配合した塩化
ビニル系樹脂組成物とし、これをフイルム化して
製造される。 本発明において好ましい防曇剤は主として非イ
オン系界面活性剤がよく、例えばソルビタンモノ
ステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソ
ルビタンモノベンゾエートなどのソルビタン系界
面活性剤;グリセリンモノラウレート、ジグリセ
リンモノパルミテート、グリセリンモノステアレ
ートなどのグリセリン系界面活性剤;ポリエチレ
ングリコールモノステアレート、ポリエチレング
リコールモノパルミテートなどのポリエチレング
リコール系界面活性剤;アルキルフエノールのア
ルキレンオキシド付加物;ソルビタン/グリセリ
ンの縮合物と有機酸とのエステル、等があげられ
る。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わ
せて用いることができる。 紫外線吸収剤として使用可能な化合物として
は、例えば次のようなものがあげられる。 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、−−2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフエ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチル
フエニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−アミル−5′−イソ
ブチルフエニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−
メチルフエニル)−5−クロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−イソブチル−5′−
プロピルフエニル)−5−クロロベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−
ブチルフエニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフエニル)ベンゾ
トリアゾール、2−[2′−ヒドロキシ−5′−(1,
1,3,3−テトラメチルブチル)フエニル]ベ
ンゾトリアゾール。 ベンゾフエノン系紫外線吸収剤−−2,2′−ジ
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフエノン、2,
2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフ
エノン、2,2′4,4′−テトラヒドロキシベンゾ
フエノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フエノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフエノ
ン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフエ
ノン。 サリチル酸系紫外線吸収剤−−フエニルサリシ
レート、パラオクチルフエニルサリシレート。 紫外線吸収剤は、単独又は2種以上を組み合わ
せて使用することができる。上に例示したものの
中では、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベ
ンゾフエノン系紫外線吸収剤が、特に好ましい。 安定剤として使用可能な化合物としては、ジブ
チルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート
エステル、ジオクチルスズメルカプチド、ステア
リン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステ
アリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、リシノー
ル酸バリウム、オレイン酸カルシウム、オクトイ
ン酸亜鉛等をあげることができる。これら安定剤
は、単独又は2種以上を組み合せて使用すること
ができる。 酸化防止剤として使用可能な化合物としては、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフエノー
ル、2,2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−
4−エチルフエノール)、ジラウリルチオジプロ
ピオネート等をあげることができる。これら酸化
防止剤は、単独又は2種以上を組み合せて使用す
ることができる。 安定化助剤として使用可能な化合物としては、
トリフエニルホスフアイト、ジオクチルフエニル
ホスフアイト、トリス(ノニルフエニル)ホスフ
アイト、ジフエニルイソデシルホスフアイト、ト
リラウリルトリチオホスフアイト、ジフエニルア
シツドホスフアイト、ジオクチルアシドホスフア
イト等をあげることができる。これら安定化助剤
は、単独又は2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。 防カビ剤、防藻剤として使用可能な化合物とし
ては、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロ
ニトリル、10,10′−オキシビスフエノキシアル
シン、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾー
ル、N(フルオロジクロロメチルチオ)フタルイ
ミド、N−ジメチル−N′−フエニル−(N′−フロ
ロジクロロメチルチオ)スルフアミド、パラオキ
シ安息香酸エステル、5−ブロモ−5−ニトロ−
1,3−ジオキサン、2,3,5,6−テトラク
ロロ−4−メチルスルホニルピリジン、3−メチ
ル−4−クロロフエノール、N(テトラクロロエ
チルチオ)フタルイミド、トリブチルスズラウレ
ート等をあげることができる。これら化合物は、
単独又は2種以上を組み合わせて使用することが
できる。 着色剤として使用可能なものとしては、例えば
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリー
ン、ハンザイエロー、アリザリンレーキ、酸化チ
タン、亜鉛華、パーマネントレツド、キナクドリ
ン、カーボンブラツク等をあげることができる。
これら着色剤も、単独又は2種以上を組み合わせ
て使用することができる。 以上の各種樹脂添加物は他の可塑剤をも含め
て、フイルムの性質を悪化させない範囲、通常は
基体の塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、2
重量部以下の範囲で選ぶことができる。 基体塩化ビニル系樹脂に前記必須配合成分と他
の樹脂添加物を配合するには、各々必要量秤量
し、リボンブレンダー、バンバリーミキサー、ス
ーパーミキサーその他従来から知られている配合
機、混合機を使用する方法によればよい。 このようにして得られた樹脂組成物をフイルム
化するには、それ自体公知の方法、例えば溶融押
出成形法(T−ダイ法、インフレーシヨン法を含
む)、カレンダー成形法、溶液流延法等の従来か
ら知られている方法によればよい。 本発明に係るフイルムの厚さは、余り薄いと強
度が不充分となるので好ましくなく、逆に余り厚
すぎるとフイルム化作業、その後の取り扱い(フ
イルムを切つてハウス型に接合する作業、ハウス
骨組に展張する作業等を含む)等に不便をきたす
ので、0.05〜0.3mmの範囲、特に好ましくは0.075
〜0.2mmの範囲とするのがよい。 本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フイルム
は、基体フイルムの片面に、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート化合物5〜40重量%及び/
又は1個もしくは2個以上のカルボキシル基を含
むα,β不飽和カルボン酸化合物0〜20重量%、
ならびにこれら化合物と共重合可能な他のビニル
系化合物とを重合して得られる共重合体、又はこ
れら化合物との共重合体と相溶性のある樹脂との
混合物よりなるアクリル系樹脂の厚さ0.5〜10μm
の被膜が形成されている。 ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類と
しては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロ
キシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチル
アクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレ
ート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−
ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキ
シペンチルアクリレート、2−ヒドロキシペンチ
ルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアク
リレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレー
ト等があげられる。 これらヒドロキシアルキル(メタ)アクリレー
ト化合物は、得られるアクリル系樹脂が有機溶媒
に溶け易く、アクリル系樹脂と基体塩化ビニル系
樹脂フイルムとの密着性を向上し、更には、フイ
ルム表面にしみ出してくる可塑剤の移行性を抑制
する作用に大きく寄与する成分である。 このヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
類のアクリル系樹脂中で占める割合が、5重量%
より少ない場合は、有機溶媒との溶解性、基体フ
イルムとの密着性及び可塑剤移行抑制効果を充分
に発揮し得ないので、好ましくない。他方、40重
量%より多い場合には、コスト高となりコスト上
昇に較べて得られる効果は大きくないので好まし
くない。 分子内に1個もしくは2個以上のカルボキシル
基を含むα,β−不飽和カルボン酸化合物として
は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マ
レイン酸、アコニツト酸、クロトン酸等があげら
れる。これら化合物を、前記ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート類と併用するときは、アク
リル樹脂と塩化ビニル系樹脂フイルムとの密着性
を向上し、フイルム同士が付着し合う(ブロツキ
ングする)性質を抑制する効果を発揮する。これ
ら化合物の使用量は、0〜20重量%である。これ
以上であると、フイルムが水分で潤れているとき
にフイルム同士が付着し合う性質(湿潤時のブロ
ツキング性)が強化されるので、好ましくない。 前記化合物と共重合可能な他のビニル系化合物
としては、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、n−プロピルアクリレート、i−プロピル
アクリレート、n−ブチルアクリレート等があげ
られる。これらの化合物は、被膜の可撓性、基体
塩化ビニル系樹脂との密着性を向上させる役割を
果す。 塩化ビニル系樹脂フイルムの片面に被膜を形成
するためのアクリル系樹脂は、上記単量体を所定
量組み合せて有機溶媒とともに重合缶に仕込み、
重合開始剤、必要に応じて分子量調節剤を加え
て、攪拌しつつ加熱し、重合することができる。 かかるアクリル系樹脂を、塩化ビニル系樹脂フ
イルムに塗布するときに、塗膜の密着性、柔軟
性、耐汚染性、耐候性および、あるいは基体フイ
ルム中の添加剤の表面移行を抑制する性質を改善
しようとする目的で、アクリル系樹脂と相溶性の
ある他樹脂を混合することが可能である。他樹脂
としては、フツ化ビニリデン系樹脂、パーフルオ
ロアルキル基を側鎖にもつアクリル樹脂、セルロ
ースアセテートブチレート樹脂、シリコン樹脂等
がとくに効果的である。 塩化ビニル系樹脂フイルムの片面に形成するア
クリル系樹脂の被膜は、アクリル系樹脂を有機溶
媒に溶解して塗布するのがよい。 アクリル系樹脂を溶解するための有機溶媒とし
ては、アクリル系樹脂の製造の際に使用する溶媒
と同じであつてもよい。具体的には、アルコール
類が望ましく、例えばメタノール、エタノール、
n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタ
ノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、
n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、
tert−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコー
ル、シクロヘキサノール等があげられる。上記ア
ルコール類のほか、酢酸エチル、メチルエチルケ
トン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、トルエ
ン、キシレン、クロロホルム等も使用することが
できる。これらは1種でも、2種以上を混合した
ものであつてもよい。 塩化ビニル系樹脂フイルムの片面に前記アクリ
ル系樹脂の被膜を形成するには、アクリル系樹脂
を上記有機溶媒に溶解し、スプレイコート法、ロ
ールコート法、グラビアコート法、リバースコー
ト法、デイツプコート法等のほか、スクリーン印
刷法、フレキソ印刷法等のそれ自体公知の各種塗
布方法によつて塗布し、乾燥するのがよい。利用
できる乾燥方法は、例えば熱風乾燥法、赤外線乾
燥法、遠赤外線乾燥法などである。乾燥温度は、
前記有機溶媒を飛散させる温度、すなわち、アク
リル系樹脂を溶解している有機溶媒の沸点以上と
するのがよい。乾燥時間は、短い方がよい。従つ
て、有機溶媒の沸点以上の温度で、できるだけ短
時間に乾燥するのがよい。 基体フイルムの表面に形成するアクリル系樹脂
被膜の厚さは、基体フイルムの厚さにもよるが、
0.5〜10μmである。10μmより厚いときは、基体
フイルムと被膜とでは屈曲性に差があるために、
被膜が基体フイルムから剥離する等の現象がおこ
り易く、また、被膜に亀裂が入つて基体フイルム
の強度を低下させるという現象がおこり、好まし
くない。0.5μmより薄いときは、基体フイルムの
耐候性を向上させる効果を発揮しないので、好ま
しくない。被膜の厚さは、上記範囲内で、基体フ
イルムの厚さに比例させるのがよい。 本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フイルム
を、実際に使用するにあたつては、この被膜が設
けられた側をハウス又はトンネルの外側となるよ
うにして展張するのがよい。 「発明の効果」 本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フイルム
は、以上のとおりであり、次のように特別に顕著
な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大
である。 (1) 本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フイル
ムは、熱線を吸収する不活性固体微粒子を含有
しているので、土壌から放出される波長3〜
40μmの範囲の赤外線領域の光線(熱線)をハ
ウス又はトンネル外に放出させず、保温性に優
れている。 (2) 不活性固体微粒子として特定の粒径のものを
用いているので、フイルムの表面にピンホール
も生じ難く、透明性に優れ、引き裂き強度も優
れている。 (3) 本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フイル
ムは、フイルム表面にそれ自体耐候性の優れた
アクリル系樹脂の被膜が形成されているので、
長期間の使用に耐えうる。 (4) アクリル系樹脂の被膜が形成されているの
で、可塑剤その他樹脂添加剤の滲み出しを抑制
することができる。従つて、長期間にわたつて
表面が汚れないので、フイルムは長期間にわた
つて可視領域以上の波長を高率で透過し、農業
用ハウス被覆用に好適である。 「実施例」 以下、本発明を実施例にもとずいて、更に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。 実施例1〜8、比較例1〜7 (1) 基体フイルムの調製 ポリ塩化ビニル(=1400) 100重量部 ジオクチルフタレート 45 〃 エポキシ樹脂(商品名「EP−828」) 1 〃 バリウム−亜鉛系複合安定剤 1.5 〃 ステアリン酸バリウム 0.2 〃 ステアリン酸亜鉛 0.4 〃 ソルビタンモノステアレート 1.5 〃 エチレンビスステアロアミド 0.1 〃 を基本組成とし、さらにこれに、第1表に示す種
類および量(重量部)の不活性固体微粒子を配合
した。 各配合物を、スーパーミキサーで10分間、攪拌
混合したのち、165℃に加温したミルロール上で
混練し、L型カレンダー装置によつて、0.10mm厚
みのフイルムを製造した。 (2) 被膜の形成 重合缶に、イソプロピルアルコール150重量部
と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート20重量
部、アクリル酸10重量部、メチルメタクリレート
40重量部及びエチルメタクリレート30重量部を加
え、ベンゾイルパーオキサイド0.5重量部加えて、
窒素ガス気流下、80℃で10時間重合反応を行つ
た。 得られた共重合体溶液に、イソプロピルアルコ
ールを加えて、固形分を20重量%に調節して、被
覆材とした。 前記基体フイルムの片面に、上記被覆材をグラ
ビアコート法によつて塗布したのち、150℃に温
度調節した温風乾燥炉内に10秒間滞留させ、溶媒
を飛散させ、厚さ約2μmの被膜を形成した。 得られた各フイルムについて、次のような品質
評価試験を行つた。結果を第1表に示す。 試験方法 (1) 耐候性 愛知県名古屋市で供試フイルムを屋外で南に面
し、かつ地面に対し、45度に傾斜した架台に昭和
59年3月上旬から昭和60年3月上旬までの1カ年
間展張し、日光に曝露して各フイルムの外観変化
の状況を肉眼で観察し、評価した。 「耐候性」の評価結果はそれぞれ次のような意
義を有する。 〇…変化なし 〇x…わずかに褐斑点が認められる △…褐斑点が認められる △x…褐斑点が多く認められる ×…全面にわたつて褐変している なお、アクリル系樹脂被膜を設けたフイルムは
ハウス外側になるように展張した。 (2) 保温性 三重県一志部の圃場に、直径2m、長さ2mの
露地トンネルを設け、このトンネルを各々のフイ
ルムで被覆し、トンネル内部中央部で夜間のトン
ネル内温を測定したもの。測定した期間は、3月
下旬の10日間で午後6時から翌日午前6時までの
間の温度を1時間毎に測定し、この間の温度を平
均して一日の平均値を出し、更に5日間の平均温
度として示した。 (3) ピンホールの有無 肉眼によつて観察した。ピンホールが認められ
ないものを「〇」とし、認められるものを「×」
とした。
【表】
【表】 第1表の結果より、次のことが明らかである。 (1) 本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フイル
ムは、耐候性に優れているばかりでなく、保温
性にも優れている(実施例1〜8参照)。 (2) これに対して、フイルム表面にアクリル系樹
脂被膜がなく、かつ不活性固体微粒子を配合し
ないフイルムは、保温性が劣る(比較例7参
照)。 (3) 不活性固体微粒子の平均粒径が10μmより大
きいものを配合した場合には、フイルムにピン
ホールが多発し、商品価値を低下させる(比較
例1参照)。 (4) 不活性固体微粒子の配合割合が本発明で規定
する範囲を上まわるときは、フイルム表面にア
クリル系樹脂被膜があつても耐候性が劣り、
又、足りないときは、保温性が改善されない
(比較例2、6参照)。 (5) 不活性固体微粒子は配合するが、アクリル系
樹脂被膜が無いフイルムは、保温性が改善され
るが、耐候性は著しく劣る(比較例3、4、5
参照)。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 塩化ビニル系樹脂100重量部、粒径10μm以
    下の不活性固体微粒子を1〜15重量部及び可塑剤
    30〜60重量部を主成分とする軟質塩化ビニル系樹
    脂フイルムの片面に、ヒドロキシアルキル(メ
    タ)アクリレート化合物5〜40重量%及び/又は
    1個もしくは2個以上のカルボキシル基を含む
    α,β不飽和カルボン酸化合物0〜20重量%、な
    らびにこれら化合物と共重合可能な他のビニル系
    化合物とを重合して得られる共重合体、又はこれ
    ら化合物との共重合体と相溶性のある樹脂との混
    合物よりなるアクリル系樹脂の厚さ0.5〜10μmの
    被膜が形成されていることを特徴とする農業用塩
    化ビニル系樹脂フイルム。 2 不活性固体微粒子が3〜40μmの波長の光線
    を吸収するものであることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の農業用塩化ビニル系樹脂フイ
    ルム。 3 不活性固体微粒子が水酸化アルミ、水酸化マ
    グネシウム、タルク及び酸化珪素の中から選ばれ
    たものであることを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載の農業用塩化ビニル系樹脂フイルム。 4 不活性固体粒子が下記の組成式で示されるマ
    グネシウム−アルミニウム系塩基性炭酸塩である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の農
    業用塩化ビニル系樹脂フイルム。 Mg1-x・Alx(OH)2(CO3x/2・mH2O (但し 0<x<1、 0≦m)
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