JPH0728281A - 電子写真用キャリア - Google Patents

電子写真用キャリア

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JPH0728281A
JPH0728281A JP5170313A JP17031393A JPH0728281A JP H0728281 A JPH0728281 A JP H0728281A JP 5170313 A JP5170313 A JP 5170313A JP 17031393 A JP17031393 A JP 17031393A JP H0728281 A JPH0728281 A JP H0728281A
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Hirofumi Iemura
浩文 家村
Takayuki Nogami
孝幸 野上
Tomomi Yamazaki
智巳 山崎
Yoshiyuki Onouchi
良行 尾内
Hideyo Tanaka
英世 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】トナーのスペント化に対する強い防止作用を何
ら損なうことなく、シリコーン樹脂自体に高い帯電付与
能力を持たせ、従ってトナーへの帯電制御剤の添加が実
質的に少量でよい2成分系乾式現像剤用キャリアを提供
すること。 【構成】キャリアのコア粒子にシリコーン樹脂を被膜し
てなるコートキャリアにおいて、該シリコーン樹脂中に
下記一般式で示される化合物を1〜15重量%含有するこ
とを特徴とする電子写真用キャリア。 (但し、式中R1: 炭素数1 〜6 のアルキル基,R2:炭素数
1〜6のアルキル基又はフェニル基,A:-O-,-CH2CH2-,n
は2 ≦n ≦100,m=2,3 )

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真用キャリア更
に詳しくは電子写真の2成分系乾式現像剤に使用される
キャリアに関する。更に詳しくは、本発明は2成分系乾
式現像剤に用いられる樹脂コートキャリアのシリコーン
樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より鉄粉、ガラス粉等のキャリア粒
子と樹脂及び着色剤を主成分とするトナー粒子との混合
物からなるいわゆる2成分系乾式現像剤はよく知られて
いる。この2成分系乾式現像剤は、比較的大きなキャリ
ア粒子表面上に微小なトナー粒子が両粒子の摩擦により
発生した電気力により保持されており、静電潜像に近接
されると静電潜像が形成する電界によるトナー粒子に対
する該潜像方向の吸引力が、トナー粒子とキャリア粒子
間の結合力に打ち勝ってトナー粒子は静電潜像上に吸引
付着されて静電潜像が可視化されるものである。そし
て、現像剤は現像によって消費されたトナーを補充しな
がら反復使用される。従ってキャリアは長期間の使用
中、常にトナー粒子を所望とする極性で且つ充分な帯電
量に摩擦帯電しなければならない。
【0003】しかしながら、従来の現像剤は粒子間の衝
突または粒子と現像機械との衝突等の機械的衝突または
これらによる発熱でキャリア表面にトナー膜が形成さ
れ、所謂スペント化が生じ、キャリアの帯電特性が使用
時間と共に低下し、現像剤全体を取り換える必要が生じ
る。この様なスペント化を防止するため、従来の技術を
過去より現在と追っていくと、まず第一にキャリア表面
に種々の樹脂を被膜する方法が提案されている。例え
ば、スチレン・メタアクリレート共重合体,スチレン重
合体,シリコーン樹脂等の樹脂で被膜されたキャリアが
知られている。しかし、スチレン・メタアクリレート共
重合体,スチレン重合体のコートキャリアの場合は帯電
特性は優れているが、表面の臨界表面張力が比較的高
く、繰り返し複写するうちにやはりスペント化が起きる
ため現像剤としての寿命がそれ程長くない。
【0004】一方、シリコーン樹脂コートキャリアの場
合は臨界表面張力が低いため、スペント化ははるかに起
き難い。しかし、一般にシリコーン樹脂自体はトナーに
対する帯電付与能力が低く、そのままでは実用性がな
い。そこで第二に特公平2─3181号公報に示された
様に各種シリコーン樹脂が、トナーに特に帯電制御剤を
添加しなくても高い帯電付与能力を有し、またその帯電
量も有機錫触媒量によって制御できるものが提案され
た。しかしながら、電子写真の2 成分系乾式現像法にお
いて、これらに使用されるキャリアは磁気ブラシと感光
体との間にあって適当な固有抵抗を持っており、この抵
抗の変化によってコピーにおける画像濃度、階調性等が
調整され、一般に固有抵抗が大きい方が要望される傾向
にある。従ってコート量が多いキャリアが好まれる傾向
にある。それ故に有機錫触媒を用いたシリコーン樹脂は
トナーの帯電量の制御に貢献する効果はあるものの、一
般的に少量の帯電制御剤を添加した安価なトナーを用い
たときには、コート量が多くなるとコピー枚数につれて
帯電量が増大し、画像濃度が低下するというという欠点
をもっている。また、確かにスチレン・メタアクリレー
ト共重合体,スチレン重合体のコートしたキャリアより
シリコーン樹脂でコートしたキャリアは臨界表面張力が
低くスペント化しにくいのはいうまでもないが、スペン
トに対しての防止作用については満足できるものではな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはシリコー
ン樹脂に与える各種化合物の効果を鋭意検討した結果、
本発明に至ったものである。本発明で解決しようとする
第一の目的は、従来のシリコーン樹脂(未変性,変性シ
リコーン)に本発明の化合物を添加することにより、有
機錫触媒とは別な手段で、トナーのスペント化に対する
強い防止作用を何ら損なうことなく、シリコーン樹脂自
体に高い帯電付与能力を持たせ、従ってトナーへの帯電
制御剤の添加が実質的に少量でよい2成分系乾式現像剤
用キャリアを提供することである。
【0006】本発明で解決しようとする第二の目的は、
たとえトナーに帯電制御剤を添加するにしても少量の帯
電制御剤ですみ、従って長時間使用しても現像剤特性を
殆ど劣化させることなく、安定した画像が得られる経済
的、且つ高品質の2成分系乾式現像剤用キャリアを提供
することである。本発明で解決しようとする第三の目的
は、本発明の化合物を添加することによりコートキャリ
アの表面を特異的に改質することになり、従来のシリコ
ーン樹脂でコートしたキャリアより臨界表面張力がさら
に低下することにより、スペント化に対する防止作用が
強くなる。そして、その効果をもって現像剤の寿命を延
ばすことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、キャリアのコ
ア粒子にシリコーン樹脂を被膜してなるコートキャリア
において、該シリコーン樹脂中に下記一般式で示される
化合物を1〜15重量%含有することを特徴とする電子
写真用キャリアである。 (但し、式中R1: 炭素数1 〜6 のアルキル基,R2:炭素数
1〜6のアルキル基又はフェニル基,A:-O-,-CH2CH2-,n
は2 ≦n ≦100,m=2,3 ) 代表的な合成方法としては、 (式中,nの範囲は2 ≦n ≦100)に、ビニルトリメトキ
シシラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルジメトキ
シメチルシラン,ビニルジエトキシメチルシラン,ビニ
ルジメトキシエチルシラン,ビニルジエトキシエチルシ
ラン,ビニルジメトキシフェニルシラン,ビニルジエト
キシフェニルシラン等のビニル基含有化合物を、あるい
は、 (式中,nの範囲は 2≦n ≦100 )とトリメトキシシラ
ン, トリエトキシシラン, メチルジメトキシシラン, メ
チルジエトキシシラン等のヒドロシラン化合物とを白金
触媒下で50〜130 ℃,2〜8 Hr付加反応することにより得
られる。
【0008】または、 (式中,nの範囲は 2≦n ≦100 )及びテトラメトキシシ
ラン,テトラエトキシシラン,メチルトリエトキシシラ
ン,フェニルトリメトキシシラン,フェニルトリエトキ
シシランとを100〜130℃,24時間保持し、脱アル
コール反応により得ることができる。
【0009】本発明の化合物のジメチルシロキサンの繰
り返し単位nは2〜100 であり、好ましくは5〜50で
ある。nが2より小さいと期待できる効果がなく、100
より大きいとシリコーン樹脂溶液との相溶性が悪くな
る。また両末端のSiに結合するアルコキシ基は2又は3
個であり、好ましくは3個である。1個であるとシリコ
ーン樹脂溶液との反応性が悪くなるので、好ましくはな
い。また、アルコキシ基( -OR1) のR1は炭素数 1〜6の
アルキル基で、好ましくは反応性に優れ、工業的にも有
利であるメチル基,エチル基である。以上のような条件
にすることにより両末端のアルコキシ基がシリコーン樹
脂溶液と反応するので本化合物により得られた特性が経
時で損なわれることはない。
【0010】本化合物のシリコーン樹脂溶液への添加量
は1〜15重量%(固形分換算)である。1重量%未満
の場合には、期待できる効果が小さく、また15重量%
を越える場合には、経済的に不利であるばかりではなく
現像剤の流動性が低下し、透磁率トナー濃度センサーを
搭載する現像装置において正常に機能しない。その結
果、カブリ,トナー飛散などの不具合を招来する。本発
明に好ましく使用できるシリコーン樹脂としては、Si−
O−Si結合を主鎖とする3次元的網状構造のオルガノポ
リシロキサンを含む高分子であり、次式で表される。 R3 a Si(OR4) b O [4-(a+b)]/2 (但し、式中R3は炭素原子数1 〜10のアルキル基又はフ
ェニル基,R4 は水素原子又は炭素原子数1 〜10のアルキ
ル基, アルケニル基もしくはアルコキシアルキル基であ
りaは0.8 ≦a≦1.8,bは0<b<3 である)このオルガノ
ポリシロキサンは、本発明の電子写真用キャリアのコー
ト剤の主剤となるものであって、核体粒子の表面を被覆
するシリコーン樹脂となるためのものである。R3は工業
的観点からメチル基又はフェニル基であることが好まし
く、R4は水素原子, メチル基, イソプロピル基又はイソ
ブチル基であることが好ましい。
【0011】上記のオルガノポリシロキサンは、メチル
トリクロロシラン, ジメチルジクロロシラン, ジフェニ
ルジクロロシラン, フェニルトリクロロシラン, フェニ
ルメチルジクロロシラン, テトラクロロシラン等のクロ
ロシラン又はメチルトリアルコキシラン, ジメチルジア
ルコキシシラン, ジフェニルジアルコキシシラン, フェ
ニルトリアルコキシシラン, フェニルメチルジアルコキ
シシラン, テトラアルコキシシラン等のアルコキシシラ
ンの一種又は二種以上を加水分解させたり、テトラアル
コキシシラン又はトリアルコキシシランと環状ポリシロ
キサンを平衡化反応させることによって容易に得ること
ができる。
【0012】aおよびbは使用するシランモノマーの種
類及びモル数を適宜調整することによって、0.8 ≦a≦
1.8 及び 0<b<3とすることができるが、特に0.9 ≦
a≦1.3,0<b<1.2 とすることが好ましい。本発明の
化合物の使用に適したシリコーン樹脂には周知の如く、
架橋剤と硬化触媒を用いる常温硬化型シリコーン樹脂と
架橋剤と硬化触媒のどちらも用いない熱硬化型シリコー
ン樹脂スがある。前述の常温硬化型シリコーン樹脂に用
いられるオルガノポリシロキサンの平均分子量は、10
3 〜104 程度であり、熱硬化型シリコーン樹脂に用い
られるオルガノポリシロキサンの平均分子量は104
106 程度である。
【0013】本発明と伴に用いられる架橋剤としてはア
セトキシ基末端封鎖ポリシロキサンのような脱酢酸型の
他、脱オキシム型、脱アルコール型、脱アミ型などの種
類がある。添加量としてはシリコーン樹脂溶液の固形分
5〜50%、好ましくは10〜30%である。本発明と伴に用
いられる硬化触媒としては酸、アルカリ、アミン、金属
の有機酸塩、チタネート等が有効であるが、一般的には
亜鉛、鉛、コバルト、錫、鉄等のオクチル酸、ラウリン
酸等の有機酸塩やトリエタノールアミン、コリンヘキソ
エート等のアミンが使用されている。さらに、密着向上
剤としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン,N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン,γ−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン等のシランカップリング剤が使用される。
【0014】このシリコーン樹脂を被膜して用いるキャ
リアのコア粒子としては鉄粉、ニッケル, 銅, 亜鉛, マ
グネシウム, バリウム等の元素から構成されるフェライ
ト粉、マグネタイト粉等で平均粒径は15〜500 μm 、好
ましくは20〜300 μm が適当である。本発明のシリコー
ン樹脂コートキャリアを製造するには前述のような原料
シリコーン樹脂及び本発明の化合物を適当な有機溶媒に
溶解し、これを例えば浸漬法、スプレー法、或いはは流
動床法等によりコア粒子上に塗布乾燥させた後、100〜2
50 ℃程度で加熱して塗膜を硬化させればよい。一般に
硬化触媒を用いないときは用いたものよりも硬化温度は
高く、180 〜250 ℃程度が適当である。こうして形成さ
れるシリコーン樹脂被膜層の厚さは0.1 〜20μm 程度が
適当である。有機溶剤としては、原料シリコーン樹脂及
び本発明の化合物の両成分を溶解するものであればよ
く、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール
等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
テトラヒドロフラン、ジオキサン或いはそれらの混合物
が使用される。尚塗布液には乾燥促進剤としてオクチル
酸等の有機酸鉛、鉄、亜鉛等の金属塩等、即ち金属石ケ
ンやアミンを添加することができる。本発明のシリコー
ン樹脂コートキャリアを浸漬法で製造する場合は次のよ
うに行う。まず浸漬法装置内にキャリアのコア粒子及び
本発明の化合物を有するシリコーン樹脂溶液を入れ、適
当な混合を行ないながら加熱して溶剤を除去し、所望の
厚さの被膜層を形成せしめる。次に、このようにして得
られた被膜層を有するキャリアを100 〜250 ℃程度で塗
膜を硬化させればよい。
【0015】また、本発明のシリコーン樹脂コートキャ
リアを流動床法で製造する場合は以下のように行う。ま
ず、流動床装置内で上昇する加圧ガス流(通常は空気
流)によりキャリア粒子を並行した高さ迄、上昇せしめ
る。次にキャリア粒子が再び落下する迄の間に上方或い
は側面から前記塗布液をスプレーする。この操作の繰り
返しにて所望の厚さの被膜層を形成せしめる。そして、
浸漬法同様に上記操作にて得られた被膜層を有するキャ
リアを100 〜250 ℃程度で塗膜を硬化させればよい。以
上のようにして得られた本発明のシリコーン樹脂コート
キャリアと共に現像剤を構成するトナーとしては従来と
同様、トナー用樹脂及び着色剤を主成分とし、これに必
要あれば各種帯電制御剤を添加した粒子が使われる。粒
子径としては平均粒径で5〜20μm が適当である。こ
こで着色剤としてはカーボンブラック、ニグロシン染料
(C.I.No.504158)、アニリンブルー
(C.I.No.50405)、カルコニルブルー
(C.I.No.Azess Blue3)、クロムイ
エロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリン
ブルー(C.I.No.77103)、メチレンブルー
クロライド(C.I.No.52015)、フタロシア
ニンブルー(C.I.No.74160)、デュポンオ
イルレッド(C.I.No.26105)、キノリンイ
エロー(C.I.No.47005)、マラカイトグリ
ーンオキザレート(C.I.No.42000)、ラン
プブラック(C.I.No.77266)、ローズベン
ガル(C.I.No.45435)、等の染料または顔
料及びそれらの混合物が挙げられる。尚以上の染料のう
ち、ニグロシン染料は安価な正極性用帯電制御剤であ
る。一方、トナー用樹脂としてはポリスチレン及びスチ
レンと他のビニルモノマーとの共重合体等のスチレン樹
脂が主に用いられる。その他のビニルモノマーとしては
エチレン、プロピレン、イソブチレン等の不飽和モノオ
レフィン類;酢酸ビニルのようなビニルエステル類;ビ
ニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケ
トン類;N−ビニルピロール、N−ビニルピロリドン等
のN−ピニル化合物;アクリロニトリル;メタアクリロ
ニトリル;アクリルアミド;メタアクリルアミド及びそ
れらの混合物が用いられる。トナー用樹脂としては以上
のようなスチレン樹脂の他、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ビニルエステル樹脂、ロジン変成フェノール樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等も使用できる。
尚これらのトナーと本発明のシリコーン樹脂コートキャ
リアの配合割合はトナー濃度(現像剤中に含まれるトナ
ーの重量%)で1〜30%程度が適当である。
【0016】本発明の化合物の作用については、全てが
明らかになったわけではないが、以下のモデルによって
表面改質の結果であると推測できる。本発明の化合物を
含有するシリコーン樹脂溶液をミガキ軟鋼板に流し塗り
で塗布し、風乾後、150 ℃30分で硬化させた塗膜表面を
XPS(ESCA)法にて元素定量した結果を表1.に
示す。この結果より、本発明の化合物を含有した塗膜表
面は、炭素元素量が本発明の化合物を含有していない塗
膜表面に比較して多いことがわかる。このことは本発明
の化合物が選択的に塗膜表面に存在しているためにすな
わち、本発明の化合物の一般式で示したR及び ( CH2
n が存在するために炭素元素量が多いことを示して
いる。さらに C/Si 値が2に近い数値となっていること
からも確認できた。
【0017】以上のことからわかるように、本発明の化
合物のシリコーン樹脂溶液への添加量を変化させること
により、塗膜表面の炭素元素量を変化させることがで
き、その結果、摩擦帯電性能を任意に変えることができ
る。さらに、架橋剤の添加量との割合を種々変えること
により正極性から負極性の両方のトナーに用いることが
できる。また、炭素元素量の増加はメチル基の増加を意
味しており、このために塗膜表面の臨界表面張力がさら
に低下させることができ、その結果、スペント防止作用
が向上し、現像剤の寿命が延びると推測できる。
【0018】
【表1】
【0019】条件 1.X線源 線源:MgKα(1253.6eV) 出力:200w(電圧:10Kv,電流:20mA) 2.検出系 検出領域:1.1mmφ Pass Energy:17.9eV 検出角:45° 3.Arスパッタリング(50Å/min) ビーム電圧:2.5Kv ビーム電流:25mA Arガス圧:25mPa
【0020】
【実施例】以下、実施例に基づきさらに詳細に説明す
る。オルガノポリシロキサン〔平均構造式(CH3)1.15Si
(OCH3)0.05(OH)0.1O1.35,重量平均分子量8000〕を濃度4
0重量%になるようにトルエンで希釈した溶液に平均構
造式、 で表される化合物、架橋剤(メチル)トリス(メチルエ
チルケトオキシムシラン)、及び有機錫触媒(ジブチル
スズジオクトエート)の50%キシレン溶液を表2.に示
すように添加し、溶剤揮発油で濃度20%になるようにシ
リコーン樹脂溶液を調整した。つぎに平均粒径100μ
mの銅─亜鉛フェライト粉を加熱可能な容器に入れ、1
50℃に加熱しながら攪拌し、溶媒であるトルエンを除
去し、表2.に示すコート量を有するコートキャリアを
得た。
【0021】前記のコートキャリアを用いて、トナー濃
度3重量%にて、一定な現像剤製造法によって調整した
現像剤をブローオフ装置〔東芝ケミカル (株)社製〕
によって測定したトナー帯電量を表2.に示す。このト
ナー帯電量と各添加剤及びコート量との相関を重回帰分
析(変数増減法)した結果を表3.に示す。この結果よ
り、本発明の化合物は帯電付与能力が、有機錫触媒の効
果に比較して大きいことがわかる。また、本発明の化合
物と架橋剤を組み合わせることにより、任意の帯電付与
能力を有するコートキャリアが得られることがわかる。
【0022】つぎに、本発明のコートキャリアの代表と
して表2.のサンプル番号4のコートキャリアを市販の
複写機FP−3280〔松下電器産業(株)社製〕を用
いて、150,000枚の連続コピーを行った結果、転
写率、トナー帯電量、トナー濃度などは殆ど変化がなく
従って、カブリのない安定した画像が得られた。(表
4.参照)
【0023】
【比較例】比較として、サンプル番号4から本発明の化
合物を除いたコートキャリアを用いて、実施例と同一の
条件で現像剤を調整した。この現像剤は、トナー帯電量
が低いため(3μC/g)、実施例と同じ複写機を用い
て評価したところ、初期からカブリ、トナー飛散が多
く、コピー枚数とともに、それらがさらに悪化し、1
0,000枚で評価を中止した。
【0024】
【表2】
【0025】注) 1) 有機錫触媒量(原子吸光法にて錫
量を測定し換算) 2) 架橋剤量(N量を測定し換算) 3) 対固形分換算量 4) コート量はカーボンアナライザーEMIA−110
〔堀場製作所(株)社製〕にて測定したC元素重量%
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】注) 実写試験環境はL/L(7℃20RH%)20〜30
K(x1000) H/H(30℃85RH%)75〜85
K,他はN/N(23℃50%)である 画像濃度、カブリは1000枚おきに測定し、消費
量、転写率、トナー濃度、及び帯電量は5000枚おき
に測定した。従って表4.の帯電量は表2.の帯電量と
は異なって実写による150,000間の平均の帯電量
である。 カブリはMODEL577〔PHOTOVOLT
(株)社製〕で測定して算出した値である。 ODとは原稿の画像濃度である。
【0029】
【発明の効果】前記の実施例より、本発明のコートキャ
リアが、従来のシリコーンコートキャリアと比較して、
帯電付与能力が向上し、たとえトナーに帯電制御剤を添
加するにしてもコア粒子自体に帯電付与能力のあるシリ
コーン樹脂が被覆されているので、少量用いるだけでよ
く、さらにスペント防止作用の一層の向上により長期に
わたって良好な画像が得られ経済的であることがわか
る。
フロントページの続き (72)発明者 尾内 良行 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内 (72)発明者 田中 英世 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリアのコア粒子にシリコーン樹脂を
    被膜してなるコートキャリアにおいて、該シリコーン樹
    脂中に下記一般式で示される化合物を1〜15重量%含有
    することを特徴とする電子写真用キャリア。 (但し、式中R1: 炭素数1 〜6 のアルキル基,R2:炭素数
    1〜6のアルキル基又はフェニル基,A:-O-,-CH2CH2-,n
    は2 ≦n ≦100,m=2,3 )
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