JPH0565251A - 新規トレハゾリン誘導体およびその製造法 - Google Patents

新規トレハゾリン誘導体およびその製造法

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JPH0565251A
JPH0565251A JP4027901A JP2790192A JPH0565251A JP H0565251 A JPH0565251 A JP H0565251A JP 4027901 A JP4027901 A JP 4027901A JP 2790192 A JP2790192 A JP 2790192A JP H0565251 A JPH0565251 A JP H0565251A
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trehazolin
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trehazoline
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秀次 高橋
Kiyoshi Hamano
潔 浜野
Hideyuki Haruyama
英幸 春山
Takeshi Kinoshita
武 木下
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式 【化8】 の構造を有する化合物(I)及びその製造方法。 【効果】本発明の化合物(I)は顕著なβ−グルコシダ
ーゼ阻害活性を有しており、例えば抗腫瘍剤、抗エイズ
剤等として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、β−グルコシダーゼ阻
害活性を有する新規化合物及びその製造法に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、β−グルコシダーゼに対して強い
阻害活性を示す物質としては、カスタノスペルミン、デ
オキシノジリマイシン等が知られており、抗腫瘍、抗エ
イズ等に有用な物質として報告されている(文献:R.A.
Gruters et.al. Nature 330: 74-77, 1987,M.J.Humphr
ies et.al. Cancer Res. 46:5215-5222, 1986)。した
がって、β−グルコシダーゼ阻害活性を有する化合物
は、抗腫瘍薬、抗エイズ薬として有用であることが予想
される。
【0004】
【発明の構成】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(I)
【0006】
【化4】
【0007】で示される化合物および、式(II)
【0008】
【化5】
【0009】で示される化合物を酸で処理することを特
徴とする式(I)
【0010】
【化6】
【0011】で示される化合物の製造方法に関するもの
である。以下、式(I)で示される化合物を化合物
(I)と、式(II)で示される化合物をトレハゾリン
(Trehazolin)という。
【0012】本発明の化合物(I)は、β−グルコシダ
ーゼに対して強い阻害活性を有する化合物である。
【0013】化合物(I)は、トレハゾリンを種々の無
機酸(例えば、塩酸、硫酸)または有機酸(例えば、酢
酸、プロピオン酸)で、水溶液中で加水分解することに
より得られる。用いる酸としては、好適には塩酸であ
り、更に好適には4Nの塩酸である。反応温度は室温乃
至120℃で行なわれるが、好適には、90℃乃至10
0℃である。反応時間は、主に反応温度、反応試薬又は
使用される溶媒の種類によって異なるが、通常1時間乃
至2日間であり、好適には20−24時間である。この
ようにして得られた反応液から、化合物(I)を純粋に
単離するには、通常有機化合物の分離精製に利用される
方法、例えば各種担体を用いたクロマトグラフィーを単
独またはこれらの組み合わせおよび繰り返し等が用いら
れる。
【0014】化合物(I)は次のような特性を有する。 1) 色と形状:塩基性白色粉末 2) 溶解性:水に可溶。アセトン、クロロホルムに不
溶。 3) 呈色試験:ニンヒドリンに陽性 4) 分子式:C613NO5 5) 分子量:179(FAB-マススペクトルにより測定) 6) 比旋光度: [α]D 25 −3.7 °(c 0.51,水) 7) 紫外線吸収スペクトル:λmax nm(E1cm 1%) 水溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、210 nm以
上に特徴的な吸収を示さない。 8) 赤外線吸収スペクトル:νmax(KBr) cm-1 KBrディスクで測定した赤外線吸収スペクトルは,図
1に示すとおりである。 9) 1H−核磁気共鳴スペクトル:δppm 重水中、外部基準にTMS(テトラメチルシラン)を使用して測定した
1H−核磁気共鳴スペクトル(400MHZ)は図2に示すとお
りである。 10) 13C−核磁気共鳴スペクトル:δppm 重水中、外部基準にTMS(テトラメチルシラン)を使用して測定した
13C−核磁気共鳴スペクトル(100MHZ)は図3に示すとお
りである。 11) 薄層クロマトグラフィー: Rf 値;0.39 吸着剤;メルク社製シリカゲルプレート Art 5715 展開溶媒;アセトニトリル:酢酸:水=6:1:3 。
【0015】本発明の化合物(I)の製造中間体である
トレハゾリンの製造において用いられるミクロモノスポ
ラ(Micromonospora)属に属する菌株としては、例えば
ミクロモノスポラ.エスピー.SANK62390 株を挙げ
ることができる。本菌株は、平成2年(1990年)7
月26日に微生物工業技術研究所に寄託され、寄託番号
微工研菌寄第11631号(FERM P−1163
1)が付与された。更に、該菌株は、平成3年(199
1年)8月21日に同研究所内においてブタペスト条約
に基づく国際寄託に移管され、寄託番号 微工研条寄第
3521号(FERM BP−3521)が付与され
た。
【0016】この菌の菌学的性状は次のとおりである。
【0017】SANK62390 株の菌学的性状 1.形態学的性状 SANK 62390株は、菌株同定用寒天培地上28℃、7 乃
至14日間の培養において普通若しくはやや貧弱に生育す
る。基生菌糸は良好に伸長、分岐し、明るい橙、橙乃至
暗い茶味灰色を示すが、ノカルディア(Nocardia)属菌
株様の断裂やジグザグ伸長は観察されない。気菌糸は原
痕跡的に僅かに形成し、白乃至茶味白色を示す。胞子は
基生菌糸上にのみ観察されるが、比較的短い胞子柄の先
端に1個ずつ形成し、球状である。胞子の表面は平滑で
ある。胞子のう、菌核、車軸分岐等の特殊器官は認めら
れない。
【0018】2.各種培養基上の諸性質 各種培養基上で28℃、14日間培養後の性状は表1、表
2、表3及び表4に示したとおりである。色調の表示は
日本色彩研究所版「標準色表」のカラーチップ・ナンバ
ーをあらわす。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【表4】
【0023】3.生理学的性質 28℃で培養後、2 乃至21日間に観察したSANK 62390
株の生理学的性質は表5に示したとおりである。
【0024】
【表5】 *:培地1;トリフ゜シン・イーストエキス・フ゛ロス(ISP 1) 培地2;ヘ゜フ゜トン・イーストエキス・ 鉄寒天(ISP 6) 培地3;チロシン寒天(ISP 7) 培地4;イーストエキス・麦芽エキス 寒天(ISP 2) 又、プリドハム・ゴトリーブ寒天培地(ISP 9) を使用し
て、28℃、14日間培養後に観察したSANK 62390株の
炭素源の資化性は表6に示すとおりである。
【0025】
【表6】 4.菌体成分について SANK 62390株の細胞壁は、ビー・ベッカーらの方法
[B. Becker et al., Applied Microbiology, Vol.12,
421-423 (1984)] に従い検討した結果、メソージアミノ
ピメリン酸が検出された。又、SANK 62390株の全細
胞壁中の糖成分をエム・ピー・レシェバリエの方法[M.
P. Lechevalier, Journal of Laboratory & Clinical
Medicine, Vol.71, 934 (1968)] に従い検討した結果、
アラビノースとキシロースが検出された。ミコール酸の
存在は確認されなかった。細胞壁ペプチドグリカン中の
アシル型はグリコリル型であった。又、主要メナキノン
成分として MK-10(H6)、MK-10(H4)、MK-10(H8) が検出さ
れた。以上のことから、本菌株は放線菌の中でもミクロ
モノスポラ属に属することが判明したので、ミクロモノ
スポラ・エスピー( Micromonospora sp.) SANK 623
90(微工研菌寄第11631号、微工研条寄第3521
号(FERM BP−3521))と命名された。
【0026】なお、SANK 62390株の同定は、ISP
(ジ・インターナショナル・ストレプトマイセス・プロ
ジェクト(The International Streptomyces Project)]
基準、バージーズ・マニュアル(Bergey's Manual of Sy
stematic Bacteriology)第4巻、ジ・アクチノミセテス
(The Actinomycetes) 第2巻及び放線菌に関する最近の
文献によって行なった。
【0027】周知のとおり、放線菌は自然界において、
又は人工的な操作(例えば、紫外線照射、放射線照射、
化学薬品処理等)により、変異を起こし易く、本発明の
SANK 62390株もこの点は同じである。本発明にいう
SANK 62390株はそのすべての変異株を包含する。
又、これらの変異株の中には、遺伝学的方法、例えば、
組み替え、形質導入、形質転換等により得られたものも
包含される。すなわち、トレハゾリンを生産する、SA
NK 62390株、その変異株及びそれらと明確に区別され
ない菌株は、すべてSANK 62390株に包含されるもの
である。
【0028】トレハゾリンを得るため、これらの微生物
の培養は、他の醗酵生成物を生産するために用いられる
ような培地中で行う。このような培地中には、微生物が
同化できる炭素源、窒素源及び無機塩を含有する。
【0029】一般に、炭素源としてグルコース、フラク
トース、マルトース、シュークロース、マンニトール、
グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウ
モロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸等を単一に、或は
併用して用いる事ができる。一般には、培地量の1-10重
量% で変量する。窒素源としては、一般に蛋白質を含有
する物質を醗酵工程に用いる。
【0030】適当な窒素源としては、大豆粉、フスマ、
落花生粉、綿実油、綿実粉、カゼイン加水分解物、ファ
ーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、ペプトン、肉
エキス、イースト、イーストエキス、マルトエキス、硝
酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム等
である。窒素源は、単一又は併用して培地量の0.2-6重
量% の範囲で用いる。
【0031】培地中にとり入れる栄養無機塩は、ナトリ
ウム、アンモニウム、カルシウム、フォスフェート、サ
ルフェート、クロライド、カーボネート等のイオンを得
ることのできる通常の塩類である。又、カリウム、カル
シウム、コバルト、マンガン、鉄、マグネシウム等の微
量の金属も含む。液体培養に際しては、シリコン油、植
物油、界面活性剤等が、消泡剤として使用される。
【0032】ミクロモノスポラ・エスピーSANK 623
90株を培養し、トレハゾリンを生産する培地のpHは、5.
0-8.0 に変化できる。
【0033】菌の生育は22℃から38℃の範囲が良好であ
り、更にトレハゾリンの生産には22℃から28℃が好適で
ある。トレハゾリンは、好気的に培養して得られるが、
通常用いられる好気的培養法、例えば固体培養法、振盪
培養法、通気撹拌培養法等が用いられる。
【0034】小規模な培養においては、28℃で数日間振
盪培養を行うのが良好である。
【0035】培養は、バッフル( 水流調節壁) のついた
三角フラスコ中で、1-2 段階の種の発育工程により開始
する。種発育段階の培地は、炭素源及び窒素源を併用で
きる。種フラスコは定温インキュベーター中で28℃、7
日間振盪するか又は充分に成長するまで振盪する。成長
した種は第二の種培地又は生産培地に接種するのに用い
る。中間の発育工程を用いる場合には、本質的に同様の
方法で成長させ生産培地に接種するために、それを部分
的に用いる。接種したフラスコを一定温度で数日間振盪
し、インキュベーションが終わったらフラスコの含有物
を遠心分離又は濾過する。
【0036】大量培養の場合には、撹拌機、通気装置を
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成できる。栄養培
地を125 ℃まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地にあ
らかじめ成長させてあった種を接種する。培養は28℃で
通気撹拌して行う。この方法は、多量の化合物を得るの
に適している。
【0037】培養の経過に伴って生産されるトレハゾリ
ンの量の経時変化は、トレハラーゼの阻害活性を測定す
ることにより知ることができる。通常は、72時間から15
0 時間の培養でトレハゾリンの生産量は最高値に達す
る。
【0038】培養終了後、培養液中の液体部分 (及び菌
体内) に存在するトレハゾリンは、菌体、その他の固形
部分を珪藻土を濾過助剤とする濾過操作又は遠心分離に
よって分別し、その濾液または上清中に存在するトレハ
ゾリンを、その物理化学的性状を利用し抽出精製するこ
とにより得られる。
【0039】例えば、濾液又は上清中に存在するトレハ
ゾリンをイオン交換樹脂、例えばアンバーライトIRC-5
0,CG-50, ダウエックス50W ×4,ダウエックスSBR-P の
層を通過させて不純物を吸着させて取り除くか、又はト
レハゾリンを吸着させた後、アンモニア水を用いて溶出
させることにより得られる。或は吸着剤として、例えば
活性炭又は吸着用樹脂であるアンバーライトXAD-2,XAD-
4(ローム・アンド・ハース社製 )等や、ダイヤイオンHP
-10,HP-20,CHP20,HP-50 等 (三菱化成工業株式会社製)
が使用される。トレハゾリンを含む液を上記のごとき吸
着剤の層を通過させて不純物を吸着させて取り除くか又
はトレハゾリンを吸着させた後、メタノール水、アセト
ン水等を用いて溶出させることにより得られる。
【0040】このようにして得られたトレハゾリンは、
更にシリカゲル、フロリジルのような担体を用いた吸着
カラムクロマトグラフィー、アビセル (旭化成株式会社
製)、セファデックスLH-20(ファルマシア社製)等を用い
た分配カラムクロマトグラフィー及び順相、逆相カラム
を用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製すること
ができる。
【0041】トレハゾリンは次の特性を有する。 1) 性質:塩基性白色粉末 2) 溶解性:水、メタノールに可溶。アセトン、クロロ
ホルムに不溶。 3) 呈色試験:硫酸に陽性 4) 分子式:C1322210 5) 分子量:366 (FAB-マススペクトルにより測定) 6) 比旋光度: [α]D 25 +99.5° (c 0.41,水) 7) 紫外線吸収スペクトル:λmax nm(E1cm 1%) 水溶液中で測定した紫外線吸収スペクトルは、220nm 以
上に特徴的な吸収を示さない。
【0042】8) 赤外線吸収スペクトル:νmax(KBr) c
m-1 KBrディスクで測定した赤外線吸収スペクトルは図4
に示すとおりである。 9) 1H−核磁気共鳴スペクトル:δppm 重水中、外部基準にTMS(テトラメチルシラン)を使
用して測定した 1H−核磁気共鳴スペクトル(400MHZ)は
図5に示すとおりである。 10) 13C−核磁気共鳴スペクトル:δppm 重水中、外部基準にTMS(テトラメチルシラン)を使用して測定した
13C−核磁気共鳴スペクトル(100MHZ)は図6に示すとお
りである。 11) 高速液体クロマトグラフィー: 分離カラム;センシューパック(Senshu Pak)ODS-H-2151
(センシュー科学株式会社製) 6φ×150mm (5μ) 移動相;10%(V/V)アセトニトリル−水(PIC B8 (ウォ-タース
゛社製) 0.5%含有) 流速;1.5ml/分 検出波長;UV 210nm カラム温度25℃のとき保持時間 6.9分にピークを観察す
ることができた。溶出パターンは、図7に示すとおりで
ある。 12) 薄層クロマトグラフィー: Rf 値;0.44 吸着剤;メルク社製シリカゲルプレートArt 5715 展開溶媒;アセトニトリル:酢酸:水=6:1:3 。
【0043】トレハゾリンは下記式(III)の構造を
とり得、式(II)はその互変異性体である式(II
I)の構造をも包含し、包括的な意味で記載したもので
ある。
【0044】
【化7】
【0045】
【参考例】
トレハゾリンの精製方法 (A)培養 ミクロモノスポラ.エスピー.SANK 62390株を培地
組成-1で示される培地80mlを含む 500ml容三角フラスコ
(バッフル付) 3 本に一白金耳接種し、220rpmの回転振
盪培養機により28℃で216 時間培養した。
【0046】培地組成-1 グルコース 1 % グリセリン 1 % オートミール 0.5 % シュークロース 1 % 大豆粉 2 % カザミノ酸 0.5 % 生イースト 1 % CaC03 0.1 % CB442 0.01% 滅菌前 pH7.0 この培養液40mlを培地組成-2で示される培地800ml を含
む2 リットルの三角フラスコ4 本に接種し220rpmの回転
振盪培養機により28℃で96時間培養した。次いで30リッ
トル容ジャーファーメンター2 基に培地組成-2で示され
る培地15リットルを入れ、120 ℃で35分間加熱殺菌し28
℃に冷却した中に、種培養液1.5 リットルを接種し回転
数100rpm通気量15リットル/ 分で28℃、96時間撹拌培養
した。
【0047】培地組成-2 グルコース 2 % でんぷん 1 % 生イースト 0.9 % 肉エキス 0.5 % ポリペプトン 0.5 % NaCl 0.5 % CaCO3 0.3 % CB-442 0.01% 滅菌前 pH7.2 (B)単離 得られた培養液30リットルに濾過助剤としてセライト54
5(ジョンズ・マンビル・プロダクト・コーポレーション
製) を3kg 加えて濾過することにより濾液29リットルを
得た。濾液をダウエックスSBR-P(Cl-) (ダウケミカル社
製)6リットルのカラムに通し、通過液のpHを5.0 に調整
してダウエックス 50W×4(H+) ( ダウケミカル社製) 6
リットルのカラムに通し、トレハゾリンを吸着させた。
20リットルの脱イオン水で水洗後、0.5Nアンモニア水30
リットルで溶出し活性分画13リットルを得た。得られた
溶出液13リットルを減圧下で濃縮、凍結乾燥してトレハ
ゾリンを含む粗粉末43.4g を得た。この粗粉末を2 リッ
トルの10mM、pH6.0 のギ酸アンモニウム緩衝液で溶解
し、あらかじめ20mM、pH6.0 ギ酸アンモニウム緩衝液で
緩衝化したダウエックス50W ×4 の1.5 リットルのカラ
ムに吸着させ、3 リットルの同緩衝液で洗浄後、2 リッ
トルの脱イオン水で洗浄し、0.2Nアンモニア水で溶出し
た。溶出液を500ml ずつ分画していくと、トレハゾリン
はフラクション2 〜4 に溶出され、この分画を集め減圧
下濃縮し凍結乾燥することにより2.55gの粗粉末を得
た。
【0048】次いでこの粉末をあらかじめ80% アセトニ
トリル- 水で充填した200ml のアビセル (旭化成工業株
式会社製) カラムに吸着させ、700ml の80% アセトニト
リル- 水で洗浄後、500ml の75% アセトニトリル- 水、
700ml の70% アセトニトリル- 水で順次溶出した溶出液
を19mlずつ分画していくと、トレハゾリンはフラクショ
ン35〜50に溶出された。この分画を集め減圧下濃縮し凍
結乾燥を行い、658mgの粉末を得た。更にこの粉末を水1
50ml で溶解し、pH6.0 に調整後アンバーライトCG-50
(H+:NH4 +=2:3) の300ml のカラムに吸着させ、500ml の
脱イオン水で洗浄後0.1Nアンモニア水で溶出した溶出液
を20mlずつ分画していくと、トレハゾリンはフラクショ
ン92〜121 に溶出され、その分画を集め減圧下濃縮し凍
結乾燥を行い102.8mg の粉末を得た。次いでこの粉末を
10mlの2mM pH6.0 ギ酸アンモニウム緩衝液で溶かし同緩
衝液で充填したダイヤイオンCHP20P (三菱化成工業株式
会社製) 400ml のカラムに吸着させ同緩衝液で 5mlずつ
展開溶出した。トレハゾリンはフラクション59〜73に溶
出され、その分画を集め減圧下濃縮し、凍結乾燥を行い
18mgの粉末を得た。この粉末を再度ダイヤイオンCHP20P
カラムで精製し、6.2mg の白色粉末を得た。
【0049】次いでこの粉末をプレパラティブTLC で精
製した。粉末6.2mg を少量の水で溶かし、メルク社製シ
リカゲルプレートArt5715(20×20cm) 3 枚に吸着させ、
アセトニトリル:酢酸:水(6:1:3)で15cm展開させ、Rf
0.42 から0.5 をかきとりシリカゲル粉末をカラムに充
填し、100ml の脱イオン水で溶出した。溶出液をダウエ
ックス50W ×4(H+) 5mlのカラムに通しトレハゾリンを
吸着させ、脱イオン水でカラムを洗浄し50mlの0.5Nアン
モニア水で溶出を行い、溶出液を減圧下濃縮し、凍結乾
燥することにより、高速液体クロマトグラフィーで単一
ピークを示すトレハゾリンの白色粉末5.1mg を得た。
【0050】
【試験例】 トレハゾリンのカイコトレハラーゼに対する阻害活性測
定法 カイコ5 齢幼虫10頭(44g) を、20mMクエン酸-40 mMリン
酸二ナトリウム緩衝液(pH5.6)120ml中で氷冷下、ポリト
ロンを用い 2分間ホモゲナイズし、6,000rpm、10分間遠
心分離して得た上清120 mlに、氷冷下、240mlのアセト
ンを撹拌しながら加えた。これを9,000rpm、20分間遠心
分離し、沈渣を水に溶解後、凍結乾燥し、粗酵素2.0gを
得た。
【0051】以下、カイコトレハラーゼ活性測定に、20
mMクエン酸-40mM リン酸二ナトリウム緩衝液(pH5.6) を
使用した。試験管内に緩衝液130 μl 、試料溶液50μl
及びカイコ酵素液4mg/mlを50μl 加え、37度のウォータ
ーバス中で15分振盪した後、250 mMトレハロース溶液20
μl を添加し、更に15分間反応させた。反応液を沸騰水
上3 分間静置後氷水冷し、3,000rpm、10分間遠心分離し
て沈殿物を除いた後、溶液中のグルコース濃度を定量し
た。本反応には、和光純薬のグルコースC-テストワコー
を用い、標準操作法より試料液を10倍量加えて行なっ
た。酵素反応時に試料溶液として緩衝液を用いた場合
と、基質溶液のかわりに緩衝液を用いた場合のグルコー
ス濃度をそれぞれ0%及び100%阻害として阻害率を計算
し、50% 阻害濃度を算出した。結果を下に示す。
【0052】 本反応条件下での0%阻害の酵素活性は、 0.012 uni
ts/mlであった。
【0053】
【実施例】トレハゾリンの粉末19.3mgを4N塩酸
1mlに溶解しアンプルに入れ密封し100℃で24時
間加水分解を行なった。加水分解液に水を加え、減圧下
濃縮乾固を繰り返し行ない、塩酸を留去後、水20ml
に溶解し、pHを6.0に調整してアンバーライトCG-5
0(NH4 +) 20mlのカラムに通し反応溶液を吸着させ、脱イ
オン水60mlで洗浄後、0.2Nアンモニア水で溶出
を行なった。溶出液を減圧下濃縮し、凍結乾燥すること
により、化合物(I)の白色粉末5.1mgを得た。
【0054】次いでこの粉末をプレパラティブTLCで
精製した。粉末5.1mgを少量の水に溶かし、メルク
社製シリカゲルプレートArt 5715 (20×20cm) 2 枚に吸
着させ、アセトニトリル:酢酸:水=6:1:3で15
cm展開した。Rf 0.36 から0.47をかきとりシリカゲル
粉末をカラムに充填し、50mlの脱イオン水で溶出した。
溶出液をアンバーライトCG-50(NH4 +) 10mlのカラムに通
し化合物(I)を吸着させ、脱イオン水で洗浄し0.2Nア
ンモニア水50mlで溶出を行なった。溶出液を減圧下濃
縮、凍結乾燥することにより化合物(I)の白色粉末3
mgを得た。
【0055】
【発明の効果】本発明の化合物(I)は顕著なβ−グル
コシダーゼ阻害活性を有しており、例えば抗腫瘍剤、抗
エイズ剤等として有用である。
【0056】(化合物(I)のβ−グルコシダーゼに対
する阻害活性)β−グルコシダーゼ(From Almonds)、p-
ニトロフェニル−β-D- グルコピラノシド、デオキシノ
ジリマイシン、カスタノスペルミンはシグマ社より購入
した。β−グルコシダーゼ0.01Unit/ml、及びトレハゾ
リン、化合物(I)、デオキシノジリマイシン、カスタ
ノスペルミンの各試料を含んだ20mMクエン酸−40mMリン
酸二ナトリウム緩衝液(pH 5.6) 100μl を37℃で15分保
持した後、p-ニトロフェニル−β-D- グルコピラノシド
3mg/mlを含む緩衝液 50 μl を加え、37℃で20分間反
応させた。これに5N NaOH 溶液を30μl 加え、遊離した
p- ニトロフェノール量を405nm の吸光度で測定した。
各試料の反応液中の50%阻害濃度を表7に示す。
【0057】
【表7】 ─────────────────────────────────── 阻害剤 β−グルコシダーゼ50%阻害濃度 ─────────────────────────────────── トレハゾリン >1000 μg /ml 化合物(I) 1.0 μg /ml デオキシノジリマイシン 15 μg /ml カスタノスペルミン 4.3 μg /ml ───────────────────────────────────
【図面の簡単な説明】
図1は化合物(I)の赤外線吸収スペクトルを示し、
図2は化合物(I)の1H−核磁気共鳴スペクトルを示
し、 図3は化合物(I)の13C−核磁気共鳴スペクト
ルを示し、 図4はトレハゾリンの赤外線吸収スペクト
ルを示し、 図5はトレハゾリンの 1H−核磁気共鳴ス
ペクトルを示し、 図6はトレハゾリンの13C−核磁気
共鳴スペクトルを示し、 図7はトレハゾリンの高速液
体クロマトグラフィーにおける溶出パターンを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/13 AED 8413−4C (72)発明者 浜野 潔 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 春山 英幸 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 木下 武 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I) 【化1】 で示される化合物。
  2. 【請求項2】式(II) 【化2】 で示される化合物を酸で処理することを特徴とする、式
    (I) 【化3】 で示される化合物の製造方法。
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