JP4817390B2 - 電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及び電子写真現像剤 - Google Patents

電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及び電子写真現像剤 Download PDF

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Description

本発明は、軽比重、高抵抗で、しかも抵抗特性、磁気特性及び表面性等の諸特性のばらつきが少ない電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及び高耐久性、高信頼性で、画像欠陥の少ない電子写真現像剤に関する。
電子写真法に使用される二成分系現像剤はトナーとキャリアとにより構成されており、キャリアは現像剤ボックス内でトナーと混合攪拌され、トナーに所望の電荷を与え、電荷を帯びたトナーを感光体上の静電潜像に運び、トナー像を形成させる担体物質である。キャリアはトナー像を形成した後も、マグネットに保持され現像ロール上に残り、さらに再び現像ボックスに戻り、新たなトナー粒子と再び混合攪拌され、一定期間繰り返し使用される。
この二成分系現像剤は、一成分系現像剤と異なり、キャリアが、トナー粒子を攪拌し、トナー粒子に所望の帯電性を付与すると共に、トナーを搬送する機能を有しており、現像剤設計において制御性がよいため、特に高画質の要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機の分野に広く使用されている。
このような二成分系電子写真現像剤においては、高画質画像を得るために、キャリアとして酸化被膜鉄粉、樹脂被覆鉄粉に代えて、Cu−Znフェライト、Ni−Znフェライト等のフェライト粒子が用いられている。これらのフェライト粒子を用いたフェライトキャリアは従来の鉄粉キャリアに比べ、一般に球状であり、磁気特性が調整可能である等の高画質画像を得るのに有利な特性を多く持っている。さらに、このフェライト粒子をキャリア芯材として種々の樹脂を被覆した樹脂被覆フェライトキャリアは、耐摩耗性や耐久性等が向上し、また体積固有抵抗の調整が可能となる。
しかし、従来のCu、Zn、Ni等の重金属を含むフェライトキャリアは、環境負荷軽減、廃棄物規制等の観点から現在は回避する傾向にある。またこれらの重金属系フェライトキャリアは、電気抵抗が低くなる傾向があり、高電界下におけるリークによる画像欠陥が問題となっている。さらに、比重が重く、高耐久を得にくいという問題があった。
一方で、上述のような課題を解決するものとして、幾つかの軽金属系フェライトキャリアが開示されている。例えば特許文献1(特開2001−154416号公報)には、マグネシウム系フェライトを用いた電子写真用キャリアが記載されている。また、特許文献2(特開平7−225497号公報)には、リチウム系フェライトを用いた電子写真現像剤用フェライトキャリア及び該キャリアを用いた現像剤が開示されている。さらに、特許文献3(特開平7−333910号公報)には、一部をアルカリ土類金属酸化物(MgO、CaO、SrO又はBaO)で置換したリチウム系フェライトを用いた電子写真現像剤用フェライトキャリア及び該キャリアを用いた現像剤が開示されている。
しかし、これらの軽金属系フェライトキャリアは、粒子間の磁化のばらつき、抵抗のばらつきが発生しやすい等の問題があり、電子写真現像剤に用いた時にキャリア付着等の画像欠陥を引き起こし易いものであった。具体的には、特許文献1のように、マグネシウムのみを主成分としたフェライトキャリアは、飽和磁化を低下させてしまう。また、酸化鉄を過剰に配合し、還元雰囲気下で焼成することでマグネタイト相を発現させることで飽和磁化を高めた場合、極度に抵抗が下がり、キャリア付着を誘発することになる。
また、特許文献2のように、リチウムを多量に含有するフェライトキャリアは、粒子間の磁化のばらつきが大きくなり易い。
特許文献3では、Li系フェライト中のLiO及び/又はFeの一部を、MgO、CaO、SrO又はBaOのアルカリ土類金属で置換することによって、画質及び耐久性に優れ、環境にやさしく、長寿命でかつ環境安定性に優れた電子写真現像剤用キャリアが開示されている。しかし、CaO、SrO、BaOを置換した、ハードフェライトになる部分がでてきてしまい、残留磁化、保磁力が増大することで流動性が悪化し、また、また表面性のばらつきが発生し易い。
また、特許文献3の実施例2及び実施例3には、LiとMgの複合フェライトの例が記載されている。後述するように、Liは1価の金属であり、Mgは2価の金属であるため、Liフェライトは(LiO)(Feという形で、Mgフェライトは(MgO)(Fe)という形で存在する。従って、特許文献3の実施例2について考えると、(Fe)が約7mol%が過剰に存在することになる。
また、同様に実施例3の様に配合した場合、(LiO)が約1.9mol%もしくは、(LiO)と(MgO)を合わせて約5.7mol%が過剰に存在することになる。
さらに、特許文献3では、Li系フェライトにMnを含有させた例(比較例20)が示されているが、該特許文献3の評価結果にもあるように、飛散量が異常に多く、使用できるレベルにないことが示されている。しかし、本発明のように、含有する微量のMnの影響や、その適正な範囲に関する開示又は示唆はない。
これら軽金属系フェライトキャリアに重金属元素を微量含有させることによって、上述のような課題を解決する試みもなされている。特許文献4(特開2006−154806号公報)には、マグネシウム、リチウム及びカルシウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を有する金属酸化物を10〜40mol%含有し、かつマンガン、銅、クロム及び亜鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素を有する金属酸化物を総和で50〜4000ppm含有するフェライトをキャリアコアとする被覆層を有するキャリアが記載されている。
しかし、この特許文献4に記載されているような非常に広い範囲で使用する元素やそれらの含有量及び微量成分の量を制御しても、近年の電子写真方式を用いた画像形成における高度な要求に耐え得るものではなかった。特許文献4の実施例において、「キャリアコア1」を用いたキャリアとして「キャリア1」、「キャリア13」、「キャリア14」及び「キャリア20」が開示されている。これらのキャリアを用いた実施例及び比較例の結果から判るように、特許文献4で比較的良好とされている組成を持つキャリアコア材を使用したとしても、被覆する樹脂中に含有させる微粒子によっては、十分な特性を得ることができない。
例えば、特許文献4の「キャリアコア1」はLiとMgを主成分とするフェライトであり、LiO:12.9mol%、MgO:6.5mol%及びFe:80.6mol%で構成されていると記載されている。前述したとおり、Liは1価の金属であり、Mgは2価の金属であるため、Liフェライトは(LiO)(Feという形で、Mgフェライトは(MgO)(Fe)という形で存在する。従って、仮に原料としてLiO(2価のLi)を用い、上記の様に配合した場合、(Fe)が約42mol%が過剰に存在することになる。
また、同様に特許文献4の「キャリアコア3」について考えると、(LiO)が6mol%、もしくは(LiO)と(MgO)を合わせて15mol%を越えて過剰に存在することになる。
このような、化学量論的な配合から大きくずれたフェライトは、電気抵抗の制御が困難であり、磁気特性や表面性の粒子間ばらつきが発生しやすく、例え、他の微量成分をコントロールしても、十分な特性を得ることができない。
ところで、非特許文献1(“「フェライト用酸化鉄」、住田敏郎、第175〜177頁”)の第177頁には、酸化鉄JIS規格1〜3種のマンガン含有量は0.30wt%以下とされている。このことから、一般的に市販されている酸化鉄中に含まれる随伴不純物としてのマンガンの含有量は3000ppm以下であることが判る。
特開2001−154416号公報 特開平7−225497号公報 特開平7−333910号公報 特開2006−154806号公報 "「フェライト用酸化鉄」、住田敏郎、第175〜177頁"
近年、二成分系電子写真現像剤においては、現像性能の高速化やフルカラー化が強く要望されており、このような要望の中でより高い耐久性や信頼性が求められ、さらには画像欠陥が発生しないことが求められている。
電子写真現像剤の耐久性を向上させる手段として、キャリアの比重が軽いことが挙げられる。また、高い信頼性を得るためには、抵抗特性、磁気特性、表面性等の諸特性においてキャリア粒子間にばらつきが少ないことが求められる。画像欠陥を発生させないためには、キャリアが高抵抗であり、高電界下でもリークが発生しないことが必要である。上述した特許文献1〜4に記載のフェライトキャリアは、これらの要求を満足するものではない。
従って、本発明の目的は、軽比重、高抵抗で、しかも抵抗特性、磁気特性及び表面性等の諸特性のばらつきが少ない電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及び高耐久性、高信頼性、かつ画像欠陥が少ない電子写真現像剤を提供することにある。
そこで、本発明者らは、これらの課題を解決すべく検討を進めた結果、キャリア芯材として、特定の配合比であるリチウム・マグネシウム系複合フェライトを用い、かつマンガンを一定量含有させることによって、上記目的が達成されることを知見し、本発明に至った。
本発明に係る上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、LiとMgを含む複合フェライトであって、化学量論配合であるLiフェライトと化学量論配合であるMgフェライトの混合物として計算した場合に、過剰なFeが5mol%未満もしくは過剰なLiOとMgOの合計量が1mol%未満であり、かつ、Li、Mg、Fe及びO以外の元素の含有量が2重量%以下であり、さらに元素換算でMnを1000〜9000ppm含有することを特徴としている。
本発明に係る上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材において、上記Liの含有量が0.60〜1.65重量%であることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材において、比表面積は、0.05〜0.70m/gであることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用フェライトキャリアは、上記フェライトキャリア芯材の表面樹脂被覆されていることを特徴とする。
本発明に係る上記電子写真現像剤用フェライトキャリアは、体積平均粒径が20〜50μm、個数平均粒径が15〜40μm、24μm未満の粒子の含有量が5体積%以下、真密度が3.0〜5.0g/cm及び見掛密度が1.0〜2.2g/cmであることが望ましい。
また、本発明は、上記フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、特定の配合比のリチウム・マグネシウム系複合フェライトであり、マンガンを一定量含有するため、軽比重、高抵抗で、しかも抵抗特性、磁気特性及び表面性等の諸特性のばらつきが少ない。そして、このフェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆したフェライトキャリアを用いた本発明に係る電子写真現像剤は、高耐久性、高信頼性、かつ画像欠陥が生じにくい。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリア
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、LiとMgを含む複合フェライトであって、化学量論配合であるLiフェライトと化学量論配合であるMgフェライトの混合物として計算した場合に、過剰なFeが5mol%未満もしくは過剰なLiOとMgOの合計量が1mol%未満であり、かつ、Li、Mg、Fe及びO以外の元素の含有量が2重量%以下であり、さらに元素換算でMnを1000〜9000ppm含有することを特徴としている。
上記のように、過剰なFe、LiO及びMgOが上記範囲であれば、化学量論的な組成比に近いため、高抵抗で、かつ所望とする飽和磁化を得ることができ、また粒子間の磁化のばらつきが抑えられる。Feが過剰な場合、焼成条件を調整することによって、Feの一部をFeにすることができ、自発磁化を発現させることができるが、その量が5mol%を越えてしまうと、電気抵抗が低くなりすぎ好ましくない。逆に、過剰なLiOやMgOが1mol%を越えるような場合、粒子間の磁化のばらつきが大きくなり易く、また非磁性部分が多くなってしまうため、キャリア付着等の不具合を発生させるため好ましくない。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、元素換算でMnを1000〜9000ppm含有する。このようにMnを含有することにより、高抵抗で、しかも抵抗特性、磁気特性及び表面性等の諸特性のばらつきが少ないフェライト粒子を得ることができる。上記した非特許文献1にも記載されているように、フェライトの原料となる酸化鉄中には、Mnを不純物として含んでいるのが通常である。高純度に精製された特級薬品としての酸化鉄は存在するが、工業的・商業的に使用することは実質的に困難である。従って、上述のような配合比でフェライト粒子を製造した場合、最大で3000ppm程度のMnが随伴不純物(不可避不純物)として含有される可能性がある。また、この量は使用する原料ロットによって変動する。このような変動はフェライト粒子の特性に大きな影響を与えるため、原料である酸化鉄に含まれる随伴不純物(不可避不純物)を考慮しながら、如何に精度良くMnの含有量をコントロールするか、ということが重要である。Mnの含有量が1000ppm未満で制御することは工業的に困難である。9000ppmを超えると、磁気特性や抵抗特性、表面性の粒子間ばらつきを生じやすく好ましくない。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、特定の配合比であるLiとMgを含む複合フェライトであって、過剰なFe、LiO及びMgOがある一定の範囲にあり、かつ、Li、Mg、Fe及びO以外の元素の含有量が2重量%以下であり、かつMnを一定量含有することにより良好な特性が得られる。その理由は、次の通りと推論される。
すなわち、Liは、通常1価の金属であり、フェライトとしてスピネル構造をとった場合、1−3スピネルとなる。これは、Cu、Ni、Znのような2価の金属を主成分とする一般的な2−3スピネル型のフェライトとは異なり、高抵抗が得られ易い等の特徴がある。Mgは2価の金属で、フェライトとしてスピネル構造をとった場合、2−3スピネルとなる。また、Caはその構造の特定は難しく、スピネルではなくマグネットプランバイト型をとるとされる文献が多い。またマグネットプランバイト型でも、幾つかの構造をとることが確認されている。
さらに、上述したように、Sr、Baはマグネットプランバイト型をとり、ハードフェライトになる元素である。
LiとMgの陽イオン配置を比較した場合、Liはほぼ全てがA位置をとる正スピネルであるのに対して、MgはA位置だけでなく、一部B位置(逆スピネル)をとるため、正スピネルと逆スピネルの中間型となる。但し、多くはA位置(正スピネル)に入るといわれている。
一方、Mnの陽イオン配置としては、A位置、B位置の両方をとる中間型であり、多くはB位置に入るとされている。加えて、Mnは2価、3価、4価、7価と多くの形態を取り、Mnを含有するフェライトの構造は多岐にわたる。
フェライトにおいては、上述のような陽イオン配置と電子価数制御が非常に重要である。特に電子写真現像剤用フェライトキャリアとして用いる場合、粒子間でこれら陽イオン配置と価数制御にばらつきが発生すると、磁気特性や抵抗特性、表面性の粒子間ばらつきの原因となり、結果的に画像欠陥の原因となる。
以上の様な技術的背景を鑑みると、Liフェライトという特異的な構造を持つフェライトを、粒子間ばらつきが少なく、安定的に製造するためには、そのイオン配置や電子価数を揺るがす様な元素を精度良くコントロールすることが非常に重要であると言える。
すなわち、価数変動があり、陽イオン配置、構造が異なるMn、Sr、Ca、Baを実質的に含まず、価数が変動しにくく、A位置に入りやすいLiとMgを主成分として、化学量論的な配合から大きくずれることなく複合させたフェライトが好ましい。
また、工業的・商業的に考えて酸化鉄に含まれる不純物としてのMnの量を勘案し、精度良く制御することは、上述の目的を達成するために、非常に重要であると言える。
特に、電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材として用いるのに適した特性を得るために、鋭意検討した結果、上述のような特定かつ非常に狭い範囲に限定された組成をもつフェライトが好ましいことが判った。
本発明に係る上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材において、Liの含有量が0.60〜1.65重量%であることが望ましい。
Liの含有量が0.60重量%未満であると、Mgフェライトの特性が支配的となりやすく、飽和磁化の低下がおきやすい。1.65重量%を越えると、Mgフェライトの特性が失われ、抵抗が低くなりやすい。また、Mgの含有量が少ないため、粒子間のばらつきが生じやすくなるため好ましくない。
本発明に係る上記電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材の比表面積は、0.05〜0.70m/gであることが望ましい。
フェライトキャリア芯材の比表面積が小さすぎると有効な帯電面積が得られず、フェライトキャリア芯材の比表面積が大きすぎると、均一な表面性を得にくく、いずれも画像欠陥を生じ易く好ましくない。また、フェライトキャリア芯材の比表面積が小さすぎると、被覆樹脂を充分に保持できないため、樹脂被覆工程において、余剰の樹脂が遊離することがあり、白斑等の画像欠陥の原因となる。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリアは、上記フェライト芯材の表面が樹脂により被覆されている。樹脂の被覆量はキャリア芯材に対して0.1〜20重量%であることが好ましい。被覆量が0.1重量%未満ではキャリア表面に均一な被覆層を形成することが難しく、また20重量%を超えるとキャリア同士の凝集が発生してしまう。
フェライト粒子の表面性や空隙によっては、上記被覆樹脂の一部が、フェライト粒子の中に浸透することがあるが、その量は、適宜調整することができる。
被覆される樹脂としては、特に制限はなく、各種の樹脂を用いることが可能である。正帯電性トナーに対しては、例えばフッ素系樹脂、フッ素−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂等を用いることができる。また逆に負帯電性トナーに対しては、例えばアクリル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂とメラミン系樹脂の混合樹脂及びその硬化樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等を用いることができる。
また必要に応じて、帯電制御剤、密着性向上剤、プライマー処理剤あるいは抵抗制御剤等を添加してもよい。帯電制御剤や抵抗制御剤の例としては、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤、導電性カーボン、ホウ化チタン等のホウ化物、酸化チタンや酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化珪素等の酸化物等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明に係る上記電子写真現像剤用フェライトキャリアは、体積平均粒径が20〜50μm、個数平均粒径が15〜40μm、24μm未満の粒子の含有量が5体積%以下、真密度が3.0〜5.0g/cm、見掛密度が1.0〜2.2g/cmであることが望ましい。
体積平均粒径が20μm未満であったり、個数平均粒径が15μm未満であると、フェライトの組成やMnの含有量を精度良くコントロールし、粒子間ばらつきを抑えても、キャリア付着が生じやすく好ましくない。また、体積平均粒径が50μmを越えたり、個数平均粒径が40μmを越えると、フェライトの組成やMnの含有量を精度良くコントロールし、高抵抗であり、抵抗の粒子間ばらつきのないフェライト粒子としても、画質が劣化しやすく好ましくない。
さらに、真密度や見掛密度が低すぎると、現像剤の流動性が悪化し、帯電の立ち上がり特性を劣化させ、また高すぎると、トナーに与えるストレスが強くなりすぎ、いずれも長期に渡って高品位な画質を維持することが困難となるため、好ましくない。
<本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリアの製造方法>
次に、本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材及びフェライトキャリアの好ましい製造方法について述べる。
先ず、所定組成となるように、フェライト原料(酸化鉄、リチウム化合物、マグネシウム化合物及びマンガン化合物)を適量秤量した後、ボールミル又は振動ミル等で0.5時間以上、好ましくは1〜20時間粉砕、混合する。このようにして得られた粉砕物を水を加えてスラリー化し、スプレードライヤーを用いて造粒する。次いで、造粒物を仮焼した後、粉砕してスラリーを得る。このスラリーを再度スプレードライヤーで造粒し、球状の造粒物を得る。なお、仮焼の工程は見掛け密度を下げたい場合には省略してもよい。
仮焼成後、さらにボールミル又は振動ミル等で粉砕した後、水及び必要に応じ分散剤、バインダー等を添加し、粘度調整後、造粒し、酸素濃度を制御し、1000〜1500℃の温度で1〜24時間保持し、本焼成を行う。仮焼後に粉砕する際は、水を加えて湿式ボールミルや湿式振動ミル等で粉砕してもよい。
このように本焼成して得られた焼成物を、解砕し、分級する。分級方法としては、既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法等を用いて所望の粒径に粒度調整したフェライトキャリア芯材を得る。
その後、必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化被膜処理を施し、電気抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば、300〜700℃で熱処理を行う。この処理によって形成された酸化被膜の厚さは、0.1〜5μmであることが好ましい。0.1μm未満であると、酸化被膜層の効果が小さく、5μmを超えると、磁化が低下したり、高抵抗になりすぎるため、現像能力が低下する等の不具合が発生しや易くなる。また、必要に応じて、酸化被膜処理の前に還元を行ってもよい。
本発明のように、Mnの含有量を精度良く制御するために、本焼成の前の各工程で、ICPを用いて、組成、Mnの含有量を測定し、確認することが望ましい。
Mnの含有量が多すぎたり少なすぎたりする場合は、本焼成の前の各工程で、酸化鉄、Li原料、Mg原料もしくはMn原料を適量、添加し、調整することができる。
次に、得られたフェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆してフェライトキャリアとする。樹脂の被覆方法としては、樹脂を溶剤に希釈し、上記フェライトキャリア芯材の表面に被覆するのが一般的である。樹脂の被覆量及び種類は、上述した通りである。ここに用いられる溶剤としては、有機溶剤に可溶性のある樹脂である場合は、トルエン、キシレン、セロソルブブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール等が挙げられ、水溶性樹脂あるいはエマルジョン系樹脂であれば水を用いればよい。また上記キャリア芯材に、上述のような被覆樹脂を被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、乾式法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリドライ方式、万能撹拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させるためには、流動床による方法が好ましい。
樹脂をフェライトキャリア芯材に被覆後、焼き付けする場合は、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリ式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
このようにして、フェライトキャリア芯材表面に樹脂が被覆、焼き付けられた後、冷却され、解砕、粒度調整を経てフェライトキャリアが得られる。
<本発明に係る電子写真用現像剤>
上述のようにして得られた本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリアは、トナーと混合して二成分系現像剤として用いられる。
本発明に用いられるトナーは、懸濁重合法、乳化凝集法、エステル伸張重合法、粉砕法等の公知の方法で製造できる。調製法の例としては、バインダ樹脂、着色剤、帯電制御剤等を、例えばヘンシェルミキサー等の混合機で充分混合し、次いで二軸押し出し機等で、溶融混練して均一分散し、冷却後に、ジェットミル等により微粉砕化し、分級後、例えば風力分級機等により分級して所望の粒径のトナーを得ることができる。必要に応じて、ワックス、磁性粉、粘性調整剤、その他の添加剤を含ませてもよい。さらに分級後に外添剤等を添加することもできる。
上記トナーに使用するバインダ樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、さらにはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂を必要に応じて、単独又は混合して使用することができる。
上記トナーに用いることのできる荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、キレート錯体、含金属モノアゾ染料等が挙げられる。
上記トナーに用いられる着色剤としては、従来知られている染料及び/又は顔料が使用可能である。例えばカーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。
その他外添剤として、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、及びそれらの粒子の表面を有機化合物によって表面改質した微粒子、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を単独又は併用して用いることもできる。
<測定方法>
本発明に係る上記したフェライトキャリア芯材、フェライトキャリア及び上記キャリアを用いた現像剤の各特性の測定方法を下記に示す。
(体積平均径及び個数平均径、並びに24μm未満の粒子含有量)
体積平均径及び個数平均径、並びに24μm未満の粒子含有量は、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分布測定装置9320HRA(X100)を用いて測定した。分散媒には水を用い、粒子屈折率を1.81として測定した。なお、分散剤や超音波ホモジナイザーによる分散は特に行わず、試料を装置へ直接投入した。
(電気抵抗)
電極間間隔1.0mmにて非磁性の平行平板電極(10mm×40mm)を対抗させ、その間に、試料200mgを秤量して充填する。磁石(表面磁束密度:1500Gauss、電極に接する磁石の面積:10mm×30mm)を平行平板電極に付けることにより電極間に試料を保持させ、50V、100V、250V、500V及び1000Vの電圧を順に印加し、それぞれの印加電圧における抵抗を絶縁抵抗計(SM−8210、東亜ディケーケー(株)製)にて測定した。なお、室温25℃、湿度55%に制御された恒温恒湿室内で測定を行った。
(磁気特性)
この磁化の測定は、積分型B−HトレーサーBHU−60型(株式会社理研電子製)を使用して測定した。電磁石間に磁場測定用Hコイル及び磁化測定用4πIコイルを入れる。この場合、試料は4πIコイルに入れる。電磁石の電流を変化させ磁場Hを変化させたHコイル及び4πIコイルの出力をそれぞれ積分し、H出力をX軸に、4πIコイルの出力をY軸に、ヒステリシスループを記録紙に描く。ここで測定条件としては、試料充填量:約1g、試料充填セル:内径7mmφ±0.02mm、高さ10mm±0.1mm、4πIコイル:巻数30回にて測定した。
(見掛密度)
この見掛密度の測定は、JIS−Z2504(金属粉の見掛け密度試験法)に従って測定される。
(真密度)
この真密度は、JIS R9301−2−1に準拠して、ピクノメーターを用いて測定した。ここで、溶媒としてメタノールを用い、温度25℃にて測定を行った。
(比表面積)
「自動比表面積測定装置GEMINI2360」(島津製作所社製)を用いて、吸着ガスであるNを吸着させて測定したフェライト粒子のN吸着量から求めることができる。
なお、本発明では、このN吸着量を測定する際に用いられる測定管は、測定前に、減圧状態にて50℃で2時間の空焼きを行った。さらに、この測定管にフェライト粒子5gを充填し、減圧状態で30℃の温度で2時間前処理を行った後に、25℃下でNガスをそれぞれ吸着させてその吸着量を測定した。それらの吸着量は、吸着等温線を描き、BET式から算出される値である。
(表面性の粒子間ばらつき)
フェライトキャリアの形状及び表面性は、走査型電子顕微鏡(JSM−6100型日本電子株式会社製)を用いて、印可電圧20kV、450倍の倍率で観察を行い確認した。
ここで、評価としては、以下の様に行った。
◎:表面性の粒子間ばらつきがほとんど見受けられない
○:表面性の粒子間ばらつきが少ない
△:表面性の粒子間ばらつきが多い
×:表面性の粒子間ばらつきが非常に多い
(飛散試験)
軸に直交する方向に100mTのピーク磁束密度をもつ領域を有する円筒スリーブ上に、該キャリア芯材又は樹脂充填キャリアを磁気的に保持し、該ピーク磁束密度を有する磁極領域のみを開口し、該円筒スリーブを10分間回転し、回転軸に直交する方向に重力の3倍の脱離力を付与して、開口部より脱離した量を飛散量とした。飛散量が多いことは、実使用上においてキャリアがマグネットロールから脱離しやすいことを意味し、キャリア飛散によって感光体を傷つけたり、白斑が発生する等の不具合を生じることとなる。飛散量としては、50mg以下であることが好ましく、さらには30mg以下であることが好ましい。
(Mn及びLi含有量及びFe、Mg、Li、Oを除くその他の元素含有量)
フェライト粒子を塩酸に溶解させた溶液をICP分析装置(型式:ICPS−1000IV、株式会社島津製作所製)を用いて測定を行った。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
LiO:15mol%、MgO:5mol%、Fe:80mol%になるように原料を秤量した。Li原料としては、炭酸リチウムを、Mg原料としては水酸化マグネシウムを用いた。ここで、使用したFeは、元素換算でMnを2700ppm含んでおり、上記配合で混合した場合、約2600ppmのMnがフェライト中に含有されることが予測された。
これらの原料を水と混合した後、湿式のメディアミルで2時間粉砕してスラリーを得た。得られたスラリーを120℃で乾燥させた後、ICPでMnを測定したところ、2500ppmであった。このようにして得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、真球状の粒子を得た。この粒子を粒度調整した後、800℃で2時間加熱し、仮焼成を行った。次いで、1/8インチ径のステンレスビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕したのち、さらに1/16インチ径のステンレスビーズを用いて4時間粉砕した。このスラリーに分散剤を適量添加し、また造粒される粒子の強度を確保する目的で、バインダとしてPVAを固形分に対して1重量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉にて、温度1100℃、酸素濃度0体積%で4時間保持し、本焼成を行った。その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、フェライト粒子の芯材を得た。
縮合架橋型シリコーン樹脂(SR−2411、東レ・ダウコーニング株式会社製)を固形分換算で1000重量部、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン100重量部をトルエン1000重量部に溶解させ樹脂溶液を得た。得られたフェライト芯材10000重量部を、一軸式間接加熱型の乾燥機に入れ、75℃に保持し撹拌ながら、上述の樹脂溶液を滴下した。トルエンが充分揮発したことを確認した後、撹拌を続けながら200℃まで昇温し、2時間保持した。その後、乾燥機から取り出し、凝集した粒子を解し、粒度調整を行った。その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、樹脂被覆フェライトキャリア粒子を得た。
LiO:12.5mol%、MgO:12.5mol%、Fe:75mol%になるように原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリア粒子を得た。
LiO:10mol%、MgO:20mol%、Fe:70mol%になるように原料を秤量した以外は、実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリア粒子を得た。
LiO:15mol%、MgO:5mol%、Fe:80mol%になるように原料を秤量した。Li原料としては、炭酸リチウムを、Mg原料としては水酸化マグネシウムを用いた。ここで、使用したFeは、元素換算でMnを2800ppmを含んでおり、上記配合で混合した場合、約2600ppmのMnがフェライト中に含有されることが予測された。そこで、四酸化三マンガンを上記組成物100重量部に対して、0.75重量部添加した。これらの原料を水と混合した後、湿式のメディアミルで2時間粉砕してスラリーを得た。このようにして得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、真球状の粒子を得た。この粒子を粒度調整した後、800℃で2時間加熱し、仮焼成を行った。次いで、1/8インチ径のステンレスビーズを用いて湿式ボールミルで1時間粉砕し、得られたスラリーを120℃で乾燥させた後、ICPでMnを測定したところ、4400ppmであった。さらに1/16インチ径のステンレスビーズを用いて4時間粉砕した。このスラリーに分散剤を適量添加し、また造粒される粒子の強度を確保する目的で、バインダとしてPVAを固形分に対して1重量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉にて、温度1100℃、酸素濃度0体積%で4時間保持し、本焼成を行った。その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、フェライト粒子の芯材を得た。
樹脂被覆以降は、実施例1と同様に行い樹脂被覆フェライトキャリア粒子を得た。
比較例
(比較例1)
LiO:13.3mol%、MgO:6.7mol%、Fe:80mol%になるように原料を秤量し、湿式のメディアミルで2時間粉砕してスラリーを得た。このようにして得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、真球状の粒子を得た。この粒子を粒度調整した後、温度1250℃、酸素濃度約21体積%(大気焼成)で4時間保持し、本焼成を行った。その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、フェライト粒子の芯材を得た。
樹脂被覆以降は、実施例1と同様に行い樹脂被覆フェライトキャリア粒子を得た。実施例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリア粒子を得た。
ここで、上記配合組成は、(LiO)13.3(MgO)6.7(Fe80であるから、これを、化学量論配合であるLiフェライトと化学量論配合であるMgフェライトの混合物として計算した場合、(LiO)が過不足なく(Fe)と化学量論的なフェライトとなった場合、[(LiO)13.3(Fe66.5][(MgO)6.7(Fe6.7]となり、80−66.5−6.7=6.8mol%の(Fe)が過剰となる。
(比較例2)
LiO:13.3mol%、MgO:6.7mol%、Fe:80mol%になるように原料を秤量した。前記原料を秤量、混合した混合物100重量部に対し、四酸化三マンガンを3.5重量部添加し、それ以外は比較例1と同様にして樹脂被覆フェライトキャリア粒子を得た。
(比較例3)
可能な限り特開2006−154806の実施例1に合わせて、各原料を配合した。ここで、LiOの代わりに炭酸リチウムを、MgOの代わりに水酸化マグネシウムを原料として用いた。また、この組成物100molに対して、CuO:0.002mol、MnO:0.02molを加え、湿式ボールミルで5時間粉砕し、乾燥させた後、850℃で1時間保持し、仮焼成を行った。その後、湿式ボールミルで7時間粉砕した後、分散剤とバインダ(PVA)を添加し、スプレードライヤーにて造粒した。得られた粒子を、酸素濃度約21体積%(大気焼成)電気炉にて1200℃で4時間保持し、本焼成を行った。その後、解砕し、さらに分級して粒度調整し、その後磁力選鉱により低磁力品を分別し、フェライト粒子の芯材を得た。
得られたフェライト粒子に、実施例1と同様な樹脂被覆を施し、樹脂被覆フェライトキャリア粒子を得た。
このようにして得られたフェライトキャリア粒子の組成を表1に示す。また、フェライト粒子(フェライトキャリア芯材)の比表面積及び樹脂被覆フェライトキャリア粒子の各特性(体積平均径、個数平均径、24μm未満の粒子含有量、電気抵抗、見掛密度、真密度、表面性の粒子間ばらつき、磁気特性、飛散試験結果)を表2及び表3に示す。各特性の評価方法は、上述した通りである。
Figure 0004817390
Figure 0004817390
Figure 0004817390
表3から明らかなように、実施例1〜4のフェライトキャリアは、磁気特性の粒子間ばらつきを示す飛散物試験において、良好な結果を示している。また、表面性の粒子間ばらつきも少なく、良好な結果を示していることがわかる。
一方、過剰なFeを含むフェライトキャリア(比較例1及び比較例3)や、Mnの含有量が多いフェライトキャリア(比較例2)は、表面性や磁気特性の粒子間ばらつきが非常に大きい。
本発明に係る電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材は、軽比重、高抵抗で、しかも抵抗特性、磁気特性及び表面性等の諸特性のばらつきが少ない。そして、このフェライトキャリア芯材の表面に樹脂を被覆したフェライトキャリアを用いた本発明に係る電子写真用現像剤は、高耐久性、高信頼性、かつ高電界下でもリークが発生しがたいことから画像欠陥が少ない。
従って、本発明は、電子写真法に使用される二成分現像剤に好適に利用可能である。

Claims (6)

  1. LiとMgを含む複合フェライトであって、化学量論配合であるLiフェライトと化学量論配合であるMgフェライトの混合物として計算した場合に、過剰なFeが5mol%未満もしくは過剰なLiOとMgOの合計量が1mol%未満であり、かつ、Li、Mg、Fe及びO以外の元素の含有量が2重量%以下であり、さらに元素換算でMnを1000〜9000ppm含有することを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材
  2. 上記Liの含有量が0.60〜1.65重量%である請求項1に記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材
  3. 比表面積が0.05〜0.70m/gである請求項1又は2記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア芯材
  4. 請求項1、2又は3に記載のフェライトキャリア芯材の表面樹脂被覆されていることを特徴とする電子写真現像剤用フェライトキャリア。
  5. 体積平均粒径が20〜50μm、個数平均粒径が15〜40μm、24μm未満の粒子の含有量が5体積%以下、真密度が3.0〜5.0g/cm及び見掛密度が1.0〜2.2g/cmである請求項4に記載の電子写真現像剤用フェライトキャリア。
  6. 請求項4又は5に記載のフェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。
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