JP2916820B2 - 電子写真用キャリア - Google Patents

電子写真用キャリア

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JP2916820B2
JP2916820B2 JP3021396A JP2139691A JP2916820B2 JP 2916820 B2 JP2916820 B2 JP 2916820B2 JP 3021396 A JP3021396 A JP 3021396A JP 2139691 A JP2139691 A JP 2139691A JP 2916820 B2 JP2916820 B2 JP 2916820B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトナーとともに静電荷像
現像剤を構成する電子写真用キャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報及
び特公昭43−24748号公報等に種々の方法が記載
されているが、これらの方法は、いずれも光導電層に原
稿に応じた光像を照射することにより静電潜像を形成
し、次いで該静電潜像上にこれとは反対の極性を有する
トナーと呼ばれる着色微粉末を付着させて該静電潜像を
現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写
した後、熱、圧力あるいは溶剤蒸気等により定着し複写
物を得るものである。
【0003】該静電潜像を現像する工程は、潜像とは反
対の極性に帯電せしめたトナー粒子を静電引力により吸
引せしめて静電潜像上に付着させるものであるが(反転
現像の場合は、潜像の電荷と同極性の摩擦電荷を有する
トナーを使用)、一般にかかる静電潜像をトナーを用い
て現像する方法としては大別してトナーをキャリアと呼
ばれる媒体に少量分散させたいわゆる二成分系現像剤を
用いる方法と、キャリアを用いることなくトナー単独使
用のいわゆる一成分系現像剤を用いる方法とがある。
【0004】一般にかかる二成分系現像剤を構成するキ
ャリアは導電性キャリアと絶縁性キャリアとに大別され
る。
【0005】導電性キャリアとしては通常酸化または未
酸化の鉄粉が用いられているが、この鉄粉キャリアを成
分とする現像剤においてはトナーに対する摩擦帯電性が
不安定であり、また現像剤により形成される可視像にカ
ブリが発生するという問題点がある。すなわち現像剤の
使用に伴い、鉄粉キャリア粒子の表面にトナー粒子が付
着するためキャリア粒子の電気抵抗が増大してバイアス
電流が低下し、しかも摩擦帯電性が不安定となり、この
結果形成される可視像の画像濃度が低下しカブリが増大
する。
【0006】また絶縁性キャリアとしては一般に鉄,ニ
ッケル,フェライト等の強磁性体より成るキャリア芯材
の表面を絶縁性樹脂により均一に被覆したキャリアが代
表的なものである。このキャリアを用いた現像剤におい
ては、キャリア表面にトナー粒子が融着することが導電
性キャリアの場合に比べて著しく少なく、耐久性に優
れ、使用寿命が長い点で特に高速の電子複写機に好適で
あるという利点がある。
【0007】しかしながら、この絶縁性キャリアにおい
ては、キャリア芯材の表面を被覆する被覆層が十分な耐
摩耗性および芯材との強力な接着性、キャリア表面にト
ナーが融着する、いわゆるトナースペントが発生しない
こと、キャリアと共に用いられる特定のトナーに対して
所望の十分な摩擦帯電量を付与することが要求される。
すなわち、キャリアは現像器内において他のキャリア粒
子およびトナー粒子と摩擦されるが、キャリア被覆層が
十分な膜強度並びに芯材との密着性を有していないと、
被膜が芯材から剥離あるいは欠落し、トナーへの帯電付
与能の低下を来たしてしまう。また、キャリア表面にト
ナースペントが起った場合もキャリア被覆層本来の摩擦
帯電付与能が発揮できなくなり、帯電特性が不安定なも
のとなってしまう。
【0008】従来、かかる欠点を解決する技術として、
含フッ素ポリマーで被覆した被覆キャリアがU.S.
P.3,922,382に提案されているが、上記従来
技術においては、含フッ素ポリマーのみで被覆したキャ
リアは成膜性が悪く、部分的にしかキャリア表面を被覆
できず、帯電特性が不安定となってしまう。また、含フ
ッ素ポリマーの成膜性を改良するため、成膜性の比較的
良好なポリマーと混合して被覆する方法もU.S.P.
4,297,427,特開昭54−110839号公報
に提案されている。しかしながら、いずれも帯電特性的
にネガ性が強いフッ素ポリマーを構成成分とする為に、
ポジトナーに対しては有利に用いることが可能と考えら
れるが、ネガトナーに対しては所望の適度の大きさの帯
電量を得ることが難しく、かつ、仮に帯電量の大きさと
しては十分な値が得られたとしても、帯電の立ち上がり
速度が遅く安定した帯電性を維持するのは困難である。
【0009】一方、トナーの摩擦帯電の立ち上がりを速
くするため、従来より知られているように、トナーに荷
電制御剤や帯電制御性樹脂を含有させる方法もあるが、
これだけでは十分にトナーの摩擦帯電量の立ち上がりを
速くすることができず、逆に高温高湿、あるいは低温低
湿などの環境においては摩擦帯電量および帯電の立ち上
がりにかなり差が生じることがあり、それが画像として
のカブリ、濃度ウスにつながるなど、トナーの帯電制御
の方法としては十分でなかった。また、摩擦帯電系列上
においてトナーと逆方向に位置する微粒子をトナーに添
加することによってトナーの摩擦帯電性を高める方法も
特開昭62−75551号公報に提示されている。
【0010】しかしながら、この方法だけではトナーの
帯電制御がまだ不十分であり、十分にトナーの摩擦帯電
量を制御するまで、トナーと逆極性に帯電する微粒子を
トナーに添加していくと、逆にトナー粒子同士が凝集し
てトナーの流動性が悪化してしまう。この結果、キャリ
アとトナーが十分に混合できず、現像器構成においてよ
り強く均一な撹拌装置を設けることが必要となる。さら
にトナーの流動性が悪化すると、複写機のクリーニング
装置などに悪影響をもたらす原因となってしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の様な問題点を解決し、耐久性、耐トナースペント性に
優れつつ、帯電の立ち上がりが極めて速く、安定した画
像を与える現像剤を構成するキャリアを提供するもので
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は樹脂で
被覆された電子写真用キャリアにおいて、該被覆樹脂が
ドメイン粒子及びマトリックスで形成されている樹脂組
成物で形成されており、マトリックス中に分散している
ドメイン粒子の平均粒径が、5μm以下であり、ドメイ
ン粒子を構成する樹脂P1のガラス転移点Tg1が、20
〜60℃であり、マトリックスを構成する樹脂P2のガ
ラス転移点Tg2が、50〜80℃であり、該樹脂P2
ガラス転移点Tg2が、該樹脂P1のガラス転移点Tg1
よりも5℃以上高いものであり、且つ、該樹脂P1は、
カルボキシル基を有しており、酸価が、15以上であ
り、該樹脂P2は、実質的にカルボキシル基を有してお
らず、酸価が、10以下であるものを用いることを特徴
とする。
【0013】本発明に用いられる樹脂被覆キャリアが前
述の特性において優れる理由を本発明者らは以下に述べ
ることに因るものである、と考えている。すなわち、本
樹脂被覆キャリアが耐久性において優れるのは、Tgの
高い樹脂を海とし、カルボキシル基を有し、且つTgの
低い樹脂を島とする、いわゆる海島構造を有し、極性基
を有する樹脂が形成する島部分がキャリア芯材と強力に
接着し、かつ、海部分を形成する樹脂に比べ柔軟性を有
する為に、被覆樹脂表層においてマトリックス樹脂が受
けた衝撃を緩和することが可能となる。また、一般に抵
抗が高い樹脂をキャリアの被覆樹脂とした場合ほど帯電
の立ち上がりが遅くなることが知られており、これは高
抵抗になるほど電荷漏洩量が少なくなる傾向がある為と
考えられるが、一方、帯電の立ち上がりが速い理由とし
て本発明のキャリアにおいては被覆樹脂中に極性基を有
する樹脂が島構造を形成して存在する為、この部位にお
いて水分子を特異的に吸着することが可能となり、結果
として抵抗が下がることになる為、電荷の漏洩量が増大
し、帯電の立ち上がりが速くなるものと推察される。
【0014】キャリア被覆樹脂として、ドメイン粒子及
びマトリックス、いわゆる海島構造を有する樹脂を考え
た場合、一般にはその製造方法としてグラフトやブロッ
クポリマーなどの添加が必須であり、かつ、形成された
ドメインの分散剤の役割をするグラフトやブロックポリ
マーの極性はさほど強いものではないので、長期保存に
よって、ドメインは大きくなり、従って、キャリアの被
覆樹脂として用いた場合、キャリアの耐久性、帯電安定
性が損なわれてしまう。また、ドメイン−マトリックス
構造を有する樹脂の製造法としてポリエステルやエポキ
シ樹脂などの縮合系樹脂とビニル系樹脂をブレンドする
方法が知られているが、この方法においては重量平均分
子量が50万以上の巨大分子量で、しかも、極性があま
り強くないビニル系樹脂をポリエステルやエポキシ樹脂
などの縮合系樹脂と溶融混練により形成させるもので、
グラフトやブロックポリマーなども添加されていないこ
ともあり、仮にドメインが形成されたとしてもドメイン
径をコントロールすること自体、非常に難しく、更に長
期保存によって、ドメイン径は大きくなっていく。この
ため、上述のようにキャリアの被覆樹脂として用いた場
合、耐久性、帯電性において不安定なものとなってしま
う。
【0015】そこで、発明者らは鋭意検討の結果、前述
した諸々の問題を生じない樹脂を被覆したキャリアを発
明するに至った。すなわち本発明における被覆樹脂は、
Tg20〜60℃,酸価が15以上のカルボキシル基を
有するドメイン粒子と、Tg50〜80℃,酸価が10
以下で、実質的にカルボキシル基を有していないマトリ
ックスとからなり、本発明におけるキャリアは該樹脂を
被覆樹脂として用いるものである。
【0016】かかる構成により、耐久性に優れ、かつ帯
電特性にも優れたキャリアが得られるのは、Tgにおい
てマトリックス樹脂よりも10℃低く、且つ、カルボキ
シル基を有するドメイン粒子が、カルボキシル基により
会合し、ミセルを形成するため、非常に細かく、且つ安
定に分散するからである。
【0017】ここにおいて、ドメイン粒子のTgが20
℃より低いと、マトリックス樹脂のTgを高くしても、
現像剤の流動性が悪化し、また、ドメイン粒子のTgが
60℃をこえると、帯電の立ち上がりが遅くなる。ま
た、ドメイン粒子の酸価が15未満の場合、ドメイン粒
子の分散安定性は悪く、従って、芯材との密着性,帯電
性に劣ったものとなる。また、マトリックス樹脂のTg
が50℃よりも低いと、流動性が悪化し、80℃をこえ
ると、芯材との密着性及び帯電特性が悪くなる。また、
マトリックス樹脂の酸価が10をこえると、ドメイン粒
子との相溶性が増し、ドメイン粒子の分散安定性が、悪
くなり、従って、耐久性に劣ったものとなる。従って、
この被覆樹脂を構成するドメイン粒子のガラス転移点T
1は、より好ましくは、25〜50℃でマトリックス
樹脂のガラス転移点Tg2は、より好ましくは、55〜
70℃であることが望ましい。さらに、本発明において
その効果をより発揮させるために、Tg2はTg1よりも
10℃以上高いことが望ましい。
【0018】また、マトリックス樹脂とドメイン粒子を
形成する樹脂の量比は、マトリックス樹脂100重量部
あたり、ドメイン粒子を形成する樹脂5〜100重量部
が好ましい。これは、ドメイン粒子を形成する樹脂が5
重量部より少ないと、耐久性が十分でなく、かつ帯電特
性も悪化してしまい、また、100重量部を越えて混合
させると、海島構造が逆転する恐れがあるためである。
【0019】本発明に用いられる被覆樹脂において、マ
トリックスを構成する樹脂としては、ビニル系樹脂、ポ
リエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙
げられるが、なかでも、ビニル系樹脂は、その極性が弱
く、従って、ドメイン粒子の分散安定性が良好となるた
め、本発明に用いられる樹脂としてより好ましい。本発
明に用いられる被覆樹脂において、ドメインを構成する
樹脂としては、カルボキシル基を有するポリマーであれ
ばどのようなポリマーであってもかまわないが、マトリ
ックス樹脂に似た組成のほうが、ドメイン粒子を小さく
することができる。これは、ドメインが、マトリックス
樹脂に一部相溶していると考えられるが、前記した場合
(マトリックス樹脂の酸価が10をこえる場合)とは違
って、マトリックス樹脂の極性によって、ドメインがく
ずされる(ドメイン粒子の分散安定性が、悪くなる)こ
とはないので、耐久性について劣ったものにはならな
い。
【0020】本発明に用いられる被覆樹脂において、マ
トリックス樹脂を構成するビニル系モノマーとして以下
のものが挙げられる。
【0021】例えば、スチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニ
ルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルス
チレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オク
チルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシ
ルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−
ニトロスチレン、等のスチレン誘導体と、エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン及び
不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンなど
の不飽和ジオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニ
ルなどのビニルエステル類;メタクリル酸及びメタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸フェニル、などのα−メチレ
ン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸及びア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリ
ル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアク
リル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエ
ーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−
ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル
酸もしくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン類などを
1種又は2種以上使用して重合させたものが用いられ
る。
【0022】本発明に用いられる被覆樹脂に於て、ドメ
インを構成するビニル系モノマーとして以下のものが挙
げられる。
【0023】例えば、スチレン、o−メチルスチレン、
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニ
ルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルス
チレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチ
ルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オク
チルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシ
ルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−
ニトロスチレン、等のスチレン誘導体と、エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンなどのエチレン及び
不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンなど
の不飽和ジオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル
類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニ
ルなどのビニルエステル類;メタクリル酸及びメタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシ
ル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸フェニル、などのα−メチレ
ン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸及びア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリ
ル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルなどのアク
リル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエ
ーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−
ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル
酸もしくはメタクリル酸誘導体;アクロレイン類などを
1種又は2種以上使用する。
【0024】更に、本発明に用いられる被覆樹脂におい
てドメインを構成するカルボキシル基含有ビニル系モノ
マーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン
酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマル酸、マレイン
酸、及びそれらのメチル,エチル,ブチル,2−エチル
ヘキシル等のモノエステルが挙げられ、これらの一種ま
たは、二種以上のモノマーが前記したモノマーとともに
用いられる。
【0025】本発明に用いられる被覆樹脂に於てドメイ
ンを構成するカルボキシル基含有ビニル系モノマーの含
有量は、ドメイン粒子径を5μm以下にする為にドメイ
ン粒子を形成する重合体中0.1〜50重量%、好まし
くは1〜30重量%であるのが望ましい。
【0026】本発明の電子写真用キャリアにおいて、そ
の被覆樹脂として用いられる樹脂は、ドメイン粒子の重
合体の数平均分子量(Mn)が1500〜40000、
好ましくは3500〜30000、重量平均分子量(M
w)が3000〜300000、好ましくは5000〜
100000であることが望ましい。また、マトリック
ス樹脂の数平均分子量(Mn)は、1500〜2000
0、好ましくは3000〜10000、重量平均分子量
(Mw)は、3000〜50000、好ましくは600
0〜30000であることが望ましい。本発明に用いら
れる樹脂を合成する場合において、ビニル系モノマーか
ら合成される場合は、通常一般に知られている方法、例
えば開始剤として過酸化物を用いて溶液または懸濁重合
で得る方法などが挙げられる。
【0027】この方法によって、それぞれ得られたマト
リックス用及びドメイン用樹脂を用いて、被覆樹脂に、
ドメイン−マトリックス(海島)構造をとらせる方法と
しては、ただ単に、ドライブレンドして溶融混練するだ
けでは均一で細かい海島構造をつくることは、非常に難
しい。
【0028】本発明者らは、鋭意検討の結果、以下の方
法により、均一で細かい海島構造をとらせることに成功
した。重合したそれぞれの樹脂を非極性溶媒(極性溶媒
を用いても、海島構造をとらせることはできるが、ドメ
イン径が大きくなる)に溶解し、加熱、強撹拌のもと溶
液状態にてブレンドする。本発明においてドメイン径を
小さくコントロールすることは非常に重要である。この
ドメイン径は、カルボキシル基の解離状態により決ま
る。よって、ブレンドの場合は、ブレンド時に温度を上
げたり、撹拌力をアップすることもさながら、少量の水
やメタノールなどのアルコールやカルボキシル基とは反
応せず、カルボキシル基をより解離させる助剤を添加す
ることにより更に小さくすることができる。
【0029】また、非極性溶媒を用いてドメイン用樹脂
を重合したあと、ドメイン用樹脂存在下、マトリックス
樹脂を重合する方法で行うとドメイン用樹脂がミクロ分
散された状態でブレンドされるため、ドメイン径を非常
に小さくすることができる。この場合も、前記と同様
に、重合を阻害しないカルボキシル基解離助剤を添加す
ることもドメイン径を小さくするのに有効である。
【0030】また、この方法とは逆にまずマトリックス
用樹脂を重合した後、ドメイン用樹脂を重合する事もで
きる。
【0031】また、更に別の製法としてバルク重合を行
い、ある反応率でストップして取り出した未反応モノマ
ーに溶解しているポリマーを懸濁または溶液重合して得
る方法もある。この場合、カルボキシル基含有モノマー
はその反応速度が、他ビニル系モノマーより速いため、
バルク重合の段階で用いてもかまわないが、より好まし
くはマトリックス樹脂をバルク重合した後溶液重合にて
ドメイン樹脂を合成する方法が望ましい。
【0032】また、カルボキシル基を有するモノマーの
ポリマー中での組成分布が均一なものほどドメイン径も
小さくそのドメイン径の分布も均一であることをも、本
発明者らは把握した。つまり、このことは、カルボキシ
ル基を有するモノマーをドメイン用樹脂重合時に少量ず
つ添加していく方法によって前記した樹脂が得られると
いうことである。
【0033】本発明において、本発明の被覆樹脂をキャ
リア芯材に塗布する方法としては、該被覆樹脂を一般の
溶剤中に溶解もしくは懸濁せしめ、被覆樹脂溶液を作製
し、スプレー法や流動床法等の一般的な塗布装置を用い
る方法によって塗布させることができる。ここで、留意
することとして、被覆樹脂を溶剤に溶解、もしくは懸濁
後は、被覆樹脂の構成成分であるドメイン樹脂及びマト
リックス樹脂が互いに相分離して海−島構造がくずれた
り、あるいはドメインが大きく成長する恐れがあるので
溶液調製後はすみやかにキャリア芯材に塗布することが
望ましい。
【0034】本発明による被覆樹脂のキャリア芯材に対
する塗布量は、樹脂固型分が0.1重量%〜30重量
%、好ましくは0.5重量%〜10重量%である。0.
1重量%未満では、キャリア芯材の樹脂による被覆効果
が十分でなく、30重量%を越える塗布量は無意味であ
り、また製造上からも過剰な樹脂が単独で存在する場合
もあり、好ましくない。
【0035】本発明においては、キャリア芯材として鉄
粉、フェライト粉等の一般のものがすべて使用できる
が、これも樹脂を用いることによるひとつの大きな特徴
である。また、用いるキャリアの芯材の粒径は、10〜
1000μm、好ましくは20〜200μmである。
【0036】ここで本発明におけるトナーのキャリアに
対する摩擦帯電量の測定法を図1を用いて詳述する。
【0037】図1が摩擦帯電量測定装置の説明図であ
る。底に500メッシュ(キャリア粒子の通過しない大
きさに適宜変更可能)の導電性スクリーン3のある金属
製の測定容器2に摩擦帯電量を測定しようとする現像剤
担持体上の磁気ブラシ(トナーと磁性粒子の混合物)を
入れ金属製のフタ4をする。この時の測定容器2全体の
重量を秤りW1(g)とする。次に、吸引機1(測定容
器2と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引
口7から吸引し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力
を70mmHgとする。この状態で充分(約1分間)吸
引を行いトナーを吸引除去する。このときの電位計9の
電位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーで
あり容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定容器
全体の重量を秤りW2(g)とする。この摩擦帯電量Q
(μc/g)は下式の如く計算される。
【0038】
【式1】 ただし、測定条件は、23℃,65%RHとする。
【0039】次に、ガラス転移温度Tgについて説明す
る。本発明に於ては、示差熱分析測定装置(DSC測定
装置),DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測
定する。
【0040】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0041】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、測定温度範囲30℃〜2
00℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で
測定を行う。
【0042】この昇温過程で、温度40〜100℃の範
囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られる。
【0043】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明に於るガラス転移温度Tgとする。
【0044】次に、分子量の測定法について説明する。
【0045】本発明において、GPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィ)によるクロマトグラムの分子
量は次の条件で測定される。
【0046】すなわち、40℃のヒートチャンバー中で
カラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒
としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流
速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調
整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入し
て測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有
する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料
により作製された検量線の対数値とカウント数との関係
から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料と
しては、例えば、Pressure Chemical
Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6
×102,2.1×103,4×103,1.75×1
4,5.1×104,1.1×105,3.9×105
8.6×105,2×106,4.48×106のものを
用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を
用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折
率)検出器を用いる。
【0047】なお、カラムとしては、103〜2×106
の分子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチ
レンゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Wa
ters社製のμ−styragel 500,1
3,104,105の組合せや、昭和電工社製のsho
dex KF−80Mや、KF−801,803,80
4,805の組合せ、KA−802,803,804,
805の組合せ、あるいは東洋曹達製のTSKgel
G1000H,G2000H,G2500H,G300
0H,G4000H,G5000H,G6000H,G
7000H,GMHの組合せが好ましい。
【0048】次に酸価及びその測定法について説明す
る。
【0049】酸価はエステル化の進行具合を短時間に精
度よく指示するものとして重要である。一般にエステル
化のチェックは酸価80くらいから始め、20〜50く
らいの間で必要に応じ終了する。
【0050】酸価とは、樹脂1g中に含まれるカルボキ
シル基を中和するのに必要なカ性カリのミリグラム数と
して定義されている。したがって酸価は末端基の数を示
していることになる。測定の方法はつぎのとおりであ
る。
【0051】サンプル2〜10gを200〜300ml
の三角フラスコに秤量し、メタノール:トルエン=3
0:70の混合溶媒約50ml加えて樹脂を溶解する。
溶解性がわるいようであれば少量のアセトンを加えても
よい。0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレ
ッドの混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/1
0カ性カリ〜アルコール溶液で滴定し、アルコールカリ
液の消費量からつぎの計算で酸価を求める。
【0052】
【式2】 酸価=KOH(ml数)×N×56.1/試料重量 (ただしNはN/10KOHのファクター) 次にドメイン粒子の平均粒径について説明する。
【0053】本発明において、ドメイン粒子の平均粒径
は、例えば、次の条件で測定する。被覆樹脂0.1g程
度をガラス板の上にのせホットプレートにて溶解する。
樹脂溶解後、エタノールにとかしたローダミン染料を2
〜3滴たらす。染料をたらしたら、すぐに、カバーガラ
スを上からかぶせ、おさえつけながら、被覆樹脂/ロー
ダミンの薄層サンプルをつくる。(ドメイン粒子を形成
する樹脂は、前述したようにカルボキシル基を有するポ
リマーである。よって、エタノールにとかしたローダミ
ン染料はカルボキシル基にひきよせられ、ドメイン粒子
を選択的に着色する。)これを、光学顕微鏡で観察し、
無作為に、少なくとも四視野の写真撮影を行う。これら
の撮影した写真のなかで目視により判別可能な粒子につ
いて、その粒径を測定する。以上の方法によって測定し
た粒径の平均値を求め(数平均)、ドメイン粒子の平均
粒径とする。
【0054】また、この方法で見ることができない場
合、染料として、オスミウム酸或は、ルテニウム酸を用
い、前記と同様の方法でドメインを染色する。この後、
薄片を作って、透過型電子顕微鏡で、ドメインの分散状
態を観察し、前記と同様の方法でドメインの平均粒径を
測定する方法もある。
【0055】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。
【0056】 キャリア被覆樹脂製造例1 (レジンの溶液ブレンド) ドメイン用樹脂の重合 スチレン 92重量部 アクリル酸n−ブチル 78重量部 マレイン酸モノブチル(ハーフエステル) 15重量部+15重量部(4hr後) ベンゾイルパーオキシド 15重量部 トルエン 500重量部 を用いて、85℃×10hr重合反応を行う。マレイン
酸モノブチルは、ポリマー中の組成分布を均一にするた
めに、重合開始時と開始後4hr後との2回に分けて添
加、反応させた。その結果、Mn5500,Mw138
00,Tg32.5℃の共重合体を得た。(樹脂A) マトリックス用樹脂の重合 スチレン 243重量部 アクリル酸n−ブチル 57重量部 ベンゾイルパーオキシド 22.5重量部 トルエン 750重量部 を用いて、85℃×16hr重合反応を行う。その結
果、Mn5700,Mw16000,Tg59.0℃の
共重合体を得た。(樹脂B)次に、(樹脂A)と(樹脂
B)との比が3:7になるように、重合反応後のポリマ
ー・トルエン溶液をそれぞれ秤量し、(樹脂A)と(樹
脂B)とを溶液混合する。混合溶液の温度を80℃にし
て、0.1%の水を添加し、強撹拌した後、乾燥し、被
覆樹脂(I)を得る。
【0057】この被覆樹脂(I)の酸価は、18.0、
ドメイン平均粒径は、2.5μmであった。
【0058】 キャリア用被覆樹脂製造例2 (レジン存在下重合) マトリックス用樹脂の重合 スチレン 165重量部 アクリル酸n−ブチル 35重量部 ベンゾイルパーオキシド 15重量部 トルエン 500重量部 を用いて、85℃×10hr重合反応を行い、Mn59
00,Mw15000,Tg61℃の共重合体を得た。
次に、以下のように、この樹脂溶液中でドメイン用樹脂
の重合をおこなった。
【0059】 ドメイン用樹脂の重合 スチレン 104重量部 アクリル酸n−ブチル 66重量部 マレイン酸モノブチル 30重量部 ベンゾイルパーオキシド 15重量部 トルエン 500重量部 を前記樹脂溶液に添加し、更に、85℃×16hr重合
反応を行う。その結果、Mn5400,Mw17000
の共重合体を得た。これを乾燥して被覆樹脂(II)を
得た。
【0060】この被覆樹脂(II)の酸価は18.5、
ドメイン平均粒径は0.6μmであった。また、ドメイ
ン用樹脂のみを重合して得られた樹脂のMnは550
0,Mw15000,Tg38.0℃であった。
【0061】以下、開始剤量、モノマー量比を変えて、
樹脂(III)〜(V)を合成した。また、比較用の樹
脂(A)〜(D)も合成し、各々、表1及び表2に示し
た。
【0062】
【表1】
【0063】
【表2】 実施例1 プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を 100重量部 縮合して得られたポリエステル樹脂 フタロシアニン顔料 5重量部 ジ−ターシャリーブチルサリチル酸のクロム錯塩 4重量部 上記材料をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行
った後、3本ロールミルで少なくとも2回以上溶融混練
し、冷却後ハンマーミルを用いて粒径約1〜2mm程度
に粗粉砕した。次いでエアージェット方式による微粉砕
機で微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を分級して
体積平均粒径が、8.5μmである負摩擦帯電性のシア
ン色の粉体を得た。
【0064】上記着色粉体100重量部と、ヘキサメチ
ルジシラザンで疎水化処理したシリカ微粉体0.5重量
部とを混合して、シアントナーとした。
【0065】次に、キャリア被覆樹脂(I)をメチルエ
チルケトンに溶解し、10重量%の被覆溶液を調製し
た。
【0066】この被覆溶液を塗布機(岡田精工社製:ス
ピラコーター)により、平均粒径45μmの球形フェラ
イト粒子に塗布した。得られた塗布後のキャリアを40
℃−2時間乾燥して溶剤を除去後、70℃,2hr加熱
して樹脂被覆キャリアを得た。得られたキャリアの樹脂
被覆量は、0.95重量%であり、電子顕微鏡による観
察によれば、フェライトの芯材が樹脂で均一に被覆され
ていることが確認された。
【0067】このキャリアとシアントナーとをトナー濃
度5%で混合し、図1の方法により帯電量を測定した。
また、これらの現像剤とトナーを用いてN/N(23℃
/60%)環境下にて、現像コントラストを350Vに
固定したキヤノン製フルカラー複写機CLC−500で
複写耐久試験を行った。その結果表3に示すように、1
万枚の複写でも十分濃度が高く、かつカブリ、飛散のな
い良好な画像が得られた。また、複写1万枚後に現像器
内から現像剤を回収し、トナーとキャリアを分離後、キ
ャリアの表面を電子顕微鏡にて観察したところ、顕著な
トナーによるスペント化、あるいは被覆樹脂の剥離等は
認められなかった。
【0068】比較例1 キャリア被覆樹脂(A)をメチルエチルケトン溶液に溶
解し、10重量%の被覆溶液を調製した。
【0069】この被覆溶液を塗布機(岡田精工社製:ス
ピラコーター)により、平均粒径45μmの球形フェラ
イト粒子に塗布した。得られた塗布後のキャリアを40
℃−2時間乾燥して溶剤を除去後、65℃,2hr加熱
して樹脂被覆キャリアを得た。得られたキャリアの樹脂
被覆量は、0.70重量%であり、電子顕微鏡による観
察によれば、フェライトの芯材が樹脂で均一に被覆され
ていることが確認された。
【0070】このキャリアとシアントナーとをトナー濃
度5%で混合し、図1の方法により帯電量を測定した。
また、これらの現像剤とトナーを用いてN/N(23℃
/60%)環境下にて、現像コントラストを350Vに
固定したキヤノン製フルカラー複写機CLC−500で
複写耐久試験を行った。その結果、表3に示すように、
初期の画像が1.51であったものが複写1000枚で
1.95まで増加したので複写耐久試験を中止した。こ
の時、複写画像は飛散トナーで汚れており、その原因を
調べてみると、トナーのトリボが−15μc/gと初期
に比べかなり低下しており、回収した現像剤からキャリ
アを分離して電子顕微鏡で表面観察を行ったところキャ
リアの表面にトナーがスペントしていることが分った。
【0071】実施例2,3 キャリア被覆樹脂を(II)〜(III)に変える以外
は実施例1と同様に行い表3の結果を得た。
【0072】比較例2,3 キャリア被覆樹脂を(B)〜(C)に変える以外は実施
例1と同様に行い、表3の結果を得た。
【0073】
【表3】 実施例4 前述した樹脂例(IV)をメチルエチルケトンに溶解
し、10重量%の被覆溶液を調製した。この溶液を塗布
機(スピラコーター、岡田精工社製)を用いて、平均粒
径70μmのフェライト粒子に塗布した。乾燥工程を経
て得られた樹脂被覆キャリアの樹脂被覆量は、0.85
重量%であり、電子顕微鏡による観察からフェライトの
芯材が被覆樹脂で、芯材の表面が露出することなく、均
一に被覆されていることが認められた。
【0074】このキャリアとキヤノン製複写機NP−4
835色現用赤トナーとを混合し(トナー濃度8%)、
現像剤を作製し、初期画像形成テストを行ったところ、
画像反射濃度はN/N(23℃/60%)下で1.35
と十分に高く、かつカブリのない鮮明な画像が得られ
た。この時のトナーのトリボ電荷量は+18.5μc/
gであった。この現像剤とトナーを用いて1万枚の複写
耐久試験を行った。その結果、1万枚後においても得ら
れた画像は画像反射濃度1.33と十分高く、かつカブ
リ、飛散のない鮮明なものであった。また、耐久後の現
像剤を回収して、更に、キャリアを分離して表面を電子
顕微鏡で観察したところ、顕著なトナースペント化は認
められず、また、被覆樹脂の剥離なども認められなかっ
た。
【0075】実施例5 キャリア被覆樹脂を前述した樹脂(V)に変える以外は
実施例4と同様に行い、表4の結果を得た。
【0076】比較例4,5 キャリア被覆樹脂を(D)〜(E)に変える以外は実施
例4と同様に行い、表4の結果を得た。
【0077】
【表4】
【0078】
【発明の効果】本発明は上記のようにキャリアの被覆樹
脂の改良を行って、耐久性、耐トナースペント性に優れ
つつ、帯電の立ち上がりが極めて速く、安定した画像を
与える現像剤を構成するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】二成分系現像剤のトナーの摩擦電荷量を測定す
るための装置を模式的に示した概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−276150(JP,A) 特開 平1−167852(JP,A) 特開 昭62−138859(JP,A) 特開 昭61−51159(JP,A) 特開 平2−146062(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 9/113

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂で被覆された電子写真用キャリアに
    おいて、該被覆樹脂がドメイン粒子及びマトリックスで
    形成されている樹脂組成物で形成されており、マトリッ
    クス中に分散しているドメイン粒子の平均粒径が5μm
    以下であり、ドメイン粒子を構成する樹脂P1のガラス
    転移点Tg1が20〜60℃であり、マトリックスを構
    成する樹脂P2のガラス転移点Tg2が50〜80℃であ
    り、該樹脂P2のガラス転移点Tg2が、該樹脂P1のガ
    ラス転移点Tg1よりも5℃以上高いものであり、且
    つ、該樹脂P1はカルボキシル基を有しており、該樹脂
    2は実質的にカルボキシル基を有していないことを特
    徴とする電子写真用キャリア。
  2. 【請求項2】 該被覆樹脂P1の酸価が15以上であ
    り、該樹脂P2の酸価が10以下である請求項1に記載
    の電子写真用キャリア。
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