JPH10125524A - 酸化物磁性材料およびそれを用いたキャリア - Google Patents
酸化物磁性材料およびそれを用いたキャリアInfo
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- JPH10125524A JPH10125524A JP27252696A JP27252696A JPH10125524A JP H10125524 A JPH10125524 A JP H10125524A JP 27252696 A JP27252696 A JP 27252696A JP 27252696 A JP27252696 A JP 27252696A JP H10125524 A JPH10125524 A JP H10125524A
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- Japan
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- carrier
- mixed
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、酸化物磁性材料およびそれを用い
たキャリアに関し、Li 2O、MgOおよびFe2O3の
3成分系としてLi2O量を化学量論以上の領域である
17.0〜30.0mol%とし、一粒子毎の組成ずれ
による磁気特性のバラツキを小さくし、結果として現像
剤として用いた場合のキャリア飛散量を少なくかつ製造
安定性にも優れた酸化物磁性材料およびこれを用いたキ
ャリアを製造することを目的とする。 【解決手段】 Li2O17.0〜30.0mol%、
MgO1.0〜12.0mol%、および残部をFe2
O3として混合し、粉砕、造粒して1100〜1300
°Cで大気中あるいは低酸素中にて焼成し、解砕・篩別
した酸化物磁性材料、および樹脂をコーティングしたキ
ャリアである。
たキャリアに関し、Li 2O、MgOおよびFe2O3の
3成分系としてLi2O量を化学量論以上の領域である
17.0〜30.0mol%とし、一粒子毎の組成ずれ
による磁気特性のバラツキを小さくし、結果として現像
剤として用いた場合のキャリア飛散量を少なくかつ製造
安定性にも優れた酸化物磁性材料およびこれを用いたキ
ャリアを製造することを目的とする。 【解決手段】 Li2O17.0〜30.0mol%、
MgO1.0〜12.0mol%、および残部をFe2
O3として混合し、粉砕、造粒して1100〜1300
°Cで大気中あるいは低酸素中にて焼成し、解砕・篩別
した酸化物磁性材料、および樹脂をコーティングしたキ
ャリアである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化物磁性材料お
よびそれを用いたキャリアに関するものである。
よびそれを用いたキャリアに関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真現像剤用キャリアは、トナーと
混合して、複写機、プリンタなどの現像器と呼ばれるユ
ニットに搭載されている。トナーが感光体に現像され、
用紙上に転写、定着させる粉末インクであるのに対し、
キャリアは文字通りこれを搬送する役目を担っている。
現像器のマグネットロール上で磁気ブラシと呼ばれる形
状を呈し、感光体上にトナーを付けるいわゆる筆のよう
な役目を果たしている。一方、トナーに適度な静電力を
付与する目的でも用いられる。
混合して、複写機、プリンタなどの現像器と呼ばれるユ
ニットに搭載されている。トナーが感光体に現像され、
用紙上に転写、定着させる粉末インクであるのに対し、
キャリアは文字通りこれを搬送する役目を担っている。
現像器のマグネットロール上で磁気ブラシと呼ばれる形
状を呈し、感光体上にトナーを付けるいわゆる筆のよう
な役目を果たしている。一方、トナーに適度な静電力を
付与する目的でも用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、ヨーロッパを始
め、環境規制の動きが活発化しており、米国カリフォル
ニア州法Title22等の廃棄物規制においては、重
金属(Ni、Cu、Znなど)が規制対象となってい
る。
め、環境規制の動きが活発化しており、米国カリフォル
ニア州法Title22等の廃棄物規制においては、重
金属(Ni、Cu、Znなど)が規制対象となってい
る。
【0004】従来のフェライトキャリアの多くは、規制
対象となる。鉄粉キャリアやマグネタイトキャリアは対
象外となるが、デジタル複写機、レーザビームプリンタ
などの多くは反転方式のために高いバイアスがかかるこ
とからキャリアの絶縁破壊電圧は高いものが要求され
る。
対象となる。鉄粉キャリアやマグネタイトキャリアは対
象外となるが、デジタル複写機、レーザビームプリンタ
などの多くは反転方式のために高いバイアスがかかるこ
とからキャリアの絶縁破壊電圧は高いものが要求され
る。
【0005】これらは、従来のフェライトキャリアより
極端に絶縁破壊電圧が低く、樹脂をコーティングして高
絶縁性を持たせた場合でも、現像器内で撹拌によるキャ
リア同士の摩擦、衝突により、芯材が露出してリーク現
象が現れてしまうため、従来のフェライトキャリア並の
電気抵抗値が求められている。
極端に絶縁破壊電圧が低く、樹脂をコーティングして高
絶縁性を持たせた場合でも、現像器内で撹拌によるキャ
リア同士の摩擦、衝突により、芯材が露出してリーク現
象が現れてしまうため、従来のフェライトキャリア並の
電気抵抗値が求められている。
【0006】また、鉄粉キャリアやマグネタイトキャリ
アは保磁力、残留磁化も大きく、現像材として用いた場
合に搬送性の低下、トナー濃度制御の不安定、キャリア
飛散などを生じやすいという問題点がある。
アは保磁力、残留磁化も大きく、現像材として用いた場
合に搬送性の低下、トナー濃度制御の不安定、キャリア
飛散などを生じやすいという問題点がある。
【0007】これらに代わるものとして、Liフェライ
トがある(特開平7−225497号公報)が、Liが
温度、湿度などの周囲環境の影響を受けやすく、特性が
大きく変化するため、実用化が困難である。
トがある(特開平7−225497号公報)が、Liが
温度、湿度などの周囲環境の影響を受けやすく、特性が
大きく変化するため、実用化が困難である。
【0008】一方、Li系フェライトの化学量論的フェ
ライト(Li2Oが16.7mol%)以下のLiO2量
のフェライトの組成の一部をアルカリ土類金属酸化物で
置換した技術(特開平7−333910号公報)もあ
る。これは製造安定性に乏しく、現像剤として用いた場
合にキャリア飛散を生じやすいという問題点を持つ。原
料となるLi2OまたはLi2CO3は造粒時の湿式混合
工程において、一部が水に溶解する上、Fe2O3と比重
が大きく異なるため、均一な分散がしがたく、一粒子毎
でみると、Li2O量の少なめのものが生成されてしま
う。分散を高めるために湿式混合機を高速で長時間運転
すると混合機のスチールボールからのFe混入が増えて
しまい、全体的にLi2O量の少ないものを生成しやす
くなる。
ライト(Li2Oが16.7mol%)以下のLiO2量
のフェライトの組成の一部をアルカリ土類金属酸化物で
置換した技術(特開平7−333910号公報)もあ
る。これは製造安定性に乏しく、現像剤として用いた場
合にキャリア飛散を生じやすいという問題点を持つ。原
料となるLi2OまたはLi2CO3は造粒時の湿式混合
工程において、一部が水に溶解する上、Fe2O3と比重
が大きく異なるため、均一な分散がしがたく、一粒子毎
でみると、Li2O量の少なめのものが生成されてしま
う。分散を高めるために湿式混合機を高速で長時間運転
すると混合機のスチールボールからのFe混入が増えて
しまい、全体的にLi2O量の少ないものを生成しやす
くなる。
【0009】更に、コスト対策として造粒粉の内、キャ
リアとして使用できない分布の粉体を混合工程に戻し
て、再利用することが量産においては通常行われるが、
繰り返し行うとますますFe量が過剰になってしまう。
焼成工程においてもLi2OまたはLi2CO3は蒸発に
よる組成ずれを生じやすい物質であるため、この傾向が
高まるという問題があった。
リアとして使用できない分布の粉体を混合工程に戻し
て、再利用することが量産においては通常行われるが、
繰り返し行うとますますFe量が過剰になってしまう。
焼成工程においてもLi2OまたはLi2CO3は蒸発に
よる組成ずれを生じやすい物質であるため、この傾向が
高まるという問題があった。
【0010】一方、Li2O量が化学量論以上の領域に
おいては組成ずれが生じても磁気特性の変化が小さいた
め、特性上の問題が生じない化学量論以下で用いた場
合、組成ずれによる磁気特性の変化が大きく、これが特
性再現性の乏しさとキャリア飛散に繋がっているという
問題もあった。
おいては組成ずれが生じても磁気特性の変化が小さいた
め、特性上の問題が生じない化学量論以下で用いた場
合、組成ずれによる磁気特性の変化が大きく、これが特
性再現性の乏しさとキャリア飛散に繋がっているという
問題もあった。
【0011】本発明は、これらの問題を解決するため、
Li2O、MgOおよびFe2O3の3成分系としてLi2
O量を化学量論以上の領域である17.0〜30.0m
ol%とし、一粒子毎の組成ずれによる磁気特性のバラ
ツキを小さくし、結果として現像剤として用いた場合の
キャリア飛散量を少なくかつ製造安定性にも優れた酸化
物磁性材料およびこれを用いたキャリアを製造すること
を目的としている。
Li2O、MgOおよびFe2O3の3成分系としてLi2
O量を化学量論以上の領域である17.0〜30.0m
ol%とし、一粒子毎の組成ずれによる磁気特性のバラ
ツキを小さくし、結果として現像剤として用いた場合の
キャリア飛散量を少なくかつ製造安定性にも優れた酸化
物磁性材料およびこれを用いたキャリアを製造すること
を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】図1を参照して課題を解
決するための手段を説明する。図1において、配合工程
1は、Li2O17.0〜30.0mol%、MgO
1.0〜12.0mol%、および残部をFe2O3とし
て配合する工程である。
決するための手段を説明する。図1において、配合工程
1は、Li2O17.0〜30.0mol%、MgO
1.0〜12.0mol%、および残部をFe2O3とし
て配合する工程である。
【0013】焼成工程5は、混合した混合物を1100
°ないし1300°Cで大気中あるいは低酸素中で焼成
するものである。樹脂コーティング工程8は、酸化物磁
性材料に樹脂をコーティングする工程である。
°ないし1300°Cで大気中あるいは低酸素中で焼成
するものである。樹脂コーティング工程8は、酸化物磁
性材料に樹脂をコーティングする工程である。
【0014】次に、製造方法を説明する。配合工程1に
よってLi2O17.0〜30.0mol%、MgO
1.0〜12.0mol%、および残部をFe2O3とし
て配合し、焼成工程5によって混合した混合物を110
0°ないし1300°Cで大気中あるいは低酸素中で焼
成し、酸化物磁性材料を製造するようにしている。
よってLi2O17.0〜30.0mol%、MgO
1.0〜12.0mol%、および残部をFe2O3とし
て配合し、焼成工程5によって混合した混合物を110
0°ないし1300°Cで大気中あるいは低酸素中で焼
成し、酸化物磁性材料を製造するようにしている。
【0015】更に、樹脂コーティング工程8によって酸
化物磁性材料に樹脂をコーティングしてキャリアを製造
するようにしている。従って、Li2O、MgOおよび
Fe2O3の3成分系としてLi2O量を化学量論以上の
領域である17.0〜30.0mol%とすることによ
り、一粒子毎の組成ずれによる磁気特性のバラツキを小
さくし、結果として現像剤として用いた場合のキャリア
飛散量を少なくかつ製造安定性にも優れた酸化物磁性材
料およびこれを用いたキャリアを製造することが可能と
なる。
化物磁性材料に樹脂をコーティングしてキャリアを製造
するようにしている。従って、Li2O、MgOおよび
Fe2O3の3成分系としてLi2O量を化学量論以上の
領域である17.0〜30.0mol%とすることによ
り、一粒子毎の組成ずれによる磁気特性のバラツキを小
さくし、結果として現像剤として用いた場合のキャリア
飛散量を少なくかつ製造安定性にも優れた酸化物磁性材
料およびこれを用いたキャリアを製造することが可能と
なる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、図1から図3を用いて本発
明の実施の形態および動作を順次詳細に説明する。
明の実施の形態および動作を順次詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明の1実施例構成図を示す。
図1において、配合工程1は、Li2O17.0〜3
0.0mol%、MgO1.0〜12.0mol%、お
よび残部をFe2O3として配合する工程である。
図1において、配合工程1は、Li2O17.0〜3
0.0mol%、MgO1.0〜12.0mol%、お
よび残部をFe2O3として配合する工程である。
【0018】混合工程2は、配合工程1によって配合さ
れた粉に、−C−C−あるいは−C=C−を含む、常温
で液状まはた固体(粉体を含む)状の化合物を0.1〜
4.0wt%以下添加し、混合する工程である。
れた粉に、−C−C−あるいは−C=C−を含む、常温
で液状まはた固体(粉体を含む)状の化合物を0.1〜
4.0wt%以下添加し、混合する工程である。
【0019】粉砕工程3は、混合工程2によって混合し
たものを、アトリションミルで湿式粉砕して混合粉の濃
度約50wt%のスラリーを作成する工程である。造粒
工程4は、球状顆粒を生成する工程である。ここでは、
スラリーをアトライターで1時間撹拌後、スプレードラ
イヤーで熱風乾燥して球状顆粒化する。
たものを、アトリションミルで湿式粉砕して混合粉の濃
度約50wt%のスラリーを作成する工程である。造粒
工程4は、球状顆粒を生成する工程である。ここでは、
スラリーをアトライターで1時間撹拌後、スプレードラ
イヤーで熱風乾燥して球状顆粒化する。
【0020】焼成工程5は、造粒工程4で得られた顆粒
を大気中あるいは低酸素中で1100〜1300°Cの
範囲の温度で2時間加熱処理し、マグネタイトと非磁性
相が混在した粉末を形成する工程である。
を大気中あるいは低酸素中で1100〜1300°Cの
範囲の温度で2時間加熱処理し、マグネタイトと非磁性
相が混在した粉末を形成する工程である。
【0021】粉砕工程6は、焼成工程5によって焼成し
た粉末を粉砕する工程である。篩別工程7は、粉砕工程
6によって粉砕された粉末を所定の篩で所定粒径(例え
ば平均粒径60μm)の酸化物磁性材料を篩別する工程
である。これにより、中間製品である所定粒径(例えば
60μm粒径)の酸化物磁性材料を製造できたこととな
る。
た粉末を粉砕する工程である。篩別工程7は、粉砕工程
6によって粉砕された粉末を所定の篩で所定粒径(例え
ば平均粒径60μm)の酸化物磁性材料を篩別する工程
である。これにより、中間製品である所定粒径(例えば
60μm粒径)の酸化物磁性材料を製造できたこととな
る。
【0022】樹脂コーティング工程8は、所定粒径の酸
化物磁性材料の表面に樹脂を所定厚さにコーティングす
る工程である。この樹脂コーティングして、製品である
キャリアが製造できたこととなる。
化物磁性材料の表面に樹脂を所定厚さにコーティングす
る工程である。この樹脂コーティングして、製品である
キャリアが製造できたこととなる。
【0023】以上の工程によって、Li2O、MgO、
Fe2O3の3成分系の酸化物磁性材料および樹脂コーテ
ィングしてキャリアを製造することにより、Liフェラ
イトの温度、湿度などの周囲環境の影響を受けやすい欠
点を、Mgを添加して3成分系にして緩和(キャリア粒
子中にMgフェライトを形成して高い帯電性を持たせ当
該Liフェライトの欠点を緩和)し、流動性を向上させ
た製品を製造することが可能となった。ここで、Li2
O量を化学量論以上の領域である17.0〜30.0m
ol%とすることにより、一粒子毎の組成ずれによる磁
気特性のバラツキを少なくし、結果として現像剤として
用いた場合のキャリア飛散量が少なく、かつ製造安定性
にも優れた電子写真現像剤用の酸化物磁性材料および樹
脂コーティングしたキャリアを製造することが可能とな
った。以下順次詳細に説明する。
Fe2O3の3成分系の酸化物磁性材料および樹脂コーテ
ィングしてキャリアを製造することにより、Liフェラ
イトの温度、湿度などの周囲環境の影響を受けやすい欠
点を、Mgを添加して3成分系にして緩和(キャリア粒
子中にMgフェライトを形成して高い帯電性を持たせ当
該Liフェライトの欠点を緩和)し、流動性を向上させ
た製品を製造することが可能となった。ここで、Li2
O量を化学量論以上の領域である17.0〜30.0m
ol%とすることにより、一粒子毎の組成ずれによる磁
気特性のバラツキを少なくし、結果として現像剤として
用いた場合のキャリア飛散量が少なく、かつ製造安定性
にも優れた電子写真現像剤用の酸化物磁性材料および樹
脂コーティングしたキャリアを製造することが可能とな
った。以下順次詳細に説明する。
【0024】図2は、本発明の実験例(その1)を示
す。この実験例は、Li2CO317mol%、Fe2O3
82mol%、MgO1mol%を湿式アトライターで
1時間粉砕、混合し、このスラリーに分散剤およびバイ
ンダーを適量添加し、スプレードライヤーにより造粒、
乾燥する。これを電気炉にて1270°Cで2時間保持
し、焼成を行った。その後、解砕し、更に分級(篩別)
し平均粒径60μmのフェライト粒子の芯材(酸化物磁
性材料)を得た。同様に組成比率を変え、図示のフェラ
イト粒子の芯剤を得た。そして、磁気特性と電気抵抗の
測定を行った図示の結果を得た。ここで、Li2Oの下
限は実施例1の17mol%であり、上限は実施例3の
30mol%(磁気特性のσ10K、σ1Kの値が40
以上)である。MgOの下限は実施例1ないし3の1m
ol%であり、上限は実施例9の12mol%(磁気特
性のσ10K、σ1Kの値が40以上)である。そし
て、残部がFe2O3である。このときは電気抵抗は、1
00Vを印加したときは1.3E10(1.3×1010
Ω・cmを表す、以下同様)以上であり実用的に十分な
高い抵抗値を持っている。また、1000Vを印加した
ときにも2.9E09以上の電気抵抗値を持ち十分な高
い抵抗値を持っている。
す。この実験例は、Li2CO317mol%、Fe2O3
82mol%、MgO1mol%を湿式アトライターで
1時間粉砕、混合し、このスラリーに分散剤およびバイ
ンダーを適量添加し、スプレードライヤーにより造粒、
乾燥する。これを電気炉にて1270°Cで2時間保持
し、焼成を行った。その後、解砕し、更に分級(篩別)
し平均粒径60μmのフェライト粒子の芯材(酸化物磁
性材料)を得た。同様に組成比率を変え、図示のフェラ
イト粒子の芯剤を得た。そして、磁気特性と電気抵抗の
測定を行った図示の結果を得た。ここで、Li2Oの下
限は実施例1の17mol%であり、上限は実施例3の
30mol%(磁気特性のσ10K、σ1Kの値が40
以上)である。MgOの下限は実施例1ないし3の1m
ol%であり、上限は実施例9の12mol%(磁気特
性のσ10K、σ1Kの値が40以上)である。そし
て、残部がFe2O3である。このときは電気抵抗は、1
00Vを印加したときは1.3E10(1.3×1010
Ω・cmを表す、以下同様)以上であり実用的に十分な
高い抵抗値を持っている。また、1000Vを印加した
ときにも2.9E09以上の電気抵抗値を持ち十分な高
い抵抗値を持っている。
【0025】尚、比較例1ないし5は、磁気特性の値が
40emu/g以下となり、後述する図3の樹脂コーテ
ィングしてキャリアとしたときにキャリア飛散量が非常
に多く実用にならない。また、最下段にCu−Znフェ
ライトキャリアの磁気特性および電気抵抗を参考に記載
している。
40emu/g以下となり、後述する図3の樹脂コーテ
ィングしてキャリアとしたときにキャリア飛散量が非常
に多く実用にならない。また、最下段にCu−Znフェ
ライトキャリアの磁気特性および電気抵抗を参考に記載
している。
【0026】また、σ10k、σ1kは、10kOe、
1kOeの磁界Hを印加したときの酸化物磁性材料の磁
化M(emu/g)をそれぞれ表す。図3は、本発明の
実験例(その2)を示す。これは、図2で製造した酸化
物磁性材料を芯材とし、フッ素アクリル系樹脂(商品
名:MB−2498三菱レイヨン社製)をトルエン溶剤
で溶解し、流動層を用いてキャリア芯材に対し、1.0
wt%コーティングし、100°Cで2時間加熱乾燥
し、キャリアを製造した。製造したキャリアを富士通製
LUNA−3用トナーを用い、トナー濃度4.0wt%
の現像剤に調整した。この現像剤の帯電量を10°C、
20%(LL)と35°C、85%(HH)環境で測定
し、温度、湿度などの周囲環境の影響を調査した。ま
た、富士通製LUNA−3機を用い、50万枚相当の印
刷試験(感光体上への印刷)を行い、飛散したキャリア
量を回収したトナー中への混入キャリア量を調査した。
1kOeの磁界Hを印加したときの酸化物磁性材料の磁
化M(emu/g)をそれぞれ表す。図3は、本発明の
実験例(その2)を示す。これは、図2で製造した酸化
物磁性材料を芯材とし、フッ素アクリル系樹脂(商品
名:MB−2498三菱レイヨン社製)をトルエン溶剤
で溶解し、流動層を用いてキャリア芯材に対し、1.0
wt%コーティングし、100°Cで2時間加熱乾燥
し、キャリアを製造した。製造したキャリアを富士通製
LUNA−3用トナーを用い、トナー濃度4.0wt%
の現像剤に調整した。この現像剤の帯電量を10°C、
20%(LL)と35°C、85%(HH)環境で測定
し、温度、湿度などの周囲環境の影響を調査した。ま
た、富士通製LUNA−3機を用い、50万枚相当の印
刷試験(感光体上への印刷)を行い、飛散したキャリア
量を回収したトナー中への混入キャリア量を調査した。
【0027】実施例1ないし9は、帯電量のLL−HH
の差が2.5μC/g未満と小さく、かつキャリア飛散
量も100mg未満であった。比較例1ないし4は、帯
電量のLL−HHの差は小さいが、キャリア飛散量が5
00mg以上と大きい。比較例5は、キャリア飛散量は
少ないが、帯電両LL−HHの差が大きく、35°C、
85%環境においては、実用上使えないレベルまで帯電
量が低下してしまった。
の差が2.5μC/g未満と小さく、かつキャリア飛散
量も100mg未満であった。比較例1ないし4は、帯
電量のLL−HHの差は小さいが、キャリア飛散量が5
00mg以上と大きい。比較例5は、キャリア飛散量は
少ないが、帯電両LL−HHの差が大きく、35°C、
85%環境においては、実用上使えないレベルまで帯電
量が低下してしまった。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
Li2O、MgOおよびFe2O3の3成分系としてLi2
O量を化学量論以上の領域である17.0〜30.0m
ol%とする構成を採用しているため、一粒子毎の組成
ずれによる磁気特性のバラツキを小さくし、結果として
現像剤として用いた場合のキャリア飛散量を少なくかつ
製造安定性にも優れた酸化物磁性材料およびこれを用い
たキャリアを製造することができた。
Li2O、MgOおよびFe2O3の3成分系としてLi2
O量を化学量論以上の領域である17.0〜30.0m
ol%とする構成を採用しているため、一粒子毎の組成
ずれによる磁気特性のバラツキを小さくし、結果として
現像剤として用いた場合のキャリア飛散量を少なくかつ
製造安定性にも優れた酸化物磁性材料およびこれを用い
たキャリアを製造することができた。
【図1】本発明の1実施例構成図である。
【図2】本発明の実験例(その1)である。
【図3】本発明の実験例(その2)である。
1:配合工程 2:混合工程 3:粉砕工程 4:造粒工程 5:焼成工程 6:解砕工程 7:篩別工程 8:樹脂コーティング工程
Claims (2)
- 【請求項1】Li2O17.0〜30.0mol%、M
gO1.0〜12.0mol%、および残部をFe2O3
として混合し、粉砕、造粒して1100〜1300°C
で大気中あるいは低酸素中にて焼成し、解砕・篩別した
酸化物磁性材料。 - 【請求項2】上記酸化物磁性材料を樹脂でコーティング
したキャリア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27252696A JPH10125524A (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 酸化物磁性材料およびそれを用いたキャリア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27252696A JPH10125524A (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 酸化物磁性材料およびそれを用いたキャリア |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10125524A true JPH10125524A (ja) | 1998-05-15 |
Family
ID=17515130
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27252696A Pending JPH10125524A (ja) | 1996-10-15 | 1996-10-15 | 酸化物磁性材料およびそれを用いたキャリア |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10125524A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005162597A (ja) * | 2003-11-12 | 2005-06-23 | Kanto Denka Kogyo Co Ltd | Mg系フェライト並びに該フェライトを用いた電子写真現像用キャリア及び現像剤 |
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