JPH0534972A - カラー現像剤 - Google Patents

カラー現像剤

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JPH0534972A
JPH0534972A JP3213052A JP21305291A JPH0534972A JP H0534972 A JPH0534972 A JP H0534972A JP 3213052 A JP3213052 A JP 3213052A JP 21305291 A JP21305291 A JP 21305291A JP H0534972 A JPH0534972 A JP H0534972A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、種々の環境したでの帯電性の安定
性と耐久安定性に優れたカラー現像剤を提供することを
目的とする。 【構成】 本発明は、少なくとも非磁性着色剤含有樹脂
粒子と外添剤を含有するカラートナーとキャリアから形
成されるカラー現像剤において、該トナーが、外添剤
として、粒径が0.02〜0.2μmの範囲であり、疎
水化度が20〜80%である酸化チタン微粒子を含有す
るトナーであり、該キャリアが、キャリア芯材重量に
対して0.05〜5.0重量%の樹脂で被覆した重量平
均粒径10〜200μmのキャリアであり、かつ、該被
覆樹脂の数平均分子量(Mn)が1万〜20万の範囲に
あり、該樹脂のガラス転移温度(Tg)が55〜140
℃であり、該キャリアの透過法による比表面積をA(c
2 /g)、BET法による比表面積をB(cm2
g)としたとき、その比表面積比B/Aが1.1≦B/
A≦1.7である、ことを特徴とするカラー現像剤であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真法、あるいは静
電印刷法などにおいて電気的潜像、または磁気的潜像を
現像するのに用いられる現像剤に関し、とりわけ多色カ
ラー画像の画質を著しく改良したカラー現像剤を使用し
た多色電子写真用カラー現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法において、静電潜像を
トナーを用いて現像する方法としては大別してトナーを
キャリアと呼ばれる媒体に少量分散させたいわゆる二成
分系現像剤を用いる方法と、キャリアを用いることなく
トナー単独使用のいわゆる一成分系現像剤を用いる方法
とがある。
【0003】本発明は上記現像剤のうちトナーとキャリ
アからなる二成分系現像剤に関する。該二成分系現像剤
を構成するキャリアは、導電性キャリアと絶縁性キャリ
アに大別され、導電性キャリアとしては通常酸化又は未
酸化の鉄粉が用いられるが、この鉄粉キャリアを成分と
する現像剤においては、トナーに対する摩擦帯電性が不
安定であり、又、現像剤により形成される可視像にカブ
リが発生する欠点がある。
【0004】即ち、現像剤の使用に伴ない鉄粉キャリア
粒子の表面にトナーが付着、蓄積(スペント・トナー)
するため、キャリア粒子の電気抵抗が増大して、バイア
ス電流が低下し、しかも摩擦帯電性が不安定となり、こ
の結果形成される可視像の画像濃度が低下しカブリが増
大する。従って鉄粉キャリアを含有する現像剤を用いて
電子複写装置により連続的に複写を行なうと、少数回で
現像剤が劣化する為、現像剤を早期に交換する事が必要
となり、結局コストが高いものとなる。
【0005】また絶縁性キャリアとしては一般に鉄、ニ
ッケル、フェライト等の強磁性体より成るキャリア芯材
の表面を絶縁性樹脂により均一に被覆したキャリアが代
表的なものである。このキャリアを用いた現像剤におい
てはキャリア表面にトナー粒子が融着する事が導電性キ
ャリアの場合に比べて著しく少なく、同時にトナーとキ
ャリアとの摩擦帯電性を制御する事が容易であり耐久性
に優れ使用寿命が長い点で特に高速の電子複写機に好適
であるという利点がある。
【0006】しかしながら、この絶縁性キャリアにおい
ては、キャリア芯材表面を被覆する被覆層が均一でキャ
リアと共に用いられる特定のカラートナーとの摩擦によ
り、所望の大きさ、並びに極性の帯電状態が安定に得ら
れる事が要求される。すなわち樹脂被覆キャリアの表面
が不均一であると、かかるカラートナーとキャリアの摩
擦帯電が不安定となり、結果として複写後得られる可視
像の画質低下を招く。
【0007】それ故、樹脂被覆後のキャリア表面を均一
にする目的で、キャリア芯材自身の表面層を平滑化した
後に樹脂被覆をすることが試みられている。だがこの方
法によれば、確かにキャリア表面は均一化するもののキ
ャリア芯材と被覆樹脂との接着性が不安定となり、使用
できる被覆樹脂が接着性の良い樹脂だけに限られてしま
った。さらに被覆強度を高めるために、被覆樹脂量を多
めにすると、被覆樹脂の絶縁性のために、キャリア自身
がトナー粒子とは逆極性に強く帯電してしまい、背景部
へのキャリア付着の問題が生じてしまう。
【0008】この傾向は、トナー自身にリークサイトを
持たない非磁性カラートナーに顕著であり、とりわけ帯
電能の高いポリエステル系バインダーを使用した着色剤
含有樹脂粒子をトナーとして使用したとき、より増長さ
れ、特に低湿下において問題となる。
【0009】その対策としてこれまでにキャリアサイ
ド、トナーサイド(特にトナーの外添剤)双方から改良
の方向が検討されている。
【0010】キャリアサイドとしては、キャリア自身が
強く帯電するがために生じるキャリア付着を解消する目
的で、被覆樹脂中に例えば導電性のカーボンブラックな
どを分散させてキャリアに被覆することが提案されてい
るが、これまでのところ必ずしも安定な被覆状態が達成
されているとはいえず、長期使用によるカーボンブラッ
クなどの遊離によるカブリなどの新たな問題が生じてい
る。
【0011】このように、キャリア芯材表面層と樹脂被
覆キャリアの特性とは密接な関係があるが、キャリア芯
材の表面層などに関して、例えば特開昭61−1515
51号公報に、キャリアとして球状マグネタイトを使用
し、表面層を空孔率において限定しているが、該提案は
あくまで空孔の存在割合を開示したものであり、個々の
空孔の径にまで言及しておらずキャリア芯材の表面状態
を規定するには不適切である。
【0012】さらに、特開平2−108065号公報等
で、キャリア芯材表面の平均細孔径を限定しており、キ
ャリアとしての安定性、現像剤寿命は著しく向上してい
る。
【0013】しかしながら、上述の平均細孔径の限定で
はキャリア芯材へのレジンコート時のレジンの細孔への
浸み込み等は判断できず、試行錯誤によってレジンコー
トの最適条件を決定しているに過ぎなかった。
【0014】以上述べたように、キャリア芯材の表面状
態と電子写真特性、特に現像剤寿命とは相関が認められ
るが、必ずしもキャリアの生産安定性と現像剤品質、特
に多色カラー画像の品質安定性を両立するための条件は
極めて厳しいことが判明した。
【0015】一方、トナーサイドとしては、例えば帯電
性微粒子のごとき帯電補助剤をトナーに添加する技術と
して、特公昭52−32256号公報、特開昭56−6
4352号公報には、トナーと逆極性の樹脂微粉末を、
又特開昭61−160760号公報にはフッ素含有化合
物をそれぞれ現像剤に添加し、安定した摩擦帯電性を得
るという技術が提案されており今日でも多くの帯電補助
剤の開発が行なわれている。
【0016】更に上記のごとき帯電補助剤を添加する手
法としては色々工夫されている。例えばトナー粒子と帯
電補助剤との静電力或いは、ファンデルワールス力等に
よりトナー粒子表面に付着せしめる手法が一般的であ
り、撹拌、混合機等が用いられる。しかしながら、該手
法においては均一に添加剤をトナー粒子表面に分散させ
ることは容易ではなく、又トナー粒子に未付着で添加剤
同志が凝集物となって、いわゆる遊離状態となった添加
剤の存在を避けることは困難である。この傾向は、帯電
補助剤の比電気抵抗が大きい程、粒径が細かい程顕著と
なってくる。この様な場合、現像剤としての性能に影響
が出て来る。例えば、トナーの摩擦帯電量が不安定とな
り画像濃度が一定せず、又カブリの多い画像となる。或
いは連続コピー等を行うと帯電補助剤の含有量が変化し
初期時の画像品質を保持することが出来ない、などの欠
点を有していた。
【0017】他の添加手法としては、トナーの製造時に
結着樹脂や着色剤と共に、あらかじめ帯電補助剤を添加
する手法がある。しかしながら、荷電制御剤の均一化が
容易でないこと、又実質的に帯電性に寄与するのは、ト
ナー粒子表面近傍のものであり、又粒子内部に存在する
帯電補助剤や荷電制御剤は帯電性に寄与しないため、帯
電補助剤の添加量や表面への分散量等のコントロールが
容易ではない。又この様な手法で得られたトナーにおい
てもトナーの摩擦帯電量が不安定であり前述のごとく現
像剤特性を満足するものを容易に得ることは出来ないな
ど帯電補助剤を使用するだけでは十分満足な品質のもの
が得られていないのが実情である。
【0018】更に近年、複写機の高精細、高画質化の要
求が市場では高まっており、当該技術分野では、トナー
の粒径を細かくして高画質カラー化を達成しようという
試みがなされているが、粒径が細かくなると単位重量当
りの表面積が増え、トナーの帯電気量が大きくなる傾向
にあり、画像濃度薄や、耐久劣化が懸念されるところで
ある。加えてトナーの帯電気量が大きいために、トナー
同士の付着力が強く、流動性が低下し、トナー補給の安
定性や補給トナーへのトリボ付与に問題が生じてくる。
【0019】又、カラートナーの場合は、磁性体や、カ
ーボンブラック等の導電性物質を含まないので、帯電を
リークする部分がなく一般に帯電気量が大きくなる傾向
にある。この傾向は、特に帯電性能の高いポリエステル
系バインダーを使用したときにより顕著である。
【0020】又、特にカラートナーにおいては、下記に
示すような特性が強く望まれている。 (1)定着したトナーは、光に対して乱反射して、色再
現を妨げることのないように、トナー粒子の形が判別出
来ないほどのほぼ完全溶融に近い状態となることが必要
である。 (2)そのトナー層の下にある異なった色調のトナー層
を妨げない透明性を有する着色トナーでなければならな
い。 (3)構成する各トナーはバランスのとれた色相及び分
光反射特性と十分な彩度を有しなければならない。
【0021】このような観点から多くの結着樹脂に関す
る検討がなされているが未だ上記の特性を全て満足する
トナーは開発されていない。今日当該技術分野において
はポリエステル系の樹脂がカラー用結着樹脂として多く
用いられているが、ポリエステル系樹脂からなるトナー
は一般に温湿度の影響を受け易く、低湿下での帯電量過
大、高湿下での帯電量不足といった問題が起こり、広範
な環境においても安定した帯電量を有するカラートナー
の開発が急務とされている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決したカラー現像剤を提供することに
ある。
【0023】すなわち、本発明の目的は、温湿度等の環
境に左右されにくく、つねに安定した摩擦帯電性を有す
るカラー現像剤を提供することにある。
【0024】また別の目的は、カブリのない鮮明な画像
特性を有し、かつ耐久安定性に優れたカラー現像剤を提
供することにある。
【0025】また別の目的は、レジンコートの安定性に
すぐれ、品質の安定性にすぐれたキャリアおよびカラー
現像剤を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも非
磁性着色剤含有樹脂粒子と外添剤を含有するカラートナ
ーとキャリアから形成されるカラー現像剤において、
該トナーが、外添剤として、粒径が0.02〜0.2μ
mの範囲であり、疎水化度が20〜80%である酸化チ
タン微粒子を含有するトナーであり、該キャリアが、
キャリア芯材重量に対して0.05〜5.0重量%の樹
脂で被覆した重量平均粒径10〜200μmのキャリア
であり、かつ、該被覆樹脂の数平均分子量(Mn)が1
万〜20万の範囲にあり、該樹脂のガラス転移温度(T
g)が 55〜140℃であり、該キャリアの透過法に
よる比表面積をA(cm2 /g)、BET法による比表
面積をB(cm2 /g)としたとき、その比表面積比B
/Aが 1.1≦B/A≦1.7 である、ことを特徴とするカラー現像剤である。
【0027】以下、本発明現像剤の各構成要素を詳述す
る。
【0028】キャリアコートレジンのTgが上述の範囲
であるのは、以下の理由による。即ち、55℃より低い
Tgを持つキャリアコートレジンでは、芯材との付着性
においては優れているが、キャリアへのトナー付着(ス
ペント)を起こしやすく、また特に高温条件下において
樹脂の硬化度が不十分で、キャリア単体としての流動性
が悪くなり、帯電付与能が低下し、問題である。一方、
55℃より高いTgにおいては、Tgが高くなるにつれ
てトナー付着の耐性は向上するが、芯材への付着性は低
下してくる。特に140℃を越える樹脂については、非
常に付着性が弱くなり、Tg以上に加熱しても芯材から
レジンが剥離したり、ヒビ割れが発生したりしてしま
う。
【0029】故に、本発明のコートレジンのTgは55
℃〜140℃が良く、好ましくは、60℃〜120℃で
ある。
【0030】本発明において最も安定にコーティングを
行うためには、コートレジン中に残存モノマーを50〜
3000ppm含有させることが必要である。特にTg
の高いものほどより多く含有させることで良い結果が得
られることが判明した。これは、Tgが上昇する事によ
る付着性の低下を残存モノマーを存在させる事によって
補う構成になっているためである。ただし、Tgが14
0℃を越える樹脂については、樹脂中に残存モノマーを
存在させても耐刷中の劣化を抑えることが困難であるこ
とがわかっている。
【0031】樹脂中に残存モノマーを一定範囲量含む樹
脂をコートしたキャリアが帯電の安定化に極めて効果的
である理由は、明らかではないが恐らく残存モノマーが
コート時にポリマーと芯材との間にわずかに存在する
為、ポリマーの芯材表面へのぬれ性が増加し、モノマー
が存在しない場合に比べて均一にポリマーを付着させら
れるということがあげられる。
【0032】しかし、残存モノマーが多すぎると逆にコ
ア材への付着強度が下がるという弊害を生じる事から、
本発明におけるコート樹脂中の残存モノマーの含有量
は、コート樹脂の総量に対して50〜3000ppmに
管理する必要がある。好ましくは50〜1500ppm
であり、より好ましくは50〜1000ppmである。
【0033】残存するモノマーの含有量が50ppmに
満たない場合、キャリア芯材に対して塗布ムラが生じや
すく、また、芯材への樹脂の付着力が弱くなり、耐久中
において、コート材に剥離によるトリボの低下によるト
ナーの非画像部への付着であるいわゆる地カブリを生じ
る。
【0034】また、残存するモノマーの含有量が300
0ppmを越えた場合には、現像剤の長期使用において
帯電量の低下が著しく、トナー飛散や濃度低下が発生す
る。この様な傾向はトナー補給量が多い画像面積比率の
高い原稿を用いた場合などにおいて、より一層顕著に現
れる。なお、本発明における樹脂中に残存するモノマー
の定量はガスクロマトグラフィーなどを用いて行うこと
ができる。
【0035】本発明におけるコート樹脂としては、数平
均分子量(Mn)が1万〜20万のものが良く、好まし
くは2万〜15万である。数平均分子量が20万を超え
るものを使用した場合にはコア材との密着性が悪く、帯
電の立上がりも遅いため、ランニング時の帯電量が低下
し、その結果カブリの早期発生並びに機内汚染を生ずる
ので望ましくない。一方、数平均分子量が1万に満たな
いものを使用した場合にはコート層の内部破壊に基く剥
離が著しく、キャリアひいては現像剤の短寿命化の原因
となるので好ましくない。
【0036】さらに、コート樹脂の分子量分布も重要で
あり、本発明においては、芯材への樹脂の安定的な付着
の為に、重量平均分子量が少なくとも数平均分子量の2
倍以上8倍以下の値を持つことが望まれる。
【0037】その理由は未だ明らかではないが、重量平
均分子量が数平均分子量の2倍未満の値であると、分子
量分布がシャープであるが、コート時の芯材への付着力
が弱くなる傾向が見られる。また、重量平均分子量が数
平均分子量の8倍を超える様な場合には、芯材への付着
力は十分であるが、キャリアがトナー汚染しやすくな
り、耐刷後のキャリア表面に付着しているトナーが多
く、トリボも低下してくる傾向にある。
【0038】コート樹脂として用いられる重合体成分と
しては以下のようなものを使用することができる。
【0039】即ち、スチレン、メチルスチレン、ジメチ
ルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジ
エチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレ
ン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、へプチルスチ
レン、オクチルスチレンなどのアルキルスチレン、フロ
ロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロ
モスチレン、ヨードスチレンなどのハロゲン化スチレ
ン、更にニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシ
スチレンなどのスチレン系モノマー;アクリル酸、メタ
クリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、α−メ
チルクロトン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン
酸、チグリン酸、ウンゲリカ酸などの付加重合性不飽和
脂肪族モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、ジヒ
ドロムコン酸などの付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン
酸;前記付加重合性不飽和カルボン酸とアルコール、例
えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルア
ルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキ
シルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコ
ール、ノニルアルコール、ドデシルアルコール、テトラ
デシルアルコール、ヘキサデシルアルコールなどのアル
キルアルコール、これらアルキルアルコールを一部ハロ
ゲン化したハロゲン化アルキルアルコール、メトキシエ
チルアルコール、エトキシエチルアルコール、エトキシ
エトキシエチルアルコール、メトキシプロピルアルコー
ル、エトキシプロピルアルコールなどのアルコキシアル
キルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチル
アルコール、フェニルプロピルアルコールなどのアラル
キルアルコール、アリルアルコール、クロトニルアルコ
ールなどのアルケニルアルコール等、とのエステル化
物、特にアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸ア
ルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、マレイン
酸アルキルエステル等が好ましい例である;前記付加重
合性不飽和カルボン酸より誘導されるアミドおよびニト
リル;エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレンな
どの脂肪族モノオレフィン;塩化ビニル、臭化ビニル、
ヨウ化ビニル、1,2−ジクロロエチレン、1,2−ジ
ブロモエチレン、1,2−ジヨードエチレン、塩化イソ
プロペニル、臭化イソプロペニル、塩化アリル、臭化ア
リル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデ
ンなどのハロゲン化脂肪族オレフィン;1,3−ブタジ
エン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ブ
タジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
2,4−ヘキサジエン、3−メチル−2,4−ヘキサジ
エンなどの共役ジエン系脂肪族ジオレフィン;2−ビニ
ルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メ
チルピリジン、2−ビニル−5−メチルピリジン、4−
ブテニルピリジン、4−ペンチルピリジン、N−ビニル
ピペリジン、4−ビニルピペリジン、4−ビニルピペリ
ジン、N−ビニルジヒドロピリジン、N−ビニルピロー
ル、2−ビニルピロール、N−ビニルピロリン、N−ビ
ニルピロリジン、2−ビニルピロリジン、N−ビニル−
2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビ
ニルカルバゾール等の含窒素ビニル系モノマーを例示す
ることができる。これらは単独でもしくは2種以上の組
合せで使用することができる。
【0040】コート樹脂を製造するのに用いる重合開始
剤としては、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合
物や、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペ
ルオキシド、ジクミルぺルオキシド、ジ−t−ブチルペ
ルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の
過酸化物等の公知の開始剤が使用される。この他にγ−
線、加速電子線のようなイオン化放射線や各種増感剤と
の組み合わせも使用される。
【0041】アゾ化合物、過酸化物等の重合開始剤の配
合量は、所謂触媒適量でよく、一般に仕込み単量体当た
り0.1乃至10重量%の量で用いるのがよい。重合反
応温度は公知のそれでよく、一般に40乃至140℃の
温度で充分である。尚、反応系の撹拌は、全体として均
質な反応が生ずるような緩和な撹拌でよく、又酸素によ
る重合抑制を防止するために、反応系を窒素等の不活性
ガスで置換して重合を行ってもよい。そして、得られた
重合体を回収し、そして必要に応じて単量体と相溶性が
あり、重合体成分は溶解させない揮発性の高い溶媒中に
重合体を浸漬して、撹拌操作を行う。
【0042】好ましい溶媒としては、生成される樹脂粒
子の樹脂成分及び使用する重合性単量体によって便宜選
択されるが、水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノー
ル、ヘキサノール、オクタノール等のアルコール類、n
−ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオク
タン、デカン、2,2’−ジメチルブタン、シクロヘキ
サン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエ
タン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化
水素、ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、アセ
トニトリル、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジ
エチルホルムアミド等の種々の溶媒が使用される。上記
溶媒は単独で使用してもよいが、樹脂によっては2種以
上の混合溶媒として使用できる。
【0043】また、処理時間としては0.01乃至5時
間程度で残留する単量体を所要量を残して抽出させる操
作を行なう。
【0044】そして、この浸漬・撹拌処理された重合体
は濾過し、キャリアコート用樹脂とする。このようにし
て得られた樹脂は残留する単量体が適量含有され、そし
て耐久性、帯電安定性に優れたキャリアコート用樹脂と
なる。
【0045】本発明によるコート樹脂のキャリア芯材に
対する塗布量は、樹脂固型分が0.05重量%〜30重
量%、好ましくは0.2重量%〜10重量%である。
0.05重量%未満では、キャリア芯材の樹脂による被
覆効果が十分でなく、30重量%を超える塗布量は無意
味であり、また製造上からも過剰な樹脂が単独で存在す
る場合もあり、好ましくない。
【0046】本発明のキャリアにおいては、透過法によ
る比表面積をA(cm2 /g)、BET法による比表面
積をB(cm2 /g)としたときその比表面積比B/A
が 1.1≦B/A≦1.7 であることも一つの特徴である。
【0047】すなわち、比表面積比が上述の範囲にある
ことにより、キャリア自身が適度な凹凸を有し、トナー
の搬送能力が向上し、トナー粒子の帯電が均一かつ安定
に維持される。この傾向は、写真原稿などの画像面積比
率の大きいオリジナルを使用した際より効果的である。
さらに、キャリア自身が適度に凹凸を有していること
は、混練・粉砕・分級工程を有するいわゆる粉砕トナー
のように凹凸を有するトナーにおいて、凹部をも均一に
帯電させるのに有効である。
【0048】本発明において上述の範囲の比表面積比B
/Aを達成するためには、キャリア芯材の比表面積比D
/C(C:透過法による比表面積、D:BET法による
比表面積)を1.2〜2.5にすることが好ましい。
【0049】すなわち、D/Cが1.2より小さいと、
レジンをコートしたとき、表面が平滑になりすぎて、本
発明のB/Aを達成するためには、非常に少量のレジン
しか使用できず、結果として、満足のいくレジンコート
が達成されず、帯電不良、キャリア付着などの問題が発
生してしまう。一方、D/Cが2.5より大きいと、レ
ジンコート時に、芯材へのレジンの浸み込みが不安定と
なり、同一条件でレジンコートを行っても、その都度、
性能が一定せず生産性の低下が生じてしまう。
【0050】尚、本発明におけるキャリア芯材の比表面
積は、コートキャリアを600℃で加熱処理した後のキ
ャリアを測定した値を適用しても良い。
【0051】また、用いるキャリア芯材の重量平均粒径
は17〜200μm、好ましくは20〜65μmである
(キャリアの粒径分布の測定はJIS−H2601に基
く。)。また、平均粒径は得られた粒度分布測定値よ
り、下式に従って求める。
【0052】
【数1】 本発明に用いられる磁性粒子の材質としては、98%以
上のCu−Zn−Fe(金属組成比(5〜20):(5
〜20):(30〜80))の組成からなるフェライト
粒子が、表面均一化が容易で帯電能が安定するためには
好ましいが、特に限定されず、他にも偏平状,海綿状,
コイン状,球状,真球状等種々の形状の酸化鉄粉,銅,
マンガン,コバルト,ニッケル,亜鉛,スズ,マグネシ
ウム,鉛,ストロンチウム,バリウム,リチウム等の中
から一つ又は複数含有して成るフェライト,種々の樹脂
と磁性粉との混合物からなる粒子等を使用することがで
きる。
【0053】コア材料への樹脂コーティングのために
は、例えば前記のように製造した重合体の1種または2
種以上の混合物を適当な溶媒に溶解し得られる溶液中に
コア材料を浸漬し、しかる後に脱溶媒、乾燥、高温焼付
けする方法、あるいはコア材料を流動化床中で浮遊さ
せ、前記共重合体溶液を噴霧塗布し、乾燥、高温焼付け
する方法等を利用することができる。これら方法におい
て、高温焼付け処理は残存モノマーを除くという意味
と、コア材料と共重合体層との密着強度を高めるという
観点から約80〜240℃での処理をすることが好まし
い。
【0054】本発明において、トナーとキャリアとの混
合比率は現像剤中のトナー濃度として、1.0重量%〜
12重量%、好ましくは2重量%〜9重量%にすると通
常良好な結果が得られる。トナー濃度が1.0重量%未
満では画像濃度が低く実用不可となり、12重量%を超
える場合ではカブリや機内飛散を増加せしめ、現像剤の
耐用寿命を短める。
【0055】さらに、本発明においてはトナー中の外添
剤として、粒径0.02〜0.2μm、疎水化度20〜
80%である酸化チタン微粒子を含有することも一つの
特徴である。
【0056】すなわち、上述の酸化チタン微粒子が帯電
の安定化、流動性付与の点で極めて有効であるのを見出
したのである。これは、一般に知られている流動向上剤
としての疎水性シリカでは達成できなかったものであ
る。その理由としては、シリカ微粒子がそれ自身強いネ
ガ性であるのに対して、酸化チタン微粒子はほぼ中性で
あることに起因する。
【0057】酸化チタンの疎水化度を20〜80%にす
るために、特に水系中でシリコンオイルまたはシリコン
ワニスで表面処理を行うことが好ましい。従来より疎水
性酸化チタンを添加することが提案されているが、酸化
チタン微粒子は本来表面活性がシリカに比べて小さく、
疎水化は必ずしも十分に行われていなかった。また、処
理剤等を多量に使用したり、高粘性の処理剤等を使用し
た場合、疎水化度は確かに上がるものの、粒子同士の合
一等が生じ、流動性付与能が低下するなど、帯電の安定
化と流動性付与の両立は必ずしも達成されていなかっ
た。
【0058】しかるに本発明は水系中で酸化チタン微粒
子を機械的に一次粒径となるよう分散しながらシリコン
オイルまたはシリコンワニスで表面処理するため、気相
中で処理するより、粒子同士の合一が生じにくく、ま
た、処理による粒子間の帯電反発作用が働き、チタン微
粒子はほぼ一次粒子の状態で表面処理されることがわか
った。
【0059】本発明をより一層効果的にするためには、
さらに気相中で低粘性のカップリング剤で粒子同士が合
一しないよう表面処理をすることが有効である。これ
は、水系中の処理で残存する酸化チタンの官能基をカッ
プリング剤で封止することが目的であったが、驚くべき
ことにその反応性は、一旦水系中で処理されているため
に、非常に高いことが見出せた。この理由としてはいま
だ明確ではないがあらかじめ水系中で有機処理してある
ために、カップリング剤の反応基以外の部位と酸化チタ
ン微粒子の親油基の部位とのなじみが良好で、反応効率
が高められるからであると推測される。したがって、本
発明においては、低粘性から高粘性まで非常に広い範囲
でカップリング剤が選択でき、帯電能、流動性付与能の
点で非常に有効である。
【0060】本発明において、酸化チタン微粒子の疎水
化度は20〜80%、好ましくは30〜70%が良い。
疎水化度は20%より小さいと、高湿下での長期放置に
よる帯電量低下が大きく、ハード側での帯電促進の機構
等が必要となり、装置の複雑化となり、また、80%を
超えると酸化チタン微粒子自身の帯電コントロールが難
しくなり、結果として低湿下でトナーがチャージアップ
してしまう。
【0061】また、粒径としては流動性付与の点から
0.02〜0.2μm、好ましくは0.02〜0.1μ
mが良い。粒径が0.2μmより大きいと流動性不良に
よるトナー帯電が不均一となり、結果として、トナー飛
散、カブリ等が生じてしまう。また0.02μmより小
さいとトナー表面に埋め込まれやすくなり、トナー劣化
が早く生じてしまい耐久性が逆に低下してしまう。この
傾向は、本発明に用いられるシャープメルト性のカラー
トナーにおいてより顕著である。
【0062】本発明に用いられるシリコンオイルとして
は、特に制約はないが、一般式
【0063】
【化1】 (R ,R はCH またはOH)で表わされる
ジメチルポリシロキサンタイプ、 一般式
【0064】
【化2】 で表わされるメチルハイドロジェンポリシロキサンタイ
プ、一般式
【0065】
【化3】 で表わされるメチルフェニルポリシロキサンタイプ、な
どが使用できる。さらに必要に応じて、アルキル変性、
アミノ変性、エポキシ変性、エポキシ・ポリエーテル変
性、カルボキシル変性、メルカプト変性、アルコール変
性、フッ素変性等を行ってもよい。
【0066】上記シリコンオイルは、25℃における粘
度が50〜1000センチストークスのものが好まし
い。50センチストークス未満では揮発分が多く、処理
効果が長続きしない。また1000センチストークスを
超えると、水系中で均一処理が難しくなり処理効率が極
端に悪化してしまう。
【0067】本発明に用いられるシリコンワニスも、2
5℃における粘度が50〜1000センチストークスで
あれば何ら構わない。
【0068】本発明におけるシリコンオイルまたはシリ
コンワニスの処理量は固型分比で、チタン100重量部
に対して、1〜40重量部、好ましくは2〜30重量部
が良い。
【0069】本発明に用いられるシランカップリング剤
は一般式 Rm SiYn R:アルコオキシ基又は、塩素原子 m:1〜3の整数 Y:アルキル基ビニル基,グリシドキシ基,メタクリル
基を含む炭化水素基 n:3〜1の整数 で表わされるもので例えば代表的にはジメチルジクロル
シラン,トリメチルクロルシラン,アリルジメチルクロ
ルシラン,ヘキサメチルジシラザン,アリルフェニルジ
クロルシラン,ベンジルジメチルクロルシラン,ビニル
トリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,ジビ
ニルクロルシラン,ジメチルビニルクロルシラン等をあ
げることができる。
【0070】上記微粉体のシランカップリング剤処理
は、微粉体を撹拌等によりクラウド状としたものに気化
したシランカップリング剤を反応させる乾式処理するこ
とができる。シランカップリング剤は、微粉体100重
量部に対し、1〜20重量部、さらに好ましくは3〜1
0重量部処理することが良い。
【0071】本発明においては、外添剤として、着色剤
含有樹脂粒子とは逆極性で、平均粒径0.5〜0.02
μ、好ましくは粒径0.2〜0.02μ及び0.3〜
0.8μに2つのピークを持つ有機樹脂粒子を添加する
とより一層効果が有る。
【0072】その理由としては、本発明で用いるトナー
のチャージアップが、前述の有機樹脂粒子によって中和
されるからである。
【0073】更に、この有機樹脂粒子を添加することに
より、トナーの帯電の立ち上がりが促進され、初期から
非常に安定した帯電特性が達成される。
【0074】この理由は、未だ明確ではないが、以下の
ように推察される。すなわち、有機樹脂粒子はキャリア
の如き帯電付与部材とトナーの摺擦当初には、着色剤含
有樹脂粒子よりもむしろ帯電付与部材側に強く引き付け
られ帯電している。それ故、逆極性の着色剤含有樹脂粒
子の帯電の立ち上がりが促進される。一方、一旦立ち上
がった後は、逆に帯電付与部材よりも着色剤含有樹脂粒
子に強く引き付けられ、過度の帯電を中和する機能が働
きしたがって、本発明の構成のトナーは、帯電の立ち上
がり及び飽和帯電量レベルが種々の環境で良好且つ安定
に維持できるのである。
【0075】上述の作用をより一層効果的にするために
は、有機樹脂粒子の粒径は0.02〜0.2μ及び0.
3〜0.8μに2つのピークを持つことが好ましい。さ
らに大きい方のピークの存在比率としては、20重量%
以下、2重量%以上好ましくは、13重量%以下、3重
量%以上が良い。粒径が上記範囲より小さいと、有機樹
脂粒子は、着色剤含有樹脂粒子に強く付着しすぎたり、
埋め込まれたりして上述の効果が消失してしまう。一方
上記範囲より大きいと、分散が不均一となったり、遊離
したりして効果が消失してしまう。
【0076】本発明においては、その性能を確実に発揮
し、安定な負帯電性を有するためには、着色剤含有樹脂
粒子に対して0.1〜5.0重量%含有することが好ま
しい。
【0077】更に、トナーを小径化した場合も、本発明
の有機樹脂粒子は好適である。
【0078】すなわち、トナーを小径化すると、トナー
とキャリアの接触点が増え、キャリアスペントが起こり
易くなったり、トナーとトナーの接触点が増え、トナー
ブロッキングが起り易くなる。これに対して、有機樹脂
粒子として0.2〜0.02μと適度な大きさの球形の
有機樹脂粒子が良好なスペーサーとなり、良い効果を及
ぼす。トナーブロッキングに対しては、逆極性樹脂粒子
の材質をトナー樹脂よりもTgの高いものを用いるとよ
り一層効果的である。
【0079】先に述べたように、逆極性の樹脂粒子をト
ナーに添加する例はいくつか見られ、例えば、特開昭5
4−45135号公報や、特公昭52−32256号公
報では、トナー粒子より小さな無色の樹脂粒子の添加が
提案されている。
【0080】しかし、これらの例では、トナーと逆極性
樹脂粒子は、別々に挙動し、現像時にトナーは潜像部に
付着するのに対して逆極性樹脂粒子は背景部に付着する
としている。
【0081】すなわち、逆極性樹脂粒子は、トナーの帯
電を助長する働きをしていることになる。しかしなが
ら、本発明では、トナー粒径に対して十分小さな逆極性
樹脂粒子を用い、最終的にトナーと強く付着させ、一体
となって現像し、転写残留物中に0.3〜0.8μと比
較的粗い側の樹脂粒子を適度に残留させて、クリーニン
グ性を向上させていることに特徴があるので前述の発明
とは異なるものである。
【0082】更に最近では、特開平1−113767号
公報のようにシリカと有機樹脂粒子を同時に使用する系
が提案されているが、これらは、ドラムとトナーの付着
力を弱めるために使用されているものである。しかる
に、本発明においてはドラムの側に付着力を弱める機能
を有する構成において、クリーニング特性を更に高める
目的、すなわち、ドラム上の異物を適度に除去する目的
のために、使用していることに特徴があるので、前記の
発明とは異なるものである。
【0083】また特公平2−3172号公報等で、トナ
ーの帯電を低下させない目的のために、使用する系が提
案されているが、本発明ではむしろ帯電が過大になり易
い非磁性カラートナーに対して積極的に用いて帯電を下
げているものであり異なった発明である。
【0084】本発明に用いられる逆極性樹脂粒子を構成
するモノマーは特に限定されるものではないが、トナー
の帯電量等を考慮し選択する必要がある。本発明に用い
ることのできる付加重合性を有するモノマーの具体例と
して次の各モノマーを挙げることができる。
【0085】即ち、スチレン及びその誘導体、例えばメ
チルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレ
ン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルス
チレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシル
スチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレンの如き
アルキルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、
ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレンの
如きハロゲン化スチレン、更にニトロスチレン、アセチ
ルスチレン、メトキシスチレン等が挙げられる。
【0086】又、付加重合性不飽和カルボン酸類、即ち
アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、ク
ロトン酸、α−メチルクロトン酸、α−エチルクロトン
酸、イソクロトン酸、チグリン酸、ウンゲリカ酸の如き
付加重合性不飽和脂肪族モノカルボン酸、又はマレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン
酸、グルタコン酸、ジヒドロムコン酸の如き付加重合性
不飽和脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。
【0087】また、これらカルボン酸の金属塩化したも
のも用いることができ、この金属塩化は重合終了後に行
うことができる。
【0088】また、前記付加重合性不飽和カルボン酸と
アルキルアルコール、ハロゲン化アルキルアルコール、
アルコキシアルキルアルコール、アラルキルアルコー
ル、アルケニルアルコールの如きアルコールとのエステ
ル化物等が挙げられる。そして、上記アルコールの具体
例としてメチルアルコール、エチルアルコール、プロピ
ルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、
ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルア
ルコール、ノニルアルコール、ドデシルアルコール、テ
トラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコールの如き
アルキルアルコール;これらアルキルアルコールを一部
ハロゲン化したハロゲン化アルキルアルコール;メトキ
シエチルアルコール、エトキシエチルアルコール、エト
キシエトキシエチルアルコール、メトキシプロピルアル
コール、エトキシプロピルアルコールの如きアルコキシ
アルキルアルコール;ベンジルアルコール、フェニルエ
チルアルコール、フェニルプロピルアルコールの如きア
ラルキルアルコール;アリルアルコール、クロトニルア
ルコールの如きアルケニルアルコールが挙げられる。
【0089】また、前記付加重合性不飽和カルボン酸よ
り誘導されるアミド及びニトリル;エチレン、プロピレ
ン、ブテン、イソブチレンの如き脂肪族モノオレフィ
ン;塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、1,2−
ジクロルエチレン、1,2−ジブロムエチレン、1,2
−ジヨードエチレン、塩化イソプロペニル、臭化イソプ
ロペニル、塩化アリル、臭化アリル、塩化ビニリデン、
弗化ビニル、弗化ビニリデンの如きハロゲン化脂肪族オ
レフィン;1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエ
ン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチ
ル−1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエン、3−
メチル−2,4−ヘキサジエンの如き共役ジエン系脂肪
族ジオレフィンが挙げられる。
【0090】更に酢酸ビニル類、ビニルエーテル類;ビ
ニルカルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリドン
等の含窒素ビニル化合物が挙げられる。
【0091】本発明に係る微粉末にはこれらモノマー1
種又は2種以上を重合したものを用いることができる。
【0092】本発明に用いる逆極性樹脂粒子は1種類だ
けを用いることに限定されるものではなく、複数の種類
を併用することができる。
【0093】また、本発明に用いられる逆極性樹脂粒子
の製造方法としては、スプレードライ法,懸濁重合法,
乳化重合法,ソープフリー重合法,シード重合法,機械
粉砕法など、球形微粒子を製造できる方法ならどの方法
でも用いることができる。この中で特に適しているもの
として、残存乳化剤が皆無である為、トナーの帯電性を
阻害せず比電気抵抗の環境変動が少ないソープフリー重
合法が挙げられるが特に限定されるものではない。
【0094】本発明に用いる樹脂粒子を2ピークにする
には、2種の粒子を乾式ブレンド或いは湿式ブレンド後
乾燥させても良いが、好ましくは、重合後にエマルジョ
ンの状態からの乾燥時に、一次粒子を適度に合一させ、
2ピークを達成することがより好ましい。更に必要に応
じて、熱処理或いは解砕処理を施しても良い。
【0095】逆極性樹脂粒子は、必要に応じて粒子表面
処理を施しても良い。表面処理の方法としては、鉄,ニ
ッケル,コバルト,銅,亜鉛,金,銀等の金属を蒸着法
やメッキ等で表面処理する方法、又は上記金属や磁性
体、導電性酸化亜鉛等の金属酸化物などをイオン吸着
や、外添などにより固定させる方法、顔料又は染料、さ
らには重合体樹脂等々摩擦帯電可能な有機化合物をコー
ティングや外添などにより担持させても良い。
【0096】また、本発明に用いる逆極性樹脂粒子の分
子量分布は、ピーク分子量が1万〜500万の範囲にあ
る必要があり、好ましくは、2万〜100万の範囲にあ
るのが良い。ピーク分子量が500万より大きい場合
は、カラートナーの定着性に悪影響を与え、1万よりも
小さい場合には、磁性粒子を汚染したり、耐ブロッキン
グ性が悪くなる。
【0097】本発明に係るトナーには、荷電特性を安定
化するために荷電制御剤を配合しても良い。その際トナ
ーの色調に影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が
好ましい。その際の負荷電制御剤としては例えばアルキ
ル置換サリチル酸の金属錯体(例えばジ−tert−ブ
チルサリチル酸のクロム錯体又は亜鉛錯体)の如き有機
金属錯体が挙げられる。負荷電制御剤をトナーに配合す
る場合には結着樹脂100重量部に対して0.1〜10
重量部、好ましくは0.5〜8重量部添加するのが良
い。
【0098】本発明に使用される着色剤としては、公知
の染顔料、例えばフタロシアニンブルー、インダスレン
ブルー、ピーコックブルー、パーマネントレッド、レー
キレッド、ローダミンレーキ、ハンザイエロー、パーマ
ネントイエロー、ベンジンイエロー等広く使用すること
ができる。その含有量としては、OHPフィルムの透過
性に対し敏感に反映するよう結着樹脂100重量部に対
して12重量部以下であり、好ましくは0.5〜9重量
部である。
【0099】本発明のトナーには必要に応じてトナーの
特性を損ねない範囲で添加剤を混合しても良いが、その
ような添加剤としては、例えばテフロン、ステアリン酸
亜鉛、ポリフッ化ビニリデンの如き滑剤、或いは定着助
剤(例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピ
レンなど)等がある。
【0100】本発明のトナーの製造にあたっては、熱ロ
ール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機によっ
て構成材料を良く混練した後、機械的な粉砕、分級によ
って得る方法、或いは結着樹脂溶液中に着色剤等の材料
を分散した後、噴霧乾燥することにより得る方法、又
は、結着樹脂を構成すべき単量体に所定材料を混合した
後、この乳化懸濁液を重合させることによりトナーを得
る重合トナー製造法等それぞれの方法が応用できる。
【0101】本発明の着色剤含有樹脂粒子に使用する結
着物質としては、従来電子写真用トナー結着樹脂として
知られる各種の材料樹脂が用いられる。
【0102】例えば、ポリスチレン、スチレン・ブタジ
エン共重合体、スチレン・アクリル共重合体等のスチレ
ン系共重合体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体のような
エチレン系共重合体、フェノール系樹脂、エポキシ系樹
脂、アクリルフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエ
ステル樹脂、マレイン酸系樹脂等である。また、いずれ
の樹脂もその製造方法等は特に制約されるものではな
い。
【0103】これらの樹脂の中で、特に負帯電能の高い
ポリエステル系樹脂を用いた場合、本発明の効果は絶大
である。すなわち、ポリエステル系樹脂は、定着性に優
れ、カラートナーに適している反面、負帯電能が強く帯
電が過大になりやすいが、本発明の構成にポリエステル
樹脂を用いると弊害は改善され、優れたトナーが得られ
る。
【0104】特に、次式
【0105】
【化4】 (式中Rはエチレン又はプロピレン基であり、x,yは
それぞれ1以上の整数であり、かつx+yの平均値は2
〜10である。)で代表されるビスフェノール誘導体も
しくは置換体をジオール成分とし、2価以上のカルボン
酸又はその酸無水物又はその低級アルキルエステルとか
らなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸など)とを共縮重合したポリエス
テル樹脂がシャープな溶融特性を有するのでより好まし
い。
【0106】本発明において、キャリア表面への被覆樹
脂としては電気絶縁性樹脂を用いるが、トナー材料、キ
ャリア芯材材料により適宜選択される。本発明において
は、キャリア芯材表面との接着性を向上するために、少
なくともアクリル酸(又はそのエステル)単量体及びメ
タクリル酸(又はそのエステル)単量体から選ばれる少
なくとも一種の単量体を含有することが望ましい。特に
トナー材料として、負帯電能の高いポリエステル樹脂粒
子を用いた場合帯電を安定する目的で更にスチレン系単
量体との共重合体とすることが好ましく、スチレン系単
量体の共重合重量比を5〜70重量%とすることが好ま
しい。
【0107】本発明に使用できるキャリア芯材の被覆樹
脂用モノマーとしては、スチレン系モノマーとしては、
例えばスチレンモノマー、クロロスチレンモノマー、α
−メチルスチレンモノマー、スチレン−クロロスチレン
モノマーなどがあり、アクリル系モノマーとしては、例
えばアクリル酸エステルモノマー(アクリル酸メチルモ
ノマー、アクリル酸エチルモノマー、アクリル酸ブチル
モノマー、アクリル酸オクチルモノマー、アクリル酸フ
ェニルモノマー、アクリル酸2エチルヘキシルモノマ
ー)などがあり、メタクリル酸エステルモノマー(メタ
クリル酸メチルモノマー、メタクリル酸エチルモノマ
ー、メタクリル酸ブチルモノマー、メタクリル酸フェニ
ルモノマー)などがある。
【0108】以下に本発明における測定方法について述
べる。 1)摩擦帯電量の測定方法 測定法を図面を用いて詳述する。
【0109】図1はトナーのトリボ電荷量を測定する装
置の説明図である。先ず、底に500メッシュのスクリ
ーン1のある金属製の測定容器2に摩擦帯電量を測定し
ようとするトナーとキャリアの重量比1:19の混合物
50gを50〜1000ml容量のポリエチレン製のビ
ンに入れ、30回および500回手で振盪し、該混合物
(現像剤)約0.5〜0.9gを入れ金属製のフタ3を
する。このときの測定容器2全体の重量を秤りW1
(g)とする。次に、吸引機4(測定容器2と接する部
分は少なくとも絶縁体)において、吸引口5から吸引し
風量調節弁6を調整して真空計7の圧力を250mmA
qとする。この状態で充分、好ましくは約2分間吸引を
行いトナーを吸引除去する。このときの電位計8の電位
をV(ボルト)とする。ここで9はコンデンサーであり
容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定容器全体
の重量を秤りW2 (g)とする。このトナーの摩擦帯電
量(μc/g)は下式の如く計算される。
【0110】 トナーの摩擦帯電量(μc/g)=C×V/(W1 −W2 ) 2)樹脂中に残存するモノマーの定量方法 ガスクロマトグラフィー(島津GC−15A)による。
標準成分として、重合体を得るのに用いたモノマー(メ
チルメタクリレートなど)を用いる。DMF入りアセト
ンに測定する樹脂をとり、超音波洗浄器中に30分放置
後、ろ過、注入し、カラム:J&W社DB−1を使用し
て内部標準法により測定する。 3)分子量分布の測定法 本発明において、THFを溶媒としたGPC(ジェルパ
ーメイションクロマトグラフィ)によるクロマトグラム
の分子量分布は次の条件で測定される。
【0111】すなわち、40℃のヒートチャンバ中でカ
ラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒と
してTHF(テトラハイドロフラン)を毎分1mlの流
速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定
する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分
子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により
作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算
出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料として
は、たとえば、東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分
子量が102 〜107 程度のものを用い、少なくとも1
0点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当であ
る。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
なおカラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラム
を複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和電工社製
のshodex GPC KF−801,802,80
3,804,805,806,807,800Pの組み
合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(H
XL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),
G4000H(HXL),G5000H(HXL),G60
00H(HXL),G7000H(HXL),TSKgua
rdcolumnの組み合わせを挙げることができる。
【0112】また試料は以下のようにして作製する。
【0113】試料をTHF中に入れ、数時間放置した後
十分に振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなく
なるまで)、更に12時間以上静置する。このときTH
F中への放置時間が24時間以上となるようにする。そ
の後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.45〜
0.5μm,たとえば、マイショリディスクH−25−
5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン
サイエンスジャパン社製などが利用できる)を通過さ
せたものを、GPCの試料とする。また試料濃度は、樹
脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。 4)透過法による比表面積の測定方法 測定装置は島津製作所製粉体比表面積測定装置(SS−
100型)を使用し、以下の手順で行う。 (1)プラスチック試料筒にフルイ板を入れその上にロ
紙を一枚敷き、その上に試料を試料筒の1/3まで入れ
る。 (2)試料筒をパウダーテスターのタップ架台にセット
し、1分間タッピングする。 (3)さらにタップした試料筒に、試料を試料筒の2/
3まで入れる。 (4)上記(2)と同様の操作を行なう。 (5)試料筒の上に補足筒(プラスチック)を差し込
み、試料をその上から山盛りに入れる。 (6)上記と同様の操作を行なう。 (7)タップした試料筒から補足筒を抜き取り余分の試
料をヘラでカットする。 (8)比表面積の測定管のS目盛まで水を満たす。 (9)試料筒を測定管に接続する。(試料充填後、すり
合わせ面にグリスを塗る。) (10)下部流出口のコックを開き、測定管の水面が0
目盛を通過する時にストップウォッチを始動させる。
(下部流出水はビーカーで受ける。) (11)20目盛(単位はcc)まで水面が低下する時
間を計る。 (12)試料筒を取り外し、試料の重量を測定する。 (13)下記の計算式で比表面積を導出する。
【0114】
【数2】 SW=粉体の比表面積(cm2 /g) e=試料充填層の空げき率 ρ=粉体の密度(g/cm3 ) η=流体の粘性係数(g/cm・sec) L=試料層の厚さ(cm) Q=試料層透過流体量(cc) t=Qccの流体(空気)が試料層を透過するに要する
時間(sec) ΔP=試料層両端の圧力差(g/cm2 ) A=試料層の断面積(cm2 ) W=試料の重量(g) 5)有機樹脂粒子の粒度測定方法 装置 測定装置としてコールターカウンターN4型及び分散用
超音波発生機として(株)トミー精工UD−200型を
使用する。 方法 微量の界面活性剤を加えた蒸留水30〜50ml中に適
量の試料を投入し、上記超音波発生機を用いて出力2〜
6で2〜5分間程度分散させる。試料の分散した懸濁液
をセルに移し、気泡が抜けるのを待って、あらかじめ測
定温度を50℃に設定しておいた上記コールターカウン
ターにセットする。試料を定温にする為10〜20分経
過した後測定を開始し、体積平均粒度分布を求める。 6)疎水化度測定 メタノール滴定試験は、疎水化された表面を有するチタ
ン微粉体の疎水化度を確認する実験的試験である。
【0115】処理されたチタン微粉体の疎水化度を評価
するために本明細書において規定される“メタノール滴
定試験”は次の如く行う。供試チタン微粉体0.2gを
容量250mlの三角フラスコ中の水50mlに添加す
る。メタノールをビューレットからチタンの全量が湿潤
されるまで滴定する。この際フラスコ内の溶液はマグネ
チックスターラーで常時撹拌する。その終点はチタン微
粉体の全量が液体中に懸濁されることによって観察さ
れ、疎水化度は終点に達した際のメタノールおよび水の
液状混合物中のメタノールの百分率として表わされる。
【0116】
【実施例】
(酸化チタン微粒子の合成例1)親水性酸化チタン微粒
子(粒径0.05μ、BET140m2 /g)を用い水
系中で撹拌混合しながら、処理剤として25℃における
粘度が500センチストークスのジメチルポリシロキサ
ンエマルジョンを固型分換算で酸化チタン微粒子の10
%となるよう粒子が合一しないよう添加混合し、乾燥,
解砕して疎水化度30%,粒径0.05μ,BET12
0m2 /gの酸化チタン微粒子Iを得た。
【0117】(酸化チタン微粒子の合成例2)酸化チタ
ン微粒子Iをさらに10重量%のγ=クロロプロピルト
リメトキシシランで気相中で処理し、疎水化度50%,
粒径0.05μm,BET110m2/gの酸化チタン
微粒子IIを得た。
【0118】(酸化チタン微粒子の合成例3)酸化チタ
ン微粒子Iをさらに30重量%の5000センチストー
クスのジメチルポリシロキサンで気相中で処理し、疎水
化度90%,粒径0.07μm,BET90m2 /gの
酸化チタン微粒子IIIを得た。
【0119】(キャリアコート用レジンの合成例A)メ
チルメタクリレート/ブチルアクリレート(75:2
5)モノマーを使用し、トルエン溶液中で溶液重合(開
始剤アゾビスイソブチロニトリル0.5%)を行い、T
g65℃、数平均分子量(以下Mn)9万、重量平均分
子量(以下Mw)30万、Mw/Mn=3.3の樹脂溶
液を得た。この樹脂中に残存するモノマー量は1600
ppmであった。
【0120】この樹脂溶液をさらにトルエンで希釈して
固型分10%のレジン溶液Aを得た。
【0121】(キャリアコート用レジンの合成例B)メ
チルメタクリレートモノマーを使用し、Tg105℃、
Mn=13万、Mw=30万、Mw/Mn=2.3、残
存モノマー量900ppmのレジン溶液Bを得た。
【0122】実施例1 レジン溶液Aを使用し、岡田精工社製、スピラコーター
により、平均粒径47μのCu−Zn−Fe組成の球形
フェライト C=340cm2 /g D=610cm2 /g D
/C=1.8 に塗布した。得られた塗布後のキャリアを60℃、1時
間乾燥して溶剤を除去後、さらに140℃、1時間加熱
して、コーティングキャリアを得た。得られたキャリア
のレジンコート量は0.57wt%であった。
【0123】このレジンコートキャリアは A=310cm2 /g B=420cm2 /g B
/A=1.35 であった。
【0124】 一方 プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合 100部 して得られたポリエステル樹脂 フタロシアニン顔料 4部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 2部 上記化合物をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を
行い、2軸押出機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを
用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェ
ット方式による微粉砕機で微粉砕した。更に得られた微
粉砕物を分級して本発明の粒度分布となるように2〜1
0μを選択し、着色剤含有樹脂粒子を得た。
【0125】上記着色剤含有樹脂粒子100部に酸化チ
タン微粒子IIを0.5部、粒径0.055μと0.5
μに2つのピークを有するスチレン/メタクリル酸メチ
ル系樹脂粒子0.3部とを合わせてシアントナーとし
た。
【0126】このシアントナー5部に対して、前述のキ
ャリアを総量100部になるように混合して現像剤とし
た。
【0127】この現像剤を用いて市販の普通紙カラー複
写機(カラーレーザーコピア500キヤノン製)にて現
像コントラストを300Vに設定し、23℃/65%下
で画出ししたところ、得られた画像は、濃度1.47と
高く、カブリも全くない鮮明なものであった。以後更に
20,000枚のコピーを行なったが、その間の濃度変
動は0.1と小さく、カブリ、鮮明さも初期と同等のも
のが得られた。又低温低湿下(20℃,10%RH)に
おいて、現像コントラストを300Vに設定し、画出し
を行ったところ、画像濃度も1.43と高く、本発明に
より低湿下での帯電量制御に効果のあったことも示唆し
ている。
【0128】又、高温高湿下で(30℃/80%)現像
コントラストを300Vに設定し、画出しを行ったとこ
ろ、画像濃度も1.50と非常に安定で良好な画像が得
られた。
【0129】更に23℃/60%RH、20℃/10
%、30℃/80%、の各環境に1カ月放置後の初期画
像においても、全く異常は認められなかった。
【0130】実施例2 実施例1において、酸化チタン微粒子Iを使用する以外
は実施例1と同様に画出しを行ったところ、30℃/8
0%下で画像濃度が0.05高くなったものの、ハイラ
イトの再現においてはむしろ若干優っており、良好な結
果が得られた。
【0131】実施例3 実施例1において、球形フェライト芯材の焼成温度を+
20℃上げて C=310cm2 /g D=420cm2 /g D
/C=1.35 のキャリア芯材を得た。このキャリア芯材を使用し、実
施例1同様キャリアコートを行い、 A=310cm2 /g B=370cm2 /g B
/A=1.19 のコーティングキャリアを得た。
【0132】このキャリアを使用し、実施例1同様画出
しを行ったところ、30℃/80%下での放置試験によ
り、わずかにカブリが実施例1に比べて認められるが、
画像濃度の均一性、特にハーフトーン部の均質性につい
てはむしろ若干優っており良好な結果が得られた。
【0133】実施例4 レジン溶液Bを使用する以外は実施例1と同様にして A=310cm2 /g B=350cm2 /g B
/A=1.13 のコーティングキャリアを得た。
【0134】このキャリアを使用し、実施例1同様画出
しを行ったところ、ハイライトの再現においては若干劣
るものの、2万枚時のカブリはむしろ若干優っており、
良好な結果が得られた。
【0135】比較例1 実施例1においてジメチルポリシロキサンで処理しない
疎水化度0の酸化チタン微粒子を使用する以外は実施例
1と同様に画出しを行ったところ、30℃/80%の放
置試験により、画像濃度が0.15高くなった。また若
干カブリも認められた。
【0136】比較例2 実施例1において酸化チタン微粒子IIIを使用する以
外は実施例1と同様に画出しを行ったところ、23℃/
65%下で初期は1.37だったものの1000枚で
1.25と低下してしまった。
【0137】比較例3 実施例1において球形フェライト芯材の焼成温度を40
℃上げて C=320cm2 /g D=380cm2 /g D
/C=1.19 のキャリア芯材を得た。このキャリア芯材を使用し、実
施例1同様キャリアコートを行い、 A=315cm2 /g B=340cm2 /g B
/A=1.08 のコーティングキャリアを得た。
【0138】このキャリアを使用し、実施例1同様画出
しを行ったところ、30℃/80%下で若干のトナー飛
散が発生した。
【0139】比較例4 実施例1において球形フェライト芯材の焼成温度を40
℃下げて C=350cm2 /g D=980cm2 /g D
/C=2.8 の非常にポーラス状の平均粒径53μmの球状フェライ
トをキャリア芯材として使用する以外は実施例1と同様
にして A=340cm2 /g B=630cm2 /g B
/A=1.85 のコーティングキャリアを得た。
【0140】このキャリアを使用し、実施例1と同様に
して画出しを行ったところ、キャリア付着が悪かった。
【0141】
【発明の効果】本発明によれば、環境に左右されにくく
つねに安定した摩擦帯電性を有し、耐久安定性に優れ、
また、レジンコート安定性にも優れたカラー現像剤が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーのトリボ電荷量を測定する装置の説明図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤田 亮一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも非磁性着色剤含有樹脂粒子と
    外添剤を含有するカラートナーとキャリアから形成され
    るカラー現像剤において、該トナーが、外添剤とし
    て、粒径が0.02〜0.2μmの範囲であり、疎水化
    度が20〜80%である酸化チタン微粒子を含有するト
    ナーであり、該キャリアが、キャリア芯材重量に対し
    て0.05〜5.0重量%の樹脂で被覆した重量平均粒
    径10〜200μmのキャリアであり、かつ、該被覆樹
    脂の数平均分子量(Mn)が1万〜20万の範囲にあ
    り、該樹脂のガラス転移温度(Tg)が 55〜140
    ℃であり、該キャリアの透過法による比表面積をA(c
    2 /g)、BET法による比表面積をB(cm2
    g)としたとき、その比表面積比B/Aが 1.1≦B/A≦1.7 である、ことを特徴とするカラー現像剤。
  2. 【請求項2】 前記酸化チタン微粒子が、水系中でシリ
    コンオイルあるいはシリコンワニスで表面処理した酸化
    チタン微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の
    カラー現像剤。
  3. 【請求項3】 前記チタン微粒子が、水系中でシリコン
    オイルあるいはシリコンワニスで表面処理した後、気相
    中でカップリング剤で表面処理した酸化チタン微粒子で
    あることを特徴とする請求項1に記載のカラー現像剤。
  4. 【請求項4】 前記酸化チタン微粒子が、水系中でカッ
    プリング剤を加水分解しながら表面処理したチタン微粒
    子であることを特徴とする請求項1に記載のカラー現像
    剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH07104522A (ja) * 1993-10-01 1995-04-21 Powder Tec Kk 電子写真現像剤用樹脂コートキャリアおよびその製造方法、並びに該キャリアを用いた現像剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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