JPH0725896A - 抗生物質a−39893 - Google Patents

抗生物質a−39893

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JPH0725896A
JPH0725896A JP5168781A JP16878193A JPH0725896A JP H0725896 A JPH0725896 A JP H0725896A JP 5168781 A JP5168781 A JP 5168781A JP 16878193 A JP16878193 A JP 16878193A JP H0725896 A JPH0725896 A JP H0725896A
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actinoplanes
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water
soluble
acid
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JP5168781A
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English (en)
Inventor
Masatoshi Inukai
正俊 犬飼
Michiko Takeuchi
道子 竹内
Hiroko Otani
宏子 大谷
Hisao Okazaki
尚夫 岡崎
Ryuzo Enokida
竜三 榎田
Katsumichi Nakamura
健道 中村
Akira Sato
章 佐藤
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、以下の一般式(I)で表される抗生
物質A−39893又はその塩: 【化1】 (ただし、式中R1 はマンノシルグルコース、R2 はマ
ンノース、R3 はリストサミンを示す。)を提供するも
のである。 【効果】本発明のA−39893はMRSAを含むスタ
フィロコッカス アウレウス、スタフィロコッカス エ
ピデルミデスなどのグラム陽性細菌に対する抗生物質と
して有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な構造を有する抗
生物質A−39893に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、グリコペプチド系抗生物質として
は、アボパルシン(Avoparcin )、バンコマイシン(Va
ncomycin)、アクタプラニン(Actaplanin)などが知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、土壌か
ら分離したアクチノプラネス属に属するSANK609
93株が、主としてグラム陽性菌に対して有効な新物質
A−39893を生産することを見い出し、本発明を完
成させた。
【0004】本発明のA−39893はその諸性状より
アボパルシン(Avoparcin )、バンコマイシン(Vancom
ycin)、アクタプラニン(Actaplanin)などと同様のグ
リコペプチド系抗生物質に類縁の物質であるが、分子量
が1954であることから、公知のグリコペプチドとは
明らかに区別され、新規物質と判明した。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)以下の
一般式(I)で表される抗生物質A−39893又はそ
の塩:
【0006】
【化2】
【0007】(ただし、式中R1 はマンノシルグルコー
ス、R2 はマンノース、R3 はリストサミンを示
す。)、(2)アクチノプラネス属に属するA−398
93生産菌を培養し、その培養液よりA−39893を
採取することを特徴とするA−39893の製造法、
(3)アクチノプラネス属に属するA−39893生産
菌がアクチノプラネス・ミズリ−エンシス(Actinoplan
es missouriensis)SANK60993株である(2)
記載の製造法に関する。
【0008】本発明のA−39893は以下のような理
化学的性状を有する。
【0009】1)物質の性状:両性、水溶性、白色粉
末。
【0010】2)比旋光度:[α]D 25 -7.2°(c
0.1, 0.01N−HCl) 3)元素分析値(%):C;49.93, H;5.0
7, N;5.14, Cl;2.26 4)分子式:C89H99N8O40Cl(高分解能質量分析法によ
り測定) 5)分子量:1954 (FAB-MS; [M+H ]+,1955:Clを35とし
て) 6)酸加水分解:酸加水分解により、バンコマイシン
酸、アクチノイジン酸を中性糖としてマンノース3モ
ル、グルコース1モルを与える。
【0011】7)紫外線吸収スペクトル: λmax (E
1% 1cm) 280nm(49.5)に最大吸収を示す。
【0012】8)赤外線吸収スペクトル: νmaxcm-1 KBr 錠中で測定した赤外線吸収スペクトルは図1のとお
りである。
【0013】9)核磁気共鳴スペクトル;(σ:PPM) D2O 中、外部基準にTMS (テトラメチルシラン)を使用
して測定した核磁気共鳴スペクトル(270MHz)は図2に
示すとおりである。
【0014】10)溶解性:水、メタノールに可溶、ア
セトンに難溶、酢酸エチル、クロロホルム、ベンゼンに
不溶。
【0015】11)呈色反応:ニンヒドリン、ライドン
スミス、塩化第2鉄反応に陽性 12)薄層クロマトグラフィー: Rf値:0.26 吸着剤:イーストマン・クロマトグラム・シート No.1
3254(セルロース) 展開溶媒:nーブタノール:酢酸:水=4:1:2 13)高速液体クロマトグラフィー: カラム;センシュウパック(6×150mm,ODS−
H−2151) 溶媒;14%アセトニトリルを含む10mMリン酸緩衝
液(pH6.8) 流速;1ml/分 保持時間;5.24分 本発明において用いられるアクチノプラネス(Actinopl
anes)属に属する菌株としては、例えばアクチノプラネ
ス・ミズリーエンシス(Actinoplanes missouriensis)
SANK60993(FERM BP−4331)を挙
げることができ、この菌株の菌学的性状は次のとおりで
ある。
【0016】1.形態学的特徴 ISP[インターナショナル・ストレプトマイセス・プ
ロジェクト(International Streptomyces Project)]
規定の寒天培地上、28℃、14日間培養後、顕微鏡下
観察では基生菌糸は良好に伸長、分岐し、明るい茶ない
し鈍橙色である。ノカルディア(Nocardia)属菌株様の
ジグザグ伸長は観察されない。また、希塩酸あるいは希
水酸化ナトリウムによる基生菌糸色調の変化は認められ
ない。気菌糸は着生しない。球ないし亜球状の胞子のう
を形成し、その直径は通常5−10×6−12μmであ
る。胞子のう胞子は球ないし卵形であって通常その大き
さは1−1.5×1−1.8μmである。胞子のう胞子
は単極べん毛を有し、滅菌蒸留水中で約60分で遊走性
を示した。28℃で14日間培養後の各種寒天培地上で
の生育は表1に示すとおりである。
【0017】
【表1】 培地の種類 項目*1 SANK60993株の性状 イーストエキス・ SM: 非常に良好、しわ状、明るい茶(5YR 6/6)*2 麦芽エキス寒天 R : 明るい茶(5YR 6/6) (ISP 2) SP: 産生せず SG: 豊富に形成 オートミール寒天 SM: 非常に良好、平坦、黄味茶(10YR 7/6) (ISP 3) R : 黄味茶(10YR 7/6) SP: 産生せず SG: 豊富に形成 澱粉・無機塩寒天 SM: 非常に良好、平坦、鈍橙(5YR 7/6) (ISP 4) R : 鈍橙(5YR 7/6) SP: 産生せず SG: 豊富に形成 グリセリン・アスパラ SM: 余り良くない、平坦、薄黄味茶(2.5Y 8/4) ギン寒天 R : 薄黄味茶(2.5Y 8/4) (ISP 5) SP: 産生せず SG: 形成せず ペプトン・イースト SM: 良くない、平坦、黄味灰(5Y 9/1) エキス・鉄寒天 R : 黄味灰(5Y 9/1) (ISP 6) SP: 産生せず SG: 僅かに形成 チロシン寒天 SM: 良好、平坦、薄茶(5YR 8/4) (ISP 7) R : 鈍赤味橙(2.5YR 5/8) SP: 鈍赤味橙(2.5YR 5/8) SG: やや貧弱に形成 シュクロース・硝酸塩 SM: 余り良くない、平坦、薄茶(7.5YR 7/6) 寒天 R : 薄茶(7.5YR 7/6) SP: 産生せず SG: 形成せず グルコース・アスパラ SM: 良好、平坦、薄茶(7.5YR 7/6) ギン寒天 R : 薄茶(7.5YR 7/6) SP: 産生せず SG: 僅かに形成 栄養寒天 SM: 良好、平坦、薄黄味茶(10YR 7/4) (DIFCO) R : 薄黄味茶(10YR 7/4) SP: 産生せず SG: 形成せず ポテトエキス・人参 SM: 余り良くない、平坦、薄黄味橙(10YR 8/3) エキス寒天 R : 薄黄味橙(10YR 8/3) SP: 産生せず SG: 豊富に形成 水寒天 SM: 良くない、平坦、黄味灰(5Y 9/1) R : 黄味灰(5Y 9/1) SP: 産生せず SG: 良好に形成 *1 SM:基生菌糸,R:裏面,SP:可溶性色素、
SG:胞子のう *2 マンセル方式に準拠した標準色調表示 2.生理学的性状 28℃で培養後、2ないし21日間に観察したSANK
60993株の生理学的性状は表2に示したとおりであ
る。
【0018】
【表2】 生理学的性状 SANK60993株の性状 澱粉の加水分解 陽 性 ゼラチンの液化 陰 性 硝酸塩の還元 陽 性 ミルクの凝固 陰 性 ミルクのペプトン化 陰 性 メラニン様色素生産性 陰 性 カゼインの分解 陽 性 チロシンの分解 陰 性 キサンチンの分解 陰 性 食塩耐性(培地1)*1 2% 生育温度範囲(培地1) 9〜34℃ *1 培地1;イーストエキス・麦芽エキス寒天(ISP
2) また、プリドハム・ゴトリーブ寒天培地上、28℃、1
4日目に観察したSANK60993株の炭素源資化性
は表3に示したとおりである。
【0019】
【表3】 炭素源 SANK60993株の性状 D−グルコース + L−アラビノース + D−キシロース + イノシトール − D−マンニトール + D−フルクトース + L−ラムノース + シュクロース − ラフィノース − 対 照 − +:資化する、−:資化しない 3.菌体成分について SANK60993株の菌体成分について長谷川らの方
法[長谷川ら、ザ・ジャーナル・オブ・ジェネラル・ア
ンド・アプライド・マイクロバイオロジー(Journal of
General and Applied Microbiology )第29巻、31
9−322頁、1983年]に従い検討した結果、細胞
壁ジアミノ酸としてメソジアミノピメリン酸と3−ハイ
ドロキシジアミノピメリン酸の両方が検出された。ま
た、SANK60993株の全細胞中の糖成分について
エム・ピー・レシェバリエの方法[M. P. Lechevalier
、ジャーナル・オブ・ラボラトリー・アンド・クリニ
カル・メディシン(Journal of Laboratory and Clinic
al Medicine )71巻934−944頁1968年]に
従い検討した結果、主要成分中にアラビノースとキシロ
ースがそれぞれ検出された。
【0020】SANK60993株のメナキノン分子種
を放線菌の同定実験法[日本放線菌学会、清野昭雄編、
中越印刷、東京、131−139頁、1988年]に従
い検討した結果、主要成分としてMK−9(H4 )を検
出した。細胞壁ペプチドグリカンのアシルタイプについ
て内田らの方法[内田ら、ジャーナル・オブ・ジェネラ
ル・アンド・アプライド・マイクロバイオロジー(Jour
nal of General and Applied Microbiology )第25
巻、168−183頁、1979年]に従い検討した結
果、アセチル型であった。
【0021】以上のことから本菌株は放線菌の中でもア
クチノプラネス(Actinoplanes)属に属することは明ら
かである。アクチノプラネス属の中ではアクチノプラネ
ス・ミズリーエンシス(Actinoplanes missouriensis)
[バージーズ・マニュアル・オブ・システマティック・
バクテリオロジー(Bergey's Manual of SystematicBac
teriology)第4巻、2,426頁、1989年]がS
ANK60993株にもっとも近縁と考えられた。そこ
でSANK60993株とアクチノプラネス・ミズリー
エンシス(Actinoplanes missouriensis)ATCC14
538株を同時に培養し詳細に比較したところ、種を区
別する差異は認められなかった。従って、SANK60
993株はアクチノプラネス・ミズリーエンシスに属す
る新菌株であると同定し、アクチノプラネス・ミズリー
エンシス(Actinoplanes missouriensis)SANK60
993と命名し、1993年6月11日に日本国通商産
業省工業技術院生命工学工業技術研究所に国際寄託した
(FERM BP−4331)。
【0022】以上、A−39893の生産菌について説
明したが、放線菌の諸性質は一定したものでなく、自然
的、人工的に容易に変化することは周知の通りであり、
本発明で使用しうる菌株はアクチノプラネス属に属する
A−39893を生産する全ての菌株を包含するもので
ある本発明における培養は一般放線菌における培養方法
に準じて行われ、液体培地中での振盪培養あるいは通気
攪拌培養によるものが好ましい。培地成分としては、た
とえば、炭素源としてブドウ糖、マルトース、シュクロ
ース、マンニット、糖蜜、グリセリン、デキストリン、
澱粉、大豆油、綿実油などが、窒素源として大豆粉、綿
実粉、ファーマミン、魚粉、コーン・スチープ・リカ
ー、ペプトン、肉エキス、イースト、イーストエキス、
硝酸、硝酸ソーダ、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウ
ムなどが、また、無機塩として食塩、リン酸塩、炭酸カ
ルシウム、微量金属塩などが必要に応じて適宣使用され
る。液体培養に際してはシリコン油、植物油、界面活性
剤等が適宣利用使用される。
【0023】培地のpHは中性付近、培地温度は24℃
から37℃、特に28℃前後が好ましい。
【0024】培養の経過に伴って生産されるA−398
93の力価の経時変化はスタフィロコッカス・アウレウ
ス FDA 209P JC-1 を被検菌としたペーパーディスク
(東洋科学産業(株)製、直径8mm、厚さ)検定法に
より測定される。通常120〜144時間の培養でA−
39893の生産量は最高値に達する。主として培養液
中の液体部分に存在するA−39893は培養終了後、
菌体その他の固形部分をけいそう土等を濾過助剤とする
濾過操作、あるいは遠心分離によって除去し、その濾液
または上清から抽出、精製することによって得られる。
【0025】A−39893はその物理化学的性状を利
用することによって、例えば、吸着剤を用いて採取する
ことができる。吸着剤としては例えば、活性炭、または
吸着剤樹脂であるアンバーライト XAD−2、XAD
−3、XAD−4、XAD−7等(ローム・アンド・ハ
ース社製)やダイヤイオン HP10、HP20、CH
P20P、HP50(三菱化成工業(株)製)、ポリア
ミドゲル(ウェルム社製)等が使用される。A−398
93を含む液を上記のごとき吸着剤の層を通過させてA
−39893に含まれる不純物を吸着させて、取り除く
か、またはA−39893を吸着させた後、メタノール
水、アセトン水、nーブタノール水 などを用いて溶出
させることによって得られる。
【0026】このようにして得られたA−39893を
分離、精製するためには、アビセル(旭化成工業(株)
製)などのセルロース、セファデクッスLHー20(フ
ァルマシア社製)などをもちいた分配カラムクロマトグ
ラフィー、A-39893と混在する不純物との溶媒に対
する分配率の差を利用した抽出法などが有効な方法とい
える。以上の分離、精製の手段を単独または適宣組み合
わせ、反復用いることによりA−39893を分離、精
製することができる。
【0027】A−39893はまた一般の脂溶性抗生物
質と同じく、培養条件によっては培養液中の菌体部分に
存在する。この場合は、アルコール類、アセトン等の親
水性有機溶媒によって抽出し、抽出液より溶媒を除去
し、次いで水溶液とした後、培養濾液からと同様の方法
で抽出精製する事ができる。
【0028】また、A−39893は、それ自体既知の
手順に従いその薬理上許容される酸付加塩および/また
は塩基付加塩に転化することができる。酸付加塩として
はたとえばハロゲン化水素酸、リン酸、硝酸のような無
機酸、酢酸、クエン酸、アスパラギン酸、メタンスルホ
ン酸、トルエンスルホン酸、スファニル酸のような有機
酸との塩をあげることができる。塩基付加塩としては例
えばアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウ
ム塩、アルキルアンモニウム塩、リジン、アルギニン、
グリシン等のアミノ酸付加塩との塩を挙げることができ
る。
【0029】これらのA−39893の塩の本発明に含
有される。
【0030】
【作用】また、A−39893はグラム陽性細菌に対し
て強い抗菌力をしめすことから、ヒトおよびこれらの細
菌に起因する疾病の予防および治療に用いられる。ま
た、グリコペプチド系抗生物質の中には反すう動物およ
び家畜における飼料効果を増大させるための補助手段と
して利用されているものもあり、本物質についても同様
の効果が期待される。
【0031】本発明のA−39893は各種細菌感染疾
患を対象とする抗菌剤として使用される。その投与形態
としては皮下注射、静脈注射、筋肉注射、座剤などによ
る非経口投与法、あるいは錠剤、カプセル剤、散剤、顆
粒剤などによる経口投与法があげられる。投与量は対象
疾患、投与経路および投与回数などによった異なるが、
たとえば、成人に対しては通常一日0.1g〜10gを
症状に応じて、一回または数回投与するのが好ましい。
【0032】また、本発明のA−39893をマウスに
100mg/kgを静脈内投与したが毒性は認められな
かった。
【0033】
【実施例】次に実施例、製剤例をあげて本発明を具体的
な説明をするが、本発明はこれに限定されない。 実施例1.アクチノプラネス・ミズリーエンシス SA
NK60993株をA培地(グルコース 2.0%、可
溶性デンプン 1.0%、生イースト 0.9%、肉エ
キス 0.5%、ポリペプトン 0.5%、NaCl
0.5%、CaCO3 0.3%、消泡剤 0.01%)
100mlを含む500ml三角フラスコ35本に一白
金耳接種し、200rpmの回転振盪培養機により28
℃で144時間培養した。得られた培養液3.5Lはろ
過助剤としてセライト545を加えて吸引ろ過し、2.
7Lを得た。このろ液はダイヤイオンHP20(270
ml)に吸着させ、1.35Lの水、0.8Lの20%
アセトン水で洗浄後、50%アセトン水1.35Lで溶
出した。次に1.35Lの溶出液はそのまま、あらかじ
めD−アラニル−D−アラニンをリガンドさせたAffi-g
el 10 (バイオラッド社製)100mlに吸着させ、5
0%アセトニトリル水1Lを流した後、50%アセトニ
トリルー0.1Nアンモニア水1.5Lで溶出した。溶
媒を留去後、10mlのHP20を用いて脱塩し凍結乾
燥することにより、粗粉末103.9mg得た。さらに
小量の水に溶解し、分取用高速液体クロマトグラフィー
(カラム20×250mm;センシュパックODSーH
−5251(センシュー科学社製);溶媒、14%アセ
トニトリルー0.01Mリン酸緩衝液(pH6.8);
流速、8ml/分)にて10.7分に溶出されるA−3
9893に相当するピークを分取し、HP20で同様に
脱塩し凍結乾燥により、A−39893の純度92%の
ものを1.8mg、純度70%のものを4.9mg得
た。
【0034】実施例2 アクチノプラネス・ミズリーエンシス SANK609
93株をA培地(グルコース 2.0%、可溶性デンプ
ン 1.0%、生イースト 0.9%、肉エキス 0.
5%、ポリペプトン 0.5%、NaCl 0.5%、
CaCO3 0.3%、消泡剤 0.01%)100ml
を含む500ml容三角フラスコに一白金耳接種し、2
00rpmの回転振盪培養機により、28℃で120時
間培養した。この培養液2mlをA培地100mlを含
む500ml容三角フラスコ40本に接種して、200
rpmの回転振盪機により、28℃144時間培養し
た。培養液3.7Lにセライト545を加えてろ過し、
ろ液3.4Lを得た。得られたろ液はダイアイオンHP
20(三菱化成工業(株)製)340mlに吸着させ、
1.7Lの脱イオン水で洗浄後50%アセトン水1.7
Lで溶出した。溶出液は予めDーアラニル−D−アラニ
ンを結合させておいたAffi-gel10(バイオラッド社
製)100mlに吸着させ、50%アセトニトリル水で
洗浄した後0.1Nのアンモニアを含む50%アセトニ
トリル水1.5Lで溶出した。減圧下アセトンを留去
し、ダイアイオンHP2020mlで吸脱着することに
より脱塩し、凍結乾燥して粗粉末300.7mg得た。
この粉末は小量の水に溶解し、分取用高速液体クロマト
グラフィー(カラム20×250mm;センシューパッ
ク ODS−H−5251(センシュー科学社製);溶
媒、14%アセトニトリルー0.01Mリン酸緩衝液
(pH6.8);流速、8ml/分)で10.7分に溶
出されるA−39893に相当するピークを分取し、H
P20で脱塩し凍結乾燥することにより純度60%のA
−39893を40.1mg得た。同条件下で再度分取
用高速液体クロマトグラフィーをおこなうことにより、
純度80%のA−39893を6.7mg得た。
【0035】
【発明の効果】本発明のA−39893の抗菌力を調べ
た。
【0036】一般グラム陽性、グラム陰性細菌に対する
A−39893の最小阻止濃度(MIC)はミュラーヒ
ントン寒天培地(ディフコ社製)を用いた寒天希釈法に
よって測定した。その結果は表4に示すとおりである。
【0037】
【表4】 被検菌 MIC(μg/ml) スタフィロコッカス アウレウス 209P JC-1 1.56 スタフィロコッカス アウレウス SANK 70175 6.25 スタフィロコッカス アウレウス 160-1 (MRSA) 6.25 スタフィロコッカス アウレウス 507 (MRSA) 12.5 スタフィロコッカス アウレウス 1-1 12.5 スタフィロコッカス エピデルミデス ATCC 155 6.25 バチルス ズブチリス PCI 219 <0.05 ミクロコッカス ルテウス SANK 71679 0.39 エンテロコッカス フェカリス SANK 71778 1.56 エツシェリヒア コリ NIHJ JC-1 >100 エツシェリヒア コリ SANK 90385 >100 クレブシエラ ニューモニアエ SANK 74775 50 シュードモナス エアルギノーサ NCTC 10490 >100 セラチア マルセッセンス SANK 73060 >100 プロテウス ミラビリス SANK 70461 >100 プロテウス ミラビリス SANK 71873 >100 以上の結果より、A−39893はMRSAを含むスタ
フィロコッカス アウレウス、スタフィロコッカス エ
ピデルミデスなどのグラム陽性細菌に有効であることが
確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】A−39893の赤外線吸収スペクトル図。
【図2】A−39893の核磁気共鳴スペクトル図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:045) C07K 99:00 (72)発明者 岡崎 尚夫 茨城県つくば市御幸が丘33 三共株式会社 内 (72)発明者 榎田 竜三 茨城県つくば市御幸が丘33 三共株式会社 内 (72)発明者 中村 健道 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 佐藤 章 福島県いわき市泉町下川字大剱389−4 三共株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の一般式(I)で表される抗生物質A
    −39893又はその塩: 【化1】 (ただし、式中R1 はマンノシルグルコース、R2 はマ
    ンノース、R3 はリストサミンを示す。)。
  2. 【請求項2】アクチノプラネス属に属するA−3989
    3生産菌を培養し、その培養液よりA−39893を採
    取することを特徴とするA−39893の製造法。
  3. 【請求項3】アクチノプラネス属に属するA−3989
    3生産菌がアクチノプラネス・ミズリ−エンシスSAN
    K60993株(FERM BP−4331)である請
    求項2記載の製造法。
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