JPH10198077A - 静電潜像現像剤用キャリア、二成分現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

静電潜像現像剤用キャリア、二成分現像剤及び画像形成方法

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JPH10198077A
JPH10198077A JP198797A JP198797A JPH10198077A JP H10198077 A JPH10198077 A JP H10198077A JP 198797 A JP198797 A JP 198797A JP 198797 A JP198797 A JP 198797A JP H10198077 A JPH10198077 A JP H10198077A
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average particle
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JP198797A
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English (en)
Inventor
Shinpei Takagi
慎平 高木
Sakon Takahashi
左近 高橋
Noriyuki Mizutani
則之 水谷
Haruhide Ishida
晴英 石田
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像スリ−ブと感光体間との距離が800
μm未満で且つ現像電位差が400V以下のような条件
でトナー現像される現像方法に適用しても、キャリア現
像を生じさせることなく、良好な画像が得られる静電潜
像現像剤用キャリア及びそれを用いた二成分現像剤を提
供する。 【解決手段】 静電潜像現像剤に用いられるキャリアで
あって、キャリアの体積平均粒径の50%径(D50)
が30〜80μmの範囲にあり、体積平均粒径の10%
径(D10)と体積平均粒径の50%径の比率(D50
/D10)が1.8以下であり、体積平均粒径の90%
径(D90)と体積平均粒径の50%径の比率(D90
/D50)が1.8以下であり、体積粒径で20μm以
下のキャリアが3%未満であり、且つ、該キャリアの1
kOeにおける磁化が52〜65emu/gの範囲にあ
り、好ましくは樹脂被覆層を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法等により形成される静電荷像を二成分現像剤で現
像する際に用いる静電潜像現像剤用キャリア及びそれを
含有する現像剤並びに画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法など静電荷像を経て画像情報
を可視化する方法は、現在様々の分野で利用されてい
る。電子写真法は、帯電、露光工程で感光体上に静電潜
像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、
転写、定着工程を経て可視化される。ここで用いる現像
剤は、トナーとキャリアからなる二成分現像剤と、磁性
トナーなどのようにトナー単独で用いる一成分現像剤と
があるが、二成分現像剤は、キャリアが現像剤の攪拌・
搬送・帯電などの機能を分担し、現像剤として機能分離
されているため、現像剤の設計が容易であり、現在広く
用いられている。特に、樹脂被覆層を有するキャリアを
用いる現像剤は、帯電制御性に優れ、環境依存性、経時
安定性の改善が比較的容易である。
【0003】また、現像方法としては、古くはカスケー
ド法などが用いられていたが、現在は現像剤搬送担体と
して磁気ロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
【0004】二成分現像剤は、主にトナ−、キャリア、
外添剤からなり、現像装置あるいは現像システムにおけ
る電界、搬送、磁界、ストレス等の条件により、材料
種、材料特性、構造、組成等が選択される。トナ−は、
結着樹脂と色材とを含有しており、黒トナ−の色材とし
てはカ−ボンブラックを用いることが一般的であり、こ
のカ−ボンブラックを用いることにより、トナ−自体の
抵抗値が低下する。
【0005】また、キャリアは、一般に鉄やフェライ
ト、マグネタイト等の磁性粉末を用い、表面に被膜層を
有する被膜キャリアと、表面に被膜層を有しない非被膜
キャリアとに大別されるが、現像剤寿命、電気抵抗制御
等を考慮した場合には、被膜キャリアの方が優れている
ことから、種々のタイプの被膜キャリアが開発され、か
つ実用化されている。
【0006】外添剤は、トナ−/キャリア間の付着力を
低減、トナ−凝集の防止、トナ−流動性の向上、帯電制
御等の目的で用いられる。一般的には金属酸化物微粒子
を用いており、帯電特性、環境安定性、抵抗等を制御さ
せる為、疎水化等の処理を行うことが知られている。
【0007】二成分現像剤は、これらトナ−、キャリ
ア、外添剤の個々の特性、及び組合せにより成り立って
いる。
【0008】二成分現像剤による画像形成方法におい
て、十分な画像濃度を確保する、すなわち現像領域に十
分な現像剤を供給するために現像スリーブ周速を感光体
周速より速く設定する方法が一般的に用いられている。
しかしながら、現像スリーブと感光体間の相対速度差に
起因する現像ディフェクト、例えば、ソリッド画像後端
抜けや、ハーフトーンおよびソリッド画像が混在する場
合、ソリッド画像先端とハーフトーン境界部でのハーフ
トーン画像後端抜け等発生することが知られている。こ
れらの画像抜けは、現像プロセスにおいて現像ニップ領
域でのトナーの移動に起因する現像剤層電位変化量が潜
像構造に依存するために生じる。さらに速度差を設けて
現像する場合、実際に現像が行われる領域においては現
像すべき潜像の直前の電界履歴をうけた現像剤により現
像が行われる。このため潜像構造の不連続点、例えば、
ソリッド画像と非画像部の境界やハーフトーンとソリッ
ド画像境界部においてこれらディフェクトが顕著になる
ものと考えられる。
【0009】これらの改善のために、例えば特開平5−
61271、特公平7−31422、特公平7−120
086等にキャリアの体積固有抵抗を低く押さえること
が提案されている。キャリア抵抗を下げる方法として
は、特開昭56−75659等に、磁性粉末の表面を、
導電性成分を添加した樹脂で被覆する方法が提案されて
いる。
【0010】また十分な画像濃度を確保するためには、
現像スリ−ブ−感光体間の距離を縮めることが試されて
いる。しかし従来の現像剤は現像時にキャリア現像が生
じる問題がある。また近年使用されている正帯電有機感
光体は残留電位が、比較的大きくなる傾向に有り、バイ
アス電位をなるべく大きく取る必要がある。
【0011】しかしながら、従来の現像剤ではバイアス
電位が大きい場合、キャリア現像を頻繁に起こし、現像
スリ−ブ−感光体間の短縮と共にキャリア現像を頻繁に
誘発することが明らかになり、表面電位とバイアス電圧
を大きく取る方法は採用されなくなった。この電位差が
十分に大きくないと、従来の現像剤では画像濃度の低下
を生じ十分な画像濃度を確保できない。そこで特開平3
−125160では、キャリアの粒度分布及びキャリア
の飽和磁化の規定を行って改良を図っているが、高画質
化を狙いキャリアの小粒径化が検討されている現状を考
えると、その効果は十分とはいえなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を
考慮してなされたものであり、本発明の目的は現像スリ
−ブと感光体間との距離が800μm未満で且つ現像電
位差が400V以下のような条件でトナー現像される現
像方法に適用しても、キャリア現像を生じさせることな
く、良好な画像が得られる静電潜像現像剤用キャリア及
びそれを用いた二成分現像剤を提供することにある。本
発明のさらなる目的は、前記二成分現像剤を用いた、良
好な画質の画像を形成しうる画像形成方法を提供するこ
とにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、従来の技
術における上述のような欠点を改善すべく、二成分現像
剤を、鋭意研究し、検討した結果、キャリア粒度分布、
平均粒径、及びキャリア磁力とキャリア現像の関係を理
解し、これらを規定することにより、画像欠陥の無い理
想的な二成分現像剤を実現しうる静電潜像現像剤用キャ
リアを見いだし、本発明を完成した。
【0014】即ち、本発明の静電潜像現像剤用トナー
は、(1)静電潜像現像剤に用いられるキャリアであっ
て、キャリアの体積平均粒径の50%径(D50)が3
0〜80μmの範囲にあり、体積平均粒径の10%径
(D10)と体積平均粒径の50%径の比率(D50/
D10)が1.8以下であり、体積平均粒径の90%径
(D90)と体積平均粒径の50%径の比率(D90/
D50)が1.8以下であり、 体積粒径で20μm以
下のキャリアが3%未満であり、且つ、該キャリアの1
kOeにおける磁化が52〜65emu/gの範囲にあ
る、ことを特徴とす。
【0015】ここで、(2)前記キャリアが現像スリ−
ブと感光体との距離が800μm未満で且つ現像電位差
が400V以下の条件で用いられることを特徴とする。
【0016】また、本発明の静電潜像現像剤用キャリア
は、(3)樹脂被覆層を有してなり、(4)そのキャリ
ア樹脂被覆層中に樹脂微粒子を分散含有せしめたことを
特徴としており、(5)前記樹脂微粒子が窒素原子を含
有する樹脂からなるか、(6)前記樹脂微粒子が架橋樹
脂微粒子であることを特徴とする。さらに、(7)前記
キャリア樹脂被覆層中に導電性微粉末を分散含有せしめ
たことを特徴とし、(8)この導電性微粉末がカ−ボン
ブラックであることを特徴とする。ここで、(9)前記
キャリア被覆樹脂層が芯材に対し1.0重量%〜10.
0重量%被覆されていることが好ましい。
【0017】また、(10)本発明のキャリアとトナー
とからなる二成分現像剤は、該キャリアが、その体積平
均粒径の50%径(D50)が30〜80μmの範囲に
あり、体積平均粒径の10%径(D10)と体積平均粒
径の50%径の比率(D50/D10)が1.8以下で
あり、体積平均粒径の90%径(D90)と体積平均粒
径の50%径の比率(D90/D50)が1.8以下で
あり、体積粒径で20μm以下のキャリアが3%未満で
あり、且つ、該キャリアの1kOeにおける磁化が52
〜65emu/gの範囲にあることを特徴とする。
【0018】ここで、(11)前記トナーは、シリコ−
ンオイルで表面処理された疎水性シリカ及び表面処理さ
れた二酸化チタンをそれぞれ含有し、(12)前記トナ
−の結着樹脂としてTHF不溶分5〜30%を含むポリ
エステルを含有することを特徴とする。
【0019】(13)本発明の画像形成方法は、潜像保
持体上に潜像を形成する工程と、該潜像保持体上に現像
剤担持体上の現像剤を用いてトナー像を形成する工程と
を有する画像形成方法において、該潜像保持体と該現像
剤担持体との距離が800μm未満で且つ現像電位差が
400V以下であり、該現像剤が、体積平均粒径の50
%径(D50)が30〜80μmの範囲にあり、体積平
均粒径の10%径(D10)と体積平均粒径の50%径
の比率(D50/D10)が1.8以下であり、体積平
均粒径の90%径(D90)と体積平均粒径の50%径
の比率(D90/D50)が1.8以下であり、体積粒
径で20μm以下のキャリアが3%未満であり、且つ、
該キャリアの1kOeにおける磁化が52〜65emu
/gの範囲にあるキャリアを含有することを特徴とす
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に本発明ついて詳細に説明す
る。本発明においては、キャリアの体積平均粒径の50
%径(D50)が30〜80μmの範囲にあり、体積平
均粒径の10%径(D10)と体積平均粒径の50%径
の比率(D50/D10)が1.8以下であり、体積平
均粒径の90%径(D90)と体積平均粒径の50%径
の比率(D90/D50)が1.8以下であることを必
須とするが、ここでキャリア粒度分布(D50/D10
及びD90/D50)を規定するのは、キャリア分布を
シャ−プにすることを示す。キャリアの粒度分布をシャ
−プにすることで現像剤の搬送性及び流動性を向上さ
せ、現像ブラシの電界強度を高めながらトナ−を現像ニ
ップに搬送する為、良好な画像濃度を保つことができ
る。D50/D10の比率は1.8以下が好ましく、よ
り好ましくは1.5以下である。D50/D10の比率
が1.8を超えると、結果として微細な粒子の割合が高
くなりキャリア現像が悪化する虞がある。また、D90
/D50の比率は1.8以下が好ましく、より好ましく
は1.5以下である。D90/D50が1.8を超える
場合、画像の乱れが生じたり、画質が固くなったりす
る。
【0021】体積粒径で20μm以下のキャリアを2%
未満に保つことは、キャリア現像を抑制する観点から重
要であり、より好ましくは1%未満に押さえることであ
り、さらにキャリア現像を抑制することが可能となる。
【0022】本発明に使用したキャリア体積粒度分布の
測定は、レ−ザ−回折式パ−ティクルアナライザ−測定
器(MALVERIO社製2600シリーズ)を用いて
行った。
【0023】前記の如き好ましい粒度分布を有するキャ
リアは、原料となるキャリア芯材の粒度分布を調整する
ことにより容易に得ることができる。即ち、キャリア芯
材となる磁性体粒子等を公知の粒度調整法、例えば、風
力分級、メッシュ濾過法、沈降法などによって、所望さ
れない微細な又は過大な粒径のものと、所望の範囲の粒
径のものとに分離し、好適な粒径のもののみを用いてキ
ャリアを調整すればよい。
【0024】また、本発明のキャリアは実効磁化が52
〜65emu/gの範囲であることを要する。ここでい
う実効磁化とは1kOeの磁場において測定した磁化率
を示す。キャリアの実効磁化は大きいほど磁気ブラシ穂
立ち状態が堅くなることが知られており、磁化が65e
mu/gを超えると磁気ブラシ穂立ち状態が堅くなり、
磁気ブラシが現像像を乱しブラシマ−クが発生する。一
方52emu/g未満であると磁気ブラシ中のキャリア
の保持力が低下し、キャリア現像等の二次障害が発生す
る。本発明におけるキャリア磁力は、振動試料型磁力計
(VSM−P10、東英工業(株)社製)で測定したも
のである。
【0025】発明の静電潜像現像剤用キャリアを構成す
る金属粉体、又はキャリア芯材としては、鉄、鋼、ニッ
ケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイ
ト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、磁
気ブラシ法を用いる観点からは、磁性キャリアであるの
が望ましい。キャリア芯材の平均粒径としては、一般的
には30μm〜80μmのものが用いられ、好ましくは
30μm〜60μmのものが用いられる。
【0026】本発明のキャリアは樹脂被覆層を有するこ
とが好ましい。ここで用いられる被膜層のマトリックス
樹脂は、キャリアの被覆層として当業界で利用され得る
任意の樹脂から、選択されてよい。その樹脂は、単独で
も二種以上でもよい。
【0027】具体的には、ポリオレフィン系樹脂、例え
ばポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニル及びポリ
ビニリデン系樹脂、例えばポリスチレン、アクリル樹
脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポ
リビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化
ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル
及びポリビニルケトン;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサ
ン結合からなるストレートシリコン樹脂又はその変性
品;フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン、
ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロ
トリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリウレタン;
ポリカーボネート;フェノール樹脂;アミノ樹脂、例え
ば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾ
グアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂;エポキ
シ樹脂等が挙げられる。
【0028】また本発明の静電潜像現像剤用キャリア
は、キャリア樹脂被覆層内に目的に応じて樹脂微粒子及
び導電性微粉末などを含有することができる。例えば、
樹脂被覆層内に含窒素樹脂微粒子及び導電性微粉末(カ
−ボンブラック)を内包することによりカブリ防止、写
真像の鮮明さや中間調再現性、良好な画質の電子写真画
像の長期維持性などを改良することができる。
【0029】また、キャリアの維持性、帯電付与性、耐
汚染性、環境安定性等を考慮した場合、被覆樹脂量は1
〜10重量%程度であることが望ましい。被覆樹脂量は
1%未満になると、芯材の露出による、環境安定性の低
下、芯材へのトナ−付着による帯電量の低下等が生じ
る。またキャリアの帯電容量は被覆樹脂量と相関がある
ため、被覆樹脂量を多くすることで、帯電の持性も良化
する。被覆樹脂量を多くすると、キャリア体積固有抵抗
が増加してしまう。これを防止し、目的抵抗に調整する
方法としては、前記キャリア樹脂被覆層内に導電性微粉
末を分散、含有させることが適している。
【0030】導電性微粉末としては、金、銀、銅のよう
な金属や;カーボンブラック;更に酸化チタン、酸化亜
鉛のような半導電性酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、硫
酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉
末等の表面を酸化スズやカーボンブラック、金属で覆っ
たもの等が挙げられる。製造安定性、コスト、導電性の
良さからカーボンブラックが好ましい。カーボンブラッ
ク種類としては特に制限されるものではなく公知のもの
が使用でき、特に好ましくは製造安定性のよいDBP
(ジブチルフタレート)吸油量が50〜300ml/1
00gの範囲のカーボンブラックが好ましい。なお、平
均粒径は、0.1μm以下が好ましく、より好ましくは
一次粒子径が50nm以下が好ましい。
【0031】さらに様々な機能を付与させたい時は、そ
れに応じた樹脂微粒子を用いることができる。例えばト
ナーに負の帯電付与性、帯電維持性を与えたい時は帯電
制御剤として、含窒素樹脂微粒子を用いることにより、
大幅に帯電特性を向上させることができる。また、樹脂
微粒子によりキャリアの機械的な強度を向上させるため
には、比較的硬度を上げやすい熱硬化性樹脂粒子を用い
ることが好ましい。この熱硬化性樹脂粒子は、溶剤中で
既に微粒子状となっている為、コ−ティング時に分散さ
せやすく、キャリア樹脂被覆層中で、凝集せず、一次粒
子の形態を保つことができる。このように、樹脂被覆層
に含有させる樹脂微粒子は、所望する機能に応じて、各
種の樹脂から適宜選択すればよい。
【0032】樹脂微粒子に用いることのできる、熱可塑
性樹脂の例としては、具体的には、ポリオレフィン系樹
脂、例えばポリエチレン、ポリプロピレン;ポリビニル
及びポリビニリデン系樹脂、例えばポリスチレン、アク
リル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテー
ト、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポ
リ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエ
ーテル及びポリビニルケトン;塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシ
ロキサン結合からなるストレートシリコン樹脂又はその
変性品;フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリク
ロロトリフルオロエチレン;ポリエステル;ポリカーボ
ネート等が挙げられる。
【0033】樹脂微粒子に用いることのできる、熱硬化
性樹脂の例としては、フェノール樹脂;アミノ樹脂、例
えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベン
ゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂;エポ
キシ樹脂、等が挙げられる。
【0034】樹脂微粒子の平均粒径は、0.05〜2μ
mであることが好ましい。より好ましくは0.1〜1μ
mである。0.1μmより小さいと被膜層での分散が悪
く、2μmより大きいと被膜層からの脱落が生じ易く、
本来の機能を維持できなくなる。
【0035】上記樹脂被覆層を、キャリア芯材の表面に
形成する方法としては、代表的には、溶剤中に、マトリ
ックス溶液、樹脂微粒子、導電性微粉末を含んでなる樹
脂被覆層形成用原料溶液を利用する方法が挙げられる。
具体的には、例えば、キャリア芯材の粉末を、被膜層形
成用溶液中に浸漬する浸漬法、被膜層形成用溶液をキャ
リア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を
流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層形成用溶液を
噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材
と被膜層形成用溶液を混合し、溶剤を除去するニーダー
コーター法が挙げられる。
【0036】被膜層形成用原料溶液に使用する溶剤は、
該マトリックス樹脂を溶解するものであれば特に限定さ
れるものではなく、例えば、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン等のケ
トン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテ
ル類が使用できる。
【0037】次に、本発明の二成分現像剤について説明
する。本発明の二成分現像剤は前記本発明の静電潜像現
像用キャリアとトナーとを必須として、所望の添加剤を
加えてなるものであり、ここで用いられるトナ−は着色
剤と結着樹脂とからなる公知のトナーを適宜選択して用
いることができる。
【0038】例えば、前記した本発明のキャリア及び外
添剤と組み合せた時、トナー中に含まれるカ−ボンブラ
ック量をトナ−全重量に対し2重量%から10重量%の
範囲にすることで、カブリの少ない、高画質の画像を得
ることができる。10%より多くのカ−ボンブラックを
含有させると、トナ−の抵抗が低下し電荷注入によりカ
ブリを生じる。2%未満のカ−ボンブラック量では、ソ
リッド濃度の低下、トナ−消費量の増大、高抵抗化によ
るトナ−追加時の応答性の悪化を生じる。またトナ−の
抵抗はtanδによっても示すことができる。tanδ
の値が3から15好ましくは3〜12さらに好ましくは
4〜8の範囲内であれば、カブリの少ない、高画質の画
像を得ることができる。
【0039】トナ−に用いる結着樹脂としては、スチレ
ン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピ
レン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酢酸ビ
ニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、ア
クリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メ
タクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボ
ン酸エステル、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル、ビ
ニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソ
プロペニルケトン等のビニルケトン等の単独重合体ある
いは共重合体を例示することができ、特に代表的な結着
樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ア
ルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重
合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重
合体、ポリエチレン、ポリプロピレンを例示することが
できる。更に、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ
樹脂、シリコン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフ
ィン、ワックス類を挙げることができる。
【0040】なかでも、ポリエステルを結着樹脂とする
ことが、トナー定着温度範囲の拡大の観点から好まし
く、例えば、ビスフェノールAと多価芳香族カルボン酸
とを主単量体成分とした重縮合物よりなるポリエステル
樹脂で、THF(テトラヒドロフラン)不溶成分が5〜
30%含む樹脂が特に好ましい。
【0041】結着樹脂の物性の観点からは、ガラス転移
点50〜70°C、数平均分子量2000〜6000、
重量平均分子量8000〜150000、酸価5〜3
0、水酸基価5〜40を示す樹脂が特に好ましく使用で
きる。
【0042】該トナー粒子には、所望により公知の帯電
制御剤、定着助剤等の添加剤を含有させてもよい。
【0043】また該トナ−粒子には、流動性、凝集性及
び環境安定性を向上させる為にシリコ−ンオイルで表面
処理されたシリカを添加するのが好ましい。シリコ−ン
オイルとしては、ジメチルシリコ−ンオイル、メチルフ
ェニルシリコ−ンオイルやエチル基、プロピル基等で置
換されたアルキル変性シリコ−ンオイル等を代表的なも
として挙げられることができる。
【0044】トナーに対する添加量は、好ましくは0.
05重量部〜2重量部、より好ましくは0.1重量部〜
1.0重量部、更に好ましくは0.2重量部〜0.8重
量部である。0.05重量部未満では帯電量の底上げ、
流動性の効果が少なく、2.0重量部以上を超えると帯
電量の上昇等により低濃度、等の不具合が発生する。ま
た、添加されるシリカのうち少なくとも1種以上がシリ
コーンオイルで処理されたものであればよい。
【0045】また該トナ−粒子には酸化チタンをトナー
粒子に外添することが好ましい。高温高湿下において、
現像に必要なトナーの帯電量を維持しつつ、トナー粒子
表面の電荷の均一性、トナー粒子間の電荷交換性を速め
て、帯電の速度を改善し、電荷の分布をシャープにする
ことができる。結果的に、トナー組成物の帯電量の環境
依存性を大幅に改善することが可能である。
【0046】該表面処理酸化チタンは、湿式法により製
造され、かつ水可溶性成分量が0.2重量%未満の表面
処理したものが使用される。表面処理としては、シラン
カップリング剤、チタネ−トカップリング剤、アルミニ
ウムカップリング剤等の各種カップリング剤やシリコ−
ンオイルを使用することができる。二酸化チタンの帯電
低下を防止し、その維持性及び疎水性を良好にし、電荷
交換性が良好でカブリの少ない高画質を得られる事か
ら、シランカップリング剤を使用することが好ましい。
【0047】該表面処理酸化チタンのトナーに対する添
加量は、好ましくは0.05重量部〜2重量部、より好
ましくは0.5重量部〜1.5重量部、更に好ましくは
0.7重量部〜1.1重量部である。0.05重量部%
未満では電荷交換性向上の効果が少なく、2重量部より
多いとキャリアのインパクションによる画質の劣化が発
生する。
【0048】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものでは
ない。 (実施例1)キャリアA フェライト粒子 (平均粒径D50:40μm、D10:25μm、D90:60μm D50/D10=1.60、D90/D50=1.50 キャリアの1kOeにおける飽和磁化62emu/g) 100重量部 トルエン 14重量部 パーフルオロアクリレート共重合体 [パーフルオロオクチルエチルメタクリレート/メチルメタクリレート ランダム共重合体(共重合比:15/85、Mw=5000) 臨界表面張力24dyn/cm、ガラス転移点70℃] 2.34重量部 カーボンブラック (平均粒径30nm,DBP値174ml/100g、 抵抗100Ωcm以下、商品名VXC−72;キャボット社製) 0.36重量部 架橋メラミン樹脂粒子 (平均粒径;0.3μm、トルエン不溶) 0.3重量部 前記構成成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10
分間スターラーで分散し、被膜層形成液を調合した。更
に、この樹脂被膜層形成液とフェライト粒子を真空脱気
型ニーダーにいれ、温度90°Cにおいて30分撹拌し
た後、減圧してトルエンを留去し、常圧に戻し、200
°Cの熱媒をジャケットに循環しながら、40分間撹拌
混合した後、20°Cの冷媒をジャケットに循環しなが
ら、40分間撹拌混合し、75μmの篩で篩分を行って
キャリアを得た。(但し、キャリア樹脂であるパーフル
オロアクリレート共重合体にカーボンブラックをトルエ
ンに希釈してサンドミルで分散しておいた。)樹脂被覆
層の平均厚みは、0,6μmであった。
【0049】得られた樹脂被覆層を有するキャリアの粒
径は、D50:41μm、D10:28μm(D50/
D10=1.46)、D90:60μm(D90/D5
0=1.46),体積粒径で20μm以下のキャリアが
0.2%、キャリアの1kOeにおける磁化が62em
u/gであった。
【0050】(実施例2)キャリアB フェライト粒子 (平均粒径D50:50μm、D10:40μm、D90:61μm D50/D10=1.25、D90/D50=1.22 キャリアの1kOeにおける飽和磁化63emu/g) 100重量部 トルエン 14重量部 パーフルオロアクリレート共重合体 [パーフルオロオクチルエチルメタクリレート/メチルメタクリレート ランダム共重合体(共重合比:15/85、Mw=5000) 臨界表面張力24dyn/cm、ガラス転移点70℃] 1.58重量部 カーボンブラック (平均粒径30nm,DBP値174ml/100g、 抵抗100Ωcm以下、商品名VXC−72;キャボット社製) 0.12重量部 架橋メラミン樹脂粒子 (平均粒径;0.3μm、トルエン不溶) 0.3重量部 前記構成成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10
分間スターラーで分散し、被膜層形成液を調合した。更
に、この樹脂被膜層形成液とフェライト粒子を真空脱気
型ニーダーにいれ、温度90°Cにおいて30分撹拌し
た後、減圧してトルエンを留去し、常圧に戻し、200
°Cの熱媒をジャケットに循環しながら、40分間撹拌
混合した後、20°Cの冷媒をジャケットに循環しなが
ら、40分間撹拌混合し、75μmの篩で篩分を行って
キャリアを得た。(但し、キャリア樹脂であるパーフル
オロアクリレート共重合体にカーボンブラックをトルエ
ンに希釈してサンドミルで分散しておいた。)樹脂被覆
層の平均厚みは、0,6μmであった。
【0051】得られた樹脂被覆層を有するキャリアの粒
径は、D50:53μm、D10:42μm(D50/
D10=1.26)、D90:63μm(D90/D5
0=1.19)、体積粒径で20μm以下のキャリアが
0.0%、キャリアの1kOeにおける磁化が62em
u/gであった。
【0052】(比較例1)キャリアC(広い粒度分布でかつ微粉の多いキャリア) フェライト粒子 (平均粒径D50:40μm、D10:20μm、D90:84μm D50/D10=2.0 、D90/D50=2.1 キャリアの1kOeにおける飽和磁化63emu/g) 100重量部 トルエン 14重量部 パーフルオロアクリレート共重合体 [パーフルオロオクチルエチルメタクリレート/メチルメタクリレート ランダム共重合体(共重合比:15/85、Mw=5000) 臨界表面張力24dyn/cm、ガラス転移点70℃] 1.58重量部 カーボンブラック (平均粒径30nm,DBP値174ml/100g、 抵抗100Ωcm以下、商品名VXC−72;キャボット社製) 0.12重量部 架橋メラミン樹脂粒子 (平均粒径;0.3μm、トルエン不溶) 0.3重量部 前記構成成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10
分間スターラーで分散し、被膜層形成液を調合した。更
に、この樹脂被膜層形成液とフェライト粒子を真空脱気
型ニーダーにいれ、温度90°Cにおいて30分撹拌し
た後、減圧してトルエンを留去し、常圧に戻し、200
°Cの熱媒をジャケットに循環しながら、40分間撹拌
混合した後、20°Cの冷媒をジャケットに循環しなが
ら、40分間撹拌混合し、75μmの篩で篩分を行って
キャリアを得た。(但し、キャリア樹脂であるパーフル
オロアクリレート共重合体にカーボンブラックをトルエ
ンに希釈してサンドミルで分散しておいた。)樹脂被覆
層の平均厚みは、0,6μmであった。
【0053】得られた樹脂被覆層を有するキャリアの粒
径は、D50:45μm、D10:23μm(D50/
D10=1.96)、D90:85μm(D90/D5
0=1.89)、体積粒径で20μm以下のキャリアが
8.0%、キャリアの1kOeにおける磁化が62em
u/gであった。
【0054】(比較例2)キャリアD(低磁力キャリア) フェライト粒子 (平均粒径D50:40μm、D10:28μm、D90:63μm D50/D10=1.42、D90/D50=1.58 キャリアの1kOeにおける飽和磁化55emu/g) 100重量部 トルエン 14重量部 パーフルオロアクリレート共重合体 [パーフルオロオクチルエチルメタクリレート/メチルメタクリレート ランダム共重合体(共重合比:15/85、Mw=5000) 臨界表面張力24dyn/cm、ガラス転移点70℃] 1.58重量部 カーボンブラック (平均粒径30nm,DBP値174ml/100g、 抵抗100Ωcm以下、商品名VXC−72;キャボット社製) 0.12重量部 架橋メラミン樹脂粒子 (平均粒径;0.3μm、トルエン不溶) 0.3重量部 前記構成成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10
分間スターラーで分散し、被膜層形成液を調合した。更
に、この樹脂被膜層形成液とフェライト粒子を真空脱気
型ニーダーにいれ、温度90°Cにおいて30分撹拌し
た後、減圧してトルエンを留去し、常圧に戻し、200
°Cの熱媒をジャケットに循環しながら、40分間撹拌
混合した後、20°Cの冷媒をジャケットに循環しなが
ら、40分間撹拌混合し、75μmの篩で篩分を行って
キャリアを得た。(但し、キャリア樹脂であるパーフル
オロアクリレート共重合体にカーボンブラックをトルエ
ンに希釈してサンドミルで分散しておいた。)樹脂被覆
層の平均厚みは、0,6μmであった。
【0055】得られた樹脂被覆層を有するキャリアの粒
径は、D50:45μm、D10:30μm(D50/
D10=1.50)、D90:65μm(D90/D5
0=1.44)、体積粒径で20μm以下のキャリアが
0.1%、キャリアの1kOeにおける磁化が50em
u/gであった。
【0056】(比較例3)キャリアE(高磁力キャリア) フェライト粒子 (平均粒径D50:50μm、D10:42μm、D90:65μm D50/D10=1.19、D90/D50=1.30 キャリアの1kOeにおける飽和磁化70emu/g) 100重量部 トルエン 14重量部 パーフルオロアクリレート共重合体 [パーフルオロオクチルエチルメタクリレート/メチルメタクリレート ランダム共重合体(共重合比:15/85、Mw=5000) 臨界表面張力24dyn/cm、ガラス転移点70℃] 1.58重量部 カーボンブラック (平均粒径30nm,DBP値174ml/100g、 抵抗100Ωcm以下、商品名VXC−72;キャボット社製) 0.12重量部 架橋メラミン樹脂粒子 (平均粒径;0.3μm、トルエン不溶) 0.3重量部 前記構成成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10
分間スターラーで分散し、被膜層形成液を調合した。更
に、この樹脂被膜層形成液とフェライト粒子を真空脱気
型ニーダーにいれ、温度90°Cにおいて30分撹拌し
た後、減圧してトルエンを留去し、常圧に戻し、200
°Cの熱媒をジャケットに循環しながら、40分間撹拌
混合した後、20°Cの冷媒をジャケットに循環しなが
ら、40分間撹拌混合75μmの篩で篩分を行ってキャ
リアを得た。(但し、キャリア樹脂であるパーフルオロ
アクリレート共重合体にカーボンブラックをトルエンに
希釈してサンドミルで分散しておいた。)樹脂被覆層の
平均厚みは、0,6μmであった。
【0057】得られた樹脂被覆層を有するキャリアの粒
径は、D50:55μm、D10:43μm(D50/
D10=1.28)、D90:67μm(D90/D5
0=1.22)、体積粒径で20μm以下のキャリアが
0.0%、キャリアの1kOeにおける磁化が68em
u/gであった。
【0058】(比較例4)キャリアF(粒径の大きいキャリア) フェライト粒子 (平均粒径D50:100μm、D10:68μm、D90:158μm D50/D10=1.47、D90/D50=1.58 キャリアの1kOeにおける飽和磁化65emu/g) 100重量部 トルエン 14重量部 パーフルオロアクリレート共重合体 [パーフルオロオクチルエチルメタクリレート/メチルメタクリレート ランダム共重合体(共重合比:15/85、Mw=5000) 臨界表面張力24dyn/cm、ガラス転移点70℃] 1.08重量部 カーボンブラック (平均粒径30nm,DBP値174ml/100g、 抵抗100Ωcm以下、商品名VXC−72;キャボット社製) 0.08重量部 架橋メラミン樹脂粒子 (平均粒径;0.3μm、トルエン不溶) 0.2重量部 前記構成成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10
分間スターラーで分散し、被膜層形成液を調合した。更
に、この樹脂被膜層形成液とフェライト粒子を真空脱気
型ニーダーにいれ、温度90°Cにおいて30分撹拌し
た後、減圧してトルエンを留去し、常圧に戻し、200
°Cの熱媒をジャケットに循環しながら、40分間撹拌
混合した後、20°Cの冷媒をジャケットに循環しなが
ら、40分間撹拌混合75μmの篩で篩分を行ってキャ
リアを得た。(但し、キャリア樹脂であるパーフルオロ
アクリレート共重合体にカーボンブラックをトルエンに
希釈してサンドミルで分散しておいた。)樹脂被覆層の
平均厚みは、0,6μmであった。
【0059】得られた樹脂被覆層を有するキャリアの粒
径は、D50:102μm、D10:70μm(D50
/D10=1.48)、D90:160μm(D90/
D50=1.1.57)、体積粒径で20μm以下のキ
ャリアが0.0%、キャリアの1kOeにおける磁化が
64emu/gであった。
【0060】 [トナ−の調整]トナ−A ポリエステル樹脂 (ビスフェノールA−エチレンオキサイド2付加物 ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2付加物、 テレフタル酸、トリメリット酸より合成、 Mw=14000、 Tg=62°C、THF不溶分25%) 87重量部 カーボンブラック(キャボット社製 BPL) 7重量部 ポリプロピレンワックス(三洋化成社製 ビスコール660P)6重量部 上記の原料を上記の組成で予備混合し、2軸押し出し機
で水を3%添加し、混練物の温度を110°Cに保ちな
がら溶融混練した後、圧延冷却し、ハンマーミル等で予
備粉砕した。その後、ジェットミルで微粉砕し、風力分
級機で微粉、粗粉をカットし、体積平均粒子径9.3μ
mであるトナー粒子を作製した。粒度測定はコールター
カウンターTA−II型(アパーチャー径100μm)で
行った。
【0061】このトナー粒子100部に対してシリコー
ンオイル処理したシリカを0.2部、また表面処理酸化
チタン添加剤aを1.2部添加し、ヘンシェルミキサー
で混合し、表面にシリカ微粒子と酸化チタン微粒子とを
付着したトナーを得た。
【0062】このトナー6部と上記実施例にて製造した
キャリアAを94部を混合し、現像剤1を得た。
【0063】[現像剤の調整]上記実施例1〜2および
比較例1〜4のキャリアそれぞれ94重量部を、トナー
Aを6重量部と混合して6種類の現像剤を調整した。
【0064】[画像形成及びその評価]これらの現像剤
を使用して、電子写真複写機(商品名:A−Color
630、富士ゼロックス(株)製)によって中温中湿
(22°C、55%RH)の環境下で初期及び10,0
00枚後のコピーテストを行った。結果を表1に示す。
【0065】
【表1】 上記表1からも明らかなように、実施例1及び2で得ら
れた本発明のキャリアとトナーAとからなる現像剤を利
用して形成された画像は、総じて安定した画像濃度を保
ち、キャリア現像またはブラシマ−ク等の障害がなく、
安定した画像が得られた。またこれらの現像剤は初期画
質から、10,000枚後の画像の変化がなく、経時に
よる画質安定性も確認された。
【0066】一方、比較例1〜4のキャリアとトナーA
とからなる現像剤は初期画質からムラが観察され、形成
された画像も低濃度で且つ、ブラシマークの障害を生じ
ていることがわかった。
【0067】以上説明したように、本発明の静電潜像現
像剤は、二成分現像剤用キャリアの粒度分布、平均粒径
及び磁力を規定することでキャリア現像、ブラシマ−ク
等の障害を抑制し、安定した画像濃度の良好な画像がえ
られた。また本発明の静電潜像現像剤用キャリアは、キ
ャリア樹脂被覆層内に含窒素樹脂微粒子及び導電性微粉
末(カ−ボンブラック)を内包することによりカブリが
なく、写真像も鮮明な中間調再現性に優れる、良好な画
質の電子写真画像を長期に維持できる。
【0068】
【発明の効果】本発明の静電潜像現像剤キャリア及びそ
れを含有した二成分現像剤は現像スリ−ブと感光体間と
の距離が800μm未満で且つ現像電位差が400V以
下のような条件でトナー現像される現像方法に適用して
も、キャリア現像を生じさせることなく、良好な画像が
得られるという効果を奏する。さらに、この二成分現像
剤用いた本発明の画像形成方法によれば、良好で画質維
持性の高い画像を形成しうる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03G 9/10 351 361 (72)発明者 石田 晴英 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像現像剤に用いられるキャリアで
    あって、 該キャリアの体積平均粒径の50%径(D50)が30
    〜80μmの範囲にあり、 体積平均粒径の10%径(D10)と体積平均粒径の5
    0%径の比率(D50/D10)が1.8以下であり、 体積平均粒径の90%径(D90)と体積平均粒径の5
    0%径の比率(D90/D50)が1.8以下であり、 体積粒径で20μm以下のキャリアが3%未満であり、 且つ、該キャリアの1kOeにおける磁化が52〜65
    emu/gの範囲にある、 ことを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
  2. 【請求項2】 前記キャリアが現像スリ−ブと感光体と
    の距離が800μm未満で且つ現像電位差が400V以
    下の条件で用いられることを特徴とする請求項1に記載
    の静電潜像現像剤用キャリア。
  3. 【請求項3】 前記キャリアが樹脂被覆層を有してなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像剤用キ
    ャリア。
  4. 【請求項4】 前記キャリア樹脂被覆層中に樹脂微粒子
    を分散含有せしめたことを特徴とする請求項3に記載の
    静電潜像現像剤用キャリア。
  5. 【請求項5】 前記樹脂微粒子が窒素原子を含有する樹
    脂からなることを特徴とする請求項4に記載の静電潜像
    現像剤用キャリア。
  6. 【請求項6】 前記樹脂微粒子が架橋樹脂微粒子である
    ことを特徴とする請求項4に記載の静電潜像現像剤用キ
    ャリア。
  7. 【請求項7】 前記キャリア樹脂被覆層中に導電性微粉
    末を分散含有せしめたことを特徴とする請求項3に記載
    の静電潜像現像剤用キャリア。
  8. 【請求項8】 前記導電性微粉末がカ−ボンブラックで
    あることを特徴とする請求項7に記載の静電潜像現像剤
    用キャリア。
  9. 【請求項9】 前記キャリア被覆樹脂層が芯材に対し
    1.0重量%〜10.0重量%被覆されていることを特
    徴とする請求項3に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
  10. 【請求項10】 キャリアとトナーとからなる二成分現
    像剤において、 該キャリアが、その体積平均粒径の50%径(D50)
    が30〜80μmの範囲にあり、体積平均粒径の10%
    径(D10)と体積平均粒径の50%径の比率(D50
    /D10)が1.8以下であり、体積平均粒径の90%
    径(D90)と体積平均粒径の50%径の比率(D90
    /D50)が1.8以下であり、体積粒径で20μm以
    下のキャリアが3%未満であり、且つ、該キャリアの1
    kOeにおける磁化が52〜65emu/gの範囲にあ
    ることを特徴とする二成分現像剤。
  11. 【請求項11】 前記トナーが、シリコ−ンオイルで表
    面処理された疎水性シリカ及び表面処理された二酸化チ
    タンをそれぞれ含有することを特徴とする請求項10に
    記載の二成分現像剤。
  12. 【請求項12】 前記トナ−の結着樹脂としてテトラヒ
    ドロフラン(THF)不溶分5〜30%を含むポリエス
    テルを含有することを特徴とする請求項10に記載の二
    成分現像剤。
  13. 【請求項13】 潜像保持体上に潜像を形成する工程
    と、該潜像保持体上に現像剤担持体上の現像剤を用いて
    トナー像を形成する工程とを有する画像形成方法におい
    て、 該潜像保持体と該現像剤担持体との距離が800μm未
    満で且つ現像電位差が400V以下であり、 該現像剤が、体積平均粒径の50%径(D50)が30
    〜80μmの範囲にあり、体積平均粒径の10%径(D
    10)と体積平均粒径の50%径の比率(D50/D1
    0)が1.8以下であり、体積平均粒径の90%径(D
    90)と体積平均粒径の50%径の比率(D90/D5
    0)が1.8以下であり、体積粒径で20μm以下のキ
    ャリアが3%未満であり、且つ、該キャリアの1kOe
    における磁化が52〜65emu/gの範囲にあるキャ
    リアを含有することを特徴とする画像形成方法。
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