JPH0643693A - 小粒径重合トナーの製造方法 - Google Patents

小粒径重合トナーの製造方法

Info

Publication number
JPH0643693A
JPH0643693A JP3285981A JP28598191A JPH0643693A JP H0643693 A JPH0643693 A JP H0643693A JP 3285981 A JP3285981 A JP 3285981A JP 28598191 A JP28598191 A JP 28598191A JP H0643693 A JPH0643693 A JP H0643693A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
particle size
small particle
monomer
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3285981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3128897B2 (ja
Inventor
Masahisa Ochiai
正久 落合
Hisayo Nakahara
久与 中原
Masateru Hirayama
正輝 平山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP03285981A priority Critical patent/JP3128897B2/ja
Publication of JPH0643693A publication Critical patent/JPH0643693A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3128897B2 publication Critical patent/JP3128897B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、懸濁重合により、広い分子量分布を
有し、高い定着性と広い非オフセット範囲を併せ持つ小
粒径トナーの製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 本発明は、静電荷潜像を現像するためのトナ
ー製造方法に関する。少なくともエチレン性不飽和二重
結合を有するモノマーと着色剤とを含む重合性モノマー
混合液を、分散安定剤を用いて水中に分散させ、懸濁重
合することにより、体積平均粒径7.0μm以下の小粒
径重合トナーを製造する方法において、モノマー分散系
に油溶性重合開始剤を二段階以上に分けて添加すること
により、高い定着性と広い非オフセット範囲を有するト
ナーを製造できる。また、少なくとも架橋剤量の異なる
二種以上の懸濁液を混合して重合することにより、光沢
度の低い高品位な画像を与える小粒径重合トナーを製造
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電荷潜像を現像する
ためのトナーに関する。特に単量体組成物を分散媒中で
重合することにより、直接トナーが得られる重合法トナ
ーに於いて、定着性が良好であり、高精細な画像の得ら
れるトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気的または磁気的潜像を現像して画像
を形成し、記録する種々のプロセスの一つとして電子写
真法が知られている。この電子写真法では、一般に光導
電性物質を利用し、種々の手段で感光体上に電気的潜像
を形成し、次いでこの潜像をトナーを用いて現像し、ト
ナー画像を形成する。得られたトナー画像はそのまま定
着するか、あるいは紙などに転写した後加熱、加圧等の
手段により定着され、複写物となる。トナーを用いて現
像する方法としては、パウダークラウド法やタッチダウ
ン法または磁気ブラシ現像法など種々の方法が提案さ
れ、それぞれの画像形成プロセスに適した方法が採用さ
れている。
【0003】従来、これらの目的に用いるトナーは、一
般に熱可塑性樹脂中に磁性体あるいは染・顔料からなる
着色剤を溶融混練し、着色剤を樹脂中に均一に分散させ
た後、粉砕、分級することにより、所定の粒径分布を持
つトナーとして製造されてきた。また、トナ−に必要な
特性を賦与するために、必要に応じて種々の添加剤が混
合されてきた。例えばトナーの摩擦帯電性を調節するた
めに金属錯塩染料が、またヒートローラー定着時のオフ
セットを防止するためにワックス等が添加される。
【0004】この混練−粉砕によるトナーの製造方法
は、優れた特性のトナーを製造できるが、ある種の制限
があった。すなわち、粉砕されやすい、換言すると脆性
の高い樹脂を使用する必要があった。脆性の高い樹脂を
用いたトナーを実際の現像に供すると、現像のストレス
によりさらに微粉化され、選択現像やトナースペントと
呼ばれる劣化を生じやすくなる。
【0005】また、この混練−粉砕法においては、着色
剤等の固体微粒子を樹脂中に完全に均一に分散させるこ
とは困難であり、分散の度合いによってはトナーの組成
に分布が生じ、トナー現像特性の変動をきたす場合もあ
る。さらに、一般にトナーにより形成した画像の解像
度、ベタ部の稠密性、階調再現性はトナ−の特性、特に
その粒子径に依存する割合が大きく、粒子径が小さいほ
ど高品質の画像が得られることが知られている。そのた
め最近の高画質複写機、プリンタは小粒径トナー使用し
ている例が多い。しかしながら、混練−粉砕法によって
製造された小粒径トナーは、トナーの形状がより不定形
であるため流動性が悪いという不都合があった。流動性
の低いトナーは,トナーホッパー中でブリッジを生じト
ナー補給が困難となるか、あるいはトナーの供給に複雑
な装置を必要とするなどの問題がある。流動性を向上さ
せるために、シリカ微粉末などの流動性改質剤を多量に
添加すると、流動性は向上するものの、感光体を傷つけ
たり、湿度による帯電量の変動が大きくなるなど別の不
都合を生ずる。そこで、これらの混練−粉砕法による不
定形トナーの問題点を解決するため、球形トナーが提案
されている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】球形トナーを製造す
る方法の一つに懸濁重合法が知られている。懸濁重合法
においては、重合性単量体および着色剤、必要に応じて
重合開始剤、架橋剤、帯電制御剤、その他の添加剤を溶
解または分散させた単量体組成物を、懸濁安定剤を含む
水相中に、撹拌下に加えて造粒し、重合させてトナー粒
子を形成している。この懸濁重合法は、粉砕工程を全く
含まないため、トナーに高い脆性を必要とすることがな
く、また粉砕法で生じた、トナー破断面への着色剤等の
露出がないため好ましいトナー製造法である。
【0007】しかしながら、この懸濁重合法により製造
したトナーを、一般的な定着方式であるヒートローラー
定着方式の複写機またはプリンタに適用した場合、定着
性や耐オフセット性が従来の粉砕法トナーに比べやや劣
るという問題があった。ヒートローラー定着に用いられ
るトナーは、高い定着性と広い非オフセット範囲という
相反する要求を同時に満たす必要がある。比較的低い定
着温度で高い定着率を得るには低分子量のポリマーが好
ましく、逆に高い温度領域までオフセットを生じない為
にはポリマーの分子量は高いことが望ましい。この二つ
の特性を同時に実現するために粉砕法トナーに用いられ
るバインダー樹脂は広い分子量分布を有している。粉砕
法トナー用バインダー樹脂は、溶液重合や塊状重合など
種々の重合法を選択できる上、分子量の異なる2種以上
のポリマーをブレンドすることも可能であり、容易に分
子量分布を広くできる。これに対し、懸濁重合法により
得られたポリマーの分子量分布は比較的狭く、定着性、
耐オフセット性共に必ずしも十分ではなかった。また、
ヒートローラーが、下層に弾性層を有するいわゆるソフ
トローラーの場合、分子量分布の狭い懸濁重合トナー
は、ベタ画像に光沢を生じ易かった。
【0008】このような、重合体粒子の分子量分布を広
げ、高い定着性と耐オフセット性を両立させるために、
これまでいくつかの方法が知られている。例えば、特公
平1−51187号公報に記載のあるごとく、比較的高
分子量の共重合体をモノマー系に溶解し、重合体粒子を
生成させる方法がある。しかしながら、高分子量の重合
体をモノマー中に溶解させた場合、モノマー混合液の粘
度が高くなり、加熱しながら分散させても、より小粒子
径の液滴が得られず、特に小粒子径の重合体粒子を得る
ことが困難であった。また、特開昭63−262660
号公報ではレドックス開始剤とアゾ系開始剤を併用する
事により、二つのピークを持つ重合体粒子を得る方法が
記されている。この方法では、過酸化物と還元剤を使用
するが、モノマー系に酸素ラジカルに対し顕著な重合禁
止作用を持つカーボンブラックや帯電制御剤を含む場
合、レドックス開始剤が作用せず、目的の分子量を持つ
重合体粒子が得られないという問題があった。
【0009】トナーの分子量分布を広げる方法として
は、上記の他に、半減期の異なる複数の重合開始剤を用
いる方法が知られているが、半減期の長い開始剤を用い
ると重合に要する時間が長くかかるだけでなく、重合中
に粒子の粒径分布がブロードになるという不都合があっ
た。また、オフセットを防止する方法としては、ワック
スをモノマー中に含有させて重合し、トナー粒子を製造
する方法が知られているが、ワックスのモノマー中にお
ける分散性、相溶性に問題があり、少量のワックスでは
十分なオフセット防止効果が得られず、ワックス添加量
を増すと流動性の低下や画像かぶりの増加という問題が
あった。また、この方法では、懸濁重合槽内のスケール
発生が著しく、特に小粒径重合トナーの製造において、
歩留りの低下を生じるという不都合があった。
【0010】本発明の目的は、懸濁重合により水中で作
成したトナー粒子が広い分子量分布を有し、高い定着性
と広い非オフセット範囲を併せ持つトナーの製造方法を
提供することにある。本発明の他の目的は、ソフトロー
ラー定着による画像が光沢を生ずることなく高品位の画
像を与えるトナーの製造方法を提供することにある。本
発明の他の目的は、高精細画像を与える、小粒子径で、
かつ熱特性の優れた、トナーを容易に製造できるトナー
の製造方法を提供することにある。
【0011】
【問題点を解決するための手段】本発明は、上記問題点
を解決するために為されたもので、少なくともエチレン
性不飽和二重結合を有するモノマーと着色剤とを含む重
合性モノマー混合液を、分散安定剤を用いて水中に分散
させ、懸濁重合することにより、体積平均粒径7.0μ
m以下の小粒径重合トナーを製造する方法において、モ
ノマー分散系に油溶性重合開始剤を二段階以上に分けて
添加することを特徴とする。また、少なくとも架橋剤量
の異なる二種以上の懸濁液を混合して重合することを特
徴とする。
【0012】
【作用】本発明では、懸濁重合における粒子の分散造粒
から、重合が完結しポリマー粒子となる過程で、重合度
を調節することにより、熱特性に優れた小粒径トナーを
製造する。一定組成のモノマーの重合により生成した高
分子量体の熱特性を左右する因子としては、架橋度と架
橋されていない部分の分子量分布がある。架橋度が高い
場合および高分子量成分が多い場合は耐オフセット性が
良好である反面、定着率が低下する。逆に架橋度が低い
場合、低分子量成分が多い場合は、最低定着温度をより
低く設計できるが、耐オフセット温度が低下し、画像光
沢が大きくなる傾向にある。ラジカル重合により生成し
たポリマーの架橋度および分子量は、モノマー中の架橋
剤濃度、モノマーに対するラジカル濃度によりそれぞれ
決定される。本発明によれば、重合系に油溶性重合開始
剤を二段階以上に分けて添加することにより、重合過程
でラジカル濃度を変化させ、低ラジカル濃度では高分子
量成分を、高ラジカル濃度では低分子量成分を生成させ
ることができ、広い分子量分布を有するポリマーを簡単
な方法で製造できる。また、少なくとも架橋剤量の異な
る二種以上の懸濁液を混合して同時に重合することによ
り、高い定着率と低い光沢度を両立できるトナーを製造
可能となることを見いだした。その原因は必ずしも明か
ではないが、懸濁重合では液滴が合一と分散を繰り返す
ため、二種以上の懸濁液を混合しても、それらはある分
布をもって混ざり合うため上記の様な特性が得られるも
のと考えられる。
【0013】トナーの架橋度は、一定量の試料をクロロ
ホルム等の溶剤に加えた後、不溶性部をステンレス製メ
ッシュで分離し、乾燥後、その重量を測定することによ
り、ゲル分率(重量%)として求めた。トナーの分子量
分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)により、ポリスチレン換算分子量として、重量平
均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/
Mn)により求めた。
【0014】本発明に使用する油溶性重合開始剤として
は、公知の重合開始剤を一種または二種以上組合せて使
用することができる。例えば、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチ
ル)バレロニトリル、2,2′−アゾビス4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパ−オ
キサイド、2,4−ジクロロパ−オキサイド、イソプロ
ピルパ−オキシカ−ボネ−ト、クメンハイドロパ−オキ
サイド、ラウロイルパ−オキサイド系開始剤などを使用
して重合を行なうことができる。これらの重合開始剤の
使用量は、単量体組成物の約0.1〜5重量%であるこ
とが好ましい。また、二段階以上に分けて添加する場合
の量と添加時期については、任意に調節可能であるが、
好ましくは重合初期に全開始剤量の1/10〜1/3を
加え、高分子量成分を生成させた後、1〜2時間後に残
りの量を加えると良い。
【0015】架橋剤としては一分子中に不飽和結合を二
個以上有する架橋性単量体を用い、共重合させることが
好ましい。架橋性単量体としては、ジビニルベンゼン、
ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレング
リコールメタクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
フタル酸ジアリルなどが挙げられる。これらの架橋性単
量体を重合性単量体に対して共重合させる割合は、単量
体全量に対して0.2〜2重量%であることが好まし
い。架橋性単量体の使用量が単量体全量の0.2重量%
未満であると、トナーの耐オフセット性が低い、また重
合中に粒子の合一が起こり易く粒子径分布が広くなる。
逆に、架橋性単量体の量が単量体全量の2重量%を越え
ると、トナーの軟化温度が上昇し、定着性が悪くなると
いう不都合を生じる。
【0016】本発明に使用する重合性単量体はラジカル
重合性のものであり、生成した重合体がトナーの要求さ
れる熱特性と静電気特性を有するよう一種または二種以
上を組合せて使用される。このような単量体の例として
は、モノビニル芳香族単量体、アクリル系単量体、ビニ
ルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、ジオレ
フィン系単量体、モノオレフィン系単量体などがある。
【0017】モノビニル単量体としては、スチレン、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n
−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p
−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
3,4−ジクロロスチレン等のスチレンとその誘導体が
挙げられる。
【0018】アクリル系単量体としては、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ア
ミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチ
ルアミノエチルなどがある。
【0019】ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど、ビ
ニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ル、ビニルフェニルエーテルなどがある。ジオレフィン
系単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン、ク
ロロプレンなど、モノオレフィン系単量体としてはエチ
レン、プロピレン、イソブチレン、ブテン−1、ペンテ
ン−1、4−メチルペンテン−1などが挙げられる。
【0020】また、重合性単量体並びに架橋性単量体に
着色剤などの個体微粒子をポリエステル系分散剤を用い
て分散させることにより、分散性が著しく向上する。そ
の結果、トナー表面に露出した着色剤や極性化合物の量
が低減し、特に高湿度環境下での帯電特性の劣化と、そ
れに伴うトナーの飛散、かぶりを防止することができ
る。
【0021】着色剤としては、公知の染料および顔料が
使用できる。例えば、染料は、ニグロシン染料、C.I.ダ
イレクトレッド1、C.I.ダレクトレッド4、C.I.アシッ
ドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ソルベント
レッド、C.I.バットレッド、C.I.ダイレクトブルー1、
C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブル−15、C.
I.ベーシックブルー3、C.I.ソルベントブルー、C.I.ダ
イレクトグリーン6、C.I.ソルベントレッドなどがあ
る。顔料としては、ファーネスブラック、アセチレンブ
ラック、カドミウムイエロー、ハンザイエローG、ナフ
ト−ルイエローS、ピラゾロンレッド、パーマネントレ
ッド4R、モリブデンオレンジ、ファストバイオレット
B、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン、フタ
ロシアニングリーンなどが挙げられる。これらの着色剤
は、充分な濃度の可視像が形成されるにふさわしい割合
で含有されることが必要であり、通常単量体組成物全量
に対し、2〜20重量%の割合とされる。
【0022】トナーを磁性トナーとして用いるために、
単量体組成物中に磁性体微粒子を添加することも可能で
ある。このような磁性体としては、鉄、コバルト、ニッ
ケルなどの強磁性金属の粉末、またはこれらにクロム、
マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを
加えた合金、その酸化物であるマグネタイト、フェライ
トの微粉末が用いられる。これらの磁性体の添加量はト
ナーの全重量に対して、20〜70重量%が好ましい。
【0023】上記のモノマー組成物を、機械式や超音波
式のホモジナイザーにより水中に懸濁させて、重合する
際、水中での懸濁状態を安定化させるために、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸
バリウム、シリカ、アルミナなどの難水溶性無機塩類の
微粒子を分散安定剤として使用することが一般的であ
る。特にコロイダルシリカはその一次粒子径が10ない
し30nmと小さくより少ない量で目的の粒径を得られ
るためトナーの懸濁安定剤として適当である。これらの
分散安定剤は、単量体に対し、0.01〜10重量%の
割合で用いることが好ましい。これらの分散安定剤の他
に、少量の安定助剤を加えることはなんら差し支えな
い。分散安定助剤としては、ゼラチン、カルボキシメチ
ルセルロ−ス、澱粉、ポリビニルアルコ−ルなどの水溶
性高分子、界面活性剤等を使用できる。
【0024】本発明において、上述した成分以外に必要
に応じて、帯電制御剤、流動性改質剤、クリーニング
剤、充填剤などの添加剤を添加しても良い。帯電制御剤
としては、ニグロシン、四級化アンモニウム塩、ポリア
ルキルアミド、モリブデン酸キレ−ト顔料、モノアゾ染
料の金属錯体、ナフテン酸金属塩、サリチル酸金属錯体
などがある。流動性改質剤としては、疏水性シリカ、酸
化チタン、ポリビニリデンフルオライド、金属石鹸など
の微粉末が、クリ−ニング助剤としては、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシ
ウム、ポリメチルメタクリレ−ト、ナイロン、ポリ四フ
ッ化エチレン、シリコンカ−バイドなどの微粉末を用い
ることができる。これらの添加剤は、モノマ−組成物中
に混合分散させて用いるか、または、得られたトナ−粒
子の表面に添加しても良い。
【0025】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明の内容をさらに
詳細に説明する。なお、実施例および比較例中の部は重
量部を表わす。
【0026】(実施例1)スチレン70部、n−ブチル
メタクリレート30部、ジビニルベンゼン0.1部、カ
ーボンブラック(三菱化成製#3750)5部、ポリエ
ステル系分散剤(ICI製ハイパ−マーLP5)1部、
帯電制御剤(保土ヶ谷化学製アイゼンスピロンブラック
TRH)0.2部、ポリプロピレン(三洋化成製ビスコ
ール660)1.5部をアトライターで6時間混合分散
させた。
【0027】次に、容器に窒素ガスにより曝気したイオ
ン交換水1000部と微粉末シリカ(日本アエロジル製
アエロジル#300)10部を入れ、ホモジナイザ−
(日本特殊機化工業製ホモミキサ−)で撹拌し、分散媒
中にアゾビス2,4−ジメチルバレロニトリル0.4部
を加えた上記のモノマ−組成混合物を加え、6000r
pmで10分間分散造粒した。反応容器を窒素置換した
後、パドル撹拌翼を備えた撹拌装置に変更し、200r
pmで撹拌を続けながら70℃に昇温し、1時間反応後
上記重合開始剤1.6部を加えさらに9時間反応させ
た。反応系の温度を50℃に低下させ、水酸化ナトリウ
ム20部を加えて4時間撹拌し、分散剤として用いたシ
リカ微粒子を除去した。得られた重合物を濾過、水洗を
行なった後脱水し、40℃で12時間減圧乾燥を行ない
トナー1を得た。
【0028】得られたトナーの粒子径をコールターカウ
ンターで測定したところ、体積平均粒径が6.5μm、
個数平均粒径が4.0μmであり、10μm以下の粒子
が95%以上含まれており、分級操作は不要であった。
トナーのゲル分率は48%で、分子量分布は二つのピー
クを示し、重量平均分子量が20.5万、数平均分子量
が0.85万で、その比は24.1であった。このトナ
−4部とフェライトキャリア(日立金属製KBN−10
0)100部とを混合して現像剤を調製し、市販複写機
(リコ−製FT4080)を用いて現像したところ、最
高画像濃度1.40(O.D.)で、ブラシマ−クやか
ぶりのない、解像度、階調性、ベタ部の緻密性の良好な
高品位の画像が得られた。
【0029】(実施例2)スチレン92部、2−エチル
ヘキシルアクリレ−ト8部、ジビニルベンゼン0.2
部、カ−ボンブラック(三菱化成工業製MA−600)
5部、ポリエステル系分散剤(ポリヘキサメチレンアジ
ペート)1.0部、帯電制御剤(オリエント化学製ボン
トロンS−34)1部、をボ−ルミルに入れ8時間混合
した。得られたモノマー組成混合物を実施例1と同様の
方法で、水中に分散し、重合開始剤2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル1部を重合初期に、2.0部を2時
間後に添加し、さらに0.5部を4時間後に添加して重
合した。その後、実施例1と同様の方法でアリカリ洗
浄、濾過、水洗、乾燥を行いトナー2を得た。
【0030】トナー2は、体積平均粒径が5.5μm、
個数平均粒径が3.3μmであり、分級操作は不要であ
った。また、トナー2のゲル分率は67%、分子量は重
量平均分子量18.6万、数平均分子量1.0万でその
比は18.6であった。このトナーを用いて実施例1と
同様の方法で画像評価を行なったところ、画像濃度1.
38(O.D.)で、かぶりや文字のちりが極めて少な
い実施例1と同様な高品位の画像が得られた。
【0031】(実施例3)実施例2のモノマー組成に対
し、架橋剤ジビニルベンゼンの量を0.1部と0.3部
とに変えた他は実施例2と同様の組成の2種のモノマー
混合物をそれぞれ調製した。この2種のモノマー混合物
を実施例1と同様の方法により、それぞれ懸濁液とした
後、重合反応槽に両者を加え重合体粒子の製造を行いト
ナー3を得た。 得られたトナー3は、体積平均粒径が
4.8μm、個数平均粒径が3.6μmであり、分級操
作は不要であった。また、トナー4のゲル分率は45
%、分子量は重量平均分子量14.5万、数平均分子量
0.78万で、その比は18.6であった。
【0032】このトナー3部とフェライトキャリア(日
立金属製KBN−100、53−125μm)97部を
混合し、現像剤とした。負帯電型フタロシアニン系OP
C感光体を用いた、反転現像方式のページプリンター
(400dpi)用いて、800ガウス4極着磁のマグ
ネットロールおよび非磁性スリーブを備えた現像機によ
り、感光体表面電位−800V、現像ギャップ1mm、
ドクターギャップ0.4mm、現像バイアス−400V
の現像条件で133mm/sの速度で現像し、ソフトロ
ーラー定着器で定着し、画像評価を行なったところ、平
均画像濃度1.42(O.D.)で、かぶりや、文字部
の"ちり"が無く、光沢の少ない高品位の画像が得られ
た。ブローオフ帯電量は−38.8(μC/g)であっ
た。さらに10,000枚プリント後も画質の変化はほ
とんど無く、キャリア表面のトナーによる汚染いわゆる
スペントトナーの割合も0.2%と極めて少なかった。
また、感光体のクリ−ニング性も良好であり、オフセッ
トによる定着ロ−ラ−の汚れもなかった。さらに、55
℃×24時間の耐熱ブロッキングテストになんら変化は
見られなかった。
【0033】(比較例1)実施例1において、重合開始
剤アゾビス2,4−ジメチルバレロニトリル2部を分散
媒中に一度に加えた他は実施例1と同様なモノマー組成
および方法でトナーを製造し、トナー4を得た。トナー
4の粒子径は、体積平均粒径が6.0μm、個数平均粒
径が4.5μmであり、10μm以下の粒子が95%以
上含まれており、分級操作は不要であった。トナー5の
ゲル分率は20%と低く、分子量分布は1つのピークを
有し、重量平均分子量が12.5万、数平均分子量が
1.3万で、その比は9.6であった。また、実施例1
と同様に画像評価を行ったところ、画像濃度は1.35
であったが定着率がやや低かった。
【0034】(比較例2)実施例3に於いて、架橋剤ジ
ビニルベンゼン0.3部を含むモノマー組成混合物のみ
を用いた他は実施例1と同様の方法でトナーを製造しト
ナー5を得た。トナー5の粒子径は、体積平均粒径が
5.2μm、個数平均粒径が3.9μmであり、10μ
m以下の粒子が95%以上含まれており、分級操作は不
要であった。トナー5のゲル分率は85%と高く、分子
量は重量平均分子量25.3万数平均分子量0.91万
でその比は27.8であった。このトナーを用いて実施
例3と同様の方法で画像評価を行なったところ、画像濃
度は1.32であったが定着率がやや低かった。
【0035】(比較例3)実施例2の重合開始剤添加方
法に代えて、重合開始剤3.5部を一度にモノマー混合
液に添加した他は実施例2と同様の組成および方法によ
り、トナーを製造し、トナー6を得た。トナー6の体積
平均粒径は7.2μm、個数平均粒径は5.1μmであ
った。ゲル分率は34%、GPCによる分子量は重量平
均分子量9.6万、数平均分子量1.5万で、その比は
6.4であった。実施例2と同様の方法で市販複写機に
より画像評価を行なったところ、画像濃度1.35のか
ぶりの無い高品位の画像は得られたが、55℃オーブン
による耐熱ブロッキングテストでは、24時間でブロッ
キングを生じた。トナー6のガラス転移温度は59℃で
あった。
【0036】これら、実施例および比較例のトナーを用
いて、定着性と耐オフセット性の評価を行った。実施例
3に示したプリンターを用いて、それぞれのトナーによ
る、30mm角のベタ画像部分を含む未定着画像を用意
した。ヒートローラーとして800Wハロゲンランプを
備え、芯金上に1mm厚のシリコンゴム弾性層とパーフ
ルオロアルコキシ−4フッ化エチレン共重合体(PF
A)層を被覆した、ソフトローラーを用い、線圧1.0
kg/cm、通紙速度133mm/秒にて温度を変えて
定着した。次に予め画像濃度を測定したベタ画像部を、
粘着テープ(スコッチ製)で剥離し、前後の濃度差が9
5%以上であった最低温度を最低定着温度として定着性
の指標とした。また、オフセットの発生しない最高温度
を耐オフセット温度とした。
【0037】表1に実施例および比較例のトナーの最低
定着温度、耐オフセット温度の関係を示す。
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の重合トナーの製造方法は、以上
記述のような構成および作用であり、懸濁重合によるト
ナー製造方法において、トナーの定着性と、耐オフセッ
ト性に優れ、画像濃度が高くかぶりのない鮮明な画像を
与えるトナーを提供できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともエチレン性不飽和二重結合を
    有するモノマーと着色剤とを含む重合性モノマー混合液
    を、分散安定剤を用いて水中に分散させ、懸濁重合する
    ことにより、体積平均粒径7.0μm以下の小粒径重合
    トナーを製造する方法において、モノマー分散系に油溶
    性重合開始剤を二段階以上に分けて添加することを特徴
    とする小粒径重合トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも架橋剤量の異なる二種以上の
    懸濁液を混合して重合することを特徴とする小粒径重合
    トナーの製造方法。
JP03285981A 1991-10-31 1991-10-31 重合トナーの製造方法 Expired - Fee Related JP3128897B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03285981A JP3128897B2 (ja) 1991-10-31 1991-10-31 重合トナーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03285981A JP3128897B2 (ja) 1991-10-31 1991-10-31 重合トナーの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0643693A true JPH0643693A (ja) 1994-02-18
JP3128897B2 JP3128897B2 (ja) 2001-01-29

Family

ID=17698477

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03285981A Expired - Fee Related JP3128897B2 (ja) 1991-10-31 1991-10-31 重合トナーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3128897B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021199465A1 (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 積水化成品工業株式会社 重合体粒子、増粘剤及び組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021199465A1 (ja) * 2020-03-30 2021-10-07 積水化成品工業株式会社 重合体粒子、増粘剤及び組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP3128897B2 (ja) 2001-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010210881A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成方法及び画像形成装置
JP3195362B2 (ja) 静電荷像現像用トナーの製造方法
JP2007310261A (ja) トナー
JPH08320593A (ja) 結着樹脂、及びこれを含有する静電荷像現像用トナー
JPH0389361A (ja) 重合トナーの製造方法
US5989770A (en) Process for producing toner for developing electrostatic latent images
JP2003302792A (ja) シアントナーおよびトナーセット
JP3696925B2 (ja) 画像形成方法
JPH07301949A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3128897B2 (ja) 重合トナーの製造方法
JP2003202697A (ja) トナー及びトナーの製造方法
JP2712264B2 (ja) 静電潜像現像用トナー
JP2912662B2 (ja) 電子写真用乾式トナー
JP2005099535A (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH0814723B2 (ja) トナー
JPH05341564A (ja) 熱ローラー定着用トナー
JP2809737B2 (ja) 重合トナーの製造方法
JP2766540B2 (ja) 着色微粒子およびこれを用いてなる静電荷像現像用トナー
JPH05241376A (ja) トナーおよびその製造方法
JPS58144836A (ja) 静電荷像現像用トナ−及びその製造方法
JP2765937B2 (ja) 着色微粒子およびこれを用いてなる静電荷像現像用トナー
JPH0990671A (ja) 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法
JPH04102861A (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH05241377A (ja) 重合トナーの製造方法
JP3191011B2 (ja) 2成分現像剤

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071117

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091117

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees