JP3191011B2 - 2成分現像剤 - Google Patents

2成分現像剤

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JP3191011B2 JP16702092A JP16702092A JP3191011B2 JP 3191011 B2 JP3191011 B2 JP 3191011B2 JP 16702092 A JP16702092 A JP 16702092A JP 16702092 A JP16702092 A JP 16702092A JP 3191011 B2 JP3191011 B2 JP 3191011B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電荷潜像を現像する
ための現像剤に係り、特に単量体組成物を懸濁重合する
ことにより得られるトナーを用いた現像剤に於いて、高
精細な画像の得られる長寿命2成分現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】電気的潜像を現像して画像を形成し、記
録する種々のプロセスの一つとして電子写真法が知られ
ている。この電子写真法では、一般に光導電性物質を利
用し、種々の手段で感光体上に電気的潜像を形成し、次
いでこの潜像をトナーを用いて現像し、トナー画像を形
成する。得られたトナー画像はそのまま定着するか、あ
るいは紙などに転写した後加熱、加圧等の手段により定
着され、複写物となる。トナーを用いて現像する方法と
しては、パウダークラウド法やタッチダウン法または磁
気ブラシ現像法など種々の方法が提案され、その中でも
現像剤塗布が簡便な磁気ブラシ現像法が広く採用されて
いる。
【0003】従来、磁気ブラシ現像法に用いられる現像
剤は、非磁性トナーと、キャリアと呼ばれるトナー搬送
用磁性粒子により構成される2成分現像剤、およびトナ
ー中に磁性体を含む磁性トナーが一般に用いられてき
た。また、2成分現像剤のキャリアとしては、還元鉄粉
やマグネタイトおよびフェライトが用いられてきた。キ
ャリアに必要な特性として、現像ローラー上に磁気ブラ
シを形成するための磁気特性を有すること、また現像時
にバイアス電圧を印加するために電気抵抗率が適当であ
ることやトナーに対し、適度な摩擦帯電能力を有するこ
とが挙げられる。
【0004】この要求特性に対し、還元鉄粉は飽和磁化
が大きく、大きい磁気ブラシを得ることが可能であり、
また高速で現像用磁気ローラーを回転させても、ローラ
ーに対する吸引力が強く、キャリアの飛散が少ないとい
う特長がある。しかし、磁気ブラシが比較的硬いため、
感光体に傷を付けやすいことや、キャリアの導電率が高
いため、高湿度環境で電荷がリークしやすいという欠点
があった。このため鉄粉キャリアには表面酸化皮膜や樹
脂コーティングが施されていることが多い。これらの、
コーティングにより特性改良がされるものの、これらの
被覆は長時間の使用で剥離や磨耗を生じ特性を損ねるた
め、現像剤の寿命と信頼性の点で不足があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】また、鉄粉キャリアの
別の問題として、鉄粉は比重が大きいため、現像機内で
攪拌した場合、トナーに対するストレスが大きく、キャ
リア表面にトナースペントを生じて、トナーに対する帯
電付与能力の低下を来すという問題があった。これに対
し、さらに比重が小さく、高抵抗であるキャリア材料と
してフェライトが使用されてきた。フェライトをキャリ
アとして用いることは特開昭52−56536号公報な
どにより提案されている。キャリアに用いられるフェラ
イトとしてはNi−Zn系やCu−Zn系などのスピネ
ル型フェライトが一般的である。これらのキャリアの表
面は結晶粒が十分成長し、平滑面となっており、現像剤
としてトナーと混合した場合も流動性が良く、これらの
フェライトキャリアによってある程度の長寿命化が為さ
れてきた。
【0006】さらに、耐環境安定性や長寿命特性を示す
キャリアとして、特公平3−47502号公報にはBa
−Ni−Zn系フェライトキャリアが開示されている。
このキャリアは結晶粒が比較的小さく、球形ではあるが
表面に微細な凹凸がある。このため、トナーとの摩擦帯
電性に優れるという特長がある。特に、トナーが負帯電
型の場合、優れた帯電付与能力を有する。このように、
キャリアサイドで特性の改良が為されてきたが、これら
現像剤が使用される複写機やプリンターはOA機器の普
及とともにさらに、メンテナンスフリーが求められ、長
寿命化が求められている。
【0007】そこで、長寿命現像剤としていくつかの提
案が為されている。例えば、特開平1−7046号公報
や特開平3−293682号公報には、フッ素系樹脂等
の低表面エネルギー物質をコーティングすることが示さ
れている。低表面エネルギー物質は他の物質と接着し難
いため、トナーのスペントをある程度防ぐことが出来
る。しかし、低表面エネルギー物質は固定したいキャリ
アや帯電付与部材とも接着性が悪く、長期の使用には剥
離などの問題がある。また、これら低表面エネルギー物
質は負に帯電しやすく、負帯電型トナーを用いる現像剤
には適用できないという問題があった。
【0008】また、特開平3−255462号公報に
は、キャリア表面に予めトナー粒子を特定の比率で固着
させ、スペント状態を作り出しておくことが提案されて
いる。この方法によっては、トナーのスペントが生じる
際の帯電変化をある程度緩和することができるが、見方
を変えると初期から使用済み現像剤の状態であり、現像
剤寿命はかえって短くなることが予測される。
【0009】さらに、特開平3−198064号公報に
は、フェライトを懸濁重合の分散安定剤として用いるこ
とにより、表面がフェライト微粒子で覆われたトナーが
得られ、これが長寿命特性を示すとしている。このよう
な、表面が硬質の物質で覆われたトナーは、確かに磨耗
やスペントを生じにくいと言えるが、ヒートロール定着
を行う場合、硬質のカプセル構造ゆえに定着されにくい
という問題があった。
【0010】本発明の目的は、2成分現像剤がスペント
を生ずることなく、長期間の使用に耐える長寿命現像剤
を提供することにある。本発明の他の目的は、安定した
帯電特性を有し、高精細画像を与える現像剤を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決する為になされたもので、懸濁重合により生成され
る、少なくとも着色剤を含むトナーと、フェライトキャ
リアにより構成される2成分現像剤において、トナーが
ゲル分率30%以上に架橋された球形トナーであり、フ
ェライトキャリアがその表面に結晶粒に基づく凹凸を有
しかつコーティングされていない2成分現像剤である。
【0012】
【作用】本発明によれば、懸濁重合における粒子の重合
工程で、架橋度を調節することにより、耐久性と定着性
に優れたトナーが得られ、これと特定形状のフェライト
キャリアを組み合わせることにより、現像時のストレス
が少なく、キャリアに対するトナーのスペントが少ない
長寿命現像剤を提供できる。この理由については、必ず
しも明らかではないが、本発明者等は次のように推察し
ている。すなわち、2成分現像剤のトナースペントは現
像剤が攪拌によるストレスを受け、トナーが磨滅した
り、キャリア表面に圧着される結果生じていると考えら
れる。これに対し、特定の割合で架橋されたトナーは、
弾性を有しているため、磨滅が起こりにくいと考えられ
る。また、キャリアが表面に凹凸を持つとキャリアとト
ナーの接触時間が短くなり、スペントし難くなる。
【0013】さらに、キャリアが凹凸を持つ場合、トナ
ーが不定形であるとキャリア凹部にトナーが埋めこまれ
る様にスペントを生じるが、トナーが球形であると、こ
の現象が起こらないことを見出し、本発明に至った。懸
濁重合により架橋されたトナー粒子を得るには、モノマ
ー中に架橋剤を添加して重合すれば良い。トナーの架橋
度は、一定量の試料をクロロホルム等の溶剤に加えた
後、不溶部をステンレス製メッシュで分離し、乾燥後、
その重量を測定することにより、ゲル分率(重量%)と
して求めることができる。一般に架橋剤の割合を増やせ
ば、十分な架橋が起こるが、この場合、トナーの定着率
が著しく低下するという問題がある。そこで、架橋剤の
割合を増やさずに、必要な架橋度を得るために、重合開
始剤を二段階以上に分けて添加することが好ましい。
【0014】架橋剤としては一分子中に不飽和結合を二
個以上有する架橋性単量体を用い、共重合させることが
好ましい。架橋性単量体としては、ジビニルベンゼン、
ジビニルナフタレン、ジビニルエーテル、ジエチレング
リコールメタクリレート、エチレングリコールジメタク
リレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、
フタル酸ジアリルなどが挙げられる。これらの架橋性単
量体を重合性単量体に対して共重合させる割合は、単量
体全量に対して0.5重量%以下であることが好まし
い。架橋性単量体の量が単量体全量の0.5重量%を越
えると、トナーの軟化温度が上昇し、定着性が悪くなる
という不都合を生じる。
【0015】本発明に使用する油溶性重合開始剤として
は、公知の重合開始剤を一種または二種以上組合せて使
用することができる。例えば、2,2′−アゾビスイソ
ブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチ
ル)バレロニトリル、2,2′−アゾビス4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパ−オ
キサイド、2,4−ジクロロパ−オキサイド、イソプロ
ピルパ−オキシカ−ボネ−ト、クメンハイドロパ−オキ
サイド、ラウロイルパ−オキサイド系開始剤などを使用
して重合を行なうことができる。これらの重合開始剤の
使用量は、単量体組成物の約0.1〜5重量%であるこ
とが好ましい。また、二段階以上に分けて添加する場合
の量と添加時期については、任意に調節可能であるが、
好ましくは重合初期に全開始剤量の1/10〜1/3を
加え、高分子量成分を生成させた後、1〜2時間後に残
りの量を加えると良い。
【0016】本発明に使用する重合性単量体はラジカル
重合性のものであり、生成した重合体がトナーの要求さ
れる熱特性と静電気特性を有するよう一種または二種以
上を組合せて使用される。このような単量体の例として
は、モノビニル芳香族単量体、アクリル系単量体、ビニ
ルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、ジオレ
フィン系単量体、モノオレフィン系単量体などがある。
【0017】モノビニル単量体としては、スチレン、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレ
ン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n
−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p
−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、
p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p
−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
3,4−ジクロロスチレン等のスチレンとその誘導体が
挙げられる。
【0018】アクリル系単量体としては、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ア
ミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチ
ルアミノエチルなどがある。
【0019】ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど、ビ
ニルエーテル系単量体としては、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ル、ビニルフェニルエーテルなどがある。 ジオレフィ
ン系単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン、
クロロプレンなど、モノオレフィン系単量体としてはエ
チレン、プロピレン、イソブチレン、ブテン−1、ペン
テン−1、4−メチルペンテン−1などが挙げられる。
【0020】また、重合性単量体並びに架橋性単量体に
着色剤などの個体微粒子をポリエステル系分散剤を用い
て分散させることにより、分散性が著しく向上する。そ
の結果、トナー表面に露出した着色剤や極性化合物の量
が低減し、特に高湿度環境下での帯電特性の劣化と、そ
れに伴うトナーの飛散、かぶりを防止することができ
る。
【0021】着色剤としては、公知の染料および顔料が
使用できる。例えば、染料は、ニグロシン染料、C.I.ダ
イレクトレッド1、C.I.ダレクトレッド4、C.I.アシッ
ドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ソルベント
レッド、C.I.バットレッド、C.I.ダイレクトブルー1、
C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブル−15、C.
I.ベーシックブルー3、C.I.ソルベントブルー、C.I.ダ
イレクトグリーン6、C.I.ソルベントレッドなどがあ
る。顔料としては、ファーネスブラック、アセチレンブ
ラック、カドミウムイエロー、ハンザイエローG、ナフ
ト−ルイエローS、ピラゾロンレッド、パーマネントレ
ッド4R、モリブデンオレンジ、ファストバイオレット
B、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン、フタ
ロシアニングリーンなどが挙げられる。これらの着色剤
は、充分な濃度の可視像が形成されるにふさわしい割合
で含有されることが必要であり、通常単量体組成物全量
に対し、2〜20重量%の割合とされる。
【0022】トナーの帯電特性や耐磨耗性を調節するた
め、単量体組成物中に磁性体微粒子を添加することも可
能である。このような磁性体としては、鉄、コバルト、
ニッケルなどの強磁性金属の粉末、またはこれらにクロ
ム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素な
どを加えた合金、その酸化物であるマグネタイト、フェ
ライトの微粉末が用いられる。これらの磁性体の添加量
はトナーの全重量に対して、0.2〜10重量%が好ま
しい。
【0023】上記のモノマー組成物を、機械式や超音波
式のホモジナイザーにより水中に懸濁させて、重合する
際、水中での懸濁状態を安定化させるために、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸
バリウム、シリカ、アルミナなどの難水溶性無機塩類の
微粒子を分散安定剤として使用することが一般的であ
る。特にコロイダルシリカはその一次粒子径が10ない
し30nmと小さくより少ない量で目的の粒径を得られ
るためトナーの懸濁安定剤として適当である。これらの
分散安定剤は、単量体に対し、0.01〜10重量%の
割合で用いることが好ましい。これらの分散安定剤の他
に、少量の安定助剤を加えることはなんら差し支えな
い。分散安定助剤としては、ゼラチン、カルボキシメチ
ルセルロ−ス、澱粉、ポリビニルアルコ−ルなどの水溶
性高分子、界面活性剤等を使用できる。
【0024】本発明において、上述した成分以外に必要
に応じて、帯電制御剤、流動性改質剤、クリーニング
剤、充填剤などの添加剤を添加しても良い。帯電制御剤
としては、ニグロシン、四級化アンモニウム塩、ポリア
ルキルアミド、モリブデン酸キレ−ト顔料、モノアゾ染
料の金属錯体、ナフテン酸金属塩、サリチル酸金属錯体
などがある。流動性改質剤としては、疏水性シリカ、酸
化チタン、ポリビニリデンフルオライド、金属石鹸など
の微粉末が、クリ−ニング助剤としては、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシ
ウム、ポリメチルメタクリレ−ト、ナイロン、ポリ四フ
ッ化エチレン、シリコンカ−バイドなどの微粉末を用い
ることができる。これらの添加剤は、モノマ−組成物中
に混合分散させて用いるか、または、得られたトナ−粒
子の表面に添加しても良い。
【0025】キャリアとしては、公知のフェライトキャ
リア、すなわちNi−Zn系、Mn−Zn系フェライト
など、MeFe1219(Meは、Ba、Sr,Niおよ
びMn等を含む1価または2価以上の金属の1種または
2種以上を示す)で表される、六方晶、立方晶または、
両晶系の混在したフェライトの中で、表面に特定の凹凸
を有するものが好ましい。キャリア表面の凹凸の度合
は、キャリア粒子の投影像を画像処理装置により処理す
ることにより、計測できる。特に、形状係数として形状
係数(SF)=(粒子の周囲長の2乗)/粒子の投影面
積×1/4πにより定義される値を用いることが好まし
い。キャリア粒子個々の形状は製造方法にもよるが、必
ずしも同一とは限らないため、ある程度の数量について
形状係数を求めた後、最大頻度粒子の形状係数を、その
キャリアの形状係数とするのが良い。
【0026】キャリアの形状係数としては、最大頻度粒
子の形状係数が1.10以上であるのがよい。さらに好
ましくは、1.10から1.30であるのが良い。形状
係数が1.10よりも小さいと流動性は良いが、キャリ
アが常にトナーと接触することになり、トナースペント
を生じやすい。逆に、形状係数が1.30を越えるキャ
リア粒子は表面の凹凸が大きすぎ、流動性が悪化すると
共に、感光体を傷つけたりして不都合である。キャリア
に求められるその他の特性としては、流動性、磁気特
性、電気抵抗率および帯電付与特性がある。これらは、
適宜必要な特性のキャリアを用いることが好ましい。キ
ャリアの全体の形状としては、流動性の点から球形であ
ることが望ましい。
【0027】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明の内容をさらに
詳細に説明する。なお、実施例および比較例中の部は重
量部を表わす。 (実施例1)スチレン70部、n−ブチルメタクリレー
ト30部、ジビニルベンゼン0.1部、カーボンブラッ
ク(三菱化成製#3750)7部、ポリエステル系分散
剤(ICI製ハイパ−マーLP5)1部、帯電制御剤
(保土ヶ谷化学製アイゼンスピロンブラックTRH)
0.5部、ポリプロピレン(三洋化成製ビスコール66
0P)1.5部をアトライターで6時間混合分散させ
た。
【0028】次に、容器に窒素ガスにより曝気したイオ
ン交換水1000部と微粉末シリカ(日本アエロジル製
アエロジル#300)10部を入れ、ホモジナイザ−
(日本特殊機化工業製ホモミキサ−)で攪拌し、分散媒
中にアゾビス2,4−ジメチルバレロニトリル0.4部
を加えた上記のモノマ−組成混合物を加え、6000r
pmで10分間分散造粒した。反応容器を窒素置換した
後、パドル攪拌翼を備えた攪拌装置に変更し、200r
pmで攪拌を続けながら70℃に昇温し、1時間反応後
上記重合開始剤1.6部を加えさらに9時間反応させ
た。反応系の温度を50℃に低下させ、水酸化ナトリウ
ム20部を加えて4時間攪拌し、分散剤として用いたシ
リカ微粒子を除去した。得られた重合物を濾過、水洗を
行なった後脱水し、50℃で減圧乾燥を行ないトナーを
得た。
【0029】得られたトナーの粒子径をコールターカウ
ンターで測定したところ、体積平均粒径が7.5μmで
あった。トナーのゲル分率は32%で、トナーの形状は
球形であった。キャリアとして、次のものを用いた。モ
ル比で、BaO8%、NiO7%、ZnO15%、Fe
2365%となるよう秤量、混合し、800〜1200
℃で仮焼した。これを平均粒径0.5μmにボールミル
を用いて粉砕し、さらにポリビニルアルコールの水溶液
を利用し、スプレードライヤーで造粒した。次いで、造
粒粉を1100〜1400℃で焼結させた。これを振動
篩いにより50〜100μmに分級して、フェライトキ
ャリアを得た。このキャリア表面を観察すると結晶粒に
基づく凹凸が観察された。また、キャリア500個の形
状係数を光学顕微鏡に接続した画像処理装置(ニレコ製
ルーゼックス2)により求めたところ、最大頻度粒子の
形状係数は、1.10であった。
【0030】上記トナー4部とフェライトキャリア96
部を混合し現像剤とした。これを800ガウス4極着磁
のマグネットロール、非磁性スリーブを備え、ドクター
ギャップ0.4mmに調整した現像機に加えた。現像機
の撹拌トルクは、2.5kgf−cmと少なかった。こ
れを負帯電型フタロシアニン系OPC感光体を用いた、
反転現像方式のページプリンター(400dpi)を用
いて、感光体表面電位−800V、現像ギャップ1m
m、現像バイアス−400Vの現像条件で133mm/
sの速度で現像し、ソフトローラー定着器で定着し、画
像評価を行なった。その結果、平均画像濃度1.42
(O.D.)で、かぶりや、文字部の"ちり"が無く、光
沢の少ない高品位の画像が得られた。ブローオフ帯電量
は−35.5(μC/g)であった。さらに50,00
0枚プリント後も画質の変化はほとんど無く、キャリア
表面のトナーによる汚染、いわゆるスペントトナーの割
合は0.2%と極めて少なかった。この現像剤を顕微鏡
観察したところ、そのキャリア表面は初期と比べて変化
が無かった。図1左側に実施例1のキャリア粒子構造写
真を示す。キャリア表面にトナーのスペントは見られな
い。
【0031】(実施例2)スチレン92部、2−エチル
ヘキシルアクリレ−ト8部、ジビニルベンゼン0.2
部、カ−ボンブラック(三菱化成工業製MA−600)
5部、ポリエステル系分散剤(ポリヘキサメチレンアジ
ペート)1.0部、帯電制御剤(オリエント化学製ボン
トロンS−34)1部、をボ−ルミルに入れ8時間混合
した。得られたモノマー組成混合物を実施例1と同様の
方法で、水中に分散し、重合開始剤2,2’−アゾビス
イソブチロニトリル1部を重合初期に、2.5部を2時
間後に添加して重合した。その後、実施例1と同様の方
法でアルカリ洗浄、濾過、水洗、乾燥を行いトナーを得
た。このトナーは、体積平均粒径が5.5μmであり、
ゲル分率は67%であった。
【0032】キャリアとして、原料組成がモル比でSr
02%、MgO8%、ZnO20%、Fe2370%を
用いた他は実施例1のキャリアと同様の処理により、ほ
ぼ同特性を持つ球状フェライトを作成した。このキャリ
アも表面に結晶粒に基づく凹凸を有し、その形状係数は
1.25であった。このトナーとキャリアを用いて2成
分現像剤を調製し、実施例1と同様の方法で画像評価を
行なったところ、初期画像濃度1.38で、かぶりや文
字のちりが極めて少ない実施例1と同様な高品位の画像
が得られた。5万枚の連続プリントテストを行った後の
画像も、画質の低下はほとんど見られなかった。キャリ
アのスペント量を測定すると、0.25%と少なかっ
た。
【0033】(比較例1)実施例1において、モノマー
に代えてスチレン−アクリル系樹脂(グッドイヤー・ケ
ミカル製プライオトーンAC)100部を使用し、その
他添加剤と共にスクリューニーダーにより混練した後、
ジエットミルで粉砕し、風力分級機で平均粒径7.0μ
mに分級して、混練−粉砕法による不定形トナーを得
た。この不定形トナーと実施例1で使用したキャリアと
を用いて現像剤を調製したところ、現像機の撹拌トルク
は3.2kgf−cmとやや大きかった。実施例1と同
様に画像評価を行った結果、初期画像は、画像濃度1.
4以上でかぶりも無かったが、連続プリントテストでは
2万枚を越えてから、かぶりが生じた。5万枚の印写テ
ストを終了した後のキャリア表面のスペントは、0.4
0%に増加していた。図1右側に印字テスト後のキャリ
ア粒子構造写真を示す。キャリア表面を観察すると、キ
ャリアの凹部にトナーが埋め込まれる様にしてスペント
が生じていた。
【0034】(比較例2)実施例2に於いて、架橋剤ジ
ビニルベンゼンを加えない他は、実施例2と同様の組成
および方法により、トナーを作成した。このトナーの平
均粒径は5.2μmで、ゲル分率は0%であった。この
トナーを用いて、実施例2と同様に現像剤を調製し、画
像評価を行った。得られた画像は、やや画像に光沢が見
られたが、画像濃度は1.4以上でかぶりも無かった。
5万枚の印写テストを行ったところ、3万枚以上で、か
ぶりを生じた。5万枚印写テスト後のスペント量は0.
35%であった。
【0035】(比較例3)実施例2のキャリアに代え
て、モル比でCuO15%、ZnO20%、Fe23
50%の原料組成で、焼結温度を1350℃とした他
は、実施例2と同様の方法でキャリアを作成した。得ら
れたキャリアの形状は球形で、表面が滑らかであった。
このキャリアの最大頻度粒子の形状係数は1.06であ
った。このキャリアと実施例2のトナーにより現像剤を
調製し、画像評価を行った。現像剤の帯電量は−28.
6(μC/g)であった。初期画像は濃度1.38でか
ぶりも無く良好であった。しかし、連続連続印写テスト
では1万枚を越えると、トナーの飛散が目立つようにな
った。5万枚印写後のスペント量は0.42%で、帯電
量が−18.5(μC/g)に低下し、画像にかぶりを
生じた。
【0036】表1に、実施例と比較例に示した現像剤に
ついて、トナーの形状、ゲル分率とキャリアの形状係数
を示す。また、これらの現像剤による5万枚印写テスト
の結果をまとめて示す。
【表1】 現像剤 トナー キャリア 画像 かぶり スペント 形状 ゲル(%) 形状係数 濃度 (%) 実施例1 球形 32 1.10 ○ ○ 0.20 実施例2 球形 67 1.25 ○ ○ 0.25 比較例1 不定形 0 1.10 ○ × 0.40 比較例2 球形 0 1.25 ○ × 0.35 比較例3 球形 67 1.06 × × 0.42 画像濃度は、印写テストで常に1.3以上を示したもの
を○で、1.3未満となったものを×で示した。かぶり
は、同様に紙の非画像部分のハンター白色度に対し、
0.5%以上の白色度低下を示したものを×で、0.5
%未満であったものを○で示した。
【0037】
【発明の効果】本発明の現像剤は、以上記述のような構
成および作用であり、現像剤の劣化が少なく、多数枚印
写後も高品質な画像を保持できる現像剤を提供できると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1および比較例1の印写テ
スト後のキャリア粒子構造写真である。
【図2】図2は本発明に係る実施例および比較例につい
てキャリアの形の形状係数を示したものである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−251852(JP,A) 特開 平3−251853(JP,A) 特開 昭63−243962(JP,A) 特開 昭59−218460(JP,A) 特開 昭59−219755(JP,A) 特開 昭60−28665(JP,A) 特開 昭60−45260(JP,A) 特開 昭61−38953(JP,A) 特開 昭61−130959(JP,A) 特開 昭64−88557(JP,A) 特開 平4−93954(JP,A) 特開 平2−187770(JP,A) 特開 平2−187771(JP,A) 特開 昭63−235964(JP,A) 特開 昭63−235963(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/10,9/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 懸濁重合により生成される、少なくとも
    着色剤を含むトナーと、フェライトキャリアにより構成
    される2成分現像剤において、トナーがゲル分率30%
    以上に架橋された球形トナーであり、フェライトキャリ
    アがその表面に結晶粒に基づく凹凸を有しかつコーティ
    ングされていないことを特徴とする2成分現像剤。
  2. 【請求項2】 最大頻度粒子の形状係数が1.10以上
    である請求項1記載の2成分現像剤。
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