JPH0561261A - 電子写真用キヤリア - Google Patents

電子写真用キヤリア

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JPH0561261A
JPH0561261A JP3250213A JP25021391A JPH0561261A JP H0561261 A JPH0561261 A JP H0561261A JP 3250213 A JP3250213 A JP 3250213A JP 25021391 A JP25021391 A JP 25021391A JP H0561261 A JPH0561261 A JP H0561261A
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祐弘 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ドメイン−マトリックス構造を有し脂肪酸金
属塩を含有した樹脂組成物で被覆された電子写真用キャ
リアであって、上記ドメイン粒子の平均粒径が5μm以
下であり、該ドメインを構成する樹脂がカルボキシル基
を有し且つガラス転移点Tg1 が20〜70℃、酸価が
15以上であり、上記マトリックスを構成する樹脂がカ
ルボキシル基を実質的に有しておらず、且つガラス転移
点Tg2 が50〜80℃、酸価が10以下であり、Tg
2 ≧Tg1 であることを特徴とする。 【効果】 耐久性、耐トナースペント性、流動性に優れ
帯電の立上りの速い現像剤を構成し安定した画像が得ら
れる。またバイアス電圧の印加に対しても電流のリー
ク、或いはキャリアの感光体への付着が少ない現像剤が
構成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナーと混合して静電
荷像現像剤を構成する電子写真用キャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法として米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報及
び特公昭43−24748号公報等に種々の方法が記載
されているが、これらの方法は、いずれも光導電層に原
稿に応じた光像を照射することにより静電潜像を形成
し、次いで該静電潜像上にこれとは反対の極性を有する
トナーと呼ばれる着色微粉末を付着させて該静電潜像を
現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写
した後、熱、圧力或いは溶剤蒸気等により定着し複写物
を得るものである。
【0003】該静電潜像を現像する工程は、潜像とは反
対の極性に帯電せしめたトナー粒子を静電引力により吸
引せしめて静電潜像上に付着させるものであるが(反転
現像の場合は、潜像の電荷と同極性の摩擦電荷を有する
トナーを使用)、一般にかかる静電潜像をトナーを用い
て現像する方法としては大別してトナーをキャリアと呼
ばれる媒体に少量分散させたいわゆる二成分系現像剤を
用いる方法と、キャリアを用いることなくトナー単独使
用のいわゆる一成分系現像剤を用いる方法とがある。
【0004】一般にかかる二成分系現像剤を構成するキ
ャリアは導電性キャリアと絶縁性キャリアとに大別され
る。
【0005】導電性キャリアとしては通常酸化又は未酸
化の鉄粉が用いられているが、この鉄粉キャリアを成分
とする現像剤においてはトナーに対する摩擦帯電性が不
安定であり、また現像剤により形成される可視像にカブ
リが発生するという問題点がある。即ち現像剤の使用に
伴い、鉄粉キャリア粒子の表面にトナー粒子が付着する
ためキャリア粒子の電気抵抗が増大してバイアス電流が
低下し、しかも摩擦帯電性が不安定となり、この結果形
成される可視像の画像濃度が低下しカブリが増大する。
【0006】また絶縁性キャリアとしては一般に鉄,ニ
ッケル,フェライト等の強磁性体より成るキャリア芯材
の表面を絶縁性樹脂により均一に被覆したキャリアが代
表的なものである。このキャリアを用いた現像剤におい
ては、キャリア表面にトナー粒子が融着することが導電
性キャリアの場合に比べて著しく少なく、耐久性に優
れ、使用寿命が長い点で特に高速の電子複写機に好適で
あるという利点がある。
【0007】しかしながら、この絶縁性キャリアにおい
ては、キャリア芯材の表面を被覆する被覆層が十分な耐
摩耗性及び芯材との強力な接着性、キャリア表面にトナ
ーが融着する、いわゆるトナースペントが発生しないこ
と、キャリアと共に用いられる特定のトナーに対して所
望の十分な摩擦帯電量を付与することが要求される。即
ち、キャリアは現像器内において他のキャリア粒子及び
トナー粒子と摩擦されるが、キャリア被覆層が十分な膜
強度並びに芯材との密着性を有していないと、被膜が芯
材から剥離或いは欠落し、トナーへの帯電付与能の低下
を来たしてしまう。また、キャリア表面にトナースペン
トが起った場合もキャリア被覆層本来の摩擦帯電付与能
が発揮できなくなり、帯電特性が不安定なものとなって
しまう。
【0008】従来、かかる欠点を解決する技術として、
絶縁性樹脂を被覆しないキャリアにおいては、特開平1
−180563号公報のように、キャリア芯材表面に脂
肪酸金属塩の薄膜を形成させ、耐トナースペント性を上
げ、且つ帯電付与性を向上させる試みがなされている。
しかしながら、このキャリアを用いた現像剤を長期間高
温高湿下に放置すると、キャリア芯材表面の脂肪酸金属
塩が親和性の高いトナー樹脂層へ移行し、その結果、ト
ナーの帯電が不安定となり、カブリ、飛散などの画像劣
化を生じてしまうという問題点がある。さらに、絶縁性
の樹脂により、ある程度被覆しないと、酸化鉄粉はもち
ろんフェライト粒子といえども、バイアス電圧を印加す
る様な現像系には電流のリーク或いはキャリアの感光体
上への付着等で不適である。
【0009】また、絶縁性の樹脂で被覆されたキャリア
としては、含フッ素ポリマーで被覆した被覆キャリアが
U.S.P.3,922,382に提案されているが、
上記従来技術においては含フッ素ポリマーのみで被覆し
たキャリアは成膜性が悪く、部分的にしかキャリア表面
を被覆できず、帯電特性が不安定となってしまう。ま
た、含フッ素ポリマーの成膜性を改良するため、成膜性
の比較的良好なポリマーと混合して被覆する方法もU.
S.P.4,297,427、特開昭54−11083
9号に提案されている。しかしながら、いずれも帯電特
性的にネガ性が強いフッ素ポリマーを構成成分とするた
めに、ポジトナーに対しては有利に用いることが可能と
考えられるが、ネガトナーに対しては所望の適度の大き
さの帯電量を得ることが難しいと予想され、且つ、仮に
帯電量の大きさとしては十分な値が得られたとしても、
帯電の立上り速度が遅く、安定した帯電性を維持するの
は困難と考えられる。
【0010】さらにまた、特開昭58−216261号
公報においては金属の芯材をステアリン酸カルシウムを
含有した結着樹脂により被覆したキャリアが提案されて
いるが、通常の樹脂被覆キャリアの例にもれず、長時間
の現像器内の剤の混合、撹拌により、被覆樹脂の欠落、
剥離が生じてしまい、安定した帯電特性を維持すること
ができないという問題点がある。
【0011】一方、トナーの摩擦帯電の立上りを速くす
るため、従来より知られているように、トナーに荷電制
御剤や帯電制御性樹脂を含有させる方法もあるが、これ
だけでは十分にトナーの摩擦帯電量の立上りを速くする
ことができず、逆に高温高湿、或いは低温低湿などの環
境においては摩擦帯電量及び帯電の立上りにかなり差が
生じることがあり、それが画像としてのカブリ、濃度薄
につながるなど、トナーの帯電制御の方法としては十分
でなかった。また、摩擦帯電系列上においてトナーと逆
方向に位置する微粒子をトナーに添加することによって
トナーの摩擦帯電性を高める方法も特開昭62−755
51号に提示されている。
【0012】しかしながら、この方法だけではトナーの
帯電制御がまだ不十分であり、十分にトナーの摩擦帯電
量を制御するまで、トナーと逆極性に帯電する微粒子を
トナーに添加していくと、逆にトナー粒子同志が凝集し
てトナーの流動性が悪化してしまう。この結果、キャリ
アとトナーが十分に混合できず、現像器構成においてよ
り強く均一な撹拌装置を設けることが必要となる。さら
にトナーの流動性が悪化すると、複写機のクリーニング
装置などに悪影響をもたらす原因となってしまう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の様な問題点を解決し、耐久性、耐トナースペント性に
優れつつ、帯電の立上りが極めて速く、安定した画像を
与える現像剤を構成するキャリアを提供するものであ
る。
【0014】さらに本発明の目的は流動性に優れ、極め
て安定した画像を長期に渡って与える現像剤を構成する
キャリアを提供するものである。
【0015】さらに、他の本発明の目的は、適度な抵抗
を有し、バイアス電圧の印加に対しても、電流のリー
ク、或いは、感光体上への付着の少ないキャリアを提供
するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、ドメ
イン−マトリックス構造を有し脂肪酸金属塩を含有した
樹脂組成物で被覆された電子写真用キャリアであって、
上記ドメイン粒子の平均粒径が5μm以下であり、該ド
メインを構成する樹脂がカルボキシル基を有し且つガラ
ス転移点Tg1 が20〜70℃、酸価が15以上であ
り、上記マトリックスを構成する樹脂がカルボキシル基
を実質的に有しておらず、且つガラス転移点Tg2が5
0〜80℃、酸価が10以下であり、Tg2 ≧Tg1
あることを特徴とする。
【0017】本発明に用いられる樹脂被覆キャリアが前
述の特性において優れる理由を本発明者らは以下に述べ
ることに因るものであると考えている。即ち、本樹脂被
覆キャリアが耐久性において優れるのは、Tgの高い樹
脂を海とし、カルボキシル基を有し、且つTgの低い樹
脂を島とする、ドメイン−マトリックスからなる、いわ
ゆる海−島構造を有しているため、トナーとキャリア及
びキャリアとキャリアの接触による衝撃を吸収或いは緩
和することが可能となる。更に極性基を有する部位が形
成する島がミクロ的なレベルで且つ無数に分散している
ことにより、キャリア芯材と強力に接着し、被覆性を、
一般的な樹脂に比べいっそう強固な状態としているので
ある。
【0018】さらに本発明のキャリアにおいては、被覆
樹脂中に脂肪酸金属塩を含有せしめているが、ドメイン
−マトリックスより成る樹脂であるために、脂肪酸金属
塩は親和性の高い疎水性樹脂部位のマトリックス側へと
不均一に分散した状態となる。それ故にキャリア表面の
滑性が向上し、現像剤の流動性が上がり速やかな帯電の
立上りが実現されるのである。さらにまた、帯電のメカ
ニズム的にも帯電付与性の優れた脂肪酸金属塩が主に帯
電の発電に関与しているマトリックス中に存在しつつ、
電荷の漏洩に関与している極性基を有し、吸水性である
ドメイン中には、ほとんど存在しないという帯電の機能
分離が可能となり、しかるに帯電の立上りという意味に
おいても、いっそう有利な構成となっているのである。
【0019】キャリア被覆樹脂として完全に非相溶の樹
脂同志をブレンドし、さらにグラフトやブロックポリマ
ーを分散剤として添加することで見掛け上海島構造を取
らせることも可能であるが、分散剤を添加することが必
須であること、さらに形成されたドメインの分散剤の役
割をするグラフトやブロックポリマーの極性は、さほど
強いものではないので、長期保存によってドメインは大
きくなり、従って、耐久性、現像剤の流動性が悪化して
しまう。
【0020】また、ドメイン−マトリックス構造を有す
る樹脂の製造法としてポリエステルやエポキシ樹脂など
の縮合系樹脂とビニル系樹脂をブレンドする方法が知ら
れているが、この方法においては重量平均分子量が50
万以上の巨大分子量で、しかも、極性があまり強くない
ビニル系樹脂をポリエステルやエポキシ樹脂などの縮合
系樹脂と溶融混練により形成させるもので、グラフトや
ブロックポリマーなども添加されていないこともあり、
ドメインが形成されたとしてもドメイン径をコントロー
ルすること自体、非常に難しく、さらに長期保存によっ
て、ドメイン径は大きくなっていき、上述のように、キ
ャリア被覆樹脂として用いた場合、耐久性、帯電性にお
いて不安定なものとなり、さらに帯電の立上りという点
においても、樹脂の極性が弱いことで脂肪酸金属塩がマ
トリックスにのみ分散するという状態が十分とならない
ので満足のいくレベルにはならない。
【0021】そこで、本発明者らは鋭意検討の結果、前
述した諸々の問題を生じない樹脂を被覆したキャリアを
発明するに至った。本発明における被覆樹脂は、Tg1
20〜70℃,酸価が15以上のカルボキシル基を有す
るドメイン樹脂とTg2 50〜80℃、酸価が10以下
で、実質的にカルボキシル基を有していないマトリック
ス樹脂とからなり、本発明におけるキャリアは該被覆樹
脂組成物を用いるものである。かかる構成により、耐久
性に優れ、且つ帯電特性にも優れたキャリアが得られる
のは、Tgにおいてマトリックス樹脂よりも5℃低く、
且つ、カルボキシル基を有するドメイン樹脂が、カルボ
キシル基により会合し、ミセルを形成するため、非常に
細かく、且つ、安定に分散するからである。
【0022】ここにおいて、Tg1 が20℃より低い
と、Tg2 を高くしても、現像剤の流動性が悪化し、ま
た、Tg1 が70℃をこえると、帯電の立上りが遅くな
る。また、ドメイン樹脂の酸価が15未満の場合、ドメ
イン樹脂の分散安定性は、悪く、従って、芯材との密着
性、帯電性に劣ったものとなる。また、Tg1 が50℃
よりも低いと、流動性が悪化し、80℃をこえると、芯
材との密着性及び帯電特性が悪くなる。また、マトリッ
クス樹脂の酸価が10をこえると、ドメイン樹脂との相
溶性が増し、ドメイン樹脂の分散安定性が、悪くなり、
従って、耐久性に劣ったものとなる。従って、この被覆
樹脂組成物を構成するドメイン樹脂のガラス転移点Tg
1 は、より好ましくは、25〜60℃でマトリックス樹
脂のガラス転移点Tg2 は、より好ましくは、55〜7
0℃であることが望ましい。さらに、本発明においてそ
の効果をより発揮させるために、Tg2 はTg1 よりも
10℃以上高いことが望ましい。
【0023】また、マトリックス樹脂とドメイン樹脂の
量比は、マトリックス樹脂100重量部あたり、ドメイ
ン樹脂5〜100重量部が好ましい。これは、ドメイン
樹脂が5重量部より少ないと、耐久性が十分でなく、且
つ帯電特性も悪化してしまい、また100重量部を越え
て混合させると、海島構造が逆転する恐れがあるためで
ある。
【0024】本発明に用いられる被覆樹脂組成物におい
て、マトリックス樹脂としては、ビニル系樹脂、ポリエ
ステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げら
れるが、なかでも、ビニル系樹脂は、その極性が弱く、
従って、ドメイン粒子の分散安定性が良好となるため、
本発明に用いられる樹脂としてより好ましい。また、ド
メイン樹脂としては、カルボキシル基を有するポリマー
であればどのようなポリマーであってもかまわないが、
マトリックス樹脂に似た組成のほうが、ドメイン粒子を
小さくすることができる。これは、ドメインが、マトリ
ックス樹脂に一部相溶していると考えられるが、前記し
た場合(マトリックス樹脂の酸価が10をこえる場合)
とは違って、マトリックス樹脂の極性によって、ドメイ
ンがくずされる(ドメイン粒子の分散安定性が、悪くな
る)ことはないので、耐久性について劣ったものにはな
らないからである。
【0025】本発明に用いられる被覆樹脂において、マ
トリックス樹脂を構成するビニル系モノマーとして以下
のものが挙げられる。
【0026】例えば、スチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニ
ルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルス
チレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オク
チルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシ
ルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−
ニトロスチレン、等のスチレン誘導体と、エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン及び
不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンなど
の不飽和ジオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニ
ルなどのビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n
−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2
−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリ
ル酸フェニル、などのα−メチレン脂肪族モノカルボン
酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ド
デシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ス
テアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フ
ェニルなどのアクリル酸エステル類;ビニルメチルエー
テル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニ
ルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどの
ビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカル
バゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリド
ンなどのN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等
のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;アクロレイ
ン類などを1種又は2種以上使用して重合させたものが
用いられる。
【0027】本発明に用いられる被覆樹脂に於て、ドメ
インを構成するビニル系モノマーとして以下のものが挙
げられる。
【0028】例えば、スチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニ
ルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルス
チレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オク
チルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシ
ルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−
ニトロスチレン、等のスチレン誘導体と、エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン及び
不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンなど
の不飽和ジオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニ
ルなどのビニルエステル類;メタクリル酸及びメタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸フェニル、などのα−メチレ
ン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸及びア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリ
ル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアク
リル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエ
ーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−
ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル
酸もしくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン類などを
1種又は2種以上使用する。
【0029】さらに、本発明においてドメインを構成す
るカルボキシル基含有ビニル系モノマーとしては、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水
マレイン酸、フマル酸、マレイン酸、及びそれらのメチ
ル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル等のモノエス
テルが挙げられ、これらの一種または、二種以上のモノ
マーが前記したモノマーとともに用いられる。
【0030】本発明においてドメインを構成するカルボ
キシル基含有ビニル系モノマーの含有量はドメイン粒子
径を5μm以下にするためにドメイン樹脂中0.1〜5
0重量%、好ましくは、1〜30重量%であるのが望ま
しい。
【0031】本発明において、ドメイン樹脂の数平均分
子量(Mn)は1500〜40000、好ましくは、3
500〜30000、重量平均分子量(Mw)は300
0〜300000、好ましくは、5000〜10000
0であることが望ましい。また、マトリックス樹脂の数
平均分子量(Mn)は1500〜20000、好ましく
は3000〜10000、重量平均分子量(Mw)は3
000〜50000、好ましくは6000〜30000
であることが望ましい。本発明に用いられる樹脂を合成
する場合において、ビニル系モノマーから合成される場
合は、通常一般に知られている方法、例えば開始剤とし
て過酸化物を用いて溶液または懸濁重合で得る方法など
が挙げられる。
【0032】この方法によって、それぞれ得られたマト
リックス及びドメイン樹脂を用いて、ドメイン−マトリ
ックス(海島)構造をとらせる方法としては、ただ単
に、ドライブレンドして溶融混練するだけでは均一で細
かい海島構造をつくることは非常に難しい。
【0033】本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の方
法により均一で細かい海島構造をとらせることに成功し
た。
【0034】重合したそれぞれの樹脂を非極性溶媒(極
性溶媒を用いても、海島構造をとらせることはできる
が、ドメイン粒子径が大きくなる)に溶解し、加熱、強
撹拌のもと溶液状態にてブレンドする。本発明において
ドメイン粒子径を小さくコントロールすることは非常に
重要である。このドメイン粒子径は、カルボキシル基の
解離状態により決まる。よって、ブレンドの場合は、ブ
レンド時に温度を上げたり、撹拌力をアップすることも
さながら、少量の水やメタノールなどのアルコールやカ
ルボキシル基とは反応せず、カルボキシル基をより解離
させる助剤を添加することによりさらに小さくすること
ができる。
【0035】また、非極性溶媒を用いてドメイン樹脂を
重合したあと、ドメイン樹脂存在下、マトリックス樹脂
を重合する方法で行うとドメイン樹脂がミクロ分散され
た状態でブレンドされるため、ドメイン粒子径を非常に
小さくすることができる。この場合も、前記と同様に、
重合を阻害しないカルボキシル基解離助剤を添加するこ
ともドメイン粒子径を小さくするのに有効である。
【0036】また、この方法とは逆に先ずマトリックス
樹脂を重合した後、ドメイン樹脂を重合することもでき
る。また、さらに別の製法としてバルク重合を行い、あ
る反応率でストップして取り出した未反応モノマーに溶
解しているポリマーを懸濁又は溶液重合して得る方法も
ある。この場合カルボキシル基含有モノマーはその反応
速度が他のビニル系モノマーより速いため、バルク重合
の段階で用いてもかまわないが、より好ましくはマトリ
ックス樹脂をバルク重合した後、溶液重合にてドメイン
樹脂を合成する方法が望ましい。
【0037】また、カルボキシル基を含有するモノマー
のポリマー中での組成分布が均一なものほどドメイン粒
子径も小さく、そのドメイン粒子径の分布も均一である
ことも、本発明者らは把握した。つまり、このことは、
カルボキシル基を有するモノマーをドメイン樹脂重合時
に少量ずつ添加していく方法によって前記した樹脂が得
られるということである。
【0038】また、本発明に使用される脂肪酸金属塩と
しては、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸マグネシ
ウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸リチウム、
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸銅、ステアリン酸鉛、
ステアリン酸ニッケル、ステアリン酸ストロンチウム、
ステアリン酸コバルト、ステアリン酸カドミウム、オレ
イン酸亜鉛、オレイン酸マンガン、オレイン酸鉄、オレ
イン酸コバルト、オレイン酸銅、オレイン酸マグネシウ
ム、オレイン酸鉛、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸コ
バルト、パルミチン酸銅、パルミチン酸マグネシウム、
パルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、
リノール酸亜鉛、リノール酸コバルト、リノール酸カル
シウム、リシノール酸亜鉛、リシノール酸カドミウム、
カプロン酸鉛などが挙げられる。この使用量は被覆樹脂
に対して0.05〜80重量%で、より好ましくは0.
5〜40重量%である。
【0039】本発明ではキャリア芯材としては、鉄粉、
フェライト等一般のもの全てを用いることができる。本
発明による被覆樹脂のキャリア芯材に対する塗布量は、
樹脂固形分が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜
10重量%である。0.1重量%未満ではキャリア芯材
の樹脂による被覆効果が十分でなく、30重量%を越え
る塗布量は無意味であり、また製法上からも過剰な樹脂
が単独で存在する場合もあり好ましくない。
【0040】本発明においてはキャリア芯材として、鉄
粉、フェライト粉等の一般のものが全て使用できるが、
これも樹脂を用いることによる一つの大きな特徴であ
る。また、用いるキャリア芯材の粒径は10〜1000
μm、好ましくは20〜200μmである。
【0041】本発明において、本発明の被覆樹脂をキャ
リア芯材に塗布する方法としては、該被覆樹脂を一般の
溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめ、さらに脂肪酸金属塩
を任意に選択した溶剤に溶解、もしくは分散させた溶液
を混合し、さらに混合機にて十分に混合し、被覆樹脂と
脂肪酸金属塩が最大限に溶解、もしくは懸濁した溶液を
調製し、スプレー法や流動床法などの一般的な塗布装置
によって塗布させる方法が挙げられる。
【0042】尚、本発明のキャリアはポジ、ネガ、相方
のトナーに対して用いることができる。
【0043】ここで本発明におけるトナーのキャリアに
対する摩擦帯電量の測定法を図1を用いて詳述する。
【0044】底に400メッシュ(キャリア粒子の通過
しない大きさに適宜変更可能)の導電性スクリーン3の
ある金属製の測定容器2に摩擦帯電量を測定しようとす
る現像剤担持体上の磁気ブラシ(トナーと磁性粒子の混
合物)を入れ金属製のフタ4をする。この時の測定容器
2全体の重量を秤りW1 (g)とする。次に、吸引機1
(測定容器2と接する部分は少なくとも絶縁体)におい
て、吸引口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計
5の圧力を70mmHgとする。この状態で充分(約1
分間)吸引を行いトナーを吸引除去する。この時の電位
計9の電位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデン
サーであり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測
定容器全体の重量を秤りW2 (g)とする。この摩擦帯
電量Q(μC/g)は下式の如く計算される。
【0045】Q(μC/g)=C×V/(W1 −W2 ) ただし、測定条件は、23℃,65%RHとする。
【0046】次に、ガラス転移温度:Tgについて説明
する。本発明においては、示差熱分析測定装置(DSC
測定装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用
い測定する。
【0047】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0048】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30℃〜2
00℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で
測定を行う。
【0049】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0050】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、本
発明におけるガラス転移温度Tgとする。
【0051】次に、分子量の測定法について説明する。
【0052】本発明において、GPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィ)によるクロマトグラムの分子
量は次の条件で測定される。
【0053】即ち、40℃のヒートチャンバー中でカラ
ムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒とし
てTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で
流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整し
た樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測
定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する
分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料によ
り作製された検量線の対数値とカウント数との関係から
算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料として
は、例えば、プレッシャーケミカル社製或いは、東洋ソ
ーダ工業社製の分子量が6×102 ,2.1×103
4×103 ,1.75×104 ,5.1×104 ,1.
1×105 ,3.9×105 ,8.6×105 ,2×1
6 ,4.48×106 のものを用い、少なくとも10
点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当であ
る。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0054】尚、カラムとしては、103 〜2×106
の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチ
レンゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、ウォ
ーターズ社製のμ−スチラゲル500,103 ,10
4 ,105 の組合せや、昭和電工社製のショウデックス
KF−80Mや、KF−801,803,804,80
5の組合せ、KA−802,803,804,805の
組合せ、あるいは東洋曹達製のTSKgel G100
0H,G2000H,G2500H,G3000H,G
4000H,G5000H,G6000H,G7000
H,GMHの組合せが好ましい。
【0055】次に酸価及びその測定法について説明す
る。
【0056】酸価はエステル化の進行具合を短時間に精
度よく指示するものとして重要である。一般にエステル
化のチェックは酸価80くらいから始め、20〜50く
らいの間で必要に応じ終了する。
【0057】酸価とは、樹脂1g中に含まれるカルボキ
シル基を中和するのに必要なカ性カリのミリグラム数と
して定義されている。従って酸価は末端基の数を示して
いることになる。測定の方法は次の通りである。
【0058】サンプル2〜10gを200〜300ml
の三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=3
0:70の混合溶媒約50ml加えて樹脂を溶解する。
溶解性が悪いようであれば少量のアセトンを加えてもよ
い。0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッ
ドの混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/10
カ性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ液
の消費量から次の計算で酸価を求める。
【0059】 酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量 (ただしNはN/10KOHのファクター) 次にドメイン粒子の平均粒径について説明する。
【0060】本発明において、ドメイン粒子の平均粒径
は、例えば、次の条件で測定する。被覆樹脂0.1g程
度をガラス板の上にのせホットプレートにて溶解する。
樹脂溶解後、エタノールに溶かしたローダミン染料を2
〜3滴たらす。染料をたらしたら、すぐに、カバーガラ
スを上からかぶせ、抑さえつけながら、被覆樹脂/ロー
ダミンの薄層サンプルをつくる。(ドメイン樹脂は、前
述したようにカルボキシル基を有するポリマーである。
よって、エタノールに溶かしたローダミン染料はカルボ
キシル基に引きよせられ、ドメイン樹脂を選択的に着色
する。)これを、光学顕微鏡で観察し、無作為に、少な
くとも四視野の写真撮影を行う。これらの撮影した写真
のなかで目視により判別可能な粒子について、その粒径
を測定する。以上の方法によって測定した粒径の平均値
を求め(数平均)、ドメイン粒子の平均粒径とする。
【0061】また、この方法で見ることができない場
合、染料として、オスミウム酸或いは、ルテニウム酸を
用い、前記と同様の方法でドメインを染色する。この
後、薄片を作って、透過型電子顕微鏡で、ドメインの分
散状態を観察し、前記と同様の方法でドメインの平均粒
径を測定する方法もある。
【0062】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。
【0063】キャリア被覆樹脂製造例1 (レジンの溶液ブレンド) ドメイン樹脂の重合 スチレン 92g アクリル酸n−ブチル 78g マレイン酸モノブチル(ハーフエステル) 15g+15g(4hr後) ベンゾイルパーオキシド 15g トルエン 500g を用いて、85℃×10hr重合反応を行う。マレイン
酸モノブチルは、ポリマー中の組成分布を均一にするた
めに、重合開始時と開始後4hr後との2回にわけて添
加、反応させた。その結果、Mn5400,Mw130
00,Tg33.0℃の共重合体を得た(樹脂)。
【0064】 マトリックス樹脂の重合 スチレン 243g アクリル酸n−ブチル 57g ベンゾイルパーオキシド 22.5g トルエン 750g を用いて、85℃×16hr重合反応を行う。その結
果、Mn6000,Mw17000,Tg59.0℃の
共重合体を得た(樹脂)。
【0065】次に、(樹脂)と(樹脂)との比が
3:7になるように、重合反応後のポリマー・トルエン
溶液をそれぞれ秤量し、(樹脂)と(樹脂)とを溶
液混合する。混合溶液の温度を80℃にして、0.1%
の水を添加し、強撹拌した後、乾燥し、被覆樹脂Iを得
る。
【0066】この被覆樹脂Iの酸価は、18.0,ドメ
イン平均粒径は、2.2μmであった。
【0067】キャリア用被覆樹脂製造例2 (レジン存在下重合) マトリックス樹脂の重合 スチレン 165g アクリル酸n−ブチル 35g ベンゾイルパーオキシド 15g トルエン 500g を用いて、85℃×10hr重合反応を行い、Mn58
00,Mw15500,Tg61℃の共重合体を得た。
次に、以下のように、この樹脂溶液中でドメイン樹脂の
重合をおこなった。
【0068】 ドメイン樹脂の重合 スチレン 104g アクリル酸n−ブチル 66g マレイン酸モノブチル 30g ベンゾイルパーオキシド 15g トルエン 500g を前記樹脂溶液に添加し、さらに、85℃×16hr重
合反応を行う。その結果、Mn5500,Mw1600
0の共重合体を得た。これを乾燥して被覆樹脂IIを得
た。この被覆樹脂IIの酸価は16.0、ドメイン平均
粒径は0.6μmであった。また、ドメイン樹脂のみを
重合して得られた樹脂のMnは、6000,Mw170
00,Tg40.0℃であった。
【0069】以下、開始剤量、モノマー量比を変えて、
樹脂III〜Vを合成した。また、比較用の樹脂A〜E
も合成した。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】 実施例1 プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合して 得られたポリエステル樹脂 100重量部 フタロシアニン顔料 5重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯塩 4重量部 上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行
った後、3本ロールミルで少なくとも2回以上溶融混練
し、冷却後ハンマーミルを用いて粒径約1〜2mm程度
に粗粉砕した。次いでエアージェット方式による微粉砕
機で微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を分級して
体積平均粒径が、9.2μmである負摩擦帯電性のシア
ン色の粉体を得た。
【0072】上記着色粉体100重量部と、ヘキサメチ
ルジシラザンで疎水化処理したシリカ微粉体0.5重量
部とを混合して、シアントナーとした。
【0073】次に、キャリア被覆樹脂Iをメチルエチル
ケトンに溶解し、10重量%の被覆樹脂溶液を調製し、
ステアリン酸アルミニウム10重量%トルエン溶液を添
加し、被覆樹脂固形分に対するステアリン酸アルミニウ
ム濃度が5.0重量%としたところで、この溶液を撹拌
機にて十分混合するまで撹拌し、キャリア被覆溶液とし
た。
【0074】次に、この被覆溶液を塗布機(岡田精工社
製:スピラコーター)により、平均粒径45μmの球型
フェライト粒子に塗布した。得られた塗布後のキャリア
を45℃−2時間乾燥して溶剤を除去後70℃,2時間
加熱して樹脂被覆キャリアを得た。
【0075】得られたキャリアの樹脂被覆量は0.64
重量%であり、電子顕微鏡による観察によれば、フェラ
イトの芯材が樹脂で均一に被覆されていることが確認さ
れた。
【0076】また、このキャリアと上記シアントナーと
をN/N(23℃/60%)環境下でトナー濃度5%で
混合し、現像剤を作成し、キヤノン社製フルカラー複写
機CLC−500を用い、前記環境下で画像出しテスト
を行った。以上の結果は表3に示す様に耐久性に優れ、
安定して良好な画質の画像が得られることがわかる。ま
た、上記耐久後の現像剤を現像器内から回収した後、ト
ナー/キャリアを分離し、回収したキャリアと新規な上
記シアントナーとをN/N環境下で濃度5%で混合し
て、N/Nでの帯電量を測定したところ、表3に示す様
に、新規なキャリアとほぼ同じ帯電量であった。また、
この回収キャリアを電子顕微鏡にて観察したところ、顕
著なトナーによるスペント化、或いは被覆樹脂の剥離等
は認められなかった。
【0077】また、一連の画出しテスト中感光ドラム上
或いは紙上へのキャリア付着は極めて少なく、さらに、
カブリ、濃度ムラがなく鮮明で且つ十分に濃度の高い良
好な画像が得られた。
【0078】比較例1 キャリア被覆樹脂Aをメチルエチルケトン溶液に溶解
し、10重量%の被覆溶液を調製した。
【0079】次に、この被覆溶液を塗布機(岡田精工社
製:スピラコーター)により、平均粒径45μmの球型
フェライト粒子に塗布した。得られた塗布後のキャリア
を45℃−2時間乾燥して溶剤を除去後65℃,3時間
加熱して樹脂被覆キャリアを得た。
【0080】得られたキャリアの樹脂被覆量は0.70
重量%であり、電子顕微鏡による観察によれば、フェラ
イトの芯材が樹脂で均一に被覆されていることが確認さ
れた。
【0081】また、このキャリアと上記シアントナーと
をN/N(23℃/60%)環境下でトナー濃度5%で
混合し、現像剤を作成し、キヤノン社製フルカラー複写
機CLC−500を用い、前記の環境下で画像出しテス
トを行った。以上の結果は表3に示すように、耐久によ
り帯電量の変動が大きく、その結果、画像濃度の差が大
きい。また、現像剤の流動性の悪化が認められ、原因を
調べるために現像器内から耐久後の現像剤を回収し電子
顕微鏡による表面観察を行なったところ、キャリア表面
にトナーがスペントしていることが判明した。
【0082】実施例2 キャリア被覆樹脂IをIIに変えること以外は実施例1
と同様に行い表3の結果を得た。
【0083】実施例3 キャリア被覆樹脂IをIVに変えること以外は実施例1
と同様に行い表3の結果を得た。
【0084】比較例2,3 キャリア被覆樹脂をB〜Cに変えること以外は比較例1
と同様に行い、表3の結果を得た。
【0085】
【表3】
【0086】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によると、 (1)耐久性、耐トナースペント性に優れ、かつ帯電の
立上りが速く安定した画像が得られる。 (2)現像剤の流動性に優れ長期にわたって安定した画
像を与える。 (3)バイアス電圧の印加に対しても電流のリーク、或
いはキャリアの感光体上への付着が少ない。 等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】二成分系現像剤のトナーの摩擦電荷を測定する
ための装置を模式的に示した概略図である。
【符号の説明】
1 吸引機 2 測定容器 3 導電性スクリーン 4 フタ 5 真空計 6 風量調節弁 7 吸引口 8 コンデンサ 9 電位計

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドメイン−マトリックス構造を有し脂肪
    酸金属塩を含有した樹脂組成物で被覆された電子写真用
    キャリアであって、上記ドメイン粒子の平均粒径が5μ
    m以下であり、該ドメインを構成する樹脂がカルボキシ
    ル基を有し且つガラス転移点Tg1 が20〜70℃、酸
    価が15以上であり、上記マトリックスを構成する樹脂
    がカルボキシル基を実質的に有しておらず、且つガラス
    転移点Tg2 が50〜80℃、酸価が10以下であり、
    Tg2≧Tg1 であることを特徴とする電子写真用キャ
    リア。
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