JP2000338719A - 二成分系現像剤 - Google Patents

二成分系現像剤

Info

Publication number
JP2000338719A
JP2000338719A JP11151118A JP15111899A JP2000338719A JP 2000338719 A JP2000338719 A JP 2000338719A JP 11151118 A JP11151118 A JP 11151118A JP 15111899 A JP15111899 A JP 15111899A JP 2000338719 A JP2000338719 A JP 2000338719A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
component developer
weight
resin
developer according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11151118A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3715832B2 (ja
Inventor
Yoshihiro Ogawa
吉寛 小川
Yuichi Mizoo
祐一 溝尾
Tadashi Michigami
正 道上
Yasuko Shibayama
寧子 柴山
Satoshi Matsunaga
聡 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP15111899A priority Critical patent/JP3715832B2/ja
Publication of JP2000338719A publication Critical patent/JP2000338719A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3715832B2 publication Critical patent/JP3715832B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低温定着性にすぐれ、かつ高温までホットオ
フセットの発生することのない、二成分系現像剤を提供
する。 【解決手段】 結着樹脂は、ビニル系樹脂、ポリエステ
ル樹脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエステル
ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分を含み、テ
トラヒドロフラン、酢酸エチルなどでの抽出で、各々の
溶媒に対し特定量の可溶成分と不溶成分を含有し、キャ
リアは、バインダー樹脂及び磁性金属酸化物粒子を有す
る磁性キャリアコア粒子と、そのコア粒子の表面を被覆
している被覆層とを有する磁性コートキャリアであっ
て、磁性金属酸化物粒子は表面が親油化処理されてお
り、磁性キャリアコア粒子は比抵抗が1×1010Ω・c
m以上であり、磁性コートキャリアは比抵抗が1×10
12Ω・cm以上で、個数平均粒径Dnが5〜100μm
であり、Dn/σ≧3.5[式中、σは磁性コートキャ
リアの個数分布における標準偏差を示す。]を満足す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法等における静電荷像を現像するための二成分系現
像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法としては米国特許第2,29
7,691号明細書、特公昭42−23910号公報及
び特公昭43−24748号公報に記載されている如く
多数の方法が知られている。一般には光導電性物質を利
用し、種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、
次いで該静電荷像をトナーを用いて現像し、必要に応じ
て紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加熱,圧
力,加熱加圧或いは溶剤蒸気により転写材に定着し、ト
ナー画像を得るものである。
【0003】上述の最終工程であるトナー画像を転写材
としてのシートに定着する工程に関して種々の方法や装
置が開発されている。現在最も一般的な方法は熱ローラ
ー又は耐熱フィルムを介した固定発熱ヒータによる圧着
加熱方式である。
【0004】加熱ローラーによる圧着加熱方式は、トナ
ーに対し離型性を有する熱ローラーの表面と被定着シー
トのトナー画像面を加圧下で接触しながら被定着シート
を通過せしめることによりトナー画像の定着を行なうも
のである。この方法は熱ローラーの表面と被定着シート
上のトナー画像とが加圧下で接触するため、トナー画像
を被定着シート上に融着する際の熱効率が極めて良好で
あり、迅速に定着を行うことができる。
【0005】加熱ローラー表面とトナー画像とが溶融状
態,加圧下で接触する為に、トナー画像の一部が定着ロ
ーラー表面に付着し転移し、次の被定着シートにこれが
再転移し、被定着シートを汚すという所謂オフセット現
象が定着速度及び定着温度の影響を大きく受ける。一般
に定着速度が遅い場合は、加熱ローラーの表面温度は比
較的低く設定され、定着速度が速い場合は、加熱ローラ
ーの表面温度は比較的高く設定される。これは、トナー
を定着させる為に加熱ローラーからトナーに与える熱量
を、定着速度によらずほぼ一定にするためである。
【0006】被定着シート上のトナー画像は、何層かの
トナー層を形成している為、特に定着速度が速く、加熱
ローラーの表面温度が高い系においては、加熱ローラー
に接触するトナー層と、被定着シートに接触している最
下層のトナー層との温度差が、大となる。したがって、
加熱ローラーの表面温度が高い場合には、最上層のトナ
ーが加熱ローラー転移してしまう高温オフセットという
現象を起こしやすく、加熱ローラーの表面温度が低い場
合は、最下層のトナーは十分に溶けない為に、被定着シ
ートにトナーが定着せず低温オフセットという現象が起
きやすい。
【0007】この問題を解決するために、定着速度が速
い場合には、定着時の圧力を上げ、被定着シートへトナ
ーをアンカーリングさせることが、通常行われている。
この方法だと、加熱ローラー温度をある程度下げること
ができ、最上トナー層の高温オフセット現象を防ぐこと
は可能となる。しかし、トナーにかかるせん断力が非常
に大となる為に、被定着シートが定着ローラーに巻きつ
いてしまう、所謂巻きつきオフセット現象が発生した
り、定着ローラーから被定着シートを分離するために使
用する分離爪の分離あとが定着画像に出現しやすい。さ
らには、圧力が高いがゆえに、定着時にライン画像が押
しつぶされたり、トナーが飛びちったりして定着画像の
画質劣化を生じ易い。
【0008】従来、トナー用結着樹脂としてはポリエス
テル樹脂及びスチレン系樹脂の如きビニル系共重合体が
主に使用されている。
【0009】ポリエステル樹脂は低温定着性に優れた性
能を有しているが、その反面高温でのオフセット現象を
発生しやすいという問題点を有している。この問題点を
補うためにポリエステル樹脂の分子量を上げて粘弾性特
性を改良する試みが行なわれてきたが、この場合には低
温定着性を損なうという問題点があり、また、トナー製
造時の粉砕性についても悪化させてしまいトナーの微粒
子化にも適さない結着樹脂となってしまう。
【0010】スチレン系樹脂の如きビニル系共重合体
は、トナー製造時の粉砕性に優れ、高分子量化が容易な
ため耐高温オフセット性には優れているが、低温定着性
を向上させるために低分子量化したり、ガラス転移温度
を下げたりと耐ブロッキング性や現像性が悪化してしま
うという問題点があった。
【0011】これら2種類の樹脂の長所を有効に生か
し、欠点を補うためにこれらの樹脂を混合して使用する
方法もいくつか検討されている。
【0012】例えば、特開昭54−114245号公報
では、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体を混合した
樹脂を含有するトナーが開示されている。しかしなが
ら、ポリエステル樹脂とビニル系共重合体とは化学的な
構造が大きく異なるために相溶性が悪く、低温定着性、
耐高温オフセット性及び耐ブロッキング性をすべて満足
するものとするのは難しい。
【0013】特開昭56−116043号公報及び特開
昭58−159546号公報では、ポリエステル樹脂の
存在下で単量体を重合して得られる重合体を含有するこ
とを特徴とするトナーが開示されている。
【0014】特開昭58−102246号公報及び特開
平1−156759号公報では、不飽和ポリエステル存
在下でビニル系共重合体を重合して得られる重合体を含
有することを特徴とするトナーが開示されている。
【0015】特公平8−16796号公報では、特定の
酸価を有するポリエステル樹脂と特定の酸価と分子量を
有するスチレン系樹脂をエステル化したブロック共重合
体を含有することを特徴とするトナーが開示されてい
る。
【0016】特開平8−54753号公報では、結着樹
脂が縮重合系樹脂及びビニル系樹脂からなり、特定のク
ロロホルム不溶分及び特定の分子量範囲にピークを有す
ることを特徴とするトナーが開示されている。
【0017】上述の結着樹脂では縮重合系樹脂と付加重
合系樹脂とは安定した相分離状態を維持することができ
る。しかし、これらの結着樹脂を用いたトナーでは耐高
温オフセット性はある程度改善されるが、トナーの低温
定着性は未だ不十分であり、現像性においても未だ改良
すべき課題を残している。
【0018】特開昭62−195681号公報及び特開
昭62−195682号公報は、ビニル系樹脂をポリエ
ステル樹脂に対して、特定量含有するビニル系樹脂含有
ポリエステル樹脂よりなる電子写真用現像剤組成物に関
して記載している。
【0019】しかしながら、これらの電子写真用現像剤
組成物において用いられている結着樹脂は、ポリエステ
ル樹脂にビニル系樹脂が分散・混合されている混合物で
あり、低温定着性と耐高温オフセット性を満足すること
は困難である。
【0020】トナーの低温定着性の低下は、ハーフトー
ン部において顕著である。本発明者の検討によれば、ハ
ーフトーン部の画像を形成するトナーの載り量がベタ黒
部に比較して相対的に少ないことによるものであり、熱
ロール定着器を使用する中〜高速機及び耐熱フィルムを
介した固定発熱ヒーターによる圧着加熱定着方式を使用
する中〜低速機において顕著である。
【0021】二成分系現像剤に使用される磁性キャリア
としては、鉄粉キャリア、フェライトキャリア、または
磁性体微粒子をバインダー樹脂中に分散した磁性体分散
型樹脂キャリアが実用化されている。鉄粉キャリアにお
いては、キャリア比抵抗が低いために静電荷像の電荷を
キャリアを通してリークさせ、静電荷像を乱すために画
像欠陥を生じる場合がある。比較的比抵抗の高いフェラ
イトキャリアを用いた場合でも、特に交番電界を印加す
る現像方法においては、キャリアを介しての静電荷像の
電荷リークを防止することができない場合もある。これ
らは大きな飽和磁化を有しているために磁気ブラシが剛
直になり、トナー像に磁気ブラシのはきめを生じる場合
もある。
【0022】このような問題を解決するために磁性体微
粒子をバインダー樹脂中に分散させた磁性体分散型樹脂
キャリアの提案がなされている。磁性体分散型樹脂キャ
リアはフェライトキャリアに比べ、比較的高比抵抗で、
かつ飽和磁化も小さく、真比重も小さいためにキャリア
の磁気ブラシが剛直とはならず、はきめのない良好なト
ナー画像を形成し得る。
【0023】しかし、磁性体分散型樹脂キャリアを用い
る場合には、その飽和磁化が低いためにキャリア付着が
生じやすいという問題がある。また、トナーの小粒径化
に伴うキャリア粒径の小径化においてトナーへの帯電付
与性が低下したり、現像剤の流動性が低下する場合があ
った。
【0024】このような問題を解決するために、特開平
7−43951号公報に粒度分布を規定した磁性体分散
型樹脂キャリアが提案されている。該公報によれば樹脂
キャリアを製造する工程として、磁性体を結着樹脂に分
散するように混練し、冷却後粉砕、分級する製造工程に
おいて粉砕工程の改良により粒度分布をシャープにし、
上記問題を解決するというものである。しかしながら、
粉砕工程で生じる極微粉を分離することが難しい場合が
あり、これがキャリア付着の原因になる場合があった。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低温
定着性にすぐれ、かつ高温までホットオフセットの発生
することのない、広い定着温度領域を示す二成分系現像
剤を提供することにある。
【0026】さらに本発明の目的は、画像濃度が高く、
カブリの少ない画像を使用環境によらず長期にわたり安
定して得られる二成分系現像剤を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、結着樹脂及び
着色剤を含有するトナーとキャリアとを有する二成分系
現像剤において、 I.該結着樹脂は、(a)ビニル系樹脂、ポリエステル
樹脂、及び、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユ
ニットを有しているハイブリッド樹脂成分を含み、
(b)テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10
時間のソックスレー抽出で、THF可溶成分を50乃至
85重量%(W1)含有し、THF不溶成分を15乃至
50重量%(W2)含有し、(c)酢酸エチルを溶媒と
した10時間のソックスレー抽出で、酢酸エチル可溶成
分を40乃至98重量%(W3)含有し、酢酸エチル不
溶成分を2乃至60重量%(W4)含有し、(d)クロ
ロホルムを溶媒とした10時間のソックスレー抽出で、
クロロホルム可溶成分を55乃至90重量%(W5)含
有し、クロロホルム不溶成分を10乃至45重量%(W
6)含有し、(e)W4/W6の値が1.1乃至4.0
であり、II.該キャリアは、バインダー樹脂及び磁性
金属酸化物粒子を少なくとも有する磁性キャリアコア粒
子と、該磁性キャリアコア粒子の表面を被覆している被
覆層とを有する磁性コートキャリアであって、磁性金属
酸化物粒子は、表面が親油化処理されており、磁性キャ
リアコア粒子は、比抵抗が1×1010Ω・cm以上であ
り、磁性コートキャリアは、比抵抗が1×1012Ω・c
m以上であり、磁性コートキャリアは、個数平均粒径D
nが5〜100μmであり、個数分布において、下記式 Dn/σ≧3.5 [式中、Dnは磁性コートキャリアの個数平均粒径を示
し、σは磁性コートキャリアの個数分布における標準偏
差を示す。]を満足し、(2/3)×Dn以下の粒径の
磁性コートキャリア粒子の含有量が25個数%以下であ
ることを特徴とする二成分系現像剤に関する。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明者の検討によれば、ハーフ
トーン画像でも良好な低温定着性を示し、高温オフセッ
トの発生温度が高く、オフセットし難いトナーを得るた
めには、トナーの結着樹脂が特定の複数の溶媒に選択的
に溶解する組成と分子量を有する成分を一定量含有する
ことが重要である。
【0029】従来は、トナーの結着樹脂に含有されるテ
トラヒドロフラン、クロロホルムあるいは酢酸エチルの
いずれか一種類の溶媒に不溶な樹脂成分を定量するもの
であり、トナーの高温オフセット発生温度とはある程度
対応をとることができるが、トナーの定着性ばかりでな
く、現像性や二成分系現像剤として使用した際のキャリ
アとの組み合わせの効果を評価する観点からの評価では
ない。
【0030】本発明者の検討によれば、テトラヒドロフ
ラン(THF)は本発明のトナーに含有される結着樹脂
のビニル系重合体ユニットに対して良好な溶媒である
が、ポリエステルユニットに対しては必ずしも良好な溶
媒ではない。THFに不溶な成分を定量することは、ポ
リエステル樹脂中の極めて大きな分子量を有する成分ま
たは高度に架橋された成分とハイブリッド樹脂成分中の
ポリエステルユニットの割合が相対的に多い成分とを定
量することである。このTHFに不溶な成分は、トナー
の低温定着性を評価することができる。更に、より良好
な低温定着性を達成するためにはTHFに可溶な成分が
特定の分子量及び分子量成分を有することが重要であ
る。
【0031】酢酸エチルは、本発明のトナーに含有され
る結着樹脂のポリエステルユニットに対して良好な溶媒
であるが、ビニル系重合体ユニットに対しては必ずしも
良好な溶媒ではない。酢酸エチルに不溶な成分を定量す
ることは、ビニル系樹脂中の極めて大きな分子量を有す
る成分または高度に架橋された成分とハイブリッド樹脂
成分中のビニル系重合体ユニットの割合が相対的に多い
成分とを定量することである。酢酸エチル不溶成分中に
は、クロロホルムに溶解する成分とクロロホルムに不溶
な成分とが含まれている。トナーの定着性ばかりでなく
トナーに安定した現像性(例えば、画像濃度、カブリ等
の環境依存性)を付与するのに重大な影響を与えるトナ
ーの帯電安定性を評価することができる。
【0032】クロロホルムは、本発明のトナーに含有さ
れる結着樹脂のビニル系重合体ユニット及びポリエステ
ルユニットのいずれに対しても良好な溶媒である。クロ
ロホルムに不溶な成分を定量することは、ビニル系樹脂
中の極めて大きな分子量を有する成分または高度に架橋
された成分と、ポリエステル樹脂中の極めて大きな分子
量を有する成分または高度に架橋された成分とハイブリ
ッド樹脂成分中の極めて大きな分子量を有する成分また
は高度に架橋された成分とを定量することである。この
様なハイブリッド樹脂成分中の極めて大きな分子量を有
する成分または架橋された成分は、トナーの高温オフセ
ット発生温度と密接に関係するが、更には、トナースペ
ントと呼ばれるキャリア表面へのトナー融着と、これに
伴う現像剤劣化や画像劣化とも関係する。
【0033】従って、トナーの結着樹脂に含有される酢
酸エチル不溶成分とクロロホルム不溶成分の比は、単純
に帯電安定性及び耐高温オフセットのバランスを示すだ
けではなく、現像剤劣化や画質劣化することなく安定な
現像性を示すための指標となる。
【0034】本発明において、結着樹脂は、THF不溶
分(W2)を15乃至50重量%含有していることが良
く、好ましくは20乃至45重量%、更に好ましくは2
5乃至40重量%含有することが良い。THF不溶分の
含有量が15重量%未満となる場合には、トナーの高温
オフセット発生温度が低くなり耐ホットオフセット性に
問題が生じるばかりでなく、トナーの保存性も悪化する
場合があり好ましくない。THF不溶分の含有量が50
重量%超となる場合には、トナーの低温定着性が悪化す
る場合があり好ましくない。
【0035】本発明において、結着樹脂は、酢酸エチル
不溶分(W4)を2乃至60重量%含有していることが
良く、好ましくは5乃至50重量%、更に好ましくは1
0乃至40重量%含有することが良い。酢酸エチル不溶
分の含有量が2重量%未満となる場合には、トナーの耐
ホットオフセット性に問題が生じ、トナーの帯電を制御
するのが困難となり、耐久により画像濃度が低下する場
合があり好ましくない。酢酸エチル不溶分の含有量が6
0重量%超となる場合には、トナーの低温定着性に問題
が生じ、耐久によりカブリ濃度が高くなる場合があり好
ましくない。
【0036】本発明において、結着樹脂は、クロロホル
ム不溶分(W6)を10乃至45重量%含有することが
良く、好ましくは15乃至40重量%、更に好ましくは
17乃至37重量%含有することが良い。クロロホルム
不溶分の含有量が10重量%未満となる場合には、耐ホ
ットオフセット性に問題が生じるばかりでなく、耐久に
よりキャリア表面にトナースペントが発生する場合があ
り好ましくない。クロロホルム不溶分の含有量が45重
量%超となる場合には、トナーの低温定着性に問題が生
じやすく好ましくない。
【0037】酢酸エチル不溶分(W4)とクロロホルム
不溶分(W6)との比(W4/W6)の値は、1.1乃
至4.0であることが良く、好ましくは1.2乃至3.
5、更に好ましくは1.3乃至3.0であることが良
い。比(W4/W6)が1.1未満あるいは4.0超と
なるいずれの場合においても耐久により画像濃度が低下
する。
【0038】さらに、本発明においては、結着樹脂は、
(i)THF不溶分(W2)を含有しており、THF不
溶分(W2)は、さらにクロロホルム不溶分(W6A)
をA重量%(結着樹脂の重量基準で)含有しており、
(ii)酢酸エチル不溶分(W4)を含有しており、酢
酸エチル不溶分(W4)は、さらにクロロホルム不溶分
(W6B)をB重量%(結着樹脂の重量基準で)含有し
ている。
【0039】このTHF不溶成分(W2)が含有してい
るクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と酢酸エチ
ル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不溶成
分(W6B)の含有量とが、下記条件を満足することが
好ましく、 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 さらに好ましくは、下記条件を満足することが良い。
【0040】5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5
【0041】THF不溶分(W2)がクロロホルム不溶
分(W6A)を3重量%未満含有している場合には、ト
ナーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりでなく、
トナーの耐久による画像濃度が低下する場合があり好ま
しくない。
【0042】THF不溶分(W2)がクロロホルム不溶
分(W6A)を25重量%より多く含有している場合に
は、トナーの低温定着性が損なわれる場合があり好まし
くない。
【0043】酢酸エチル不溶分(W4)がクロロホルム
不溶分(W6B)を7重量%未満含有している場合に
は、トナーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりで
なく、トナーの耐ブロッキング性が損なわれる場合があ
り好ましくない。
【0044】酢酸エチル不溶分(W4)がクロロホルム
不溶分(W6B)を30重量%より多く含有している場
合には、トナーの低温定着性が損なわれる場合があり好
ましくない。
【0045】THF不溶分(W2)が含有しているクロ
ロホルム不溶分(W6A)の含有量と酢酸エチル不溶分
(W4)が含有しているクロロホルム不溶分(W6B)
の含有量との合計量(W6A+W6B)は、結着樹脂の
クロロホルム不溶分(W6)の含有量に相当するもので
あり、よって、合計量(W6A+W6B)の上下限から
外れる場合には、上述した酢酸エチル不溶分(W6)の
含有量の上下限から外れる場合と同様の結果となる。
【0046】さらにTHF不溶分(W2)が含有してい
るクロロホルム不溶分(W6A)の含有量と酢酸エチル
不溶分(W4)が含有しているクロロホルム不溶分(W
6B)の含有量との比率が1:1未満の場合には、トナ
ーの耐高温オフセット性が損なわれるばかりでなく、ト
ナーの耐ブロッキング性が損なわれる場合があり好まし
くない。
【0047】1:3超の場合には、トナーの低温定着性
が損なわれるばかりでなく、耐久により画像濃度が低下
する場合があり好ましくない。
【0048】THF可溶分は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分
布において、メインピークを分子量4000乃至900
0の領域に有しており、好ましくは、分子量5000乃
至8500の領域に有しており、更に好ましくは、分子
量4500乃至8000の領域に有していることが良
い。メインピークを分子量4000未満の領域に有する
場合には、トナーの耐ホットオフセット性が悪化する場
合があり、メインピークを分子量9000超の領域に有
する場合にはトナーの低温定着性が損なわれる場合があ
り好ましくない。
【0049】分子量500以上1万未満の領域の成分
(A1)は、35.0乃至65.0%含有されているこ
とが良く、好ましくは37.0乃至60.0%、更に好
ましくは40.0乃至55.0%含有されていることが
良い。分子量500以上1万未満の領域の成分の含有量
が、35.0%未満となる場合にはトナーの低温定着性
が悪化する場合があり、65.0%超となる場合にはト
ナーの保存性が悪化する場合があり好ましくない。
【0050】分子量1万以上10万未満の領域の成分
(A2)は、25.0乃至45.0%含有されているこ
とが良く、好ましくは27.0乃至42.0%、更に好
ましくは30.0乃至40.0%含有されていることが
良い。分子量1万以上10万未満の領域の成分の含有量
が、25.0%未満となる場合にはトナーの耐ホットオ
フセット性が悪化する場合があり、45.0%超となる
場合にはトナーの低温定着性が悪化する場合があり好ま
しくない。
【0051】分子量10万以上の領域の成分(A3)
は、10.0乃至30.0%含有されていることが良
く、好ましくは12.0乃至25.0%、更に好ましく
は15.0乃至22.0%含有されていることが良い。
分子量10万以上の領域の成分の含有量が、10.0%
未満となる場合にはトナーの耐ホットオフセット性が悪
化する場合があり、30.0%超となる場合にはトナー
の低温定着性が悪化する場合があり好ましくない。
【0052】比(A1/A2)の値は1.05乃至2.
00であることが良く、好ましくは1.10乃至1.9
0、更に好ましくは1.15乃至1.80であることが
良い。比(A1/A2)が1.05未満となる場合には
トナーの低温定着性が悪化する場合があり、2.00超
となる場合にはトナーの耐ホットオフセット性が悪化す
る場合があり好ましくない。
【0053】本発明において、結着樹脂を合成する際に
用いるポリエステル樹脂を合成するためのモノマーとビ
ニル系モノマーとの仕込比は、ポリエステル樹脂を合成
するためのモノマー100重量部に対して、ビニル系モ
ノマー10乃至100重量部、好ましくは15乃至80
重量部、さらに好ましくは20乃至70重量部であるこ
とが良い。
【0054】本発明のトナーに含有される結着樹脂にお
いて、「ハイブリッド樹脂成分」とは、ビニル系重合体
ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された
樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと
(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル
基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニット
とがエステル交換反応によって形成されるものであり、
好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユ
ニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブ
ロック共重合体)を形成するものである。
【0055】従って、本発明において、ハイブリッド樹
脂成分のビニル重合体ユニットとポリエステルユニット
とは、
【0056】
【化10】 を介して結合するものである。
【0057】本発明のトナーに含有される結着樹脂は、
ビニル系重合体ユニット中の全カルボン酸エステルのポ
リエステルユニットとの反応率、すなわちグラフト化率
がビニル系重合体に含有される(メタ)アクリル酸エス
テルを基準にして、好ましくは10乃至60モル%、よ
り好ましくは15乃至55モル%、更に好ましくは20
乃至50モル%含有することが良い。グラフト化率が1
0モル%未満となる場合にはビニル系重合体ユニットと
ポリエステルユニットの相溶性が悪化し、トナーの帯電
性も悪化することがあり好ましくなく、60モル%超と
なる場合には相対的に分子量の大きな成分が増大する結
果トナーの低温定着性が悪化する場合があり好ましくな
い。
【0058】酢酸エチルに溶解する成分(W3)は、重
量平均分子量(Mw)が20万以上、Mw/Mnが30
以上であることが良く、好ましくはMwが30万乃至2
00万、Mw/Mnが50乃至300であり、更に好ま
しくはMwが40万乃至150万、Mw/Mnが80乃
至250である。Mwが20万未満又はMw/Mnが3
0未満になる場合には、トナーの現像性が悪くなる場合
があり好ましくない。
【0059】本発明においては、トナーの結着樹脂全体
の酸価(AV1)は、7〜40mgKOH/gであれば
よいが、好ましくは10〜37mgKOH/g、より好
ましくは15〜35mgKOH/g、さらに好ましくは
17〜30mgKOH/gであることが良い。
【0060】さらに、トナーの酢酸エチル可溶分(W
3)の酸価(AV2)は、10〜45mgKOH/gで
あればよいが、好ましくは15〜45mgKOH/g、
より好ましくは17〜40mgKOH/g、さらに好ま
しくは20〜35mgKOH/gであることが良い。
【0061】本発明のトナーにおいて、ポリエステルユ
ニットは、好ましくは、式(1)乃至(4)で表わせる
2価のカルボン酸、式(5)で表せる1価のカルボン酸
または式(6)で表わせる1価のアルコールの少なくと
も1種以上を含有するものである。
【0062】
【化11】 [式中、R1は炭素数14以上の直鎖、分岐または環状
のアルキル基、アルケニル基を表わし、R3,R4,R5
及びR6は水素原子、炭素数3以上の直鎖、分岐または
環状のアルキル基、アルケニル基を表わし、同一の置換
基であってもよいが、同時に水素原子になることはな
く、R7及びR8は炭素数12以上の直鎖、分岐または環
状のアルキル基、アルケニル基を表わし、nは12乃至
40の整数を表わす。]
【0063】式(1)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(1−1)〜(1−6)が挙げられる。
【0064】
【化12】
【0065】式(2)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(2−1)〜(2−4)が挙げられる。
【0066】
【化13】
【0067】式(3)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(3−1)〜(3−3)が挙げられる。
【0068】
【化14】
【0069】式(4)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(4−1)〜(4−2)が挙げられる。
【0070】
【化15】
【0071】式(5)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(5−1)〜(5−5)が挙げられる。
【0072】
【化16】
【0073】式(6)で表わせる化合物としては、例え
ば、下記化合物(6−1)〜(6−5)が挙げられる。
【0074】
【化17】
【0075】本発明に用いられるポリエステル樹脂のモ
ノマーとしては以下のものが挙げられる。
【0076】アルコール成分としては、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、2−エチル1,3−ヘキ
サンジオール、水素化ビスフェノールA、下記(7−
1)式で表わされるビスフェノール誘導体及び下記(7
−2)式で示されるジオール類が挙げられる。
【0077】
【化18】
【0078】
【化19】
【0079】酸性分としては、フタル酸、イソフタル酸
及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその
無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼラ
イン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;
炭素数6〜12のアルキル基で置換されたこはく酸もし
くはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン
酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げ
られる。
【0080】ビニル系樹脂を生成するためのビニル系モ
ノマーとしては、次のようなものが挙げられる。
【0081】スチレン;o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレ
ン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチ
レン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレ
ン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、
m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロ
スチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プ
ロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽
和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不
飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビ
ニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビ
ニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘ
キシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸
ジエチルアミノエチルの如きα−メチル脂肪族モノカル
ボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アク
リル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル
酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル
酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエ
ーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、
ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの
如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニル
カルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロ
リドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミ
ドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙
げられる。
【0082】さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタ
コン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の
如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸
無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物
の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフ
エステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン
酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエ
ステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコ
ン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエ
ステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フ
マル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフ
エステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメ
チルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基
酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、
ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,
β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロ
ン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、
これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカル
ボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0083】さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメ
タクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メ
チルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモ
ノマーが挙げられる。
【0084】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のポリ
エステルユニットは、三価以上の多価カルボン酸または
その無水物、または、三価以上の多価アルコールで架橋
された架橋構造を有しているものである。三価以上の多
価カルボン酸またはその無水物としては、例えば、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4,−シク
ロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレント
リカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物ま
たは低級アルキルエステル等が挙げられ、三価以上の多
価アルコールとしては、例えば、1,2,3−プロパン
トリオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオ
ール、ペンタエリスリトール等が挙げられるが、好まし
くは1,2,4−ベンゼントリカルボン酸及びその酸無
水物である。
【0085】本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニ
ル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋
剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場
合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として
例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げ
られ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類と
して例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,
3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオール
ジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の
化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが
挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジ
アクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレング
リコールジアクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、
ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプ
ロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物の
アクリレートをメタアクリレートに代えたものが挙げら
れ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジア
クリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレー
トに代えたものが挙げられ;ポリエステル型ジアクリレ
ート類として例えば、商品名MANDA(日本化薬)が
挙げられる。
【0086】多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、トリメチロールエタントリア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリ
ゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレー
トをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0087】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0重量部に対して、0.01〜10重量部(さらに好ま
しくは0.03〜5重量部)用いることができる。
【0088】これらの架橋性モノマーのうち、トナー用
樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられ
るものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベ
ンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を1含む鎖で結ば
れたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0089】本発明ではビニル系共重合体成分及び/又
はポリエステル樹脂成分中に、両樹脂成分と反応し得る
モノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステル樹脂
成分を構成するモノマーのうちビニル系共重合体と反応
し得るものとしては、例えば、フタル酸、マレイン酸、
シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸又
はその無水物などが挙げられる。ビニル系共重合体成分
を構成するモノマーのうちポリエステル樹脂成分と反応
し得るものとしては、カルボキシル基又はヒドロキシ基
を有するものや、アクリル酸もしくはメタクリル酸エス
テル類が挙げられる。
【0090】ビニル系樹脂とポリエステル樹脂の反応生
成物を得る方法としては、先に挙げたビニル系樹脂及び
ポリエステル樹脂のそれぞれと反応しうるモノマー成分
を含むポリマーが存在しているところで、どちらか一方
もしくは両方の樹脂の重合反応をさせることにより得る
方法が好ましい。
【0091】本発明のビニル系共重合体を製造する場合
に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,
2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリ
ル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、
1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリ
ル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリ
ル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペン
タン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メ
トキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチ
ル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、
アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパ
ーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−
ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキ
サイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルク
ミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベン
ゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオ
キサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイ
ルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカー
ボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボ
ネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−
メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ
(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボ
ネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサ
イド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパ
ーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデ
カノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノ
エイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチル
パーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプ
ロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフ
タレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、
t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−
t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,
ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられる。
【0092】本発明のトナーに用いられる結着樹脂を調
製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜
(6)に示す製造方法を挙げることができる。
【0093】(1)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂及
びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造後にブレンドす
る方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレ
ン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去するものであ
り、好ましくは、このブレンド工程でワックスを添加し
て製造される。尚、ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系
重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機
溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコール
を添加し、加熱することによりエステル交換反応を行な
って合成されるエステル化合物を用いることができる。
【0094】(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、
これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノ
マーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコー
ル、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応に
より製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用する
ことができる。好ましくは、この工程でワックスを添加
する。
【0095】(3)ポリエステルユニット製造後に、こ
れの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド
樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分
はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモ
ノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/または
ビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。好
ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0096】(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエ
ステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在
下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマ
ー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハ
イブリッド樹脂成分を製造される。この場合も適宜、有
機溶剤を使用することができる。好ましくは、この工程
でワックスを添加する。
【0097】(5)ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビ
ニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(ア
ルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は
縮重合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及
びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイ
ブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法に
より製造されるものを使用することもでき、必要に応じ
て公知の製造方法により製造されたものを使用すること
もできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することがで
きる。好ましくは、この工程でワックスを添加する。
【0098】(6)ビニル系モノマー及びポリエステル
モノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加
重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系
重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッ
ド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使
用することができる。好ましくは、この工程でワックス
を添加する。
【0099】上記(1)乃至(5)の製造方法におい
て、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステル
ユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体
ユニットを使用することができる。
【0100】上記の(1)〜(6)の製造方法の中で
も、特に(3)の製造方法が、ビニル系重合体ユニット
の分子量制御が容易であり、ハイブリッド樹脂成分の生
成を制御することができ、かつワックスを添加する場合
にはその分散状態を制御できる点で好ましい。
【0101】本発明では、必要に応じてトナーにワック
スを含有させてもよい。使用量は結着樹脂100重量部
に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20
重量部が良い。
【0102】本発明のトナー、ワックスを含有するトナ
ーの示差走査熱量計で測定されるDSC曲線において、
好ましくは温度70乃至160℃、より好ましくは温度
70乃至140℃、さらに好ましくは75乃至140
℃、最も好ましくは80乃至135℃の領域に吸熱メイ
ンピークを有することがトナーの低温定着性及び耐オフ
セット性の点で良い。
【0103】さらに好ましくは、ワックスを含有するト
ナーは、示差走査熱量計で測定されるDSC曲線におい
て、温度80〜155℃、好ましくは90〜130℃の
領域に吸熱メインピーク及び吸熱サブピーク又は吸熱シ
ョルダーを有していることが低温定着性,耐オフセット
性及び耐ブロッキング性の点で好ましい。
【0104】トナーのDSC曲線において、温度70乃
至160℃の領域に明瞭な吸熱ピークを形成するために
は、使用するワックスが限定される。後述の示差走査熱
量計による温度30〜200℃の範囲におけるワックス
のDSC曲線において、最大吸熱ピークに対応する温度
をワックスの融点と定義すると、ワックスとしては、融
点が好ましくは70〜160℃、より好ましくは75〜
160℃、さらに好ましくは75〜140℃、最も好ま
しくは80〜135℃であるものが使用される。
【0105】このようなワックスとしては、例えば、低
分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、マイクロク
リスタリンワックス及びパラフィンワックスの如き脂肪
族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如
き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;それら脂肪族炭
化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワック
ス、サゾールワックス及びモンタン酸エステルワックス
の如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸
カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または
全部を脱酸化したものが挙げられる。さらに、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖の
アルキル基を有する長鎖アルキルカルボン酸類の如き飽
和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、
バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリンアルコ
ール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カ
ルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルア
ルコール、あるいは更に長鎖のアルキル基を有する長鎖
アルキルアルコール類の如き飽和アルコール類;ソルビ
トールの如き多価アルコール類;ステアリン酸カルシウ
ム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石
けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックス
にスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用い
てグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセ
リドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化
物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシ
ル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
【0106】本発明のトナーは、その帯電性をさらに安
定化させる為に必要に応じて荷電制御剤を用いても良
い。荷電制御剤は、結着樹脂100重量部当り好ましく
は0.1〜10重量部、より好ましくは0.2〜5重量
部使用するのが好ましい。
【0107】負荷電制御剤としては、以下のものが挙げ
られる。
【0108】例えば有機金属錯体、キレート化合物、有
機金属塩が挙げられる。具体的には、モノアゾ金属錯
体;芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸
化合物の金属錯体又は金属塩が挙げられる。他には、芳
香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及びポリカル
ボン酸及びその無水物、そのエステル類;ビスフェノー
ルのフェノール誘導体類が挙げられる。
【0109】特に下記式(1)で示される負荷電制御剤
が好ましい。
【0110】
【化20】
【0111】上記式(1)で示す荷電制御剤の中で、特
に下記式(2)で示されるアゾ系鉄錯体化合物が好まし
く用いられる。
【0112】
【化21】 [式中、X1およびX2は水素原子、低級アルキル基、低
級アルコキシ基、ニトロ基またはハロゲン原子を示し、
1とX2は同じであっても異なっていてもよく、mおよ
びm’は1〜3の整数を示し、R1およびR3は水素原
子、C118のアルキル、アルケニル、スルホンアミ
ド、メシル、スルホン酸、カルボキシエステル、ヒドロ
キシ、C118のアルコキシ、アセチルアミノ、ベンゾ
イルアミノ基またはハロゲン原子を示し、R1とR3は同
じであっても異なっていてもよく、nおよびn’は1〜
3の整数を示し、R2およびR4は水素原子またはニトロ
基を示し、A+はアンモニウムイオン、水素イオン、ナ
トリウムイオン、カリウムイオン及びそれらの混合イオ
ンからなるグループから選択されるカチオンイオンを示
す。]
【0113】正荷電制御剤として下記の物質がある。
【0114】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、
及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム
塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及
びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、りんタ
ングステン酸、りんモリブデン酸、りんタングステンモ
リブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェ
リシアン化物、フェロシアン化物など)高級脂肪酸の金
属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサ
イド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガ
ノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチル
スズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジ
オルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾ
ール化合物。これらを単独で或いは2種類以上組合せて
用いることができる。これらの中でも、トリフェニルメ
タン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級ア
ンモニウム塩が好ましく用いられる。また一般式(3)
【0115】
【化22】 で表わされるモノマーの単重合体:前述したスチレン、
アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き重合
性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用いる
ことができる。この場合これらの荷電制御剤は、結着樹
脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
【0116】特に下記一般式(4)で表わされる化合物
が本発明の構成においては好ましい。
【0117】
【化23】
【0118】本発明のトナーの着色剤としては、磁性
体、カーボンブラック、チタンホワイトやその他の顔料
及び/又は染料を用いることができる。例えば本発明の
トナーを磁性カラートナーとして使用する場合には、染
料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダ
イレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.
I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド3
0、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクト
ブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッ
ドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.
ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、
C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグ
リーン4、C.I.ベーシックグリーン6がある。顔料
としては、ミネラルファストイエロー、ネーブルイエロ
ー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、パーマ
ネントイエローNCG、タートラジンレーキ、モリブデ
ンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロン
オレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、
パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウ
ム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マ
ンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレッ
トレーキ、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビ
クトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファー
ストスカイブルー、インダンスレンブルーBC、ピグメ
ントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファイナ
ルイエローグリーンGがある。
【0119】本発明のトナーを二成分フルカラー用トナ
ーとして使用する場合には、着色剤として、次の様なも
のが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.
I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,
8,9,10,11,12,13,14,15,16,
17,18,19,21,22,23,30,31,3
2,37,38,39,40,41,48,49,5
0,51,52,53,54,55,57,58,6
0,63,64,68,81,83,87,88,8
9,90,112,114,122,123,163,
202,206,207,209、C.I.ピグメント
バイオレット19、C.I.バットレッド1,2,1
0,13,15,23,29,35が挙げられる。
【0120】上記顔料を単独で使用しても構わないが、
染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフル
カラー画像の画質の点からより好ましい。マゼンタ用染
料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,2
3,24,25,27,30,49,81,82,8
3,84,100,109,121、C.I.ディスパ
ースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,1
3,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレ
ット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,
2,9,12,13,14,15,17,18,22,
23,24,27,29,32,34,35,36,3
7,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレッ
ト1,3,7,10,14,15,21,25,26,
27,28の如き塩基性染料が挙げられる。
【0121】シアン用着色顔料としては、C.I.ピグ
メントブルー2,3,15,16,17、C.I.バッ
トブルー6、C.I.アシッドブルー45又は次式で示
される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミド
メチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料があ
げられる。
【0122】
【化24】
【0123】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
等が挙げられる。
【0124】非磁性の着色剤の使用量は結着樹脂100
重量部に対して、0.1〜60重量部好ましくは0.5
〜50重量部である。
【0125】磁性体としては、マグネタイト、マグヘマ
イト、フェライトの如き酸化鉄、及び他の金属酸化物を
含む酸化鉄;Fe,Co,Niのような金属、あるい
は、これらの金属とAl,Co,Cu,Pb,Mg,N
i,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,Cd,Ca,M
n,Se,Ti,W,Vのような金属との合金、および
これらの混合物が挙げられる。
【0126】具体的には、磁性材料としては、四三酸化
鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄
亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe5
12 )、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガ
ドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe2
4)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル
(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、
酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウ
ム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)が挙げ
られる。上述した磁性材料を単独で或いは2種以上の組
合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又
はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
【0127】本発明のトナーに流動性向上剤を添加して
も良い。流動性向上剤は、トナーに添加することによ
り、流動性が添加前後を比較すると増加し得るものであ
る。例えば、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフル
オロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法
シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸
化チタン、微粉末アルミナ、それらをシランカップリン
グ剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより
表面処理を施した処理シリカ,処理酸化チタン,処理ア
ルミナがある。
【0128】好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハ
ロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であ
り、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称さ
れるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔
中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎とな
る反応式は次の様なものである。
【0129】 SiCl2+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0130】この製造工程において、塩化アルミニウム
又は塩化チタン等の他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハ
ロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金
属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、シリカ
としてはそれらも包含する。その粒径は、平均の一次粒
径として、0.001〜2μmの範囲内であることが好
ましく、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範
囲内のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0131】ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により
生成された市販のシリカ微粉体としては、例えば以下の
様な商品名で市販されているものがある。
【0132】 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社) Fransol(Fransil社)
【0133】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処
理シリカ微粉体がより好ましい。該処理シリカ微粉体に
おいて、メタノール滴定試験によって測定された疎水化
度が30〜80の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を
処理したものが特に好ましい。
【0134】疎水化方法としては、カップリング剤の如
きシリカ微粉体と反応あるいは物理吸着する有機ケイ素
化合物及び/又はシリコーンオイルで化学的に処理する
ことによって付与される。好ましい方法としては、ケイ
素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカ
微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0135】シランカップリング剤としては、ヘキサメ
チルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロル
シラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロル
シラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロ
ルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジ
メチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラ
ン、α−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロルエ
チルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシ
ラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシ
リルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、
ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキ
シシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニ
ルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテト
ラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12個の
シロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞれ1
個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシ
ロキサンがある。
【0136】窒素原子を有するアミノプロピルトリメト
キシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミ
ノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリ
メトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキ
シシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラ
ン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチ
ルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノ
フェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ
−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−
プロピルベンジルアミンの如きシランカップリング剤も
単独あるいは併用して使用される。好ましいシランカッ
プリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMD
S)、アミノシランカップリング剤が挙げられる。
【0137】本発明で用いる好ましいシリコーンオイル
としては、25℃における粘度が0.5〜10000セ
ンチストークス、好ましくは1〜1000センチストー
クス、さらに好ましくは10〜200センチストークス
のものが用いられ、例えばジメチルシリコーンオイル、
メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン
変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイ
ル、フッ素変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコー
ンオイルが特に好ましい。シリコーンオイル処理の方法
としては、例えば、シランカップリング剤で処理された
シリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサ
ーの如き混合機を用いて直接混合する方法;ベースとな
るシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法;あ
るいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分
散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去す
る方法;を用いることが可能である。
【0138】シリコーンオイル処理シリカは、シリコー
ンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で200℃以
上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコー
トを安定化させることがより好ましい。
【0139】本発明においては、シリカを予め、カップ
リング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方
法、または、シリカをカップリング剤とシリコーンオイ
ルで同時に処理する方法によって処理されたものが好ま
しい。
【0140】流動性向上剤は、BET法で測定した窒素
吸着による比表面積が30m2/g以上、好ましくは5
0m2/g以上のものが良好な結果を与える。トナー1
00重量部に対して流動性向上剤0.01〜8重量部、
好ましくは0.1〜4重量部使用するのが良い。
【0141】本発明のトナーを作製するには結着樹脂、
着色剤及び/又は磁性体、荷電制御剤またはその他の添
加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機
により充分混合し、ニーダー、エクストルーダーの如き
熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互い
に相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化後に固化物を粉砕
し、粉砕物を分級して本発明のトナーを得ることができ
る。
【0142】本発明のトナーは、重量平均粒径が、好ま
しくは3乃至9μm、より好ましくは3〜8μmを有す
ることが解像性,画像濃度の点で好ましく、小粒径トナ
ーであっても良好に加熱加圧定着され得る。
【0143】さらに、流動性向上剤とトナーをヘンシェ
ルミキサーの如き混合機により充分混合し、トナー粒子
表面に流動性向上剤を有するトナーを得ることができ
る。
【0144】本発明のトナーの溶媒溶解成分の定量及び
その他の物性の測定方法を以下に示す。
【0145】(1)トナーのテトラヒドロフラン(TH
F)、酢酸エチル及びクロロホルム不溶成分の定量 トナー2gを精秤(TW1)して円筒濾紙(例えば、東
洋濾紙社製No.86R)に入れてソックスレー抽出器
にかけ、THFは200ml用いる。約120℃に温度
調整されたオイルバスを用いて10時間還流する。TH
Fに可溶な成分(W1)はTHFを濃縮、乾固した後に
60℃で24時間真空乾燥することにより定量できる。
トナーのTHF不溶成分(W2)を定量する場合は、着
色剤等の結着樹脂以外のTHF不溶成分(TW2)から
下記式により算出される。
【0146】
【数1】
【0147】同様にして、溶媒を酢酸エチル及びクロロ
ホルムに変更することにより、それぞれの溶媒に対する
結着樹脂の可溶成分及び不溶成分を定量することができ
る。
【0148】ソックスレー抽出装置の一例を図7に示
す。
【0149】容器51に入っているTHF52は、ヒー
タ53で加熱され気化し、気化したTHFは管54を通
って冷却器55に導かれる。冷却器55は、冷却水56
で常時、冷却されている。冷却器55で冷却されて液化
したTHFは円筒ろ紙57を有する貯留部58にたま
り、THFの液面が中管59よりも高くなると、貯留部
からTHFが容器51に排出される。円筒ろ紙57に入
っているトナーまたは樹脂は、循環するTHFによって
抽出処理される。
【0150】(2)1H−NMR及び13C−NMR測定
による酢酸エチルに不溶な成分及び可溶な成分中のポリ
エステル樹脂の定量 H−NMR及び13C−NMRを用いて各モノマー組成
存在比率をモル比率で求め、このモル比率での各モノマ
ー組成存在比率から各モノマーの分子量を用い、エステ
ル化に伴う脱水量は無視してポリエステル樹脂成分の含
有量を重量%で算出する。
【0151】 (1H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルの測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:400MHz パルス条件:5.0μs データポイント:32768 周波数範囲:10500Hz 積算回数 :10000回 測定温度 :60℃ 試料 :測定試料50mgをφ5mmのサンプルチ
ューブに入れ、溶媒としてCDCl3を添加し、これを
60℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
【0152】(13C−NMR(核磁気共鳴)スペクトル
の測定) 測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400
(日本電子社製) 測定周波数:400MHz パルス条件:5.0μs データポイント:32768 遅延時間:25sec. 周波数範囲:10500Hz 積算回数 :16回 測定温度 :40℃ 試料 :測定試料200mgをφ5mmのサンプル
チューブに入れ、溶媒としてCDCl3(TMS0.0
5%)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて
調製する。
【0153】H−NMR及び13C−NMR測定による
酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成分中のポリエス
テル樹脂の含有量の定量の一具体例を図3及び4乃至6
を用いて下記に記載する。
【0154】 1H−NMR測定によるアルコール成分
の存在比率の決定(図4及び5参照) プロポキシ化ビスフェノールA(PO−BPA)及びエ
トキシ化ビスフェノールA(EO−BPA)の存在比率
は、1H−NMRスペクトルにおける5.2ppm、
5.3ppm及び5.4ppm付近のプロポキシ基の水
素(各1H相当:図6参照)のシグナルと4.3ppm
及び4.65ppm付近のエトキシ基の水素(各4H相
当)のシグナルとの強度比から求める。
【0155】 1H−NMR測定による芳香族カルボン
酸成分の存在比率の決定(図4及び5参照) テレフタル酸及びトリメリット酸の存在比率は、1H−
NMRスペクトルにおける8ppm付近のテレフタル酸
の水素(4H相当)のシグナルと7.6ppm7.8p
pm及び8.4ppm付近のトリメリット酸の水素(各
1H相当)のシグナルとの強度比から求める。
【0156】 1HNMR測定によるスチレンの存在比
率の決定(図4及び5参照) スチレンの存在比率は、1H−NMRスペクトルにおけ
る6.6ppm付近の水素(1H相当)のシグナルの強
度比から求める。
【0157】 13C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸、(メタ)アクリル酸エステル及びPO−BPA、E
O−BPAの(メタ)アクリル酸エステル化合物(ビニ
ル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成物)の存在
比率の決定(図3参照) 脂肪族カルボン酸、(メタ)アクリル酸エステル及びビ
ニル系重合体とポリエステル樹脂との反応生成物の存在
比率は、13C−NMRスペクトルにおける173.5p
pm及び174ppm付近の脂肪族カルボン酸のカルボ
キシル基の炭素(各1C相当)のシグナルと176pp
m付近の(メタ)アクリル酸エステルのカルボキシル基
の炭素(1C相当)のシグナルと169ppm付近の新
たに検出されたピークの(メタ)アクリル酸エステルの
カルボキシル基の炭素(1C相当)のシグナルと強度比
から求める。
【0158】 13C−NMR測定による脂肪族カルボン
酸と芳香族カルボン酸の存在比率の決定(図3参照) 脂肪族カルボン酸と芳香族カルボン酸の存在比率は、13
C−NMRスペクトルにおける165ppm付近のテレ
フタル酸及びトリメリット酸のカルボキシル基の炭素
(1C相当)のシグナルと上記の脂肪族カルボン酸の
カルボキシル基の炭素(各1C相当)のシグナルの強度
比の比較から求める。
【0159】 13C−NMR測定によるスチレンの存在
比率の決定(図3参照) スチレンの存在比率は、13C−NMRスペクトルにおけ
る125ppm付近のパラ位の炭素(1C相当)のシグ
ナルの強度比から求める。
【0160】酢酸エチルに不溶な成分中及び可溶な成
分中のポリエステル樹脂成分の含有量の決定 上記乃至の1H−NMRスペクトルから、PO−B
PA、EO−BPA、テレフタル酸、トリメリット酸及
びスチレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算出
し、さらに上記乃至の13C−NMRスペクトルか
ら、PO−BPA、EO−BPAの(メタ)アクリル酸
エステル化合物(ビニル系重合体とポリエステル樹脂と
の反応生成物)、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸
及びスチレンの各モノマー組成存在比率をモル比率で算
出することにより、全構成モノマーの組成存在比率をモ
ル比率で算出する。このモル比率での各モノマー組成存
在比率から各モノマーの分子量を用い、エステル化に伴
う脱水量は無視してポリエステル樹脂成分の含有量を重
量%で算出する。
【0161】(3)結着樹脂原料又はトナーの結着樹脂
の分子量分布の測定 GPCによるクロマトグラムの分子量は次の条件で測定
される。
【0162】40℃のヒートチャンバー中でカラムを安
定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてテト
ラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流す。
試料が結着樹脂原料の場合は、結着樹脂原料をロールミ
ルに素通し(130℃,15分)したものを用いる。試
料がトナーの場合は、トナーをTHFに溶解後0.2μ
mフィルターで濾過し、その濾液を試料として用いる。
試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂
のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定す
る。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子
量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作
製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出
する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、
例えば、Pressure Chemical Co.
製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×1
2 ,2.1×103 ,4×103 ,1.75×1
4 ,5.1×104 ,1.1×105 ,3.9×10
5 ,8.6×105 ,2×106 ,4.48×106
ものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン
試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折
率)検出器を用いる。
【0163】カラムとしては、103 〜2×106 の分
子量領域を適確に測定するために、市販のポリスチレン
ゲルカラムを複数組合せるのが良く、例えば、Wate
rs社製のμ−styragel 500,103 ,1
4 ,105 の組合せや、昭和電工社製のshodex
KA−801,802,803,804,805,8
06,807の組合せが好ましい。
【0164】(4)粒度分布の測定 本発明のトナーの粒度分布の測定はコールターカウンタ
ーTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コ
ールター社製)を用いる。電解液は1級塩化ナトリウム
を用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえばIS
OTON R−II(コールターサイエンティフィック
ジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電
界水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性
剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.
1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。
試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間
分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャー
として100μmアパーチャーを用いて、2μm以上の
トナーの体積、個数を測定して体積分布と個数分布とを
算出した。それから、本発明に係る体積分布から求めた
重量基準の重量平均粒径(D4)及び体積平均粒径(D
v)(それぞれ各チャンネルの中央値をチャンネル毎の
代表値とする)を求めた。
【0165】本発明者らは、さらに詳細な検討を行った
ところ、磁性コートキャリアの粒度分布が広い場合に
は、キャリア粒子の静電潜像担持体表面への付着(キャ
リア付着)は、キャリアの平均粒径が小さくなるに従い
その粒度分布の小粒径側のものが選択的に起きやすくな
るということが知見された。トナーに対する帯電付与に
もキャリアの粒度分布が影響し、粒度分布が広い場合に
は現像剤の流動性が低下することによってトナーの摩擦
帯電が不安定になりやすいことも知見された。また、ト
ナーの低温定着性を向上させるとトナーは劣化しやすく
なり、流動性の低下を生じやすい。そこで、磁性コート
キャリアの粒度分布を所定の範囲内に制御すると共に平
均粒子径の2/3粒径以下の粒子の存在をできる限り少
なくすること及び磁性コートキャリアの磁気力を下げる
ことにより、上記問題を解決することができることが知
見された。
【0166】トナーの劣化を防止するために、磁性コー
トキャリアの磁気力を小さくすると効果的であるが、ト
ナー劣化を防止するのに反比例してキャリア付着が増大
することも知見された。そこで、磁性コートキャリア粒
子の比抵抗、特にコア粒子の比抵抗を上げることと、磁
性コートキャリアの粒度分布を制御することにより、キ
ャリア付着を良好に防止することが可能である。同時に
磁性コートキャリアの粒度分布のシャープ化はトナーへ
の帯電性をも良好にすることができる。
【0167】従来のキャリアの製造過程において、粉砕
及び分級による製造方法では微粉を取り除くことは困難
であった。また、磁性コートキャリアが形状係数SF−
1が100〜130であると、現像剤の流動性が向上し
トナーへの帯電性をさらに良好にすることができる。
【0168】本発明の磁性コートキャリアは、個数平均
粒径は5〜100μmであり、好ましくは10〜70μ
mである。個数平均粒径が5μmより小さいとキャリア
の粒度分布の微粒子側の粒子による非画像部へのキャリ
ア付着を良好に防止できない場合があり、100μmよ
り大きいと磁気ブラシの剛直さによるはきめは生じない
が、大きさ故の画像のムラを生じてしまう場合がある。
【0169】本発明の磁性コートキャリアの粒度分布と
して、個数平均粒径Dnの2/3粒径以下の個数分布の
累積個数割合が25個数%以下であることが重要であ
る。好ましくは15個数%以下であり、さらに10個数
%以下であることがキャリア付着をさらに良好に防止す
るために好ましい。25個数%を超えると、キャリアの
微粉によるキャリア付着を生じる傾向がある。
【0170】さらに、式Dn/σ≧3.5を満足するこ
とが重要である。好ましくはDn/σ≧4.0である。
3.5より小さい場合には重量平均粒径が1〜10μm
のような小粒径トナーを用いたとき、現像剤の流動性が
低下し、トナー帯電付与性能が不安定になる場合があ
る。
【0171】本発明に用いるキャリアコア粒子のバイン
ダー樹脂としては、一部または全部が三次元的に架橋さ
れている樹脂であることが好ましい。これは、キャリア
の粒度分布の制御とキャリア製造方法とが密接に関係し
ているためである。一般に、磁性体分散型樹脂キャリア
を製造する場合には、バインダー樹脂及び磁性粉とを所
定の混合比で加熱混合し、冷却後に粉砕し、次いで分級
する方法が採られていた。特開平7−43950号公報
に開示されるように粉砕工程を改良することである程度
の粒度分布のシャープ化は図れるが、粉砕のメカニズム
からどうしてもある程度の微粉を生じることは防止でき
ない。特に磁性粉が多量に含有される場合には過粉砕に
なりやすいという問題点があった。特に、微粉は風力分
級や篩を用いた分級操作によっても完全に取り除くこと
ができなかった。また、バインダー樹脂として熱可塑性
樹脂を使用したキャリアにおいては、多数枚の使用によ
り、分散している磁性体微粒子の脱離が問題となる。
【0172】本発明においては、例えばモノマーと溶媒
が均一であるような溶液中から粒子を生成する重合法の
製造方法及びキャリアコア粒子中に分散する金属酸化物
に親油化処理を施すことによって、粒度分布のシャープ
な、特に微粉のない磁性体分散型樹脂キャリアコアを製
造できることを見いだした。これはモノマーの重合が進
み高分子量化しゲル状になるのと同時に金属酸化物が取
り込まれる状態で造粒が行われることにより、均一な粒
度分布であり、特に微粉が少ないキャリアコア粒子を製
造できると考えられる。また、樹脂の一部または全部を
三次元的に架橋することで、分散する磁性体微粒子をさ
らに強固に結着できる。
【0173】高画質化を達成するために重量平均粒径が
1〜10μmのように小粒径トナーの場合、キャリア粒
径もトナーに応じて小粒径化することが好ましく、上述
した製造方法ではキャリア粒径が小粒径化しても平均粒
径に関係なく微粉の少ないキャリアを製造できる。
【0174】キャリアコア粒子のバインダー樹脂に使用
されるモノマーとしては、ラジカルの重合性のモノマー
を用いることができる。例えばスチレン;o−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、
p−エチルスチレン、p−ターシャリーブチルスチレン
の如きスチレン誘導体;アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリ
ル酸n−プロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸
オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロ
ルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステ
ル;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オ
クチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フ
ェニル、メタクリル酸ジメチルアミノメチル、メタクリ
ル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ベンジルの如
きメタクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート;アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピ
ルビニルエーテル、n−ブチルエーテル、イソブチルエ
ーテル、β−クロルエチルビニルエーテル、フェニルビ
ニルエーテル、p−メチルフェニルエーテル、p−クロ
ルフェニルエーテル、p−ブロムフェニルエーテル、p
−ニトロフェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニ
ルビニルエーテルの如きビニルエーテル;ブタジエンの
如きジエン化合物を挙げることができる。
【0175】これらのモノマーは単独または混合して使
用することができ、好ましい特性が得られるような好適
な重合体組成を選択することができる。
【0176】キャリアコア粒子のバインダー樹脂は三次
元的に架橋されていることが好ましい。架橋剤として
は、重合性の2重結合を一分子当たり2個以上有する架
橋剤を使用することが好ましい。架橋剤としては、ジビ
ニルベンゼン、ジビニルナフタレンの如き芳香族ジビニ
ル化合物;エチレングリコールジアクリレート、エチレ
ングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコー
ルジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタ
クリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタ
ンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトー
ルジメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタ
クリレート、グリセロールアクロキシジメタクリレー
ト、N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル、ジ
ビニルスルフィド、ジビニルスルフォンが挙げられる。
2種類以上を適宜混合して使用しても良い。架橋剤は、
重合性混合物にあらかじめ混合しておくこともできる
し、必要に応じて適宜重合の途中で添加することもでき
る。
【0177】その他のキャリアコア粒子のバインダー樹
脂のモノマーとして、エポキシ樹脂の出発原料としてな
るビスフェノール類とエピクロルヒドリン、フェノール
樹脂のフェノール類とアルデヒド類、尿素樹脂の尿素と
アルデヒド類、メラミンとアルデヒド類が挙げられる。
【0178】もっとも好ましいバインダー樹脂は、フェ
ノール系樹脂である。その出発原料としては、フェノー
ル、m−クレゾール、3,5−キシレノール、p−アル
キルフェノール、レゾルシル、p−tert−ブチルフ
ェノールの如きフェノール化合物;ホルマリン、パラホ
ルムアルデヒド、フルフラールの如きアルデヒド化合物
が挙げられる。特にフェノールとホルマリンの組合わせ
が好ましい。
【0179】これらのフェノール樹脂又はメラミン樹脂
を用いる場合には、硬化触媒として塩基性触媒を用いる
ことができる。塩基性触媒として通常のレゾール樹脂製
造に使用される種々のものを用いることができる。具体
的にはアンモニア水、ヘキサメチレンテトラミン、ジエ
チルトリアミン、ポリエチレンイミンの如きアミン類を
挙げることができる。
【0180】本発明の磁性コートキャリアに用いる金属
酸化物としては、磁性を示すMO・Fe23またはMF
24の式で表されるマグネタイト又はフェライトが挙
げられる。式中、Mは3価、2価あるいは1価の金属イ
オンを示す。Mとしては、Mg、Al、Si、Ca、S
c、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、
Zn、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、Sn、B
a、Pb、Liが挙げられる。Mは単独あるいは複数で
用いることができる。例えばマグネタイト、Zn−Fe
系フェライト、Mn−Zn−Fe系フェライト、Ni−
Zn−Fe系フェライト、Mn−Mg−Fe系フェライ
ト、Ca−Mn−Fe系フェライト、Ca−Mg−Fe
系フェライト、Li−Fe系フェライト、Cu−Zn−
Fe系フェライトの如き鉄系酸化物が挙げられる。
【0181】上記磁性を示す金属化合物と下記非磁性の
化合物とを混合して用いても良い。例えば、非磁性の化
合物としてはAl23、SiO2、CaO、TiO2、V
25、CrO、MnO2、α−Fe23、CoO、Ni
O、CuO、ZnO、SrO、Y23、ZrO2が挙げ
られる。この場合、1種類の金属化合物を用いることも
できるが、とくに好ましくは少なくとも2種以上の金属
化合物を混合して用いるのが良い。その場合には、比重
や形状が類似している粒子を用いるのが、バインダーと
の密着性及びキャリアコア粒子の強度を高めるために、
より好ましい。例えば、マグネタイトとヘマタイト、マ
グネタイトとα−Fe23、マグネタイトとSiO2
マグネタイトとAl23、マグネタイトとTiO2、マ
グネタイトとCa−Mn−Fe系フェライト、マグネタ
イトとCa−Mg−Fe系フェライトの組み合わせを好
ましく用いることができる。中でもマグネタイトとヘマ
タイトの組み合わせが特に好ましく用いられる。
【0182】上記の金属酸化物を使用する場合、磁性を
示す金属酸化物の個数平均粒径は、キャリアコアの個数
平均粒径によっても変わるが、粒径0.02〜2μmの
ものが好ましい。2種以上の金属酸化物を用いる場合、
磁性を示す金属酸化物の個数平均粒径は0.02〜2μ
mのものが好ましく、他方の金属酸化物の個数平均粒径
は、0.05〜5μmのものが好ましい。この場合、磁
性粒子の個数平均粒径(平均粒径ra)と他方の金属酸
化物の個数平均粒径(平均粒径rb)の粒径比rb/r
aは、1.0を超え5.0以下であることが好ましく、
より好ましくは1.2乃至5.0が良い。1.0倍以下
であると、比抵抗の低い強磁性を示す金属酸化物粒子が
表面に出やすくなり、キャリアコアの比抵抗を上げにく
く、キャリア付着を防止する効果が得られにくくなる。
また、5.0倍を超えると、キャリアの強度が低下しや
すく、キャリア破壊を引き起こしやすくなる。金属酸化
物の粒径測定方法については後述する。
【0183】バインダー樹脂に分散されている金属酸化
物の比抵抗は、磁性粒子が1×103Ω・cm以上の範
囲のものが好ましく、特に、2種以上の金属酸化物を混
合して用いる場合には、磁性を示す金属酸化物粒子の比
抵抗が1×103Ω・cm以上の範囲が好ましく、他方
の非磁性金属酸化物粒子は磁性金属酸化物粒子よりも高
い比抵抗を有するものを用いることが好ましい。好まし
くは本発明に用いる非磁性酸化物の比抵抗は1×108
Ω・cm以上、より好ましくは1×1010Ω・cm以上
のものが良い。
【0184】磁性金属酸化物粒子の比抵抗が1×103
Ω・cm未満であると、含有量を減量しても所望の高比
抵抗が得られにくく、電荷注入を招き、画質を落した
り、キャリア付着を招きやすい。また、2種以上の金属
酸化物を使用する場合には粒径の大きな金属酸化物の比
抵抗が1×108Ω・cm未満であると、磁性キャリア
コアの比抵抗が低くなり、本発明の効果が得られにくく
なる。金属酸化物の比抵抗測定方法については後述す
る。
【0185】本発明の磁性金属酸化物分散樹脂キャリア
コアにおいて、金属酸化物の含有量は、50〜99重量
%が好ましい。金属酸化物の量が50重量%未満である
と帯電性が不安定になりやすく、特に低温低湿環境下に
おいてキャリアが帯電し、その残留電荷が残存しやすく
なるために微粉トナーや外添剤等がキャリア粒子表面に
付着しやすくなる。また、99重量%を超えるとキャリ
ア強度が低下して、耐久によるキャリアの割れなどの問
題を生じやすくなる。
【0186】さらに本発明の好ましい形態としては、2
種以上の金属酸化物を分散した金属酸化物分散樹脂キャ
リアコアにおいて、含有する金属酸化物全体に占める磁
性を有する金属酸化物の含有量が30〜95重量%であ
る。30重量%未満であるとコアの高抵抗化は良好にな
る反面、キャリアとしての磁気力が小さくなり、キャリ
ア付着を招く場合がある。また、95重量%を超えると
磁性を有する金属酸化物の比抵抗にもよるが、より好ま
しいコアの高抵抗化が図れない場合がある。
【0187】更に、金属酸化物分散樹脂キャリアコアに
含有される金属酸化物は、親油化処理されていることが
磁性キャリア粒子の粒度分布をシャープにすること及び
金属酸化物微粒子のキャリアからの脱離を防止する上で
好ましい。親油化処理された金属酸化物を分散させたキ
ャリアコア粒子を形成する場合、モノマーと溶媒が均一
になっている液中から重合反応が進むと同時に溶液に不
溶化した粒子が生成する。そのときに金属酸化物が粒子
内部で均一にかつ高密度に取り込まれる作用と粒子同士
の凝集を防止し粒度分布をシャープ化する作用があると
考えられる。
【0188】親油化処理はシランカップリング剤、チタ
ネートカップリング剤及びアルミニウムカップリング剤
の如きカップリング剤や種々の界面活性剤で表面処理す
ることが好ましい。
【0189】特にシランカップリング剤及びチタネート
カップリング剤の如きカップリング剤の中から選ばれる
もので表面処理することが好ましい。
【0190】磁性金属酸化物粒子は、100重量部当り
0.1〜10重量部(より好ましくは、0.2〜6重量
部)のシランカップリング剤又はチタネートカップリン
グ剤で処理されているのが磁性金属酸化物粒子の親油性
及び疎水性を高める上で好ましい。
【0191】シランカップリング剤としては、疎水性
基、アミノ基あるいはエポキシ基を有するものが挙げら
れる。
【0192】疎水性基を有するシランカップリング剤
は、アルキル基,ハロゲン化アルキル基,フェニル基,
ハロゲン化フェニル基又はアルキルフェニル基を有する
シランカップリング剤が挙げられる。好ましくは、疎水
性基を有するシランカップリング剤は、下記式で示され
るアルコキシシランである。
【0193】RmSiYn〔式中、Rはアルコキシ基を示
し、mは1〜3の整数を示し、Yはアルキル基又はビニ
ル基を示し、nは1〜3の整数を示す〕
【0194】例えば、より好ましい疎水性基を有するシ
ランカップリング剤として、ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシ
シラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチ
ルメトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、
フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメ
トキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン及
びビニルトリス(β−メトキシ)シランからなるグルー
プから選択される化合物が挙げられる。
【0195】また、疎水性基を有するシランカップリン
グ剤として、ビニルトリクロルシラン、ヘキサメチルジ
シラザン、トリメチルシラン、ジメチルジクロルシラ
ン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシ
ラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチ
ルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、
α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチル
トリクロルシラン及びクロルメチルジメチルクロルシラ
ンからなるグループから選択される化合物を使用しても
良い。アミノ基をもつシランカップリング剤としては、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルメトキシジエトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランが
挙げられる。エポキシ基をもつシランカップリング剤と
しては、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
ラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、
β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキシ
シランが挙げられる。
【0196】チタネートカップリング剤としては、イソ
プロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピ
ルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプ
ロペルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネー
トを挙げることができる。
【0197】アルミニウムカップリング剤としては、ア
セトアルコキシアルミニウムジイソプロピレートを挙げ
ることができる。
【0198】界面活性剤としては、市販の界面活性剤を
使用することができる。
【0199】磁性キャリアコア粒子は、溶媒中に上記モ
ノマー、金属酸化物微粒子を分散させ、開始剤あるいは
触媒を加えて重合する方法により製造することができ
る。その場合、溶媒としてはバインダー樹脂が重合の進
行に伴って析出してくるものが使用される。具体的に
は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−
プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソ
ブチルアルコール、ターシャリーブチルアルコール、1
−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノー
ル、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコ
ール、ターシャリーペンチルアルコール、1−ヘキサノ
ール、2−メチル1−ペンタノール、4−メチル−2−
ペンタノール、2−エチルブタノール、1−ヘプタノー
ル、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、2−オクタ
ノール、2−エチル1−ヘキサノールの如き直鎖もしく
は分岐鎖の脂肪族アルコール化合物;ペンタン、2−メ
チルブタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、2−メチ
ルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチ
ルブタン、ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、
2,2,3−トリメチルペンタン、デカン、ノナン、シ
クロペンタン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘ
キサン、エチルシクロヘキサン、p−メンタン、ビシク
ロヘキシルの如き脂肪族炭化水素化合物;芳香族炭化水
素化合物;ハロゲン化炭化水素;エーテル化合物;脂肪
酸;エステル化合物;含硫黄化合物水を挙げることがで
きる。これらは単独で使用してもよいし、混合して使用
しても良い。
【0200】キャリアコア粒子を重合法で生成する場合
に、分散安定剤を使用しても良い。分散安定剤として
は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、フェノ
ールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、スチ
レン−アクリル共重合体、ポリメチルビニルエーテル、
ポリエチルビニルエーテル、ポリブチルビニルエーテ
ル、ポリイソブチルビニルエーテルといったビニルエー
テル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリビニルピロリドン、ポリヒドロキシ
スチレン、塩化ビニル、ポリビニルアセタール、セルロ
ース、酢酸セルロース、硝酸セルロース、アルキル化セ
ルロース、ヒドロキシアルキル化セルロース、具体的に
はヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、飽和アルキルポリエステル樹脂、芳香族ポリ
エステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリ
カーボネート樹脂が挙げられる。これらは、単独で又は
混合して使用することができる。
【0201】前記モノマーを重合する際に重合開始剤が
使用される。使用する重合開始剤としては、ラジカル重
合開始剤が挙げられる。例えば、2,2’−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス−(シク
ロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビ
ス−4−メトキシ2,4−ジメチルバレロニトリルの如
きアゾ系もしくはジアゾ系重合開始剤;2,2’−アゾ
ビス(2−アミノジプロパン)ジヒドロクロリド、2,
2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチルアミ
ジン)、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイ
ソブチルアミジン)ジヒドロクロリドの如きアミジン化
合物;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトン
パーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネー
ト、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドの
如き過酸化物系重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウムの如き過硫化物系開始剤が挙げられる。これ
らは、単独で又は混合して使用することができる。
【0202】また、硬化系フェノール樹脂を有するキャ
リアコア粒子の製造方法としては、水性溶媒中で金属酸
化物を分散したフェノール類とアルテヒド類を塩基性触
媒の存在下で重合する方法が挙げられる。
【0203】塩基性触媒としては、アンモニア水、ヘキ
サメチレンテトラアミン、ジエチルトリアミン等が挙げ
られる。
【0204】重合時に連鎖移動剤を用いても良い。例え
ば、四塩化炭素、四臭化炭素、二臭化酢酸エチル、三臭
化酢酸エチル、二臭化エチルベンゼン、二臭化エタン、
二塩化エタンの如きハロゲン化炭化水素化合物;ジアゾ
チオエーテル、ベンゼン、エチルベンゼン、イソプロピ
ルベンゼンの如き炭化水素類化合物;ターシャリードデ
シルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンの如きメ
ルカプタン化合物;ジイソプロピルザントゲンジスルフ
ィドの如きジスルフィド化合物が挙げられる。
【0205】キャリアコア粒子を好ましく製造する方法
としては、モノマー及び溶媒が均一な溶液になっている
ことが好ましく、さらには金属酸化物が親油化処理され
ていることが好ましい。さらには、重合反応を始める前
にそれらを十分良好に分散させ、触媒又は重合開始剤を
添加して重合反応して磁性キャリアコア粒子の粒度分布
をシャープにすることが好ましい。重合反応後、溶媒を
用いて洗浄濾過した後、真空乾燥の如き乾燥工程を経
て、必要によっては分級操作を行って、キャリアコア粒
子の粒度分布をシャープにする。分級は振動篩、慣性力
を利用した多分割分級装置による微粉及び粗粉のカット
を行う。
【0206】本発明の磁性コートキャリアは、トナーの
帯電量に合わせて適当な被覆材で磁性キャリアコア粒子
表面がコートされている。被覆材のコート量は、0.1
重量%〜10重量%が好ましく、より好ましくは、0.
3重量%〜5重量%であることが最も好適である。ま
た、本発明の磁性金属酸化物分散型樹脂キャリアではこ
の範囲内において、コートキャリア粒子表面の金属酸化
物の露出密度が0.1〜10個/μm2であることがキ
ャリア付着を良好に防止し、チャージアップを防止する
上で好ましい。さらに好ましくは0.5〜5個/μm2
である。
【0207】コート量が0.1重量%未満ではキャリア
コア粒子のコート効果が低く、特に耐久後にトナーに対
して帯電付与制御性が低下する。また、コート量が10
重量%を超えると、キャリアの流動性が低下したり、多
数枚耐久時に画像が劣化しやすい。コートキャリア粒子
表面の金属酸化物の露出密度の算出方法は後述する。
【0208】被覆材として使用する樹脂としては、熱可
塑性樹脂又は熱硬化性樹脂が挙げられる。例えば、熱可
塑性樹脂としては、ポリスチレン樹脂、ポリメチルメタ
クリレート樹脂、スチレン−アクリレート共重合体、ア
クリル樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロカーボン樹
脂、パーフロロカーボン樹脂、溶剤可溶性パーフロロカ
ーボン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタ
ール、ポリビニルピロリドン、石油樹脂、セルロース、
酢酸セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、
ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース誘導
体、ノボラック樹脂、低分子量ポリエチレン、飽和アル
キルポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリアリレートといっ
た、芳香族ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリア
セタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルス
ルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリフェニレンサルフ
ァイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂を挙げることがで
きる。
【0209】熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノー
ル樹脂、変性フェノール樹脂、マレイン樹脂、アルキド
樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、無水マレイン酸−
テレフタル酸−多価アルコールの重縮合によって得られ
る不飽和ポリエステル、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素
−メラミン樹脂、キシレン樹脂、トルエン樹脂、グアナ
ミン樹脂、メラミン−グアナミン樹脂、アセトグアナミ
ン樹脂、グリプタール樹脂、フラン樹脂、シリコーン樹
脂、アクリル変性シリコーン樹脂、エポキシ変性シリコ
ーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、ポリイミド、ポ
リアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリウ
レタン樹脂が挙げられる。上述した樹脂は、単独で使用
しても良く、それぞれを混合して使用してもよい。ま
た、熱可塑性樹脂に硬化剤を混合し硬化させて使用して
も良い。
【0210】特に好ましい被覆材として、少なくともシ
リコーン樹脂を含有する樹脂が挙げられ、より好ましく
は反応性シリコーン樹脂、さらには下記一般式
【0211】
【化25】 で示されるオキシムタイプの硬化剤、より好ましくはア
ミノシランカップリング剤を含有する反応性シリコーン
樹脂が用いられる。このような被覆材を用いた時に、キ
ャリアコア粒子との良好な接着性、帯電性を達成し、高
性能で長寿命なキャリアが得られる。
【0212】上記一般式で示されるオキシムタイプの硬
化剤は、シリコーン樹脂中の残存反応基の適度なコント
ロール、保存安定性、コストの面で優れている。
【0213】本発明における硬化剤は、例えば、下記
(1)〜(4)で示すものが挙げられる。
【0214】
【化26】
【0215】上記硬化剤の添加量は、シロキサン固型分
100重量部に対して好ましくは0.1〜10重量部、
より好ましくは0.5〜5重量部が良い。0.1重量部
未満では、十分な架橋効果が得られず、10重量部を超
える場合には、残渣が十分に除去できなかったり反応不
十分の化合物が残存してしまい、帯電特性、強度が低下
してしまう。本発明において、シロキサン固型分は、1
20℃における不揮発成分を示す。
【0216】本発明において、樹脂被覆層に用いられる
反応性シリコーン樹脂に含有することができるアミノシ
ランカップリング剤としては、例えば下記(5)〜(1
3)に示すものが挙げられる。
【0217】
【化27】
【0218】これらは、1種または2種以上使用するこ
とができる。この中で本発明に好適に使用されるのは、
相溶性,反応性,安定性の点で、1個の水素原子を有す
る窒素原子を少なくとも一つ有する以下のカップリング
剤である。
【0219】
【化28】
【0220】上記カップリング剤の添加量は、シロキサ
ン固型分100重量部に対して好ましくは0.1〜8重
量部、より好ましくは0.3〜5重量部が良い。0.1
重量部未満では十分な添加効果が得られず、帯電性の劣
化、被覆強度の低下が生じやすく、8重量部を超えると
十分な反応が行われず、逆に被覆強度の低下が生じてし
まう。
【0221】本発明においては、カップリング剤として
は、さらに下記一般式(IV) R4-a−Si−Xa 式(IV) (式中、R4-aは、ビニル基,メタクリル基,エポキシ
基,アミノ基,メルカプト基およびそれらの誘導体から
なるグループから選択される置換基を示し、Xはハロゲ
ンまたはアルコキシ基を示す。)で示されるカップリン
グ剤を併用しても良い。
【0222】このようなカップリング剤としては、下記
(14)〜(16)で示すものが挙げられる。 (14)CH3=CH−Si−(OCH33 (15)CH3−Si−(OCH33 (16)CH3−Si−(OC253
【0223】本発明においてキャリアコア表面に樹脂被
覆層を形成する方法として好ましく用いられる方法は、
ケトン類,アルコール類の如き極性溶媒を5重量%以
上、好ましくは20重量%以上含む溶媒100重量部中
に水を0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜3重量部
含有させた混合溶媒を使用する方法が、反応性シリコー
ンレジンを磁性キャリアコアに強固に付着させるため好
ましい。水が0.1重量部未満では、反応性シリコーン
レジンの加水分解反応が十分に行われず、磁性キャリア
コア表面への薄層かつ均一な被覆が難しくなり、5重量
部を超えると、反応制御が難しくなり、逆に被覆強度が
低下してしまう。
【0224】本発明で特に好ましい被覆材として、少な
くともフッ素樹脂を含有する樹脂も挙げられる。さらに
は被覆樹脂は、フルオロアルキルユニット、メチレンユ
ニット(−CH2−)及びエステルユニットを少なくと
も有し、キャリアコアの表面は(1)被覆樹脂とメチレ
ンユニットを少なくとも有するカップリング剤との混合
物で被覆処理されているか、又は、(2)メチレンユニ
ットを少なくとも有するカップリング剤で表面処理され
た後に被覆樹脂で被覆されているものがより好ましい。
【0225】キャリアコアを、上記3種のユニットを少
なくとも有する被覆樹脂で被覆することにより、トナー
に対する摩擦帯電性を維持しつつ、トナーや外添剤によ
るキャリア汚染が抑制できる。キャリアコアを被覆樹脂
で被覆する際に、予めキャリアコア表面をメチレンユニ
ットを少なくとも有するカップリング剤で処理した後に
被覆樹脂で被覆するか、又は、被覆樹脂とカップリング
剤とを混合したものをキャリアコア表面に被覆すると、
キャリアコアと被覆樹脂との密着性が高まるとともに、
トナーに対する摩擦帯電付与性も向上するので好まし
い。
【0226】キャリアコア表面を被覆する被覆樹脂は、
フルオロアルキルユニット,メチレンユニット及びエス
テルユニットを少なくとも有しているものがより好まし
い。フルオロアルキルユニットとしては、
【0227】
【化29】 〔式中、mは0乃至20の整数を示す。〕で示されるパ
ーフルオロアルキルユニットであることが、外添剤がキ
ャリア粒子表面に付着するのを防止する上で好ましい。
フルオロアルキルユニットとメチレンユニットとは、
【0228】
【化30】 〔式中、mは0乃至20の整数を示し、nは1乃至15
の整数を示す。〕で示されるユニットの如く、結合して
いる方が、キャリアコア表面との密着性を高める上で好
ましい。
【0229】キャリアコア表面との密着性及びトナーへ
の摩擦電荷を付与する能力を維持する上で、
【0230】
【化31】 〔式中、mは0乃至20の整数を示し、nは1乃至15
の整数を示す。〕で示されるユニットを有することが、
より好ましい。
【0231】被覆樹脂は、フルオロアルキルユニットを
有するメタクリル酸又はそのエステルの重合体又は共重
合体であるか、又は、フルオロアルキルユニットを有す
るアクリル酸又はそのエステルの重合体又は共重合体で
あることが好ましい。例えば、被覆樹脂は、
【0232】
【化32】 〔式中、mは0乃至20の整数を示し、nは1乃至15
の整数を示す。〕で示されるユニット、又は、
【0233】
【化33】 〔式中、mは0乃至20の整数を示し、nは1乃至15
の整数を示す。〕で示されるユニットを有することが好
ましい。
【0234】被覆樹脂は、フルオロアルキルユニットを
有するグラフト共重合体であることが、キャリア粒子表
面の特性をより均一にする点で好ましい。例えば、
【0235】
【化34】 〔式中、R1は水素又はメチル基を有し、R2は水素又は
炭素数1乃至20のアルキル基を示し、kは1以上の整
数を示す。〕で示されるユニットと、
【0236】
【化35】 で示されるユニットとを有するグラフト共重合体が挙げ
られる。
【0237】被覆樹脂は、テトラヒドロフラン(TH
F)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィ(GPC)において、重量平均分子量が2万乃至30
万であることが、被覆層の強度及びキャリアコアとの密
着性及び塗布性の点で好ましい。
【0238】被覆樹脂は、THFの可溶成分のGPCの
クロマトグラムにおいて、分子量2000乃至10万の
領域にメインピークを有することが好ましく、さらに、
分子量2000乃至10万の領域にサブピーク又はショ
ルダーを有することが好ましい。
【0239】最も好ましくは、被覆樹脂は、THFの可
溶成分のGPCのクロマトグラムにおいて、分子量2万
乃至10万の領域にメインピークを有し、分子量200
0乃至19000の領域にサブピーク又はショルダーを
有するのが良い。
【0240】上記分子量分布を満足していることによ
り、被覆樹脂で被覆された磁性キャリアは、多数枚耐久
性,トナーへの帯電安定性,外添剤のキャリア粒子表面
への付着防止性がさらに向上する。
【0241】グラフト重合体の幹の重量平均分子量が3
0000〜200000であり、枝の重量平均分子量が
3000〜10000であることが好ましい。
【0242】ここで、本発明において、樹脂被覆の分子
量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによ
って次の条件で測定される。
【0243】 装 置:GPC−150C(ウォーターズ社製) カラム:KF801〜7(ショウデックス社製)の7連 温 度:40℃ 溶 媒:THF 流 速:1.0ml/分 試 料:濃度0.05〜0.6重量%を0.1ml 以上の条件で測定し、試料の分子量算出に当たっては、
単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正
曲線を使用する。
【0244】更に本発明にとって好ましい構成として、
グラフト重合体において、フッ素を含有するエステル基
を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルの含有率が
5〜80重量%であることが挙げられるが、5重量%未
満では十分な離型性を得られず、80重量%を超えると
密着性が低下する。
【0245】α,β−不飽和カルボン酸エステルとして
は、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキ
ルエステルが挙げられる。このエステル基として、水酸
基の如き親水性基を含めることも可能である。好ましく
は、メタクリル酸アルキルエステル、特にメタクリル酸
メチルが好ましい。
【0246】本発明に用いられる、フッ素を含有するエ
ステル基を有するα,β−不飽和カルボン酸エステルと
して、フルオロアルキルアクリレート、フルオロアルキ
ルメタクリレートが挙げられる。具体例を挙げれば、 CHR=CH2−COO−CXX*−CYY*−(CF2
m−CF2Z で表されるものである。Rは水素又はメチル基を表し、
X及びX*は水素又はフッ素であり、Y及びY*は水素又
はフッ素であり、mは0〜10の整数、Zは水素又はフ
ッ素である。
【0247】これらのモノマーのうちX,X*,Y及び
*は少なくとも3個以上は水素であることが好まし
く、4個すべてが水素であることが更に好ましい。フッ
素の示す割合が多いとフッ素含有エステル基の柔軟性が
十分でなくなる傾向にあり、脆くなる傾向にあるからで
ある。更にRはメチル基であることが好ましい。Rが水
素であるよりメチル基であるほうが、被覆した際の強靱
性が比較的大きいからである。更にmは4乃至9が好ま
しい。mが小さすぎるとフッ素の持つ離型効果が低下す
る。
【0248】グラフト重合体の製法としては、末端にエ
チレン性不飽和基を有するマクロマーを、エチレン性不
飽和モノマーと反応させることにより得られる。また縮
合反応可能な官能基又は連鎖移動剤の存在下縮合可能な
末端基を有するマクロマーを利用しグラフト重合体を得
る方法がある。これらのマクロマーは、イオン重合法、
ラジカル重合法により製造される。
【0249】キャリアコアの表面処理、又は、被覆樹脂
と混合して使用されるカップリング剤としては、シラン
カップリング剤又はチタンカップリング剤が挙げられ
る。
【0250】負帯電性トナー用として用いられるキャリ
アに使用される好ましいカップリング剤としては、γ−
アミノプロピルトリアルコキシシラン,N−β−(アミ
ノエチル)−γ−アミノプロピルトリアルコキシシラ
ン,N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメ
チルジアルコキシシラン又はN−フェニル−γ−アミノ
プロピルトリアルコキシシランが挙げられる。
【0251】正帯電性トナー用として用いられるキャリ
アに使用される好ましいシランカップリング剤として
は、γ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラ
ン,β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リアルコキシシラン,γ−グリシドキシプロピルトリア
ルコキシシラン,γ−グリシドキシプロピルメチルジア
ルコキシシラン,γ−メルカプトプロピルトリアルコキ
シシラン,γ−クロロプロピルトリアルコキシシランが
挙げられる。また、好ましいチタンカップリング剤とし
ては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート,
メチレンユニットを有するイソプロピルトリアルキルベ
ンゼンスルホニルチタネート及びメチレンユニットを有
するイソプロピルトリス(ジアルキルピロホスフェー
ト)チタネートが挙げられる。
【0252】好ましくは、コア粒子の結着樹脂をフェノ
ール樹脂、コート樹脂をフッ素含有グラフト重合体とす
ることで、フェノール樹脂の水酸基との極性により良好
にフッ素を表面に配向させることができ、好ましい離型
性が得られるものである。さらに、密着性及び帯電性コ
ントロールに効果を発揮するものとなる。
【0253】キャリアコア粒子に対して、フッ素含有樹
脂を有する被覆樹脂が0.01〜5重量%(キャリア基
準)塗布され、カップリング剤が0.01〜5重量%
(キャリア基準)塗布されていることが、トナーへの摩
擦電荷付与性を安定化させ、キャリアの多数枚耐久性,
外添剤及びトナーによる汚染を抑制する上で好ましい。
【0254】キャリアコア粒子の表面をフッ素含有樹脂
を含有する被覆樹脂で被覆する方法としては、樹脂を溶
剤中に溶解又は懸濁して調製した塗布液をキャリアコア
表面に塗布する方法が挙げられる。
【0255】本発明の磁性コートキャリアは、形状係数
SF−1が100〜130であることが好ましい。キャ
リアの形状係数SF−1が130を超えると、現像剤と
しての流動性が低下し、トナーへの摩擦帯電付与能力の
低下や現像極において磁気ブラシの形状の均一性が低下
し高画質な画像が得られにくくなる。
【0256】キャリアの形状係数SF−1の測定は、日
立製作所(株)社製フィールドエミッション走査電子顕
微鏡S−800によりキャリアをランダムに300個以
上抽出し、ニレコ社製の画像処理解析装置Luzex3
を用いて、次式によって導かれる球形度を求めることで
行う。
【0257】
【数2】 〔式中、MXLNGはキャリアの最大径を示し、ARE
Aはキャリアの投影面積を示す。〕
【0258】磁性コートキャリアの磁気特性は、1キロ
エルステッドでの磁化の強さが40〜250emu/c
3であるものが好ましく、さらに好適には50〜23
0emu/cm3の範囲であるような低磁気力のキャリ
アが良い。また、磁性コートキャリアの磁化の強さはキ
ャリア粒径により適宜選択される。磁化の強さが250
emu/cm3を超えるとキャリア粒径にも関係する
が、現像極での現像スリーブ上に形成される磁気ブラシ
の密度が減少し、穂長が長くなり、かつ剛直化してしま
うためコピー画像上に掃き目ムラが生じやすく、特に多
数枚の複写又はプリントによる現像剤の耐久劣化が生じ
やすい。特にコア/シェル構造を有し、コア部に低軟化
点物質を含有するトナーを用いたときに、トナー劣化に
よる中間調のガサツキ、ベタ像のムラなどの画像劣化を
引き起こしやすい。40emu/cm3未満では、キャ
リア微粉をカットしてもキャリアの磁気力が低下し、キ
ャリア付着が生じやすく、トナー搬送性が低下する。
【0259】磁気特性の測定は、理研電子(株)製の振
動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用いて行
った。測定条件は後述する。
【0260】以下に各物性の測定方法を記載する。
【0261】キャリアの粒径は、走査電子顕微鏡(10
0〜5000倍)によりランダムに粒径0.1μm以上
のキャリア粒子200個以上抽出した写真画像を拡大
し、コンピューターに接続したタブレット(ワコム社
製)上に拡大写真像をのせて手動により粒子の水平方向
フェレ径を測定し、これを個数粒子径とする。また、コ
ンピュータにより、個数平均粒子径及び標準偏差σを計
算し、また、この条件で測定した個数基準の粒度分布よ
り個数平均粒径の1/2倍径累積分布以下の累積割合を
求め、1/2倍径累積分布以下の累積値を計算する。
【0262】キャリアの磁気特性は、理研電子(株)製
の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用い
て測定する。キャリア粉体の磁気特性値は1キロエルス
テッドの外部磁場を作り、そのときの磁化の強さを求め
る。キャリアは、円筒状のプラスチック容器にキャリア
粒子が動かないように十分密になるようにパッキングし
た状態に作製する。この状態で磁化モーメントを測定
し、試料を入れたときの実際の重量を測定して、磁化の
強さ(emu/g)を求める。ついで、キャリア粒子の
真比重を乾式自動密度計アキュピック1330(島津製
作所(株)社製)により求め、磁化の強さ(emu/
g)に真比重を掛けることで本発明の単位面積あたりの
磁化の強さ(emu/cm3)を求める。
【0263】磁性コートキャリア又はキャリアコアの比
抵抗測定は図8に示す測定装置を用いて行う。図8に示
す測定装置において、21は下部電極を示し、22は上
部電極を示し、23は絶縁物を示し、24は電流計を示
し、25は電圧計を示し、26は定電圧装置を示し、2
7は測定サンプルを示し、29はガイドリングを示し、
Eは抵抗測定セルを示す。
【0264】セルEに、磁性コートキャリア又はコア粒
子を充填し、サンプル27として充填された磁性コート
キャリア又はコア粒子に接するように電極21及び22
を配し、該電極間に電圧を印加し、そのとき流れる電流
を測定することにより比抵抗を求める。上記測定方法に
おいては、磁性コートキャリア又はコア粒子が粉末であ
るために充填率に変化が生じ、それに伴い比抵抗が変化
する場合があり、注意を要する。比抵抗の測定条件は、
充填された磁性コートキャリア又はコア粒子と電極との
接触面積S=約2.3cm2、厚みd=約2mm、上部
電極22の荷重180g、印加電圧100Vとする。
【0265】金属酸化物の粒径の測定方法について以下
に記載する。金属酸化物の個数平均粒径は、日立製作所
(株)製透過型電子顕微鏡H−800により5000〜
20000倍に拡大した写真画像を用い、ランダムに粒
径0.01μm以上の粒子を300個以上抽出し、ニレ
コ社(株)製の画像処理解析装置Luzex3により水
平方向フェレ径をもって微粒子の粒径として測定し、平
均化処理して個数平均粒径を算出する。
【0266】金属酸化物の比抵抗測定はキャリア比抵抗
の方法に準ずる。図8のセルEに、金属酸化物を充填
し、サンプル27として充填された金属酸化物に接する
ように電極21及び22を配し、該電極間に電圧を印加
し、そのとき流れる電流を測定することにより比抵抗を
求める。金属酸化物の充填に際して電極が試料に対して
均一に接触するように上部電極21を左右に回転させつ
つ充填を行う。上記測定方法において比抵抗の測定条件
は、充填された微粒子と電極との接触面積S=約2.3
cm2、厚みd=約2mm、上部電極22の荷重180
g、印加電圧100Vとする。
【0267】磁性コートキャリア粒子のキャリア粒子表
面における金属酸化物露出密度は、5000〜1000
0倍に拡大した走査型電子顕微鏡S−800(日立製作
所(株)製)による写真画像(加速電圧1kV)を用い
て測定する。磁性コートキャリア粒子を走査顕微鏡で観
測し、キャリア粒子表面半球について二次元的に単位面
積当りの金属酸化物の露出個数(すなわち、表面から突
出している金属酸化物粒子の個数)をカウントし、算出
する。この操作をランダムに300個以上の磁性コート
キャリアを抽出して平均化処理を行う。粒径0.01μ
m以上の突出を対象とする。
【0268】キャリアコア粒子の架橋の程度は、次の架
橋割合で確認する。一定量のキャリアを500℃2時間
焼いた後、その前後での重量の差分を全樹脂量とする。
一方、一定量のキャリアをテトラヒドロフラン(TH
F)に2時間浸せきした後、その前後での重量の差分を
架橋していない樹脂分として、それらの値から架橋割合
を下式に従い算出する。
【0269】〔(全樹脂分−架橋していない樹脂分)/
全樹脂分〕×100=架橋割合(%)
【0270】本発明において、トナーとキャリアとを混
合して二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は
現像剤中のトナー濃度として、2〜15重量%、好まし
くは4〜13重量%にすると良好な結果が得られる。ト
ナー濃度が2重量%未満の場合には、画像濃度が低くな
り易く、15重量%を超える場合にはカブリや機内飛散
を生じ易く、現像剤の耐用寿命も低下し易い。
【0271】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0272】 結着樹脂の製造例I: (樹脂製造例I−1) (I−a)低架橋度樹脂組成物の製造 (クロロホルム不溶分を実質的に0乃至10重量%含有する樹脂組成物の製造 ) ・テレフタル酸 :5.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0273】上記ポリエステルモノマーをエステル化触
媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離
装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を
装着して窒素雰囲気下、減圧しながら常法に従って21
0℃まで加熱しながら縮重合反応を行うことにより、ク
ロロホルム不溶分を約3重量%含有する低架橋度ポリエ
ステル樹脂を得た。
【0274】次に、キシレン50重量部に、ここで得ら
れたポリエステル樹脂80重量部、スチレン16重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート4重量部及びエス
テル化触媒としてジブチルスズオキサイド0.3重量部
を添加して、110℃まで加熱して溶解・膨潤した。窒
素雰囲気下、ラジカル重合開始剤であるt−ブチルハイ
ドロパーオキサイド1重量部をキシレン10重量部に溶
解したものを約30分かけて滴下した。その温度で更に
10時間保持してラジカル重合反応を終了した。更に加
熱しながら減圧して、脱溶剤することにより、低架橋度
ポリエステル樹脂、ビニル系重合体及びポリエステルユ
ニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリ
ッド樹脂成分からなり、クロロホルム不溶分を約7重量
%含有する低架橋度樹脂組成物(I−A)を得た。
【0275】 (I−b)高架橋度樹脂組成物の製造 (クロロホルム不溶分を15乃至70重量%含有する樹脂組成物の製造) ・テレフタル酸 :2.0mol ・式(1−3)で表せるコハク酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :4.0mol ・PO−BPA :10.0mol ・EO−BPA :4.0mol
【0276】上記ポリエステルモノマーをエステル化触
媒とともにオートクレーブに仕込み、減圧装置、水分離
装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置を
装着して窒素雰囲気下、減圧しながら常法に従って21
0℃まで加熱しながら縮重合反応を行うことにより、ク
ロロホルム不溶分を約25重量%含有する高架橋度ポリ
エステル樹脂を得た。
【0277】次に、キシレン50重量部に、ここで得ら
れたポリエステル樹脂80重量部、スチレン10重量
部、2−エチルヘキシルアクリレート10重量部、ジビ
ニルベンゼン0.01重量部及びエステル化触媒として
ジブチルスズオキサイド0.3重量部を添加して、11
0℃まで加熱して溶解・膨潤した。窒素雰囲気下、ラジ
カル重合開始剤であるt−ブチルハイドロパーオキサイ
ド1重量部をキシレン10重量部に溶解したものを約3
0分かけて滴下した。その温度で更に10時間保持して
ラジカル重合反応を終了した。更に加熱しながら減圧し
て、脱溶剤することにより、高架橋度ポリエステル樹
脂、ビニル系重合体及びポリエステルユニットとビニル
系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂成分か
らなり、クロロホルム不溶分を約33重量%含有する高
架橋度樹脂組成物(I−B)を得た。
【0278】(I−c)結着樹脂の製造 キシレン100重量部に低架橋度樹脂組成物(I−A)
60重量部、高架橋度樹脂組成物(I−B)30重量
部、スチレン5重量部、2−エチルヘキシルアクリレー
ト5重量部及びジビニルベンゼン0.01重量部を添加
して110℃まで加熱して膨潤・溶解した。窒素雰囲気
下、ラジカル重合開始剤であるt−ブチルハイドロパー
オキサイド1重量部をキシレン10重量部に溶解したも
のを約30分かけて滴下した。その温度で更に10時間
保持してラジカル重合反応を終了した。更に加熱しなが
ら減圧して、脱溶剤することにより、低架橋度ポリエス
テル樹脂、高架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系重合体
及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを
有しているハイブリッド樹脂成分からなり、クロロホル
ム不溶分を約28重量%含有する結着樹脂(I−1)を
得た。
【0279】(樹脂製造例I−2〜I−6)低架橋度樹
脂組成物の製造で用いたモノマーを以下に示すモノマー
に変更した以外は樹脂製造例I−1の低架橋度樹脂組成
物(I−A)と同様にして、クロロホルム不溶分を約6
重量%含有する低架橋度樹脂組成物(I−C)を得た。 ・テレフタル酸 :5.0mol ・式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :1.0mol ・無水トリメリット酸 :1.0mol ・PO−BPA :7.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0280】次に、以下に示すモノマーを用いた以外は
高架橋度樹脂組成物(I−B)と同様にして縮重合反応
を行い、クロロホルム不溶分を約19重量%含有した高
架橋度樹脂組成物(I−D)を得た。 ・テレフタル酸 :2.0mol ・式(2−2)で表せるジカルボン酸誘導体 :4.0mol ・無水トリメリット酸 :4.0mol ・PO−BPA :8.0mol ・EO−BPA :3.0mol
【0281】低架橋度樹脂組成物(I−C)60重量
部、高架橋度樹脂組成物(I−D)35重量部を用いた
以外は、樹脂製造例I−1と同様にして、高架橋度ポリ
エステル樹脂、低架橋度ポリエステル樹脂、ビニル系重
合体及びポリエステルユニットとビニル系重合体ユニッ
トを有しているハイブリッド樹脂成分からなる表1乃至
3に示す結着樹脂(I−2)を得た。
【0282】以下、モノマーの種類、組成比及びワック
スを変更することにより、表1乃至3に示す結着樹脂
(I−3)〜(I−6)を得た。
【0283】(樹脂比較製造例I−1)樹脂製造例I−
1において、コハク酸誘導体(1−3)のかわりにテレ
フタル酸を使用した以外は同様にして、表1乃至3に示
す比較用結着樹脂(I−1)を得た。
【0284】(樹脂比較製造例I−2)樹脂製造例I−
1において、コハク酸誘導体(1−3)及び無水トリメ
リット酸のかわりにテレフタル酸を使用した以外は同様
にして、表1乃至3に示す比較用結着樹脂(I−2)を
得た。
【0285】(樹脂比較製造例I−3)樹脂製造例I−
1において、コハク酸誘導体(1−3)及び無水トリメ
リット酸を使用した低架橋度樹脂組成物以外は同様にし
て、表1乃至3に示す比較用結着樹脂(I−3)を得
た。
【0286】(樹脂比較製造例I−4)減圧装置、水分
離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び撹拌装置
を装着したオートクレーブに、スチレン−2−ヘキシル
アクリレート共重合体(スチレン84重量部、2−エチ
ルヘキシルアクリレート16重量部、Mw=1.9万、
Mw/Mn=2.3)200重量部及び下記組成からな
るポリエステルモノマーを仕込み、窒素雰囲気下、減圧
しながら常法に従って210℃まで加熱しながら縮重合
反応を行うことにより、比較用結着樹脂(I−4)を得
た。 ・フマル酸 :191重量部 ・無水トリメリット酸 :168重量部 ・EO−BPA :463重量部 ・PO−BPA :551重量部
【0287】
【表1】
【0288】
【表2】
【0289】
【表3】
【0290】 (トナー粒子の製造例1) ・結着樹脂(I−1) 100重量部 ・アゾ系鉄錯体化合物 2重量部 ・カーボンブラック 5重量部 ・ポリエチレンワックス 3重量部
【0291】上記混合物を、130℃に加熱された二軸
エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混合物をハン
マーミルで粗粉砕した。粗粉砕物をジェットミルで微粉
砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級し、重量平
均径6.9μmのトナー粒子1を得た。
【0292】このトナー粒子1を用いて、結着樹脂に含
有されるテトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル及
びクロロホルムの可溶成分及び不溶分をソックスレー抽
出により定量したところ、混在するワックスを除外した
樹脂組成物は、THF不溶分(W2)が34重量%であ
り、酢酸エチル不溶分(W4)が34重量%であり、ク
ロロホルム不溶分(W6)が16重量%であり、比(W
4/W6)が2.3であり、THF不溶分(W2)中の
クロロホルム不溶分(W6A)が6.5重量%であり、
酢酸エチル不溶分(W4)中のクロロホルム不溶分(W
6B)が8.7重量%であった。
【0293】テトラヒドロフランの可溶成分(W1)の
GPCによる分子量測定を行ったところ、メインピーク
となる分子量が4800、分子量500以上1万未満の
領域の成分(A1)が44.1%、分子量1万以上10
万未満の領域の成分(A2)が28.2%、分子量10
万以上の領域の成分(A3)が27.7%であり、比
(A1/A2)は1.56であった。
【0294】1H−NMR及び13C−NMRにより、ト
ナー中にビニル系共重合体、ポリエステル樹脂及びポリ
エステルユニットとビニル系重合体ユニットを有してい
るハイブリッド樹脂成分が存在していることを確認し
た。
【0295】トナーにおいて、ポリエステルユニットと
ビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂
成分は、13C−NMRにより新たに生成するエステル結
合のシグナルを検出することにより検証することができ
る。
【0296】一般的にスチレンと共重合したアクリル酸
エステルのエステル基の13C−NMRにより測定される
シグナルは、アクリル酸エステルの単独重合体のそれよ
りスチレンのベンゼン環の影響により数ppm高磁場側
にシフトする現象が知られている。これは、アクリル酸
エステルのアルコール成分がポリエステルのアルコール
成分とエステル交換反応して得られるハイブリッド樹脂
成分の場合も同様であり、エステル交換によって導入さ
れるポリエステルユニットに含有されるベンゼン環の影
響も受け、シグナルは上記ビニル系重合体ユニットのア
クリル酸エステルより更に高磁場側のシグナルとして検
出される。
【0297】低架橋度ポリエステルの13C−NMR測定
結果を図1に、スチレン−2−エチルヘキシルアクリレ
ート共重合体の測定結果を図2に、トナーに含有される
結着樹脂(I−1)の測定結果を図3に示す。この結果
より、アクリル酸エステルの約22モル%がポリエステ
ルユニットとエステル化したハイブリッド樹脂成分とし
て存在することがわかった。
【0298】各々の13C−NMR測定結果を表4に示
す。
【0299】
【表4】
【0300】(トナー粒子の製造例2〜6)トナー粒子
の製造例1において、結着樹脂(I−1)を結着樹脂
(I−2)〜(I−6)に変えた以外はトナー粒子の製
造例1と同様にしてトナー粒子2〜6を得、トナー粒子
1と同様に分析を行った。
【0301】(比較用トナー粒子製造例1〜4)比較用
結着樹脂(I−1)〜(I−4)を用いた以外はトナー
粒子の製造例1の製造例1と同様にして、比較用トナー
粒子1〜4を得、トナー粒子1と同様に分析を行った。
【0302】 (トナー粒子の製造例7) ・結着樹脂(I−4) 100重量部 ・トリフェニルメタン染料 2重量部 ・カーボンブラック 5重量部 ・ポリエチレンワックス 3重量部 上記混合物を、トナー粒子の製造例1と同様にしてトナ
ー化し、重量平均粒径6.8μmのトナー粒子7を得
た。
【0303】これら得られたトナー粒子の物性を表5に
示す。
【0304】
【表5】
【0305】 (キャリアコア粒子の製造例1) ・フェノール 7.5重量部 ・ホルマリン溶液 11.25重量部 (ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水) ・γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0重量%で親油化処理したマグネ タイト微粒子 53重量部 (平均粒径0.24μm、比抵抗5×105Ω・cm) ・γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0重量%で親油化処理したα−F e23微粒子 35重量部 (平均粒径0.60μm、比抵抗2×109Ω・cm)
【0306】ここで用いたマグネタイト及びα−Fe2
3の親油化処理は、マグネタイト99重量部及びα−
Fe2399重量部のそれぞれに対して1.0重量部の
γ−アミノプロピルトリメトキシシランを加え、ヘンシ
ェルミキサー内で100℃で30分間、予備混合撹拌す
ることによっておこなった。
【0307】上記材料および水11重量部を40℃に保
ちながら、1時間混合を行った。このスラリーに塩基性
触媒として28重量%アンモニア水2.0重量部、およ
び水11重量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら
40分間で85℃まで昇温・保持し、3時間反応させ、
フェノール樹脂を生成し硬化させた。その後、30℃ま
で冷却し、100重量部の水を添加した後、上澄み液を
除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いで、これを減
圧下(5mmHg以下)に180℃で乾操して、フェノ
ール樹脂をバインダー樹脂としたマグネタイト微粒子含
有球状の磁性キャリアコア粒子を得た。
【0308】この粒子を60メッシュ及び100メッシ
ュの篩によって、粗大粒子の除去をおこない、次いでコ
アンダ効果を利用した多分割風力分級機(エッポジェッ
トラボEJ−L−3、日鉄鉱業社製)を使用して微粉除
去及び粗粉除去をおこない、個数平均粒径31μmのキ
ャリアコア粒子Aを得た。磁性キャリアコア粒子Aの架
橋の程度は99%であった。得られたキャリアコアの比
抵抗は、2.2×1012Ω・cmであった。
【0309】(キャリアコア粒子の製造例2)親油化処
理の量を1.0重量%を0.5重量%に変えること以外
は、キャリアコア粒子の製造例1と同様にして磁性キャ
リアコア粒子を作製し、個数平均粒径35μmの磁性キ
ャリアコア粒子Bを得た。磁性キャリアコア粒子Bの架
橋の程度は98%であった。得られたコア粒子の抵抗は
1.5×1012Ω・cmであった。
【0310】(キャリアコア粒子の比較製造例1)キャ
リアコア粒子の製造例1で用いたα−Fe23のかわり
に、平均粒径の小さい親油化処理したα−Fe23(平
均粒径0.20μm、比抵抗2×109Ωcm)に変え
る以外は、キャリアコア粒子の製造例1と同様にして磁
性キャリアコア粒子Cを作製した。得られた磁性キャリ
アコアCの比抵抗は、5.8×108Ω・cmであり、
個数平均粒径は30μmであった。磁性キャリアコア粒
子Cの架橋の程度は99%であった。
【0311】 (キャリアコア粒子の製造例3) ・フェノール 7.5重量部 ・ホルマリン溶液 11.25重量部 (ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水) ・γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0重量%で親油化処理したマグネ タイト 44重量部 (平均粒径0.24μm、比抵抗5×105Ωcm) ・γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0重量%で親油化処理したα−F e23 44重量部 (平均粒径0.60μm、比抵抗2×109Ωcm)
【0312】上記材料を水30重量部、塩基性触媒とし
て28重量%アンモニア水2.0重量部をフラスコに入
れ、予備混合することなく撹拌し混合しながら30分間
で85℃まで昇温し保持し、3時間反応・硬化させた。
その後、キャリアコア粒子の製造例1と同様にして、個
数平均粒径38μmの磁性キャリアコア粒子Dを得た。
また、磁性キャリアコア粒子Dの架橋の程度は99%で
あり、比抵抗は5.8×1012Ω・cmであった。
【0313】 (キャリアコア粒子の製造例4) ・フェノール 7.5重量部 ・ホルマリン溶液 11.25重量部 (ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水) ・γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0重量%で親油化処理したマグネ タイト 62重量部 (平均粒径0.24μm、比抵抗5×105Ωcm) ・γ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.0重量%で親油化処理したα−F e23 26重量部 (平均粒径0.80μm、比抵抗3×109Ωcm)
【0314】用いたマグネタイト及びα−Fe23の親
油化処理は、マグネタイト99重量部及びα−Fe23
99重量部のそれぞれに対して1.0重量部のγ−アミ
ノプロピルトリメトキシシランを加え、ヘンシェルミキ
サー内で100℃で30分間、混合撹拌することによっ
て行った。
【0315】上記材料および水9重量部を40℃に保ち
ながら、1時間混合を行った。このスラリーに塩基性触
媒として28重量%アンモニア水2.2重量部、および
水9重量部をフラスコに入れ、撹拌、混合しながら40
分間で85℃まで昇温・保持し、キャリアコア粒子の製
造例1と同様に3時間反応させ硬化させた。その後、3
0℃まで冷却し、100重量部の水を添加した後、上澄
み液を除去し、沈殿物を水洗し、風乾した。次いでこれ
を減圧下(5mmHg以下)に180℃で乾燥して、フ
ェノール樹脂をバインダー樹脂とした球状のマグネタイ
ト含有磁性キャリアコア粒子を得た。この粒子をキャリ
アコア粒子の製造例1と同様にして分級し、個数平均粒
径20μmの磁性キャリアコア粒子Eを得た。得られた
磁性キャリアコア粒子Eの架橋の程度は100%であ
り、比抵抗は1.0×1012Ω・cmであった。
【0316】 (キャリアコア粒子の製造例5) ・メラミン 7.5重量部 ・ホルマリン溶液 11.25重量部 (ホルムアルデヒド約40%、メタノール約10%、残りは水) ・イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート1.5重量 %で親油化処理したマグネタイト 44重量部 (平均粒径0.24μm、比抵抗5×105Ωcm) ・イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート1.5重量 %で親油化処理したα−Fe23 44重量部 (平均粒径0.30μm、比抵抗3×109Ωcm)
【0317】上記材料および水15重量部を40℃に保
ちながら、1時間混合を行った。このスラリーに塩基性
触媒として28重量%アンモニア水2.5重量部、およ
び水20重量部に変える以外はキャリアコア粒子の製造
例1と同様にして、メラミン樹脂にマグネタイト及びヘ
マタイトが分散している磁性キャリアコア粒子Fを得
た。次いでキャリアコア粒子の製造例1と同様にして分
級し個数平均粒径が58μmの磁性キャリアコア粒子F
を得た。得られた磁性キャリアコア粒子Fの架橋の程度
は98%であり、比抵抗は5.9×1011Ω・cmであ
った。
【0318】 (キャリアコア粒子の製造例6) ・スチレン 17重量部 ・ジビニルベンゼン 3重量部 ・γ−アミノプロピルトリエトキシシラン2.0重量%で親油化処理したマグネ タイト 62重量部 (平均粒径0.24μm、比抵抗5×105Ωcm) ・γ−アミノプロピルトリエトキシシラン2.0重量%で親油化処理したα−F e23 18重量部 (平均粒径0.60μm、比抵抗2×109Ωcm)
【0319】上記材料とメタノール20重量部、水5重
量部をフラスコに入れ30℃に保ちながら、1時間混合
を行った。このスラリーにメタノール20重量部、水5
重量部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.
2重量部を加え、撹拌、混合しながら20分間で64℃
まで昇温・保持し、10時間反応・硬化させた。その
後、30℃まで冷却し、200重量部のメタノールと水
の混合物を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水
洗し、風乾した。次いでこれを減圧下(5mmHg以
下)に120℃で乾燥して、架橋ポリスチレンをバイン
ダー樹脂とするマグネタイト微粒子及びヘマタイト微粒
子含有磁性キャリアコア粒子を得た。この磁性キャリア
コア粒子を60メッシュ及び100メッシュの篩によっ
て、粗粒子を除去し、次いで多分割分級機による分級を
おこなって個数平均粒径32μmの磁性キャリアコア粒
子Gを得た。得られた磁性キャリアコア粒子Gの架橋の
程度は86%であり、比抵抗は3.3×1011Ω・cm
であった。
【0320】(キャリアコア粒子の比較製造例2)ポリ
エステル樹脂100重量部と、マグネタイト粉500重
量部と、カーボンブラック2重量部と、シリカ1.5重
量部とをヘンシェルミキサーで十分混合した後、加圧ニ
ーダーで溶融混練した。この混練物を冷却後、フェザー
ミルで粗粉砕した後、コーン型(円錐のとがり具合12
0度)の円錐部分をカットした衝突板(横からの断面図
は先端が台形になる)を使用したジェットミルを用い
て、粉砕エアー圧2.5kgf/cm2で微粉砕し、マ
ルチプレックスで分級して平均粒径が31μmの磁性キ
ャリアHを得た。磁性キャリアHの架橋の程度は1%で
あり、比抵抗は、2.2×108Ω・cmであった。磁
性キャリアHは樹脂コートを施さずに用いた。
【0321】磁性キャリアHは、個数平均粒径の2/3
倍径以下の粒径のキャリア粒子の個数分布累積値が約2
3.6個数%であり、Dn/σが2.3であった。磁性
キャリアHは、形状係数SF−1が145であり、1キ
ロエルステッドにおける磁化の強さ(σ1000)が1
62emu/cm3であり、真比重は3.02g/cm3
であった。
【0322】磁性キャリアHの表面の平均金属酸化物露
出密度は20.4個/μm2であった。
【0323】(キャリアコア粒子の比較製造例3)モル
比で、Fe23=50モル%、CuO=25モル%、Z
nO=25モル%になるように秤量し、ボールミルを用
いて混合を行った。これを仮焼した後、ボールミルによ
り粉砕を行い、さらにスプレードライヤーにより造粒を
行った。これを焼結し、冷却後風力分級を行い個数平均
粒径が30μmの磁性キャリアコア粒子Iを得た。得ら
れた磁性キャリアコア粒子Iの比抵抗は、4.0×10
8Ω・cmであった。
【0324】(キャリアの製造例1〜9)トルエン20
重量部,ブタノール20重量部,水20重量部,氷40
重量部を四つ口フラスコにとり、撹拌しながらCH3
iCl3 15モルと(CH32SiCl2 10モルと
の混合物40部を加え、更に30分間撹拌した後、60
℃で1時間縮合反応を行った。その後シロキサンを水で
十分に洗浄し、トルエン−メチルエチルケトン−ブタノ
ール混合溶媒に溶解して固型分10%のシリコーンワニ
スを調製した。
【0325】このシリコーンワニスにシロキサン固型分
100重量部に対して2.0重量部のイオン交換水およ
び2.0重量部の下記硬化剤
【0326】
【化36】 と、3.0部の下記アミノシランカップリング剤
【0327】
【化37】 を同時添加し、キャリア被覆溶液Iを作製した。
【0328】この被覆溶液Iを塗布機(岡田精工社製:
スピラコータ)により、前述の磁性キャリアコア粒子A
〜G及びIそれぞれ100重量部に樹脂コート量が1.
0重量部となるように塗布し、それぞれコーティングキ
ャリア1〜7及び9を得た。
【0329】(キャリア製造例10)キャリアの製造例
1において用いたアミノシランカップリング剤を下記ア
ミノシランカップリング剤
【0330】
【化38】 に変えた樹脂溶液(II)を使用することを除いては、
キャリアの製造例1と同様にしてコーティングキャリア
10を得た。
【0331】(キャリア製造例11)キャリア製造例1
において用いたシロキサン及び硬化剤を使用しないコー
ティング溶液(III)を使用することを除いては、キ
ャリア製造例1と同様にしてコーティングキャリア11
を得た。
【0332】(キャリア製造例12)キャリア製造例1
において用いたアノミシランカップリング剤を使用しな
い樹脂溶液(IV)をを使用することを除いては、キャ
リア製造例1と同様にしてコーティングキャリア12を
得た。
【0333】フッ素含有被覆樹脂の製造例1:一方の末
端にエチレン性不飽和基を有する重量平均分子量5,0
00のメチルメタクリレートマクロマー10重量部、2
−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート6
0重量部、メチルメタクリレート30重量部を、還流冷
却器,温度計,窒素吸い込み管及びすり合わせ方式撹拌
装置を配した4ツ口フラスコに添加し、更にメチルエチ
ルケトン100重量部、アゾビスイソバレロニトリル
2.0重量部を加え、窒素気流下70℃で10時間保ち
グラフト共重合体(A)を得た。グラフト共重合体
(A)のゲルパーミエーションクロマトグラム(GP
C)による重量平均分子量は、70,000であり、分
子量40,000にメインピークを持ち、更に、分子量
4,000にショルダーを有していた。
【0334】グラフト共重合体(A)は、2−(パーフ
ルオロオクチル)−エチルメタクリレートとメチルメタ
クリレートとの共重合体にメチルメタクリレートマクロ
マーがグラフト重合していた。
【0335】フッ素含有被覆樹脂の製造例2:一方の末
端にエチレン性不飽和基を有する重量平均分子量2,0
00のメチルメタクリレートマクロマー20重量部、2
−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート6
0重量部、メチルメタクリレート20重量部を、還流冷
却器,温度計,窒素吸い込み管及びすり合わせ方式撹拌
装置を配した4ツ口フラスコに添加し、更にメチルエチ
ルケトン100重量部、アゾビスイソバレロニトリル
7.0重量部を加え、窒素気流下70℃で10時間保ち
グラフト共重合体(B)を得た。GPCによる重量平均
分子量は、10,000であり、分子量10,000に
メインピークを持ち、更に、分子量20,000〜10
0,000にピークは見られなかった。
【0336】フッ素含有被覆樹脂の製造例3:一方の末
端にエチレン性不飽和基を有する重量平均分子量8,0
00のメチルメタクリレートマクロマー10重量部、2
−(パーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート7
0重量部、メチルメタクリレート20重量部を、還流冷
却器,温度計,窒素吸い込み管及びすり合わせ方式撹拌
装置を配した4ツ口フラスコに添加し、更にメチルエチ
ルケトン100重量部、アゾビスイソバレロニトリル
0.7重量部を加え、窒素気流下65℃で15時間保ち
グラフト共重合体(C)を得た。GPCによる重量平均
分子量は、32万であり、分子量8万にメインピークを
持ち、更に、分子量9,000にショルダーを有してい
た。
【0337】フッ素含有被覆樹脂の製造例4:2−(パ
ーフルオロオクチル)−エチルメタクリレート90重量
部、メチルメタクリレート10重量部を、還流冷却器,
温度計,窒素吸い込み管及びすり合わせ方式撹拌装置を
配した4ツ口フラスコに添加し、更にメチルエチルケト
ン100重量部、アゾビスイソバレロニトリル2.0重
量部を加え、窒素気流下70℃で10時間保ちグラフト
共重合体(D)を得た。GPCによる重量平均分子量
は、70,000であり、分子量4万にメインピークを
持つが、分子量2,000〜20,000にピーク又は
ショルダーは見られなかった。
【0338】(キャリア製造例13)キャリアコア粒子
Aの表面にγ−アミノプロピルトリメトキシシラン NH2−CH2CH2CH2−Si−(OCH33 の5重量%トルエン溶液を塗布した。
【0339】キャリアコア粒子Aの表面は0.1重量%
のγ−アミノプロピルトリメトキシシランで処理されて
いた。塗布中は、キャリアコア粒子Aにせん断応力を連
続して印加しながら塗布しつつトルエンを揮発させた。
キャリアコア粒子Aの表面に NH2−CH2CH2CH2−Si−基 が存在しているのが確認された。
【0340】γ−アミノプロピルトリメトキシシランで
表面処理されたキャリアコア粒子Aに、グラフト共重合
体(A)の10%トルエンコート溶液を塗布した。キャ
リアコア粒子Aの表面は0.7重量%のグラフト共重合
体(A)で被覆されていた。キャリアコア粒子Aの表面
をコート溶液で塗布する際は、せん断力を連続的に印可
しながら塗布しつつトルエンを揮発させた。
【0341】その後、温度140℃で2時間キュアし凝
集をほぐした後200メッシュのふるいで分級してコー
ティングキャリア13を得た。
【0342】(キャリア製造例14〜16)グラフト共
重合体(B)〜(D)を用いること以外は、キャリア製
造例13と同様にしてコーティングキャリア14〜16
を得た。
【0343】(キャリア製造例17)キャリアコア粒子
Cを用いること以外は、キャリア製造例13と同様にし
てコーティングキャリア17を得た。
【0344】(キャリア製造例18)キャリアコア粒子
Aの表面にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ラン
【0345】
【化39】 の5重量%トルエン溶液を塗布した。
【0346】キャリアコア粒子Aの表面は、0.1重量
%のγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで
処理されていた。塗布中は、キャリアコア粒子Aに剪断
応力を連続して印加しながら、塗布しつつトルエンを揮
発させた。キャリアコア粒子Aの表面に
【0347】
【化40】 が存在しているのが確認された。
【0348】γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランで表面処理されたキャリアコア粒子Aに、グラフ
ト共重合体(A)の10重量%トルエンコート溶液を塗
布した。キャリアコア粒子Aの表面は、0.7重量%の
グラフト共重合体(A)で被覆されていた。キャリアコ
ア粒子Aの表面をコート溶液で塗布する際は、剪断力を
連続的に印加しながら塗布しつつトルエンを揮発させ
た。
【0349】その後、温度140℃で2時間キュアし凝
集をほぐした後200メッシュのふるいで分級してコー
ティングキャリア18を得た。
【0350】(キャリア製造例19〜21)グラフト重
合体(B)〜(D)を用いること以外は、キャリア製造
例18と同様にしてコーティングキャリア19〜21を
得た。
【0351】(キャリア製造例22)キャリアコア粒子
Cを用いること以外は、キャリア製造例18と同様にし
てコーティングキャリア22を得た。
【0352】コーティングキャリア1〜22の物性を表
6に示す。
【0353】
【表6】
【0354】<実施例1>トナー粒子1の100重量部
に対し、負帯電性疎水性シリカ微粉体1.0重量部をヘ
ンシェルミキサーにより外添混合し、トナー1を得た。
コートキャリア1の93重量部とトナー1の7重量部と
を混合して二成分系現像剤1を調製した。
【0355】この二成分系現像剤1を、市販のデジタル
複写機(キヤノン(株)製、GP30F、プリント速度
30枚/分)を二成分現像用に改造したものを用いて、
低温低湿(10℃,10%RH)及び高温高湿(32.
5℃,90%RH)環境でそれぞれ7万枚の画出し試験
を行って評価した。結果を表7に示す。
【0356】評価方法を以下に記載する。
【0357】画像濃度:耐久初期と7万枚耐久後の画像
で、通常の複写機用普通紙(75g/m2)にベタ黒画
像をプリントし、その画像濃度により評価した。尚、画
像濃度は「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用
いて、原稿濃度が0.00の白地部分のプリント画像に
対する相対濃度を測定した。
【0358】カブリ:リフレクトメーター(東京電色
(株)製)により測定した転写紙の白色度と、低温低湿
環境での耐久初期と7万枚耐久後のベタ白画像の白色度
との比較からカブリを算出した。
【0359】トナースペント:高温高湿環境で7万枚耐
久後の現像器内のキャリア表面をSEM観察して、下記
の評価基準で評価した。 ○ :全く汚染が無い △ :やや汚染がある △×:部分的にひどい汚染がある × :全体的に汚染がひどい
【0360】キャリア付着:ベタ白画像を画出しし、現
像部とクリーナ部との間の感光ドラム上の部分を透明な
接着テープを密着させてサンプリングし、5cm×5c
m中の感光ドラム上に付着していたキャリア粒子の個数
をカウントし、1cm2あたりの付着キャリアの個数を
算出する。 ◎:10個未満/cm2 ○:10個〜20個未満/cm2 △:20個〜50個未満/cm2 ×:50個以上/cm2
【0361】低温定着性:キヤノン製複写機GP30F
の定着器を取り外し、外部駆動装置及び定着器の温度制
御装置を取り付けた定着試験装置にて、定着器の温度を
5℃刻みで変化させて未定着のハーフトーン画像を通紙
した。その画像を4900N/m2(50g/cm2)の
荷重をかけ、柔和な薄紙により画像を摺擦し、摺擦前後
の画像濃度の低下率(%)が5%以下となる温度を定着
温度とした。
【0362】ホットオフセット:低温定着性の評価に使
用したものと同じ定着試験装置を使用した。定着器の温
度を5℃刻みで変化させて未定着画像を通紙し、定着画
像を目視で観察してホットオフセットの発生温度を調べ
た。
【0363】ブロッキング:トナー50gを容量100
mlの容器に入れ、50℃の環境で7日間放置し、目視
でトナーの流動性の変化を下記の評価基準で評価した。 ○ :変化無し △ :やや流動性が落ちているが容器を傾けて回転させ
ると回復する △×:凝集物があるが針で突つくとほぐれる × :凝集物があり針で突ついてもほぐれない
【0364】<実施例2〜6>実施例1と同様にして、
トナー粒子2〜6に負帯電性疎水性シリカ微粉体を外添
混合してトナー2〜6を得、さらにキャリア1と混合す
ることで二成分系現像剤2〜6を調製した。これらを実
施例1と同様の方法で評価した。結果を表7に示す。
【0365】<比較例1〜4>実施例1と同様にして、
比較トナー粒子1〜4に負帯電性疎水性シリカ微粉体を
外添混合して比較トナー1〜4を得、さらにキャリア1
と混合することで比較二成分系現像剤1〜4を調製し
た。これらを実施例1と同様の方法で評価した。結果を
表7に示す。
【0366】<実施例7〜11>トナー4及びコートキ
ャリア2及び4〜7を用いること以外は実施例1と同様
にして二成分系現像剤7〜11を調製した。これらを実
施例1と同様の方法で画像濃度、カブリ、トナースペン
ト、キャリア付着について評価した。結果を表8に示
す。
【0367】<比較例5〜7>比較トナー1及びコート
キャリア3、コートレスキャリア8及びコートキャリア
9を用いること以外は実施例1と同様にして比較二成分
系現像剤5〜7を調製した。これらを実施例1と同様の
方法で画像濃度、カブリ、トナースペント、キャリア付
着について評価した。結果を表8に示す。
【0368】<実施例12〜18>コートキャリア10
〜16を用いること以外は実施例1と同様にして二成分
系現像剤12〜18を調製した。これらを実施例1と同
様の方法で画像濃度、カブリ、トナースペント、キャリ
ア付着について評価した。結果を表8に示す。
【0369】<比較例8>コートキャリア17を用いる
こと以外は実施例1と同様にして比較二成分系現像剤8
を調製した。これらを実施例1と同様の方法で画像濃
度、カブリ、トナースペント、キャリア付着について評
価した。結果を表8に示す。
【0370】<実施例19〜22>トナー粒子7の10
0重量部に対し、正帯電性疎水性シリカ微粉体1.0重
量部をヘンシェルミキサーにより外添混合し、トナー7
を得た。コートキャリア18〜21の93重量部とトナ
ー7の7重量部とを混合して二成分系現像剤19〜22
を調製した。
【0371】この二成分系現像剤19〜22を、市販の
アナログ複写機(キヤノン(株)製、NP6030、プ
リント速度30枚/分)を二成分現像用に改造したもの
を用いて、低温低湿(10℃,10%RH)及び高温高
湿(32.5℃,90%RH)環境でそれぞれ7万枚の
画出し試験を行い、実施例1と同様の方法で画像濃度、
カブリ、トナースペント、キャリア付着について評価し
た。結果を表8に示す。
【0372】<比較例9>コートキャリア22を用いる
こと以外は実施例19〜22と同様にして比較二成分系
現像剤9を調製し、評価した。結果を表8に示す。
【0373】
【表7】
【0374】
【表8】
【0375】
【発明の効果】本発明は、上述の如くトナーとキャリア
の改良を行って、環境に左右されず、長期使用によって
も高品質の画像を得ることができる。また、トナースペ
ントやキャリア付着も十分に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】低架橋度ポリエステル樹脂組成物の13C−NM
Rスペクトルを示す。
【図2】スチレン・2−エチルヘキシルアクリレート共
重合体の13C−NMRスペクトルを示す。
【図3】本発明に係る結着樹脂(I−1)の13C−NM
Rスペクトルを示す。
【図4】本発明に係る結着樹脂(I−1)の酢酸エチル
可溶成分の1H−NMRスペクトルを示す。
【図5】本発明に係る結着樹脂(I−1)の酢酸エチル
不溶成分の1H−NMRスペクトルを示す。
【図6】PO−BPAのPO基の1H−NMRシグナル
の帰属を示す説明図である。
【図7】ソックスレー抽出に使用するソックスレー抽出
装置の一具体例を示す概略図である。
【図8】体積抵抗値の測定に用いたセルの模式図であ
る。
【符号の説明】
21 下部電極 22 上部電位 23 絶縁物 24 電流計 25 電圧計 26 定電圧装置 27 キャリア 28 ガイドリング d 試料厚み E 抵抗測定セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 9/08 G03G 9/08 9/107 331 9/113 9/10 311 341 351 352 354 (72)発明者 道上 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柴山 寧子 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 松永 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA01 BA03 BA05 BA06 BA11 BA15 CA04 CA08 CA11 CA12 CA15 CA17 CA18 CA26 CA28 CB03 EA01 EA02 EA05 EA06 EA07 EA10 FA01 4J002 BC02W BD10W BE04W BE05W BF01W BG01W BG04W BG05W BG07W BG10W BG13W BH02W BJ00W BL01W CF00X CP00Y DE046 EH107 EX017 EX066 EX077 EZ007 FA086 FB096 FB166 FB268 FD090 FD147 FD317 GP00

Claims (84)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂及び着色剤を含有するトナーと
    キャリアとを有する二成分系現像剤において、 I.該結着樹脂は、 (a)ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、及び、ビニル
    系重合体ユニットとポリエステルユニットを有している
    ハイブリッド樹脂成分を含み、 (b)テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とした10
    時間のソックスレー抽出で、THF可溶成分を50乃至
    85重量%(W1)含有し、THF不溶成分を15乃至
    50重量%(W2)含有し、 (c)酢酸エチルを溶媒とした10時間のソックスレー
    抽出で、酢酸エチル可溶成分を40乃至98重量%(W
    3)含有し、酢酸エチル不溶成分を2乃至60重量%
    (W4)含有し、 (d)クロロホルムを溶媒とした10時間のソックスレ
    ー抽出で、クロロホルム可溶成分を55乃至90重量%
    (W5)含有し、クロロホルム不溶成分を10乃至45
    重量%(W6)含有し、 (e)W4/W6の値が1.1乃至4.0であり、 II.該キャリアは、バインダー樹脂及び磁性金属酸化
    物粒子を少なくとも有する磁性キャリアコア粒子と、該
    磁性キャリアコア粒子の表面を被覆している被覆層とを
    有する磁性コートキャリアであって、 磁性金属酸化物粒子は、表面が親油化処理されており、 磁性キャリアコア粒子は、比抵抗が1×1010Ω・cm
    以上であり、 磁性コートキャリアは、比抵抗が1×1012Ω・cm以
    上であり、 磁性コートキャリアは、個数平均粒径Dnが5〜100
    μmであり、個数分布において、下記式 Dn/σ≧3.5 [式中、Dnは磁性コートキャリアの個数平均粒径を示
    し、σは磁性コートキャリアの個数分布における標準偏
    差を示す。]を満足し、 (2/3)×Dn以下の粒径の磁性コートキャリア粒子
    の含有量が25個数%以下であることを特徴とする二成
    分系現像剤。
  2. 【請求項2】 該結着樹脂のTHF可溶成分のゲルパー
    ミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による
    分子量分布において、分子量4000乃至9000の領
    域にメインピークを有し、分子量500以上1万未満の
    領域の成分が35.0乃至65.0%(A1)であり、
    分子量1万以上10万未満の領域の成分が25.0乃至
    45.0%(A2)であり、分子量10万以上の成分が
    10.0乃至30.0%(A3)であり、A1/A2の
    値が1.05乃至2.00であることを特徴とする請求
    項1に記載の二成分系現像剤。
  3. 【請求項3】 結着樹脂の該ポリエステル樹脂及び該ポ
    リエステルユニットは、三価以上の多価カルボン酸また
    はその無水物、または、三価以上の多価アルコールで架
    橋された架橋構造を有していることを特徴とする請求項
    1又は2に記載の二成分系現像剤。
  4. 【請求項4】 結着樹脂の該ビニル系樹脂及び該ビニル
    系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤
    で架橋された架橋構造を有していることを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  5. 【請求項5】 該結着樹脂は、THF不溶成分(W2)
    を20乃至45重量%含有することを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  6. 【請求項6】 該結着樹脂は、THF不溶成分(W2)
    を25乃至40重量%含有することを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  7. 【請求項7】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分(W
    4)を5乃至50重量%含有することを特徴とする請求
    項1乃至6のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  8. 【請求項8】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分(W
    4)を10乃至40重量%含有することを特徴とする請
    求項1乃至6のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  9. 【請求項9】 該結着樹脂は、クロロホルム不溶成分
    (W6)を15乃至40重量%含有することを特徴とす
    る請求項1乃至8のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  10. 【請求項10】 該結着樹脂は、クロロホルム不溶成分
    (W6)を17乃至37重量%含有することを特徴とす
    る請求項1乃至8のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  11. 【請求項11】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.2乃至3.5であることを特徴とす
    る請求項1乃至10のいずれかに記載の二成分系現像
    剤。
  12. 【請求項12】 該結着樹脂は、酢酸エチル不溶成分
    (W4)とクロロホルム不溶成分(W6)との比(W4
    /W6)の値が1.5乃至3.0であることを特徴とす
    る請求項1乃至10のいずれかに記載の二成分系現像
    剤。
  13. 【請求項13】 該THF不溶成分(W2)が含有して
    いるクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と該酢酸
    エチル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不
    溶成分(W6B)の含有量とが、下記条件 3重量%≦W6A≦25重量% 7重量%≦W6B≦30重量% 10重量%≦W6A+W6B≦45重量% W6A:W6B=1:1〜3 を満足することを特徴とする請求項1乃至12のいずれ
    かに記載の二成分系現像剤。
  14. 【請求項14】 該THF不溶成分(W2)が含有して
    いるクロロホルム不溶成分(W6A)の含有量と該酢酸
    エチル不溶成分(W4)が含有しているクロロホルム不
    溶成分(W6B)の含有量とが、下記条件 5重量%≦W6A≦20重量% 10重量%≦W6B≦25重量% 15重量%≦W6A+W6B≦40重量% W6A:W6B=1:1.5〜2.5 を満足することを特徴とする請求項1乃至12のいずれ
    かに記載の二成分系現像剤。
  15. 【請求項15】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量5000乃至8
    500の領域にピークを有することを特徴とする請求項
    1乃至14のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  16. 【請求項16】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量5000乃至8
    000の領域にピークを有することを特徴とする請求項
    1乃至14のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  17. 【請求項17】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500以上1万
    未満の成分(A1)を37.0乃至60.0%含有して
    いることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記
    載の二成分系現像剤。
  18. 【請求項18】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500以上1万
    未満の成分(A1)を40.0乃至50.0%含有して
    いることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記
    載の二成分系現像剤。
  19. 【請求項19】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量1万以上10万
    未満の成分(A2)を27.0乃至42.0%含有して
    いることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記
    載の二成分系現像剤。
  20. 【請求項20】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量1万以上10万
    未満の成分(A2)を30.0乃至40.0%含有して
    いることを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記
    載の二成分系現像剤。
  21. 【請求項21】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量10万以上の成
    分(A3)を12.0乃至25.0%含有していること
    を特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の二成
    分系現像剤。
  22. 【請求項22】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量10万以上の成
    分(A3)を15.0乃至20.0%含有していること
    を特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載の二成
    分系現像剤。
  23. 【請求項23】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500以上1万
    未満の成分(A1)と分子量1万以上10万未満の成分
    (A2)との比(A1/A2)が、1.10乃至1.9
    0であることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか
    に記載の二成分系現像剤。
  24. 【請求項24】 該THF可溶成分(W1)は、GPC
    測定による分子量分布において、分子量500以上1万
    未満の成分(A1)と分子量1万以上10万未満の成分
    (A2)との比(A1/A2)が、1.15乃至1.8
    0であることを特徴とする請求項1乃至22のいずれか
    に記載の二成分系現像剤。
  25. 【請求項25】 該ハイブリッド樹脂成分のビニル重合
    体ユニットとポリエステルユニットとは、 【化1】 を介して結合していることを特徴とする請求項1乃至2
    4のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  26. 【請求項26】 該ハイブリッド樹脂成分は、ポリエス
    テルユニットとカルボン酸エステル基を有するモノマー
    の重合によるビニル系重合体ユニットとがエステル交換
    反応されて形成された共重合体であることを特徴とする
    請求項1乃至25のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  27. 【請求項27】 該ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系
    重合体ユニットを幹重合体とし、ポリエステルユニット
    を枝重合体としたグラフト重合体であることを特徴とす
    る請求項1乃至26のいずれかに記載の二成分系現像
    剤。
  28. 【請求項28】 該結着樹脂は、10乃至60モル%の
    グラフト化率を有することを特徴とする請求項1乃至2
    7のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  29. 【請求項29】 該結着樹脂は、15乃至55モル%の
    グラフト化率を有することを特徴とする請求項1乃至2
    7のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  30. 【請求項30】 該磁性キャリアコア粒子のバインダー
    樹脂は架橋構造を有することを特徴とする請求項1乃至
    29のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  31. 【請求項31】 該磁性キャリアコア粒子のバインダー
    樹脂が熱硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1乃
    至30のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  32. 【請求項32】 該磁性キャリアコア粒子の表面を被覆
    している被覆層が樹脂で形成されていることを特徴とす
    る請求項1乃至31のいずれかに記載の二成分系現像
    剤。
  33. 【請求項33】 該磁性キャリアコア粒子が重合法によ
    り得られ、形状係数SF−1が100〜130の範囲に
    あることを特徴とする請求項1乃至32のいずれかに記
    載の二成分系現像剤。
  34. 【請求項34】 該磁性金属酸化物粒子は、シラン系カ
    ップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニ
    ウム系カップリング剤または界面活性剤からなる群の中
    から選ばれる1種または2種以上で親油化処理されてい
    ることを特徴とする請求項1乃至33のいずれかに記載
    の二成分系現像剤。
  35. 【請求項35】 該磁性キャリアコア粒子が、少なくと
    も2種以上の金属酸化物粒子を含有し、バインダー樹脂
    に対して金属酸化物総量の割合が50〜99重量%であ
    り、該金属酸化物粒子の一方は強磁性体であり、他方は
    該強磁性体より高抵抗の非磁性金属酸化物粒子であり、
    強磁性体の個数平均粒径に対して該高抵抗金属酸化物の
    個数平均粒径が1倍より大きく5倍以下であり、該磁性
    キャリアコア粒子中の金属酸化物粒子総量に対して強磁
    性体の割合が30〜95重量%であり、1キロエルステ
    ッドにおける磁性コートキャリアの磁化の強さが40〜
    250emu/cm3であることを特徴とする請求項1
    乃至34のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  36. 【請求項36】 該磁性キャリアコア粒子を形成するバ
    インダー樹脂がフェノール系樹脂であることを特徴とす
    る請求項1乃至35のいずれかに記載の二成分系現像
    剤。
  37. 【請求項37】 該強磁性体はマグネタイトであり、高
    抵抗金属酸化物の少なくとも1つがヘマタイトであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至36のいずれかに記載の二
    成分系現像剤。
  38. 【請求項38】 該磁性コートキャリア粒子は表面の金
    属酸化物の平均露出密度が0.1〜10個/μm2であ
    ることを特徴とする請求項1乃至37のいずれかに記載
    の二成分系現像剤。
  39. 【請求項39】 該磁性コートキャリアは個数平均粒径
    が10〜70μmであることを特徴とする請求項1乃至
    38のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  40. 【請求項40】 該磁性コートキャリアは、形状係数S
    F−1が100〜130であることを特徴とする請求項
    1乃至39のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  41. 【請求項41】 該磁性コートキャリアは、個数平均粒
    径Dnの2/3以下の粒径のキャリア粒子の累積個数割
    合が15個数%以下であることを特徴とする請求項1乃
    至40のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  42. 【請求項42】 該磁性コートキャリアは、個数平均粒
    径Dnの2/3以下の粒径のキャリア粒子の累積個数割
    合が10個数%以下であることを特徴とする請求項1乃
    至40のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  43. 【請求項43】 該磁性コートキャリアは(Dn/σ)
    が4.0以上であることを特徴とする請求項1乃至42
    のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  44. 【請求項44】 該強磁性体は個数平均粒径が0.02
    〜2μmであることを特徴とする請求項1乃至43のい
    ずれかに記載の二成分系現像剤。
  45. 【請求項45】 該非磁性金属酸化物粒子は個数平均粒
    径が0.05〜5μmであることを特徴とする請求項1
    乃至44のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  46. 【請求項46】 該強磁性体は、比抵抗が1×103Ω
    ・cm以上であることを特徴とする請求項1乃至45の
    いずれかに記載の二成分系現像剤。
  47. 【請求項47】 該非磁性金属酸化物粒子は、比抵抗が
    1×108Ω・cm以上であることを特徴とする請求項
    1乃至46のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  48. 【請求項48】 該非磁性金属酸化物粒子は、比抵抗が
    1×1010Ω・cm以上であることを特徴とする請求項
    1乃至46のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  49. 【請求項49】 該強磁性体は、金属酸化物を基準にし
    て30〜95重量%含有されていることを特徴とする請
    求項1乃至48のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  50. 【請求項50】 該磁性金属酸化物粒子は、アミノ基を
    有するシランカップリング剤で処理されていることを特
    徴とする請求項1乃至49のいずれかに記載の二成分系
    現像剤。
  51. 【請求項51】 アミノ基を有するシランカップリング
    剤は、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
    ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピル
    メチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ
    −アミノプロピルトリメトキシシラン、γ(2−アミノ
    エチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
    (アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキ
    シシラン及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリメ
    トキシシランからなるグループから選択される化合物で
    あることを特徴とする請求項50に記載の二成分系現像
    剤。
  52. 【請求項52】 該磁性金属酸化物粒子は、疎水性基を
    有するシランカップリング剤で処理されていることを特
    徴とする請求項1乃至49のいずれかに記載の二成分系
    現像剤。
  53. 【請求項53】 該疎水性基を有するシランカップリン
    グ剤は、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、フェニル
    基、ハロゲン化フェニル基又はアルキルフェニル基を有
    するシランカップリング剤であることを特徴とする請求
    項52に記載の二成分系現像剤。
  54. 【請求項54】 該疎水性基を有するシランカップリン
    グ剤は、下記式で示されるアルコキシシランであること
    を特徴とする請求項52に記載の二成分系現像剤。 RmSiYn 〔式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1〜3の整数を
    示し、Yはアルキル基又はビニル基を示し、nは1〜3
    の整数を示す。〕
  55. 【請求項55】 疎水性基を有するシランカップリング
    剤が、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
    シラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメト
    キシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルト
    リメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
    ルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、n−
    プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシ
    ラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オク
    タデシルトリメトキシシラン及びビニルトリス(β−メ
    トキシ)シランからなるグループから選択される化合物
    であることを特徴とする請求項52に記載の二成分系現
    像剤。
  56. 【請求項56】 疎水性基を有するシランカップリング
    剤が、ビニルトリクロルシラン、ヘキサメチルジシラザ
    ン、トリメチルシラン、ジメチルジクロルシラン、メチ
    ルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ア
    リルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロル
    シラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロ
    ルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロ
    ルシラン及びクロルメチルジメチルクロルシランからな
    るグループから選択される化合物であることを特徴とす
    る請求項52に記載の二成分系現像剤。
  57. 【請求項57】 該磁性金属酸化物粒子は、エポキシ基
    を有するシランカップリング剤で処理されていることを
    特徴とする請求項1乃至49のいずれかに記載の二成分
    系現像剤。
  58. 【請求項58】 エポキシ基を有するシランカップリン
    グ剤は、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシ
    ラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン及
    びβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)トリメトキ
    シシランからなるグループから選択される化合物である
    ことを特徴とする請求項57に記載の二成分系現像剤。
  59. 【請求項59】 該磁性金属酸化物粒子は、100重量
    部当りシランカップリング剤又はチタネートカップリン
    グ剤0.1〜10重量部で親油化処理されていることを
    特徴とする請求項1乃至58のいずれかに記載の二成分
    系現像剤。
  60. 【請求項60】 該磁性金属酸化物粒子は、100重量
    部当りシランカップリング剤又はチタネートカップリン
    グ剤0.2〜6重量部で処理されていることを特徴とす
    る請求項1乃至58のいずれかに記載の二成分系現像
    剤。
  61. 【請求項61】 該磁性コートキャリアは、1キロエル
    ステッドの磁化の強さが40〜250emu/gである
    ことを特徴とする請求項1乃至60のいずれかに記載の
    二成分系現像剤。
  62. 【請求項62】 該磁性コートキャリアは、1キロエル
    ステッドの磁化の強さが50〜230emu/gである
    ことを特徴とする請求項1乃至60のいずれかに記載の
    二成分系現像剤。
  63. 【請求項63】 該磁性キャリアコア粒子を被覆する被
    覆層は、少なくともシリコーン樹脂を含有することを特
    徴とする請求項1乃至62のいずれかに記載の二成分系
    現像剤。
  64. 【請求項64】 該樹脂被覆層は、下記式 【化2】 で示される硬化剤を含有する反応性シリコーン樹脂を含
    むことを特徴とする請求項63に記載の二成分系現像
    剤。
  65. 【請求項65】 該キャリアは、水存在下で、反応性シ
    リコーン樹脂を該磁性キャリアコア粒子に被覆すること
    により得られたものであることを特徴とする請求項63
    又は64に記載の二成分系現像剤。
  66. 【請求項66】 該磁性キャリアコア粒子を被覆する被
    覆層は、少なくともフッ素含有樹脂を含有することを特
    徴とする請求項1乃至62のいずれかに記載の二成分系
    現像剤。
  67. 【請求項67】 該樹脂被覆層は、フルオロアルキルユ
    ニット、メチレンユニット(−CH2−)及びエステル
    ユニットを少なくとも有し、該磁性キャリアコア粒子の
    表面は、(1)被覆樹脂とメチレンユニットを少なくと
    も有するカップリング剤との混合物で被覆処理されてい
    るか、又は、(2)メチレンユニットを少なくとも有す
    るカップリング剤で表面処理された後に被覆樹脂で被覆
    されていることを特徴とする請求項66に記載の二成分
    系現像剤。
  68. 【請求項68】 該被覆樹脂は、 【化3】 〔式中、mは0乃至20の整数を示す。〕で示されるパ
    ーフルオロアルキルユニットを有することを特徴とする
    請求項66又は67に記載の二成分系現像剤。
  69. 【請求項69】 該被覆樹脂は、 【化4】 〔式中、mは0乃至20の整数を示し、nは1乃至15
    の整数を示す。〕で示されるユニットを有することを特
    徴とする請求項66乃至68のいずれかに記載の二成分
    系現像剤。
  70. 【請求項70】 該被覆樹脂は、 【化5】 〔式中、mは0乃至20の整数を示し、nは1乃至15
    の整数を示す。〕で示されるユニットを有することを特
    徴とする請求項66乃至69のいずれかに記載の二成分
    系現像剤。
  71. 【請求項71】 該被覆樹脂は、 【化6】 〔式中、mは0乃至20の整数を示し、nは1乃至15
    の整数を示す。〕で示されるユニットを有することを特
    徴とする請求項66乃至70のいずれかに記載の二成分
    系現像剤。
  72. 【請求項72】 該被覆樹脂は、 【化7】 〔式中、mは0乃至20の整数を示し、nは1乃至15
    の整数を示す。〕で示されるユニットを有することを特
    徴とする請求項66乃至70のいずれかに記載の二成分
    系現像剤。
  73. 【請求項73】 該被覆樹脂は、フルオロアルキルユニ
    ットを有するメタクリル酸又はそのエステルの重合体又
    は共重合体であることを特徴とする請求項66乃至72
    のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  74. 【請求項74】 該被覆樹脂は、フルオロアルキルユニ
    ットを有するアクリル酸又はそのエステルの重合体又は
    共重合体であることを特徴とする請求項66乃至72の
    いずれかに記載の二成分系現像剤。
  75. 【請求項75】 該被覆樹脂は、フルオロアルキルユニ
    ットを有するグラフト共重合体であることを特徴とする
    請求項66乃至74のいずれかに記載の二成分系現像
    剤。
  76. 【請求項76】 該被覆樹脂は、 【化8】 〔式中、R1は水素又はメチル基を有し、R2は水素又は
    炭素数1乃至20のアルキル基を示し、kは1以上の整
    数を示す。〕で示されるユニットと、 【化9】 とを有するグラフト共重合体であることを特徴とする請
    求項66乃至75のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  77. 【請求項77】 該被覆樹脂は、テトラヒドロフラン
    (THF)の可溶成分のゲルパーミエーションクロマト
    グラフィ(GPC)において、重量平均分子量が2万乃
    至30万であることを特徴とする請求項66乃至76の
    いずれかに記載の二成分系現像剤。
  78. 【請求項78】 該被覆樹脂は、THFの可溶成分のG
    PCのクロマトグラムにおいて、分子量2000乃至1
    0万の領域にメインピークを有することを特徴とする請
    求項66乃至77のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  79. 【請求項79】 該被覆樹脂は、THFの可溶成分のG
    PCのクロマトグラムにおいて、分子量2000乃至1
    0万の領域にサブピーク又はショルダーを有することを
    特徴とする請求項66乃至78のいずれかに記載の二成
    分系現像剤。
  80. 【請求項80】 該被覆樹脂は、THFの可溶成分のG
    PCのクロマトグラムにおいて、分子量2万乃至10万
    の領域にメインピークを有し、分子量2000乃至19
    000の領域にサブピーク又はショルダーを有すること
    を特徴とする請求項66乃至79のいずれかに記載の二
    成分系現像剤。
  81. 【請求項81】 カップリング剤が、シランカップリン
    グ剤又はチタンカップリング剤であることを特徴とする
    請求項66乃至80のいずれかに記載の二成分系現像
    剤。
  82. 【請求項82】 カップリング剤が、γ−アミノプロピ
    ルトリアルコキシシラン,N−β−(アミノエチル)−
    γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン,N−β−
    (アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジアルコ
    キシシラン及びN−フェニル−γ−アミノプロピルトリ
    アルコキシシランからなるグループから選択されるアミ
    ノアルキルアルコキシシランであることを特徴とする請
    求項66乃至81のいずれかに記載の二成分系現像剤。
  83. 【請求項83】 カップリング剤が、γ−メタクリロキ
    シプロピルトリアルコキシシラン,β−(3,4−エポ
    キシシクロヘキシル)エチルトリアルコキシシラン,γ
    −グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン,γ−グ
    リシドキシプロピルメチルジアルコキシシラン,γ−メ
    ルカプトプロピルトリアルコキシシラン,γ−クロロプ
    ロピルトリアルコキシシラン,イソプロピルトリイソス
    テアロイルチタネート,メチレンユニットを有するイソ
    プロピルトリアルキルベンゼンスルホニルチタネート及
    びメチレンユニットを有するイソプロピルトリス(ジア
    ルキルピロホスフェート)チタネートから選択されるシ
    ランカップリング剤又はチタンカップリング剤であるこ
    とを特徴とする請求項66乃至81のいずれかに記載の
    二成分系現像剤。
  84. 【請求項84】 該磁性キャリアコア粒子に対して被覆
    樹脂が0.01〜5重量%(キャリア基準)塗布され、
    カップリング剤が0.01〜5重量%(キャリア基準)
    塗布されていることを特徴とする請求項66乃至83の
    いずれかに記載の二成分系現像剤。
JP15111899A 1999-05-31 1999-05-31 二成分系現像剤 Expired - Fee Related JP3715832B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15111899A JP3715832B2 (ja) 1999-05-31 1999-05-31 二成分系現像剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15111899A JP3715832B2 (ja) 1999-05-31 1999-05-31 二成分系現像剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000338719A true JP2000338719A (ja) 2000-12-08
JP3715832B2 JP3715832B2 (ja) 2005-11-16

Family

ID=15511768

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15111899A Expired - Fee Related JP3715832B2 (ja) 1999-05-31 1999-05-31 二成分系現像剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3715832B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002221829A (ja) * 2001-01-24 2002-08-09 Canon Inc 画像形成方法及び現像剤
JP2003156882A (ja) * 2001-11-20 2003-05-30 Canon Inc イエロートナー
JP2004295101A (ja) * 2003-03-07 2004-10-21 Canon Inc トナー及び二成分系現像剤
JP2006078918A (ja) * 2004-09-13 2006-03-23 Ricoh Co Ltd 電子写真用キャリア、現像剤、現像剤容器、画像形成方法及び画像形成装置
JP2007101812A (ja) * 2005-10-03 2007-04-19 Dowa Holdings Co Ltd 電子写真現像用キャリアおよび二成分系現像剤
JP2007322662A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用二成分現像剤及び画像形成装置
JP2008007527A (ja) * 2006-06-02 2008-01-17 Kao Corp 電子写真トナー用結着樹脂
JP2012058635A (ja) * 2010-09-13 2012-03-22 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像剤用キャリア及び該キャリアを含む二成分現像剤
JP2014001335A (ja) * 2012-06-20 2014-01-09 Toyobo Co Ltd 熱伝導性樹脂組成物
JP2015212788A (ja) * 2014-05-07 2015-11-26 キヤノン株式会社 二成分系現像剤
US9482977B2 (en) 2015-01-09 2016-11-01 Konica Minolta, Inc. Two-component developer

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002221829A (ja) * 2001-01-24 2002-08-09 Canon Inc 画像形成方法及び現像剤
JP2003156882A (ja) * 2001-11-20 2003-05-30 Canon Inc イエロートナー
JP2004295101A (ja) * 2003-03-07 2004-10-21 Canon Inc トナー及び二成分系現像剤
JP4708717B2 (ja) * 2003-03-07 2011-06-22 キヤノン株式会社 トナーの製造方法
JP4632729B2 (ja) * 2004-09-13 2011-02-16 株式会社リコー 電子写真用キャリア、現像剤、現像剤容器、画像形成方法及び画像形成装置
JP2006078918A (ja) * 2004-09-13 2006-03-23 Ricoh Co Ltd 電子写真用キャリア、現像剤、現像剤容器、画像形成方法及び画像形成装置
JP2007101812A (ja) * 2005-10-03 2007-04-19 Dowa Holdings Co Ltd 電子写真現像用キャリアおよび二成分系現像剤
JP4505687B2 (ja) * 2005-10-03 2010-07-21 Dowaエレクトロニクス株式会社 電子写真現像用キャリアおよび二成分系現像剤
JP4697054B2 (ja) * 2006-05-31 2011-06-08 富士ゼロックス株式会社 電子写真用二成分現像剤及び画像形成装置
JP2007322662A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真用二成分現像剤及び画像形成装置
JP2008007527A (ja) * 2006-06-02 2008-01-17 Kao Corp 電子写真トナー用結着樹脂
JP2012058635A (ja) * 2010-09-13 2012-03-22 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像剤用キャリア及び該キャリアを含む二成分現像剤
JP2014001335A (ja) * 2012-06-20 2014-01-09 Toyobo Co Ltd 熱伝導性樹脂組成物
JP2015212788A (ja) * 2014-05-07 2015-11-26 キヤノン株式会社 二成分系現像剤
US9482977B2 (en) 2015-01-09 2016-11-01 Konica Minolta, Inc. Two-component developer

Also Published As

Publication number Publication date
JP3715832B2 (ja) 2005-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006308642A (ja) トナー及び二成分現像剤
US20210255559A1 (en) Resin particle set
JP2005181848A (ja) 現像剤、トナーおよびキャリア
JP3715832B2 (ja) 二成分系現像剤
JP2005134708A (ja) 磁性キャリア及び二成分系現像剤
US9482977B2 (en) Two-component developer
US11965043B2 (en) Resin particle
US10795274B1 (en) Electrostatic charge image developing toner, electrostatic charge image developer, and toner cartridge
JP3703335B2 (ja) 二成分系現像剤
JP2008026476A (ja) 画像形成方法
JP2007147781A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤
JP4133770B2 (ja) 現像剤
US11733618B2 (en) Electrostatic image developing toner, electrostatic image developer, toner cartridge, process cartridge, image forming apparatus, and image forming method
US11829103B2 (en) Electrostatic image developing toner, electrostatic image developer, and toner cartridge
US20210253846A1 (en) Resin particle
JP3104883B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
US20210088921A1 (en) Electrostatic-image developing toner, electrostatic-image developer, toner cartridge, process cartridge, image forming apparatus, and image forming method
US20160266508A1 (en) Two-component developer
JP3890257B2 (ja) トナー及び画像形成方法
JPH11344832A (ja) トナー及び画像形成方法
US20220299904A1 (en) Method for producing toner for developing electrostatic charge image, and toner for developing electrostatic charge image
US20220390867A1 (en) Electrostatic image developing toner, electrostatic image developer, and toner cartridge
US20240228678A1 (en) Resin particle
US11181843B2 (en) Electrostatic-image developing toner, electrostatic-image developer, toner cartridge, process cartridge, image forming apparatus, and image forming method
JP2014170103A (ja) 静電潜像現像用現像剤、及び画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050809

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050826

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100902

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110902

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110902

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120902

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees