JPH10186731A - 静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤及び画像形成方法

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JPH10186731A
JPH10186731A JP34628196A JP34628196A JPH10186731A JP H10186731 A JPH10186731 A JP H10186731A JP 34628196 A JP34628196 A JP 34628196A JP 34628196 A JP34628196 A JP 34628196A JP H10186731 A JPH10186731 A JP H10186731A
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electrostatic
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JP34628196A
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English (en)
Inventor
Masahiro Takagi
正博 高木
Akihiro Iizuka
章洋 飯塚
Takashi Imai
孝史 今井
Masanori Ichimura
正則 市村
Satoru Ishigaki
悟 石垣
Kensaku Toganoo
謙策 栂尾
Kazuya Furuta
和也 古田
Hideyuki Akagi
秀行 赤木
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デフェクトを招くことがなく、帯電量の環境
安定性や経時安定性に優れ、画像濃度の安定性が低下せ
ず、地被り等が発生せず、高画質のフルカラー画像を容
易にかつ確実に形成し得る静電荷像現像用キャリアを提
供すること。 【解決手段】 マトリックス樹脂21中に樹脂粒子22
と導電性微粉末23とを分散してなる被覆層20を核体
粒子30上に有してなり、該被覆層20における導電性
微粉末23の体積占有率が7〜15%であり、かつ該被
覆層20における(樹脂粒子22の占有体積)÷(導電
性微粉末23の占有体積)が0.4〜8.5であること
を特徴とする静電荷像現像用キャリア1である。樹脂粒
子22の平均粒径が大きくとも1.0μmであり、かつ
導電性微粉末23の平均粒径が大きくとも樹脂粒子の平
均粒径の1/3である態様、核体粒子30と被覆層20
との重量比が100:1.8〜100:5.0である態
様等が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法において静電潜像を現像するために使用される静
電荷像現像用キャリア、該静電荷像現像用キャリアを用
いた静電荷像現像剤、及び、該静電荷像現像剤を用いた
画像形成方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来、電子写真感光体上に形成された静電
潜像を現像する方法としては、現像剤による薄層をスリ
ーブ上に形成したものを該電子写真感光体と対向させ、
該静電潜像を、前記現像剤を用いて現像する方法が主流
である。前記現像剤としては、トナーのみからなる一成
分系現像剤と、トナーとキャリアとを含んでなる二成分
系現像剤とが一般的に知られている。
【0003】前記現像剤として、トナー粒子のみからな
る一成分系現像剤を用いる場合は、二成分系現像剤を用
いる場合に比べて、装置構成の簡略化や小型化を図るこ
とができるものの、トナーの搬送量や帯電量を精密に制
御できないという欠点がある。現状の一成分系現像剤で
は、現像量の精密な制御が要求されるフルカラー用途に
は十分な適性があるとは言えないため、近時、高精細フ
ルカラー用複写機・プリンター等には二成分系現像剤が
多く用いられ、多色の画像形成には二成分系現像剤を用
いた現像方法が多く採用されている。
【0004】二成分系現像剤を用いた現像方法において
は、十分な画像濃度を確保するために、換言すると、現
像領域に十分な量の現像剤を供給するために、現像スリ
ーブ周速を感光体周速よりも速く設定することが一般的
に行われている。しかしながら、この現像方法の場合、
現像スリーブと感光体との間における相対速度差に起因
する現像ディフェクト、例えば、ベタ画像後端抜けや、
ハーフトーン及びベタ画像が混在する場合におけるベタ
画像先端とハーフトーン境界部でのハーフトーン画像後
端抜け等が発生することが知られている。
【0005】これらの画像抜けは、現像プロセスにおい
て、現像ニップ領域でのトナーの移動に起因する現像剤
層の電位変化量が潜像構造に依存すること、さらに速度
差を設けて現像する場合、実際に現像が行われる領域に
おいては現像すべき潜像の直前の電界履歴を受けた現像
剤により現像が行われるため、潜像構造の不連続点、例
えば、ベタ画像と非画像部との境界や、ハーフトーンと
ベタ画像との境界等において、これらのディフェクトが
顕著になるものと推測される。特に、多種潜像レベルが
連続的に混在する場合の多いフルカラー画像において
は、前記ディフェクトの発生は未だ十分に抑制されてい
ないのが現状である。
【0006】これらのディフェクトの抑制には、現像剤
層の抵抗値の制御が有効と推測される。前記現像剤層の
抵抗値は、一般にキャリアの抵抗値と現像剤中のトナー
濃度とによってほぼ決定される。そこで、この現像剤層
の抵抗値を適正値に安定に保つために、キャリアの抵抗
値の精密な制御及び現像剤中のトナー濃度の安定化が要
求される。特に後者の場合には、トナー濃度により現像
剤の帯電量を制御し、画像濃度を一定化させる画像形成
システムでは、帯電量の環境安定性や経時安定性が要求
される。
【0007】前記キャリアの抵抗値の精密な制御に関し
て、例えば、特公平7−31422号公報には、ベタ画
像後端抜けの改善に適当な、キャリアの抵抗値の上限が
提案されている。一方、ディフェクト改善のために、現
像剤又はキャリアの抵抗値を低下させた場合、低下しす
ぎると現像実効電極の極端な感光体への近接効果のた
め、トナーの感光体への供給能力の低下及び潜像リーク
発生による所謂ブラシマークが発生する。特公平5−4
0309号公報、特公平6−29992号公報、特公平
7−31422号公報等には、前記不都合を回避するの
に適当な、キャリアの抵抗値の下限が提案されている。
【0008】しかしながら、これらの提案はいずれも、
樹脂の薄層を核体粒子上に単に形成したキャリアか、表
面に被膜層を有しないキャリアに関するものである。こ
れらのキャリアの場合、長期にわたり現像を繰り返す
と、現像剤中のキャリア表面の樹脂コート層が磨耗剥離
し、その抵抗値が低下したり、キャリア表面にトナー成
分が凝着し、その抵抗値が増大したりすること等によ
り、前記ディフェクトが顕著になる上、画像濃度の安定
性が低下し、地被り等も発生するという問題がある。し
たがって、これらのキャリアについては、帯電量の環境
安定性や経時安定性等の改善が必要である。
【0009】前記帯電量の環境安定性や経時安定性等を
改善するものとして、特開昭61−80161号公報、
同61−80162号公報、同61−80163号公報
等には、含窒素フッ素化アルキル(メタ)アクリレート
とビニル系モノマーとの共重合体や、フッ素化アルキル
(メタ)アクリレートと含窒素ビニル系モノマーとの共
重合体を、キャリア芯材表面に被膜することにより、比
較的長寿命の被膜キャリアを得ることが記載されてい
る。また、特開平1−118150号公報には、ポリア
ミド樹脂、同2−79862号公報にはメラミン樹脂
を、それぞれキャリア芯材表面に被膜し、更に硬化し
て、比較的硬い被膜をもつ被膜キャリアを得ることが記
載されている。
【0010】しかしながら、これら従来の被覆キャリア
では、トナー成分のキャリア表面への汚染(スペント)
が防止しきれず、前記特公平5−40309号公報、特
公平6−29992号公報、特公平7−31422号公
報等と同様にキャリアの抵抗値の安定性が十分でないと
いう問題がある。したがって、これら従来の被覆キャリ
アについては、画像の経時安定性等の改善が必要であ
る。
【0011】一方、キャリアの導電性と帯電量との両者
の安定化を目的として、特開平7−191498号公報
等には、異なるDBP吸着量を有する2種のカーボンブ
ラックを混合分散した被覆層を設けたキャリアが提案さ
れ、特開平8−234500号公報等には、核体粒子の
表面に、カーボンブラックを含有させたオレフィン系モ
ノマーを重合させつつ被膜したキャリア等が提案されて
いる。しかしながら、これらのキャリアについても、帯
電制御に関する自由度が小さく、特に小粒径トナーの帯
電量の調整が難しいという問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。即ち、本発明は、デフェクトを招くことがな
い静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤及び画像形
成方法を提供することを目的とする。より詳しくは、ベ
タ画像後端抜けを抑制し、ハーフトーン及びベタ画像が
混在近接する場合における、ベタ画像先端とハーフトー
ンとの境界部でのハーフトーン画像後端抜けを抑制し得
る、静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤及び画像
形成方法を提供することを目的とする。また、本発明
は、帯電量の環境安定性や経時安定性に優れ、画像濃度
の安定性が低下せず、地被り等が発生しない静電荷像現
像用キャリア、静電荷像現像剤及び画像形成方法を提供
することを目的とする。より詳しくは、静電潜像担持体
へのトナー供給能力の低下や、潜像リーク発生に起因す
るブラシマークを防止し、摩擦帯電安定性に優れ、画像
濃度の低下や被りを防止し得る静電荷像現像用キャリ
ア、静電荷像現像剤及び画像形成方法を提供することを
目的とする。さらに、上記特性を有し、高画質のフルカ
ラー画像を容易にかつ確実に形成し得る静電荷像現像用
キャリア、静電荷像現像剤及び画像形成方法を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記従来における諸問題
を解決するため、発明の発明者等は、主に静電荷像現像
用キャリアについて新たな視点で鋭意研究し、検討した
結果、マトリックス樹脂中に特定濃度の導電性微粉末を
分散してなる被覆層中に、樹脂ドメイン、即ち樹脂粒子
を断続的にかつ特定量存在させることにより、前記従来
における諸問題を解決できることを見出した。本発明
は、かかる本発明の発明者らによる知見に基づくもので
あり、具体的には以下の通りである。
【0014】(1) マトリックス樹脂中に樹脂粒子と
導電性微粉末とを分散してなる被覆層を核体粒子上に有
してなり、該被覆層における導電性微粉末の体積占有率
が7〜15%であり、かつ該被覆層における(樹脂粒子
の占有体積)÷(導電性微粉末の占有体積)が0.4〜
8.5であることを特徴とする静電荷像現像用キャリア
である。 (2) 樹脂粒子の平均粒径が大きくとも1.0μmで
あり、かつ導電性微粉末の平均粒径が大きくとも樹脂粒
子の平均粒径の1/3である前記(1)に記載の静電荷
像現像用キャリアである。 (3) 核体粒子と被覆層との重量比が100:1.8
〜100:5.0である前記(1)又は(2)に記載の
静電荷像現像用キャリアである。 (4) 核体粒子の平均粒径が30〜50μmである前
記(1)から(3)のいずれかに記載の静電荷像現像用
キャリアである。 (5) マトリックス樹脂が含フッ素樹脂であり、かつ
樹脂粒子が含窒素樹脂である前記(1)から(4)のい
ずれかに記載の静電荷像現像用キャリアである。 (6) トナーとキャリアとを含有してなり、該キャリ
アが前記(1)から(5)のいずれかに記載の静電荷像
現像用キャリアであることを特徴とする静電荷像現像剤
である。 (7) トナーが、4.5〜9.0μmの平均粒径を有
するカラートナーである前記(6)に記載の静電荷像現
像剤である。 (8) 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程
と、該静電潜像を現像剤を用いて現像する工程とを少な
くとも含む画像形成方法において、該現像剤が、前記
(6)又は(7)に記載の静電荷像現像剤であることを
特徴とする画像形成方法である。
【0015】本発明の静電荷像現像用キャリアにおいて
は、被覆層に含まれる導電性微粉末により導電性が付与
され、被覆層に含まれるマトリックス樹脂及び樹脂粒子
の一方により、帯電付与能の安定性、機械的強度、スペ
ント防止性等の少なくとも1つが向上され、残りが他方
により向上される。前記被覆層は、深さ方向の組成が均
一であり、磨耗しても常に未使用時と同様な表面組成が
保たれるため、本発明の静電荷像現像用キャリアにおい
ては、トナーへの帯電性付与能や、スペント防止機能が
経時的に変化せず、これらの性能が安定して発揮され
る。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の静電荷像現像用キ
ャリア、静電荷像現像剤及び画像形成方法について詳細
に説明する。 (静電荷像現像用キャリア)図1に示す通り、本発明の
静電荷像現像剤用キャリア1は、核体粒子30上に被覆
層20が設けられてなる。前記被覆層20は、マトリッ
クス樹脂21中に樹脂粒子22及び導電性微粉末23を
分散した状態で含有する。
【0017】本発明の静電潜像現像剤用キャリアの被覆
層においては、マトリックス樹脂中の導電性微粒子の体
積占有率が、7〜15%である必要がある。本発明にお
いて前記体積占有率は、式(1):{(核体粒子100
重量部に対する導電性微粒子の重量部)÷(導電性微粒
子の真比重)}/{(核体粒子100重量部に対するマ
トリックス樹脂の重量部)÷(マトリックス樹脂の真比
重)}×100、から算出することができる。前記体積
占有率が7%未満であると、磁気ブラシ現像剤層の抵抗
が低電界強度で高くなりすぎ、ベタ画像部と非画像部と
の境界におけるベタ画像後端抜けが顕著に現れてしまう
ので好ましくない。一方、前記体積占有率が15%を越
えると、磁気ブラシ現像剤層の抵抗が高電界強度におい
て低くなりすぎ、所謂ブラシマークが顕著に発生してし
まうので好ましくない。なお、前記体積占有率のより好
ましい範囲としては、8〜12.5%である。
【0018】また、本発明の静電荷像現像剤用キャリア
の被覆層においては、(樹脂粒子の占有体積)÷(導電
性微粉末の占有体積)が0.4〜8.5である必要があ
る。本発明において前記(樹脂粒子の占有体積)÷(導
電性微粉末の占有体積)の値は、式(2):{(核体粒
子100重量部に対する樹脂粒子の重量部)/(核体粒
子100重量部に対する導電性微粉末の重量部)}×
{(導電性微粉末の真比重)/(樹脂粒子の真比
重)}、から算出することができる。前記式(2)から
算出される値が0.4未満であると、相対的に樹脂粒子
の機能が低下し、帯電安定性が不十分になり好ましくな
い。一方、8.5を越えると、相対的にマトリックス樹
脂の機能が低下するため、被覆層の強度が不十分にな
り、磨耗や剥がれによる静電荷像現像剤用キャリアの抵
抗値の変化に起因するディフェクトが顕著になり好まし
くない。なお、前記(樹脂粒子の占有体積)÷(導電性
微粉末の占有体積)のより好ましい範囲としては、0.
6〜5.5である。
【0019】−核体粒子− 本発明の静電荷像現像用キャリアにおける核体粒子とし
ては、本発明の目的を害しない限り特に制限はなく、そ
れ自体公知のものが挙げられるが、具体的には、フェラ
イト、マグネタイト、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁
性を示す金属粒子乃至粉末などが挙げられる。これらの
中でも、フェライトは、低比重であり、現像機内で受け
るストレスによるキャリアコート剥がれやキャリア表面
へのトナー汚染を効果的に抑制できる点で好ましい。
【0020】前記フェライトとしては、例えば、Li、
Mg、Ca、Mn、Ni、Cu及びZnから選択された
少なくとも1種の酸化物と、Fe2 3 とを主成分と
し、造粒・焼結して形成された磁性粒子が好ましく、L
i、Mg及びMnから選択された少なくとも1種の酸化
物と、Fe2 3 とを主成分とし造粒・焼結して形成さ
れた磁性粒子がより好ましい。前者のフェライトはキャ
リアの磁化率を容易に所望の範囲に制御できる点で好ま
しく、後者のフェライトはキャリアにおける磁化率と電
気抵抗値とを所望の範囲に両立させることができる点で
好ましい。
【0021】前記フェライトの作製方法としては、特に
制限はなく公知の方法が採用でき、例えば、粉砕された
フェライト組成物を、バインダー、水、分散剤、有機溶
剤等と混合し、スプレードライ法や流動造粒法に従って
粒子を形成し、ロータリーキルンや回分式焼却炉により
焼成した後、篩分により分級して粒径分布が制御された
フェライト粒子を得る方法などが挙げられる。また、焼
成段階において、酸素分圧を制御するか、焼成後に粒子
表面の酸化・還元処理を追加すること等により、電気抵
抗を制御したフェライト粒子を得る方法などが挙げられ
る。
【0022】前記核体粒子の平均粒径としては、30〜
50μmであるのが好ましい。前記平均粒径が、30μ
m未満であると、該静電荷像現像用キャリアを現像剤と
して用いた場合に穂立ちが柔らかくなりすぎて磁気ブラ
シが粗となり、逆に抵抗値が上昇する上、キャリア現像
といった二次障害が発生するので好ましくない。一方、
50μmを越えると、トナー濃度の増大による抵抗値の
上昇傾向が顕著になり、特に磁気ブラシの現像剤層抵抗
値が高電界側で高くなり、ベタ画像先端とハーフトーン
境界部でのハーフトーン画像後端抜けが顕著に発生する
ので好ましくない。一般に、画像境界部に発生するディ
フェクトと相関する現像剤層の抵抗値は、現像剤中のト
ナー濃度にも大きく依存し、トナー濃度の増大に伴い前
記抵抗値は大きく上昇する傾向にある。このため、トナ
ー濃度の変動に依存する抵抗値の変動幅を押さえるに
は、前記核体粒子の平均粒径を前記数値範囲内にあるこ
とが好ましいと言える。
【0023】−マトリックス樹脂− 前記被覆層におけるマトリックス樹脂としては、静電荷
像現像用キャリアの被覆層として一般的に使用されてい
る公知の樹脂が挙げられる。前記マトリックス樹脂の具
体例としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等
のポリオレフィン系樹脂、例えばポリスチレン、アクリ
ル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテー
ト、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポ
リ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエ
ーテル、ポリビニルケトン等のポリビニル及びポリビニ
リデン系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチ
レン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合か
らなるストレートシリコン樹脂又はその変性品、例えば
ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等
のフッ素樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカー
ボネート、フェノール樹脂、例えば尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリ
ア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ樹脂、エポキシ樹脂
などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよ
いし、2種以上を併用してもよい。
【0024】本発明においては、マトリックス樹脂の一
部又は全部に、臨界表面張力(γc)が30dyn/c
m以下のマトリックス樹脂を用いるのが、静電荷像現像
用キャリアの表面のトナー汚染による抵抗値の変化を極
小化できる点で好ましい。
【0025】臨界表面張力(γc)が30dyn/cm
以下のマトリックス樹脂としては、例えば、ポリフッ化
ビニル(γc=28dyn/cm)、ポリフッ化ビニリ
デン(γc=25dyn/cm)、ポリトリフルオロエ
チレン(γc=22dyn/cm)、ポリテトラフルオ
ロエチレン(γc=18dyn/cm)、ポリヘキサフ
ルオロプロピレン(γc=16dyn/cm)などの
外、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、
フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラ
フルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ素化単量
体とのターポリマーのようなフルオロターポリマー等で
あってその臨界表面張力が35dyn/cm以下のもの
などが使用できる。これらの中でも、臨界表面張力が3
0dyn/cm以下である、含フッ素樹脂やシリコーン
樹脂が特に好ましい。
【0026】−樹脂粒子− 前記被覆層における樹脂粒子としては、前記マトリック
ス樹脂と高い相溶性(即ち、マトリックス樹脂と樹脂粒
子とを混合した場合に両者が相分離しない状態にある)
を示す素材の粒子が好ましい。このような素材の樹脂粒
子の場合、凝集せずに一次粒子の形態で前記マトリック
ス樹脂中に均一に分散させることができる点で特に好ま
しい。前記樹脂粒子の素材としては、前記被覆材料を前
記核体粒子上に被覆する際に用いる溶剤や熱に対して不
溶・不融の状態を維持し得る機能を有することが必要で
ある。このような機能を有する素材であれば、特に制限
はなく、後述の溶剤の種類等に応じて適宜選択すること
ができ、具体的には、熱可塑性樹脂粒子、熱硬化性樹脂
粒子などが挙げられる。
【0027】前記熱可塑性樹脂としては、例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、例
えばポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリ
ル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカル
バゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等の
ポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オ
ルガノシロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂
又はその変性品、例えばポリテトラフルオロエチレン、
ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロ
トリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、、ポリエステ
ル、ポリカーボネートなどが挙げられる。
【0028】前記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェ
ノール樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラ
ミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリア
ミド樹脂等の含窒素樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられ
る。これらの素材の中でも、静電荷像現像用キャリアの
機械的強度の向上や制御が容易な点で前記熱硬化性樹
脂、特に含窒素樹脂が好ましく、さらに架橋された熱硬
化性樹脂、特に含窒素樹脂が好ましい。なお、前記素材
として含窒素樹脂を用いる場合、前記マトリックス樹脂
として含フッ素樹脂を組み合わせると、本発明の効果が
良好である点で好ましい。
【0029】前記樹脂粒子の作製方法としては、特に制
限はなく、それ自体公知の方法が挙げられる。例えば、
サスペンジョン重合、乳化重合、懸濁重合等の重合方法
に従って樹脂粒子を作製する方法、モノマー又はオリゴ
マーを貧溶媒中に分散して、架橋反応を行いつつ表面張
力により粒状化する方法、低分子成分と架橋剤とを溶融
混練などにより混合・反応させた後、風力・機械力によ
り、所定の粒度に粉砕する方法などが挙げられる。
【0030】前記樹脂粒子の平均粒径としては、前記被
覆層の均一性及び機械的強度を高めることができる点
で、1.0μm以下が好ましく、0.05〜0.70μ
mがより好ましい。前記平均粒径が1.0μm以下であ
り、前記被覆層形成時に溶解乃至溶融しない素材の樹脂
粒子を用いると、前記被覆層において、前記マトリック
ス樹脂と前記樹脂粒子とによる樹脂ドメインを所望の状
態に制御できる点で好ましい。
【0031】なお、本発明においては、前記樹脂粒子の
素材を前記マトリックス樹脂中に添加混合し、前記被覆
層が形成される際に該被覆層内で該樹脂粒子の素材が樹
脂粒子の形態になるようにして前記被覆層を形成しても
よいが、予め作製しておいた樹脂粒子を前記マトリック
ス樹脂中に添加混合して前記被覆層を形成するのが好ま
しい。後者の場合は、前記被覆層中における樹脂粒子の
分散の均一性の確保や確認が容易である点で有利であ
る。
【0032】また、本発明の静電荷像現像用キャリアを
トナーと組み合わせて使用し、静電荷像現像剤とした場
合において、該トナーに負帯電性を安定に付与し得るに
は、該静電荷像現像用キャリアの被覆層における、樹脂
粒子が電子供与性を有するN原子を含み、かつ、マトリ
ックス樹脂が耐汚染性に富む含フッ素樹脂、特にフッ素
変性アクリル樹脂を含む態様が、前記目的の達成に最も
有効である。
【0033】−導電性微粉末− 前記被覆層における導電性微粉末としては、その導電性
が1010Ωcm以下であるのが好ましく、109 Ωcm
以下であるのがより好ましい。本発明において前記導電
性微粉末は、このような導電性を有する微粉末の中か
ら、前記マトリックス樹脂の種類等に応じて適宜選択す
ればよい。
【0034】前記導電性微粉末の具体例としては、金、
銀、銅等の金属、カーボンブラック、酸化チタン、酸化
亜鉛等の半導電性酸化物、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸
バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末
等の表面を酸化スズやカーボンブラックや金属で覆った
ものなどが挙げられる。これらの中でも、製造安定性、
低コスト性、導電性が良好な点でカーボンブラックが好
ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種
以上を併用してもよい。前記カーボンブラックの種類と
しては、特に制限はなく、それ自体公知のものが使用で
きるが、製造安定性に優れる点でDBP(ジブチルフタ
レート)吸油量が50〜300ml/100gであるカ
ーボンブラックが特に好ましい。
【0035】前記導電性微粉末の平均粒径としては、
0.3μm以下が好ましく、均一分散の点では一次粒径
が50nm以下であるのが好ましい。また、前記導電性
微粒子の平均粒径としては、前記被覆層の均一性及び機
械的強度を高めることができる点で、前記樹脂粒子の平
均粒径の1/3以下であるのが好ましい。本発明の静電
荷像現像用キャリアは、前記導電性微粉末を含むことに
より、適当な導電性を有するようになる。
【0036】−被覆層の形成− 前記被覆層を、前記核体粒子上に形成する方法として
は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
できるが、溶剤中に、前記マトリックス樹脂、前記樹脂
粒子及び前記導電性微粉末の各素材を溶解乃至分散させ
たスラリー状の被覆層形成用溶液を用いる方法が代表的
である。具体的には、例えば、前記核体粒子を前記被膜
層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、前記被膜層形成用溶
液を前記核体粒子の表面に噴霧するスプレー法、前記核
体粒子を流動エアーにより浮遊させた状態で前記被膜層
形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中で
前記核体粒子と前記被膜層形成用溶液とを混合し、溶剤
を除去するニーダーコーター法などが挙げられる。本発
明においては、これらの中でもニーダーコーター法が特
に好ましい。
【0037】前記被膜層形成用溶液に用いられる溶剤と
しては、少なくとも前記マトリックス樹脂を溶解するこ
とができれば特に制限はなく、例えば、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケ
トン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル類などが挙げられる。
【0038】前記被膜層形成用溶液中において前記樹脂
粒子は、実質的に溶解していないことが好ましい。換言
すると、前記樹脂粒子は前記溶剤に対して不溶性である
のが好ましい。前記被膜層形成用溶剤中で前記樹脂粒子
が均一に分散していれば、形成される被覆層中でも、前
記樹脂粒子は均一に分散されるからである。このように
すると、前記樹脂粒子が、前記被覆層中で凝集せず一次
粒子の形態を保つことができる点で有利である。したが
って、このような観点から、前記溶剤を適宜選択するこ
とが好ましい。
【0039】前記被膜層形成用溶液の調製は、特に制限
はなく、それ自体公知の方法を採用することができ、例
えば、前記マトリックス樹脂、前記樹脂粒子の素材、前
記導電性微粉末等を、前記溶剤中に添加し、混合するこ
とにより、容易に行うことができる。
【0040】前記被覆層における、前記各成分の重量比
としては、前記被覆層全体を100重量%とした場合に
おいて、通常、前記マトリックス樹脂が25.0〜8
7.0重量%であり、前記導電性微粉末が7.0〜2
1.0重量%であり、前記樹脂粒子が3.0〜63.0
重量%である。
【0041】本発明の静電荷像現像用キャリアにおけ
る、前記核体粒子と前記被覆層との重量比としては、1
00:1.8〜100:5.0が好ましい。前記核体粒
子100重量部に対して前記被覆層が1.8重量部未満
であると、磁気ブラシ現像剤層抵抗の電界依存性が強く
なり、高電界強度において抵抗が低くなり過ぎるためブ
ラシマークが顕著に発生してしまうので好ましくない。
一方、前記核体粒子100重量部に対し前記被覆層が
5.0重量部を越えると、磁気ブラシ現像剤層抵抗が高
電界強度にて高くなり過ぎるため、ハーフトーン及びベ
タ画像が混在近接する場合における、ベタ画像先端とハ
ーフトーン境界部でのハーフトーン画像後端抜けが顕著
に発生するので好ましくない。
【0042】本発明の静電荷像現像用キャリアの実効磁
化としては、55〜65emu/gga好ましい。ここ
でいう実効磁化とは、1kOeの磁場において測定した
磁化率を意味する。前記実効磁化が、65emu/gを
越えると現像剤の穂立ちが硬くなりブラシマークが発生
することがあり、一方、55emu/g未満であるとキ
ャリア現像等の二次障害が発生することがある。一般
に、現像剤層の抵抗値は、磁気ブラシの穂立ち状態に依
存し、スリーブ内包磁石の磁束密度が大きい程、及び、
該静電荷像現像用キャリアの実効磁化が大きい程、低下
する傾向にある。このため、前記実効磁化としては前記
数値範囲内にあるのが好ましいと言える。
【0043】本発明の静電荷像現像用キャリアは、以下
の本発明の静電荷像現像剤に好適に使用することができ
る。
【0044】(静電荷像現像剤)本発明の静電荷像現像
剤は、上述した本発明の静電荷像現像用キャリアと、ト
ナーとを含んでなる。前記トナーとしては、特に制限は
なく、着色剤と結着樹脂とを少なくとも含んでなる公知
のトナーが挙げられる。
【0045】前記着色剤としては、例えば、カーボンブ
ラック、ニグロシン、アニリンブルー、カルコイルブル
ー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポン
オイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロ
リド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーン・オ
キサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.
I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント
・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:
1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグ
メント・イエロー12、C.I.ピグメント・ブルー1
5:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などが挙
げられる。
【0046】前記結着樹脂としては、例えばスチレン、
クロロスチレン等のスチレン類、例えばエチレン、プロ
ピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、例
えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニ
ル、酢酸ビニル等のビニルエステル、例えばアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン
脂肪族モノカルボン酸エステル、例えばビニルメチルエ
ーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル
等のビニルエーテル、ビニルメチルケトン、ビニルヘキ
シルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケ
トン、などの単独重合体又は共重合体などが挙げられ
る。前記結着樹脂として特に代表的なものとしては、例
えば、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共
重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、ス
チレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジ
エン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポ
リエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられる。更に、
ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコン
樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィン、ワックス
類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用しても
よく、2種以上を併用してもよい。
【0047】これらの結着樹脂の中でも、ポリエステル
がより好ましく、ビスフェノールAと多価芳香族カルボ
ン酸とを主単量体成分とした重縮合物よりなる線状ポリ
エステル樹脂が特に好ましい。また、軟化点が90〜1
50℃であり、ガラス転移点が50〜70℃であり、数
平均分子量が2,000〜6,000であり、重量平均
分子量が8,000〜150,000であり、酸価が5
〜30であり、水酸基価が5〜40である結着樹脂が特
に好ましい。
【0048】前記トナーは、前記着色剤及び前記結着樹
脂の外、必要に応じて電荷制御剤、オフセット防止剤、
磁性体微粉末などを含有していてもよい。前記電荷制御
剤としては、例えば、サリチル酸金属塩、含金属アゾ化
合物、ニグロシン、四級アンモニウム塩などが挙げられ
る。前記オフセット防止剤としては、例えば、低分子量
ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、ワックスなど
が挙げられる。
【0049】また、前記トナーには、流動化剤、クリー
ニング助剤、転写助剤等の外添剤が添加されていてもよ
い。前記流動化剤としては、シリカ、チタニア、アルミ
ナなどが挙げられる。前記クリーニング助剤としては、
ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒
子、ポリフッ化ビニリデン微粒子などが挙げられる。
【0050】前記トナーの平均粒径としては、4.5〜
9.0μmが好ましい。前記トナーの平均粒径が前記範
囲内にあると、前記本発明の目的を効果的に達成できる
点で好ましい。前記平均粒径の数値範囲よりも小さな平
均粒径を有するトナーの場合、比表面積が大きいため、
帯電量の制御が困難な上に、静電荷像現像用キャリアの
表面を隠蔽する比率が高いこと、更にはフルカラー画像
は多種潜像レベルが連続的に混在する場合が多いこと等
が重なり、ディフェクトが目立ち易くなる。
【0051】本発明の静電荷像現像剤における前記トナ
ーの含有量としては、通常、前記静電荷像現像剤100
重量%に対して2〜15重量%である。本発明の静電荷
像現像剤は、以下の本発明の画像形成方法に好適に使用
することができる。
【0052】本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体
上に静電潜像を形成する工程(静電潜像形成工程)と、
該静電潜像を現像剤を用いて現像する工程(現像工程)
とを少なくとも含む。さらに、前記現像工程により形成
した現像像を転写材に定着する定着工程等を適宜含む。
本発明の画像形成方法においては、前記現像剤として上
述の本発明の静電荷像現像剤を用いる。
【0053】−静電潜像形成工程− 前記静電潜像工程においては、それ自体公知の電子写真
感光体等の静電潜像担持体を用い、この静電潜像担持体
に対して、帯電、像露光等を行うことにより、該静電潜
像担持体上に像様の静電潜像を形成する。前記帯電は、
前記静電潜像担持体の表面を帯電させる操作であり、例
えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィル
ム、ゴムブレード等を用いた接触帯電や、非接触帯電器
などの公知の帯電器等を用いて行うことができる。前記
像露光は、該帯電がなされた静電潜像担持体の表面を像
様に露光して静電潜像を形成する操作であり、例えば半
導体レーザ光の外、LED光、液晶シャッタ光等の公知
の光源を利用した公知の画像露光器を用いて行うことが
できる。前記静電潜像形成工程は、それ自体公知の電子
写真装置等を用いて行うことができる。
【0054】−現像工程− 前記現像工程においては、該静電潜像を前記本発明の静
電荷像現像剤を用いて現像する。前記現像は、例えば、
前記本発明の静電荷像現像剤を前記静電潜像に接触又は
非接触させて現像する現像器を用いて行うことができ
る。その後、現像工程においては、該静電潜像担持体上
に形成された現像像を転写材上に転写させる。この転写
は、例えば、公知の転写帯電器等を用い、コロナ放電に
よる転写、転写ベルト、転写ローラ等による接触転写な
どにより行うことができる。なお、前記転写材として
は、特に制限はなく、それ自体公知の市販のコピー用紙
などが挙げられる。
【0055】前記定着工程は、例えば、熱ローラ定着器
などの公知の定着器を用いて行うことができる。本発明
の画像形成方法は、前記現像工程における現像剤として
前記本発明の静電荷像現像剤を用いる限り、例えば、公
知の静電写真装置、電子写真装置等を用いて実施するこ
とができる。
【0056】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。 (実施例1〜8及び比較例1〜4) −被覆層形成用溶液の調製− 核体粒子として、表1に示すフェライト粒子A〜Dを準
備した。
【0057】
【表1】
【0058】表2に示す各成分をサンドミルで20分間
撹拌・分散し、被覆層形成用溶液を調製した。
【0059】
【表2】
【0060】−静電荷像現像用キャリアの作製− 表3に示す通りに、核体粒子と被覆層形成用溶液とを組
み合わせ、該核体粒子1,000重量部と該被膜層形成
用溶液との配合物を、真空脱気型ニーダー(内壁を10
0℃に加熱)に投入し、15分撹拌した後、減圧して溶
媒を留去して、該核体粒子上に被膜層を形成して静電荷
像現像用キャリア(CA−1〜CA−13)を作製し
た。ただし、静電荷像現像用キャリア(CA−2)のみ
は、乾燥後200℃、60分の焼き付け処理を施した。
【0061】
【表3】
【0062】−静電荷像現像剤の作製− 以上のようにして得た各静電荷像現像用キャリア100
重量部を、トナー8重量部と混合して13種類の静電荷
像現像剤を作製した。なお、使用したトナーは、以下の
製法で作製した6.3μmのマゼンタトナーである。
【0063】 −マゼンタトナー− 線状ポリエステル樹脂・・・・・・・・・・・・・・・・100重量% (テレフタル酸/ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物/シクロヘ キサンジメタノールから得られた線状ポリエステル;Tg=62℃、Mn=4, 000、Mw=35,000、酸価=12、水酸価=25) マゼンタ顔料(C.I.ピグメント・レッド57)・・・・・3重量% 上記混合物をエクストルーダーで混練し、ジェットミル
で粉砕した後、風力式分級機で分散してd50=6.6
μmのマゼンタトナー粒子を得た。このマゼンタトナー
粒子にシリカ(日本アエロジル社製、商品名:R97
2)を0.6重量%ヘンシェルミキサーで添加してマゼ
ンタトナーを得た。
【0064】−画質及び現像剤抵抗値の評価− 以上のようにして得られた静電荷像現像剤を、図2に示
すような電子写真装置(富士ゼロックス社製、Acol
or630)に実装し、画像形成を行い、プリントテス
トを行った。まず、帯電器807が静電潜像担持体80
8上を一様に帯電する。原稿読み取り用光源801から
コピー原稿802に対して露光が行われる。コピー原稿
802からの反射光をカラーCCD803により読み取
って、画像処理装置804により色分解し、半導体レー
ザー805から光信号として出力する。その光信号は光
学系806を通じて静電潜像担持体808上に像様に露
光し、静電潜像を形成する。該静電潜像を、現像器(マ
ゼンタ)809、現像器(イエロー)810、現像器
(シアン)811及び現像器(ブラック)812を用い
て現像し、カラー画像(現像像)を形成した。そして、
該カラー画像を転写体813上の転写材814上に、剥
離帯電器815の作用により転写した。こうして、転写
材814上に転写されたカラー画像は、熱ロール定着器
816により、転写材814上に熱定着された。
【0065】以上のようにして得られた初期画質に関す
る評価結果を表4に、100,000枚出力後の画質に
関する評価結果を表5にそれぞれ示した。なお、評価の
基準は以下の通りとした。△以上であれば実用上問題の
ないレベルである。 <ベタ画像後端抜け> ◎・・・後端の濃度低下がない状態 ○・・・白抜けとしては目立たないが後端の濃度低下が
若干観られる状態 △・・・目視で白抜けがやや観られるが、抜け幅は測定
できない状態 ×・・・目視で1mm以上の幅の白抜けが認識できる状
態 <ハーフトーン/ベタ部境界抜け> ◎・・・境界の濃度低下がない状態 ○・・・白抜けとしては目立たないが境界の濃度低下が
若干観られる状態 △・・・目視で白抜けがやや観られるが、抜け幅は測定
できない状態 ×・・・目視で1mm以上の幅の白抜けが認識できる状
態 <ブラシマーク> ○・・・ハケスジが観られない状態 △・・・ハーフトーンに若干ハケスジが観られるが許容
範囲である状態 ×・・・全階調にハケスジが目立ち、画像ノイズが極め
て大きい状態 <キャリア付着> ○・・・A3紙上にキャリア付着が5個未満の状態 △・・・A3紙上にキャリア付着が5〜10個未満の状
態 ×・・・A3紙上にキャリア付着が10個を越える状態 <カブリ> ○・・・拡大鏡を用いても被りが観られない状態 △・・・被りがあるものの、目視では認識できない状態 ×・・・被りが目視で観察できる状態
【0066】
【表4】
【0067】
【表5】
【0068】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決し、前記目的を達成することができる。具体的
には以下の通りである。即ち、本発明によると、デフェ
クトを招くことがない静電荷像現像用キャリア、静電荷
像現像剤及び画像形成方法を提供することができる。よ
り詳しくは、ベタ画像後端抜けを抑制し、ハーフトーン
及びベタ画像が混在近接する場合における、ベタ画像先
端とハーフトーンとの境界部でのハーフトーン画像後端
抜けを抑制し得る、静電荷像現像用キャリア、静電荷像
現像剤及び画像形成方法を提供することができる。ま
た、本発明によると、帯電量の環境安定性や経時安定性
に優れ、画像濃度の安定性が低下せず、地被り等が発生
しない静電荷像現像用キャリア、静電荷像現像剤及び画
像形成方法を提供することができる。より詳しくは、静
電潜像担持体へのトナー供給能力の低下や、潜像リーク
発生に起因するブラシマークを防止し、摩擦帯電安定性
に優れ、画像濃度の低下や被りを防止し得る静電荷像現
像用キャリア、静電荷像現像剤及び画像形成方法を提供
することができる。さらに、上記特性を有し、高画質の
フルカラー画像を容易にかつ確実に形成し得る静電荷像
現像用キャリア、静電荷像現像剤及び画像形成方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の静電荷像現像用キャリアの断
面概略説明図である。
【図2】図2は、本発明の静電荷像現像剤を用いた本発
明の画像形成方法の一実施例を説明するための概略説明
図である。
【符号の説明】
1 静電荷像現像用キャリア 20 被覆層 21 マトリックス樹脂 22 樹脂粒子 23 導電性微粉末 30 核体粒子 801 原稿読み取り用光源 802 コピー原稿 803 カラーCCD 804 画像処理装置 805 半導体レーザー 806 光学系 807 帯電器 808 静電潜像担持体 809 現像器(マゼンタ) 810 現像器(イエロー) 811 現像器(シアン) 812 現像器(ブラック) 813 転写体 814 転写材 815 剥離帯電器 816 熱ロール定着器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 9/10 361 (72)発明者 市村 正則 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 石垣 悟 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 栂尾 謙策 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 古田 和也 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 (72)発明者 赤木 秀行 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス樹脂中に樹脂粒子と導電性
    微粉末とを分散してなる被覆層を核体粒子上に有してな
    り、該被覆層における導電性微粉末の体積占有率が7〜
    15%であり、かつ該被覆層における(樹脂粒子の占有
    体積)÷(導電性微粉末の占有体積)が0.4〜8.5
    であることを特徴とする静電荷像現像用キャリア。
  2. 【請求項2】 樹脂粒子の平均粒径が大きくとも1.0
    μmであり、かつ導電性微粉末の平均粒径が大きくとも
    樹脂粒子の平均粒径の1/3である請求項1に記載の静
    電荷像現像用キャリア。
  3. 【請求項3】 核体粒子と被覆層との重量比が100:
    1.8〜100:5.0である請求項1又は2に記載の
    静電荷像現像用キャリア。
  4. 【請求項4】 核体粒子の平均粒径が30〜50μmで
    ある請求項1から3のいずれかに記載の静電荷像現像用
    キャリア。
  5. 【請求項5】 マトリックス樹脂が含フッ素樹脂であ
    り、かつ樹脂粒子が含窒素樹脂である請求項1から4の
    いずれかに記載の静電荷像現像用キャリア。
  6. 【請求項6】 トナーとキャリアとを含有してなり、該
    キャリアが請求項1から5のいずれかに記載の静電荷像
    現像用キャリアであることを特徴とする静電荷像現像
    剤。
  7. 【請求項7】 トナーが、4.5〜9.0μmの平均粒
    径を有するカラートナーである請求項6に記載の静電荷
    像現像剤。
  8. 【請求項8】 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する
    工程と、該静電潜像を現像剤を用いて現像する工程とを
    少なくとも含む画像形成方法において、該現像剤が、請
    求項6又は7に記載の静電荷像現像剤であることを特徴
    とする画像形成方法。
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