JP2516202B2 - グリコペプチド系抗生物質 - Google Patents

グリコペプチド系抗生物質

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JP2516202B2 JP61162433A JP16243386A JP2516202B2 JP 2516202 B2 JP2516202 B2 JP 2516202B2 JP 61162433 A JP61162433 A JP 61162433A JP 16243386 A JP16243386 A JP 16243386A JP 2516202 B2 JP2516202 B2 JP 2516202B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] 本発明はグリコペプチド系抗生物質群に関するもので
ある。更に詳しくは、グリコペプチド系抗生物質に属す
るクロロポリスポリンおよびアボパルシンから得られる
抗生物質誘導体およびその製法に関するものである。
本発明は新規グリコペプチド系抗生物質クロロポリス
ポリンBまたはクロロポリスポリンCのマンノシダーゼ
処理によるデマンノシル・クロロポリスポリンBまたは
デマンノシル・クロロポリスポリンC;クロロポリスポリ
ンBおよび/またはクロロポリスポリンCの温和な酸加
水分解処理によるクロロポリスポリン・シュウドアグリ
コン;または既知グリコペプチド系抗生物質α−アボパ
ルシンまたはβ−アボパルシンのラムノシダーゼ処理に
よるデラムノシル・α−アボパルシンまたはデラムノシ
ル・β−アボパルシン;あるいはそれらの薬理上許容さ
れる塩を提供するものである。本発明のグリコペプチド
系抗生物質は抗菌活性を有すると共に、ヒトおよび動物
に対して病原性を有する微生物の増殖を阻害する。この
ような抗生物質としての治療上の有用性に加えて、反す
う動物、ならびに豚、および家きんの飼料利用効率改善
作用をも期待することができる。
[発明の構成] 本発明は式 を有するデマンノシル・クロロポリスポリンBまたはデ
マンノシル・クロロポリスポリンC;クロロポリスポリン
・シュウドアグリコン;またはデラムノシル・α−アボ
パルシンまたはデラムノシル・β−アボパルシン;ある
いはそれらの薬理上許容される塩からなる。
式中、 デマンノシル・クロロポリスポリンBはRがL−リス
トサミン、R1がD−グルコース、R2が塩素原子、R3が水
素原子、R4がL−ラムノース、R5が塩素原子を示す。
デマンノシル・クロロポリスポリンCはRがL−リス
トサミン、R1がD−グルコース、R2が塩素原子、R3が水
素原子、R4が水素原子、R5が塩素原子を示す。
クロロポリスポリン・シュウドアグリコンはRがL−
リストサミン、R1が水素原子、R2が塩素原子、R3がD−
マンノース、R4が水素原子、R5が塩素原子を示す。
デラムノシル・α−アボパルシンはRがL−リストサ
ミン、R1がL−リストサミニル−D−グルコース、R2
水素原子、R3がD−マンノース、R4が水素原子、R5が水
素原子を示す。
デラムノシル・β−アボパルシンはRがL−リストサ
ミン、R1がL−リストサミニル−D−グルコース、R2
水素原子、R3がD−マンノース、R4が水素原子、R5が塩
素原子を示す。
ここに、本発明のグリコペプチド系抗生物質は下記の
理化学的性状を有する。
1.デマンノシル・クロロポリスポリンB塩酸塩 a)物質の性状:両性水溶性、白色粉末。
b)比旋光度:[α]23 D−110.4゜(c=1.09,0.1N HC
l) c)元素分析値(%):C,50.07;H,5.31;N,5.81;Cl,5.66 d)酸加水分解: 中性糖として、グルコース、ラムノースを与える。
e)紫外線吸収スペクトル:λmaxnm(E1% 1cm) 0.01N塩酸溶液中においてλmax280nm(E1% 1cm4
7),0.01N水酸化ナトリウム水溶液中においてλmax300n
m(E1% 1cm54)に吸収極大を示す。
f)赤外線吸収スペクトル:νKBr maxcm-1 3400−3300,1660,1610,1500,1420,1390,1300,1230,11
30,1060,1020,980,880,840 g)核磁気共鳴吸収スペクトル:(δ:ppm) D2O中(外部基準にTMS,δ=0.0)で測定した270MHzの
スペクトルは第1図に示す通りである。
h)高速液体クロマトグラフィー: センシュウパック(ODS−H−2151)のカラム(6
×150mm,流速1.0ml/分,センシュウ科学(株)社製)を
使用し、かつ、0.02M燐酸緩衝液(pH6.8)を含む18%ア
セトニトリルを用いて逆相HPLCにより分析したとき、6.
8分の保持時間を示す。
2.デマンノシル・クロロポリスポリンC塩酸塩 a)物質の性状:両性水溶性、白色粉末。
b)比旋光度:[α]23 D−81.8゜(c=1.13,0.1N HC
l) c)元素分析値(%):C,51.57;H,4.96;N,6.77;Cl,8.27 d)酸加水分解: 中性糖として、グルコースを与える。
e)紫外線吸収スペクトル:λmaxnm(E1% 1cm) 0.01N塩酸溶液中においてλmax280nm(E1% 1cm5
3),0.01N水酸化ナトリウム水溶液中においてλmax297n
m(E1% 1cm89)の吸収極大を示す。
f)赤外線吸収スペクトル:νKBr maxcm-1 3400−3300,1660,1600,1510,1420,1400,1230,1180,11
30,1060,990,890,840 g)核磁気共鳴吸収スペクトル:(δ:ppm) DMSO−d6中(内部基準にTMS,δ=0.0)で測定した270
MHzのスペクトルは第2図に示す通りである。
h)高速液体クロマトグラフィー: センシュウパック(ODS−H−2151)のカラム(6
×150mm,流速1.0ml/分,センシュウ科学(株)社製)を
使用し、かつ、0.02M燐酸緩衝液(pH6.8)を含む18%ア
セトニトリルを用いて逆相HPLCにより分析したとき、1
0.4分の保持時間を示す。
3.クロロポリスポリン・シュウドアグリコン a)比旋光度:[α]25 D−33.8゜(C=1.17,0.1N HC
l) b)元素分析値(%):C,51.24;H,5.07;N,6.89,Cl,8.30 c)紫外線吸収スペクトル:λmaxnm(E1% 1cm) 0.01N塩酸溶液中においてλmax279nm(E1% 1cm5
2),0.01N水酸化ナトリウム水溶液中においてλmax297n
m(E1% 1cm103)に吸収極大を示す。
d)赤外線吸収スペクトル:νKBr maxcm-1 3400−3200,1650,1610,1510,1490,1425,1390,1230,11
80,1130,1060,1015,990,840,820 e)核磁気共鳴吸収スペクトル:(δ:ppm) DMSO−d6中(内部基準にTMS,δ=0.0)で測定した270
MHzの1H−NMRのスペクトルは第3図に示す通りである。
f)高速液体クロマトグラフィー: センシュウパック(ODS−H−2151)のカラム(6
×150mm,流速1.0ml/分,センシュウ科学(株)社製)を
使用し、かつ、0.2%トリフルオロ酢酸を含む26%アセ
トニトリルを用いて逆相HPLCにより分析したとき、5分
の保持時間を示す。
4.デラムノシル・α−アボパルシン塩酸塩 a)物質の性状:両性水溶性、白色粉末。
b)比旋光度:[α]23 D−69.7゜(c=10.01,0.1N HC
l) c)元素分析値(%):C,49.98;H,5.45;N,6.38;Cl,5.06 d)酸加水分解: 中性糖としてグルコース、マンノースを与える。
e)紫外線吸収スペクトル:λmaxnm(E1% 1cm) 0.01N塩酸溶液中においてλmax280nm(E1% 1cm4
8),0.01N水酸化ナトリウム水溶液中においてλmax298n
m(E1% 1cm63)に極大吸収を示す。
f)赤外線吸収スペクトル:νKBr maxcm-1 3400−3300,1670,1600,1510,1420,1200,1140,1060,10
20,840,800,720 g)核磁気共鳴吸収スペクトル:(δ:ppm) DMSO−d6中、D2O一滴添加(内部基準にTMS,δ=0.0)
で測定した270MHzのスペクトルは第4図に示す通りであ
る。
h)高速液体クロマトグラフィー: センシュウパック(ODS−H−2151)のカラム(6
×150mm,流速1.5ml/分,センシュウ科学(株)社製)を
使用し、かつ、0.02M燐緩衝液(pH6.8)を含む16%アセ
トニトリルを用いて逆相HPLCにより分析したとき、8.3
分の保持時間を示す。
5.デラムノシル・βアボパルシン塩酸塩 a)物質の性状:両性水溶性、白色粉末。
b)比旋光度:[α]23 D−74.3゜(c=1.0,0.1N HC
l) c)元素分析値(%):C,49.07;H,4.98;N,6.31;Cl,6.97 d)酸加水分解: 中性糖としてグルコース、マンノースを与える。
e)紫外線吸収スペクトル:λmaxnm(E1% 1cm) 0.01N塩酸溶液中においてλmax280nm(E1% 1cm4
9),0.01N水酸化ナトリウム水溶液中においてλmax298n
m(E1% 1cm63)に極大吸収を示す。
f)赤外線吸収スペクトル:νKBr maxcm-1 3400−3300,1670,1600,1500,1420,1200,1130,1060,10
20,880,840,800,720 g)核磁気共鳴吸収スペクトル:(δ:ppm) DMSO−d6中、D2O一滴添加(内部基準にTMS,δ=0.0)
で測定した270MHzのスペクトルは第5図に示す通りであ
る。
h)高速液体クロマトグラフィー: センシュウパック(CDS−H−2151)のカラム(6
×150mm,流速1.5ml/分,センシュウ科学(株)社製)を
使用し、かつ、0.02M燐酸緩衝液(pH6.8)を含む15%ア
セトニトリルを用いて逆相HPLCにより分析したとき、1
0.8分の保持時間を示す。
本発明のグリコペプチド系抗生物質はそれ自体既知の
手順に従いその薬理上許容しうる酸付加塩および/また
は塩基付加塩に転化することができる。酸付加塩として
は例えばハロゲン化水素酸、リン酸、硝酸のような無機
酸、酢酸、クエン酸、アスパラギン酸、メタンスルホン
酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸のような有機
酸との塩を挙げることができる。塩基付加塩としては例
えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウ
ム塩、アルキルアンモニウム塩などの有機アンモニウム
塩、リジン、アルギニン、グリシンなどのアミの酸付加
塩との塩を挙げることができる。
本発明の新規グリコペプチド系抗生物質を製造するの
に使用される原料化合物は以下の通りである。
即ち、クロロポリスポリンBおよびクロロポリスポリ
ンCは新規な化合物であり(特願昭61−1904号)、前記
式において クロロポリスポリンBがRがL−リストサミン、R1
D−グルコース、R2が塩素原子、R3がD−マンノース、
R4がL−ラムノース、R5が塩素原子を示す。
クロロポリスポリンCはRがL−リストサミン、R1
D−グルコース、R2が塩素原子、R3がD−マンノース、
R4が水素原子、R5が塩素原子を示す。
α−アボパルシンおよびβ−アボパルシンは既知の化
合物であり[Journal of Antibiotics,36巻,1671〜1690
頁(1983年)]、前記式において α−アボパルシンはRがL−リストサミン,R1がL−
リストサミニル−D−グルコース、R2が水素原子、R3
D−マンノース、R4がL−ラムノース、R5が水素原子を
示す。
β−アボパルシンはRがL−リストサミン、R1がL−
リストサミニル−D−グルコース、R2が水素原子、R3
D−マンノース、R4がL−ラムノース、R5が塩素原子を
示す。
本発明の新規グルコペプチド系抗生物質は次の様にし
て製造される。即ち、デマンノシル・クロロポリスポリ
ンBまたはデマンノシル・クロロポリスポリンCはクロ
ロポリスポリンBまたはクロロポリスポリンCをマンノ
シダーゼで処理することによって得られる。使用される
マンノシダーゼとしてはマンノシダーゼ活性を有する酵
素標品、例えばα−マンノシダーゼ(ベーリンガー社製
品)等を挙げることができる。
次に、デラムノシル・α−アボパルシンまたはデラム
ノシル・β−アボパルシンはα−アボパルシンまたはβ
−アボパルシンをラムノシダーゼで処理することによっ
て得られる。使用されるラムノシダーゼとしてはラムノ
シダーゼ活性を有する酵素標品、例えばナリンギナーゼ
またはスクラーゼ(三共(株)製品)やクミタナーゼ
(田辺製薬(株)製品)等を挙げることができる。マン
ノシダーゼまたはラムノシダーゼ活性を有する酵素標品
であれば動物、植物または微生物起源のものでも用いら
れうる。一般に酵素反応は酵素量、基質量、温度または
反応時間に依存しており、反応温度は20〜40℃、好まし
くは37℃前後、反応時間は1時間から24時間以内に完結
するように酸素量、基質量を加えるのが望ましい。反応
のpHも重要な因子のひとつであり、それぞれの酵素によ
り最も適したpHで反応させることが望ましく、好ましく
は静置もしくは攪拌下、pH5〜8の範囲で、0.01M〜0.1M
の燐酸緩衝液またはトリス塩酸緩衝液などが適宜用いら
れる。
次にクロロポリスポリン・シュウドアグリコンはクロ
ロポリスポリンBまたはクロロポリスポリンCあるいは
両者の混合物を温和な酸加水分解に付すことにより得る
ことができる。更に詳しくは加水分解は酸濃度および温
度に依存するが、酸濃度は0.1N HCl〜3N HCl、好ましく
は0.5N HCl前後がよい。また、温度は70℃〜90℃の間が
よいが、より好ましくは80℃〜90℃である。また、封管
中5%HCl含むメタノール中に溶解し、60℃〜80℃で反
応させることによっても得ることができる。
以上の如き反応により生成する化合物は吸着樹脂、例
えばダイヤイオンHP20(三菱化成(株)製)、アンバー
ライトXAD−2または4(ローム・アンド・ハース社
製)、ポリアミド(ウエルム社製)等に吸着させたの
ち、含水アセトン、含水メタノール等で溶出することに
より精製するのが好ましい。溶離はTLC、好ましくはHPL
Cにより監視する。使用できる他の精製技術は例えば逆
相分配クロマトグラフィーである。好ましい吸着剤は、
この場合において、均一な粒子サイズのシラン化シリカ
ゲルであり、0.06〜0.2mmのシラン化シリカゲルが好ま
しい吸着剤である。溶離剤としてはギ酸アンモニウム水
とアセトニトリル、トリフルオロ酢酸水溶液とアセトニ
トリル、または燐酸緩衝液とアセトニトリルとの混合物
である。同様な極性を有する溶離剤混合物を使用するこ
ともできる。好ましい溶離剤は0.2%トリフルオロ酢酸
水溶液とアセトニトリルの混合比が82:18ないし85:15で
ある。溶離は通常のアッセイにより、好ましくはHPLC分
析により監視される。
水溶液からの回収は凍結乾燥が好ましいが溶液のpHを
変化させるか、適当な沈澱剤を添加することにより沈澱
物として採取することも有効な方法である。
[発明の効果] 以上述べてきた本発明のグリコペプチド系抗生物質は
表Iに示すごとく主としてグラム陽性菌に強い抗菌力を
有する。最小発育阻止濃度(MIC;μg/ml)は一般好気性
グラム陽性細菌に対してはミューラー・ヒントン寒天培
地、嫌気性細菌に対してはガム寒天培地を用い、寒天希
釈法により測定した。
以上から本発明のグリコペプチド系抗生物質はすべて
スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス
・エピデルミディス、エンテロコッカス・フェカリル、
バチルス・ズブチリス等のグラム陽性細菌およびプロピ
オニバクテリウム・アクネス、クロストリジウム・パー
フリンゲンス、クロストリジウム・ディフィシル等の嫌
気性グラム陽性細菌に強い抗菌力を示すことから、ヒト
および動物のこれらの細菌に起因する疾病の予防および
治療に用いられる。また、グリコペプチド系抗生物質の
中には反すう動物および家禽における飼料効率を増大さ
せるための補足的手段として利用されているものもある
が、本物質群についても同様の効果が期待される。
以上から、本発明のグリコペプチド系抗生物質は各種
細菌感染性疾患を対象する抗菌剤として使用される。そ
の投与形態としては皮下注射、静脈内注射、筋肉注射、
坐剤などによる非経口投与法または錠剤、カプセル剤、
散剤、顆粒剤などによる経口投与法があげられる。投与
量は対象疾患、投与経路および投与回数などによって異
なるが、例えば成人に対して通常は1日0.1g乃至10gを
1回または数回に分けて投与するのが好ましい。
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
これらの実施例は本発明の範囲を限定するものでない。
実施例1) デマンノシル・クロロポリスポリンBの製造 クロロポリスポリンB280mgを0.1M燐酸緩衝液(pH6.
8)100mlに溶解し、α−マンノシダーゼ(ベーリンガー
社製品)3mlを加えて37℃で一夜振盪した。HPLCで原料
の消失を監視した。ダイヤイオンHP20の10mlのカラムを
用意し、それに反応混合物を付し、水洗後順次10%およ
び30%アセトン水で洗い、次いで50%アセトン水で溶出
した。溶出液よりアセトンを留去後、凍結乾燥を行な
い、表記の化合物180mgが得られた。
実施例2) デマンノシル・クロロポリスポリンCの製造 クロロポリスポリンC505mgを0.1M燐酸緩衝液(pH6.
8)160mlに溶解し、α−マンノシダーゼ(ベーリンガー
社製品)4mlを加えて、37℃で一夜振盪した。HPLCで原
料の消失を監視した。ダイヤイオンHP20の100mlのカラ
ムを用意し、それに反応混合物に水200mlを加えた溶液
を付した。カラムを水洗後、10%アセトン水で洗い、次
いでpH2.0の80%アセトン水で溶出した。溶出液を1N水
酸化ナトリウム水溶液で中和後、減圧下で濃縮し、凍結
乾燥を行ない、粗生成物400mgが得られた。
上記粗生成物400mgをpH5.6の水50mlに溶解し、ポリア
ミド(ウエルム社製)20mlに付し水洗後、20%アセトン
水で展開した。各20mlの分菌を集め、HPLCで監視した。
デマンノシル体を含有する画分を集め、アセトン留去後
凍結乾燥するとデマンノシル・クロロポリスポリンCの
純粋な化合物230mgが得られた。
実施例3) クロロポリスポリン・シュウドアグリコンの製造 クロロポリスポリンB(またはC)5gを0.5N塩酸100m
lに加えて溶解し、約40分間、80℃〜90℃に加温した。
反応終了後、反応混合物を10℃まで冷却し、5N水酸化ナ
トリウム水溶液で中和し、生じた沈澱を遠心分離により
集め、乾燥するとクロロポリスポリン・シュウドアグリ
コンの粗生成物3gが得られた。
上記粗生成物3gを酸性の20%メタノール水(pH4.0)1
00mlに溶解し、ポリアミド500mlを用いてカラムクロマ
トグラフィーへ適用した。溶出は50%メタノールで展開
した。HPLCで監視しながら純品を集めた。得られたクロ
ロポリスポリン・シュウドアグリコンを含有する画分を
濃縮し、次いで凍結乾燥するとクロロポリスポリン・シ
ュウドアグリコンの純粋な化合物2gが得られた。
実施例4) デラムノシル・α−アボパルシン・トリフルオロ酢酸塩
およびデラムノシル・β−アボパルシン・トリフルオロ
酢酸塩の製造 α−アボパルシンおよびβ−アボパルシンの混合物
(α:β=3:7の混合比)16gをpH5.8の0.06M燐酸緩衝液
1.5に溶解し、ナリンギナーゼ(三共(株)製品)2g
を加えて室温で一夜放置した。HPLCで原料の消失を監視
した。すでに用意したダイヤイオンHP20の2のカラム
に反応混合物を付し、水洗後、50%アセトン水で溶出し
た。溶出液よりアセトンを留去後、凍結乾燥を行ない、
デラムノシル・α−アボパルシンおよびデラムノシル・
β−アボパルシンの混合体の粗生成物10gが得られた。
上記混合体の粗生成物500mgを分取用高速液体クロマ
トグラフィーに付した。YMCパックのカラム(山村科
学,20×250mm,ODS−I−15,S−343,流速9ml/分)に付
し、かつ0.2%トリフルオロ酢酸を含む14%アセトニト
リル水で流し、UV280nmで監視し、デラムノシル・α−
アボパルシンおよびデラムノシル・β−アボパルシンに
相当する画分を分取した。それぞれ溶剤を留去し、濃縮
後、凍結乾燥すると、純粋なデラムノシン・α−アボパ
ルシン・トリフルオロ酢酸塩150mgおよびデラムノシル
・β−アボパルシン・トリフルオロ酢酸塩200mgが得ら
れた。
実施例5) デラムノシル・α−アボパルシン・塩酸塩およびデラム
ノシル・β−アボパルシン・塩酸塩の製造 上記実施例4)で得られたデラムノシル・α−アボパ
ルシン・トリフルオロ酢酸塩150mgおよびデラムノシル
・β−アボパルシン・トリフルオロ酢酸塩200mgを、そ
れぞれダイヤイオンHP20の25mlのカラムに付し水洗し
た。次いで、0.1N塩酸で洗い、さらに水洗後、50%アセ
トン水で溶出した。溶出液よりアセトンを留去後、塩酸
でpH4.0に調製し、凍結乾燥を行なうと、純粋なデラム
ノシル・α−アボパルシン・塩酸塩60mgおよび純粋なデ
ラムノシル・β−アボパルシン・塩酸塩120mgが得られ
た。
参考例 クロロポリスポリンBおよびクロロポリスポリ
ンC 原料化合物であるクロロポリスポリンBおよびクロロ
ポリスポリンCを生産するSANK60983株の菌学的性状は
次の通りである。
SANK60983株の同定にあたってはISP[インターナショ
ナル・ストレプトミセス・プロジェクト(Internationa
l Streptomyces Project)]規定の培地およびワックス
マン(S.A.Waksman)の勧告[ジ・アクチノミセイテス
(The Actinomycetes)2巻]の培地等を用いて培養し
た。培養は通常28℃で行った。
1)形態学的特徴 SANK60983株は各種培地上で比較的良好な生育を示
す。気菌糸は肉眼上ほとんどの培地で認められないが、
グリセロール・アスパラギン寒天培地やポテトエキス・
人参エキス寒天培地上では着生する場合もある。気菌糸
および栄養菌糸の先端あるいは中程に胞子の連鎖が観察
され、その数は1〜20個、時には20個以上の場合もあ
る。菌糸の明瞭な断裂は認められないが、培養後期に断
裂が認められる場合もある。
2)各種培養基上の諸性状 SANK60983株はうす黄〜黄茶〜黄味灰に生育する。ほ
とんどの培地上には気菌糸が認められないが、一部の培
地には白の気菌糸が着生する。可溶性色素の産生は認め
られない。表IIに主な培地上での培養性状を示す。
色調の表示は日本色彩研究所版“標準色票”のカラー
チップナンバーを表わす。
3)生理学的性質 SANK60983株の生理学的諸性質を表IIIに示す。
4)菌体内成分について エム・ピー・レシエバリヤー(M.P.Lechevalier)ら
の方法[エイ・デイーツ(A.Dietz)ら著、放線菌の分
類(Actinomycete taxonomy)、225頁、1980年]に従
い、菌体の酸加水分解物のペーパークロマトグラフィー
による分析を行った結果、メソジアミノピメリン酸およ
びアラビノース、ガラクトースが認められ、細胞壁のタ
イプはIV型であることが確認された。また全菌体糖型は
A型であった。さらに内田らの方法[ジャーナル・オブ
・ジエネラル・アプライド・マイクロバイオロジー(J.
Gen.Appl.Microbiol.)、23巻、249頁、1977年]に従い
細胞壁のアシル基を調べたところアセチル基型であっ
た。
ところで、現在知られている放線菌の中で、胞子を菌
糸の中間に形成するような属は報告されていない。そし
て、他の諸性質から類縁する属を検索するとアクチノポ
リスポラ(Actinopolyspora)属、サッカロポリスポラ
(Saccharopolyspora)属、シュードノカルジア(Pseud
onocerdia)属、ミクロポリスポラ(Micropolyspora)
属等があげられる。
しかし、アクチノポリスポラ属およびサッカロポリス
ポラ属は、両属とも気菌糸の先端にのみ胞子を着生する
ことの他、前者が高度好塩性属であること、後者がグリ
コリル基型のアシル基を有すること等からSANK60983株
とは属を異にする。また、シュードノカルジア属は本株
と同様、気菌糸および栄養菌糸に胞子を着生するが、そ
の位置は菌糸の先端のみであること、また出芽法による
胞子の発芽が認められること等によりSANK60983株と属
を異にするものと考えられる。ミクロポリスポラ属と本
SANK60983株の相異は、胞子の着生位置が前者の菌糸の
先端のみに形成するのに対し、後者が先端および中間に
形成する点のみである。
胞子の着生位置が菌糸の先端、中間のいずれかによる
ことが分類学的にどのような意味を持つかについては未
だ学界でも論議されたことがほとんどない現在、この差
のみをもって属を分けることは適当でない。
従って、本発明者らはSANK60983株をミクロポリスポ
ラ属の一新種とするのが最も妥当であると考え、ミクロ
ポリスポラ エスピー・(Micropolyspora sp.)SANK60
983(微工研条寄第538号;FERM BP−538)と命名した。
以上、クロロポリスポリンBおよびクロロポリスポリ
ンCの生産菌について説明したが、放線菌の諸性質は一
定したものでなく、自然的、人工的に容易に変化するこ
とは周知の通りである。本発明で使用しうる菌株はミク
ロポリスポラ属に属する、クロロポリスポリンBおよび
クロロポリスポリンCを生産するすべての菌株を包含す
るものである。
生産菌の培養は一般放射菌における培養方法に準じて
行われ、液体培地中での振盪培養あるいは通気攪拌培養
によるのが好ましい。培地成分としては、たとえば炭素
源としてブドウ糖、マルトース、シュクロース、マント
ニット、糖蜜、グリセリン、デキストリン、澱粉、大豆
油、綿実油などが、窒素源として大豆粉、落花生粉、綿
実粉、フアーマミン、魚粉、コーン・スチープ・リカ
ー、ペプトン、肉エキス、イースト、イースト・エキ
ス、硝酸ソーダ、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム
などが、また、無機塩として食塩、燐酸塩、炭酸カルシ
ウム、微量金属塩などが必要に応じて適宜添加される。
液体培養に際してはシリコン油、植物油、界面活性剤等
が消泡剤として適宜使用される。
培地のpHは中性附近、培養温度は24℃から30℃、特に
28℃前後が好ましい。培養の経過に伴って生産されるク
ロロポリスポリンBおよびクロロポリスポリンCの力価
の経時的変化は、バチルス・ズブチリスPCI219およびス
タフィロコッカス・アウレウスFDA209P JC−1を被検菌
としてペーパーデイスク(東洋科学産業(株)製、直径
8mm,Thick)検定法により測定される。通常55〜70時間
の培養でクロロポリスポリンBおよびクロロポリスポリ
ンCの生産量は最高値に達する。主として培養液中の液
体部分に存在するクロロポリスポリンBおよびクロロポ
リスポリンCは、培養終了後、菌体その他の固型部分を
けいそう土等を濾過助剤とする濾過操作、あるいは遠心
分離によって除去し、その濾液あるいは上清中から抽出
・精製することによって得られる。
クロロポリスポリンBおよびクロロポリスポリンCは
その物理化学的性状を利用することにより、例えば吸着
剤を用いて採取することができる。吸着剤としては例え
ば、活性炭、あるいは吸着用樹脂であるアンバーライト
XAD−2,XAD−4,XAD−7等(ローム・アンド・ハース社
製)やダイヤイオンHP10、HP20、CHP20P、HP50(三菱化
成(株)製)、ポリアミドゲル(ウエルム社製)等が使
用され、クロロポリスポリンBおよびクロロポリスポリ
ンCを含む液を上記の如き吸着剤の層を通過させてクロ
ロポリスポリンBおよびクロロポリスポリンCを含む液
に含まれる不純物を吸着させて取り除くか、またはクロ
ロポリスポリンBおよびクロロポリスポリンCを吸着さ
せた後、メタノール水、アセトン水、n−ブタノール水
などを用いて溶出させることによって得られる。
このようにして得られたクロロポリスポリンBおよび
イクロロポリスポリンCを分離・精製するためには、ア
ビセル(旭化成工業(株)製)などのセルロースあるい
はセファデックスLH−20(フアルマシア社製)などを用
いた分配カラムクロマトグラフィー;逆相用担体を用い
た逆相カラムクロマトグラフィー;またはクロロポリス
ポリンBおよびクロロポリスポリンCと混在する不純物
との溶媒に対する分配率の差を利用した抽出法;あるい
は向流分配法などが有効な方法といえる。以上の分離・
精製手段を単独あるいは適宜組み合せ、反復用いること
によりクロロポリスポリンBおよびクロロポリスポリン
Cを分離・精製することができる。クロロポリスポリン
BおよびクロロポリスポリンCは、また一般の脂溶性抗
生物質と同じく、培養条件によっては培養液中の菌体部
分に存在する。この場合は、アルコール類、アセトン等
の親水性有機溶媒によって抽出し、抽出液より溶媒を除
去し、次いで水溶液とした後、培養濾液からと同様の方
法で抽出精製することができる。
製造例 ミクロポリスポラ・エスピーSANK60983株をA培地80m
lを含む500ml容三角フラスコに一白金耳接種し、220rpm
の回転振盪培養機により28℃で48時間培養した。この培
養液25mlをB培地500mlを含む2容三角フラスコ4本
に接種し、220rpmの回転振盪培養機により28℃で24時間
培養した。この培養液750mlを、B培地15を含む30
容ジャーフアーメンター2基に接種し、28℃、回転数15
0rpm/分、通気量15/分で69時間通気攪拌培養した。
この培養液30に濾過助剤としてセライト545を加えて
濾過すると、濾液30が得られた。この濾液をダイヤイ
オンHP20の3に吸着させ、水洗し50%アセトン水で溶
出し、得られた活性分画より減圧下でアセトンを留去
後、凍結乾燥すると粗粉末44gが得られた。得られた粗
粉末41gを水に溶解しダイヤイオンHP20の1.8に吸着さ
せ水5、次いで10%アセトン水2で洗浄後、50%ア
セトン水4で溶出した。溶出液を減圧下で1に濃縮
し、5000rpmで遠心分離し、得られた沈澱を乾固すると
クロロポリスポリンBおよびクロロポリスポリンCを含
む粉末9.6gが得られた。得られた粉末9.6gを50%メタノ
ール水1に溶解し、あらかじめ50%メタノール水で調
製した酸性アルミナ(ウエルム社製)200mlに吸着させ
同一溶媒で溶出すると活性分画1.1が得られた。得ら
れた活性分画をダウエックス21K(OH-)60mlに通過さ
せ、更に得られた活性分画1.2を減圧下で30mlに濃縮
し凍結乾燥すると、粉末1.23gが得られた。得られた粉
末1.23gをpH4.0の塩酸水に溶解し、水で充填したポリア
ミド(ウエルム社製)56gに吸着させ、水400mlとメタノ
ール1.2を用いてグラジエント溶出により1分画20ml
でフラクション80まで溶出した。次いで、フラクション
30から60までを集め、減圧下でメタノールを留去し、次
いで凍結乾燥するとクロロポリスポリンBおよびクロロ
ポリスポリンCを含む白色粉末738mgが得られた。
A培地 グルコース 3 % 生イースト 1 % 大豆粉 3 % 炭酸カルシウム 0.4 % 硫酸マグネシウム 0.2 % ニッサンCB−442(消泡剤)(pH7.0) 0.01% B培地 グルコース 5 % イーストエキス 0.1 % 大豆粉 1 % ポリペプトン 0.4 % 牛肉エキス 0.4 % 塩化ナトリウム 0.25% 炭酸カルシウム 0.5 % ニッサンCB−442(消泡剤)(pH7.2) 0.01% このようにして得られたクロロポリスポリンBおよび
クロロポリスポリンCを含む白色粉末4.4gを80mlのアセ
トニトリル:緩衝液(0.2%ヘプタンスルホン酸ナトリ
ウム、2.5%酢酸および0.5%濃アンモニア水を含む)=
15:85よりなる混合溶媒に溶解し、システム500(ウオー
ターズ社製)のプレップパックC18カートリッジに吸着
させ、同混合溶媒系で100〜150ml/分の流速で展開溶出
するとクロロポリスポリンBは溶出液量800mlから1700m
lの間に、クロロポリスポリンCは溶出液量1700mlから4
700mlの間にそれぞれ溶出された。前者の活性分画を集
めpHを7.0に調整後、減圧下濃縮し、アセトニトリルを
留去した。この濃縮液を、ダイヤイオンHP20のカラム
(100ml)に吸着させ、水で洗浄後、70%アセトン水500
mlにて溶出した。溶出液を減圧下で濃縮し、凍結乾燥す
ることにより、粉末としてクロロポリスポリンBのヘプ
タンスルホン酸塩を得た。この粉末200mgを5mlの水に溶
解し、10%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液を滴下し、生
ずる沈澱を3000rpmで10分間遠心分離し回収した。更に
この沈澱を水に懸濁し、同様に遠心分離を行なって沈澱
を洗浄した。この操作を更に3回くり返して、沈澱を洗
浄後、3mlのメタノールに溶解した。不溶物を濾過し、
その濾液に0.5Mトリエチルアミン硫酸塩のメタノール溶
液で滴下し、生ずる沈澱を3000rpmで10分の遠心分離に
より、回収した。この沈澱を新たに少量のメタノールに
懸濁し、同様の遠心分離によって沈澱を得た。この操作
を更に3回繰り返した後、得られた沈澱を水1.5mlに溶
解し、不溶物を除去後、凍結乾燥することによりクロロ
ポリスポリンB硫酸塩65mgが得られた。
一方、後者の活性分画は、これを集めpHを7.0に調整
後、減圧下濃縮しアセトニトリルを留去した。この濃縮
液をダイヤイオンHP20のカラム(50ml)に吸着させ、水
で洗浄後、70%アセトン水300mlにて溶出した。溶出液
を減圧下濃縮し凍結乾燥することにより、クロロポリス
ポリンCのヘプタンスルホン酸塩を含む粉末1.0gが得ら
れた。この粉末を10mlの前述のシステム500で使用した
混合溶媒系に溶解し、1回当り2mlずつローパーカラムR
P−18(Bサイズ、メルク社製)に吸着させ、前述のシ
ステム500で使用した混合溶媒系で13ml/分の流速で展開
溶出すると、混在するクロロポリスポリンBが18分から
20分に溶出され、クロロポリスポリンCが30分から40分
の間に溶出された。この操作を5回繰り返し、クロロポ
リスポリンC分画を集め、pHを5.8に調整後、減圧下濃
縮した。得られた濃縮物を40mlのダイヤイオンHP20に吸
着させ、水洗後200mlの50%アセトン水で溶出した。溶
出液を減圧下濃縮後、凍結乾燥し、250mgのクロロポリ
スポリンCの粗粉末を得た。この粉末を5mlの50%メタ
ノール水に溶解し、あらかじめ50%メタノール水で平衡
化したトヨパールHW40F(東ソー(株)製)150mlのカラ
ムに吸着させ、同溶媒系で流速0.6ml/分で展開溶出し、
溶出液を2.5mlずつ分画していくと、フラクションNo.51
から64までにクロロポリスポリンCのヘプタンスルホン
酸塩が溶出された。このものの硫酸塩を得るために更に
以下の如き操作を行なった。すなわち、トヨパールカラ
ムの溶出液を減圧下濃縮し、10%ドデシル硫酸ナトリウ
ム水溶液を滴下し、生ずる沈澱を3000rpmで10分の遠心
分離により回収した。更にこの沈澱を水に懸濁し、同様
に遠心分離を行なって沈澱を洗浄した。この操作を更に
3回繰り返して沈澱を洗浄後、3mlのメタノールに溶解
した。不溶物を濾過した後、濾液に0.5Mトリエチルアミ
ン硫酸塩のメタノール溶液を滴下し、生ずる沈澱を3000
rpmで10分の遠心分離により回収し、更にメタノールに
懸濁し、遠心分離によって上清を除き洗浄した。この操
作を3回繰り返し、得られた沈澱を水1.5mlに溶解し、
不溶物を除去後、凍結乾燥することによりクロロポリス
ポリンC硫酸塩54mgが得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図はデマンノシル・スロロポリスポリンB、第2図
はデマンノシル・クロロポリスポリンC、第3図はクロ
ロポリスポリン・シュウドアグリコン、第4図はデラム
ノシル・α−アボパルシン、第5図はデラムノシル・β
−アボパルシンの核磁気共鳴吸収スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 睦雄 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (72)発明者 榎田 竜三 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (72)発明者 片山 敏昭 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (72)発明者 岩藤 誠吾 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共 株式会社内 (56)参考文献 The Journal of Au tibiotics,Vol.36,N o.12,(1983−12),P.1671−1682 The Journal of Au tibiotics,Vol.36,N o.12,(1983−12),P.1683−1690 Journal of Americ an Chemical Societ y,Vol.103,No.21,(1981), P.6522−6524 Journal of Americ an Chemical Societ y,Vol.102,No.5,(1980), P.1671−1684

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 を有するデマンノシル・クロロポリスポリンCまたはそ
    の薬理上許容される塩。
  2. 【請求項2】クロロポリスポリンCをマンノシダーゼで
    処理することを特徴とする、デマンノシル・クロロポリ
    スポリンCの製法。
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JournalofAmericanChemicalSociety,Vol.103,No.21,(1981),P.6522−6524
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