JP3363462B2 - カラー現像剤 - Google Patents

カラー現像剤

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JP3363462B2
JP3363462B2 JP24651591A JP24651591A JP3363462B2 JP 3363462 B2 JP3363462 B2 JP 3363462B2 JP 24651591 A JP24651591 A JP 24651591A JP 24651591 A JP24651591 A JP 24651591A JP 3363462 B2 JP3363462 B2 JP 3363462B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真法、静電印刷法
などにおいて、電気的潜像又は磁気的潜像を現像するの
に用いられる現像剤に関し、とりわけ耐久性と環境安定
性を著しく改良したカラー現像剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来電子写真法において静電潜像をトナ
ーを用いて現像する方法としては大別してトナーをキャ
リアと呼ばれる媒体に少量分散させたいわゆる2成分系
現像剤を用いる方法と、キャリアを用いることなくトナ
ー単独使用のいわゆる1成分系現像剤を用いる方法とが
ある。本発明は上記現像剤のうちトナーとキャリアから
なる2成分系現像剤に関する。該2成分系現像剤を構成
するキャリアは導電性キャリアと絶縁性キャリアに大別
され導電性キャリアとしては通常酸化又は未酸化の鉄粉
が用いられるが、この鉄粉キャリアを成分とする現像剤
においては、トナーに対する摩擦帯電性が不安定であ
り、また現像剤により形成される可視像にカブリが発生
する欠点がある。即ち現像剤の使用に伴ない、鉄粉キャ
リア粒子の表面にトナー粒子が付着、蓄積(スペント・
トナー)するため、キャリア粒子の電気抵抗が増大し
て、バイアス電流が低下し、しかも摩擦帯電性が不安定
となり、この結果形成される可視像の画像濃度が低下し
カブリが増大する。従って鉄粉キャリアを含有する現像
剤を用いて電子複写装置により連続的に複写を行なう
と、少数回で現像剤が劣化するため、現像剤を早期に交
換することが必要となり、結局コストが高いものとな
る。
【0003】また絶縁性キャリアとしては一般に鉄、ニ
ッケル、フェライト等の強磁性体より成るキャリア芯材
の表面を絶縁性樹脂により均一に被覆したキャリアが代
表的なものである。このキャリアを用いた現像剤におい
てはキャリア表面にトナー粒子が融着することが導電性
キャリアの場合に比べて著しく少なく、同時にトナーと
キャリアとの摩擦帯電性を制御することが容易であり耐
久性に優れ使用寿命が長い点で特に高速の電子複写機に
好適であるという利点がある。
【0004】しかしながら、この絶縁性キャリアにおい
ては、キャリア自身がトナー粒子とは逆極性に強く帯電
してしまい、背景部へのキャリア付着の問題が生じてし
まうばかりでなく、キャリア表面へのトナースペントも
増長されてしまうことが多い。
【0005】この傾向は、トナー自身にリークサイトを
持たない非磁性カラートナーに顕著であり、とりわけ帯
電能の高いポリエステル系バインダーを使用した着色剤
含有樹脂粒子をトナーとして使用したときより増長さ
れ、特に低湿下において問題となる。
【0006】その対策としてキャリアサイドとしては、
キャリア自身が強く帯電するがために生じるキャリア付
着を解消する目的で、被覆樹脂中に例えば導電性のカー
ボンブラックなどを分散させてキャリアに被覆すること
が提案されているが、これまでのところ必ずしも安定な
被覆状態が達成されているとはいえず、長期使用による
カーボンブラックなどの遊離によるカブリなどの新たな
問題が生じている。
【0007】さらには表面エネルギーの小さいフッ素樹
脂或いはシリコーン樹脂などを被覆する例も提案されて
いるが、これらの表面エネルギーの小さい樹脂を被覆し
たキャリアはトナーの帯電の立ち上がりが遅く、特に高
湿下でのトナー飛散などが生じやすくなる。
【0008】また、絶縁性キャリアに対して要求される
特性は種々あるが、特に重要な特性として適当な帯電
性、耐衝撃性、耐摩耗性、コアと被覆材料との良好な密
着性、電荷分布の均一性等を挙げることができる。
【0009】上記諸要求特性を考慮すると、従来使用さ
れてきた絶縁性キャリアは依然として改善すべき問題を
残しており、完全なものは今のところ知られていない。
例えば、アクリル系レジン等をキャリアのコート材とし
て用いる例は、特開昭47−13954号、特開昭60
−208765号公報などで開示されている。また特に
分子量について述べられているものとしては、特開昭6
0−208767号公報などで開示されており、分子量
を一定管理することによりコートされたキャリアの帯電
性が安定化することが知られている。
【0010】ところが、コーティング樹脂をキャリア芯
材に付着させるには、コーティング装置の条件やコーテ
ィングを行う環境、特に湿度の影響を受け易く、例えそ
れらを厳しく管理しても樹脂を安定的に芯材に付着さ
せ、十分な帯電性、耐久性を持たせるためには、未だ満
足がゆくものがないのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の如き
欠点のない現像剤を提供するものであり、摩擦帯電特性
が安定で、且つキャリア付着防止に優れたカラー現像剤
を提供するものである。
【0012】また別の目的は、トナー飛散の少ないカラ
ー現像剤を提供することにある。
【0013】また別の目的は、キャリア粒子表面へのト
ナースペントが起りにくく、且つキャリア被覆樹脂が強
固に付着することにより、安定な現像能力を有する長寿
命のカラー現像剤を提供することにある。
【0014】また別の目的は、環境の変動に対して、帯
電の立ち上がりが良好で、帯電特性の変動が小さく、極
めて安定した画像を与えるカラー現像剤を提供すること
にある。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の特徴と
するところは、少なくとも負帯電性着色剤含有樹脂粒
子、流動向上剤及び正帯電性有機樹脂粒子を含む絶縁性
非磁性カラートナーと、キャリアとを有するカラー現像
剤であって、上記キャリアが、キャリア芯材重量に対
して0.05〜5.0重量%の電気絶縁性樹脂で被覆さ
れており、重量平均粒径10〜200μmであり、且つ
該被覆樹脂の数平均分子量が10000〜20000
0、重量平均分子量/数平均分子量が2.0〜8.0、
ガラス転移点が55〜140℃であり、上記流動向上
剤が、キャリアに対して30μC/g以下の絶対値を有
する低トリボの酸化チタン又はアルミナの微粒子であ
る、ことを特徴とするカラー現像剤である。
【0016】本発明においてキャリア芯材を被覆する樹
脂は数平均分子量が1万〜20万、好ましくは2万〜1
5万のものである。数平均分子量が20万を超えるもの
を使用した場合にはコア材との密着性が悪く、帯電の立
ち上がりも遅いため、ランニング時の帯電量が低下し、
その結果カブリの早期発生並びに機内汚染を生ずるので
望ましくない。一方、数平均分子量が1万に満たないも
のを使用した場合には被覆層の内部破壊に基く剥離が著
しく、キャリアひいては現像剤の短寿命化の原因となる
ので好ましくない。
【0017】さらに、本発明においては樹脂の分子量分
布も重要であり、本発明においては、芯材への樹脂の安
定的な付着のために、重量平均分子量が少なくとも数平
均分子量の2倍以上8倍以下の値を持っていなければな
らない。
【0018】その理由は未だ明らかではないが、重量平
均分子量が数平均分子量の2倍未満の値であると分子量
分布がシャープであるが、被覆時の芯材への付着力が弱
くなる傾向が見られ、また、重量平均分子量が数平均分
子量の8倍を超える様な場合には、芯材への付着力は十
分であるが、キャリアがトナー汚染しやすくなり、耐刷
後のキャリア表面に付着しているトナーが多く、トリボ
も低下してくる傾向にある。
【0019】また、今までに、キャリア芯材との付着性
に優れる被覆樹脂については、ガラス転移点(Tg)が
低いものほど良好であり、Tgが高くなるにつれ、付着
性が低下し、特にTgが140℃を超える樹脂について
は、付着性が弱く、Tg以上に加熱してコーティングを
行っても、使用中に塗膜のヒビ割れが起こり易く、被覆
樹脂がコア材から剥離してしまうということが確認され
ている。
【0020】一方、55℃以下の低いTgをもつキャリ
アコート樹脂では芯材との付着性においては優れている
がキャリアへのトナー付着(スペント)を起こし易く、
また、特に高温条件下において樹脂の硬度が不十分でキ
ャリア自体の流動性も悪くなり、帯電付与能が低く、実
用上問題がある。
【0021】そこで、本発明者らは被覆樹脂のTgが5
5℃以上のものでも、キャリア芯材との付着性を十分に
持たせるための条件としてコート前の樹脂中に残存モノ
マーを一定量含有させることを見出した。特にTgの高
いものほどより多く含有させることで良い結果が得られ
ることが判明した。これは、Tgが上昇することによる
付着性の低下を残存モノマーを存在させることによって
補う構成になっているためである。
【0022】ただし、Tgが140℃を越える樹脂につ
いては、樹脂中に残存モノマーを存在させても耐刷中の
劣化を抑えることが困難であることがわかっており本発
明に用いられる被覆樹脂のTgとしては、55℃以上1
40℃以下である。
【0023】樹脂中に残存モノマーを一定範囲量含む樹
脂を被覆したキャリアが帯電の安定化に極めて効果的で
ある理由は、明らかではないが、恐らく被覆時に残存モ
ノマーがポリマーと芯材との間にわずかに存在すること
で、ポリマーの芯材表面へのぬれ性が増加し、モノマー
が存在しない場合に比べてより均一にポリマーを付着さ
せられるということが挙げられる。
【0024】しかし、残存モノマーが多すぎると逆に芯
材への付着強度が下がるという弊害を生じることから、
本発明におけるコート樹脂中の残存モノマーの含有量
は、被覆樹脂の総量に対して50〜3000ppmに管
理する必要がある。好ましくは、50〜1500ppm
であり、より好ましくは、50〜1000ppmであ
る。
【0025】残存するモノマーの含有量が50ppmに
満たない場合、キャリア芯材に対して塗布ムラが生じ易
く、また、芯材への樹脂の付着力が弱くなり、耐久中に
おいて、コート材に剥離によるトリボの低下によるトナ
ーの非画像部への付着であるいわゆる地カブリを生じ
る。
【0026】また、残存するモノマーの含有量が300
0ppmを越えた場合には、現像剤の長期使用において
帯電量の低下が著しく、トナー飛散や濃度低下が発生す
る。この様な傾向は、トナー補給量が多い画像面積比率
の高い原稿を用いた場合などにおいて、より一層顕著に
現れる。尚、本発明における樹脂中に残存するモノマー
の定量はガスクロマトグラフィーなどを用いて行うこと
ができる。
【0027】本発明に用いられる被覆樹脂の重合体成分
としては以下のようなものを使用することができる。
【0028】即ち、スチレン、メチルスチレン、ジメチ
ルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジ
エチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレ
ン、ブチルスチレン、へキシルスチレン、へプチルスチ
レン、オクチルスチレンなどのアルキルスチレン、フロ
ロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロ
モスチレン、ヨードスチレンなどのハロゲン化スチレ
ン、さらにニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキ
シスチレンなどのスチレン系モノマー;アクリル酸、メ
タクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、α−
メチルクロトン酸、α−エチルクロトン酸、イソクロト
ン酸、チグリン酸、ウンゲリカ酸などの付加重合性不飽
和脂肪族モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタ
コン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、ジ
ヒドロムコン酸などの付加重合性不飽和脂肪族ジカルボ
ン酸;前記付加重合性不飽和カルボン酸とアルコール、
例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピル
アルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘ
キシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアル
コール、ノニルアルコール、ドデシルアルコール、テト
ラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコールなどのア
ルキルアルコール、これらアルキルアルコールを一部ハ
ロゲン化したハロゲン化アルキルアルコール、メトキシ
エチルアルコール、エトキシエチルアルコール、エトキ
シエトキシエチルアルコール、メトキシプロピルアルコ
ール、エトキシプロピルアルコールなどのアルコキシア
ルキルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチ
ルアルコール、フェニルプロピルアルコールなどのアラ
ルキルアルコール、アリルアルコール、クロトニルアル
コールなどのアルケニルアルコール等、とのエステル化
物、特にアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸ア
ルキルエステル、フマル酸アルキルエステル、マレイン
酸アルキルエステル等が好ましい例である;前記付加重
合性不飽和カルボン酸より誘導されるアミド及びニトリ
ル;エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレンなど
の脂肪族モノオレフィン;塩化ビニル、臭化ビニル、ヨ
ウ化ビニル、1,2−ジクロロエチレン、1,2−ジブ
ロモエチレン、1,2−ジヨードエチレン、塩化イソプ
ロペニル、臭化イソプロペニル、塩化アリル、臭化アリ
ル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン
などのハロゲン化脂肪族オレフィン;1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ブタ
ジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2,
4−ヘキサジエン、3−メチル−2,4−ヘキサジエン
などの共役ジエン系脂肪族ジオレフィン;2−ビニルピ
リジン、4−ビニルピリジン、2−ビニル−6−メチル
ピリジン、2−ビニル−5−メチルピリジン、4−ブテ
ニルピリジン、4−ペンチルピリジン、N−ビニルピペ
リジン、4−ビニルピペリジン、4−ビニルピペリジ
ン、N−ビニルジヒドロピリジン、N−ビニルピロー
ル、2−ビニルピロール、N−ビニルピロリン、N−ビ
ニルピロリジン、2−ビニルピロリジン、N−ビニル−
2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビ
ニルカルバゾール等の含窒素ビニル系モノマーを例示す
ることができる。これらは単独でもしくは2種以上の組
合せで使用することができる。
【0029】本発明において被覆樹脂を製造するのに用
いる重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル
等のアゾ化合物や、クメンヒドロペルオキシド、ter
t−ブチルヒドロペルオキシド、ジクミルぺルオキシ
ド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、過酸化ベンゾ
イル、過酸化ラウロイル等の過酸化物等の公知の開始剤
が使用される。この他にγ−線、加速電子線のようなイ
オン化放射線や各種増感剤との組み合わせも使用され
る。
【0030】アゾ化合物、過酸化物等の重合開始剤の配
合量は、所謂触媒適量でよく、一般に仕込み単量体当た
り0.1〜10重量%の量で用いるのが良い。重合反応
温度は公知のそれでよく、一般に40〜140℃の温度
で充分である。尚、反応系の撹拌は、全体として均質な
反応が生ずるような緩和な撹拌でよく、また酸素による
重合抑制を防止するために、反応系を窒素等の不活性ガ
スで置換して重合を行ってもよい。そして、得られた重
合体を回収し、そして必要に応じて単量体と相溶性があ
り、重合体成分は溶解させない溶媒中に重合体を浸漬し
て、撹拌操作を行う。
【0031】好ましい溶媒としては、生成される樹脂粒
子の樹脂成分及び使用する重合性単量体によって便宜選
択されるが、水やメタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノー
ル、ヘキサノール、オクタノール等のアルコール類、n
−ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオク
タン、デカン、2,2’−ジメチルブタン、シクロヘキ
サン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエ
タン、四塩化炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化
水素、ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、アセ
トニトリル、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジ
エチルホルムアミド等の種々の溶媒が使用される。上記
溶媒は単独で使用してもよいが、樹脂によっては2種以
上の混合溶媒として使用できる。
【0032】また、処理時間としては0.01〜5時間
程度で残留する単量体を所要量を残して抽出させる操作
を行なう。
【0033】そして、この浸漬・撹拌処理された重合体
を濾過し、キャリアコート用樹脂とする。このようにし
て得られた樹脂は単量体が適量残留、含有され、耐久
性、帯電安定性に優れたキャリアコート用樹脂となる。
【0034】本発明において被覆樹脂のキャリア芯材に
対する塗布量は、樹脂固型分が0.05〜5.0重量
%、好ましくは0.2〜5.0重量%である。0.05
重量%未満では、キャリア芯材の樹脂による被覆効果が
十分でなく、5.0重量%を越える塗布量は無意味であ
り、また製造上からも過剰な樹脂が単独で存在する場合
もあり、好ましくない。
【0035】また、用いるキャリア芯材の重量平均粒径
は17〜200μm、好ましくは20〜65μmであ
る。本発明においてキャリアの粒径分布の測定はJIS
−H2601に基く。また、平均粒径は得られた粒度分
布測定値より、下式に従って求める。 平均粒径(μm)=(1/100)×{(100メッシ
ュ篩の残量)×140+(145メッシュ篩の残量)×
120+(200メッシュ篩の残量)×90+(250
ッシュ篩の残量)×68+(350メッシュ篩の残量)
×52+(400ッシュ篩の残量)×38+(全篩通過
量)×17} 本発明に用いられる磁性粒子の材質としては、特に限定
されないが、98%以上のCu−Zn−Fe(金属組成
比(5〜20):(5〜20):(30〜80))の組
成からなるフェライト粒子が、表面均一化が容易で帯電
能が安定するためには好ましいが、偏平状,海綿状,コ
イン状,球状,真球状等種々の形状の酸化鉄粉,銅,マ
ンガン,コバルト,ニッケル,亜鉛,スズ,マグネシウ
ム,鉛,ストロンチウム,バリウム,リチウム等の中か
ら一つ又は複数含有して成るフェライト,種々の樹脂と
磁性粉との混合物からなる粒子等を使用することができ
る。
【0036】本発明において、キャリア芯材の樹脂被覆
のためには、例えば前記のように製造した重合体の1種
又は2種以上の混合物を適当な溶媒に溶解し得られる溶
液中に芯材を浸漬し、しかる後に脱溶媒、乾燥、高温焼
付けする方法、或いは芯材を流動化床中で浮遊させ、前
記共重合体溶液を噴霧塗布し、乾燥、高温焼付けする方
法等を利用することができる。これらの方法において、
高温焼付け処理は残存モノマーを除去するという意味と
芯材と共重合体層との密着強度を高めるという観点から
約80〜240℃での処理をすることが好ましい。
【0037】かくして得られる本発明のキャリアはトナ
ーと混合して静電潜像現像用の磁性ブラシ現像剤として
使用される。
【0038】
【0039】 次に、本発明に使用される流動向上剤と
しては、比較的容易にシャープな粒度分布の得られる酸
化チタン或いはアルミナの微粒子であり、特に好適なの
は、トナーと同極性を有する酸化チタン微粒子である。
【0040】その製造法、結晶構造には特に制約はない
が、粒径0.02〜0.2μm、疎水化度20〜80%
である酸化チタン微粒子を含有することが望ましい。
【0041】即ち、上述の酸化チタン微粒子が帯電の安
定化、流動性付与の点で極めて有効であるのを見出した
のである。これは、一般に知られている流動向上剤とし
ての疎水性シリカでは達成できなかったものである。そ
の理由としては、シリカ微粒子がそれ自身強いネガ性で
あるのに対して、酸化チタン微粒子はほぼ中性であるこ
とに起因する。
【0042】 酸化チタン微粒子の疎水化度を20〜8
0%にするために、特に水系中でシリコンオイル又は
シリコンワニスで表面処理を行うことが好ましい。従
来より疎水性チタンを添加することが提案されている
が、酸化チタン微粒子は本来表面活性がシリカに比べて
小さく、疎水化は必ずしも十分に行われていなかった。
また、処理剤等を多量に使用したり、高粘性の処理剤等
を使用した場合、疎水化度は確かに上がるものの、粒子
同士の合一等が生じ、流動性付与能が低下するなど、帯
電の安定化と流動性付与の両立は必ずしも達成されてい
なかった。
【0043】 しかるに水系中で酸化チタン微粒子を機
械的に一次粒径となるよう分散しながらシリコンオイ
ル又はシリコンワニスで表面処理するため、気相中で
処理するより、粒子同士の合一が生じにくく、また、処
理による粒子間の帯電反発作用が働き、酸化チタン微粒
子がほぼ一次粒子の状態で表面処理されることがわかっ
た。
【0044】本発明をより一層効果的にするためには、
さらに気相中でカップリング剤で粒子同士が合一しない
よう表面処理をすることが有効である。これは、水系中
の処理で残存する酸化チタンの官能基をカップリング剤
で封止することが目的であったが、驚くべきことにその
反応性は、一旦水系中で処理されているために、非常に
高いことが見出せた。この理由としてはいまだ明確では
ないがあらかじめ水系中で有機処理してあるために、カ
ップリング剤の反応基以外の部位と酸化チタン微粒子の
親油基の部位とのなじみが良好で、反応効率が高められ
るからであると推測される。従って、本発明において
は、低粘性から高粘性まで非常に広い範囲でカップリン
グ剤が選択でき、帯電能、流動性付与能の点で非常に有
効である。
【0045】本発明において、前記したように酸化チタ
ン微粒子の疎水化度は20〜80%、さらには30〜7
0%が好ましい。
【0046】疎水化度が20%より小さいと、高湿下で
の長期放置による帯電量低下が大きく、ハード側での帯
電促進の機構等が必要となり、装置の複雑化となり、ま
た、80%を超えると酸化チタン微粒子自身の帯電コン
トロールが難しくなり、結果として低湿下でトナーがチ
ャージアップしてしまう。
【0047】また、粒径としては流動性付与の点から
0.02〜0.2μm、さらには0.02〜0.1μm
が良い。
【0048】粒径が0.2μmより大きいと流動性不良
によるトナー帯電が不均一となり、結果として、トナー
飛散、カブリ等が生じてしまう。また0.02μmより
小さいとトナー表面に埋め込まれ易くなり、トナー劣化
が早く生じてしまい耐久性が逆に低下してしまう。この
傾向は、本発明に用いられるシャープメルト性のカラー
トナーにおいてより顕著である。
【0049】 本発明に用いられるシリコンオイルと
しては、特に制約はないが、一般式
【0050】
【化1】 (R1 ,R2 はCH3 又はOH)で表わされるジメチル
ポリシロキサンタイプ、一般式
【0051】
【化2】 で表わされるメチルハイドロジエンポリシロキサンタイ
プ、一般式
【0052】
【化3】 で表わされるメチルフェニルポリシロキサンタイプ、な
どが使用できる。さらに必要に応じて、アルキル変性、
アミノ変性、エポキシ変性、エポキシ・ポリエーテル変
性、カルボキシル変性、メルカプト変性、アルコール変
性、フッ素変性等を行ってもよい。
【0053】 上記シリコンオイルは、25℃におけ
る粘度が50〜1000センチストークスのものが好ま
しい。50センチストークス未満では揮発分が多く、処
理効果が長続きしない。また1000センチストークス
を超えると、水系中で均一処理が難しくなり、処理効率
が極端に悪化してしまう。
【0054】 本発明に用いられるシリコンワニス
も、25℃における粘度が50〜1000センチストー
クスであれば何ら構わない。
【0055】 本発明におけるシリコンオイル又はシ
リコンワニスの処理量は固型分比で、酸化チタン10
0重量部に対して、1〜40重量%、好ましくは2〜3
0重量%が良い。
【0056】本発明に用いられるシランカップリング剤
は一般式 Rm SiYn R:アルコオキシ基又は、塩素原子 m:1〜3の整数 Y:アルキル基 ビニル基,グリシドキシ基,メタクリル基を含む炭化水
素基 n:3〜1の整数 で表わされるもので例えば代表的にはジメチルジクロル
シラン,トリメチルクロルシラン,アリルジメチルクロ
ルシラン,ヘキサメチルジシラザン,アリルフェニルジ
クロルシラン,ベンジルジメチルクロルシラン,ビニル
トリエトキシシラン,γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン,ビニルトリアセトキシシラン,ジビ
ニルクロルシラン,ジメチルビニルクロルシラン等を挙
げることができる。
【0057】酸化チタン微粒子のシランカップリング剤
処理は、酸化チタン微粒子を撹拌等によりクラウド状と
したものに気化したシランカップリング剤を反応させる
乾式処理により行うことができる。シランカップリング
剤は、酸化チタン微粒子100重量部に対し、1〜20
重量部、さらに好ましくは3〜10重量部用いるのが良
い。
【0058】本発明においては、添加剤として、平均粒
径20〜200mμ、好ましくは20〜150mμと3
00〜800mμに2つのピークを有する比電気抵抗1
6〜1014Ωmである正帯電性有機樹脂粒子を外添添
加するとより一層効果的である。
【0059】その理由としては、結着樹脂と本発明で用
いるキャリアとの過度の摺擦によるチャージアップが前
述の有機樹脂粒子によって一層中和されるからである。
【0060】さらに、この有機樹脂粒子を添加すること
により、トナーの帯電の立ち上がりが一層促進され、初
期から非常に安定した帯電特性が達成される。
【0061】本発明に使用する着色剤含有樹脂粒子に使
用する結着樹脂としては、ポリスチレン、ポリ−p−ク
ロルスチレン、ポリビニルトルエン、スチレン−p−ク
ロルスチレン共重合体、スチレンビニルトルエン共重合
体、等のスチレン及びその置換体の単独重合体及びそれ
らの共重合体;スチレン−アクリル酸メチル共重合体、
スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アク
リル酸−n−ブチル共重合体等のスチレンとアクリル酸
エステルとの共重合体;スチレン−メタクリル酸メチル
共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、ス
チレン−メタクリル酸−n−ブチル共重合体等のスチレ
ンとメタクリルエステルとの共重合体;スチレンとアク
リル酸エステル及びメタクリル酸エステルとの多元共重
合体;その他スチレン−アクリロニトリル共重合体、ス
チレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重
合体、スチレン−アクリロニトリルインデン共重合体、
スチレン−マレイン酸エステル共重合体、等のスチレン
と他のビニル系モノマーとのスチレン系共重合体;ポリ
メチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポ
リ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹
脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、フェノー
ル樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、石油樹脂、塩
素化パラフィン、等が単独又は混合して使用できる。特
に圧力定着方式に供せられるトナー用の結着樹脂として
低分子ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、高級脂肪酸、ポリアミド樹脂、ポリエステ
ル樹脂等が単独または混合して使用できる。
【0062】本発明の実施上特に好ましい樹脂として
は、スチレン−アクリル酸エステル系樹脂、ポリエステ
ル樹脂がある。
【0063】特に、次式
【0064】
【化4】 (式中Rはエチレン又はプロピレン基であり、x、yは
それぞれ1以上の整数であり、且つx+yの平均値は2
〜10である。)で代表されるビスフェノール誘導体も
しくは置換体をジオール成分とし、2価以上のカルボン
酸又はその酸無水物又はその低級アルキルエステルとか
らなるカルボン酸成分(例えばフマル酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリッ
ト酸、ピロメリット酸など)とを少なくとも共縮重合し
たポリエステル樹脂がシャープな溶融特性を有するので
より好ましい。
【0065】特に、トラペンでの透過性の点で、90℃
における見掛粘度が5×104 〜5×106 ポイズ、好
ましくは25×104 〜2×106 ポイズ、より好まし
くは105 〜106 ポイズであり、100℃における見
掛粘度は104 〜5×105ポイズ、好ましくは104
〜3.0×105 ポイズ、より好ましくは104 〜2×
105 ポイズであることにより、透過性良好なカラーO
HPが得られフルカラートナーとしても定着性、混色
性、及び耐高温オフセット性良好な結果が得られる。
【0066】特に90℃における見掛粘度Pと100
℃における見掛粘度P2 との差の絶対値が2×105
|P1 −P2 |<4×106 の範囲にあるのが好まし
い。
【0067】本発明に係るトナーには荷電特性を安定化
するために荷電制御剤を配合しても良い。その際トナー
の色調に影響を与えない無色又は淡色の荷電制御剤が好
ましい。本発明においては負荷電性現像剤を使用したと
き、本発明は一層効果的になり、その際の負荷電制御剤
としては例えばアルキル置換サリチル酸の金属錯体(例
えばジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体又は
亜鉛錯体)の如き有機金属錯体が挙げられる。負荷電制
御剤をトナーに配合する場合には結着樹脂100重量部
に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重
量部添加するのが良い。
【0068】本発明に係るトナーと混合して二成分現像
剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃
度として、1.0重量%〜12重量%、好ましくは2重
量%〜9重量%にすると通常良好な結果が得られる。ト
ナー濃度が1.0重量%未満では画像濃度が低く実用不
可となり、12重量%を超える場合ではカブリや機内飛
散を増加せしめ、現像剤の耐用寿命を短める。
【0069】本発明に使用される着色剤としては公知の
染顔料等を広く使用することができる。
【0070】以下に本発明における測定方法について述
べる。 (1)摩擦帯電量の測定方法 測定法を図面を用いて詳述する。
【0071】 図1はトナーのトリボ電荷量を測定する
装置の説明図である。先ず、底に500メッシュのスク
リーン3のある金属製の測定容器2に摩擦帯電量を測定
しようとするトナーとキャリアの重量比1:19の混合
物50gを50〜1000ml容量のポリエチレン製の
ビンに入れ、30回および500回手で振盪し、該混合
物(現像剤)約0.5〜0.9gを入れ金属製のフタ4
をする。このときの測定容器2全体の重量を秤りW
1(g)とする。次に、吸引機1(測定容器2と接する
部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口7から吸引
し風量調節弁6を調整して真空計5の圧力を250mm
Aqとする。この状態で充分、好ましくは約2分間吸引
を行いトナーを吸引除去する。このときの電位計9の電
位をV(ボルト)とする。ここで8はコンデンサーであ
り容量をC(μF)とする。また、吸引後の測定容器全
体の重量を秤りW2(g)とする。このトナーの摩擦帯
電量(μ/g)は下式の如く計算される。
【0072】 トナーの摩擦帯電量(μc/g)=C×V/(W1 −W2 ) (2)樹脂中に残存するモノマーの定量方法 ガスクロマトグラフィー(島津GC−15A)による。
標準成分として、重合体を得るのに用いたモノマー(メ
チルメタクリレートなど)を用いる。標準物質入りクロ
マト用溶媒に測定する樹脂をとり、超音波洗浄器中に3
0分放置後、ろ過,注入し、カラム:J&W社DB−1
を使用して内部標準法により測定。 (3)分子量分布の測定法 分子量分布の測定には、GPC(ウォーターズ社製の高
速液体クロマトグラフ150C)を用い、カラムは、昭
和電工社製のショウデックス GPC KF−801,
802,803,804,805,806,807,8
00Pの組み合わせを用いた。試料濃度は、樹脂成分が
5mg/mlとなるように調製した。
【0073】本発明において、THFを溶媒としたGP
C(ジェルパーメイションクロマトグラフィ)によるク
ロマトグラムの分子量分布は次の条件で測定される。
【0074】すなわち、40℃のヒートチャンバ中でカ
ラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒と
してTHF(テトラハイドロフラン)を毎分1mlの流
速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定
する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分
子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により
作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算
出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料として
は、たとえば、東ソー社製或いは、昭和電工社製の分子
量が102 〜107 程度のものを用い、少なくとも10
点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当であ
る。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
尚カラムとしては、市販のポリスチレンジェルカラムを
複数本組み合わせるのが良く、たとえば昭和電工社製の
ショウデックス GPC KF−801,802,80
3,804,805,806,807,800Pの組み
合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H(H
XL),G2000H(HXL),G3000H(HXL),
G4000H(HXL),G5000H(HXL),G60
00H(HXL),G7000H(HXL),TSKガード
カラムの組み合わせを挙げることができる。
【0075】また試料は以下のようにして作製する。
【0076】試料をTHF中に入れ、数時間放置した後
十分に振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなく
なるまで)、さらに12時間以上静置する。このときT
HF中への放置時間が24時間以上となるようにする。
その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ0.45〜
0.5μm,例えば、マイショリディスクH−25−5
東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン
サイエンスジャパン社製などが利用できる)を通過させ
たものを、GPCの試料とする。また試料濃度は、樹脂
成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。 (4)樹脂のTg(ガラス転移点)測定方法 樹脂のTg(ガラス転移点)は、示差熱分析測定装置D
SC−7(パーキンエルマー社製)を用い、ASTM
D3418−82法に準じて測定した。 (5)外添剤微粒子の粒度測定方法 装置 測定装置としてコールターカウンターN4型及び分散用
超音波発生機として(株)トミー精工UD−200型を
使用する。 方法 微量の界面活性剤を加えた蒸留水30〜50ml中に適
量の試料を投入し、上記超音波発生機を用いて出力2〜
6で2〜5分間程度分散させる。試料の分散した懸濁液
をセルに移し、気泡が抜けるのを待って、あらかじめ測
定温度を50℃に設定しておいた上記コールターカウン
ターにセットする。試料を定温にするため10〜20分
経過した後測定を開始し、体積平均粒度分布を求める。
【0077】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。尚、実施
例中の分子量は、数平均分子量を、部は全て重量部を意
味する。また、Mw/Mnは重量平均分子量を数平均分
子量で割った値を示す。
【0078】実施例1 メチルメタクリレートを用い、トルエン溶液中で溶液重
合を行い、得られた樹脂中に残存するアクリルモノマー
をガスクロマトグラフィーにて定量したところ、130
0ppmであった。また、この樹脂の分子量は6万であ
り、Mw/Mn=3.9,Tg=106℃であった。こ
こで得られた樹脂をさらにトルエンで希釈して、固型分
10%溶液とし、キャリア被覆溶液を作製した。
【0079】この被覆溶液を塗布機(岡田精工社製:ス
ピラコータ)により平均粒径45μmのCu−Zn組成
の球形フェライト粒子に塗布した。
【0080】得られた塗布後のキャリアを60℃1時間
乾燥して溶剤を除去後、さらに140℃、1時間加熱し
て樹脂コーティングキャリアを得た。
【0081】得られたキャリアの樹脂被覆量は0.61
重量%であり、電子顕微鏡による観察によればフェライ
トの芯材が樹脂で均一に被覆されていることが確認され
た。
【0082】一方、 プロポキシ化ビスフェノールとフマル酸を縮合 100部 して得られたポリエステル樹脂 フタロシアニン顔料 4部 ジ−tert−ブチルサリチル酸のクロム錯体 4部 をヘンシェルミキサーにより十分予備混合を行い、2軸
押出式混練機により溶融混練し、冷却後ハンマーミルを
用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェ
ット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに得られた
微粉砕物を分級して、本発明の粒度分布となるように2
〜10μmを選択し、着色剤含有樹脂粒子を得た。
【0083】 上記樹脂粒子に、帯電量が−3.6μ
/gである500センチストークスのジメチルポリシロ
キサン10%を水系中で処理したチタン微粒子、粒径
0.05μm、BET120m2/gの酸化チタン0.
7部、平均粒径55mμ、帯電量+90μ/gのスチ
レン/メタクリル酸メチル樹脂粒子0.3部とを合わせ
てシアントナーとした。
【0084】またこのキャリアとシアントナーとを、ト
ナー濃度5%で混合し、現像剤を作製し、現像コントラ
ストを300Vに固定したカラー複写機CLC−500
(キヤノン製)を用い画像面積比率50%のオリジナル
原稿を用いて前述の20℃/10%下、23℃/60%
下、30℃/80%で2万枚の画出しをした結果を表1
及び表2に示した。表1,2より上述の現像剤は、環境
変動に対する変動が小さく、非常に良好であることがわ
かる。
【0085】なお、以下の比較例及び実施例も同様に表
1及び表2に示した。
【0086】比較例1 実施例1において、キャリアコート樹脂としてメチルメ
タクリレート(分子量7,000,Mw/Mn=2.
6,残存モノマー量100ppm,Tg=101℃)を
使用する以外は、実施例1と同様に画出しを行ったとこ
ろ、初期画像は満足のゆくものであったが画出し枚数が
進むにつれ、帯電量が低下し、数百枚の複写で地カブ
リ、トナー飛散を生じた。
【0087】比較例2 実施例1において、キャリアコート樹脂としてメチルメ
タクリレート(分子量8,000,Mw/Mn=1.
6,残存モノマー量300ppm,Tg=106℃)を
使用する以外は、実施例1と同様に画出しを行ったとこ
ろ、初期は良好な画像が得られたが、画出し枚数が10
00枚を越えるとトナー飛散を生じた。
【0088】 比較例3 実施例1において酸化チタン微粒子を使用する代わり
に、ジメチルジクロロシランで疎水化処理を施したケイ
酸微粉体(BET170m2/g,帯電量−7.4μ
/g)を使用する以外は実施例1と同様に画出しを行っ
たところ20℃/10%下で画像濃度が1.14と低下
した。
【0089】比較例4 実施例1において、酸化チタン微粒子を使用しない以外
は実施例1と同様に画出しを行ったところ、初期は良好
であったが、400〜500枚でトナー飛散が激しく評
価を中止した。
【0090】 比較例5 実施例1において、トナーと逆極性の樹脂粒子を使用し
ない以外は実施例1と同様に画出しを行ったところ、実
施例1に比べて、全体に画像濃度が低く、特に20℃/
10%下では0.1〜0.2低かったが良好な結果が得
られた。
【0091】 実施例 実施例1において、酸化チタン微粒子を水系中でn−C
613Si(OCH33で疎水化処理した酸化チタン
(粒径0.05μm,BET110m2/g、帯電量−
13μ/g)を使用する以外は実施例1と同様に画出
しを行ったところ、良好な結果が得られた。
【0092】 実施例 キャリアの被覆樹脂としてメチルメタクリレート/ブチ
ルメタクリレート共重合体(共重合比40:60,分子
量90,000,Mw/Mn=7.39,残存モノマー
量180ppm,Tg=62℃)を用いた以外は実施例
と同様に行ったところ良好な結果が得られた。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】
【発明の効果】本発明のカラー現像剤によると、種々の
環境での帯電性の安定化が図れ、高品質の画像が得られ
る。
【0096】さらにキャリアの芯材と被覆樹脂との密着
性が優れており、機械的強度が高く、且つ被覆に基きト
ナーによる汚染が抑制されるのでキャリアの寿命が長
く、その結果寿命の長い現像剤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーの摩擦帯電量を測定する装置の説明図で
ある。 1 吸引機 2 測定容器 3 導電性スクリーン 4 フタ 5 真空計 6 風量調節弁 7 吸引口 8 コンデンサ 9 電位計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−20750(JP,A) 特開 平3−12664(JP,A) 特開 平2−108065(JP,A) 特開 平3−196052(JP,A) 特開 平2−109058(JP,A) 特開 平2−87168(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 - 9/113

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも負帯電性着色剤含有樹脂粒
    子、流動向上剤及び正帯電性有機樹脂粒子を含む絶縁性
    非磁性カラートナーと、キャリアとを有するカラー現像
    剤であって、 上記キャリアが、キャリア芯材重量に対して0.05
    〜5.0重量%の電気絶縁性樹脂で被覆されており、重
    量平均粒径10〜200μmであり、且つ該被覆樹脂の
    数平均分子量が10000〜200000、重量平均分
    子量/数平均分子量が2.0〜8.0、ガラス転移点が
    55〜140℃であり、 上記流動向上剤が、キャリアに対して30μC/g以
    下の絶対値を有する低トリボの酸化チタン又はアルミナ
    の微粒子である、ことを特徴とするカラー現像剤。
  2. 【請求項2】 流動向上剤がトナーと同極性に帯電する
    酸化チタン微粒子であることを特徴とする請求項記載
    のカラー現像剤。
  3. 【請求項3】 酸化チタン微粒子が、水系中でシリコー
    ンオイル或いはシリコーンワニスで表面処理されている
    ことを特徴とする請求項記載のカラー現像剤。
  4. 【請求項4】 酸化チタン微粒子が、水系中でシリコー
    ンオイル或いはシリコーンワニスで表面処理された後、
    気相中でカップリング剤で表面処理されていることを特
    徴とする請求項記載のカラー現像剤。
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