JP3541629B2 - 静電荷現像用帯電付与部材及び画像形成方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、電子写真法、又は静電記録法において用いる静電荷現像用帯電部材、静電荷現像用キャリア、静電潜像現像剤、静電荷現像用スリーブ、及び、画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真法又は静電記録法においては、感光体や静電記録体上に種々の手段を用いて静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーと呼ばれる静電性微粒子を付着させて、静電潜像を現像する方法が一般的に使用されている。
そして、キャリアと呼ばれる担体粒子を用いる二成分現像方式においては、現像に際し、トナーとキャリアを混合して摩擦帯電させ、適当量の正又は負の電荷をトナーに付与する。
【0003】
キャリアは、一般に表面に被膜層を有するコートキャリアと、表面に被膜層を有しない非コートキャリアとに大別されるが、現像剤寿命等を考慮すると、コートキャリアの方が優れていることから、種々のタイプのコートキャリアが開発され、かつ実用化されている。
【0004】
コートキャリアに要求される特性は種々あるが、トナーに適度な帯電性(電荷量や電荷分布)を長期にわたって付与できることが重要であり、そのためには、キャリアが耐衝撃性、耐磨耗性を有し、かつ、湿度や温度等の環境変化に対しても、トナーの帯電性を変化させないことが特に重要であり、種々のコートキャリアが提案されている。
【0005】
他方、一成分現像方式においては、磁性紛を含有するトナー又は磁性紛を含有しない非磁性トナーが用いられるが、これらのトナーに帯電性を付与するためにブレード、スリーブとの摩擦が利用される。しかしながら、ブレード、スリーブは常にトナーと摩擦されるため、これらのブレード、スリーブにおいても前記二成分現像方式と同様に適切な帯電量を長期にわたって維持することが重要である。
【0006】
そこで、上記の課題を解決するために、帯電量を付与する目的で含窒素アルキル(メタ)アクリレートとビニル系モノマーの共重合体、又はフッ素化アルキル(メタ)アクリレートとビニル系モノマーの共重合体を使用することが、特開昭64−35562号公報、特開平2−24670号公報に記載されている。
【0007】
また、前記公報には、含窒素モノマーとフッ素化モノマーとの共重合体をキャリア芯材表面に被膜することにより、比較的長寿命のコートキャリアを得ることが記載されているが、これらは単量体同士が共重合しにくかったり、相分離を引き起こすなど均一な組成が得られにくく、さらに、組成分布が発生して被膜に偏りが生ずる。その結果、十分な耐衝撃性及び耐トナー汚染性などを満足させるものではなかった。特に、高温高湿下での帯電量の低下や低温低湿下での帯電量の極端な増加により、現像剤の安定性が低くなり、長期の使用に耐えられず、さらに、画像のカブリや濃度ムラを生ずるなどの問題があった。
【0008】
他方、低表面エネルギーを持つシリコーン樹脂を含有するものでキャリア芯材表面に被覆する方法が、米国特許第3562533号明細書、及び米国特許第3847127号明細書に記載されている。これらのキャリアを用いた現像剤は、トナー付着が低減するものの、機械的なストレスにより基材接着界面に剥がれが生じ、帯電特性が変化することが確認されている。
【0009】
また、一成分現像方式におけるトナー耐汚染性を向上させる方法として、特開平3−204664号公報には、硬化性含フッ素共重合体で作製した現像ロールを使用しているが、帯電性をトナーに与える力が乏しく、帯電不良によるバックグランドかぶりなどの問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記の問題を解消し、高温高湿下での帯電量の低下や低温低湿下での帯電量の極端な増加のない、耐衝撃性及びトナーに対する耐汚染性などに優れた非常に寿命の長い静電荷現像用帯電部材を提供することにある。
また、本発明は、二成分カラー現像剤や一成分現像カラートナーと共に用いるのに適した静電荷現像用キャリア、現像スリーブ等の帯電部材、及び、画像形成方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次の構成を採用することにより、上記の課題に解決に成功した。
(1) 下記一般式(I)で表されるアダマンタン誘導体を単量体必須成分として含有する樹脂で、芯材を被覆してなることを特徴とする静電荷現像用帯電付与部材。
【0012】
【化2】
【0013】
(2) 前記樹脂が、ラジカル重合性モノマーとの共重合体であることを特徴とする前記(1) 記載の静電荷現像用帯電付与部材。
(3) 前記芯材と前記被覆層との間に中間層を設けてなることを特徴とする前記(1) 又は(2) 記載の静電荷現像用帯電付与部材。
(4) 前記中間層がシランカップリング剤又はチタネートカップリング剤で構成されてなることを特徴とする前記(3) 記載の静電荷現像用帯電付与部材。
【0014】
(5) 上記一般式(I)で表されるアダマンタン誘導体を単量体必須成分として含有する樹脂で、芯材を被覆してなる静電荷現像用キャリアであって、前記芯材が、キャリア用粒子であることを特徴とする静電荷現像用キャリア。
(6) 前記樹脂が、ラジカル重合性モノマーとの共重合体であることを特徴とする前記(5)に記載の静電荷現像用キャリア。
(7) 前記芯材と前記被覆層との間に中間層を設けてなることを特徴とする前記(5)記載の静電荷現像用キャリア。
(8) 前記中間層がシランカップリング剤又はチタネートカップリング剤で構成されてなることを特徴とする前記(7)記載の静電荷現像用キャリア。
(9) 前記キャリア用粒子が、鉄粒子、マグネタイト粒子又はフェライト粒子であることを特徴とする前記(5)記載の静電荷現像用キャリア。
【0015】
(10) 前記キャリア用粒子が、鉄粉、マグネタイト粉又はフェライト粉を、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に分散してなる粒子であることを特徴とする前記(5)〜(9)のいずれか1つに記載の静電荷現像用キャリア。
(11) 前記キャリア用粒子の平均粒子径が、10〜150μmの範囲にあることを特徴とする前記(9)又は(10)記載の静電荷現像用キャリア。
(12) 前記キャリアの被覆樹脂の被覆量が、キャリアの重量に対して0.1〜10.0重量%の範囲にあることを特徴とする前記(11)記載の静電荷現像用キャリア。
【0016】
(13) トナーとキャリアとからなる静電潜像現像剤において、前記(5)〜(12)のいずれか1つに記載のキャリアを含有することを特徴とする静電潜像現像剤。
(14) 静電潜像保持体に静電潜像を形成する工程、及び、現像剤担持体上の現像剤を用いて前記静電潜像を顕像化する工程を有する画像形成方法において、前記(13)記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
【0017】
(15) 上記一般式(I)で表されるアダマンタン誘導体を単量体必須成分として含有する樹脂で、芯材を被覆してなる静電荷現像用スリーブであって、前記芯材が、スリーブ用基材であることを特徴とする静電荷現像用スリーブ。
(16) 前記樹脂が、ラジカル重合性モノマーとの共重合体であることを特徴とする前記(15)記載の静電荷現像用スリーブ。
(17) 前記芯材と前記被覆層との間に中間層を設けてなることを特徴とする前記(15)記載の静電荷現像用スリーブ。
(18) 前記中間層がシランカップリング剤又はチタネートカップリング剤で構成されてなることを特徴とする前記(17)記載の静電荷現像用スリーブ。
(19) 前記スリーブ用基材が、金属、セラミックス又は合成樹脂で構成されてなることを特徴とする前記(15)〜(19)のいずれか1つに記載の静電荷現像用スリーブ。
(20) 前記スリーブの樹脂被覆層の膜厚が1〜500μmの範囲にあるを特徴とする前記(19)記載の静電荷現像用スリーブ。
【0018】
(21) 静電潜像保持体に静電潜像を形成する工程、及び、現像スリーブ上に担持した現像剤を用いて前記静電潜像を顕像化する工程を有する画像形成方法において、前記(15)〜(20)のいずれか1つに記載の現像用スリーブを用いることを特徴とする画像形成方法。
【0019】
本発明は、上記一般式(I)で表されるアダマンタン誘導体を単量体必須成分として含有する樹脂で、芯材を被覆することにより、キャリア等の静電荷現像用帯電部材の環境依存性を抑制することができ、かつ、耐衝撃性及びトナーに対する耐汚染性などに優れ、長寿命の帯電部材等の提供を可能にした。
特に、前記のアダマンタン誘導体の単量体とラジカ重合可能な単量体との共重合体を用いると、前記の効果は一層増強される。前記共重合体における前記アダマンタン誘導体単量体の比率は、1〜95モル%の範囲、好ましくは5〜90モル%の範囲が適している。
【0020】
本発明の静電荷現像用キャリアに用いる粒子としては、公知の磁性材料を挙げることができ、鉄粒子や、マグネタイト粒子、フェライト粒子などの磁性酸化物粒子、さらには、鉄粉や、マグネタイト粉、フェライト粉などの磁性酸化物粉を熱可塑性樹脂、又は熱硬化性樹脂中に分散してなる樹脂分散粒子が好ましく使用され、これらは単独で使用してもよいし、併用してもよい。
【0021】
また、前記熱可塑性樹脂、又は、熱硬化性樹脂の具体例としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
これらの芯材及び樹脂分散粒子の平均粒径は10〜500μmのものが用いられ、より好ましくは30〜150μmのものが用いられる。
【0022】
さらに、本発明に用いる現像スリーブ用基材としては、導電性又は絶縁性材料のいずれを用いてもよい。
導電性基材としては、アルミニウム、ステンレス、鉄等が挙げられ、絶縁性基材としては、セラミック、合成樹脂等が挙げられる。
【0023】
前記芯材として用いるキャリア用粒子及びスリーブ用基材は、その表面に前記の被膜層を設けるときに、芯材等と被膜層の中間にシランカップリング剤、チタネートカップリング剤等からなる中間層を設けてもよい。その処理剤の具体例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、トリス−(β−メトキシエトキシ)ビニルシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、β−メルカプトエチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルメタクリルイソステアロイルチタネート等の公知の化合物が挙げられる。
【0024】
本発明に使用される一般式(I)で表されるアダマンタン誘導体としては以下に示す化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
一般式(I)において、置換基A1 を有する化合物は下記表1に、置換基A2 を有する化合物は下記表2に、置換基A3 を有する化合物は下記表3にそれぞれ例示した。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
また、一般式(I)で表されるアダマンタン誘導体の単量体は、他のラジカル重合可能な単量体、又は架橋性単量体を併用することにより、その効果を一層増強させることができる。ラジカル重合可能な単量体及び架橋性単量体の具体的な例を挙げると次のとおりである。
【0029】
ラジカル重合可能な単量体としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸誘導体;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸−4−トリル,メタクリル酸フェニルなどのメタクリル酸誘導体や、スチレン、α−スチレン、4−ヒドロキシスチレン等のスチレン系誘導体等を挙げることができる。
【0030】
また、架橋性単量体としては、アクリル酸−2−ヒドロキシエチルメタクリル酸2−ヒドロキシエル、4−ジビニルベンゼン、メタクリルイソシアネート等を挙げることができ、さらに、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルオキシシラン類を挙げることができる。
【0031】
一般式(1)に表されるアダマンタン誘導体と、前記ラジカル重合可能な単量体又は架橋性単量体よりなる共重合体における割合は、前記アダマンタン誘導体単量体が1〜95モル%、好ましくは5〜90モル%の範囲が適当である。
本発明における前記単量体の合成方法は、通常に使用されているラジカル重合方法、例えば溶液重合等、既に公知の方法により合成することができる。
【0032】
さらに、上記共重合体を前記キャリア用粒子等の表面に被覆する方法としては、例えば、該粒子等を、被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液を粒子等の表面に噴霧するスプレー法、粒子等を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で粒子等と被覆層形成用溶液を混合し溶剤を除去するニーダーコーター法など公知の方法を採用することができる。
キャリア用粒子等の表面に形成する樹脂層の被覆量は、0.1〜10.0重量%、好ましくは0.5〜8.0重量%の範囲が適している。
また、前記キャリア被覆層の膜厚は通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5.0μmの範囲であることが望ましい。
【0033】
また、前記共重合体を現像スリーブ用基材上に成膜する方法としては、浸せき塗布法、突き上げ塗布法等の公知の方法を採用することができる。
現像スリーブ用基材上に形成する樹脂層の膜厚は1〜500μm、好ましくは5〜300μmの範囲が適している。
【0034】
被覆層形成用塗布溶液に使用する溶剤は、前記共重合体を溶解できるものであればその種類を問わない。例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類等が使用できる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
〔実施例1〕
(共重合体1の合成)
一般式(I)の例示化合物1のアダマンタン誘導体8.2g(0.5mol)及びメタクリル酸メチルエステル50.0g(0.5mol)をテトラヒドロフラン300g中に溶解し、重合開始剤であるアゾイソブチロニトリル0.18g(1.0mmol)を加え、窒素気流下60℃で48時間反応を行った。反応終了後、得られた共重合体の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したところ、重量平均分子量(Mw)は45,000であった。
【0036】
(キャリア1の作成)
上記共重合体溶液にテトラヒドロフランを加えて固形分重量を10%に調整し、キャリアの芯材として平均粒径50μmのCu−Zn系フェライト粒子を用い、このフェライト粒子100重量部に対して前記共重合体溶液を溶液中の固形分重量が1.2重量部になるように添加してニーダーコーターで、膜厚が0.25μmのコートキャリアを製造した。
【0037】
〔実施例2〕
(共重合体2の合成)
一般式(1)の例示化合物7のアダマンタン誘導体21.6g(0.5mol)及びスチレン10.0g(0.10mol)をトルエン300g中に溶解し、アゾイソブチロニトリル0.18g(1.0mmol)を加え、窒素気流下60℃で48時間反応を行った。反応終了後、得られた共重合体の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したところ、重量平均分子量(Mw)65,000であった。
【0038】
(キャリア2の作成)
上記共重合体溶液にトルエンを加えて固形分重量を10%に調整し、キャリアの芯材として平均粒径40μmのマグネタイト粒子を用い、このマグネタイト粒子100重量部に対して前記共重合体溶液を溶液中の固形分重量が1.2重量部になるように添加してニーダーコーターで、膜厚が0.30μmのコートキャリアを製造した。
【0039】
〔実施例3〕
(共重合体3の合成)
一般式(1)の例示化合物11のアダマンタン誘導体26.2g(0.5mol)及びアクリル酸をキシレン500mlに溶解し、アゾイソブチロニトリル0.18g(1.0mmol)を加え、窒素気流下60℃で50時間反応を行った。反応終了後、得られた共重合体の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したところ、重量平均分子量(Mw)55,000であった。
【0040】
上記共重合体溶液にキシレンを加えて固形分重量を10%に調整し、キャリアの芯材として平均粒径40μmのマグネタイト粒子を用い、このマグネタイト粒子100重量部に対して前記共重合体溶液を溶液中の固形分重量が1.5重量部になるように添加してニーダーコーターで、膜厚が0.30μmのコートキャリアを製造した。
【0041】
〔実施例4〕
(共重合体4の合成)
一般式(1)の例示化合物17のアダマンタン誘導体26.2g(0.5mol)及びジビニルベンゼン1.30g(0.01mol)をトルエン500mlに溶解し、アゾイソブチロニトリル0.18g(1.0mmol)を加え、窒素気流下60℃で50時間反応を行った。反応終了後、得られた共重合体の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したところ、重量平均分子量(Mw)55,000であった。
【0042】
(現像スリーブの作成)
上記共重合体溶液にトルエン加えて固形分重量を10%に調整した後、富士ゼロックス社製レーザープリンター4105用現像ロールスリーブ(ステンレス製)表面にディピング塗布方法で、膜厚2.5μmの被覆層を形成した後、加熱チャンバー中で100℃で30分間加熱して帯電付与スリーブを得た。
【0043】
〔比較例1〕
実施例1において、一般式(1)の例示化合物1のアダマンタン誘導体の代わりに、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレートを同モル量用いた以外は、実施例1と同様にして、膜厚が0.3μmの比較例1のキャリアを作成した。
【0044】
〔比較例2〕
実施例3において、一般式(1)の例示化合物11のアダマンタン誘導体の代わりに、ブチルメタクリレートを同モル量用いた以外は、実施例3と同様にして、膜厚が0.3μmの比較例2のキャリアを作成した。
【0045】
〔比較例3〕
実施例4において、一般式(1)の例示化合物17のアダマンタン誘導体の代わりに、ポリジメチルシロキサン−ポリメタクリル酸メチル共重合体(共重合比1:2)を同量用いた以外は、実施例4と同様に操作を行い、膜厚2.5μmの被覆層を有する比較例3の現像スリーブを作成した。
【0046】
(キャリアの比較実験)
実施例1〜3及び比較例1、2で得たキャリアについて、下記の測定用トナーを用いてトナー帯電量を測定した。なお、現像剤のトナー濃度は8重量%に調整した。
これらの現像剤を使用して、電子写真複写機(A−Color935、富士ゼロックス(株)製)でコピーテストを行い、その結果を表4に示した。
なお、表1中の帯電量は、CSG(チャージ・スペクトログラフ法 )の画像解析による値である。
【0047】
(測定用トナーの作製)
線状ポリエステル樹脂 100重量%
(テレフタル酸/ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得られた線状ポリエステル;Tg=62℃、Mn=4,000、Mw=35,000、酸価=12、水酸価=25)
マゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド57) 3重量%
上記混合物をエクストルーダーで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分散して体積平均粒径d50=8μmのマゼンタトナー粒子を得た。
【0048】
(評価)
実施例1〜3のキャリアを用いた場合は、全て表4に示すように、エッジ効果のない画像が得られた。また、画像濃度も1.3前後と安定しており、環境変動に対しても安定なトナー帯電性を示した。
これに対して比較例1、2のキャリアを用いた現像剤の場合は、エッジ効果がみられた。また、複写10000枚後のトナー帯電量はかなり低下していた。
【0049】
【表4】
【0050】
(現像スリーブの比較実験)
実施例4及び比較例3で得た現像スリーブを富士ゼロックス社製レーザープリンター4105改造機に装着し、前記の測定用マゼンタトナーを用いて画質評価試験を行い、実施例4の現像スリーブは比較例3に比べて、表5のような良好な結果を示した。
【0051】
【表5】
【0052】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成を採用することにより、トナー汚染を防止し、中間調再現性の優れた画像を得ることができ、かつ、帯電性は環境が変化しても変わらず、長時間連続的に使用しても、良好な帯電付与能力を維持できる電子写真用帯電ロールの提供を可能にした。
Claims (15)
- 前記樹脂が、ラジカル重合性モノマーとの共重合体であることを特徴とする請求項1記載の静電荷現像用帯電付与部材。
- 上記一般式(I)で表されるアダマンタン誘導体を単量体必須成分として含有する樹脂で、芯材を被覆してなる静電荷現像用キャリアであって、前記芯材が、キャリア用粒子であることを特徴とする静電荷現像用キャリア。
- 前記樹脂が、ラジカル重合性モノマーとの共重合体であることを特徴とする請求項3に記載の静電荷現像用キャリア。
- 前記キャリア用粒子が、鉄粒子、マグネタイト粒子又はフェライト粒子であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の静電荷現像用キャリア。
- 前記キャリア用粒子が、鉄粉、マグネタイト粉又はフェライト粉を、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂に分散してなる粒子であることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の静電荷現像用キャリア。
- 前記キャリア用粒子の平均粒子径が、10〜150μmの範囲にあることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の静電荷現像用キャリア。
- 前記キャリアの被覆樹脂の被覆量が、キャリアの重量に対して0.1〜10.0重量%の範囲にあることを特徴とする請求項7記載の静電荷現像用キャリア。
- トナーとキャリアとからなる静電潜像現像剤において、請求項3〜8のいずれか1項に記載のキャリアを含有することを特徴とする静電潜像現像剤。
- 静電潜像保持体に静電潜像を形成する工程、及び、現像剤担持体上の現像剤を用いて前記静電潜像を顕像化する工程を有する画像形成方法において、請求項9記載の現像剤を用いることを特徴とする画像形成方法。
- 上記一般式(I)で表されるアダマンタン誘導体を単量体必須成分として含有する樹脂で、芯材を被覆してなる静電荷現像用スリーブであって、前記芯材が、スリーブ用基材であることを特徴とする静電荷現像用スリーブ。
- 前記樹脂が、ラジカル重合性モノマーとの共重合体であることを特徴とする請求項11に記載の静電荷現像用スリーブ。
- 前記スリーブ用基材が、金属、セラミックス又は合成樹脂で構成されてなることを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の静電荷現像用スリーブ。
- 前記スリーブの樹脂被覆層の膜厚が1〜500μmの範囲にあるを特徴とする請求項13記載の静電荷現像用スリーブ。
- 静電潜像保持体に静電潜像を形成する工程、及び、現像スリーブ上に担持した現像剤を用いて前記静電潜像を顕像化する工程を有する画像形成方法において、請求項11〜14のいずれか1項に記載の現像用スリーブを用いることを特徴とする画像形成方法。
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JPH1138684A (ja) | 1999-02-12 |
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