JP3108836B2 - カラー現像剤 - Google Patents

カラー現像剤

Info

Publication number
JP3108836B2
JP3108836B2 JP05059325A JP5932593A JP3108836B2 JP 3108836 B2 JP3108836 B2 JP 3108836B2 JP 05059325 A JP05059325 A JP 05059325A JP 5932593 A JP5932593 A JP 5932593A JP 3108836 B2 JP3108836 B2 JP 3108836B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
carrier
coating
toner
titanium oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05059325A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06250443A (ja
Inventor
泰弘 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP05059325A priority Critical patent/JP3108836B2/ja
Publication of JPH06250443A publication Critical patent/JPH06250443A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3108836B2 publication Critical patent/JP3108836B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真法、静電印刷法
などにおいて、電気的潜像又は磁気的潜像を現像するの
に用いられる現像剤に関し、とりわけ耐久性と環境安定
性を著しく改良したカラー現像剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法において静電潜像をト
ナーを用いて現像する方法としては、大別してトナーを
キャリアと呼ばれる媒体に少量分散させたいわゆる2成
分系現像剤を用いる方法と、キャリアを用いることなく
トナー単独使用のいわゆる1成分系現像剤を用いる方法
とがある。本発明は上記現像剤のうちトナーとキャリア
からなる2成分系現像剤に関する。
【0003】該2成分系現像剤を構成するキャリアは導
電性キャリアと絶縁性キャリアに大別され、導電性キャ
リアとしては通常酸化又は未酸化の鉄粉が用いられる
が、この鉄粉キャリアを成分とする現像剤においては、
トナーに対する摩擦帯電性が不安定であり、また現像剤
により形成される可視像にカブリが発生する欠点があ
る。即ち現像剤の使用に伴ない、鉄粉キャリア粒子の表
面にトナー粒子が付着、蓄積(スペント・トナー)する
ため、キャリア粒子の電気抵抗が増大して、バイアス電
流が低下し、しかも摩擦帯電性が不安定となり、この結
果形成される可視像の画像濃度が低下しカブリが増大す
る。従って鉄粉キャリアを含有する現像剤を用いて電子
複写装置により連続的に複写を行なうと、少数回で現像
剤が劣化するため、現像剤を早期に交換することが必要
となり、結局コストが高いものとなる。
【0004】また絶縁性キャリアとしては一般に鉄、ニ
ッケル、フェライト等の強磁性体より成るキャリア芯材
の表面を絶縁性樹脂により均一に被覆したキャリアが代
表的なものである。このキャリアを用いた現像剤におい
てはキャリア表面にトナー粒子が融着することが導電性
キャリアの場合に比べて著しく少なく、同時にトナーと
キャリアとの摩擦帯電性を制御することが容易であり耐
久性に優れ使用寿命が長い点で特に高速の電子複写機に
好適であるという利点がある。
【0005】しかしながら、この絶縁性キャリアにおい
ては、キャリア芯材表面を被覆する被覆層が均一でキャ
リアと共に用いられる特定のトナーとの摩擦により、所
望の大きさ、並びに極性の帯電状態が安定に得られるこ
とが要求される。すなわち樹脂被覆キャリアの表面が不
均一であると、かかるトナーとキャリアの摩擦帯電が不
安定となり、結果として複写後得られる可視像の画質低
下を招く。
【0006】それ故、樹脂被覆後のキャリア表面を均一
にする目的で、キャリア芯材自身の表面層を平滑化した
後に樹脂被覆をすることが試みられている。だがこの方
法によれば、確かにキャリア表面は均一化するもののキ
ャリア芯材と被覆樹脂との接着性が不安定となり、使用
できる被覆樹脂が接着性の良い樹脂だけに限られてしま
った。さらに被覆強度を高めるために、被覆樹脂量を多
めにすると、被覆樹脂の絶縁性のために、キャリア自身
がトナー粒子とは逆極性に強く帯電してしまい、背景部
へのキャリア付着の問題が生じてしまう。
【0007】この傾向は、トナー自身にリークサイトを
持たない非磁性カラートナーに顕著であり、とりわけ帯
電能の高いポリエステル系バインダーを使用した着色剤
含有樹脂粒子をトナーとして使用したとき、より増長さ
れ、特に低湿下において問題となる。
【0008】その対策としてこれまでにキャリアサイ
ド、トナーサイド(特にトナーの外添剤)双方から改良
の方向が検討されている。
【0009】トナーサイドとしては、帯電が過大になる
のを防止する目的で導電粉の添加が試みられているが、
導電粉の添加では、高温高湿下での帯電量低下が顕著
で、画像濃度ムラ、カブリ等の弊害が生じることや、導
電粉は一般に有色であるため、カラートナーの色彩に悪
影響を及ぼす(特に、OHPシート等の透過光で見た場
合、より顕著である)ことが問題となる。
【0010】キャリアサイドとしては、キャリア自身が
強く帯電するがために生じるキャリア付着を解消する目
的で、被覆樹脂中に例えば導電性のカーボンブラックな
どを分散させてキャリアに被覆することが提案されてい
るが、これまでのところ必ずしも安定な被覆状態が達成
されているとはいえず、長期使用によるカーボンブラッ
クなどの遊離によるカブリなどの新たな問題が生じてい
る。
【0011】現在までにキャリア芯材へ樹脂を塗付する
方法としては、特開昭55−47164号公報、特開昭
57−94754号公報、特開昭60−227271号
公報などで開示されている。
【0012】これらの方法の中では、生産安定性や芯材
への付着性が優れていることなどから、溶媒を用いて樹
脂被覆を行う方法が現在広く用いられている。
【0013】キャリア芯材への樹脂被覆においてガラス
転移点(Tg)以上に加熱する例としては、特開昭60
−227271号公報にあり、耐久性が向上している。
しかしながら、上述の例はシラン系カップリング剤を用
いて付着力を向上させ、被覆後にTg以上に加熱するも
のであり、付着時にTg以上に加熱して行なう本発明と
は全く異なるものである。
【0014】また、チタン系カップリング剤を用いた例
は特開昭60−221767号公報にあるが、これらの
カップリング剤を用いた場合、被覆用樹脂の経時変化が
大きく、被覆条件、特に被覆時間の僅かな違いによっ
て、被覆された後の物性の振れが大きくなり、安定にキ
ャリアを供給するのが難しいばかりでなく、高湿下にお
いて、帯電量が低下しやすくなり、環境変動に関して問
題がある。また、コストも高くなるため、実用上望まし
いものではない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
欠点のない現像剤を提供するものであり、摩擦帯電特性
が安定で、且つキャリア付着防止に優れたカラー現像剤
を提供するものである。
【0016】また別の目的は、トナー飛散の少ないカラ
ー現像剤を提供することにある。
【0017】また別の目的は、キャリア粒子表面へのト
ナースペントが起りにくく、且つキャリア被覆樹脂が強
固に付着することにより、安定な現像能力を有する長寿
命のカラー現像剤を提供することにある。
【0018】また別の目的は、環境の変動に対して、帯
電の立ち上がりが良好で、帯電特性の変動が小さく、極
めて安定した画像を与えるカラー現像剤を提供すること
にある。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
前述の樹脂被覆後のキャリア特性、すなわち、現像剤と
して用いる際の画質の差および耐久性がキャリアへの樹
脂塗布条件(コーティング条件)と深いかかわりを持つ
ということを見い出した。特に、樹脂被覆時、つまり、
樹脂付着時の温度と被覆樹脂のガラス転移点との関係が
被覆キャリア特性に大きな影響を及ぼすことが判明し
た。
【0020】本発明の特徴とするところは、少なくとも
着色剤含有樹脂粒子と流動向上剤とを含む絶縁性非磁性
カラートナーと、キャリアとを有するカラー現像剤であ
って、 上記キャリアが、キャリア芯材重量に対して0.05
〜5.0重量%の電気絶縁性樹脂で被覆されており、重
量平均粒径が10〜200μmであり、且つ該芯材を該
樹脂により被覆するための樹脂付着工程において、 Tg≦樹脂被覆用溶液の温度≦Tg+40℃ (Tgは該被覆用樹脂のガラス転移点を表わす)の範囲
の温度にある樹脂被覆用溶液を用いて製造されたもので
あり、 上記流動向上剤が、キャリアに対して30μc/g以
下の絶対値を有する低トリボの流動向上剤である、こと
を特徴とするカラー現像剤である。
【0021】本発明において、キャリア被覆用樹脂溶液
をTg以上に加熱することにより、付着性が向上する理
由については必ずしも明確ではないが、一般に被覆用樹
脂を溶剤で希釈するほど、溶液粘度が低下し、芯材表面
への樹脂のぬれ性が向上すると考えられるが、樹脂のT
g以上に加熱することにより、溶媒の量を増やさなくて
も粘度を下げることができ、芯材へのぬれ性が効率的に
向上するためであると推察される。
【0022】また、本発明における溶液温度は「樹脂の
Tg」から「樹脂のTg+40℃」の範囲であれば良い
が、画像のきめの細かさの点で「樹脂のTg+40℃」
に近いものがより優れている。理由としては、温度の高
い方が被覆用樹脂溶液の粘度が下がり付着性がより安定
し、均一に被覆され、トナーへの帯電付与が円滑に行わ
れるためであると推察される。
【0023】Tg(ガラス転移点)以上であれば樹脂被
覆の安定化はされるが、温度としては「被覆用樹脂のT
g+40℃」までであることが望ましい。理由として、
「被覆用樹脂のTg+40℃」を超えた場合、樹脂が軟
化し、樹脂被覆されたキャリア粒子同士の付着(合一)
が生じやすく、そのため合一した粒子を分離する際、逆
に樹脂の遊離が生じやすくなるからである。
【0024】したがって、本発明によれば樹脂が溶けて
凝集することが無く、なおかつ、キャリア芯材に対し安
定した樹脂被覆を行うことができる。
【0025】また、使用する樹脂被覆用樹脂のガラス転
移点(Tg)としては55℃〜140℃、好ましくは6
0℃〜120℃であることが望まれる。
【0026】Tgが上述の範囲であるのは、55℃より
低いTgを持つキャリア被覆用樹脂では、芯材との付着
性においては優れているが、キャリアへのトナー付着
(スペント)を起しやすく、また特に高温条件下におい
て樹脂の硬化度が不十分で、キャリア単体としての流動
性が悪くなり、帯電付与能が低下し、問題である。
【0027】一方、55℃より高いTgにおいては、T
gが高くなるにつれてトナー付着の耐性は向上するが、
芯材への付着性は低下してくる。特に140℃を超える
樹脂については、非常に付着性が弱くなり、Tg以上に
加熱しても芯材から樹脂がはく離したり、ヒビ割れが発
生したりしてしまう。
【0028】上記のようにガラス転移点以上に加熱した
被覆用樹脂を用いると付着性が向上するが、樹脂被覆装
置内の温度もガラス転移点以上で被覆を行うことが望ま
しい。
【0029】ただし、あまり高温であると、樹脂溶液を
加熱した場合と同様にキャリア粒子同士の付着(合一)
が増えるという問題が生じるため、樹脂溶液とほぼ同じ
温度で樹脂被覆を行うのが良い。
【0030】ガラス転移点以上で樹脂被覆を行うと良い
結果が得られる理由については必ずしも明確では無い
が、ガラス転移点以上に加熱してあることによって樹脂
とキャリア芯材との親和力が高まっているためであると
見ることができる。
【0031】ガラス転移点未満であると付着した樹脂は
その高分子特性を考えると歪を残しているが、そのガラ
ス転移点以上に加熱し続けておくことによって応力緩和
が促進され、歪を是正するという働きが起こり、この働
きのために樹脂被覆が強靭となり、耐割れ性、耐剥離性
が向上するためであると推察される。
【0032】この応力緩和は一たん付着してから後の工
程である焼付加熱処理(キュア処理)になって行うので
は効果が小さいことから、樹脂が芯材に付着するのとほ
ぼ同時になされることが重要であると考えられる。
【0033】また、本発明においては被覆用樹脂の数平
均分子量は1万〜20万、好ましくは2万〜15万の範
囲にある。
【0034】すなわち数平均分子量が20万を超えるも
のを使用した場合にはコア材との密着性が悪く、帯電の
立上がりも遅いため、ランニング時の帯電量が低下し、
その結果カブリの早期発生並びに機内汚染を生ずるので
望ましくない。一方、数平均分子量が1万に満たないも
のを使用した場合にはコート層の内部破壊に基く剥離が
著しく、キャリアひいては現像剤の短寿命化の原因とな
るので好ましくない。
【0035】さらに、樹脂の分子量分布も重要であり、
本発明においては、芯材への樹脂の安定的な付着のた
め、重量平均分子量が少なくとも数平均分子量の2倍以
上12倍以下の値を持つことが望まれる。
【0036】その理由は未だ明らかではないが、重量平
均分子量が数平均分子量の2倍を下回る値であると分子
量分布がシャープであるが、被覆時の芯材への付着力が
弱くなる傾向が見られる。また、重量平均分子量が数平
均分子量の12倍を超える様な場合には、芯材への付着
力は十分であるが、キャリアがトナー汚染しやすくな
り、耐刷後のキャリア表面に付着しているトナーが多
く、トリボも低下してくる傾向にある。
【0037】また、本発明をより一層効果的にするため
に被覆樹脂中に樹脂固形分に対して残存モノマーを50
〜3000ppm含有させることが良く、特にTgの高
いものほどより多く含有させることで良い結果が得られ
る。これは、樹脂のTgが上昇することによる付着性の
低下を残存モノマーを存在させることによって補う構成
になっているためである。ただし、Tgが140℃を超
える樹脂については、樹脂中に残存モノマーを存在させ
ても耐刷中の劣化を抑えることが困難であることがわか
っている。
【0038】本発明に用いられる樹脂の重合体成分とし
ては以下のようなものを使用することができる。
【0039】即ち、スチレン、メチルスチレン、ジメチ
ルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジ
エチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレ
ン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチ
レン、オクチルスチレンなどのアルキルスチレン、フロ
ロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロ
モスチレン、ヨードスチレンなどのハロゲン化スチレ
ン、更にニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシ
スチレンなどのスチレン系モノマー;アクリル酸、メタ
クリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、α−メ
チルクロトン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロトン
酸、チグリン酸、ウンゲリカ酸などの付加重合性不飽和
脂肪族モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、ジヒ
ドロムコン酸などの付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン
酸;前記付加重合性不飽和カルボン酸とアルコール、例
えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルア
ルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキ
シルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコ
ール、ノニルアルコール、ドデシルアルコール、テトラ
デシルアルコール、ヘキサデシルアルコールなどのアル
キルアルコール、これらアルキルアルコールを一部ハロ
ゲン化したハロゲン化アルキルアルコール、メトキシエ
チルアルコール、エトキシエチルアルコール、エトキシ
エトキシエチルアルコール、メトキシプロピルアルコー
ル、エトキシプロピルアルコールなどのアルコキシアル
キルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチル
アルコール、フェニルプロピルアルコールなどのアラル
キルアルコール、アリルアルコール、クロトニルアルコ
ールなどのアルケニルアルコール等、とのエステル化
物、特にアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸ア
ルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、マレイン
酸アルキルエステル等が好ましい例である;前記付加重
合性不飽和カルボン酸より誘導されるアミドおよびニト
リル;エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレンな
どの脂肪族モノオレフィン;塩化ビニル、臭化ビニル、
ヨウ化ビニル、1,2−ジクロロエチレン、1,2−ジ
ブロモエチレン、1,2−ジヨードエチレン、塩化イソ
プロペニル、臭化イソプロペニル、塩化アリル、臭化ア
リル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデ
ンなどのハロゲン化脂肪族オレフィン;1,3−ブタジ
エン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ブ
タジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、
2,4−ヘキサジエン、3−メチル−2,4−ヘキサジ
エンなどの共役ジエン系脂肪族ジオレフィン;2−ビニ
ルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メ
チルピリジン、2−ビニル−5−メチルピリジン、4−
ブテニルピリジン、4−ペンチルピリジン、N−ビニル
ピペリジン、4−ビニルピペリジン、N−ビニルジヒド
ロピリジン、N−ビニルピロール、2−ビニルピロー
ル、N−ビニルピロリン、N−ビニルピロリジン、2−
ビニルピロリジン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−
ビニル−2−ピペリドン、N−ビニルカルバゾール等の
含窒素ビニル系モノマーを例示することができる。これ
らは単独でもしくは2種以上の組合せで使用することが
できる。
【0040】本発明による被覆樹脂のキャリア芯材に対
する塗布量は、樹脂固型分が0.05wt%〜5wt
%、好ましくは0.2wt%〜4wt%である。0.0
5wt%未満では、キャリア芯材の樹脂による被覆効果
が十分でなく、5wt%を超える塗布量は無意味であ
り、また製造上からも過剰な樹脂が単独で存在する場合
もあり、好ましくない。
【0041】本発明において使用するキャリア芯材およ
び熱可塑性樹脂としては、通常使用されているものを用
いればよい。例えばキャリア芯材としての磁性粒子の材
質としては、98%以上のCu−Zn−Fe(金属組成
比(5〜20):(5〜20):(30〜80))の組
成からなるフェライト粒子が、表面均一化が容易で帯電
能が安定するためには好ましいが、特に限定されず、他
にも偏平状、海綿状、コイン状、球状、真球状等種々の
形状の酸化鉄粉、銅、マンガン、コバルト、ニッケル、
亜鉛、スズ、マグネシウム、鉛、ストロンチウム、バリ
ウム、リチウム等の中から一つ又は複数含有して成るフ
ェライト、種々の樹脂と磁性粉との混合物からなる粒子
等を使用することができる。
【0042】本発明において使用される溶媒について
は、被覆用樹脂を溶解または膨潤させうるものであれ
ば、特に限定されないが、溶媒の沸点が樹脂被覆時の温
度よりも高いものを選ぶ必要がある。一般的に、水やメ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イ
ソブタノール、tert−ブタノール、ヘキサノール、
オクタノール等のアルコール類、n−ヘキサン、ペンタ
ン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、2,
2’−ジメチルブタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭
化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、
クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジオキサン、
ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテ
ル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン類、アセトニトリル、ホルム
アミド、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド
等の種々の溶媒が使用される。上記溶媒は単独で使用し
てもよいが、樹脂によっては2種以上の混合溶媒として
使用できる。
【0043】これらのうち、望ましくは相対的に沸点の
高いトルエン、メチルイソブチルケトン、酢酸ブチル、
エチレンモノエチルエーテル、酢酸アミル、ブチルアル
コールなどが使用でき、さらに望ましくは、キシレン、
メシチレン、2−エチルブタノール、メチルシクロヘキ
サノンなどを使用することがあげられる。
【0044】本発明において用いられる樹脂被覆装置と
しては、特に限定されず、種々の方法を用いることがで
きる。
【0045】例えば、被覆用樹脂を有機溶媒に溶解した
溶液を、流動化ベッド装置等を用いて浮遊させた粉末状
芯材物質に噴霧し、乾燥する方法がある。また、被覆用
樹脂と有機溶媒と粉末状芯材物質とを混合し、スプレー
ドライヤを用いて噴霧乾燥させる方法がある。
【0046】他の方法としては、被覆用樹脂と有機溶媒
と粉末状芯材物質とを混合し、そのまま加熱攪拌乾燥さ
せる方法や、有機溶媒に、被覆物質が溶解された樹脂溶
液と粉末状芯材物質とを混合し、その混合物を攪拌しな
がら水溶液中に徐々に添加分散し、懸濁状態とした後、
加熱して有機溶媒を蒸発させることによって前記被覆物
質で粉末状芯材物質の表面を被覆させる方法などがある
が、特に限定されない。また、それぞれの方法におい
て、塗付後に、乾燥、高温焼付けする方法等を利用する
ことができる。これら方法において、高温焼付け処理は
残存モノマーを除去するという意味と芯材と共重合体層
との密着強度を高めるという観点から約80〜240℃
での処理をすることが好ましい。
【0047】次に、本発明に使用される流動向上剤とし
ては、キャリアに対して30μc/g以下の絶対値を有
するものであれば何ら構わない。例えば、シリカ、アル
ミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チッ化ホウ素、
炭化ケイ素などの無機酸化物を所望の帯電量となるよう
にそのまま、或いは表面処理をすればよい。
【0048】本発明に好適なのは、比較的容易にシャー
プな粒度分布の得られる酸化チタン或いはアルミナの微
粒子であり、特に好適なのは、トナーと同極性を有する
酸化チタン微粒子である。
【0049】その製造法、結晶構造には特に制約はない
が、粒径0.02〜0.2μm、疎水化度20〜80%
である酸化チタン微粒子を含有することが望ましい。即
ち、上述の酸化チタン微粒子が帯電の安定化、流動性付
与の点で極めて有効である。これは、一般に知られてい
る流動向上剤としての疎水性シリカでは達成できなかっ
たものである。その理由としては、シリカ微粒子がそれ
自身強いネガ性であるのに対して、酸化チタン微粒子は
ほぼ中性であることに起因する。
【0050】酸化チタン微粒子の疎水化度を20〜80
%にするために、特に水系中でシリコンオイル又はシリ
コンワニスで表面処理を行うことが好ましい。従来より
疎水性チタンを添加することが提案されているが、酸化
チタン微粒子は本来表面活性がシリカに比べて小さく、
疎水化は必ずしも十分に行われていなかった。また、処
理剤等を多量に使用したり、高粘性の処理剤等を使用し
た場合、疎水化度は確かに上がるものの、粒子同士の合
一等が生じ、流動性付与能が低下するなど、帯電の安定
化と流動性付与の両立は必ずしも達成されていなかっ
た。
【0051】しかるに水系中で酸化チタン微粒子を機械
的に一次粒径となるよう分散しながらシリコンオイル又
はシリコンワニスで表面処理するため、気相中で処理す
るより、粒子同士の合一が生じにくく、また、処理によ
る粒子間の帯電反発作用が働き、酸化チタン微粒子がほ
ぼ一次粒子の状態で表面処理されることがわかった。
【0052】本発明をより一層効果的にするためには、
さらに気相中でカップリング剤で粒子同士が合一しない
よう表面処理をすることが有効である。これは、水系中
の処理で残存する酸化チタンの官能基をカップリング剤
で封止することが目的であったが、驚くべきことにその
反応性は、一旦水系中で処理されているために、非常に
高いことが見出せた。この理由としてはいまだ明確では
ないがあらかじめ水系中で有機処理してあるために、カ
ップリング剤の反応基以外の部位と酸化チタン微粒子の
親油基の部位とのなじみが良好で、反応効率が高められ
るからであると推測される。従って、本発明において
は、低粘性から高粘性まで非常に広い範囲でカップリン
グ剤が選択でき、帯電能、流動性付与能の点で非常に有
効である。
【0053】本発明において、前記したように酸化チタ
ン微粒子の疎水化度は20〜80%、さらには30〜7
0%が好ましい。疎水化度が20%より小さいと、高湿
下での長期放置による帯電量低下が大きく、ハード側で
の帯電促進の機構等が必要となり、装置の複雑化とな
り、また、80%を超えると酸化チタン微粒子自身の帯
電コントロールが難しくなり、結果として低湿下でトナ
ーがチャージアップしてしまう。
【0054】また、粒径としては流動性付与の点から
0.02〜0.2μm、さらには0.02〜0.1μm
が良い。粒径が0.2μmより大きいと流動性不良によ
るトナー帯電が不均一となり、結果として、トナー飛
散、カブリ等が生じてしまう。また0.02μmより小
さいとトナー表面に埋め込まれ易くなり、トナー劣化が
早く生じてしまい耐久性が逆に低下してしまう。この傾
向は、特にシャープメルト性のカラートナーにおいてよ
り顕著である。
【0055】本発明に用いられるシリコンオイルとして
は、特に制約はないが、一般式
【0056】
【化1】 (R1 ,R2 はCH3 又はOH)で表わされるジメチル
ポリシロキサンタイプ、一般式
【0057】
【化2】 で表わされるメチルハイドロジエンポリシロキサンタイ
プ、一般式
【0058】
【化3】 で表わされるメチルフェニルポリシロキサンタイプ、な
どが使用できる。さらに必要に応じて、アルキル変性、
アミノ変性、エポキシ変性、エポキシ・ポリエーテル変
性、カルボキシル変性、メルカプト変性、アルコール変
性、フッ素変性等を行ってもよい。
【0059】上記シリコンオイルは、25℃における粘
度が50〜1000センチストークスのものが好まし
い。50センチストークス未満では揮発分が多く、処理
効果が長続きしない。また1000センチストークスを
超えると、水系中で均一処理が難しくなり、処理効率が
極端に悪化してしまう。
【0060】本発明に用いられるシリコンワニスも、2
5℃における粘度が50〜1000センチストークスで
あれば何ら構わない。
【0061】本発明におけるシリコンオイル又はシリコ
ンワニスの処理量は固型分比で、酸化チタン100重量
部に対して、1〜40重量部、好ましくは2〜30重量
部が良い。
【0062】本発明に用いられるシランカップリング剤
は一般式 Rm SiYn R:アルコオキシ基又は、塩素原子 m:1〜3の整数 Y:アルキル基 ビニル基,グリシドキシ基,メタクリル基を含む炭化水
素基 n:3〜1の整数 で表わされるもので例えば代表的にはジメチルジクロル
シラン,トリメチルクロルシラン,アリルジメチルクロ
ルシラン,ヘキサメチルジシラザン,アリルフェニルジ
クロルシラン,ベンジルジメチルクロルシラン,ビニル
トリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,ジビ
ニルクロルシラン,ジメチルビニルクロルシラン等を挙
げることができる。
【0063】酸化チタン微粒子のシランカップリング剤
処理は、酸化チタン微粒子を撹拌等によりクラウド状と
したものに気化したシランカップリング剤を反応させる
乾式処理により行うことができる。シランカップリング
剤は、酸化チタン微粒子100重量部に対し、1〜20
重量部、さらに好ましくは3〜10重量部用いるのが良
い。
【0064】本発明においては、添加剤として、平均粒
径20〜200mμ、好ましくは20〜150mμと3
00〜800mμに2つのピークを有する比電気抵抗1
6〜1014Ωmである正帯電性有機樹脂粒子を外添添
加するとより一層効果的である。
【0065】その理由としては、結着樹脂と本発明で用
いるキャリアとの過度の摺擦によるチャージアップが前
述の有機樹脂粒子によって一層中和されるからである。
【0066】さらに、この有機樹脂粒子を添加すること
により、トナーの帯電の立ち上がりが一層促進され、初
期から非常に安定した帯電特性が達成される。
【0067】本発明に使用する着色剤含有樹脂粒子に使
用する結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−ク
ロルスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン−p−ク
ロルスチレン共重合体、スチレンビニルトルエン共重合
体、等のスチレン及びその置換体の単独重合体及びそれ
らの共重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重合体、
スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アク
リル酸−n−ブチル共重合体等のスチレンとアクリル酸
エステルとの共重合体;スチレン−メタクリル酸メチル
共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、ス
チレン−メタクリル酸−n−ブチル共重合体等のスチレ
ンとメタクリルエステルとの共重合体;スチレンとアク
リル酸エステル及びメタクリル酸エステルとの多元共重
合体;その他スチレン−アクリロニトリル共重合体、ス
チレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重
合体、スチレン−アクリロニトリルインデン共重合体、
スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等のスチレン
と他のビニル系モノマーとのスチレン系共重合体;ポリ
メチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポ
リ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹
脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、フェノー
ル樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、石油樹脂、塩
素化パラフィン、等が単独又は混合して使用できる。特
に圧力定着方式に供せられるトナー用の結着樹脂として
低分子ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、高級脂肪酸、ポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂等が単独または混合して使用できる。
【0068】本発明の実施上特に好ましい樹脂として
は、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、ポリエステ
ル樹脂がある。
【0069】特に、次式
【0070】
【化4】 (式中Rはエチレン又はプロピレン基であり、x、yは
それぞれ1以上の整数であり、且つx+yの平均値は2
〜10である。)で代表されるビスフェノール誘導体も
しくは置換体をジオール成分とし、2価以上のカルボン
酸又はその酸無水物又はその低級アルキルエステルとか
らなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸など)とを少なくとも共縮重合し
たポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有するので
より好ましい。
【0071】特に、トランスペアレンシーフィルムでの
透過性の点で、90℃における見掛粘度が5×104
5×106 ポイズ、好ましくは25×104 〜2×10
6 ポイズ、より好ましくは105 〜106 ポイズであ
り、100℃における見掛粘度は104 〜5×105
イズ、好ましくは104 〜3.0×105 ポイズ、より
好ましくは104 〜2×105 ポイズであることによ
り、透過性良好なカラーOHPが得られフルカラートナ
ーとしても定着性、混色性、及び耐高温オフセット性良
好な結果が得られる。
【0072】特に90℃における見掛粘度P1 と100
℃における見掛粘度P2 との差の絶対値が2×105
|P1 −P2 |<4×106 の範囲にあるのが好まし
い。
【0073】本発明に係るトナーには荷電特性を安定化
するために荷電制御剤を配合しても良い。その際トナー
の色調に影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が好
ましい。本発明においては負荷電性現像剤を使用したと
き、本発明は一層効果的になり、その際の負荷電制御剤
としては例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体(例
えばジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体又は
亜鉛錯体)の如き有機金属錯体が挙げられる。負荷電制
御剤をトナーに配合する場合には結着樹脂100重量部
に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重
量部添加するのが良い。
【0074】本発明に係るトナーと混合して二成分現像
剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃
度として、1.0重量%〜12重量%、好ましくは2重
量%〜9重量%にすると通常良好な結果が得られる。ト
ナー濃度が1.0重量%未満では画像濃度が低く実用不
可となり、12重量%を超える場合ではカブリや機内飛
散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を短める。
【0075】本発明に使用される着色剤としては公知の
染顔料等を広く使用することができる。
【0076】以下に本発明における測定方法について述
べる。 (1)摩擦帯電量の測定方法 測定法を図面を用いて詳述する。
【0077】図1はトナーのトリボ電荷量を測定する装
置の説明図である。先ず、底に500メッシュのスクリ
ーン3のある金属製の測定容器2に摩擦帯電量を測定し
ようとするトナーとキャリアの重量比1:19の混合物
50gを50〜1000ml容量のポリエチレン製のビ
ンに入れ、30回および500回手で振盪し、該混合物
(現像剤)約0.5〜0.9gを入れ金属製のフタ4を
する。このときの測定容器2全体の重量を秤りW1
(g)とする。次に、吸引機1(測定容器2と接する部
分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引し
風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を250mmA
qとする。この状態で充分、好ましくは約2分間吸引を
行いトナーを吸引除去する。このときの電位計9の電位
をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであり
容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定容器全体
の重量を秤りW2 (g)とする。このトナーの摩擦帯電
量(μc/g)は下式の如く計算される。
【0078】トナーの摩擦帯電量(μc/g)=C×V
/(W1 −W2 ) (2)樹脂中に残存するモノマーの定量方法 ガスクロマトグラフィー(島津GC−15A)による。
標準成分として、重合体を得るのに用いたモノマー(メ
チルメタクリレートなど)を用いる。標準物質入りクロ
マト用溶媒に測定する樹脂をとり、超音波洗浄器中に3
0分放置後、ろ過,注入し、カラム:J&W社DB−1
を使用して内部標準法により測定。 (3)分子量分布の測定法 分子量分布の測定には、GPC(ウォーターズ社製の高
速液体クロマトグラフ150C)を用い、カラムは、昭
和電工社製のショウデックス GPC KF−801,
802,803,804,805,806,807,8
00Pの組み合わせを用いた。試料濃度は、樹脂成分が
5mg/mlとなるように調製した。
【0079】本発明において、THFを溶媒としたGP
C(ジェルパーメイションクロマトグラフィ)によるク
ロマトグラムの分子量分布は次の条件で測定される。
【0080】すなわち、40℃のヒートチャンバ中でカ
ラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒と
してTHF(テトラハイドロフラン)を毎分1mlの流
速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定
する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分
子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により
作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算
出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料として
は、たとえば、東ソー社製或いは、昭和電工社製の分子
量が102 〜107 程度のものを用い、少なくとも10
点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当であ
る。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
尚カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを
複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和電工社製の
ショウデックス GPC KF−801,802,80
3,804,805,806,807,800Pの組み
合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(H
XL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),
G4000H(HXL),G5000H(HXL),G60
00H(HXL),G7000H(HXL),TSKガード
カラムの組み合わせを挙げることができる。
【0081】また試料は以下のようにして作製する。
【0082】試料をTHF中に入れ、数時間放置した後
十分に振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなく
なるまで)、さらに12時間以上静置する。このときT
HF中への放置時間が24時間以上となるようにする。
その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.45〜
0.5μm,例えば、マイショリディスクH−25−5
東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン
サイエンス ジャパン社製などが利用できる)を通過さ
せたものを、GPCの試料とする。また試料濃度は、樹
脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。 (4)樹脂のTg(ガラス転移点)測定方法 本発明においては、示差熱分析測定装置(DSC測定装
置)、DSC−7(パーキンエルマー社製)を用い測定
する。
【0083】測定試料は5〜20mg、好ましくは10
mgを精密に秤量する。
【0084】これをアルミパン中に入れ、リファレンス
として空のアルミパンを用い、先ず前履歴を消去する目
的で、次の操作を行う。N2 雰囲気下で室温から200
℃まで10℃/minで昇温させ、200℃で10分間
保つ。その後急冷し、10℃まで温度を下げ、10℃で
10分間保つ。その後、昇温速度10℃/minで、2
00℃まで昇温する。この昇温過程で、温度40〜10
0℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られ
る。
【0085】このときの吸熱ピークが出る前と出た後の
ペースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を本発
明におけるガラス転移温度Tgとする(図2参照)。 (5)外添剤微粒子の粒度測定方法 装置 測定装置としてコールターカウンターN4型及び分散用
超音波発生機として(株)トミー精工UD−200型を
使用する。 方法 微量の界面活性剤を加えた蒸留水30〜50ml中に適
量の試料を投入し、上記超音波発生機を用いて出力2〜
6で2〜5分間程度分散させる。試料の分散した懸濁液
をセルに移し、気泡が抜けるのを待って、あらかじめ測
定温度を50℃に設定しておいた上記コールターカウン
ターにセットする。試料を定温にするため10〜20分
経過した後測定を開始し、体積平均粒度分布を求める。
【0086】
【実施例】以下に本発明における実施例について述べ
る。
【0087】1.キャリア被覆用樹脂の合成例A メチルメタクリレート/ブチルアクリレート(90:1
0)モノマーを使用し、キシレン溶液中で溶液重合を行
ない、Tg94℃、数平均分子量(以下Mnと略す)4
万、重量平均分子量(以下Mwと略す)23万、Mw/
Mn=5.75、残存モノマー1900ppmの樹脂溶
液を得た。この樹脂溶液をさらにキシレンで希釈して、
固形分10%の樹脂溶液Aを得た。
【0088】2.合成例B メチルメタクリレート/スチレン(60:40)モノマ
ーを使用し、キシレン溶液中で溶液重合を行ない、T
g:108℃、Mn:5万、Mw:20万、Mw/Mn
=4、残存モノマー2400ppmの樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液をさらにキシレンで希釈し、固形分10%
の樹脂溶液Bを得た。
【0089】実施例1 樹脂溶液Aを100℃に加熱したものを使用し、岡田精
工社製スピラコーターにより、平均粒径45μmのCu
−Zn−Fe組成の球形フェライトに塗布した。塗布中
の装置内温度は100℃で樹脂溶液温度と同じになるよ
うにした。100℃で1時間乾燥を行ない、150℃で
1時間焼付処理して樹脂被覆キャリアを得た。
【0090】得られたキャリアの樹脂被覆量は0.57
重量%であった。また、電子顕微鏡による観察によれば
フェライトの芯材が樹脂で均一に被覆されていることが
確認された。
【0091】一方、 プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合 100重量部 して得られたポリエステル樹脂 フタロシアニン顔料 4重量部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4重量部 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、2軸
押出式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを
用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェ
ット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた
微粉砕物を分級して、本発明の粒度分布となるように2
〜10μmを選択し、着色剤含有樹脂粒子を得た。
【0092】上記樹脂粒子に、500センチストークス
のジメチルポリシロキサン10%を水系中で処理した帯
電量が−3.6μc/gのチタン微粒子(粒径0.05
μm、BET120m2 /gの酸化チタン)0.7重量
部と、平均粒径55mμ、帯電量+90μc/gのスチ
レン/メタクリル酸メチル樹脂粒子0.3重量部とを合
わせてシアントナーとした。
【0093】上記キャリアとシアントナーとを、トナー
濃度5%で混合し、現像剤を作製し、現像コントラスト
を300Vに固定したカラー複写機CLC−500(キ
ヤノン製)を用い画像面積比率50%のオリジナル原稿
を用いて前述の20℃/10%下、23℃/60%下、
30℃/80%で2万枚の画出しをした結果を表1及び
表2に示した。表1,2より上述の現像剤は、環境変動
に対する変動が小さく、非常に良好であることがわか
る。
【0094】なお、以下の比較例及び実施例も同様に表
1及び表2に示した。
【0095】ここで、カブリの評価は、東京電色社製の
REFLECTOMETER MODEL TC−6D
Sを使用して測定し、シアントナー画像では、ambe
rフィルターを使用し、下記式より算出した。数値が小
さい程カブリは少ない。
【0096】カブリ反射率(%)=標準紙の反射率
(%)−サンプルの非画像部の反射率(%)実施例2 樹脂溶液Bを115℃に加熱したものを実施例1と同様
の方法で115℃,1時間乾燥して溶剤を除去後、さら
に150℃,1時間焼付処理をして樹脂被覆キャリアを
得た。
【0097】このキャリアを用いて、実施例1と同様に
画出しを行ったところ、良好な結果が得られた。
【0098】比較例1 実施例1において、キャリア被覆用樹脂溶液Aの温度を
70℃にした以外は、実施例1と同様にして、得られた
キャリアを用いて画出しを行ったところ、初期から画像
のきめ細かさの点で実施例1に劣り、また、複写枚数と
ともにさらに画像のきめ細かさが悪くなる傾向が見ら
れ、カブリも増大した。
【0099】比較例2 実施例2において、キャリア被覆用樹脂溶液Bの温度を
90℃にした以外は、実施例2と同様にして得られたキ
ャリアを用いて画出しを行ったところ、画像のきめ細か
さの点で実施例2に劣り、また、画像のハーフトーン部
における濃度均一性が複写枚数とともに悪くなる傾向が
見られた。
【0100】比較例3 実施例1において酸化チタン微粒子を使用する代わり
に、ジメチルジクロロシランで疎水化処理を施したケイ
酸微粉体(BET170m2 /g,帯電量−7.4μc
/g)を使用する以外は実施例1と同様に画出しを行っ
たところ、20℃/10%下で画像濃度が1.16と低
下した。
【0101】比較例4 実施例1において、酸化チタン微粒子を使用しない以外
は実施例1と同様に画出しを行ったところ、初期は良好
であったが、400〜500枚でトナー飛散が激しく評
価を中止した。
【0102】実施例3 実施例1において、トナーと逆極性の樹脂粒子を使用し
ない以外は実施例1と同様に画出しを行ったところ、実
施例1に比べて、全体に画像濃度が低く、特に20℃/
10%下ではおよそ0.1低かったが良好な結果が得ら
れた。
【0103】実施例4 実施例1において、酸化チタン微粒子を水系中でn−C
613Si(OCH33 で疎水化処理した酸化チタン
(粒径0.05μm,BET110m2 /g、帯電量−
13μc/g)を使用する以外は実施例1と同様に画出
しを行ったところ、良好な結果が得られた。
【0104】
【表1】
【0105】
【発明の効果】本発明のカラー現像剤によると、種々の
環境での帯電性の安定化が図れ、高品質の画像が得られ
る。さらに、キャリアの芯材と被覆樹脂との密着性が優
れており、機械的強度が高く、且つ被覆に基きトナーに
よる汚染が抑制されるのでキャリアの寿命が長く、その
結果寿命の長い現像剤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーの摩擦帯電量を測定する装置の説明図で
ある。
【図2】本発明におけるガラス転移点の説明図である。
【符号の説明】
1 吸引機 2 測定容器 3 導電性スクリーン 4 フタ 5 真空計 6 風量調節弁 7 吸引口 8 コンデンサ 9 電位計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/113 G03G 9/08 371

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも着色剤含有樹脂粒子と流動向
    上剤とを含む絶縁性非磁性カラートナーと、キャリアと
    を有するカラー現像剤であって、 上記キャリアが、キャリア芯材重量に対して0.05
    〜5.0重量%の電気絶縁性樹脂で被覆されており、重
    量平均粒径が10〜200μmであり、且つ該芯材を該
    樹脂により被覆するための樹脂付着工程において、 Tg≦樹脂被覆用溶液の温度≦Tg+40℃ (Tgは該被覆用樹脂のガラス転移点を表わす)の範囲
    の温度にある樹脂被覆用溶液を用いて製造されたもので
    あり、 上記流動向上剤が、キャリアに対して30μc/g以
    下の絶対値を有する低トリボの流動向上剤である、こと
    を特徴とするカラー現像剤。
  2. 【請求項2】 流動向上剤が、酸化チタン又はアルミナ
    の微粒子であることを特徴とする請求項1に記載のカラ
    ー現像剤。
  3. 【請求項3】 流動向上剤が、トナーと同極性に帯電す
    る酸化チタン微粒子であることを特徴とする請求項2に
    記載のカラー現像剤。
  4. 【請求項4】 酸化チタン微粒子が、水系中でシリコン
    オイル或いはシリコンワニスで表面処理されていること
    を特徴とする請求項3に記載のカラー現像剤。
  5. 【請求項5】 酸化チタン微粒子が、水系中でシリコン
    オイル或いはシリコンワニスで表面処理された後、気相
    中でカップリング剤で表面処理されていることを特徴と
    する請求項3に記載のカラー現像剤。
JP05059325A 1993-02-25 1993-02-25 カラー現像剤 Expired - Fee Related JP3108836B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05059325A JP3108836B2 (ja) 1993-02-25 1993-02-25 カラー現像剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05059325A JP3108836B2 (ja) 1993-02-25 1993-02-25 カラー現像剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06250443A JPH06250443A (ja) 1994-09-09
JP3108836B2 true JP3108836B2 (ja) 2000-11-13

Family

ID=13110096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05059325A Expired - Fee Related JP3108836B2 (ja) 1993-02-25 1993-02-25 カラー現像剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3108836B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06250443A (ja) 1994-09-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5604071A (en) Toner for developing electrostatic image
JP2012203045A (ja) 静電潜像現像用トナー
EP0466149A1 (en) Toner, developer, and image forming method
JP3108836B2 (ja) カラー現像剤
JP3363462B2 (ja) カラー現像剤
JP3141298B2 (ja) 電子写真用キャリア
JP2909681B2 (ja) 電子写真用キャリア
JP3079388B2 (ja) カラー現像剤
JP2782277B2 (ja) カラー現像剤
JP3054889B2 (ja) 電子写真用キャリアの製造方法
JP3466875B2 (ja) 電子写真用キャリア
JP3234953B2 (ja) カラー現像剤
JP3185072B2 (ja) 電子写真用キャリアの製造方法
JP2992921B2 (ja) 電子写真用キャリア及び二成分系現像剤
JPH07113788B2 (ja) 二成分系現像剤
JP3057817B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP2835993B2 (ja) カラートナー
JP2715336B2 (ja) ブラック現像剤
JPH03278067A (ja) カラートナー及び該カラートナーを用いた画像形成方法
JPS6239880A (ja) 電子写真用キヤリヤ
JP2916820B2 (ja) 電子写真用キャリア
JP2853272B2 (ja) 磁気ブラシ現像用キャリア及び現像剤組成物
JPH04188148A (ja) カラー現像剤
JPH0534989A (ja) 電子写真用キヤリア
JPS638676A (ja) 磁気ブラシ現像法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000808

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070914

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080914

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090914

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees