JPH06348062A - 負帯電性電子写真用トナー組成物 - Google Patents

負帯電性電子写真用トナー組成物

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JPH06348062A
JPH06348062A JP5134427A JP13442793A JPH06348062A JP H06348062 A JPH06348062 A JP H06348062A JP 5134427 A JP5134427 A JP 5134427A JP 13442793 A JP13442793 A JP 13442793A JP H06348062 A JPH06348062 A JP H06348062A
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acid derivative
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binder resin
parts
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JP5134427A
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English (en)
Inventor
Takatsuru Matsumoto
香鶴 松本
Nobuhiro Hirayama
信廣 平山
Shoji Kawasaki
尚二 川崎
Kenji Uchiyama
健治 内山
Katsuo Uramoto
勝男 浦本
Tamami Fukui
珠実 福居
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 重量平均分子量(Mw)が 2,000〜50,000、
且つガラス転移温度(Tg)が55〜75℃であるエチレン
系重合体(L)とMwが100,000 〜600,000 であり、エ
チレン系重合体(H)との混合樹脂を結着樹脂としたト
ナーに於て該結着樹脂100重量部にヒドロキシキノリン
カルボン酸誘導体および/またはヒドロキシキノリンカ
ルボン酸誘導体0.03〜5重量部を用いることを特徴とす
る電子写真用トナー組成物。 【効果】 本発明により、従来技術では解決できなかっ
た、低熱量で定着でき、常に安定した良質の画像を与え
る電子写真用トナー組成物が得られる。すなわち、本発
明の電子写真用トナー組成物は定着下限温度が低く、非
オフセット領域が広く、帯電・画像特性も極めて良好で
あり、さらに帯電安定性、耐オフセット性、耐久性に優
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真、静電記録、静
電印刷などにおける、静電荷像を現像するための電子写
真用トナー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機やプリンターに於ける電
子写真法は、光感光体上に静電気的潜像を形成し、つい
で潜像をトナーを用いて現像し、紙などの被定着シート
上にトナー画像を転写した後、熱ロールで加熱圧着する
方法(熱ロール定着方式)が行われている。この方法
は、加熱加圧下で定着を行うので迅速でしかも熱効率が
極めて良好であり、従って定着効率が非常に良い。しか
しながら、従来のトナーでこの定着方式を利用すると、
熱ロール表面とトナーが溶融状態で接触するため、トナ
ーが熱ロール表面に付着転移し、次の被定着シートにこ
れが再転移して汚す(オフセット現象)という現象が起
こり好ましくない。一方、複写機は、高速化の方向を指
向しており、必然的に定着ロールとの接触時間は短くな
り、短時間の加熱で溶融するトナーが要求されている。
また、省エネルギー、或いは安全性の面からも出来るか
ぎり低温で溶け、加えて溶融時の流動性の良いトナーが
求められている。
【0003】上記の課題を解決する為の従来技術とし
て、特開昭 61-267765号公報には、数平均分子量(M
n)と重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が
3.5以上のスチレン系樹脂に、ポリオレフィンワック
スとアルキレンビス脂肪酸アミドを併用添加することに
より、最低定着温度を下げ、しかも離型性の優れた静電
現像現像剤を得る技術が開示されている。しかしなが
ら、これらの技術はオフセット現象が問題となるような
従来の複写機での効果は大きいけれども、低熱量定着複
写機では、充分な低温定着性と耐オフセット性が得られ
ない。これはトナーの強度向上と耐オフセット性を達成
するために、重量平均分子量の大きい高分子量重合体を
用いたため、トナー用樹脂が高粘度となり、トナーの流
動性が低下し、低熱量複写機には不適当なものとなった
ものと推定される。
【0004】しかし、重量平均分子量の小さいものを用
いると流動性は改善されるものの耐オフセット性あるい
はトナーの強度が不足し、長期ランニングでトナーが割
れたり、かけたりすることにより画質を損なうなどの問
題を生じていた。また、トナーの電気的性質は非常に重
要な問題であり、例えば、トナーが現像剤混合物から離
れ、感光体上の静電潜像を現像する際の効率、紙などに
転写される効率、反復使用に十分に耐えられる寿命・帯
電安定性、環境、特に温度・湿度に対する安定性が重視
される。
【0005】一般に乾式現像剤は、鉄等の金属、ガラ
ス、その他の無機化合物粒子およびそれらを有機重合体
で被覆した粒子などをキャリアとし、それとトナーと呼
ばれる着色微粒子とから形成される。更に、場合によっ
てはこれらのキャリア、トナー以外に第三成分を添加し
て用いることもある。トナー粒子は通常天然または合成
樹脂を結着樹脂として、その中に着色剤、帯電調整剤、
その他の添加剤などを含んだものである。また、結着樹
脂は高絶縁性重合体が用いられ、特にスチレン系重合体
を包含する広義のエチレン系重合体は電気的性質以外の
特性、つまりトナーとしての製造性、保存安定性、定着
性などを充分満足し、更にトナー組成物として繰り返し
使用に耐える充分な力学的強度を有し、キャリア表面を
汚染しにくいため広く使用される。また、トナーには帯
電極性、帯電電荷量の調整のために染料・顔料、界面活
性剤を結着樹脂に混合、或いは結着樹脂自体に電子供与
性、電子吸引性の官能基を導入することが従来より行わ
れているが、これらのものも結着樹脂全体としては高絶
縁性を保持している。
【0006】このような高絶縁性結着樹脂から成るトナ
ーは、その高絶縁性により良好な摩擦帯電性を示すが、
その帯電量の絶対値が小さいために現像効率、転写効率
などが若干劣り、規定の画像濃度を得るために、より多
くのトナーを消費するという欠点がある。これは特に、
酸化鉄などの無機化合物表面を有するキャリアと組み合
わせた場合に顕著である。更にまた、キャリア、トナー
以外に脂肪酸金属塩、シリカ、その他離型剤として知ら
れている様な添加剤を第三成分として加えた現像剤系に
おいてより顕著である。この場合、トナーの消費量は通
常現像を反復するたびに増加する傾向を示し、最終的に
装置の汚れ、かぶりなどの劣悪画質を生じやすい。高速
複写機の場合、これは特に重大な欠点となる。
【0007】また、帯電特性については特公昭60-38699
号公報にトナー用結着樹脂の体積固有抵抗値を規定する
ことにより、トナーの現像・転写、また寿命について改
良した技術が開示されている。また特開平4-3076号公報
にはヒドロキシナフトエ酸およびヒドロキシキノリンカ
ルボン酸の誘導体を含有させたトナー用樹脂組成物を用
いることにより、充分な摩擦帯電量を有し、トナー粒子
間の摩擦帯電量を均一にさせることにより、かぶり画像
を与えないトナーを得る技術が開示されている。さらに
特開平4-16858 号公報にはサリチル酸ビニル系誘導体と
スチレン単量体から重合して得られる重量平均分子量が
2,000〜20,000のエチレン系重合体をトナー用樹脂とし
て用いることにより、充分な摩擦帯電量とトナー粒子間
の帯電量が均一であり、かぶり画像を与えないようなト
ナーを得る技術が開示されている。しかしながら、これ
らの技術は個々の開示されているトナー特性において
は、満足できるものの、さらにトナーとして必要とされ
る低温定着性、耐オフセット性、耐ブロッキング性など
の特性においてはバランスに劣ったものであり、更なる
改良が求められていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高速・低熱量
定着複写機に適し、定着・オフセット性のバランスが良
く、更には帯電の立ち上がりが速く且つその帯電量が充
分な電子写真トナー用樹脂組成物を得るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、トナー粒子の表面
に存在する帯電調整剤は主として摩擦帯電の立ち上がり
の向上に大きく貢献するのに対して、トナー粒子の内部
に存在する帯電調整剤は摩擦帯電の安定性に大きく貢献
するとの考えに基づき、本発明を完成したものである。
即ち、本発明は重量平均分子量(Mw)が 2,000〜50,0
00、酸価 0〜6KOHmg/gであり、且つガラス転移温度(T
g)が55〜75℃であるエチレン系重合体(L)とMwが
100,000 〜600,000 、酸価20〜85 KOHmg/gであるエチレ
ン系重合体(H)との混合樹脂を結着樹脂としたトナー
に於いて、該結着樹脂 100重量部にヒドロキシナフトエ
酸誘導体および/またはヒドロキシキノリンカルボン酸
誘導体0.03〜 5重量部を用いることを特徴とする負帯電
性電子写真用トナー組成物である。
【0010】本発明のトナー用の結着樹脂は、エチレン
系重合体(L)とエチレン系重合体(H)との混合樹脂
であるが、エチレン系重合体(L)は重量平均分子量
(Mw)が 2,000〜50,000、酸価0〜6KOHmg/g
であり、ガラス転移温度(Tg)が55〜75℃であること
が必要である。Mwが 2,000より小さいとトナー粉砕時
に多量の微粉が発生し、50,000よりも大きいと定着温度
が高くなり高速複写機には不向きなものとなる。また、
酸価は6KOHmg/gよりも大きい場合、帯電の立ち
上がり性は良いが、トナー表面からの放電量が大きくな
り帯電の絶対値および安定性といった点で好ましくな
い。更に、Tgは55℃より低いものを使用するとトナー
のブロッキング性に劣ったものとなり、75℃よりも高い
ものでは定着温度を引き上げてしまい望ましくない。
【0011】またエチレン系重合体(H)はMwが100,
000 〜600,000 であり、酸価20〜85KOHmg/gであ
る。Mwが100,000 よりも小さいと、耐オフセット性に
劣り、逆に600,000 よりも大きいとトナーの粉砕性につ
いて望ましくない。また、酸価については、トナーの帯
電安定性を確保するために20〜85KOHmg/gの範囲
であることが望ましい。
【0012】本発明のエチレン系重合体(L)とエチレ
ン系重合体(H)の酸価を与えるための構成成分として
は、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸などの不飽和カ
ルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類;マレイン酸モ
ノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチ
ル、マレイン酸モノオクチル、フマル酸モノメチル、フ
マル酸モノエチル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノ
オクチルなどの不飽和ジカルボン酸モノエステル類など
を例示することができる。
【0013】さらに、エチレン系重合体(H)および
(L)を得るために上記の酸性単量体と共重合させるエ
チレン系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル
酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、アクリル酸
ベンジル、アクリル酸フルフリル、アクリル酸テトラヒ
ドロフルフリル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリ
ル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ジメチルアミノメチ
ルエステル、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル
などのアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸
オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、
メタクリル酸フルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフ
ルフリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル
酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ジメチルアミノメチ
ルエステル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエステ
ルなどのメタクリル酸エステル類;o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブ
チルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキ
シルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノ
ニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデ
シルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルス
チレン、3,4-ジクロルスチレン、α−メチルスチレン、
p−クロロスチレン、スチレンなどの芳香族ビニル単量
体; ビニルナフタレン類;エチレン、プロピレン、ブ
チレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレフ
ィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;
マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸
ジブチル、フマル酸ジオクチルなどの不飽和二塩基酸ジ
アルキルエステル類;アクリロニトリル、メタアクリロ
ニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N置換
メタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン
酸などのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体;ビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソ
ブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチル
ケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニル
ケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルピロール、N
−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビ
ニルピロリデンなどのN−ビニル化合物、2,2-ビス(4-
アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、1,3-ブ
チレングリコールジアクリレート、1,5-ペンタンジオー
ルジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレ
ート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレング
リコール#600ジアクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジアクリレート、N,N'- メチレンビスアクリルアミ
ド、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメ
タンテトラアクリレートなどのアクリル酸系単量体、1,
4-ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリ
レート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,
6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメ
タクリレート、ポリエチレングリコール#200ジメタクリ
レート、ポリエチレングリコール#400ジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコール#600ジメタクリレート、ジ
プロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレ
ングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタン
トリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート、2,2-ビス(4-メタクリロキシポリエトキシ
フェニル)プロパン、メタクリル酸アルミニウム、メタ
クリル酸亜鉛、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸
マグネシウムなどのメタクリル酸系単量体、t−ブチル
ペルオキシメタクリレート、t−ブチルペルオキシクロ
トネート、ジ(t−ブチルペルオキシ)フマレート、t
−ブチルペルオキシアリルカーボネート、その他にジア
リルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリル
イソシアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジアリ
ルクロレンデート、エチレングリコールジグリシジルエ
ーテルアクリレート、ジビニルベンゼンなどであり、こ
れらの単量体の少なくとも1種を使用する。
【0014】上記エチレン系重合体(L)および(H)
の混合の割合は、L:H=85:15〜15:85(重量比)で
ある必要がある。エチレン系重合体(L)の割合が85重
量部より多いと、トナーの耐久性および耐オフセット性
が劣り、逆に15重量部より少ないと結着樹脂の溶融粘度
が高くなりすぎ、定着温度が高くなり好ましくない。ま
た、エチレン系重合体(L)および(H)の重合法とし
ては、溶液重合等の重合法が好ましい。
【0015】本発明における結着樹脂のトナー組成物中
の量は、通常50〜95重量部である。また、結着樹脂は、
必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲に於いて、
例えばポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリエステ
ル、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリアミ
ド、ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、パラフィンワックスなどを添加してもよい。
【0016】本発明の結着樹脂に含有させるヒドロキシ
ナフトエ酸誘導体またはヒドロキシキノリンカルボン酸
誘導体の具体例としては、下記化合物がある。 (化合物例) ヒドロキシナフトエ酸誘導体またはヒドロキシキノリン
カルボン酸誘導体は結着樹脂 100重量部に対して0.03〜
5重量部が使用される。0.03重量部以上を用いることに
より帯電立ち上がり性および帯電量の制御し易いトナー
が得られるものであり、5重量部より多くしても、更な
る帯電立ち上がり性および帯電量の制御し易さに関する
改良効果が得られず、トナーのコストを押し上げるのみ
で好ましくない。
【0017】また、これらヒドロキシナフトエ酸誘導体
またはヒドロキシキノリンカルボン酸誘導体の結着樹脂
への内部添加剤としての使用方法は通常の樹脂混合によ
り容易に行うことができるが、トナーへの外部添加方法
としては、以下に示す3通りの方法がある。 機械的処理法 体積平均粒径が1〜30μm程度のトナー前粒子(以下、
トナーとして必要とされる成分を溶融混練、粗・微粉末
分級した樹脂、着色剤などのトナーとして必要とされる
成分を溶融混練、粗・微粉砕、分級した後の着色粒子
で、表面処理する前のトナー粒子のこととする)と、ヒ
ドロキシナフトエ酸誘導体またはヒドロキシキノリンカ
ルボン酸誘導体の粒子とを、V型ブレンダーなどの混合
攪拌装置により混合、攪拌し、ヒドロキシナフトエ酸誘
導体またはヒドロキシキノリンカルボン酸誘導体の粒子
をトナー前粒子の表面に静電気力により付着させる。次
いで得られた混合物をハイブリダイザー、自由ミル、オ
ングミルなどの粉砕機を改良した衝撃式表面処理装置に
投入して、当該混合物に機械的衝撃力を繰り返して付与
することによりトナー前粒子の表面にヒドロキシナフト
エ酸誘導体またはヒドロキシキノリンカルボン酸誘導体
を固着させる。
【0018】また、ハイブリダイザーなどの衝撃式表面
処理装置を用いて、攪拌力を弱めた状態で、トナー前粒
子とヒドロキシナフトエ酸誘導体またはヒドロキシキノ
リンカルボン酸誘導体の粒子とを混合攪拌してトナー前
粒子の表面にヒドロキシナフトエ酸誘導体またはヒドロ
キシキノリンカルボン酸誘導体の粒子を静電気力により
付着させ、次いで同じ装置により、攪拌力を強めた状態
で、上記混合物を更に混合攪拌して、当該混合物に機械
的衝撃力を繰り返して付与することによりトナ−前粒子
の表面にヒドロキシナフトエ酸誘導体またはヒドロキシ
キノリンカルボン酸誘導体を固着させても良い。
【0019】なお、ヒドロキシナフトエ酸誘導体または
ヒドロキシキノリンカルボン酸誘導体の粒子は、ヒドロ
キシナフトエ酸誘導体またはヒドロキシキノリンカルボ
ン酸誘導体のみからなる粒子、またはバインダー樹脂中
にヒドロキシナフトエ酸誘導体またはヒドロキシキノリ
ンカルボン酸誘導体が5〜50重量%の割合で分散含有
された粒子のいずれであっても良い。また、ヒドロキシ
ナフトエ酸誘導体またはヒドロキシキノリンカルボン酸
誘導体の粒子は、固着性を向上させる観点から、トナ−
前粒子の粒径の1/5以下の小径であることが好まし
い。 表面修飾法 この方法は、ヒドロキシナフトエ酸誘導体またはヒドロ
キシキノリンカルボン酸誘導体を溶媒に溶解し又は分散
媒に分散させて得られる溶液又は分散液を、トナー前粒
子に噴霧し乾燥してトナー前粒子の表面にヒドロキシナ
フトエ酸誘導体またはヒドロキシキノリンカルボン酸誘
導体を固着させる方法である。
【0020】なお、溶液または分散液には、ヒドロキシ
ナフトエ酸誘導体またはヒドロキシキノリンカルボン酸
誘導体の固着を確実にするために、バインダー樹脂を適
量含有させても良い。 スプレードライ法 この方法は、トナー前粒子とヒドロキシナフトエ酸誘導
体またはヒドロキシキノリンカルボン酸誘導体の粒子と
を乾式法で混合攪拌した後、これに熱を加えて、トナー
前粒子の表面にヒドロキシナフトエ酸誘導体またはヒド
ロキシキノリンカルボン酸誘導体を熱的に固着させる方
法である。
【0021】本発明においては、トナーの摩擦帯電性の
制御を容易にする観点から、トナー粒子の内部に存在さ
せる帯電調整剤と、表面層に存在させるヒドロキシナフ
トエ酸誘導体またはヒドロキシキノリンカルボン酸誘導
体とは同種の帯電性ものであることが好ましい。また、
黒色のトナーとするために用いるカーボンブラックとし
ては、含フッ素シランカップリング剤により表面処理さ
れ、且つ窒素吸着法によるBET比表面積が 300〜 1,2
00m2 /gであることが望ましい。このようなカーボン
ブラックは、所謂ストラクチャーをとりやすく、少ない
含有量でカーボンブラックの粒子間距離が小さくなり、
トナーの比誘電率を8〜30の範囲内に充分にコントロ
ールすることができる。このようにカーボンブラックの
含有量を少量とすることができるので、トナーの定着性
を損なわずに比誘電率の好適なトナーを得ることができ
る。
【0022】含フッ素シランカップリング剤としては、
アルキル基の水素原子をフッ素原子で置換したシランカ
ップリング剤を用いることが出来る。具体的には、次に
掲げるものを用いることが出来る。 (1)CF3CH2CH2SiCl2 (8)CF3C(=O)-OCH
2CH2Si(OCH3) (2)CF3CH2CH2Si(CH3)Cl2 (9)n-C8F17CH2CH
2Si(CH3)(OCH3)2 (3)CF3C(=O)-OSi(CH3)3 (10) n-C4F9CH2CH2
Si-(OCH3)2 (4) CF3(CF2)3CH2CH2SiCl2 (11)C7F15CONHCH2
CH2Si(OC2H5) (5)CF3CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2 (12)C8F17SO2NHCH
2CH2CH2Si(OC2H5)2 (6)CF3CH2CH2Si(OCH3)2 (13)C7H15COOCH2CH
2Si(OCH3)3 (7) CF3(CF2)3CH2CH2SiCl2 (14)C9F19SCH2CH2
Si(OCH3)3 (15)CF3SO2Si(CH3)3 以上の含シランカップリング剤を用いてカーボンブラッ
クを表面処理する方法としては、 (i)カーボンブラックを流動床造粒装置の中に入れ
て、トルエン、キシレンなどの所定の溶剤に上記含シラ
ンカップリング剤を溶解し、これを上記流動床造粒装置
中のカ−ボンブラックにスプレーし、加熱して表面の被
覆を硬化させる方法 (ii)真空に脱気した容器の中にカーボンブラックを入
れて、加熱、脱気し、これに蒸気状の含シランカップリ
ング剤を加え、攪拌しながら加熱して表面の被覆を硬化
させる方法 などを採用することが出来る。
【0023】本発明においては、カーボンブラックのB
ET比表面積は 300〜 1,200m2 /gの範囲にあること
が必要である。ここで、BET比表面積はマイクロメリ
ティック社製の2200型を用いて適正な条件で測定された
値である。BET比表面積が 300〜 1,200m2 /gのカ
ーボンブラックによれば、トナー用樹脂 100重量部に対
して、10〜20重量部程度の少量で比誘電率が8〜30のト
ナーを得ることが出来る。特に、BET比表面積が 800
〜 1,200m2 /gの範囲にあるカーボンブラックによれ
ば、2〜10重量部と更に少ない量で、比誘電率が8〜30
のトナーを得ることが出来る。
【0024】しかし、BET比表面積が大きくなると、
比誘電率がカーボンブラックの含有量に敏感になるの
で、BET比表面積は 300〜 1,000m2 /gの範囲が好
ましい。 BET比表面積が 300〜 1,200m2 /gのカ
−ボンブラックとしてはコロンビアカーボン社製のコン
ダクティックス40− 220などがある。なお、カーボンブ
ラックの含有量は、定着性を損なわず、着色性、摩擦帯
電性の向上を図る観点から、トナー用樹脂 100重量部に
対して2〜25重量部の範囲が好ましい。カーボンブラッ
クの含有量が少量の場合にはトナーの比誘電率が過少と
なりやすく、逆に過多の場合にはトナーの定着性が悪化
し好ましくない。
【0025】本発明においては、2種以上のカーボンブ
ラックを併用しても良く、この場合には少なくとも1種
類が上記のカーボンブラックであれば良い。本発明にお
いては、トナーの比誘電率が8〜30の範囲内であること
が必要である。即ち、トナーの比誘電率が8〜30の範囲
にあれば、現像電界の実効値が大きくなり、トナーの現
像性が格段に向上する。これに対して比誘電率が過少の
場合には現像性の向上が充分でなく、逆に過大の場合に
はトナーの電荷保持能が小さくて帯電量が小さくなり転
写不足が生じる。
【0026】トナーの比誘電率の測定方法としては、ト
ナー(疎水性シリカ微粒子などの外部添加剤を含む)を
200℃において10分間にわたり加熱溶融し、直径7m
m、厚さ 1.5mmの円板プレートを作製し、この円板プ
レートの両面に金を蒸着して電極を作り、横河ヒュレッ
トパッカード社製のRFネットワーク・アナライザーモ
デルHP8753Aを用いて、温度20℃、相対湿度65%の環
境下、適切な条件で 915MHzにおける上記円板プレー
トの比誘電率を測定し、それをトナーの比誘電率とし
た。
【0027】トナーの比誘電率は、トナー用樹脂の種類
および重合度、カーボンブラックの種類およびその含有
量、その他の添加剤の種類およびその添加量によって調
整することができる。
【0028】本発明のトナー用結着樹脂には、さらにト
ナーの物性向上のために低分子量ポリオレフィンワック
スを添加してもよい。低分子量ポリオレフィンワックス
としては、未変性ポリオレフィンワックスまたはオレフ
ィン成分に対して変性成分がブロック化またはグラフト
化された変性ポリオレフィンワックスのいずれであって
も良い。
【0029】未変性ポリオレフィンワックスまたは変性
ポリオレフィンワックスのオレフィン成分は、単一のオ
レフィン単量体より得られるホモポリマー型あるいはオ
レフィン単量をこれと共重合可能な他の単量体と共重合
させて得られるコポリマー型のいづれの型のものでも良
い。
【0030】前記オレフィン単量体としては、たとえ
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテ
ン、その他のすべてのオレフィン単量体を挙げることが
出来る。また、オレフィン単量体と共重合可能な他の単
量体としては、他のオレフィン単量体の他、たとえば、
ビニルメチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニル
アセテートなどのビニルエステル類、フッ化ビニルなど
のハロオレフィン類、メチルアクリレート、メチルメタ
クリレートなどのアクリル酸エステル類もしくはメタク
リル酸エステル類、アクリロニトリルなどのアクリル酸
誘導体、アクリル酸、メタクリル酸などの有機酸類など
種々のものを挙げることが出来る。オレフィン成分をコ
ポリマー型のものとする場合においては、エチレン−プ
ロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレ
ン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−ビニルメチ
ルエーテル共重合体、エチレン−プロピレン−ビニルア
セテート共重合体などのコポリマー型のものとすること
ができる。オレフィン単量体以外の単量体を用いてコポ
リマー型のものとする場合においては、ポリオレフィン
成分中のオレフィン単量体によるオレフィン部分の割合
が50モル%以上であることが好ましい。
【0031】変性ポリオレフィンワックスにおける変性
成分としては、たとえば、1−フェニルプロペン、スチ
レン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレンな
どの芳香族ビニル単量体、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルな
どのα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸エステル単量体
などを挙げることが出来る。芳香族ビニル単量体を変性
成分とする場合には当該変性成分の変性ポリオレフィン
に対する割合は 0.1〜15重量部、特に1〜10重量部の範
囲内が好ましい。また、α−メチレン脂肪酸モノカルボ
ン酸エステル単量体を変性成分とする場 には当該変性
成分の変性ポリオレフィンに対する割合は 0.1〜50重量
部、特に1〜40重量部の範囲内が好ましい。また、この
ような未変性ポリオレフィンワックスまたは変性ポリオ
レフィンワックスはそれ自体が低い軟化点を有するもの
であることが望ましく、たとえば、JIS K 2531-1960 に
規定される環球法により測定した時の軟化点が80〜1
80℃、好ましくは90〜160℃であることが望まし
い。
【0032】このポリオレフィンワックスの具体例とし
ては、「ビスコール660P」、「ビスコール550
P」(以上、三洋化成社製)、「ポリエチレン6A」
(アライドケミカル社製)、「ハイワックス400
P」、「ハイワックス100P」、「ハイワックス20
0P」、「ハイワックス320P」、「ハイワックス2
20P」、「ハイワックス2203P」、「ハイワック
ス4202P」(以上、三井石油化学社製)、「ヘキス
トワックスPE520」、「ヘキストワックスPE13
0」、「ヘキストワックスPE190」(以上、ヘキス
トジャパン社製)などの市販されているものの他、たと
えばメタクリル酸メチルによりブロック共重合またはグ
ラフト共重合せしめたポリエチレンワックス、メタクリ
ル酸ブチルによりブロック共重合またはグラフト共重合
せしめたポリエチレンワックス、スチレンによりブロッ
ク共重合またはグラフト共重合せしめたポリエチレンワ
ックスなどを挙げることが出来る。これらのポリオレフ
ィンは、通常はトナー製造の溶融混練時に結着樹脂と混
合するが、エチレン系重合体の重合または脱溶剤時に添
加してもよい。
【0033】本発明の結着樹脂を用いた電子写真用トナ
ー組成物には、通常、着色剤を使用する。使用する着色
剤としては、例えばカーボンブラック、アセチレンブラ
ック、ランプブラック、マグネタイトなどの黒色顔料、
黄鉛、黄色酸化鉄、ハンザイエローG、キノリンイエロ
ーレーキ、パーマネントイエロー、NCGモリブデンオ
レンジ、バルカンオレンジ、インダンスレン、ブリリア
ントオレンジGK、ベンガラ、ブリリアントカーミン6
B、フリザリンレーキ、ファストバイオレットB、コバ
ルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブ
ルー、モノアゾ染料の金属錯体、ファーストスカイブル
ー、ビグメントグリーンB、マラカイトグリーンレー
キ、酸化チタン、亜鉛華などの公知の顔料が挙げられ
る。その量は通常結着樹脂 100重量部に対し5〜 300重
量部である。 本発明のトナー樹脂組成物は、例えばニ
グロシン、第四級アンモニウム塩、含金属アゾ染料、脂
肪酸の金属塩など公知の荷電調整剤および顔料分散剤、
オフセット防止剤などを適宜選択して添加し公知の方法
でトナーとすることができる。即ち、上記各種添加剤を
加えた結着樹脂は、ヘンシェルミキサーでプレミックス
した後、ニーダーなどの混練機で加熱溶融状態で混練
し、冷却後ジェット粉砕機を用いて微粉砕した後、分級
機で分級し、通常8〜20μmの範囲の粒子を集めてトナ
ーとする。磁性トナーを得るために、磁性粉を含有させ
てもよい。このような磁性粉としては、磁場の中で磁化
される強磁性物質、鉄、ニッケル、コバルトなどの粉
末、もしくは、マグネタイト、フェライトなどの合金が
あり、この磁性粉の割合はトナー重量に対して15〜7
0重量部が好ましい。
【0034】さらに、本発明には、以下に記載するよう
な離型剤を重合時もしくは溶融・混練時に適宜使用して
もよい。ここで言う離型剤とは定着時に定着ローラーと
接触して摩擦の減少、離型性の改善、あるいは溶融時の
流動性を改善する働きをする物質で、たとえば、パラフ
ィンワックス類、高級(飽和直鎖)脂肪酸類(炭素数12
〜50)、高級アルコール類(炭素数 8〜32)、脂肪酸金
属塩類、脂肪酸アミド類、金属石鹸類、多価アルコール
類などがある。
【0035】トナー中には、必要に応じて、着色剤、流
動性改質剤をトナー粒子と混合(外添)して用いても良
い。この荷電調整剤としては、含金属染料、ニグロシン
などがあり、流動性改質剤としては、コロイダルシリ
カ、脂肪酸金属塩などがある。また、増量の目的で、炭
酸カルシウム、微粉状シリカなどの充填剤を 0.5〜20重
量部の範囲でトナー中に配合してもよい。更にトナー粒
子相互の凝集を防止して、その流動性を向上させるため
に、テフロン微粉末のような流動向上剤を配合してもよ
い。本発明のエチレン系重合体(L)とエチレン系重合
体(H)の混合樹脂を結着樹脂とするトナーの比誘電率
(ρ)が8〜30であることが好ましい。
【0036】
【実施例】次に本発明を実施例により、さらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。なお、以降「部」は、特にことわらない限
り重量部を表わす。 1.エチレン系重合体(L)およびエチレン系重合体
(H)の製造例 1−1 エチレン系重合体(L)の製造例 製造例1 5L四つ口フラスコに冷却管、温度計、窒素導入管と攪
拌装置を附し、キシロール200部を仕込み、窒素を導
入しながら145℃まで昇温し、スチレン単量体99.
6部、アクリル酸0.4部とt−ブチルペルオキシ−2
−エチルヘキサノエート10部を6.5時間かけて連続
滴下し、後重合1時間したのち残モノマー重合を行って
重合体1を得た。
【0037】重合体2〜8についても、表1にある製造
条件で製造例1と同様にして得た。 1−2 エチレン系重合体(H)の製造例 製造例9 5L四つ口フラスコに冷却管、温度計、窒素導入管と攪
拌装置を附し、スチレン単量体90.0部、n−ブチル
アクリレート6.0部とアクリル酸4.0部を仕込み、
内温120℃に昇温後、同温度に保ち、バルク重合を
8.0時間行った。この時の重合率は55.9%であっ
た。次いでキシレン100部を加え、予め混合溶解して
おいた2,2−ビス(4,4’−ジ−t−ブチルパーオ
キシシクロヘキシル)プロパン3.0部、キシレン50
部を110℃に保ちながら5.5時間かけて連続滴下
し、その後1時間反応を継続して重合を終了し、重合体
9を得た。
【0038】重合体10〜15についても、表1にある製造
条件で製造例9と同様にして得た。酸価の測定法として
は、中和したキシレン/n−ブタノール混合溶媒に精秤
した試料を溶解し、予め標定された0.1N−水酸化ナトリ
ウム(NaOH)のアルコール溶液で滴定し、その中和量から
次式により算定した: (Fは0.1N−水酸化ナトリウム(NaOH)のファクター)
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】 上記製造例により得たエチレン系重合体(L)および
(H)の分子量は、市販の単分散標準ポリスチレンを標
準とし、溶媒としてテトラヒドロフラン、検出器に屈折
率計を用いたGPCにより,重量平均分子量(Mw)を
求めた。 検出器 SHODEX RI SE−31 カラム A-80M x 2 + KF-802 溶媒 THF(テトラヒドロフラン) 吐出量 1.2 /分 試料 0.25% THF 溶液
【0041】2.カーボンブラックの変性 (1)カーボンブラックA BET比表面積が1066m2 /gのカーボンブラックを流
動床造粒装置に入れ、このカーボンブラックに下記構造
式で表される含フッ素シランカップリング剤のトルエ
ン1重量%溶液を当該カーボンブラックに対して、5重
量%となるようにスプレーした。次いで、200℃に加
熱して、カーボンブラックの表面の皮膜を硬化させた。
これをカーボンブラックAとする。 構造式 CF3CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2 (2)カーボンブラックB カーボンブラックAの製造において、カーボンブラック
をBET比表面積が、432m2 /gのものに変更した以
外は、同様の方法によりカーボンブラックBを得た。 (3)カーボンブラックC カーボンブラックAの製造において、含フッ素シランカ
ップリング剤を構造式で表されるものに変更した以外
は、同様の方法によりカーボンブラックCを得た。 構造式 CF3CH2CH2Si(CH3)Cl2
【0042】3.実施例と評価結果 上記のようにして得たエチレン系重合体(L)の重合体
溶液、およびエチレン系重合体(H)の重合体溶液を表
2に示すような割合で混合し、脱溶剤して結着樹脂を得
た。次いで、結着樹脂 100部と上記の変性されたカーボ
ンブラック、ポリプロピレンワックス5部、帯電調整剤
1部と他第三成分をヘンシェルミキサーで予備混合した
後、2軸混練機を用い、 170℃に設定して混練した後、
冷却、粗粉砕、微粉砕し、さらに分級器で分級し6〜18
μmの核粒子を得た。
【0043】この核粒子 100部に対して、上記と同様の
帯電調整剤を微粉砕して得られた平均粒径が約1〜2μ
mの粒子を所定量(表2中の値を参照のこと)を添加
し、これらをヘンシェルミキサーにより10分間にわたり
混合した。次いで、この混合物をハイブリダイザーシス
テムに投入し、周速80m/s、処理温度40〜60℃の条件
で、10分間にわたり機械的処理を行い、処理粒子を得
た。ここで、得られた混合物を電子顕微鏡観察したとこ
ろ、トナー1〜21については核粒子の表面に帯電制御
剤の粒子が均一に付着していることが確認された。次い
で、上記処理粒子に対して、疎水性シリカ(R−97
2、アエロジル社製)を 0.4重量%となる割合で外部か
ら添加して、これをヘンシェルミキサーにより混合して
本発明のトナーを得た。
【0044】そして得られたトナーの比誘電率を測定し
た。なお、表中にある樹脂の使用比率は、重量比率であ
る。上記トナーを用い、定着性、耐オフセット性、画質
安定性などを評価した。定着性、オフセット性は、市販
複写機のロール温度を任意に変更できるように改造した
機械を用い評価した。次に、評価方法を示す。 70%定着温度; 2cm×2cmのベタ黒部分の画
質上のトナー層を学振式摩擦堅牢度試験機((株)大栄
科学精機製作所製)にて 300g/cm2 の荷重で、砂消
しゴムで50回摩擦した後のトナー層の重量残存率が7
0%を越えるのに必要な最低の熱ロール温度とした。 高温オフセット発生温度; 熱ロール温度を上げてゆ
き、オフセット現象が起こり始める温度とした。 高速耐久性; 市販の高速複写機(72枚/分の複写
速度)10,000枚連続試験を実施、パターンを複写し再現
性をチェックした。連続試験の前後で画質の違いをチェ
ックした。 ○ ; 複写前後で殆ど差がないもの △ ; 連続試験後IDが大きく低下したもの × ; カブリが発生し画質が大きく乱れたもの 帯電安定性; 連続複写において 100枚目と10,000枚
目でのトボリ帯電を下記計算式の比率(絶対値)で表
し、この比率が10%以内を良好と判定した。
【0045】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】
【発明の効果】本発明の方法により、従来技術では解決
できなかった、低熱量で定着でき、常に安定した良質の
画像を与える電子写真用トナー組成物が得られる。すな
わち、本発明の電子写真用トナー組成物においては定着
下限温度が低く、非オフセット領域が広く、帯電・画像
特性も極めて良好であり、電子写真用トナー組成物とし
て優秀な性能を有している。また、本発明方法によって
得られる電子写真用トナー組成物を使用することによ
り、帯電安定性に優れ、優秀な耐オフセット性を有し、
かつ十分な耐久性を有する電子写真用トナー組成物が得
られるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 健治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 浦本 勝男 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 福居 珠実 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量平均分子量(Mw)が 2,000〜50,00
    0、酸価 0〜6KOHmg/gであり、且つガラス転移温度(T
    g)が55〜75℃であるエチレン系重合体(L)とMwが
    100,000 〜600,000 、酸価20〜85 KOHmg/gであるエチレ
    ン系重合体(H)との混合樹脂を結着樹脂としたトナー
    に於いて、該結着樹脂 100重量部にヒドロキシナフトエ
    酸誘導体および/またはヒドロキシキノリンカルボン酸
    誘導体0.03〜 5重量部を用いることを特徴とする負帯電
    性電子写真用トナー組成物。
  2. 【請求項2】ヒドロキシナフトエ酸誘導体および/また
    はヒドロキシキノリンカルボン酸誘導体0.03〜 5重量部
    が結着樹脂に内部添加剤として含有されていることを特
    徴とする請求項1記載の電子写真用トナー組成物
  3. 【請求項3】ヒドロキシナフトエ酸誘導体および/また
    はヒドロキシキノリンカルボン酸誘導体0.03〜 5重量部
    がトナー粒子表面に付着されていることを特徴とする請
    求項1記載の電子写真用トナー組成物
  4. 【請求項4】 含フッ素シランカップリング剤により表
    面処理され、且つ窒素吸着法によるBET比表面積が 3
    00〜 1,200m2 /gであるカーボンブラックを含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー組成
  5. 【請求項5】 エチレン系重合体(L)とエチレン系重
    合体(H)の混合樹脂を結着樹脂とするトナーの比誘電
    率(ρ)が8〜30である請求項1記載の電子写真用ト
    ナー組成物。
JP5134427A 1993-06-04 1993-06-04 負帯電性電子写真用トナー組成物 Pending JPH06348062A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002265626A (ja) * 2001-03-13 2002-09-18 Sekisui Chem Co Ltd 帯電助剤樹脂微粒子
JP2014115398A (ja) * 2012-12-07 2014-06-26 Mitsubishi Chemicals Corp 電子写真カートリッジ及び画像形成装置

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