JPH05111387A - シス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製法 - Google Patents
シス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製法Info
- Publication number
- JPH05111387A JPH05111387A JP3274032A JP27403291A JPH05111387A JP H05111387 A JPH05111387 A JP H05111387A JP 3274032 A JP3274032 A JP 3274032A JP 27403291 A JP27403291 A JP 27403291A JP H05111387 A JPH05111387 A JP H05111387A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- proline
- hydroxy
- cis
- culture
- medium
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Abstract
(57)【要約】
【目的】シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの製法に
関する。 【構成】L−プロリンを、ヘリコセラス属に属する微生
物を用いて水酸化して、シス−4−ヒドロキシ−L−プ
ロリンに変換し、次いで変換反応物を含む系よりシス−
4−ヒドロキシ−L−プロリンを採取することからなる
シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの製法。 【効果】カルバペネム系抗生物質などの医薬品原料とし
て重要な化合物である。
関する。 【構成】L−プロリンを、ヘリコセラス属に属する微生
物を用いて水酸化して、シス−4−ヒドロキシ−L−プ
ロリンに変換し、次いで変換反応物を含む系よりシス−
4−ヒドロキシ−L−プロリンを採取することからなる
シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの製法。 【効果】カルバペネム系抗生物質などの医薬品原料とし
て重要な化合物である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、(2S、4S)−
(−)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸
[((2 S 、4 S )−(−)−4 −Hydroxypyrrolidine
−2 −carboxylicacid)、以下「シス−4−ヒドロキシ
−L−プロリン(cis −4 −Hydroxy −L−proline )
と略称する」]の製造法に関する。
(−)−4−ヒドロキシピロリジン−2−カルボン酸
[((2 S 、4 S )−(−)−4 −Hydroxypyrrolidine
−2 −carboxylicacid)、以下「シス−4−ヒドロキシ
−L−プロリン(cis −4 −Hydroxy −L−proline )
と略称する」]の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シス−4−ヒドロキシ−L−プロ
リンはビャクダンの葉(バイオケミカル ジャーナル
(Biochemical Journal)、117 巻、1013頁(1970
年))やアクチノマイシン等の抗生物質の構成成分(ア
ーチーブス オブ バイオケミストリー アンド バイ
オフィジクス(Archieves of Biochemistryand Biophys
ics)、131 巻、276 頁(1969 年))としてのみ、そ
の存在が知られている。そして、シス−4−ヒドロキシ
−L−プロリンは自然界には少量しか存在しないので、
合成化学の手法により供給されている。
リンはビャクダンの葉(バイオケミカル ジャーナル
(Biochemical Journal)、117 巻、1013頁(1970
年))やアクチノマイシン等の抗生物質の構成成分(ア
ーチーブス オブ バイオケミストリー アンド バイ
オフィジクス(Archieves of Biochemistryand Biophys
ics)、131 巻、276 頁(1969 年))としてのみ、そ
の存在が知られている。そして、シス−4−ヒドロキシ
−L−プロリンは自然界には少量しか存在しないので、
合成化学の手法により供給されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、ヘリコ
セラス属に属する微生物がL−プロリンをシス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンに変換することを見出して本発
明を完成した。
セラス属に属する微生物がL−プロリンをシス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンに変換することを見出して本発
明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はL−プロリン
を、ヘリコセラス属に属する微生物を用いて水酸化し
て、シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンに変換し、次
いで変換反応物を含む系よりシス−4−ヒドロキシ−L
−プロリンを採取することからなるシス−4−ヒドロキ
シ−L−プロリンの製法に関する。
を、ヘリコセラス属に属する微生物を用いて水酸化し
て、シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンに変換し、次
いで変換反応物を含む系よりシス−4−ヒドロキシ−L
−プロリンを採取することからなるシス−4−ヒドロキ
シ−L−プロリンの製法に関する。
【0005】更に詳細には、 1)シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの製造におい
て、変換菌を培養した培養液にL−プロリンを添加して
変換培養させることからなる製法、 2)シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの製造におい
て、変換菌を培養・集菌し、得られた変換菌菌体をL−
プロリンと接触させることからなる製法、 3)シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの製造におい
て、変換菌菌体から調製した無細胞抽出液をL−プロリ
ンと接触させ、酵素的に水酸化することからなる製法、 等に関する。
て、変換菌を培養した培養液にL−プロリンを添加して
変換培養させることからなる製法、 2)シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの製造におい
て、変換菌を培養・集菌し、得られた変換菌菌体をL−
プロリンと接触させることからなる製法、 3)シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの製造におい
て、変換菌菌体から調製した無細胞抽出液をL−プロリ
ンと接触させ、酵素的に水酸化することからなる製法、 等に関する。
【0006】ここに、シス−4−ヒドロキシ−L−プロ
リンは以下の構造式
リンは以下の構造式
【0007】
【化1】
【0008】で示される。
【0009】なお、トランス−4−ヒドロキシ−L−プ
ロリンは以下の構造式
ロリンは以下の構造式
【0010】
【化2】
【0011】で示される。
【0012】本発明に使用されるヘリコセラス属に属す
る微生物としては、例えばヘリコセラス オリザエ SA
NK 11458 株をあげることができる。本菌株は抗生物質
セルレニン(Cerulenin )の生産菌として公知である
(Ann.Sankyo Res.Lab.、19巻、86−90頁(1967
年))。
る微生物としては、例えばヘリコセラス オリザエ SA
NK 11458 株をあげることができる。本菌株は抗生物質
セルレニン(Cerulenin )の生産菌として公知である
(Ann.Sankyo Res.Lab.、19巻、86−90頁(1967
年))。
【0013】本菌株の菌学的性状は以下の通りである。
本菌株はイネの籾から分離された菌株で次のごとき形態
的特徴を有する。WSH 寒天培地上での生育は 25 ℃、1
週間で 40 〜 50 mm、綿毛状、薄く広がりコロニーの表
面は淡褐色(3 −4B)、裏面もほぼ同様である。 25 −
30 日培養を続けると分生子の形成が見られる。PDA 培
地上での生育は 25 ℃、1週間で 50 〜 60 mm、綿毛状
でコロニーの中央部は灰緑褐色(25−3C)、周辺部は橙
褐色(11−2B)、裏面もほぼ同様である。分生子の形成
は見られない。WSH 培地でも PDA 培地でも可溶性色素
の産生は見られない。 37 ℃ではほとんど生育しない。
光学顕微鏡での観察によると、菌糸は淡褐色、平滑で隔
壁を有しその径は 1.5〜4.0 μm である。分生子柄は短
く先端がやや膨らみ、ときに分枝する。分生子はコイル
状、褐色、表面は粗で 5−15 細胞よりなり、隔壁部分
がややくびれ、80〜150 × 7〜11 μm であるが不規則
な形のものも多く見られる。
本菌株はイネの籾から分離された菌株で次のごとき形態
的特徴を有する。WSH 寒天培地上での生育は 25 ℃、1
週間で 40 〜 50 mm、綿毛状、薄く広がりコロニーの表
面は淡褐色(3 −4B)、裏面もほぼ同様である。 25 −
30 日培養を続けると分生子の形成が見られる。PDA 培
地上での生育は 25 ℃、1週間で 50 〜 60 mm、綿毛状
でコロニーの中央部は灰緑褐色(25−3C)、周辺部は橙
褐色(11−2B)、裏面もほぼ同様である。分生子の形成
は見られない。WSH 培地でも PDA 培地でも可溶性色素
の産生は見られない。 37 ℃ではほとんど生育しない。
光学顕微鏡での観察によると、菌糸は淡褐色、平滑で隔
壁を有しその径は 1.5〜4.0 μm である。分生子柄は短
く先端がやや膨らみ、ときに分枝する。分生子はコイル
状、褐色、表面は粗で 5−15 細胞よりなり、隔壁部分
がややくびれ、80〜150 × 7〜11 μm であるが不規則
な形のものも多く見られる。
【0014】以上の形態をもとに R.T.Moore 著、「My
cologia 」第 47 巻、90−103 頁(1955 年)に掲載の
論文、「Index to the Helicosporae 」を検索の結果、
本菌株を Helicoceras oryzaeLinder et Tullis と同
定した。
cologia 」第 47 巻、90−103 頁(1955 年)に掲載の
論文、「Index to the Helicosporae 」を検索の結果、
本菌株を Helicoceras oryzaeLinder et Tullis と同
定した。
【0015】なお、コロニーの色調のカッコ内の数値は
A.Kornerup and J.H.Wansher 著「Methuen Handbook o
f Colour」 3rd ed.,Eyre Methuen、London(1978
年)に準拠した表示である。
A.Kornerup and J.H.Wansher 著「Methuen Handbook o
f Colour」 3rd ed.,Eyre Methuen、London(1978
年)に準拠した表示である。
【0016】また、WSH 寒天培地の組成は次の通りであ
る。 オートミール 10 g NaNO3 1 g KH2PO4 1 g MgSO4・7H2O 1 g 寒天 20 g 水道水 1000 ml ───────────────────────────── pH 無修正。
る。 オートミール 10 g NaNO3 1 g KH2PO4 1 g MgSO4・7H2O 1 g 寒天 20 g 水道水 1000 ml ───────────────────────────── pH 無修正。
【0017】上記ヘリコセラス オリザエ SANK 11458
株は 寄託番号、微工研条寄第3603 号(FERM BP −
3603)(寄託機関、工業技術院微生物工業技術研究所:
寄託日、1991 年 10 月 14 日)として寄託されてい
る。
株は 寄託番号、微工研条寄第3603 号(FERM BP −
3603)(寄託機関、工業技術院微生物工業技術研究所:
寄託日、1991 年 10 月 14 日)として寄託されてい
る。
【0018】周知のとおり、糸状菌は自然界において、
または人工的な操作(例えば、紫外線照射、放射線照
射、化学薬品処理等)により、変異を起こし易く、本発
明のSANK 11458 株もこの点は同じである。本発明にい
うSANK 11458 株はそのすべての変異株を包含する。ま
た、これらの変異株の中には、遺伝学的方法、例えば、
組み替え、形質導入、形質転換等により得られたものも
包含される。即ち、L−プロリンをシス−4−ヒドロキ
シ−L−プロリンに変換する、SANK 11458株、その変異
株およびそれらと明確に区別されない菌株は、すべて S
ANK 11458株に包含されるものである。
または人工的な操作(例えば、紫外線照射、放射線照
射、化学薬品処理等)により、変異を起こし易く、本発
明のSANK 11458 株もこの点は同じである。本発明にい
うSANK 11458 株はそのすべての変異株を包含する。ま
た、これらの変異株の中には、遺伝学的方法、例えば、
組み替え、形質導入、形質転換等により得られたものも
包含される。即ち、L−プロリンをシス−4−ヒドロキ
シ−L−プロリンに変換する、SANK 11458株、その変異
株およびそれらと明確に区別されない菌株は、すべて S
ANK 11458株に包含されるものである。
【0019】本発明の方法を実施するにさいして、酵素
的に水酸化する方法としては、変換菌をその生育に適し
た培養条件下で培養し、 変換菌の培養の中間におい
て、L−プロリンを培地中に添加してさらに培養し接触
させる方法、 変換菌を培養・集菌し、得られた変換
菌菌体をL−プロリンと接触させる方法、 変換菌菌
体から調製した無細胞抽出液をL−プロリンと接触させ
る方法、などで行なわれる。
的に水酸化する方法としては、変換菌をその生育に適し
た培養条件下で培養し、 変換菌の培養の中間におい
て、L−プロリンを培地中に添加してさらに培養し接触
させる方法、 変換菌を培養・集菌し、得られた変換
菌菌体をL−プロリンと接触させる方法、 変換菌菌
体から調製した無細胞抽出液をL−プロリンと接触させ
る方法、などで行なわれる。
【0020】変換菌の培養方法としては、通常微生物が
利用できる栄養物を含有する培地中で培養することによ
り行なわれる。栄養源としては、一般の微生物の培養に
使用される公知のものを使用することができる。
利用できる栄養物を含有する培地中で培養することによ
り行なわれる。栄養源としては、一般の微生物の培養に
使用される公知のものを使用することができる。
【0021】一般に、炭素源としてグルコース、フラク
トース、マルトース、シュークロース、マンニトール、
グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウ
モロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸等を単一に、ある
いは併用して用いる事ができる。一般には、培地量の1
−10 重量%で変量する。
トース、マルトース、シュークロース、マンニトール、
グリセロール、デキストリン、オート麦、ライ麦、トウ
モロコシデンプン、ジャガイモ、トウモロコシ粉、大豆
粉、綿実油、糖蜜、クエン酸、酒石酸等を単一に、ある
いは併用して用いる事ができる。一般には、培地量の1
−10 重量%で変量する。
【0022】窒素源としては、一般に蛋白質を含有する
物質を醗酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実油、綿実粉、カゼイン加水
分解物、ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、
ペプトン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マル
トエキス、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ア
ンモニウム等である。窒素源は、単一または併用して培
地量の 0.2−6 重量%の範囲で用いる。
物質を醗酵工程に用いる。適当な窒素源としては、大豆
粉、フスマ、落花生粉、綿実油、綿実粉、カゼイン加水
分解物、ファーマミン、魚粉、コーンスチープリカー、
ペプトン、肉エキス、イースト、イーストエキス、マル
トエキス、硝酸ナトリウム、硝酸アンモニウム、硫酸ア
ンモニウム等である。窒素源は、単一または併用して培
地量の 0.2−6 重量%の範囲で用いる。
【0023】培地中にとり入れる栄養無機塩は、ナトリ
ウム、アンモニウム、カルシウム、フォスフェート、サ
ルフェート、クロライド、カーボネート等のイオンを得
ることのできる通常の塩類である。また、カリウム、カ
ルシウム、コバルト、マンガン、鉄、マグネシウム等の
微量の金属も含む。
ウム、アンモニウム、カルシウム、フォスフェート、サ
ルフェート、クロライド、カーボネート等のイオンを得
ることのできる通常の塩類である。また、カリウム、カ
ルシウム、コバルト、マンガン、鉄、マグネシウム等の
微量の金属も含む。
【0024】液体培養に際しては、シリコン油、植物
油、界面活性剤等が、消泡剤として使用される。
油、界面活性剤等が、消泡剤として使用される。
【0025】SANK 11458 株を培養し、シス−4−ヒド
ロキシ−L−プロリンを生産する培地の pH は、 5.0−
7.0 に変化できる。
ロキシ−L−プロリンを生産する培地の pH は、 5.0−
7.0 に変化できる。
【0026】菌の生育は 20 ℃から 37 ℃の範囲が良好
であり、更にシス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの生
産には 25 ℃から 30 ℃が好適である。シス−4−ヒド
ロキシ−L−プロリンは、好気的に培養して得られる
が、通常用いられる好気的培養法、例えば固体培養法、
振盪培養法、通気撹拌培養法等が用いられる。
であり、更にシス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの生
産には 25 ℃から 30 ℃が好適である。シス−4−ヒド
ロキシ−L−プロリンは、好気的に培養して得られる
が、通常用いられる好気的培養法、例えば固体培養法、
振盪培養法、通気撹拌培養法等が用いられる。
【0027】小規模な培養においては、 26 ℃で数日間
振盪培養を行うのが良好である。
振盪培養を行うのが良好である。
【0028】培養は、バッフル( 水流調節壁) のついた
三角フラスコ中で、 1−2 段階の種の発育工程により開
始する。種発育段階の培地は、炭素源および窒素源を併
用できる。種フラスコは定温インキュベーター中で 26
℃、2 〜 3 日間振盪するか、または充分に成長するま
で振盪する。成長した種は第二の種培地または生産培地
に接種するのに用いる。中間の発育工程を用いる場合に
は、本質的に同様の方法で成長させ生産培地に接種する
ために、それを部分的に用いる。接種したフラスコを一
定温度で数日間振盪し、インキュベーションが終わった
らフラスコの含有物を遠心分離またはろ過する。
三角フラスコ中で、 1−2 段階の種の発育工程により開
始する。種発育段階の培地は、炭素源および窒素源を併
用できる。種フラスコは定温インキュベーター中で 26
℃、2 〜 3 日間振盪するか、または充分に成長するま
で振盪する。成長した種は第二の種培地または生産培地
に接種するのに用いる。中間の発育工程を用いる場合に
は、本質的に同様の方法で成長させ生産培地に接種する
ために、それを部分的に用いる。接種したフラスコを一
定温度で数日間振盪し、インキュベーションが終わった
らフラスコの含有物を遠心分離またはろ過する。
【0029】大量培養の場合には、撹拌機、通気装置を
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成できる。栄養培
地を125 ℃ まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地に
あらかじめ成長させてあった種を接種する。培養は 26
℃で通気撹拌して行う。この方法は、多量の化合物を得
るのに適している。
付けた適当なタンクで培養するのが好ましい。この方法
によれば、栄養培地をタンクの中で作成できる。栄養培
地を125 ℃ まで加熱して滅菌し、冷却後、滅菌培地に
あらかじめ成長させてあった種を接種する。培養は 26
℃で通気撹拌して行う。この方法は、多量の化合物を得
るのに適している。
【0030】通常は 48 時間から 72 時間の培養でシス
−4−ヒドロキシ−L−プロリンの生産量は最高値に達
する。
−4−ヒドロキシ−L−プロリンの生産量は最高値に達
する。
【0031】法は、L−プロリンを添加して培養する
ことにより行なわれる。添加の時期は、使用する変換菌
の至適培養条件、特に培養装置、培地組成、培養温度等
により異なるが、変換菌の水酸化能が高まり始める時期
がよく、通常は変換菌の培養開始後 1−5 日 経過した
時点が好ましい。L−プロリン、すなわち基質の添加量
は、培地に対して 0.01 − 1.0 %の範囲から選ばれる
が、 0.025 − 0.5% の範囲が好適である。L−プ
ロリン添加後の培養は、好気的条件下で上記の培養温度
で行なわれる。培養期間は原料化合物添加後、 1−5 日
程度である。
ことにより行なわれる。添加の時期は、使用する変換菌
の至適培養条件、特に培養装置、培地組成、培養温度等
により異なるが、変換菌の水酸化能が高まり始める時期
がよく、通常は変換菌の培養開始後 1−5 日 経過した
時点が好ましい。L−プロリン、すなわち基質の添加量
は、培地に対して 0.01 − 1.0 %の範囲から選ばれる
が、 0.025 − 0.5% の範囲が好適である。L−プ
ロリン添加後の培養は、好気的条件下で上記の培養温度
で行なわれる。培養期間は原料化合物添加後、 1−5 日
程度である。
【0032】法は、上記の方法により変換菌を少量
のL−プロリンの存在下で培養し、変換菌の水酸化能が
最大となるまで培養することにより行なわれる。すなわ
ち、水酸化能は培地の種類、温度等によって異なるが、
通常は培養開始後2 −3 日で最大となるので、この時点
で培養を終了する。集菌は培養物を遠心分離、ろ過等の
方法に付すことによって行なわれる。集菌された変換菌
菌体は、通常、生理食塩水、緩衝液等で洗浄して使用す
るのが好ましい。このようにして得られた変換菌菌体を
L−プロリンと接触させるには、通常は水性媒体中、例
えば pH 5−7の燐酸緩衝液中で行なわれる。反応温度
は、通常 20− 37 ℃ 、好適には 25− 30 ℃で行な
われる。L−プロリンの濃度は、通常培地に対して 0.0
1 − 1.0% である。反応時間は、L−プロリンの濃
度、反応温度等によるが、通常は 1−5 日位である。
のL−プロリンの存在下で培養し、変換菌の水酸化能が
最大となるまで培養することにより行なわれる。すなわ
ち、水酸化能は培地の種類、温度等によって異なるが、
通常は培養開始後2 −3 日で最大となるので、この時点
で培養を終了する。集菌は培養物を遠心分離、ろ過等の
方法に付すことによって行なわれる。集菌された変換菌
菌体は、通常、生理食塩水、緩衝液等で洗浄して使用す
るのが好ましい。このようにして得られた変換菌菌体を
L−プロリンと接触させるには、通常は水性媒体中、例
えば pH 5−7の燐酸緩衝液中で行なわれる。反応温度
は、通常 20− 37 ℃ 、好適には 25− 30 ℃で行な
われる。L−プロリンの濃度は、通常培地に対して 0.0
1 − 1.0% である。反応時間は、L−プロリンの濃
度、反応温度等によるが、通常は 1−5 日位である。
【0033】法での無細胞抽出液は、上記の方法で得
られた変換菌菌体に物理的または化学的手法を適用し、
例えば、磨砕、超音波処理等によって菌体破砕物とし
て、または有機溶剤、界面活性剤、酵素処理等によって
菌体溶解液として得られる。このようにして得られた無
細胞抽出液をL−プロリンと接触させるには、上記の変
換菌菌体をL−プロリンと接触させる方法と同様にして
行なわれる。
られた変換菌菌体に物理的または化学的手法を適用し、
例えば、磨砕、超音波処理等によって菌体破砕物とし
て、または有機溶剤、界面活性剤、酵素処理等によって
菌体溶解液として得られる。このようにして得られた無
細胞抽出液をL−プロリンと接触させるには、上記の変
換菌菌体をL−プロリンと接触させる方法と同様にして
行なわれる。
【0034】培養終了後、目的化合物は既知の方法で採
取、定量分析、分離、精製することができる。
取、定量分析、分離、精製することができる。
【0035】すなわち、培養終了後、培養液中の液体部
分 (および菌体内) に存在するシス−4−ヒドロキシ−
L−プロリンは、培養液にアセトンなどの有機溶剤を添
加した後、菌体、その他の固形部分を珪藻土をろ過助剤
とするろ過操作または遠心分離によって分別し、そのろ
液または上清中に存在するシス−4−ヒドロキシ−L−
プロリンを、その物理化学的性状を利用し抽出精製する
ことにより得られる。
分 (および菌体内) に存在するシス−4−ヒドロキシ−
L−プロリンは、培養液にアセトンなどの有機溶剤を添
加した後、菌体、その他の固形部分を珪藻土をろ過助剤
とするろ過操作または遠心分離によって分別し、そのろ
液または上清中に存在するシス−4−ヒドロキシ−L−
プロリンを、その物理化学的性状を利用し抽出精製する
ことにより得られる。
【0036】例えば、ろ液または上清中に存在するシス
−4−ヒドロキシ−L−プロリンをイオン交換樹脂、例
えばアンバーライト IRC−50、CG−50(ローム・アンド
・ハース社製)、ダウエックス 50W×4 、ダウエックス
SBR−P (ダウ・ケミカル社製)の層を通過させて不純
物を吸着させて取り除くか、またはシス−4−ヒドロキ
シ−L−プロリンを吸着させた後、アンモニア水を用い
て溶出させることにより得られる。あるいは吸着剤とし
て、例えば活性炭または吸着用樹脂であるアンバーライ
ト XAD−2 、XAD −4 (ローム・アンド・ハース社製)
等や、ダイヤイオンHP−10、HP−20、 CHP−20、HP−50
(三菱化成(株)社製)等が使用される。シス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンを含む液を上記のごとき吸着剤
の層を通過させて不純物を吸着させて取り除くか、また
はシス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを吸着させた
後、メタノール水、アセトン水等の水と有機溶剤との混
合溶剤を用いて溶出させることにより得られる。
−4−ヒドロキシ−L−プロリンをイオン交換樹脂、例
えばアンバーライト IRC−50、CG−50(ローム・アンド
・ハース社製)、ダウエックス 50W×4 、ダウエックス
SBR−P (ダウ・ケミカル社製)の層を通過させて不純
物を吸着させて取り除くか、またはシス−4−ヒドロキ
シ−L−プロリンを吸着させた後、アンモニア水を用い
て溶出させることにより得られる。あるいは吸着剤とし
て、例えば活性炭または吸着用樹脂であるアンバーライ
ト XAD−2 、XAD −4 (ローム・アンド・ハース社製)
等や、ダイヤイオンHP−10、HP−20、 CHP−20、HP−50
(三菱化成(株)社製)等が使用される。シス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンを含む液を上記のごとき吸着剤
の層を通過させて不純物を吸着させて取り除くか、また
はシス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを吸着させた
後、メタノール水、アセトン水等の水と有機溶剤との混
合溶剤を用いて溶出させることにより得られる。
【0037】このようにして得られたシス−4−ヒドロ
キシ−L−プロリンは、更にシリカゲル、フロリジルの
ような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー、ア
ビセル(旭化成工業(株)社製)、セファデックス G−
10 (ファルマシア社製)等を用いた分配カラムクロマ
トグラフィーおよび順相、逆相カラム、イオン交換カラ
ムを用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製するこ
とができる。
キシ−L−プロリンは、更にシリカゲル、フロリジルの
ような担体を用いた吸着カラムクロマトグラフィー、ア
ビセル(旭化成工業(株)社製)、セファデックス G−
10 (ファルマシア社製)等を用いた分配カラムクロマ
トグラフィーおよび順相、逆相カラム、イオン交換カラ
ムを用いた高速液体クロマトグラフィー等で精製するこ
とができる。
【0038】なお、目的化合物の定量は以下の方法に従
った。すなわち、各アミノ酸をフェニルイソチオシアナ
ートにより対応するチオカルバモイル酸エステルとして
から逆相カラムクロマトグラフィーによる高速液体クロ
マトグラフィ−分析(ジャーナル オブ クロマトグラ
フィー(Journal of chromatography)、336 巻、93頁
(1984 年))により目的化合物を定量した(定量機
器:655 −020 型高速液体クロマトグラフィ−、日立
(株)社製)。
った。すなわち、各アミノ酸をフェニルイソチオシアナ
ートにより対応するチオカルバモイル酸エステルとして
から逆相カラムクロマトグラフィーによる高速液体クロ
マトグラフィ−分析(ジャーナル オブ クロマトグラ
フィー(Journal of chromatography)、336 巻、93頁
(1984 年))により目的化合物を定量した(定量機
器:655 −020 型高速液体クロマトグラフィ−、日立
(株)社製)。
【0039】
【実施例】次に実施例をあげて、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0040】実施例 1.下記組成の培地 100 ml を
含有するへそ付き 500 ml 容三角フラスコにヘリコセラ
ス オリザエ SANK 11458 株を植菌し、26℃、 200 r
pmで振とう培養した。
含有するへそ付き 500 ml 容三角フラスコにヘリコセラ
ス オリザエ SANK 11458 株を植菌し、26℃、 200 r
pmで振とう培養した。
【0041】培地組成 シュクロース 5.0 % ペプトン 2.0 コーンスチープリカー 0.3 水道水 残(pH 5.0−5.5 )。
【0042】培養 2 日後にL−プロリンをその 10 %
水溶液を用いて最終濃度 0.01 %になるように添加
し、更に1日間、 26 ℃、 200 rpmで培養した。培養終
了後、培養物に対して培養液と等容量のアセトンを添加
し、遠心上清に存在する目的化合物を定量した。
水溶液を用いて最終濃度 0.01 %になるように添加
し、更に1日間、 26 ℃、 200 rpmで培養した。培養終
了後、培養物に対して培養液と等容量のアセトンを添加
し、遠心上清に存在する目的化合物を定量した。
【0043】なお、定量はアミノ酸をフェニルイソチオ
シアネートとトリエチルアミンの存在下、反応させてそ
れぞれ対応するチオカルバモイル酸エステルに誘導体化
した後、逆相 HPLC により同定する方法によって実施し
た。すなわち、培養液 1 mlに対しアセトン 1 ml 添加
し遠心分離後、上清 25 μl を減圧乾固した。これに
エタノール:水:トリエチルアミン=2 :2 :1 の溶液
を 25 μl添加して減圧乾固した。更にこれにエタノー
ル:水:トリエチルアミン:フェニルイソチオシアネー
ト=7 :1 :1 :1 の溶液を25 μl 添加して 20 分
間、室温にて放置した後、減圧乾固した。次いでこれに
PICO-Tag 希釈液(アセトニトリル:リン酸緩衝液(pH
7.4)=5 :95)を 400 μl 添加して遠心上清をノバパ
ック C18(3.9 ×300 mm、ウォーターズ(ミリポア社
製))で HPLC で検定した。移動相としてアセトニトリ
ル:リン酸トリエチルアミン緩衝液(pH 3.2)=11:89
を使用した。流速 1.2 ml/分で 254 nm における吸収
強度によりヒドロキシプロリンのチオカルバモイル酸エ
ステルの検出を実施した。 HPLC における保持時間はシ
ス−4−ヒドロキシ−L−プロリンが 9.10 分であっ
た。
シアネートとトリエチルアミンの存在下、反応させてそ
れぞれ対応するチオカルバモイル酸エステルに誘導体化
した後、逆相 HPLC により同定する方法によって実施し
た。すなわち、培養液 1 mlに対しアセトン 1 ml 添加
し遠心分離後、上清 25 μl を減圧乾固した。これに
エタノール:水:トリエチルアミン=2 :2 :1 の溶液
を 25 μl添加して減圧乾固した。更にこれにエタノー
ル:水:トリエチルアミン:フェニルイソチオシアネー
ト=7 :1 :1 :1 の溶液を25 μl 添加して 20 分
間、室温にて放置した後、減圧乾固した。次いでこれに
PICO-Tag 希釈液(アセトニトリル:リン酸緩衝液(pH
7.4)=5 :95)を 400 μl 添加して遠心上清をノバパ
ック C18(3.9 ×300 mm、ウォーターズ(ミリポア社
製))で HPLC で検定した。移動相としてアセトニトリ
ル:リン酸トリエチルアミン緩衝液(pH 3.2)=11:89
を使用した。流速 1.2 ml/分で 254 nm における吸収
強度によりヒドロキシプロリンのチオカルバモイル酸エ
ステルの検出を実施した。 HPLC における保持時間はシ
ス−4−ヒドロキシ−L−プロリンが 9.10 分であっ
た。
【0044】なお、この定量には日立 655-020 型高速
液体クロマトグラフィーが使用された。
液体クロマトグラフィーが使用された。
【0045】次に定量の結果を表 1.に示す。
【0046】
【表1】 ヘリコラス オリザエ SANK 11458 株によ
るL−プロリンのシス−4−ヒドロキシ−L−プロリン
への水酸化
るL−プロリンのシス−4−ヒドロキシ−L−プロリン
への水酸化
【0047】実施例 2.実施例 1.と全く同様な方
法でヘリコセラス オリザエ SANK 11458 株を26℃、
200 rpmで 3 日間振とう培養した。得られた微生物変
換培養液 2.8 リットルに対してアセトン 3 リットル
を添加し 4 ℃ にて一夜放置した。次いでこれをセラ
イトでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗抽
出液 200ml をダウエックス 50 W のカラムに吸着せ
しめ、 0.5 N アンモニア水にて溶出した。得られた溶
出液を減圧下で濃縮し、残渣をさらにアンバーライトCG
−50 のカラムに付し非吸着画分を集めて減圧下で濃縮
した。得られた残渣を移動相にn−ブタノール:酢酸:
水=4 :1 : 2 を用いてセファデックス G−10による
ゲルろ過を行なった。シス−4−ヒドロキシ−L−プロ
リンを含む画分をウォーターズ(ミリポア社製)のアミ
ノ酸分析用カラムにより精製した。シス−4−ヒドロキ
シ−L−プロリンを含む画分 100 mg を、再びセファデ
ックス G−10を移動相としてn−ブタノール:酢酸:水
=5 :1 : 2 を用いてゲルろ過を行なうと精製標品
8.1 mg が得られた。得られた精製標品の重水中におけ
る核磁気共鳴スペクトルは次の通りであった。
法でヘリコセラス オリザエ SANK 11458 株を26℃、
200 rpmで 3 日間振とう培養した。得られた微生物変
換培養液 2.8 リットルに対してアセトン 3 リットル
を添加し 4 ℃ にて一夜放置した。次いでこれをセラ
イトでろ過し、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた粗抽
出液 200ml をダウエックス 50 W のカラムに吸着せ
しめ、 0.5 N アンモニア水にて溶出した。得られた溶
出液を減圧下で濃縮し、残渣をさらにアンバーライトCG
−50 のカラムに付し非吸着画分を集めて減圧下で濃縮
した。得られた残渣を移動相にn−ブタノール:酢酸:
水=4 :1 : 2 を用いてセファデックス G−10による
ゲルろ過を行なった。シス−4−ヒドロキシ−L−プロ
リンを含む画分をウォーターズ(ミリポア社製)のアミ
ノ酸分析用カラムにより精製した。シス−4−ヒドロキ
シ−L−プロリンを含む画分 100 mg を、再びセファデ
ックス G−10を移動相としてn−ブタノール:酢酸:水
=5 :1 : 2 を用いてゲルろ過を行なうと精製標品
8.1 mg が得られた。得られた精製標品の重水中におけ
る核磁気共鳴スペクトルは次の通りであった。
【0048】核磁気共鳴スペクトル:δ ppm 2.07(1 H 、dm、 J =14.2 Hz)、2.31(1 H 、ddd
、J =14.2、3.9 および 2.0 Hz )、3.18(1 H 、d
d、 J =12.7 および 3.9 Hz )、3.27(1 H 、ddd
、J =12.7、 1.9 および 1.5 Hz )、4.02(1 H 、d
d、 J =10.3 および 3.9 Hz )、4.40(1 H 、m ) 得られた核磁気共鳴スペクトルは、既知のシス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンのそれと一致した。
、J =14.2、3.9 および 2.0 Hz )、3.18(1 H 、d
d、 J =12.7 および 3.9 Hz )、3.27(1 H 、ddd
、J =12.7、 1.9 および 1.5 Hz )、4.02(1 H 、d
d、 J =10.3 および 3.9 Hz )、4.40(1 H 、m ) 得られた核磁気共鳴スペクトルは、既知のシス−4−ヒ
ドロキシ−L−プロリンのそれと一致した。
【0049】
【発明の効果】シス−4−ヒドロキシ−L−プロリン
は、これをトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンに
変換することによって、カルバペネム系抗生物質などの
医薬品原料として使用される重要な化合物である。
は、これをトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンに
変換することによって、カルバペネム系抗生物質などの
医薬品原料として使用される重要な化合物である。
【0050】すなわち、シス−4−ヒドロキシ−L−プ
ロリンのアミノ基を保護し(例えば、p−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル)、カルボキシル基を保護し(例え
ば、p−ニトロベンジル)、次いで常法に従って反転反
応(例えば、光延ら、ビューレチン オブ ケミカル
ソサィエティー オブ ジャパン(Bulletinof chemica
l society of Japan)、44 巻、3427 頁(1971
年))に付し、最後に保護基を除去することによってト
ランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンが得られる。次
いでこれを中間体として例えば、N−p−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル−3−メルカプトピロリジンを合成
し(HETEROCYCLES、24巻、5 号、(1986 年))、さら
に(5R・6S・8R)−6−(1−ヒドロキシエチ
ル)−2−(ピロリジン−3−イルチオ)−2−カルバ
ペネム−3−カルボン酸(特公昭 61−29357 号)を合
成することによって有用なカルバペネム系抗生物質が得
られる。
ロリンのアミノ基を保護し(例えば、p−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル)、カルボキシル基を保護し(例え
ば、p−ニトロベンジル)、次いで常法に従って反転反
応(例えば、光延ら、ビューレチン オブ ケミカル
ソサィエティー オブ ジャパン(Bulletinof chemica
l society of Japan)、44 巻、3427 頁(1971
年))に付し、最後に保護基を除去することによってト
ランス−4−ヒドロキシ−L−プロリンが得られる。次
いでこれを中間体として例えば、N−p−ニトロベンジ
ルオキシカルボニル−3−メルカプトピロリジンを合成
し(HETEROCYCLES、24巻、5 号、(1986 年))、さら
に(5R・6S・8R)−6−(1−ヒドロキシエチ
ル)−2−(ピロリジン−3−イルチオ)−2−カルバ
ペネム−3−カルボン酸(特公昭 61−29357 号)を合
成することによって有用なカルバペネム系抗生物質が得
られる。
Claims (5)
- 【請求項1】 L−プロリンを、ヘリコセラス属に属す
る微生物を用いて水酸化して、シス−4−ヒドロキシ−
L−プロリンに変換し、次いで変換反応物を含む系より
シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを採取することか
らなるシス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの製法。 - 【請求項2】 シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの
製造において、変換菌を培養した培養液にL−プロリン
を添加して変換培養させることからなる[請求項1]記
載の製法。 - 【請求項3】 シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの
製造において、変換菌を培養・集菌し、得られた変換菌
菌体をL−プロリンと接触させることからなる[請求項
1]記載の製法。 - 【請求項4】 シス−4−ヒドロキシ−L−プロリンの
製造において、変換菌菌体から調製した無細胞抽出液を
L−プロリンと接触させ、酵素的に水酸化することから
なる[請求項1]記載の製法。 - 【請求項5】 ヘリコセラス属に属する微生物がヘリコ
セラス オリザエ SANK11458 株である[請求項
1]、[請求項2]、[請求項3]または[請求項4]
記載の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3274032A JP3005085B2 (ja) | 1991-10-22 | 1991-10-22 | シス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3274032A JP3005085B2 (ja) | 1991-10-22 | 1991-10-22 | シス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05111387A true JPH05111387A (ja) | 1993-05-07 |
JP3005085B2 JP3005085B2 (ja) | 2000-01-31 |
Family
ID=17536013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3274032A Expired - Fee Related JP3005085B2 (ja) | 1991-10-22 | 1991-10-22 | シス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3005085B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009139365A1 (ja) * | 2008-05-12 | 2009-11-19 | 学校法人 早稲田大学 | シス-4-ヒドロキシ-l-プロリン製造方法 |
WO2017195873A1 (ja) * | 2016-05-12 | 2017-11-16 | サントリーホールディングス株式会社 | L-ヒドロキシプロリンを含有する酵母ヤロウィア・リポリティカの菌体もしくは菌体培養物又はこれらの抽出物及びその用途並びにl-ヒドロキシプロリンの製造方法 |
-
1991
- 1991-10-22 JP JP3274032A patent/JP3005085B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009139365A1 (ja) * | 2008-05-12 | 2009-11-19 | 学校法人 早稲田大学 | シス-4-ヒドロキシ-l-プロリン製造方法 |
US8541209B2 (en) | 2008-05-12 | 2013-09-24 | Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. | L-proline cis-4-hydroxylase and use thereof to produce cis-4-hydroxy-L-proline |
JP5506668B2 (ja) * | 2008-05-12 | 2014-05-28 | 協和発酵バイオ株式会社 | シス−4−ヒドロキシ−l−プロリン製造方法 |
US8883459B2 (en) | 2008-05-12 | 2014-11-11 | Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. | Process for production of cis-4-hydroxy-L-proline |
EP2840138A3 (en) * | 2008-05-12 | 2015-04-08 | Kyowa Hakko Bio Co., Ltd. | Process for production of cis-4-hydroxy-L-proline |
WO2017195873A1 (ja) * | 2016-05-12 | 2017-11-16 | サントリーホールディングス株式会社 | L-ヒドロキシプロリンを含有する酵母ヤロウィア・リポリティカの菌体もしくは菌体培養物又はこれらの抽出物及びその用途並びにl-ヒドロキシプロリンの製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3005085B2 (ja) | 2000-01-31 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5407826A (en) | Isolated cultures of microorganisms of Clonostachys Cylindrospora, Gliocladium and Nectria Gliocladioides | |
JPS5910798B2 (ja) | 新しいリフアマイシン類の製造方法 | |
JP3005086B2 (ja) | シス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法 | |
JP3005085B2 (ja) | シス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製法 | |
JPS5920359B2 (ja) | ポリリジンの製造法 | |
ABDEL-FATTAH et al. | Production, induction, and activity of progesterone hydroxylases by Aspergillus niger 12Y | |
JP2854671B2 (ja) | 新規物質ucf1 | |
JP3068700B2 (ja) | 新規トレハゾリン誘導体およびその製造法 | |
JPS61141889A (ja) | 新抗生物質sf−2197b物質及びその製造法 | |
JPS6225156B2 (ja) | ||
JPH07289274A (ja) | トランス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製造法 | |
JP2849460B2 (ja) | 新規化合物a―70615物質及びその製造法 | |
JPS6034556B2 (ja) | 抗生物質c−15003 | |
WO1994012458A1 (en) | Saintopin derivative | |
JPS6322799B2 (ja) | ||
JPH0488993A (ja) | トランス―4,5―デヒドロ―l―リジンの製造法及びその生産菌 | |
JPS6135833B2 (ja) | ||
JPH0488992A (ja) | 4―オキソ―l―リジンの製造法及びその生産菌 | |
JPS5835677B2 (ja) | 新菌種ストレプトミセス・カツラハマヌス | |
JPH0680607A (ja) | マルブラニシン | |
JPH09173093A (ja) | トランス−4−ヒドロキシ−l−プロリンの製法 | |
JPS60172286A (ja) | 新規抗生物質af−7368a物質およびその製造法 | |
JPS58319B2 (ja) | 新抗生物質sf−1917物質とその製造法 | |
JPS5820596B2 (ja) | コプロボルフイリン 3 ノ セイホウ | |
JPH05252969A (ja) | オキサゾリン誘導体の製造法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |