JP4505687B2 - 電子写真現像用キャリアおよび二成分系現像剤 - Google Patents
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Description
本発明者らが、鋭意研究を重ねた結果、当該問題を解決する手段として、キャリア芯材の表面を、グリシドキシシランとアミノシランとを含有するカップリング剤で被覆した後、シリコーン樹脂とエポキシ樹脂とを含み、さらに、メラミン樹脂またはグアナミン樹脂のうち少なくとも1種を含む被覆樹脂で被覆することによって、帯電量の安定性の大きな改善、長期にわたる電子写真現像画質のシャープな画像を得ることができるという効果に想到した。さらに、前記被覆樹脂中へシリカ微粉末を添加することで、前記効果がさらに向上することも想到した。
キャリア芯材の表面が、グリシドキシシランとアミノシランとを含有するカップリング剤で被覆され、
前記カップリング剤で被覆されたキャリア芯材が、シリコーン樹脂と、エポキシ樹脂と、さらに、メラミン樹脂またはグアナミン樹脂のうち少なくとも1種と、を含有する被覆樹脂によって被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリアである。
前記被覆樹脂中に、さらにシリカを含むことを特徴とする第1の手段に記載の電子写真現像用キャリアである。
前記被覆樹脂中の、(シリコン元素の重量)/(炭素元素の重量)、の値が0.5以上、2.0以下であることを特徴とする第1または第2の手段に記載の電子写真現像用キャリアである。
前記キャリア芯材がソフトフェライトを含むことを特徴とする、第1から第3の手段のいずれかに記載の電子写真現像用キャリアである。
ポリエステル樹脂を主成分として含有するトナーと、第1から第4の手段のいずれかに記載の電子写真現像用キャリアとを含むことを特徴とする二成分系現像剤である。
本発明に係る電子写真現像用キャリアは、磁性酸化物を含むキャリア芯材の表面が、グリシドキシシランとアミノシランとを含有するカップリング剤で被覆され、前記カップリング剤で被覆されたキャリア芯材が、シリコーン樹脂と、エポキシ樹脂と、さらに、メラミン樹脂またはグアナミン樹脂のうち少なくとも1種と、を含有する被覆樹脂によって被覆されている。このカップリング剤としてグリシドキシシランとアミノシランとの2種を併用する構成を用いたところ、電子写真現像用キャリアの帯電量の安定性は大きく向上した。さらに本発明では、被覆樹脂として機械的強度に優れるシリコーン樹脂を基に、当該カップリング剤と同種のグリシドキシ基を有するエポキシ樹脂と、当該カップリング剤と同種の窒素原子を有するメラミン樹脂またはグアナミン樹脂のうち少なくとも1種とを用いて、電子写真現像用キャリアの帯電量の維持性を大幅に高めることができた。この結果、適宜なトナーと混合することで、長期にわたり、画像かぶりやトナー飛散の無い、シャープな画像を得ることができる二成分系現像剤を製造することが出来た。また、所望により、当該被覆樹脂へ、さらにシリカ微粉末を添加することも出来る。当該構成によっても、トナー外添剤の付着抑制、スペント化抑制する効果を得ることができ好ましい。
尚、トナーとしては、多様なトナーが使用可能であるが、ポリエステル樹脂を主成分として含有するトナーが好ましい。
キャリア芯材の材料として、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、コバルトなどの金属や、これらの金属と、亜鉛、アンチモン、アルミニウム、鉛、スズ、ビスマス、ベリリウム、マンガン、セレン、タングステン、ジルコニウム、バナジウムなどの金属との合金または混合物や、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、窒化クロム、窒化バナジウムなどの窒化物、炭化珪素、炭化タングステンなどの炭化物との混合物や、強磁性フェライト、またはこれらの混合物などを使用することができる。
前記キャリア芯材を被覆するカップリング剤は、グリシドキシシランとアミノシランとの混合物を用いることが好ましい。
被覆樹脂は、機械的強度に優れるシリコーン樹脂を基に、前記カップリング剤と同種のCH2-CH0基を有するエポキシ樹脂と、前記カップリング剤と同種の窒素原子を有するメラミン樹脂および/またはグアナミン樹脂とを用いることが好ましい。
MnO・MgO・Fe2O3のフェライト組成になるように、Mn源としてのMnCO325モル%と、Mg源としてのMg(OH)225モル%と、鉄源としてのFe2O350モル%を混合して、原料調合を行なった。
一方、カップリング剤として、γ-(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランとγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランを1:1(0.15重量部:0.15重量部)の比率で混合し、一定時間撹拌したものを有機溶剤(メタノール)に溶解したものを準備した。そして、当該カップリング剤を、キャリア芯材に対する総重量割合が0.3重量%になるように秤量し万能撹拌機へ注入した。
そして万能撹拌機により加熱撹拌し、溶剤を除去して、カップリング剤の被覆をキャリア芯材表面に施した。
実施例1に係る二成分系現像剤を用いた場合、全ての画像評価において、非常に良いか、良い結果を得ることが出来た。当該試験結果およびキャリアの静抵抗値を表2に記載する。尚、表2において、各画像評価において非常に良いレベルを◎、良いレベルを○、実用上使用可能なレベルを△、問題があって実用上使用できないレベルを×で示している。
カップリング剤としてγ-(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランとγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを1:1(0.2重量部:0.2重量部)の比率で混合し、被覆樹脂として、ストレートシリコーン樹脂100部(2.14重量部)に対し、エポキシ変性シリコーン樹脂10部(0.21重量部)を含有する溶液を調製し、さらにメチル化メラミン樹脂を20部(0.43重量部)添加したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例2にかかる電子写真現像用キャリアを得た。このときの当該被覆樹脂における(シリコン元素の重量)/(炭素元素の重量)の値は0.7であった。当該配合について表1に記載する。
カップリング剤として、γ-(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランとγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを1:4(0.04重量部:0.16重量部)の比率で混合し、被覆樹脂として、ストレートシリコーン樹脂100部(2.14重量部)に対し、エポキシ変性シリコーン樹脂10部(0.20重量部)を含有する溶液を調製し、さらにメチル化メラミン樹脂を40部(0.86重量部)添加したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例3にかかる電子写真現像用キャリアを得た。このときの当該被覆樹脂における(シリコン元素の重量)/(炭素元素の重量)の値は0.6であった。当該配合について表1に記載する。
カップリング剤として、γ-(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランとγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを4:1(0.16重量部:0.04重量部)の比率で混合し、被覆樹脂として、ストレートシリコーン樹脂100部(2.14重量部)に対し、エポキシ変性シリコーン樹脂1部(0.02重量部)を含有する溶液を調製し、さらにメチル化グアナミン樹脂を4部(0.1重量部)添加したものを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例4にかかる電子写真現像用キャリアを得た。このときの当該被覆樹脂における(シリコン元素の重量)/(炭素元素の重量)の値は0.9であった。当該配合について表1に記載する。
カップリング剤として、γ-(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランとγ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランとを1:4(0.04重量部:0.16重量部)の比率で混合し、被覆樹脂として、ストレートシリコーン樹脂100部(2.14重量部)に対し、エポキシ変性シリコーン樹脂1部(0.02重量部)を含有する溶液を調製し、さらにメチル化メラミン樹脂を40部(0.86重量部)添加したものに、シリカ微粉末5部(0.1重量部)を添加した事以外は、実施例1と同様にして、実施例5にかかる電子写真現像用キャリアを得た。このときの当該被覆樹脂における(シリコン元素の重量)/(炭素元素の重量)の値は0.7であった。当該配合について表1に記載する。
カップリング剤として、γ-(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(0.30重量部)のみを用い、被覆樹脂として、ストレートシリコーン樹脂67部(2.80重量部)に対し、BPA型エポキシ樹脂33部(0.20重量部)のみを含有する溶液を調製して用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例1にかかる電子写真現像用キャリアを得た。このときの当該被覆樹脂における(シリコン元素の重量)/(炭素元素の重量)の値は2.3であった。当該配合について表1に記載する。
カップリング剤として、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(0.30重量部)のみを用い、被覆樹脂として、シリコーン樹脂67部(2.80重量部)に対し、BPA型エポキシ樹脂33部(0.20重量部)のみを含有する溶液を調製して用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例2にかかる電子写真現像用キャリアを得た。このときの当該被覆樹脂における(シリコン元素の重量)/(炭素元素の重量)の値は2.4であった。当該配合について表1に記載する。
被覆樹脂として、エポキシ樹脂を用いず、ストレートシリコーン樹脂67部(2.80重量部)に対し、メチル化メラミン樹脂33部(0.20重量部)のみを含有する溶液を調製して用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3にかかる電子写真現像用キャリアを得た。このときの当該被覆樹脂における(シリコン元素の重量)/(炭素元素の重量)の値は2.3であった。当該配合について表1に記載する。
被覆樹脂として、メラミン樹脂もグアナミン樹脂も用いず、ストレートシリコーン樹脂67部(2.80重量部)に対し、ノボラック型エポキシ樹脂33部(0.20重量部)のみを含有する溶液を調製して用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例4にかかる電子写真現像用キャリアを得た。このときの当該被覆樹脂における(シリコン元素の重量)/(炭素元素の重量)の値は2.1であった。当該配合について表1に記載する。
Claims (5)
- キャリア芯材の表面が、グリシドキシシランとアミノシランとを含有するカップリング剤で被覆され、
前記カップリング剤で被覆されたキャリア芯材が、シリコーン樹脂と、エポキシ樹脂と、さらに、メラミン樹脂またはグアナミン樹脂のうち少なくとも1種と、を含有する被覆樹脂によって被覆されていることを特徴とする電子写真現像用キャリア。 - 前記被覆樹脂中に、さらにシリカを含むことを特徴とする請求項1に記載の電子写真現像用キャリア。
- 前記被覆樹脂中の、(シリコン元素の重量)/(炭素元素の重量)、の値が0.5以上、2.0以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真現像用キャリア。
- 前記キャリア芯材がソフトフェライトを含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の電子写真現像用キャリア。
- ポリエステル樹脂を主成分として含有するトナーと、請求項1から4のいずれかに記載の電子写真現像用キャリアとを含むことを特徴とする二成分系現像剤。
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