JP2007322662A - 電子写真用二成分現像剤及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともトナーとキャリアとを含む電子写真用二成分現像剤である。前記トナーは、結着樹脂、着色剤、及び外添剤を含有してなり、該トナーを30℃/80%RHの環境に24時間放置したときの水分率が0.4%以下である。前記キャリアの核体が磁性体粒子の場合には、通気量5ml/min、回転翼の先端スピード50mm/sec、回転翼の進入角度−10°の条件で、パウダーレオメーターによって測定したとき、キャリアのトータルエネルギー量が1420〜2920mJであり、核体が磁性粉分散粒子の場合には、同条件で測定したときのキャリアのトータルエネルギー量が、890〜1390mJである。更に、前記電子写真用二成分現像剤を適用した画像形成装置である。
【選択図】なし
Description
特に、キャリアについては、パウダーレオメーターを用いて、通気量5ml/min、回転翼の先端スピード50mm/sec、回転翼の進入角度−10°で測定したときのトータルエネルギー量が特定の範囲内にあるときに、トナーについては、30℃/80%RHの環境に24時間放置したときの水分率が0.4%以下であるときに、現像器内での現像剤溜まりを生じさせないので、現像剤が現像器から噴出さず、カブリの発生も抑えられ、高画質な画像を安定して得られることが明らかとなった。
したがって、本発明は以下の通りである。
前記トナーは結着樹脂、着色剤、及び外添剤を含有し、該トナーを30℃/80%RHの環境に24時間放置したときの水分率が0.4%以下であり
前記キャリアは少なくとも、核体としての磁性体粒子と該磁性体粒子の表面を被覆する被覆層とを有し、該キャリアは、通気量5ml/min、回転翼の先端スピード50mm/sec、回転翼の進入角度−10°の条件でパウダーレオメーターによって測定したときのトータルエネルギー量が、1420〜2920mJであることを特徴とする電子写真用二成分現像剤である。
前記トナーは結着樹脂、着色剤、及び外添剤を含有し、該トナーを30℃/80%RHの環境に24時間放置したときの水分率が0.4%以下であって、
前記キャリアは少なくとも、核体としての磁性粉分散粒子を有し、該キャリアは、通気量5ml/min、回転翼の先端スピード50mm/sec、回転翼の進入角度−10°の条件でパウダーレオメーターによって測定したときのトータルエネルギー量が、890〜1390mJであることを特徴とする電子写真用二成分現像剤である。
このため、現像器内で現像剤溜りが形成されることなく、現像器内の現像剤は攪拌されることから、安定した出力画像を得ることができる。また、透磁率センサーを有する現像器においても、透磁率センサーは正しい透磁率、すなわち正確なトナー濃度を測定することができ、実状に即したトナー制御を行うことができる。このため、現像器内のトナー濃度は安定し、安定した出力画像を得ることができる。
なお、本発明にかかるキャリアを適用することで、トナーの水分率を低下させたことによる現像剤の噴出しや画像カブリの発生を抑えることもできる。
粒子の流動性を測定する場合、液体や固体、或いは気体の流動性を測定する場合よりも、多くの要因から影響を受けるため、粒径や表面粗さ等の従来用いられているパラメータでは、正確な粒子の流動性を特定することが困難である。また、流動性を特定するための測定すべき因子(例えば、粒径等)を決定しても、実際にはその因子は流動性に与える影響が少ない場合や、他の因子との組み合わせによってのみその因子を測定する意義が発生する場合もあり、測定因子を決定することでさえ困難である。
更に、粉体の流動性は、外的環境要因によっても著しく異なる。例えば、液体であれば、測定環境が変動しても、流動性の変動幅は然程大きくはないが、粒子の流動性については、湿度や流動させる気体の状態等の外的環境要因によって大きく変動する。このような外的環境要因がいずれの測定因子に影響を与えるかは明確にはされていないため、厳密な測定条件下で測定しても、得られる測定値の再現性に乏しいのが実際である。
つまり、パウダーレオメーターによって得られる値で流動性を特定する方法は、従来の方法に比べて、簡便かつ正確で、信頼性も高い。
核体が磁性粉分散粒子であるキャリアにおいて、パウダーレオメーターの上記測定値が890mJより低い場合、摩擦効果が低く、トナーを十分に帯電させることができない。一方、1390mJを超える値となる場合は、キャリアの流動性が低くなり、現像剤溜りやトナー同士の凝集を防止できない。より好ましくは、上記測定値は、990〜1290mJの範囲であり、更に好ましくは1090〜1190mJの範囲である。
それぞれの具体的なキャリアの構成については、後述する。
パウダーレオメーターは、充填した粒子中を回転翼が螺旋状に回転することによって得られる回転トルクと垂直荷重とを同時に測定して、流動性を直接的に求める流動性測定装置である。回転トルクと垂直荷重の両方を測定することで、粉体自身の特性や外部環境の影響を含めた流動性について、高感度に検出することができる。また、粒子の充填の状態を一定とした上で測定を行うため、再現性の良好なデータを得ることができる。
キャリアを充填した後、充填されたキャリアを穏やかに攪拌することによりサンプルの均質化をおこなう操作を実施する。この操作を以下ではコンディショニングと呼ぶことにする。
このとき、プロペラ型の回転翼が、回転と同時に下方向にも運動するので先端はらせんを描くことになり、このときのプロペラ先端が描くらせん経路の角度を進入角度と呼ぶ。
また、本発明では、誤差による影響を少なくするため、このコンディショニングとエネルギー測定操作のサイクルを5回行って得られた平均値を、本発明で定義するトータルエネルギー量(mJ)とする。
トナー中の水分率は、30℃/80%RHの環境に24時間放置したトナーをカールフィッシャー滴定装置を用いて、定電圧分極電圧滴定法によって測定したものである。
例えば、三菱化成社製の容量滴定式水分測定装置KF−06型によって測定することができる。すなわち、マイクロシリンジで、純水を10μl精秤し、この水を除去するのに必要な試薬滴定量より、カールフィッシャー試薬1ml当りの水分(mg)を算出する。次に、測定サンプルを100〜200mg精秤し、測定フラスコ内で5分間マグネチックスターラーにより十分分散させる。分散後、測定を開始し、滴定に要したカールフィッシャー試薬の滴定量(ml)を積算して下記式により水分量および水分率を算出し、その水分率でカールフィッシャー水分量を表したものである。
水分量(mg)=試薬消費量(ml)×試薬力価(mgH2O/ml)
水分率(%)=〔水分量(mg)/サンプル量(mg)〕×100
本発明のキャリアは、上記に該当するものであれば、特に限定されない。なお、本発明では、トナーの水分率が従来のトナーに比べて低く抑えられているため、トナー同士の凝集が起こりやすくなっている。このトナー同士の凝集を発生させないようにするために、本発明にかかるキャリアは、従来のキャリアに比べて流動性が高いものとなっている。
上記トータルエネルギー量の数値範囲を実現するキャリアとしては、キャリア粒子の粒径分布が充分小さいもの、或いは、キャリア核体表面の被覆層が低摩擦化可能な素材で形成されているもの、キャリアの形状がより真球に近いもの等を挙げることができ、これらを単独で、或いは組み合わせて適用する。
第一の態様のキャリアにおいて、核体の材質としては、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類元素等との合金(例えば、ニッケル−鉄合金、コバルト−鉄合金、アルミニウム−鉄合金等)、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等を挙げることができるが、現像方式として磁気ブラシ法を用いる観点からは磁性体粒子であることが望ましい。
本発明においてキャリアの芯材としては例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類等との合金、及びフェライト、マグネタイトなどの磁性酸化物等があげられるが、例えば芯材表面制御の容易性、芯材抵抗制御の容易性の観点からマンガン、リチウム、ストロンチウム、マグネシウム、亜鉛、銅等が一部の鉄成分に代わって配位したフェライトなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。なおこれらのフェライトの鉄以外の成分が一部添加されている場合を、たとえば銅(Cu)、亜鉛(Zn)であればCu−Znのフェライトと記載する場合がある。
第一の態様のキャリアにおける核体の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を用いて測定された値をいう。得られた粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、小粒径側から体積累積分布を引いて、全核体に対して累積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。
特に、上記粒径分布を有するキャリア核体とするには、風力分級機の方法を用いることが好ましく、この方法において微粉/粗粉を同時に取り除くことが特に好ましい。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
フッ素樹脂としては、フッ化ポリオレフィン、フルオロアルキル(メタ)アクリレート重合体及び/又は共重合体、フッ化ビニリデン重合体及び/又は共重合体及びこれらの混合物等を挙げることができ、フッ素樹脂を形成するためのフッ素を含有する単量体としては、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロ(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートなど、フッ素を含有するフルオロアルキル(メタ)アクリレート系単量体が好適である。但し、これらに限定されるものではない。
前記樹脂微粒子としては、例えば、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂粒子等が挙げられる。その中でも、硬度を上げることが比較的容易な熱硬化性樹脂が好適であり、また、トナーに負帯電性を付与するためには、窒素原子を含有する樹脂粒子を用いることが好ましい。なお、これらの樹脂粒子は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂微粒子は、乳化重合、懸濁重合等の重合を利用して粒状化された樹脂粒子を製造する方法や、モノマーもしくは、オリゴマーを溶媒中に分散して架橋反応を進行させながら粒状化して、樹脂粒子を製造する方法、低分子成分と、架橋剤とを溶融混錬等により混合反応させた後、風力、機械力等により、所定の粒度に粉砕して、樹脂粒子を製造する方法等によって製造することができる。
前記導電性微粉末子としては、例えば、金、銀、銅のような金属;カーボンブラック;更に酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム粉末等の金属酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を、酸化錫、カーボンブラック、または金属で覆った微粉末;等を挙げることができる。これらは、単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。導電性微粉末として金属酸化物を用いると、帯電性の環境依存性をより低減できるので好ましく、特に酸化チタンが好ましい。
さらに、得られたカップリング剤で処理された導電性微粉末から、凝集体を除去するために、必要に応じて、解砕機で解砕してもよい。解砕機としては、ピンミル、ディスクミル、ハンマーミル、遠心分級型ミル、ローラミル、ジェットミル等の公知の解砕機を使用でき、特に、ジェットミルが好ましい。用いられるカップリング剤としてはシランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤など公知のものを使用することができる。
中でも、シランカップリング剤、特にメチルトリメトキシシラン処理された導電性微粉末を用いると帯電の環境安定性に特に効果的である。
導電性微粉末の個数平均粒径が0.5μmを超えると、被覆樹脂層からの脱落が生じ易く、安定した帯電性が得られない場合があるため好ましくない。
常温常湿下で、導電性微粉末を2×10−4m2の断面積を有する容器に厚み約1mm程度になるように充填し、その後、充填した導電性微粉末上に、金属製部材により、1×104kg/m2の荷重をかける。該金属製部材と、容器の底面電極との間に106V/mの電界が生じる電圧を印加し、その際の電流値から算出した値を体積電気抵抗値とする。
被覆層でコーティングしたキャリア2g、トルエン20mlを100mlビーカーに投入し、超音波洗浄器(Sharp製:UT−105)に出力100%で10分間処理した後、キャリアを磁石でビーカー下部に固定した状態で上澄液を取り除く。この処理を3回繰り返した後、キャリアを乾燥させて重量を測定し、初期の重量からの減量分を求め、この減量分を被覆量とする。
形状係数SF1は100に近づくほど真球となる。キャリアの形状係数SF1が大きくなるほど、形状の歪によってキャリアどうしの衝突によって流動性が低くなる。そのため、形状係数SF1の平均値が130を超えると、上記トータルエネルギー量が、上限値を超えて大きくなる傾向にある。
式(1)中、MLはキャリア粒子の絶対最大長を表し、Aはキャリア粒子の投影面積を表す。
磁気特性の測定には、振動試料型磁気測定装置VSMP10−15(東英工業社製)を用いる。測定試料は内径7mm、高さ5mmのセルに詰めて前記装置にセットする。測定は印加磁場を加え、最大1000エルステッドまで掃引する。ついで、印加磁場を減少させ、記録紙上にヒステリシスカーブを作製する。カーブのデータより、飽和磁化、残留磁化、保持力を求める。本発明においては、飽和磁化は1000エルステッドの磁場において測定された磁化を示す。
キャリアの体積電気抵抗が1×1014Ωcmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する。一方、1×108Ωcm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすい。
20cm2の電極板を配した円形の治具の表面に、測定対象となるキャリアを1〜3mm程度の厚さになるように平坦に載せ、キャリア層を形成する。この上に前記同様の20cm2の電極板を載せキャリア層を挟み込む。キャリア間の空隙をなくすため、キャリア層上に載置した電極板の上に4kgの荷重をかけてからキャリア層の厚み(cm)を測定する。キャリア層上下の両電極には、エレクトロメーターおよび高圧電源発生装置に接続されている。両電極に電界が103.8V/cmとなるように高電圧を印加し、このとき流れた電流値(A)を読み取ることにより、キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)を計算する。キャリアの体積電気抵抗(Ω・cm)の計算式は、下式(2)に示す通りである。
式(2): R=E×20/(I−I0)/L
第二の態様のキャリアの核体は、磁性粉が樹脂中に分散されてなる磁性粉分散粒子で構成される。
前記磁性粉としては、上記磁性体粒子で記載した磁性体を適用することができ、これらの中でも、酸化鉄が好ましい。前記磁性体微粒子が、酸化鉄微粒子であると、特性が安定しており、かつ毒性が少ない点で有利である。
これら磁性体は、単種で使用しても良く、2種以上併用してもよい。
前記磁性粉の磁性粉分散粒子中における含有量としては、30質量%〜95質量%であることが好ましく、45質量%〜90質量%であることがより好ましく、60質量%〜90質量%であることが更に好ましい。前記含有量が、30質量%未満であると、磁性体分散型キャリアの飛散等を招くことがあり、95質量%を越えると、磁性体分散キャリアの穂が固くなり、割れ易くなることがある。
前記溶融混練法、前記懸濁重合法、及び前記スプレードライ法はいずれも、磁性体粉末をあらかじめ何らかの手段により調製しておき、この磁性体粉末と樹脂溶液とを混合し、前記樹脂溶液中に前記磁性体粉末を分散させる工程を含む。
かかる核体の体積平均粒径D50vの測定方法は、核体が磁性体粒子の場合と同様である。
磁気特性の測定方法は、第一の態様のキャリアと同様である。
第二の態様のキャリアの体積電気抵抗が1×1014Ωcmを超える場合、高抵抗になり、現像時に現像電極として働きにくくなるため、特にベタ画像部でエッジ効果が出るなど、ソリッド再現性が低下する。一方、1×107Ωcm未満の場合、低抵抗になるため、現像剤中のトナー濃度が低下した時に現像ロールからキャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう不具合が発生しやすい。
本発明のトナーは、30℃/80%RHの環境に24時間放置した後で測定したときの水分率が0.4%以下であれば、特に限定されない。このような数値を実現させるには、疎水性の高い樹脂をバインダー樹脂として用いる、含有させる着色剤を疎水化処理する、適用する樹脂に疎水化した無機微粒子を含有させる、或いは水を抱え込むような界面活性剤の使用量を減らす等の方法を挙げることができ、これらを単独で、或いは組み合わせて適用する。
結着樹脂としては、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体又は共重合体等が挙げられる。これらの中でも特に代表的な結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリプロピレン等が挙げられる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン等が挙げられる。
この中でも、トナーの含水率を0.4%以下に抑えるには、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、シリコーン樹脂等を用いることが好ましい。
なお、本発明では、着色剤に疎水化処理を施すことが好ましい。着色剤の疎水化処理は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等のカップリング剤によるカップリング処理、シリコーンオイル等の疎水性材料の吸着、着色剤粒子表面に対する樹脂披覆、あるいは着色剤粒子と樹脂との混合等の方法によって行うことができる。中でもカップリング剤、オイル等の疎水化処理剤を用いる方法が好ましい。
これらのうち、特にシリカ微粒子、チタニア微粒子が好ましい。シリカ微粒子は無水シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等を含有するものであってもよいが、屈折率が1.5以下となるように組成を調整することが望ましい。
疎水化処理剤の使用量は、無機微粒子の種類等により異なり一概に規定することはできないが、通常無機微粒子100重量部に対して、5〜50重量部の範囲が適当である。
無機微粒子としてはSiO2、TiO2、Al2O3、CuO、ZnO、SnO2、CeO2、Fe2O3、MgO、BaO、CaO、K2O、Na2O、ZrO2、CaO・SiO2、K2O・(TiO2)n、Al2O3・2SiO2、CaCO3、MgCO3、BaSO4、MgSO4等を使用することができる。これらのうち、特にシリカ微粒子、チタニア微粒子の場合には、流動性が良好となるため好ましい。
なお、複数の外添剤を使用する場合は、各々の表面被覆率の合計が100%以下となるようにすることが好ましい。
本発明における疎水化度は、水50ccに微粒子を0.2g加え、スターラーで攪拌後、メタノールで滴定し、微粒子が全て溶媒に懸濁したときのメタノール滴定量をTccとしたときに、以下の式で表される疎水化度(M)と定義する。
本発明の画像形成装置は、少なくとも、潜像担持体と、前記潜像担持体を帯電させる帯電手段と、帯電した前記潜像担持体を露光して潜像担持体上に静電潜像を形成させる露光手段と、現像剤により前記静電潜像を現像してトナー像を形成させる現像手段と、前記トナー像を前記潜像担持体から被記録材に転写する転写手段と、を有する画像形成装置であり、更に現像器内に現像剤の透磁率を測定する機構を備える。
これらの各構成部材、すなわち、電子写真感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、透過率測定機構、更に、クリーニング装置および除電装置については、本発明において、特に制限されるものではなく、従来公知の構成を適宜適用することができる。
但し、現像装置内には上記本発明の現像剤を内在させる。本発明の現像剤を適用することにより、現像装置内での現像剤溜りやトナー同士の凝集、更に現像装置から現像剤の噴出しや画像のカブリを防止することができる。
図4は、本発明の画像形成装置の好適な一実施形態の基本構成を概略的に示す断面図である。図4に示す画像形成装置100は、電子写真感光体107と、電子写真感光体107を帯電させる帯電装置108と、帯電装置108に接続された電源109と、帯電装置108により帯電される電子写真感光体107を露光して静電潜像を形成する露光装置110と、露光装置110により形成された静電潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像装置111と、現像装置111により形成されたトナー像を被転写媒体500に転写する転写装置112と、転写後に電子写真感光体107に残留しているトナーを除去するクリーニング装置113と、除電器114と、定着装置115とを備える。
図5において、現像装置111は、電子写真感光体107に隣接して配設され、現像剤を収容する現像剤ハウジング10と、現像剤ハウジング10の内部において、電子写真感光体107に隣接するように軸線の周りに回転可能に配設された現像ロール12とを備える。現像ハウジング10内には、本発明にかかる前記トナーと磁性キャリアとで構成される二成分系現像剤Dが充填されており、攪拌パドル14、攪拌スクリュー16が回転駆動されることで、トナーと磁性キャリアが攪拌されてトナーが磁性キャリアに静電吸着する。そして、磁性キャリアにトナーが付着した現像剤は、磁性を有する現像剤搬送ロール18に磁力で吸着されて現像ロール12へ搬送され、マグネットロールである現像ロール12に磁力で吸着される。そして、電子写真感光体107に面した現像ロール12に現像バイアスが印加されて、トナーが、現像ロール12から電子写真感光体107上のレーザーが照射された部分に転移する。
検出された検出値が現像剤トナー基準濃度よりも低いときには、前記トナー補給手段によって現像器にトナーを補給する。なお、一般的には、現像剤ハウジング10内で循環している現像剤Dは、そのTC濃度比が概ね8%〜10%の範囲内で設定されている。
画像形成装置200は、ハウジング400内において4つの電子写真感光体401a〜401dが中間転写ベルト409に沿って相互に並列に配置されている。
電子写真感光体401a〜401dは、例えば、電子写真感光体401aがイエロー、電子写真感光体401bがマゼンタ、電子写真感光体401cがシアン、電子写真感光体401dがブラックの色からなる画像をそれぞれ形成することが可能である。
中間転写ベルト409は駆動ロール406、バックアップロール408及びテンションロール407により所定の張力をもって支持されており、これらのロールの回転によりたわみを生じることなく回転可能となっている。また、2次転写ロール413は、中間転写ベルト409を介してバックアップロール408と当接するように配置されている。バックアップロール408と2次転写ロール413との間を通った中間転写ベルト409は、例えば駆動ロール406の近傍に配置されたクリーニングブレード416により清浄面化された後、次の画像形成プロセスに繰り返し供される。
したがって、本発明の画像形成装置は、現像剤ハウジング10内で現像剤溜りが形成されることがなく、現像剤ハウジング10からのトナーの噴出しやこれに伴う画像のカブリを発生させず、安定した出力画像を得ることができる。更に、ATCセンサー20を有する現像装置111においても、ATCセンサー20は正しい透磁率、すなわち正確なトナー濃度を測定することができ、実状に即したトナー制御を行うことができる。このため、現像器内のトナー濃度は安定し、安定した出力画像を得ることができる。
まず、実施例、比較例で用いたキャリアやトナー等の物性測定方法について説明する。
核スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じて画像解析装置(LUZEXIII、ニレコ社製)に取り込み、50個について円相当径を測定して、最大長及び面積から、個々の粒子について上記式(1)からSF1を算出し、平均値を求めた。
測定装置としては、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LS Particle Size Analyzer:LS13 320、BECKMAN COULTER社製)を使用した。
測定法としては、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5質量%水溶液2ml中に測定試料を10〜200mg加えた。これを純水100〜150ml中に添加した。試料を懸濁した液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記LS Particle Size Analyzer:LS13 320により、ポンプスピード80%で粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径、粗粉側粒度分布、微粉側粒度分布を求めた。
トナーの樹脂及びキャリアの被覆樹脂の分子量分布は以下の条件で行った。
東ソー(株)HLC−8120GPC、SC−8020装置を用い、カラムはTSK gei, SuperHM−H(6.0mmID×15cm×2)を用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。測定条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/分、サンプル注入量10μl、測定温度40℃とした。検量線は、A−500、F−1、F−10、F−80、F−380、A−2500、F−4、F−40、F−128、F−700の10サンプルから作製した。また試料解析におけるデータ収集間隔は、300msとした。
キャリアの核体の密度は、上記の方法にしたがって測定した。
被覆層によるコート量は、コア粒子100部に対する樹脂固形分量として、上記の方法にしたがって測定し求めた。
トナーの水分率は、上記の方法にしたがって測定した。
(着色剤の疎水化処理)
ヘキサメチルジシラザン10質量部をエタノール100質量部に添加し、攪拌されているカーボンブラック (商品名R330R;Cabot社製)100質量部に噴霧塗布し、脱溶媒後、130℃にて2時間加熱処理した。さらに、前記処理カーボン100質量部を攪拌しながら、ジメチルシリコーンオイル(KF96、100CS、信越化学工業社製)20質量部を噴霧塗布し、150℃5時間熱処理することによりカーボンブラックAを得た。
・ポリエステル樹脂 100部
(テレフタル酸−ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物−シクロヘキサンジメタノールから得られた線状ポリエステルでTg:62℃、Mn12000,Mw:32000)
・上記疎水化処理を行った着色剤 5部
(外添トナー(1)の作製)
母体トナー粒子(1)の100部にルチル型酸化チタン(粒径20nm,n−デシルトリメトキシシラン処理,比重4.1)0.8重量部、シリカ(粒径40nm,シリコーンオイル処理,気相酸化法,比重2.2)1.0重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、外添トナー(1)を得た。外添トナー(1)の水分率を表1に示す。
母体トナー粒子(1)において、ポリエステル樹脂を、スチレン/n−ブチルアクリレート共重合樹脂(80:20):90重量部(Mn=9000、Mw=120000、Tg=62℃)に変更し、この母体トナー粒子(1)を用いた以外は外添トナー(1)の作製と同様の方法で、外添トナー(2)を作製した。得られた外添トナー(2)の水分率を表1に示す。
[母体トナー(3)の製造]
母体トナー粒子(1)において、顔料を疎水化処理を行っていないカーボンブラック (商品名R330R;Cabot社製)に変更した以外は同様にして母体トナー(3)を作製した。
母体トナー粒子(3)100部にルチル型酸化チタン(粒径20nm,n−デシルトリメトキシシラン処理)0.8重量部、シリカ(粒径40nm,シリコーンオイル処理,気相酸化法)1.0重量部をヘンシェルミキサーにより混合し、外添トナー(3)を得た。
(キャリア(1)の作製)
フェライト粒子1(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm、形状係数SF1:125。)をエルボジェット(日鉄鉱業社製、品番EJ−LABO)にてカットポイント25μmと45μmで微粉と粗粉を除き、被覆用核体粒子を形成した。
得られた被覆用核体粒子の粒径分布は、粗粉側粒度分布指標(D84v/D50v):1.18、微粉側粒度分布指標(D50p/D16p):1.20であり、体積平均粒径は37μm、形状係数SF1は124であった。
実施例1において樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を3回繰り返したところを、それぞれ2回〜5回の間で変更した以外は同様にして、キャリア(2)〜(4)を作製した。キャリア(2)〜(4)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表2に示す値であった。
キャリア(1)の作製において、被覆層として、メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート(モル比80/20)共重合体のトルエン溶液(固形分5質量%)を被覆用核体粒子100部に対し50部用いたところを、スチレン−メチルメタクリレート(モル比50/50)共重合体(重量平均分子量80,000)のトルエン溶液(固形分15質量%)を17部に変更し、エルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を2回繰り返すように変更した以外は同様にして、キャリア(5)を作製した。キャリア(5)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表2に示す値であった。
キャリア(5)の作製において、樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を2回繰り返したところを、表2に示す回数に変更した以外は同様にして、キャリア(6)〜(8)を作製した。キャリア(6)〜(8)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表2に示す値であった。
キャリア(5)の作製において、スチレンメタクリレート共重合体のトルエン溶液を被覆用核体樹脂100部に対し23部に変更し、また、樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を4回繰り返すように変更した以外は同様にして、キャリア(9)を作製した。キャリア(9)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表2に示す値であった。
キャリア(1)の作製において、被覆層として、メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート(モル比80/20)共重合体のトルエン溶液(固形分5質量%)を被覆用核体粒子100部に対し60部用いたところを、シリコーン系樹脂(商品名: TSR102、GE東芝シリコーン社製)のトルエン溶液(固形分15質量%)を13部に変更し、エルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を2回繰り返すように変更した以外は同様にして、キャリア(10)を作製した。キャリア(10)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表2に示す値であった。
キャリア(10)の作製において、樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を2回繰り返したところを、表2に示す回数に変更した以外は同様にして、キャリア(11)〜(13)を作製した。キャリア(11)〜(13)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表2に示す値であった。
フェライト粒子2(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:53μm、形状係数SF1:123。)をエルボジェットにてカットポイント34μm、64μmで微粉と粗粉を除き、被覆用核体粒子を形成した。
得られた被覆用核体粒子の粒径分布は、粗粉側粒度分布指標:1.19、微粉側粒度分布指標:1.21であり、体積平均粒径:53μm、形状係数SF1:123であった。
被覆用核体粒子100部に対し、スチレン−メチルメタクリレート(モル比50/50)共重合体(重量平均分子量80,000)のトルエン溶液(固形分15質量%)を12部加え、ジャケットを備えた容量50Lの回分式ニーダー内で10分間混合し、攪拌しながら混合物の温度を上昇させ、120℃以上の温度で20分間攪拌した後、混合物の温度が60℃になるまで冷却攪拌を行い、被覆キャリアを取り出した。その後、エルボジェットによりカットポイント34μm、64μmで微粉/粗粉除去の操作を2回繰り返し、キャリア(14)を得た。キャリア(14)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表3に示す値であった。
キャリア(14)の作製において、樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を2回繰り返したところを、表3に示す回数に変更した以外は同様にして、キャリア(15)〜(17)を作製した。キャリア(15)〜(17)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表3に示す値であった。
キャリア(14)の作製において、スチレンメタクリレート共重合体のトルエン溶液を17部に変更し、樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を4回繰り返すように変更した以外は同様にして、キャリア(18)を作製した。キャリア(18)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表3に示す値であった。
キャリア(14)の作製において、被覆層として、スチレン−メチルメタクリレート(モル比50/50)共重合体(重量平均分子量80,000)のトルエン溶液(固形分15質量%)を被覆用核体粒子100部に対し20部用いたところを、メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート(モル比80/20)共重合体(重量平均分子量50,000、三洋化成社製)のトルエン溶液(固形分5質量%)を36部に変更した以外は同様にして、キャリア(19)を作製した。キャリア(19)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表3に示す値であった。
キャリア(19)の作製において樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を2回繰り返したところを、表3に示す回数に変更した以外は同様にして、キャリア(20)〜(22)を作製した。キャリア(20)〜(22)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表3に示す値であった。
キャリア(14)の作製において、被覆層として、スチレン−メチルメタクリレート(モル比50/50)共重合体(重量平均分子量80,000)のトルエン溶液(固形分15質量%)を被覆用核体粒子100部に対し20部用いたところを、シリコーン系樹脂(商品名:TSR102、GE東芝シリコーン社製、)のトルエン溶液(固形分15質量%)を20部に変更した以外は同様にして、キャリア(23)を作製した。キャリア(23)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表3に示す値であった。
キャリア(23)の作製において、樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を2回繰り返したところを、表3に示す回数に変更した以外は同様にして、キャリア(24)〜(26)を作製した。キャリア(24)〜(26)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表3に示す値であった。
キャリア(1)の作製において、樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を2回繰り返したところを、1回に変更した以外は同様にして、比較のキャリア(1)を作製した。比較のキャリア(1)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表4に示す値であった。
キャリア(1)の作製において、エルボジェットを用いて樹脂被覆キャリアをカットポイント25μmと45μmで微粉と粗粉を除く操作を3回繰り返したところを、カットポイント30μmと40μmに変更して2回繰り返すように変更した以外は同様にして、比較のキャリア(1)を作製した。比較のキャリア(1)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表4に示す値であった。
キャリア(1)の作製において、メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート共重合体50部を70部とすることで、被覆層のコーティング量を表4に示すように変更し、かつ、エルボジェットを用いて、樹脂被覆キャリアをカットポイント30μmと40μmに変更して微粉/粗粉除去の操作を2回繰り返すように変更した以外は同様にして、比較のキャリア(3)を作製した。比較のキャリア(3)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表4に示す値であった。
キャリア(1)の作製において、原料のフェライト粒子1を、形状係数SF1が118のフェライト粒子1’(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm)に変更し、且つ樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を2回繰り返すように変更した以外は同様にして、比較のキャリア(4)を作製した。比較のキャリア(4)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表4に示す値であった。
キャリア(19)の作製において、樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を3回繰り返したところを、106μm篩で粗粉を取り除く操作を1回行うように変更した以外は同様にして、比較のキャリア(5)を作製した。比較のキャリア(5)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表4に示す値であった。
キャリア(19)の作製において、原料のフェライト粒子2を、形状係数SF1が118のフェライト粒子2’(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm)に変更し、エルボジェットを用いて樹脂被覆キャリアをカットポイント34μmと64μmで微粉と粗粉を除いたところを、カットポイント40μmと60μmに変更した以外は同様にして、比較のキャリア(6)を作製した。比較のキャリア(6)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表4に示す値であった。
キャリア(5)の作製において、エルボジェットを用いて樹脂被覆キャリアをカットポイント25μmと45μmで微粉と粗粉を除いたところを、75μm篩で粗粉を取り除く操作を1回行うように変更した以外は同様にして、比較のキャリア(7)を作製した。比較のキャリア(7)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表4に示す値であった。
キャリア(5)の作製において、エルボジェットを用いて樹脂被覆キャリアをカットポイント25μmと45μmで微粉と粗粉を除いたところを、カットポイント30μmと40μmに変更した以外は同様にして、比較のキャリア(8)を作製した。比較のキャリア(8)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表4に示す値であった。
キャリア(5)の作製において、原料のフェライト粒子1を、形状係数SF1が118のフェライト粒子1’(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm)に変更した以外は同様にして、比較のキャリア(9)を作製した。比較のキャリア(9)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表4に示す値であった。
キャリア(14)の作製において、樹脂被覆キャリアにおけるエルボジェットでの微粉/粗粉除去の操作を2回繰り返したところを、106μm篩で粗粉を取り除く操作を1回行うように変更した以外は同様にして、比較のキャリア(10)を作製した。比較のキャリア(10)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表4に示す値であった。
キャリア(14)の作製において、原料のフェライト粒子2を、形状係数SF1が118のフェライト粒子2’(Cu−Zn、密度:4.5g/cm3、体積平均粒径:35μm)に変更し、エルボジェットを用いて樹脂被覆キャリアをカットポイント34μmと64μmで微粉と粗粉を除いたところを、カットポイント40μmと60μmに変更した以外は同様にして、比較のキャリア(11)を作製した。比較のキャリア(11)のトータルエネルギー量、粒度分布、形状係数SF1は、表4に示す値であった。
また、表2〜4中、コア粒子の分級方法では、エルボジェット(日鉄鉱業社製、品番EJ−LABO)にて、35μmコア粒子の場合はカットポイントを25μmと45μmとに固定し、50μmコア粒子の場合には34μmと64μmとに固定した。
表2〜4中、樹脂コート層の「コート量」は、コア粒子100部に対する樹脂固形分量を表す。
(現像剤(1)の調製)
キャリア(1)100部と、外添トナー(1)7部とをVブレンダーにて40rpmで20min混合し、現像剤(1)を調製した。
現像剤(1)の調製において使用したキャリアと外添トナーの種類を下記表5及び表6に示すように変更した以外は同様にして、本発明の現像剤及び比較の現像剤を調製した。
得られた本発明の現像剤及び比較の現像剤を用いて、現像装置内に設けられた透磁率ATCセンサーの出力電圧(トナー濃度の代用値)をモニターできるFuji Xerox社製DocuCentreColor400改造機を用いて、高温高湿下(30℃/85%RH)の環境下でテストを行った。
トナー濃度を一定に保ちながら、エリアカバレッジ20%の画像を1000枚出力した後、エリアカバレッジ0%の画像をコピーし、用紙が転写部を通過する前に装置を強制停止させ、感光体表面からテープ(メンディングテープ、住友スリーエム社製)によりトナーを採取した。このテープにおける1cm2当たりのトナー個数をカウントした。
判断基準は、以下の通りであり、◎、○を実用可能なレベルとする。
◎:50個未満
○:50個以上100個未満
△:100個以上200個未満
×:200個以上
トナー濃度を一定に保ちながら、エリアカバレッジ20%の画像を1000枚出力した後、現像剤担持体の軸方向と同じ長さのテープを2つ精秤し、現像器に付着しているトナーをそれぞれ前記テープに粘着性を利用し転写して、トナー採取後のテープを再度精秤し、トナー採取前のテープ重量をそれぞれ差し引いた後に平均化することにより噴出し量とする。判断基準は、以下の通りであり、◎、○を実用可能なレベルとする。
◎:噴出し量10mg未満
○:噴出し量10mg以上30mg未満
△:噴出し量30mg以上100mg未満
×:噴出し量100mg以上
現像剤を長時間放置した後に、現像剤が定常の流動状態に戻るまでの出力枚数を、透磁率によって測定した。
具体的には、まず、トナー濃度を一定に保ちながら、エリアカバレッジ20%の画像を1000枚出力した。次にトナー濃度を一定に保ちながらエリアカバレッジ1%の画像を10枚出力し、このときの透磁率を測定したセンサーの出力電圧を平均し、これをEBefore(V)とした。
◎:10枚出力した段階で同等
○:30枚出力した段階で同等
△:40枚出力した段階で同等
×:40枚出力した段階で同等となっていない
評価結果を表5及び表6に示す。
◎:0点
○:1点
△:2点
×:7点
として合計し、実用可能レベルを6点以下とする。
実施例1では、キャリアのコア粒子にCu−Znのフェライト粒子を用いたが、実施例2では、パウダーテック社製のMn−Mgのフェライト粒子(密度4.8g/cm3、形状係数121、粒径35μm)を用いた。
このコア粒子を用いて、実施例1と同様の方法で、樹脂コート層の樹脂の種類やコート量を変更し、得られた樹脂被覆キャリアの分級方法を下記表7に示すように変更して、キャリア(30)〜(37)及び比較のキャリア(20)〜(21)を作製した。
なお、表7中、コア粒子の分級は、エルボジェット(日鉄鉱業社製、品番EJ−LABO)にてカットポイント25μmと45μmに固定して行った。また、表7中、樹脂コート層の材質として記載の「フッ素系樹脂」は、メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート(モル比80/20)共重合体(重量平均分子量50,000、三洋化成社製)であり、「シリコーン系樹脂」は、(商品名:TSR102、GE東芝シリコーン社製)である。
実施例1では、核体が磁性体粒子のキャリアで評価を行ったが、実施例3では、核体が磁性粉分散粒子のキャリアについて評価を行った。
(コア粒子C100の調製)
フェノール40重量部、ホルマリン60重量部、マグネタイト(平均粒径0.20μm,球形、1重量%KBM403処理品)400重量部、アンモニア水12重量部、イオン交換水60重量部を加え、混合攪拌しながら、85℃まで徐々に昇温させ、4時間反応、硬化させた後、冷却、ろ過、洗浄、乾燥し、粒径35μmのコア粒子C100を得た。得られたコア粒子C100の粒径分布は、粗粉側粒度分布指標(D84v/D50v):1.20、微粉側粒度分布指標(D50p/D16p):1.22であり、形状係数SF1は113であった。
コア粒子C100の100部に対し、メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート(モル比80/20)共重合体(重量平均分子量50,000、三洋化成社製)のトルエン溶液(固形分5質量%)を60部、ジャケットを備えた容量50Lの回分式ニーダー内で10分間混合し、攪拌しながら混合物の温度を上昇させ、120℃以上の温度で20分間攪拌した後、混合物の温度が60℃になるまで冷却攪拌を行い、被覆キャリアを取り出した。
その後、ターボミル、熱処理装置を用いて粉砕、球形化を行った。さらにエルボジェットによる分級をカットポイント25μm、45μmで1回行い、キャリア(100)を得た。
得られたキャリア(100)の粒径分布は、粗粉側粒度分布指標:1.21、微粉側粒度分布指標:1.23であり、形状係数SF1は113であった。また、キャリア(5)のトータルエネルギー量は、表9に示す値であった。
キャリア(100)の調製において、コア粒子C100を用いて、被覆コート層のコート量や分級条件を下記表9に示すように変更して、キャリア(101)〜(105)を作製した。
なお、表9中、樹脂コート層の材質として記載の「フッ素系樹脂」及び「フッ素系」は、メチルメタクリレート−パーフルオロヘキシルアクリレート(モル比80/20)共重合体(重量平均分子量50,000、三洋化成社製)であり、「St−BA」とは、スチレンとアクリル酸n−ブチル(StとBAとの重量比90/10)共重合体(重量平均分子量75000、三菱レイヨン社製)であり「St−BA/フッ素系」とは、前記St−BAと前記フッ素系との質量比30/10の混合物をいう。
キャリア(101)の調製において、コア粒子C100の分級回数を下記表9に示すように変更し、且つ、樹脂コート層を作製しないように変更して、キャリア(106)〜(109)を調製した。
・マグネタイト(BL−50、チタン工業社製) 70重量部
・スチレン−ブチルメタクリレート共重合体(共重合比50/50、重量平均分子量110000) 6重量部
・パーフルオロヘキシルアクリレート(重量平均分子量80000) 24重量部
キャリア(111)の調製において、ニーダー温度を112℃とした以外はキャリア(110)と同様にして、キャリア(111)を調製した。
キャリア(110)の調製において、分級の回数を表9に指定の回数に変更した以外はキャリア(110)と同様にして、キャリア(112)(115)(116)を調製した。
キャリア(112)の調製において、マグネタイト400重量部用いたところを500重量部に変更した以外はキャリア(112)と同様にして、キャリア(113)を調製した。また、キャリア(112)の調製において、マグネタイト400重量部用いたところを300重量部に変更した以外はキャリア(112)と同様にして、キャリア(114)を調製した。
キャリア(100)の調製において、樹脂被覆キャリアの分級を75μm篩1回に変更した以外は同様にして、比較のキャリア(100)を調製した。
ニーダー温度112℃で20分間攪拌した後、エルボジェット(カットポイント30,40μm)で1回分級し、得られたキャリアを再度ニーダー温度112℃で20分間攪拌した後、エルボジェット(カットポイント30,40μm)で2回分級した以外はキャリア(100)と同様にして、比較キャリア(101)を得た。
また、コアの分級は、エルボジェットによって、カットポイントを25μm、45μmに固定して、回数を表9に示すように変更して行った。
12 現像ロール
14 攪拌パドル
16 攪拌スクリュー
18 現像剤搬送ロール
20 ATCセンサー
100、200 画像形成装置
107、401a、401b、401c、401d 電子写真感光体
108、402a、402b、402c、402d 帯電装置(帯電ロール)
110、403 露光装置
111、404a、404b、404c、404d 現像装置
112 転写装置
115、414 定着装置(定着ロール)
Claims (3)
- トナーとキャリアとを含む電子写真用二成分現像剤であって、
前記トナーは結着樹脂、着色剤、及び外添剤を含有し、該トナーを30℃/80%RHの環境に24時間放置したときの水分率が0.4%以下であり
前記キャリアは少なくとも、核体としての磁性体粒子と該磁性体粒子の表面を被覆する被覆層とを有し、該キャリアは、通気量5ml/min、回転翼の先端スピード50mm/sec、回転翼の進入角度−10°の条件でパウダーレオメーターによって測定したときのトータルエネルギー量が、1420〜2920mJであることを特徴とする電子写真用二成分現像剤。 - トナーとキャリアとを含む電子写真用二成分現像剤であって、
前記トナーは結着樹脂、着色剤、及び外添剤を含有し、該トナーを30℃/80%RHの環境に24時間放置したときの水分率が0.4%以下であって、
前記キャリアは少なくとも、核体としての磁性粉分散粒子を有し、該キャリアは、通気量5ml/min、回転翼の先端スピード50mm/sec、回転翼の進入角度−10°の条件でパウダーレオメーターによって測定したときのトータルエネルギー量が、890〜1390mJであることを特徴とする電子写真用二成分現像剤。 - 請求項1又は請求項2に記載の電子写真用二成分現像剤を用いる画像形成装置であって、現像器内に現像剤の透磁率を測定する機構を有することを特徴とする画像形成装置。
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