JP3799890B2 - 静電荷像性現像用キャリア、及び現像剤 - Google Patents

静電荷像性現像用キャリア、及び現像剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静電荷像現像用現像剤に使用されるキャリアおよび当該キャリアを用いた現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、静電荷像現像用現像剤に使用されるキャリアとして、磁性粉を結着樹脂中に分散してなるバインダー型キャリアや、磁性粉をコート樹脂でコートしてなるコート型キャリアがよく知られているが、キャリアがいずれのタイプであっても、キャリアには、トナーを所望の帯電量に帯電させるための摩擦帯電性、およびトナーがキャリア表面に付着(スペント)して上記帯電性が低下するのを防止するための耐スペント性が要求されている。このため、コート樹脂としてフッ素系樹脂、例えば、フッ素化オレフィン樹脂、フッ素化アクリレート樹脂、またはこれらの混合物を用いて、良好な帯電性を確保する技術が報告されている(特開平2−168273号公報、特開平2−217869号公報、特開平2−280171号公報、特公平2−53782号公報等)。
【0003】
しかしながら、上記のような樹脂は磁性粉との結着性(以下、相溶性または密着性を含む)に問題が生じている。すなわち、上記樹脂を結着樹脂として用いたバインダー型キャリアの場合、樹脂と磁性粉との相溶性が悪いため、製造時(特に混練工程)において磁性粉が均一に分散されないという問題や現像器中において磁性粉が脱離して画像上にノイズが発生するという問題が生じている。また、上記樹脂をコート樹脂として用いたコート型キャリアの場合、樹脂と磁性粉との密着性が悪いため、現像器中での撹拌ストレスによりコート層が剥離して帯電性が悪化し、耐久性に問題が生じている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記問題を解決するために、フッ素化アルキル基を有するエチレン性不飽和単量体を必須成分として重合させた重合体をコート樹脂として使用する技術が提案されている(特開平5−150559号公報)が、耐スペント性を向上させようとすると、フッ素化アルキル基を多量に有する単量体を用いる必要があり、磁性粉と樹脂との結着性が悪化するため、耐スペント性および磁性粉と樹脂との結着性を両立するのは困難であるのが現状である。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、適正な帯電性を長期間に渡って維持し、画像の劣化が少ない、耐久性、耐スペント性および帯電性に優れたキャリアを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも樹脂および磁性粉からなり、樹脂が、パーフルオロアルキル基からなる第2級または第3級アルキル基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(A)および水酸基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(B)が共重合してなるフッ素樹脂を含むことを特徴とするキャリアに関する。
【0007】
本発明においては、フッ素化アルキル基を有する単量体としてパーフルオロアルキル基からなる第2級または第3級アルキル基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(A)を用い、さらにフッ素樹脂を構成する他の単量体として水酸基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(B)を用いることにより、ミクロドメイン(微小な海島構造)を形成し得ることから耐スペント性を向上させつつ、樹脂と磁性粉との結着性(相溶性または密着性)を向上させることが可能となり、長期にわたって耐久性および帯電性に優れたキャリアを提供することができると考えられる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のキャリアに使用される樹脂(キャリア樹脂)は特定のフッ素樹脂を含む。当該フッ素樹脂は、詳しくは、パーフルオロアルキル基からなる第2級または第3級アルキル基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(A)および水酸基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(B)が共重合してなる。
【0009】
まず、フッ素樹脂を構成するエチレン性不飽和単量体(A)について説明する。
本発明のキャリアに使用されるフッ素樹脂を構成するエチレン性不飽和単量体(A)(以下、単に単量体(A)という)は、パーフルオロアルキル基からなる第2級または第3級アルキル基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有し、かつ後述のエチレン性不飽和単量体(B)と重合可能な重合性の2重結合を有すれば、いかなるタイプの単量体であってよい。
【0010】
このような単量体(A)としては、例えば、以下の一般式;
【0011】
【化1】
Figure 0003799890
で表される化合物等が挙げられ、好ましくは
【0012】
【化2】
Figure 0003799890
で表される化合物等が挙げられる。
【0013】
上記式中において、R1基は、パーフルオロアルキル基からなる第2級または第3級アルキル基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、好ましくは炭素数が2〜21である。R2基、R3基およびR4基はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1以上のアルキル基を示す。
【0014】
1基は、パーフルオロアルキル基からなる第2級または第3級アルキル基を少なくともR1基の主鎖の末端に有せば、いかなる置換基を有していてよい。
【0015】
1基が有しても良い置換基としては、いかなる置換基であってよく、例えば、フッ素原子、アルキル基、フルオロアルキル基もしくはパーフルオロアルキル基等が挙げられる。また、R1基は1またはそれ以上の上記置換基を有していてよく、2以上の上記置換基を有する場合、当該「2以上の上記置換基」はそれぞれ独立して選択されることを妨げるものではない。
【0016】
1基としては、例えば、以下の一般式;
【化3】
Figure 0003799890
で表されるアルキル基等が挙げられ、これらの中で好ましい具体例として、
【0017】
【化4】
Figure 0003799890
で表されるアルキル基等が挙げられる。
【0018】
上記式中において、mは1以上、好ましくは2以上の整数であり、R5基は、パーフルオロアルキル基からなる第2級または第3級アルキル基を示す。
【0019】
5基は、以下の一般式;
−CR678
で表される。上記式中において、R6、R7およびR8はそれぞれ独立して水素原子、フッ素原子、または炭素数1〜5、好ましくは1〜2のパーフルオロアルキル基であって、R6、R7およびR8から選択される2以上の置換基がそれぞれ独立して炭素数1〜5、好ましくは1〜2のパーフルオロアルキル基である。
【0020】
5基の具体例としては、例えば、
【化5】
Figure 0003799890
等のアルキル基が挙げられ、好ましくは
【0021】
【化6】
Figure 0003799890
等のアルキル基が挙げられる。
【0022】
以上のような単量体(A)の好ましい具体例として、
【化7】
Figure 0003799890
等が挙げられる。また、単量体(A)は2種以上組み合わせて用いてよい。
【0023】
次に、本発明のフッ素樹脂を構成するエチレン性不飽和単量体(B)(以下、単に単量体(B)という)について説明する。単量体(B)は、水酸基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有し、かつ前述の単量体(A)と重合可能な重合性の2重結合を有すれば、いかなるタイプの単量体であってよい。
【0024】
このような単量体(B)としては、例えば、以下の一般式;
【0025】
【化8】
Figure 0003799890
で表される化合物等が挙げられ、好ましくは
【0026】
【化9】
Figure 0003799890
で表される化合物等が挙げられる。
【0027】
上記式中において、R9基は、水酸基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、好ましくは炭素数が1以上、より好ましくは2以上である。R2基、R3基およびR4基は前記のR2基、R3基およびR4基と同様である。
【0028】
9基は、水酸基を少なくともR9基の主鎖の末端に有せば、いかなる置換基を有していてよい。
【0029】
9基が有しても良い置換基としては、いかなる置換基であってよい。また、R9基は1またはそれ以上の上記置換基を有していてよく、2以上の上記置換基を有する場合、当該「2以上の上記置換基」はそれぞれ独立して選択されることを妨げるものではない。
【0030】
9基としては、例えば、以下の一般式;
【化10】
Figure 0003799890
で表されるアルキル基等が挙げられ、これらの中で好ましい具体例として、
【0031】
【化11】
Figure 0003799890
で表されるアルキル基等が挙げられる。
【0032】
上記式中において、nは1以上、好ましくは2以上の整数であり、pは1以上、好ましくは2以上の整数であり、qは2以上、好ましくは3以上の整数である。
【0033】
以上のような単量体(B)の好ましい具体例として、
【化12】
Figure 0003799890
等が挙げられる。また、単量体(B)は2種以上組み合わせて用いてよい。
【0034】
本発明のフッ素樹脂は上記のような単量体(A)および単量体(B)を共重合させてなる。重合方法は上記の単量体(A)および単量体(B)を付加重合させ得る公知のいかなる方法を採用してよく、例えば、上記単量体を溶媒に添加し、窒素ガス気流中、還流下で、所望により重合開始剤および分子量調整剤をさらに添加した後、還流することによって得ることができる。溶媒としては特に制限されず、例えば、メチルイソブチルケトン等を使用することができる。重合開始剤としては特に制限されず、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等を使用することができる。分子量調整剤としては特に制限されず、ラウリルメルカプタン等を使用することができる。
【0035】
上記単量体(A)および単量体(B)の重合重量比(単量体(A)/単量体(B))は1/9〜9/1、好ましくは1/4〜4/1、より好ましくは2/5〜4/1)であることが望ましい。このような比率のフッ素樹脂を用いることにより、樹脂と磁性粉との結着性、ならびにトナーの耐スペント性および帯電性がより向上し、適正な帯電性をより長期間に渡って維持でき、画像の劣化をより少なくできる。
【0036】
本発明のフッ素樹脂は上記の単量体(A)および単量体(B)、ならびに他の単量体から構成されていてもよい。他の単量体としては、上記の単量体(A)および単量体(B)と重合可能な二重結合を有する単量体であって、上記の単量体(A)および単量体(B)と異なる単量体であれば特に制限されず、(メタ)アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニル系モノマー等が挙げられる。(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられ、スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、o,m,p−クロルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、ビニル系モノマーとしては、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル等が挙げられる。当該「他の単量体」を使用する場合、フッ素樹脂の合成時、単量体(A)および単量体(B)とともに使用されればよい。「他の単量体」の使用量はフッ素樹脂を構成する単量体総重量の60重量%以下、好ましくは30重量%以下であることが望ましい。「他の単量体」は2種以上組み合わせて用いてよく、そのときそれらの合計量が上記範囲内であればよい。
【0037】
フッ素樹脂の数平均分子量は4000〜28000、好ましくは5000〜20000、より好ましくは5000〜15000、さらに好ましくは7000〜12000であることが望ましい。このような数平均分子量を有するフッ素樹脂を用いることによりフッ素樹脂のゲル化を防止して、その取り扱いを容易にすることができる。さらにはパーフルオロアルキル基の表面配向性により耐スペント性がさらに向上する。また、バインダー型キャリアの場合、樹脂と磁性粉との相溶性がより向上し、溶融混練時に磁性粉がより分散され易くなるため、キャリア製造がより容易になる。
【0038】
キャリア樹脂として以上のようなフッ素樹脂を用いることによって、キャリアに適正な負帯電性を保持させることができ、正帯電性トナーと混合させて帯電性および耐久性により優れた現像剤を提供することができる。
【0039】
本発明において上記のフッ素樹脂は、アミノ基を有する樹脂(本明細書中、アミノ基含有樹脂という)および/またはイソシアネート基を有する樹脂(本明細書中、イソシアネート基含有樹脂という)と混合して用いてよい。キャリア樹脂としてフッ素樹脂とアミノ基含有樹脂との混合樹脂を用いることによりキャリアに適正な正帯電性を保持させることができ、負帯電性トナーと混合させて帯電性および耐久性に優れた現像剤を提供することができる。キャリア樹脂としてフッ素樹脂とイソシアネート含有樹脂との混合物を用いることにより、より優れた耐スペント性向上の効果を得ることができる。また、キャリア樹脂として、アミノ基含有樹脂およびイソシアネート含有樹脂との混合物を用いることにより、より荷電性、耐スペント性が向上したキャリアを得ることができる。
【0040】
フッ素樹脂とともに使用されるアミノ基含有樹脂としては、アミノ基を有する樹脂であれば特に制限されず、例えば、アミノ基を有する(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂およびポリエステル系樹脂等が挙げられる。詳しくは、アミノ基を有する単量体(本明細書中、アミノ基含有単量体という)の単独重合体、アミノ基含有単量体とアミノ基を有しない単量体との共重合体等が挙げられる。
【0041】
アミノ基含有単量体としては、重合反応に共されないアミノ基を有し、かつ単独重合またはアミノ基を有しない単量体との共重合が可能であれば、特に制限されないが、アミノ基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有する単量体を用いることが好ましい。
【0042】
アミノ基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有する単量体(以下、単に単量体(C)という)としては、例えば、以下の一般式;
【0043】
【化13】
Figure 0003799890
で表される化合物等が挙げられ、好ましくは
【0044】
【化14】
Figure 0003799890
で表される化合物等が挙げられる。
【0045】
上記式中において、R10基は、アミノ基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、好ましくは炭素数が1以上、より好ましくは2以上である。R2基、R3基およびR4基は前記のR2基、R3基およびR4基と同様である。
【0046】
10基は、アミノ基を少なくともR10基の主鎖の末端に有せば、いかなる置換基を有していてよい。
【0047】
10基が有しても良い置換基としては、いかなる置換基であってよく、例えば、炭素数1以上、好ましくは2以上のアルキル基等が挙げられる。また、R10基は1またはそれ以上の上記置換基を有していてよく、2以上の上記置換基を有する場合、当該「2以上の上記置換基」はそれぞれ独立して選択されることを妨げるものではない。
【0048】
10基としては、例えば、以下の一般式;
【化15】
Figure 0003799890
で表されるアルキル基等が挙げられ、これらの中で好ましい具体例として、
【0049】
【化16】
Figure 0003799890
で表されるアルキル基等が挙げられる。
【0050】
上記式中において、rは1以上、好ましくは2以上の整数であり、sは1以上、好ましくは2以上の整数であり、tは2以上、好ましくは3以上の整数である。
【0051】
以上のような単量体(C)の好ましい具体例として、
【化17】
Figure 0003799890
等が挙げられる。また、単量体(C)は2種以上組み合わせて用いてよい。
【0052】
アミノ基を有しない単量体としては、前記フッ素樹脂における「他の単量体」として例示した(メタ)アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニル系モノマーと同様の化合物等が挙げられる。
【0053】
アミノ基含有樹脂の重合方法は上記のフッ素樹脂の重合方法と同様の方法を採用することができる。
【0054】
以上のようなアミノ基含有樹脂の使用量はキャリアの帯電性、フッ素樹脂における単量体(A)および単量体(B)の割合等に依存して適宜選択されるため一概に規定できないが、一般にはキャリア樹脂に対して0〜60重量%、好ましくは0〜30重量%であることが望ましく、キャリア樹脂を構成する単量体総重量に対するアミノ基含有単量体の重量割合が60重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下であるような量であることがより望ましい。このような使用量でアミノ基含有樹脂を用いることにより、耐スペント性の低下による帯電性の悪化をより有効に防止できる。
【0055】
キャリア樹脂としてフッ素樹脂とアミノ基含有樹脂との混合樹脂を用いる場合、当該混合樹脂を構成する単量体(A)の割合x(重量%)、単量体(B)の割合y(重量%)、およびアミノ基含有樹脂の割合z1(重量%)が以下の関係式;
x<y+z1
を満たすとき、当該キャリアは適正な正帯電性を保持することができ、負帯電性トナーと混合させて帯電性および耐久性により優れた現像剤を提供することができる。混合樹脂を構成する単量体(A)の割合xおよび単量体(B)の割合yはそれぞれ、混合樹脂を構成する単量体総重量に占める単量体(A)および単量体(B)の使用割合を意味する。また、混合樹脂を構成するアミノ基含有樹脂の割合z1は混合樹脂を構成する樹脂総重量に占めるアミノ基含有樹脂の使用割合を意味する。なお、混合樹脂を構成する単量体総重量と樹脂総重量は変わらないものとする。
【0056】
また、上記の場合であって、上記のx(重量%)、y(重量%)およびz1(重量%)が以下の関係式;
x>y+z1
を満たすとき、当該キャリアは負帯電性を保持することができ、正帯電性トナーと混合させて用いることができる。
【0057】
フッ素樹脂とともに使用されるイソシアネート基含有樹脂としては、イソシアネート基を有する樹脂であれば特に制限されず、例えば、イソシアネート基を有する(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂およびポリエステル系樹脂等が挙げられる。詳しくは、イソシアネート基を有する単量体(本明細書中、イソシアネート基含有単量体という)の単独重合体、イソシアネート基含有単量体とイソシアネート基を有しない単量体との共重合体等が挙げられる。
【0058】
イソシアネート基含有単量体としては、重合反応に共されないイソシアネート基を有し、かつ単独重合またはイソシアネート基を有しない単量体との共重合が可能であれば、特に制限されないが、イソシアネート基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有する単量体を用いることが好ましい。
【0059】
イソシアネート基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有する単量体(以下、単に単量体(D)という)としては、例えば、以下の一般式;
【0060】
【化18】
Figure 0003799890
で表される化合物等が挙げられ、好ましくは
【0061】
【化19】
Figure 0003799890
で表される化合物等が挙げられる。
【0062】
上記式中において、R11基は、イソシアネート基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、好ましくは炭素数が2以上、より好ましくは3以上である。R2基、R3基およびR4基は前記のR2基、R3基およびR4基と同様である。
【0063】
11基は、イソシアネート基を少なくともR11基の主鎖の末端に有せば、いかなる置換基を有していてよい。
【0064】
11基が有しても良い置換基としては、いかなる置換基であってよく、例えば、炭素数1以上、好ましくは2以上のアルキル基等が挙げられる。また、R11基は1またはそれ以上の上記置換基を有していてよく、2以上の上記置換基を有する場合、当該「2以上の上記置換基」はそれぞれ独立して選択されることを妨げるものではない。
【0065】
11基としては、例えば、以下の一般式;
【化20】
Figure 0003799890
で表されるアルキル基等が挙げられ、これらの中で好ましい具体例として、
【0066】
【化21】
Figure 0003799890
で表されるアルキル基等が挙げられる。
【0067】
上記式中において、vは1以上、好ましくは2以上の整数であり、wは1以上、好ましくは2以上の整数であり、kは2以上、好ましくは3以上の整数である。
【0068】
以上のような単量体(D)の好ましい具体例として、
【化22】
Figure 0003799890
等が挙げられる。また、単量体(D)は2種以上組み合わせて用いてよい。
【0069】
イソシアネート基を有しない単量体としては、前記のフッ素樹脂における「他の単量体」として例示した(メタ)アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニル系モノマーと同様の化合物等が挙げられる。
【0070】
イソシアネート基含有樹脂としてイソシアネート基およびアミノ基を有する樹脂を用いてもよい。このような樹脂を用いることによって、耐スペント性向上の効果だけでなく、キャリアに適正な正帯電性を保持させることができ、負帯電性トナーと混合させて帯電性および耐久性に優れた現像剤を提供できるという優れた効果が得られる。
【0071】
イソシアネート基およびアミノ基を有する樹脂としては、特に制限されず、例えば、イソシアネート基およびアミノ基を有する(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂およびポリエステル系樹脂等が挙げられる。詳しくは、イソシアネート基およびアミノ基を有する単量体の単独重合体、イソシアネート基含有単量体とアミノ基含有単量体との共重合体、イソシアネート基およびアミノ基を有する単量体とイソシアネート基およびアミノ基を有しない単量体との共重合体、イソシアネート基含有単量体とアミノ基含有単量体とイソシアネート基およびアミノ基を有しない単量体との共重合体等が挙げられる。
【0072】
イソシアネート基およびアミノ基を有する単量体としては、重合反応に共されないイソシアネート基およびアミノ基を有し、かつ単独重合またはイソシアネート基およびアミノ基を有しない単量体との共重合が可能であれば、特に制限されないが、イソシアネート基およびアミノ基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有する単量体を用いることが好ましい。
【0073】
イソシアネート基およびアミノ基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有する単量体(以下、単に単量体(E)という)としては、例えば、以下の一般式;
【0074】
【化23】
Figure 0003799890
で表される化合物等が挙げられ、好ましくは
【0075】
【化24】
Figure 0003799890
で表される化合物等が挙げられる。
【0076】
上記式中において、R12基は、イソシアネート基およびアミノ基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、好ましくは炭素数が2以上、より好ましくは3以上である。R2基、R3基およびR4基は前記のR2基、R3基およびR4基と同様である。
【0077】
12基は、イソシアネート基およびアミノ基を少なくともR12基の主鎖の末端に有せば、いかなる置換基を有していてよい。
【0078】
12基が有しても良い置換基としては、いかなる置換基であってよく、例えば、炭素数1以上、好ましくは2以上のアルキル基等が挙げられる。また、R12基は1またはそれ以上の上記置換基を有していてよく、2以上の上記置換基を有する場合、当該「2以上の上記置換基」はそれぞれ独立して選択されることを妨げるものではない。
【0079】
12基としては、例えば、以下の一般式;
【化25】
Figure 0003799890
で表されるアルキル基等が挙げられ、これらの中で好ましい具体例として、
【0080】
【化26】
Figure 0003799890
で表されるアルキル基等が挙げられる。
【0081】
上記式中において、hは0〜以上、好ましくは1以上の整数であり、iは0以上、好ましくは1以上の整数であり、jは0以上、好ましくは1以上の整数である。a、bおよびcはそれぞれ独立して1以上、好ましくは2以上の整数である。
【0082】
以上のような単量体(E)の好ましい具体例として、
【化27】
Figure 0003799890
等が挙げられる。また、単量体(E)は2種以上組み合わせて用いて良い。
【0083】
イソシアネート基含有単量体およびアミノ基含有単量体としては前記と同様の単量体を例示することができる。
【0084】
イソシアネート基およびアミノ基を有しない単量体としては、前記のフッ素樹脂における「他の単量体」として例示した(メタ)アクリル系モノマー、スチレン系モノマー、ビニル系モノマーと同様の化合物等が挙げられる。
【0085】
上記イソシアネート基含有樹脂の重合方法は上記のフッ素樹脂の重合方法と同様の方法を採用することができる。。
【0086】
また、イソシアネート基含有樹脂の使用量はキャリアの帯電性、フッ素樹脂における単量体(A)および単量体(B)の割合等に依存して適宜選択されるため一概に規定できないが、一般にはキャリア樹脂に対して0〜60重量%、好ましくは0〜30重量%であることが望ましく、キャリア樹脂を構成する単量体総重量に対するイソシアネート基含有単量体の重量割合が60重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下であるような量であることがより望ましい。
【0087】
キャリア樹脂としてフッ素樹脂とイソシアネート基含有樹脂との混合樹脂を用いる場合、当該混合樹脂を構成する単量体(A)の割合x(重量%)、単量体(B)の割合y(重量%)、およびイソシアネート基含有樹脂の割合z2(重量%)が以下の関係式;
x<y+z2
を満たすとき、当該キャリアは適正な正帯電性を保持することができ、負帯電性トナーと混合させて帯電性および耐久性により優れた現像剤を提供することができる。混合樹脂を構成する単量体(A)の割合xおよび単量体(B)の割合yはそれぞれ、混合樹脂を構成する単量体総重量に占める単量体(A)および単量体(B)の使用割合を意味する。また、混合樹脂を構成するイソシアネート基含有樹脂の割合z2は混合樹脂を構成する樹脂総重量に占めるイソシアネート基含有樹脂の使用割合を意味する。なお、混合樹脂を構成する単量体総重量と樹脂総重量は変わらないものとする。
【0088】
また、上記の場合であって、上記のx(重量%)、y(重量%)およびz2(重量%)が以下の関係式;
x>y+z2
を満たすとき、当該キャリアは負帯電性を保持することができ、正帯電性トナーと混合させて用いることができる。
【0089】
また、本発明において前記のフッ素樹脂は、上記のアミノ基含有樹脂およびイソシアネート基含有樹脂以外の他の樹脂と混合して用いてもよい。他の樹脂としては、電子写真の分野で従来からキャリア樹脂として用いられている公知のいかなる樹脂も使用可能であり、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。他の樹脂の使用量についてはキャリア樹脂総重量に対して60重量%以下、好ましくは30重量%以下であることが望ましい。
【0090】
本発明のキャリアは少なくとも以上のようなキャリア樹脂および磁性粉からなり、所望により抵抗調整剤、無機微粒子等をさらに含んでなる。
【0091】
磁性粉としては、電子写真の分野で従来から公知のいかなる磁性粉も用いることができ、例えば、マグネタイト、フェライト、鉄粉等が挙げられる。磁性粉の平均一次粒径は0.1〜200μm、好ましくは0.1〜100μmであることが望ましい。磁性粉の使用量は特に制限されず、キャリア構成および現像プロセスに依存して適宜設定される。
【0092】
キャリアを正荷電性にする場合には、磁性粉は3級アミン化合物により表面処理されていることが好ましい。磁性粉を3級アミン化合物により表面処理して用いることにより、より長期にわたって本発明の効果を得ることができる。また、3級アミン化合物で表面処理された磁性粉を用いることにより、キャリアに適正な正荷電性を保持させることができ、良好な負荷電性トナーとの組み合せの現像剤を提供することが可能となる。
【0093】
表面処理は、磁性粉と3級アミン化合物を、圧力を加えて混合(圧密処理)した後、乾燥し、解砕することにより達成することができる。3級アミン化合物としては、例えば、ジメチルべへニル、ジメチルオクタデシル等が挙げられる。
【0094】
所望により添加される抵抗調整剤としては、例えばカーボンブラック、帯電制御剤等が挙げられる。このように抵抗調整剤を添加することによってトナーや現像条件に対して適正な抵抗調整が可能となる。帯電制御剤としては、電子写真の分野で従来から公知のいかなる帯電制御剤も用いることができ、例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系化合物、4級アンモニウム塩系化合物、サリチル酸金属錯体、含金アゾ染料、カリックスアレン化合物、含ホウ素化合物等が挙げられる。抵抗調整剤はキャリア樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部用いることが望ましい。
【0095】
無機微粒子としては、公知の無機微粒子を使用することができ、例えば、シリカ、二酸化チタン、アミルナ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、マグネタイト粒子、二硫化モリブデン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等が挙げられる。このように無機微粒子を添加することによって製造性が向上する。無機微粒子はキャリア樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部用いることが望ましい。
【0096】
また、本発明のキャリアは少なくとも上記フッ素樹脂および磁性粉からなっていれば、いかなる構成を有していてよく、例えば、磁性粉を樹脂中に分散してなる構成(バインダー型)、磁性粉を樹脂でコートしてなる構成(コート型)、または磁性粉をキャリア母材表面に固着してなる構成(表面固着型)を有していて良い。
【0097】
本発明のキャリアが磁性粉をキャリア樹脂中に分散してなる構成を有するとき、本発明のバインダー型キャリアは公知のバインダー型キャリアの製造方法と同様にして調製することができる。本発明のバインダー型キャリアは、例えば、上記のキャリア樹脂および磁性粉、ならびに所望によりカーボンブラック、帯電制御剤、無機微粒子を十分混合し、溶融混練した後、粗粉砕および微粉砕を行い、所望により分級して得ることができる。分級後、得られたキャリアを表面改質処理に供しても良い。
【0098】
バインダー型キャリアの平均粒径は10〜100μm、好ましくは20〜80μmであることが望ましい。バインダー型キャリアの製造に使用される磁性粉について、使用量はキャリア樹脂100重量部に対して200〜800重量部、好ましくは300〜700重量部であることが特に望ましい。本発明のバインダー型キャリアの製造方法としては、噴霧装置による噴霧冷却固化等を使用することもできる。
【0099】
キャリアがバインダー型であるとき、キャリア樹脂として、上記フッ素樹脂を単独で用いるか、または上記のフッ素樹脂とアミノ基含有樹脂との混合樹脂を用いることがより好ましい。
【0100】
本発明のキャリアが磁性粉をキャリア樹脂でコートしてなる構成を有するとき、本発明のコート型キャリアは公知のコート型キャリアの製造方法と同様にして調製することができる。本発明のコート型キャリアは、例えば、磁性粉をキャリア樹脂でコートすることによって得ることができる。すなわち、本発明のコート型キャリアは、例えば、上記キャリア樹脂および所望によりカーボンブラック、帯電制御剤、無機微粒子を溶剤に溶解、分散してコート溶液を調製し、当該コート溶液を塗布器により磁性粉に噴霧し、乾燥後、解砕することにより得ることができる。塗布器としては、特に制限されないが、スピラコータ(岡田精工社製)等が使用可能である。また、本発明のコート型キャリアは上記コート溶液および他の器具を用いることによっても得ることができる。他の器具としては、流動床、スプレードライヤー、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー等が使用可能である。
【0101】
コート型キャリアの平均粒径は10〜100μm、好ましくは20〜80μmであることが望ましい。コート型キャリアの製造に使用されるコート樹脂について、使用量は磁性粉(芯材)100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部であることが特に望ましい。
【0102】
キャリアがコート型であるとき、キャリア樹脂として、上記フッ素樹脂を単独で用いるか、または上記のフッ素樹脂とイソシアネート基含有樹脂との混合樹脂を用いることがより好ましい。キャリア樹脂としてフッ素樹脂とイソシアネート基含有樹脂との混合樹脂を用いるとき、コート型キャリア製造工程における乾燥時に100〜600℃まで加熱して硬化させることがさらに好ましい。硬化によりイソシアネート基含有樹脂のイソシアネート基とフッ素樹脂の水酸基が反応すると考えられる。このような反応によってキャリア樹脂は硬化し、コート樹脂の結着性がより向上し、コート樹脂のハガレが発生しにくくなる。
【0103】
本発明のキャリアが磁性粉をキャリア母材表面に固着してなる構成を有するとき、本発明の表面固着型キャリアは、一旦、キャリア母材を得た後、当該母材表面に磁性粉を固着させることによって得ることができる。ここで固着とは磁性粉粒子の一部がキャリア母材に埋没し、磁性粉粒子がキャリア母材と一体化されることをいう。本発明の表面固着型キャリアは、例えば、上記のキャリア樹脂、および所望によりカーボンブラック、帯電制御剤、無機微粒子を用いて、上記のバインダー型キャリアの製造方法と同様にして、一旦、キャリア母材を得た後、これに磁性粉を添加し、加熱型混合機により混合処理等を行うことによって得ることができる。表面固着型キャリアにおいては、磁性粉が固着されるキャリア母材中にも磁性粉を含有させてもよい。本発明においてはこのように磁性粉をキャリア母材に固着させても、キャリア母材主成分である上記のキャリア樹脂と磁性粉との結着性が良好であるため、遊離は顕著に起こりにくい。
【0104】
以上のような本発明のキャリアはトナーと混合され、2成分現像剤として使用され得る。本発明のキャリアと混合されるトナーは公知のいかなるトナーであってよく、すなわち、正帯電性トナーまたは負帯電性トナー、黒色トナーまたはフルカラートナー、磁性トナーまたは非磁性トナーいずれであってもよい。トナーとしてフルカラートナーを用いることにより本発明の効果をより有効に得ることができる。一般にフルカラートナーはトナー消費量が比較的多いため、従来のキャリアを用いた場合、トナー及びトナー成分がキャリア表面に付着(スペント)して帯電性低下の問題が顕著に起こるが、本発明のキャリアを用いることにより、このような問題を長期にわたって回避することができるためである。
【0105】
本発明のキャリアとともに使用されるトナーは少なくともトナーバインダー樹脂および着色剤を含み、所望により荷電制御剤、オフセット防止剤(ワックス)、磁性粉を含む。トナーバインダー樹脂、着色剤、荷電制御剤、ワックス、磁性粉としては従来から電子写真用トナーの分野で使用されている公知のいかなる材料も使用可能である。また、トナー体積平均粒径は1〜20μm、好ましくは3〜15μm、より好ましくは6〜13μmであることが望ましい。
【0106】
本発明のキャリアとトナーとの混合重量比(キャリア/トナー)は特に制限されないが、97/3〜80/20が好適である。好ましくは、キャリアがバインダー型である場合は95/5〜80/20、キャリアが表面固着型またはコート型である場合は97/3〜85/15である。
【0107】
以上のような本発明のキャリアを用いた2成分現像剤は、適正なトナー帯電性が長期間に渡って維持され、画像の劣化が少なく、耐久性および帯電性に優れている。
【0108】
また、本発明においては、上記のキャリア樹脂、特にフッ素樹脂を溶媒中に溶解し、現像ローラー、詳しくは2成分現像用現像装置に用いられる剛性体の現像ローラーや1成分現像用現像装置に用いられる弾性体の現像ローラーにコートしてもよい。さらに、2成分現像用現像装置に用いられる剛性体のドクターブレードや1成分現像用現像装置に用いられる弾性体のドクターブレードにコートしてもよい。このように、現像ローラーやブレード等の部材に上記フッ素樹脂をコートすることによって、上記部材へのトナー粒子の融着を防止したり、帯電性を向上させることができる。
【0109】
本発明を以下の実施例によりさらに詳しく説明する。なお、特記しない限り「部」は「重量部」を意味するものとする。
【0110】
【実施例】
実験例1(バインダー型キャリア)
(フッ素樹脂の製造例)
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えたガラスフラスコにγ−ジトリフルオロメチルプロピルメタクリレート20部、β−ヒドロキシエチルメタクリレート30部およびメチルイソブチルケトン250部を仕込み、窒素ガス気流中、還流下に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1部と、分子量調整剤としてラウリルメルカプタン0.2部を添加した後、6時間還流し重合を完結させ、実施例1で用いるフッ素樹脂を得た。また、γ−ジトリフルオロメチルプロピルメタクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレートおよびγ−トリフルオロメチルブチルメタクリレートを表1に示した使用量(部)で用いたこと以外、上記の実施例1のフッ素樹脂の製造方法と同様にして、実施例2〜8および比較例1〜8のフッ素樹脂を得た。なお、比較例4においてはフッ素樹脂を用いなかったため、比較例4のフッ素樹脂は調製しなかった。
【0111】
(アミノ基含有樹脂)
β−アミノエチルメタクリレートとスチレンの共重合体(β−アミノエチルメタクリレート樹脂)を実施例および比較例で共通して用いるアミノ基含有樹脂として用いた。
【0112】
(磁性粉AおよびBの製造例)
マグネタイト(RB−BL;チタン工業社製、平均一次粒径0.2μm)を磁性粉Bとして用いた。
磁性粉B(粒径0.2μm)100部に対して、ジメチルべへニルを1.0部を仕込み、予備攪拌後、圧密処理を行い、表面にアミン化合物を被覆した磁性粉Aを製造した。
【0113】
(キャリアの製造例)
実施例1
上記の実施例1のフッ素樹脂50部、上記アミノ基含有樹脂50部および磁性粉500部に加えて、添加剤としてカーボンブラック(キャボット社製;REGAL330)2部、シリカ(ワッカー社製;H3004F)1.5部を加えて、混合(ヘンシェルミキサー)、溶融混練(PCM−30;池貝鉄工(株)社製)、粉砕(IDS−2型;日本ニューマチック社工業(株)社製)、分級(MS−1型;ホソカワミクロン(株)社製)、加熱処理(SFS−2型;日本ニューマチック工業(株)社製)を行い、平均粒径60μmのキャリアを作製した。
【0114】
実施例2〜8および比較例1〜8
それぞれの実施例または比較例のフッ素樹脂および上記アミノ基含有樹脂を表記した使用量で用いたこと以外、実施例1と同様にして、平均粒径60μmのキャリアを作製した。
【0115】
実施例および比較例の製造条件を、得られたフッ素樹脂の数平均分子量とともに以下の表に示す。
【表1】
Figure 0003799890
【0116】
Figure 0003799890
上記成分を十分混合した後、ベント2軸混練装置により140℃で溶融混練し、この混練物を冷却させた後、フェザーミルで粗粉砕し、さらに、ジェット粉砕機で微粉砕し、その後、風力分級して体積平均粒径が9μmの黒色微粉末を得た。そして、この黒色微粉末100部に対して、疎水性シリカ(ヘキストジャパン社製;H−2000)を0.3部添加し、これをヘンシェルミキサー(三井三池化工機社製)により1000rpmで1分間処理して負帯電性トナーを得た。ここで得られたトナーを、トナーaとする。
【0117】
Figure 0003799890
上記成分をトナーaの製造例と同様の方法で、体積平均粒径11μmの黒色微粉末を得た。この黒色微粉末100部に対し、疎水性シリカ(日本アエロジル社製;R972)を0.3部添加し、ヘンシェルミキサーにより1000rpmで1分間処理して正帯電性トナーを得た。ここで得られたトナーをトナーbとする。
【0118】
(現像剤1〜20の調製)
各実施例および比較例で得られたキャリアと上記トナーを重量比(キャリア:トナー)94:6で表2に示すように組み合せて、現像剤を調製した。その現像剤をロールミルを用いて1時間混合して作製した。現像剤11および12は比較例1のキャリアが製造できなかったので、現像剤としても存在しない。
【0119】
【表2】
Figure 0003799890
【0120】
(評価)
得られた現像剤を用いて耐刷し、以下に従って画像上のカブリと磁性粉の遊離状態について評価した。なお、トナーaを使用した現像剤の場合には、ミノルタ社製複写機Di−30を用いて、N/N環境下(25℃/50%)でB/W比15%の画像を3万枚耐刷し、1万枚耐刷後、2万枚耐刷後および3万枚耐刷後において評価した。一方、トナーbを使用した現像剤の場合には、ミノルタ社製複写機EP−9765を用いて、N/N環境下(25℃/50%)でB/W比15%の画像を5万枚耐刷し、1万枚耐刷後、3万枚耐刷後および5万枚耐刷後において評価した。
【0121】
(画像上のカブリ)
画像上のカブリをルーペで観察し、以下に従ってランク付けした。
◎;ほとんど発生していない;
○;わずかに発生しているが気にはならないレベル(実用上問題なし);
△;目視で見えているため実用上問題のあるレベル;
×;画像一面に出ている許容できないレベル。
【0122】
(磁性粉の遊離状態)
各耐刷時において現像剤を取り出し、当該現像剤を電子顕微鏡で観察し、以下に従ってランク付けした。
◎;磁性粉がほとんど遊離していない;
○;1粒子中に磁性粉が2〜3個遊離しているキャリアが数個存在するレベル(実用上問題なし);
△;1粒子中に磁性粉が2〜3個遊離しているキャリアが多数存在するレベル(実用上問題あり);
×;1粒子中に磁性粉が多数遊離しているキャリアが多数存在するレベル;
【0123】
【表3】
Figure 0003799890
【0124】
【表4】
Figure 0003799890
【0125】
実験例2(コート型キャリア)
(フッ素樹脂の製造例)
攪拌装置、コンデンサー、温度計を備えたガラスフラスコにγ−ジトリフルオロメチルプロピルメタクリレート20部、β−ヒドロキシエチルメタクリレート30部、およびメチルイソブチルケトン250部を仕込み、窒素ガス気流中、還流下に、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1部と、分子量調整剤としてラウリルメルカプタン0.2部を添加した後、6時間還流し重合を完結させ、実施例9で用いるフッ素樹脂を得た。また、γ−ジトリフルオロメチルプロピルメタクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、およびγ−トリフルオロメチルブチルメタクリレートを表5に示した使用量(部)で用いたこと以外、上記の実施例9のフッ素樹脂の製造方法と同様にして、実施例10〜16および比較例9〜16のフッ素樹脂を得た。なお、比較例12においてはフッ素樹脂を用いなかったため、比較例12のフッ素樹脂は調製しなかった。
【0126】
(イソシアネート基含有樹脂)
β−イソシアネートエチルメタクリレートとスチレンの共重合体(β−イソシアネートエチルメタクリレート樹脂)、またはβ−アミノ−β−イソシアネートエチルメタクリレートとスチレンの共重合体(β−アミノ−β−イソシアネートエチルメタクリレート樹脂)をイソシアネート基含有樹脂として用いた。
【0127】
(キャリアの製造例)
実施例9
上記の実施例9のフッ素樹脂15gおよび上記β−イソシアネートエチルメタクリレート樹脂15gを、アセトン−メチルエチルケトン500gに溶解し、コート樹脂溶液を調製した。この溶液と平均粒径50μmの球形鉄粉を用いて、スピラコーター(岡田精工社製)で樹脂をコートし、乾燥時に500℃まで加熱して樹脂コートキャリアを作製した。
【0128】
実施例10〜16および比較例9〜16
それぞれの実施例または比較例のフッ素樹脂および上記イソシアネート基含有樹脂を表記した使用量で用いたこと以外、実施例9と同様にして、樹脂コートキャリアを作製した。
【0129】
実施例および比較例の製造条件を、得られたフッ素樹脂の数平均分子量とともに以下の表に示す。
【表5】
Figure 0003799890
【0130】
(現像剤21〜36の調製)
各実施例および比較例で得られたキャリアと、実験例1で用いたトナー(トナーaまたはb)を重量比(キャリア:トナー)94:6で表6に示すように組み合せて、現像剤を調製した。その現像剤をロールミルを用いて1時間混合して作製した。
【0131】
【表6】
Figure 0003799890
【0132】
(評価)
得られた現像剤を用いて耐刷し、以下に従って画像上のカブリとコート層の剥離状態について評価した。なお、トナーaを使用した現像剤の場合には、ミノルタ社製複写機Di−30を用いて、N/N環境下(25℃/50%)でB/W比15%の画像を3万枚耐刷し、1万枚耐刷後、2万枚耐刷後および3万枚耐刷後において評価した。一方、トナーbを使用した現像剤の場合には、ミノルタ社製複写機EP−9765を用いて、N/N環境下(25℃/50%)でB/W比15%の画像を5万枚耐刷し、1万枚耐刷後、3万枚耐刷後および5万枚耐刷後において評価した。
【0133】
(画像上のカブリ)
実験例1の「画像上のカブリ」の評価方法と同様にしてランク付けした。
(コート層の剥離状態)
各耐刷時において現像剤を取り出し、当該現像剤を電子顕微鏡で観察し、以下に従ってランク付けした。
◎;コート層がほとんど剥離していない;
○;コート層がわずかに剥離しているキャリアが数個存在するレベル(実用上問題なし);
△;コート層が半分程剥離しているキャリアが数個存在するレベル(実用上問題あり);
×;コート層が半分程剥離しているキャリアが多数存在するレベル;
【0134】
【表7】
Figure 0003799890
【0135】
【表8】
Figure 0003799890
【0136】
【発明の効果】
本発明により、キャリアおよび当該キャリアを用いた現像剤において、長期間に渡って適正な帯電性を維持でき、画像の劣化が少なく、耐久性、耐スペント性および帯電性が向上するという優れた効果が得られる。

Claims (8)

  1. 少なくとも樹脂および磁性粉からなり、樹脂が、パーフルオロアルキル基からなる第2級または第3級アルキル基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、フッ素原子、アルキル基、フルオロアルキル基もしくはパーフルオロアルキル基から選択される置換基を有していてもよいアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(A)および水酸基を少なくとも末端に有するアルキル基であって、置換基を有していてもよいアルキル基を有するエチレン性不飽和単量体(B)が共重合してなる数平均分子量5000〜20000のフッ素樹脂を含むことを特徴とするキャリア。
  2. 樹脂がフッ素樹脂とアミノ基含有樹脂および/またはイソシアネート基含有樹脂との混合物であることを特徴とする請求項1に記載のキャリア。
  3. 樹脂がフッ素樹脂とイソシアネート基含有樹脂との混合樹脂であり、該混合樹脂を構成するエチレン性不飽和単量体(A)の割合x(重量%)、エチレン性不飽和単量体(B)の割合y(重量%)およびイソシアネート基含有樹脂の割合z(重量%)が以下の関係式;
    x<y+z
    を満たすキャリアであって、負帯電性トナーと混合して使用されることを特徴とする請求項1または2に記載のキャリア。
  4. 樹脂がフッ素樹脂とイソシアネート基含有樹脂との混合樹脂であり、該混合樹脂を構成するエチレン性不飽和単量体(A)の割合x(重量%)、エチレン性不飽和単量体(B)の割合y(重量%)およびイソシアネート基含有樹脂の割合z(重量%)が以下の関係式;
    x>y+z
    を満たすキャリアであって、正帯電性トナーと混合して使用されることを特徴とする請求項1または2に記載のキャリア。
  5. 磁性粉が3級アミン化合物により表面処理されていることを特徴とする請求項1〜いずれかに記載のキャリア。
  6. 磁性粉が樹脂中に分散されてなる請求項1〜いずれかに記載のキャリア。
  7. 磁性粉が樹脂でコートされてなる請求項1〜いずれかに記載のキャリア。
  8. 請求項1〜いずれかに記載のキャリアと負または正帯電性トナーからなる現像剤。
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