JPH06348058A - 電子写真用トナー組成物 - Google Patents

電子写真用トナー組成物

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JPH06348058A
JPH06348058A JP5134426A JP13442693A JPH06348058A JP H06348058 A JPH06348058 A JP H06348058A JP 5134426 A JP5134426 A JP 5134426A JP 13442693 A JP13442693 A JP 13442693A JP H06348058 A JPH06348058 A JP H06348058A
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JP
Japan
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toner
nhc
cyanoethyl
ethylene
ethyl
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Application number
JP5134426A
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English (en)
Inventor
Takatsuru Matsumoto
香鶴 松本
Nobuhiro Hirayama
信廣 平山
Shoji Kawasaki
尚二 川崎
Kenji Uchiyama
健治 内山
Katsuo Uramoto
勝男 浦本
Tamami Fukui
珠実 福居
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 重量平均分子量(Mw)が 2,000〜50,000、
且つガラス転移温度(Tg)が55〜75℃であるエチレン系重
合体(L)とMwが100,000 〜600,000 であり、イミダ
ゾール系単量体を構成成分とするエチレン系重合体
(H)との混合樹脂を結着樹脂とする電子写真用トナー
組成物。 【効果】 本発明の方法により、従来技術では解決でき
なかった、低熱量で定着でき、常に安定した良質の画像
を与える電子写真用トナー組成物が得られる。すなわ
ち、本発明の電子写真用トナー組成物は定着下限温度が
低く、非オフセット領域が広く、帯電・画像特性も極め
て良好であり、帯電安定性、耐オフセット性、耐久性に
優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真、静電記録、静
電印刷などにおける、静電荷像を現像するための電子写
真用トナー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機やプリンターに於ける電
子写真法は、光感光体上に静電気的潜像を形成し、つい
で潜像をトナーを用いて現像し、紙などの被定着シート
上にトナー画像を転写した後、熱ロールで加熱圧着する
方法(熱ロール定着方式)が行われている。この方法
は、加熱加圧下で定着を行うので迅速でしかも熱効率が
極めて良好であり、従って定着効率が非常に良い。しか
しながら、従来のトナーでこの定着方式を利用すると、
熱ロール表面とトナーが溶融状態で接触するため、トナ
ーが熱ロール表面に付着転移し、次の被定着シートにこ
れが再転移して汚す(オフセット現象)という現象が起
こり好ましくない。
【0003】一方、複写機は、高速化の方向を指向して
おり、必然的に定着ロールとの接触時間は短くなり、短
時間の加熱で溶融するトナーが要求されている。また、
省エネルギー、或いは安全性の面からも出来るかぎり低
温で溶け、加えて溶融時の流動性の良いトナーが求めら
れている。上記の課題を解決する為の従来技術として、
特開昭61−267765号公報には、数平均分子量(Mn)と
重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が3.5以
上のスチレン系樹脂に、ポリオレフィンワックスとアル
キレンビス脂肪酸アミドを併用添加することにより、最
低定着温度を下げ、しかも離型性の優れた静電現像現像
剤を得る技術が開示されている。
【0004】しかしながら、これらの技術はオフセット
現象が問題となるような従来の複写機での効果は大きい
けれども、低熱量定着複写機では、充分な低温定着性と
耐オフセット性が得られない。これはトナーの強度向上
と耐オフセット性を達成するために、重量平均分子量の
大きい高分子量重合体を用いたため、トナー用樹脂が高
粘度となり、トナーの流動性が低下し、低熱量複写機に
は不適当なものとなったものと推定される。しかし、重
量平均分子量の小さいものを用いると流動性は改善され
るものの耐オフセット性あるいはトナーの強度が不足
し、長期ランニングでトナーが割れたり、かけたりする
ことにより画質を損なうなどの問題を生じていた。
【0005】また、トナー組成物の電気的性質は非常に
重要な問題であり、例えば、トナーが現像剤混合物から
離れ、感光体上の静電潜像を現像する際の効率、紙など
に転写される効率、反復使用に十分に耐えられる寿命・
帯電安定性、環境、特に温度・湿度に対する安定性が重
視される。一般に乾式現像剤は、鉄等の金属、ガラス、
その他の無機化合物粒子およびそれらを有機重合体で被
覆した粒子などをキャリアとし、それとトナーと呼ばれ
る着色微粒子とから形成される。更に、場合によっては
これらのキャリア、トナー以外に第三成分を添加して用
いることもある。
【0006】トナー粒子は通常天然または合成樹脂を結
着樹脂として、その中に着色剤、帯電調整剤、その他の
添加剤などを含んだものである。また、結着樹脂は高絶
縁性重合体が用いられ、特にスチレン系重合体を包含す
る広義のエチレン系重合体は電気的性質以外の特性、つ
まりトナーとしての製造性、保存安定性、定着性などを
充分満足し、更に繰り返し使用に耐える充分な力学的強
度を有し、キャリア表面を汚染しにくいため広く使用さ
れる。また、トナーには帯電極性、帯電電荷量の調整の
ために染料・顔料、界面活性剤を結着樹脂に混合、或い
は結着樹脂自体に電子供与性、電子吸引性の官能基を導
入することが従来より行われているが、これらのものも
結着樹脂全体としては高絶縁性を保持している。
【0007】このような高絶縁性結着樹脂から成るトナ
ーは、その高絶縁性により良好な摩擦帯電性を示すが、
その帯電量の絶対値が小さいために現像効率、転写効率
などが若干劣り、規定の画像濃度を得るために、より多
くのトナーを消費するという欠点がある。これは特に、
酸化鉄などの無機化合物表面を有するキャリアと組み合
わせた場合に顕著である。更にまた、キャリア、トナー
以外に脂肪酸金属塩、シリカ、その他離型剤として知ら
れている様な添加剤を第三成分として加えた現像剤系に
おいてより顕著である。この場合、トナーの消費量は通
常現像を反復するたびに増加する傾向を示し、最終的に
装置の汚れ、かぶりなどの劣悪画質を生じやすい。高速
複写機の場合、これは特に重大な欠点となる。
【0008】また、帯電特性については特公昭60-38699
号公報にトナー用結着樹脂の体積固有抵抗値を規定する
ことにより、トナ−の現像・転写、また寿命について改
良した技術が開示されている。また特開平4-3076号公報
にはヒドロキシナフトエ酸およびヒドロキシキノリンカ
ルボン酸の誘導体を含有させたトナー組成物を用いるこ
とにより、充分な摩擦帯電量を有し、トナー粒子間の摩
擦帯電量を均一にさせ、かぶり画像を与えないようなト
ナーを得る技術が開示されている。さらに特開平4-1685
8 号公報にはサリチル酸ビニル系誘導体とスチレン単量
体から重合して得られる重量平均分子量が 2,000〜20,0
00のエチレン系重合体をトナー物中に含有させることに
より、充分な摩擦帯電量とトナー粒子間の帯電量が均一
である、かぶり画像を与えないトナーを得る技術が開示
されている。しかしながら、これらの技術は個々の開示
されているトナー特性においては、満足できるものの、
さらにトナーとして必要とされる低温定着性、耐オフセ
ット性、耐ブロッキング性などの特性においてバランス
に劣ったものであり、更なる改良が求められていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は高速・低熱量
定着複写機に適し、定着・オフセット性のバランスが良
く、更には帯電の立ち上がりが速く且つその帯電量が充
分な電子写真用トナー組成物を得るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、トナー粒子の表面
に存在する帯電調整剤は主として摩擦帯電の立ち上がり
の向上に大きく貢献するのに対して、トナー粒子の内部
に存在する帯電調整剤は摩擦帯電の安定性に大きく貢献
するとの考えに基づき、本発明を完成したものである。
即ち、本発明は重量平均分子量(Mw)が 2,000〜50,0
00、且つガラス転移温度(Tg)が55〜75℃であるよう
なエチレン系重合体(L)とMwが100,000 〜600,000
であり、一般式(化2)
【0011】
【化2】 (但し、R1 は H,CH3、R2 およびR3 は炭素数が1〜
10個の直鎖または分岐状のアルキル炭化水素基、 -NH2,
-NHC6H5,-NCH3C6H5,-C6H4CH3-4,-N(CH3)2,-C6HOCH3-4,-
C6H4Cl-4,-C6H4NO2-4,-OCH3,-OC2H5,-NHC6H4NO2-3,-NHC
6H4NH2-3,-NHC6H4NHCOCH3-4,-NCH3C6H4NO2-4,-NCH3C6H4
NH2-4,-NHC6H4COCH3-4,-NHC6H4COCH3-3,-NHC6H4CH(OH)C
H3-4,-NHC6H4CH(OH)CH3-3,-NHC6H4SO3H-4,-NHC6H4SO3H-
3 )で表されるエチレン系単量体を構成成分とするエチ
レン系重合体(H)の混合樹脂を結着樹脂とする電子写
真用トナー組成物である。
【0012】本発明においては重量平均分子量(Mw)
が 2,000〜50,000、ガラス転移温度(Tg)が55〜75℃
であるエチレン系重合体(L)とMwが100,000 〜600,
000であり、一般式(化1)で表されるエチレン系単量
体を構成成分とするエチレン系重合体(H)の混合樹脂
を結着樹脂とすることが必須であり、エチレン系重合体
(L)のガラス転移温度が55℃未満であると、トナーの
保存性が悪化し、75℃を越えるとトナーの溶融開始温度
が上昇し定着性が好ましくない。また、Mwに関しては
トナーの保存性、耐久性の点から 2,000〜50,000の範囲
のものが好ましい。 一般式〔化3〕
【0013】
【化3】 で表されるエチレン系単量体の幾つかの具体例を、基本
骨格に置換している置換基の組み合わせで表せば次のよ
うである(但し、下記行列の意味するところは、
(R1 ,R2 ,R3 )のそれぞれに対応する置換基を表
している)。(H,H,CH3),(H,CH3,CH3),(H,CH3,C4H9),(H,
CH3,NH2),(H,NH2,NH2),(H,NH2,NHC6H5),(H,NH2,NCH3C6H
5),(H,NH2,NCH3C6H5),(H,NH2,C6H4CH3-4), (H,NH2,C6H4
Cl-4), (H,NH2,C6H4NO2-4),(H,NH2,N(CH3)2),(H,NH2,C6
H4OCH3-4),(H,NH2,OCH3),(H,NH2,OC2H5),(H,NH2,NHC6H4
NO2-3),(H,NH2,NHC6H4NH2-3),(H,NH2,NHC6H4NHCOCH3-
4),(H,NH2,NCH3C6H4NO2-4),(H,NH2,NCH3C6H4NH2-4),(H,
NH2,NHC6H4COCH3-4),(H,NH2,NHC6H4COCH3-3),(H,NH2,NH
C6H4CH(OH)CH3-4),(H,NH2,NHC6H4CH(OH)CH3-3), ( H,NH
2,NHC6H4SO3H-4),(H,NH2,NHC6H4SO3H-3),(CH3,H,CH3),
(CH3,CH3,CH3),(CH3,CH3,C4H9),(CH3,CH3,NH2),(CH3,NH
2,NH2),(CH3,NH2,NHC6H5), (CH3,NH2,NCH3C6H5),(CH3,N
H 2,NCH3C6H5),(CH3,NH2,C6H4CH3-4),(CH3,NH2,C6H4Cl-
4),(CH3,NH2,C6H4NO2-4),(CH3,NH2,N(CH3)2),(CH3,NH2,
C6H4OCH3-4),(CH3,NH2,OCH3),(CH3,NH2,OC2H5),(CH 3,NH
2,NHC6H4NO2-3),(CH3,NH2,NHC6H4NH2-3),(CH3,NH2,NH2C
6H4NHCOCH3-4),(CH3,NH2,NCH3C6H4NO2-4),(CH3,NH2,NCH
3C6H4NH2-4), (CH3,NH2,NHC6H4COCH3-4),(CH 3,NH2,NHC6
H4COCH3-3),(CH3,NH2,NHC6H4CH(OH)CH3-4),(CH3,NH2,NH
C6H4CH(OH)CH 3-3), (CH3,NH2,NHC6H4SO3H-4),(CH3,NH2,
NHC6H4SO3H-3)などを挙げることはできるが、これに限
定されるものではない。
【0014】また、エチレン系重合体(H)のMwに関
してはトナーの耐オフセット性、耐久性の点から100,00
0 〜600,000 であることが好ましく、更には上記一般式
〔化1〕で表されるエチレン系単量体はエチレン系重合
体(H)を製造するのにエチレン系単量体総量の 5〜50
重量%が使用される。
【0015】ここで、エチレン系重合体(H)を製造す
るのに上記一般式〔化1〕で表されるエチレン系単量体
と併用できる単量体およびエチレン系重合体(L)を得
るための単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸オクチル、アク
リル酸シクロヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル
酸ステアリル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル
酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、アクリル酸
ベンジル、アクリル酸フルフリル、アクリル酸テトラヒ
ドロフルフリル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリ
ル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ジメチルアミノメチ
ルエステル、アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル
などのアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸
オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリ
ル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、
メタクリル酸フルフリル、メタクリル酸テトラヒドロフ
ルフリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル
酸ヒドロキシブチル、メタクリル酸ジメチルアミノメチ
ルエステル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルエステ
ルなどのメタクリル酸エステル類; o−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−エ
チルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブ
チルスチレン、p−t−ブチルスチレン、p−n−ヘキ
シルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノ
ニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデ
シルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルス
チレン、3,4−ジクロルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−クロロスチレン、スチレンなどの芳香族ビニル
単量体;ビニルナフタレン類;エチレン、プロピレン、
ブチレン、イソブチレンなどのエチレン不飽和モノオレ
フィン類;塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル
類; マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル、フ
マル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなどの不飽和二塩
基酸ジアルキルエステル類;アクリロニトリル、メタア
クリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、
N置換メタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンス
ルホン酸などのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導
体; ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、
ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビ
ニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソ
プロペニルケトンなどのビニルケトン類;アクリル酸、
メタクリル酸、桂皮酸などの不飽和カルボン酸類; マ
レイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸など
の不飽和ジカルボン酸類; マレイン酸モノメチル、マ
レイン酸モノエチル、マレイン酸モノブチル、マレイン
酸モノオクチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエ
チル、フマル酸モノブチル、フマル酸モノオクチルなど
の不飽和ジカルボン酸モノエステル類;N−ビニルピロ
−ル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリデンなどのN−ビニル化合物、2,
2-ビス(4-アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパ
ン、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,5-ペン
タンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレ
ングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレ
ート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポ
リエチレングリコーレート、ポリプロピレングリコタエ
リスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラア
クリレートなどのアクリル酸系単量体、1,4-ブタンジオ
ールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレ
ート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジ
オールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコール#200ジメタクリレート、ポ
リエチレングリコール#400ジメタクリレート、ポリエチ
レングリコール#600ジメタクリレート、ジプロピレング
リコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコール
ジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリ
レート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、
2,2-ビス(4-メタクリロキシポリエトキシフェニル)プ
ロパン、メタクリル酸アルミニウム、メタクリル酸亜
鉛、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸マグネシウ
ムなどのメタクリル酸系単量体、t−ブチルペルオキシ
メタクリレート、t−ブチルペルオキシクロトネート、
ジ(t−ブチルペルオキシ)フマレート、t−ブチルペ
ルオキシアリルカーボネート、その他にジアリルフタレ
ート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌ
レート、トリアリルトリメリテート、ジアリルクロレン
デート、エチレングリコールジグリシジルエーテルアク
リレート、ジビニルベンゼンなどがあり、これらの単量
体は、少なくとも1種以上使用できる。
【0016】またエチレン系重合体(L)および(H)
の混合の割合は、L:H=85:15〜15:85(重量比)で
ある。エチレン系重合体(L)の割合が85重量部より多
いと、トナ−の耐久性および耐オフセット性が劣り、逆
に15重量部より少ないと結着樹脂の溶融粘度が高くなり
すぎ、定着温度が高くなり好ましくない。通常、エチレ
ン系重合体(L)および(H)は、溶液重合等の重合法
により製造される。本発明における結着樹脂のトナー組
成物中の量は、通常50〜95重量部である。また、結着樹
脂は、必要に応じて本発明の効果を阻害しない範囲に於
いて、例えばポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリエ
ステル、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリア
ミド、ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、パラフィンワックスなどを添加してもよい。
【0017】本発明では、イミダゾール系化合物をさら
に結着樹脂中(内部添加剤)に帯電調整剤として0〜50
wt%の範囲内で含有させてもよく、さらにトナー製造
後に外部添加剤として用いてもよい。内部添加剤および
外部添加剤として用いられる好ましい例として、2−メ
チルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダ
ゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ベンジル
−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メ
チルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイ
ミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイ
ミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾー
ルトリメリテート、1−シアノエチル−2−フェニルイ
ミダゾールトリメリテート、1−シアノエチル−2−エ
チル−4−メチルイミダゾールトリメリテート、1−シ
アノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテー
ト、2,4−ジアミノ−6−(2’−メチルイミダゾリ
ル(1’))−エチル−s−トリアジン、2,4−ジア
ミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリル−
(1’))−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミ
ノ−6−(2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル
(1’))−エチル−s−トリアジン、1−ドデシル−
2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、
1,3−ジベンジル−2−メチルイミダゾリウムクロラ
イド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチ
ルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシ
メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニル
−4,5−ジ(シアノエトキシメチル)イミダゾール等
を例示することができるが、これに限定されるものでは
ない。
【0018】これらの添加剤をトナーの外部添加剤とし
て用いるには次に示す方法がある。 (1)機械的処理法 体積平均粒径が1〜30μm程度のトナー核粒子と、帯
電制御剤である添加剤(帯電調整剤の粒子は、固着性を
向上させる観点から、核粒子の粒径の1/5以下の小径
であることが好ましい。)を、V型ブレンダーなどの混
合攪拌装置により混合、攪拌し、帯電調整剤の粒子を核
粒子の表面に静電気力により付着させる。次いで得られ
た混合物をハイブリダイザー、自由ミル、オングミルな
どの粉砕機を改良した衝撃式表面処理装置に投入して、
当該混合物に機械的衝撃力を繰り返して付与することに
より核粒子の表面に帯電調整剤を固着させる。
【0019】また、ハイブリダイザーなどの衝撃式表面
処理装置を用いて、攪拌力を弱めた状態で、核粒子と帯
電調整剤の粒子とを混合攪拌して核粒子の表面に帯電調
整剤の粒子を静電気力により付着させ、次いで同じ装置
により、攪拌力を強めた状態で、上記混合物を更に混合
攪拌して、当該混合物に機械的衝撃力を繰り返して付与
することにより核粒子の表面に帯電調整剤を固着させて
も良い。 (2)表面修飾法 この方法は、帯電調整剤を溶媒に溶解し又は分散媒に分
散させて得られる溶液又は分散液を、核粒子に噴霧し乾
燥して核粒子の表面に帯電調整剤を固着させる方法であ
る。
【0020】なお、溶液または分散液には、帯電調整剤
の固着を確実にするために、バインダ−樹脂を適量含有
させても良い。 (3)スプレードライ法 この方法は、核粒子と帯電調整剤粒子とを乾式法で混合
攪拌した後、これに熱を加えて核粒子の表面に帯電調整
剤を熱的に固着させる方法である。尚、上記添加剤を帯
電調整剤粒子として内部添加剤および外部添加剤として
併用する場合、トナーの摩擦帯電性の制御を容易にする
観点から、トナー粒子の内部に存在させる帯電調整剤
と、表面層に存在させる帯電調整剤とは同種のものであ
ることが好ましい。
【0021】トナー粒子への外添方法としては、以上の
3つの方法が好ましい。また、黒色のトナーとするため
に用いるカーボンブラックは、含フッ素シランカップリ
ング剤により表面処理され、且つ窒素吸着法によるBE
T比表面積が 300〜 1,200m2 /gであるものが好まし
い。このようなカーボンブラックは、所謂ストラクチャ
ーをとりやすく、少ない含有量でカーボンブラックの粒
子間距離が小さくなり、トナーの比誘電率を8〜30の
範囲内に充分にコントロールすることができる。このよ
うにカーボンブラックの含有量を少量とすることができ
るので、トナーの定着性を損なわずに比誘電率の好適な
トナーを得ることができる。
【0022】含フッ素シランカップリング剤としては、
アルキル基の水素原子をフッ素原子で置換したシランカ
ップリング剤を用いることが出来る。具体的には、次に
掲げるものを用いることが出来る。 (1) CF3CH2CH2SiCl2 (8) CF3C(=O)-O
CH2CH2Si(OCH3) (2) CF3CH2CH2Si(CH3)Cl2 (9) n-C8F17CH2
CH2Si(CH3)(OCH3)2 (3) CF3C(=O)-OSi(CH3)3 (10) n-C4F9CH2C
H2Si-(OCH3)2 (4) CF3(CF2)3CH2CH2SiCl2 (11) C7F15CONHC
H2CH2Si(OC2H5)3 (5) CF3CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2 (12) C8F17SO2NH
CH2CH2CH2Si(OC2H5)2 (6) CF3CH2CH2Si(OCH3)2 (13) C7H15COOCH
2CH2Si(OCH3)3 (7) CF3(CF2)3CH2CH2SiCl2 (14) C9F19SCH2C
H2Si(OCH3)3 (15) CF3SO2Si(CH3)3 以上の含シランカップリング剤を用いてカーボンブラッ
クを表面処理する方法としては、 (i)カーボンブラックを流動床造粒装置の中に入れ
て、トルエン、キシレンなどの所定の溶剤に上記含シラ
ンカップリング剤を溶解し、これを上記流動床造粒装置
中のカーボンブラックにスプレーし、加熱して表面の被
覆を硬化させる方法 (ii)真空に脱気した容器の中にカーボンブラックを入
れて、加熱、脱気し、これに蒸気状の含シランカップリ
ング剤を加え、攪拌しながら加熱して表面の被覆を硬化
させる方法などを採用することが出来る。
【0023】本発明においては、カーボンブラックのB
ET比表面積は 300〜 1,200m2 /gの範囲にあること
が必要である。ここで、BET比表面積はマイクロメリ
ティック社製の2200型を用いて適正な条件で測定された
値である。BET比表面積が 300〜 1,200m2 /gのカ
ーボンブラックによれば、トナー用樹脂 100重量部に対
して、10〜20重量部程度の少量で比誘電率が8〜30のト
ナーを得ることが出来る。特に、BET比表面積が 800
〜 1,200m2 /gの範囲にあるカーボンブラックによれ
ば、2〜10重量部と更に少ない量で、比誘電率が8〜30
のトナーを得ることが出来る。
【0024】しかし、BET比表面積が大きくなると、
比誘電率がカーボンブラックの含有量に敏感になるの
で、BET比表面積は 300〜 1,000m2 /gの範囲が好
ましい。 BET比表面積が 300〜 1,200m2 /gのカ
−ボンブラックとしてはコロンビアカーボン社製のコン
ダクティックス40− 220などがある。なお、カーボンブ
ラックの含有量は、定着性を損なわず、着色性、摩擦帯
電性の向上を図る観点から、トナー用樹脂 100重量部に
対して2〜25重量部の範囲が好ましい。カーボンブラッ
クの含有量が少量の場合にはトナーの比誘電率が過少と
なりやすく、逆に過多の場合にはトナーの定着性が悪化
し好ましくない。
【0025】本発明においては、2種以上のカーボンブ
ラックを併用しても良く、この場合には少なくとも1種
類が上記のカーボンブラックであれば良い。本発明にお
いては、トナーの比誘電率が8〜30の範囲内であること
が必要である。即ち、トナーの比誘電率が8〜30の範囲
にあれば、現像電界の実効値が大きくなり、トナーの現
像性が格段に向上する。これに対して比誘電率が過少の
場合には現像性の向上が充分でなく、逆に過大の場合に
はトナーの電荷保持能が小さくて帯電量が小さくなり転
写不足が生じる。
【0026】トナーの比誘電率の測定方法としては、ト
ナー(疎水性シリカ微粒子などの外部添加剤を含む)を
200℃において10分間にわたり加熱溶融し、直径7m
m、厚さ 1.5mmの円板プレートを作製し、この円板プ
レートの両面に金を蒸着して電極を作り、横河ヒュレッ
トパッカ−ド社製のRFネットワーク・アナライザーモ
デルHP8753Aを用いて、温度20℃、相対湿度65%の環
境下、適切な条件で 915MHzにおける上記円板プレー
トの比誘電率を測定し、それをトナーの比誘電率とし
た。トナ−の比誘電率は、トナー用樹脂の種類および重
合度、カーボンブラックの種類およびその含有量、その
他の添加剤の種類およびその添加量によって調整するこ
とができる。
【0027】本発明のトナー用結着樹脂には、さらにト
ナーの物性向上のために低分子量ポリオレフィンワック
スを添加してもよい。低分子量ポリオレフィンワックス
としては、未変性ポリオレフィンワックスまたはオレフ
ィン成分に対して変性成分がブロック化またはグラフト
化された変性ポリオレフィンワックスのいずれであって
も良い。未変性ポリオレフィンワックスまたは変性ポリ
オレフィンワックスのオレフィン成分は、単一のオレフ
ィン単量体より得られるホモポリマー型あるいはオレフ
ィン単量をこれと共重合可能な他の単量体と共重合させ
て得られるコポリマー型のいづれの型のものでも良い。
【0028】前記オレフィン単量体としては、たとえ
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテ
ン、その他のすべてのオレフィン単量体を挙げることが
出来る。また、オレフィン単量体と共重合可能な他の単
量体としては、他のオレフィン単量体の他、たとえば、
ビニルメチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビニル
アセテートなどのビニルエステル類、フッ化ビニルなど
のハロオレフィン類、メチルアクリレート、メチルメタ
クリレートなどのアクリル酸エステル類もしくはメタク
リル酸エステル類、アクリロニトリルなどのアクリル酸
誘導体、アクリル酸、メタクリル酸などの有機酸類など
種々のものを挙げることが出来る。オレフィン成分をコ
ポリマー型のものとする場合においては、エチレンープ
ロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレ
ンービニルアセテート共重合体、エチレン−ビニルメチ
ルエーテル共重合体、エチレン−プロピレン−ビニルア
セテート共重合体などのコポリマー型のものとすること
ができる。オレフィン単量体以外の単量体を用いてコポ
リマー型のものとする場合においては、ポリオレフィン
成分中のオレフィン単量体によるオレフィン部分の割合
が50モル%以上であることが好ましい。
【0029】変性ポリオレフィンワックスにおける変性
成分としては、たとえば、1−フェニルプロペン、スチ
レン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレンな
どの芳香族ビニル単量体、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルな
どのα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸エステル単量体
などを挙げることが出来る。芳香族ビニル単量体を変性
成分とする場合には当該変性成分の変性ポリオレフィン
に対する割合は 0.1〜15重量部、特に1〜10重量部の範
囲内が好ましい。また、α−メチレン脂肪酸モノカルボ
ン酸エステル単量体を変性成分とする場合には当該変性
成分の変性ポリオレフィンに対する割合は 0.1〜50重量
部、特に1〜40重量部の範囲内が好ましい。また、この
ような未変性ポリオレフィンワックスまたは変性ポリオ
レフィンワックスはそれ自体が低い軟化点を有するもの
であることが望ましく、たとえば、JIS K 2531-1960 に
規定される環球法により測定した時の軟化点が80〜1
80℃、好ましくは90〜160℃であることが望まし
い。
【0030】このポリオレフィンワックスの具体例とし
ては、「ビスコール660P」、「ビスコール550
P」(以上、三洋化成社製)、「ポリエチレン6A」
(アライドケミカル社製)、「ハイワックス400
P」、「ハイワックス100P」、「ハイワックス20
0P」、「ハイワックス320P」、「ハイワックス2
20P」、「ハイワックス2203P」、「ハイワック
ス4202P」(以上、三井石油化学社製)、「ヘキス
トワックスPE520」、「ヘキストワックスPE13
0」、「ヘキストワックスPE190」(以上、ヘキス
トジャパン社製)などの市販されているものの他、たと
えばメタクリル酸メチルによりブロック共重合またはグ
ラフト共重合せしめたポリエチレンワックス、メタクリ
ル酸ブチルによりブロック共重合またはグラフト共重合
せしめたポリエチレンワックス、スチレンによりブロッ
ク共重合またはグラフト共重合せしめたポリエチレンワ
ックスなどを挙げることが出来る。これらのポリオレフ
ィンは、通常はトナー製造の溶融混練時に結着樹脂と混
合するが、エチレン系重合体の重合または脱溶剤時に添
加してもよい。
【0031】本発明の結着樹脂を用いた電子写真用トナ
ー組成物には、通常、着色剤を使用する。使用する着色
剤としては、例えばカーボンブラック、アセチレンブラ
ック、ランプブラック、マグネタイトなどの黒色顔料、
黄鉛、黄色酸化鉄、ハンザイエローG、キノリンイエロ
ーレーキ、パーマネントイエロー、NCGモリブデンオ
レンジ、バルカンオレンジ、インダンスレン、ブリリア
ントオレンジGK、ベンガラ、ブリリアントカーミン6
B、フリザリンレーキ、ファストバイオレットB、コバ
ルトブルー、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブ
ルー、モノアゾ染料の金属錯体、ファーストスカイブル
ー、ビグメントグリーンB、マラカイトグリーンレー
キ、酸化チタン、亜鉛華などの公知の顔料が挙げられ
る。その量は通常結着樹脂 100重量部に対し5〜 300重
量部である。 本発明のトナー樹脂組成物は、例えばニ
グロシン、第四級アンモニウム塩、含金属アゾ染料、脂
肪酸の金属塩など公知の荷電調整剤および顔料分散剤、
オフセット防止剤などを適宜選択して添加し公知の方法
でトナーとすることができる。即ち、上記各種添加剤を
加えた結着樹脂は、ヘンシェルミキサーでプレミックス
した後、ニーダーなどの混練機で加熱溶融状態で混練
し、冷却後ジェット粉砕機を用いて微粉砕した後、分級
機で分級し、通常8〜20μmの範囲の粒子を集めてトナ
ーとする。
【0032】磁性トナーを得るために、磁性粉を含有さ
せてもよい。このような磁性粉としては、磁場の中で磁
化される強磁性物質、鉄、ニッケル、コバルトなどの粉
末、もしくは、マグネタイト、フェライトなどの合金が
あり、この磁性粉の割合はトナー重量に対して15〜7
0重量部が好ましい。さらに、本発明には、以下に記載
するような離型剤を重合時もしくは溶融・混練時に適宜
使用してもよい。ここで言う離型剤とは定着時に定着ロ
ーラーと接触して摩擦の減少、離型性の改善、あるいは
溶融時の流動性を改善する働きをする物質で、たとえ
ば、パラフィンワックス類、高級(飽和直鎖)脂肪酸類
(炭素数12〜50)、高級アルコール類(炭素数 8〜3
2)、脂肪酸金属塩類、脂肪酸アミド類、金属石鹸類、
多価アルコール類などがある。
【0033】トナー中には、必要に応じて、着色剤、流
動性改質剤をトナー粒子と混合(外添)して用いても良
い。この荷電調整剤としては、含金属染料、ニグロシン
などがあり、粉体流動性改質剤としては、コロイダルシ
リカ、脂肪酸金属塩などがある。また、増量の目的で、
炭酸カルシウム、微粉状シリカなどの充填剤を 0.5〜20
重量部の範囲でトナー中に配合してもよい。更にトナー
粒子相互の凝集を防止して、その流動性を向上させるた
めに、テフロン微粉末のような流動向上剤を配合しても
よい。本発明のエチレン系重合体(L)とエチレン系重
合体(H)の混合樹脂を結着樹脂とするトナ−の比誘電
率(ρ)が8〜30であることが好ましい。
【0034】
【実施例】次に本発明を実施例により、さらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。なお、以降「部」は、特にことわらない限
り重量部を表わす。 1.エチレン系重合体(L)およびエチレン系重合体
(H)の製造例は、表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】 上記製造例によりえたエチレン系重合体(L)および
(H)の分子量は、市販の単分散標準ポリスチレンを標
準とし、溶媒としてテトラヒドロフラン、検出器に屈折
率計を用いたGPCにより,重量平均分子量(Mw)を
求めた。 検出器 SHODEX RI SE−31 カラム A-80M x 2 + KF-802 溶媒 THF(テトラヒドロフラン) 吐出量 1.2 ml/分 試料 0.25% THF 溶液
【0037】2.カーボンブラックの変性 (1)カ−ボンブラックA BET比表面積が1066m2 /gのカーボンブラックを流
動床造粒装置に入れ、このカーボンブラックに下記構造
式で表される含フッ素シランカップリング剤のトルエ
ン1重量%溶液を当該カーボンブラックに対して、5重
量%となるようにスプレーした。次いで、200℃に加
熱して、カーボンブラックの表面の皮膜を硬化させた。
これをカーボンブラックAとする。 構造式 CF3CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2 (2)カーボンブラックB カーボンブラックAの製造において、カーボンブラック
をBET比表面積が、432m2 /gのものに変更した以
外は、同様の方法によりカーボンブラックBを得た。 (3)カーボンブラックC カーボンブラックAの製造において、含フッ素シランカ
ップリング剤を構造式で表されるものに変更した以外
は、同様の方法によりカーボンブラックCを得た。 構造式 CF3CH2CH2Si(CH3)Cl2
【0038】3.実施例と評価結果 上記のようにして得たエチレン系重合体(L)の重合体
溶液、およびエチレン系重合体(H)の重合体溶液を表
2に示すような割合で混合し、脱溶剤して結着樹脂を得
た。次いで、結着樹脂 100部と上記の変性されたカーボ
ンブラック、ポリプロピレンワックス5部、帯電調整剤
1部及び第三成分をヘンシェルミキサーで予備混合した
後、2軸混練機を用い、 170℃に設定して混練した後、
冷却、粗粉砕、微粉砕し、さらに分級器で分級し6〜18
μmの核粒子を得た。
【0039】この核粒子 100部に対して、上記と同様の
帯電調整剤を微粉砕して得られた平均粒径が約1〜2μ
mの粒子を所定量(表2に示す。)を添加し、これらを
ヘンシェルミキサーにより10分間にわたり混合した。次
いで、この混合物をハイブリダイザーシステムに投入
し、周速80m/s、処理温度40〜60℃の条件で、10分間
にわたり機械的処理を行い、処理粒子を得た。ここで、
得られた混合物を電子顕微鏡観察したところ、トナー1
〜21については核粒子の表面に帯電制御剤の粒子が均
一に付着していることが確認された。次いで、上記処理
粒子に対して、疎水性シリカ(R−972、アエロジル
社製)を 0.4重量%となる割合で外部から添加して、こ
れをヘンシェルミキサーにより混合して本発明のトナー
を得た。
【0040】そして得られたトナーの比誘電率を測定し
た。なお、表中にある樹脂の使用比率は、重量比率であ
る。上記トナーを用い、定着性、耐オフセット性、画質
安定性などを評価した。定着性、オフセット性は、市販
複写機のロール温度を任意に変更できるように改造した
機械を用い評価した。次に、評価方法を示す。
【0041】(1)70%定着温度; 2cm×2cmのベ
タ黒部分の画質上のトナー層を学振式摩擦堅牢度試験機
((株)大栄科学精機製作所製)にて 300g/cm2
荷重で、砂消しゴムで50回摩擦した後のトナー層の重
量残存率が70%を越えるのに必要な最低の熱ロール温
度とした。 (2)高温オフセット発生温度; 熱ロ−ル温度を上げ
てゆき、オフセット現象が起こり始める温度とした。 (3)高速耐久性; 市販の高速複写機(72枚/分の
複写速度)10,000枚連続試験を実施、パターンを複写し
再現性をチェックした。連続試験の前後で画質の違いを
チェックした。 ○ ; 複写前後で殆ど差がないもの △ ; 連続試験後IDが大きく低下したもの × ; カブリが発生し画質が大きく乱れたもの (4)帯電安定性; 連続複写において 100枚目と10,0
00枚目でのトボリ帯電を下記計算式の比率(絶対値)で
表し、この比率が10%以内を良好と判定した。
【0042】
【表3】
【0043】
【表4】
【0044】
【発明の効果】本発明の方法により、従来技術では解決
できなかった、低熱量で定着でき、常に安定した良質の
画像を与える電子写真用トナー組成物が得られる。すな
わち、本発明の電子写真用トナー組成物においては定着
下限温度が低く、非オフセット領域が広く、帯電・画像
特性も極めて良好であり、電子写真用トナー組成物とし
て優秀な性能を有している。また、本発明方法によって
得られる電子写真用トナー組成物を使用することによ
り、帯電安定性に優れ、優秀な耐オフセット性を有し、
かつ十分な耐久性を有する電子写真用トナー組成物が得
られるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内山 健治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 浦本 勝男 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 福居 珠実 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均分子量(Mw) 2,000〜50,00
    0、ガラス転移温度(Tg)が55〜75℃であるエチレン
    系重合体(L)とMwが100,000 〜600,000 であり、一
    般式(化1) 【化1】 (但し、R1 は-H,-CH3 、−R2 および -R3 は Hおよ
    び炭素数が1〜10個の直または分岐状のアルキル炭化水
    素基、-NH2,-NHC6H5,-NCH3C6H5,-C6H4CH3-4,-N(CH3)2,-
    C6H4OCH3-4,-C6H4Cl-4,-C6H4NO2-4,-OCH3,-OC2H5,-NHC6
    H4NO2-3, -NHC6H4NH2-3,-NHC6H4NHCOCH3-4,-NCH3C6H4NO
    2-4,-NCH3C6H4NH2-4,-NHC6H4COCH3-4,-NHC 6H4COCH3-3,-
    NHC6H4CH(OH)CH3-4,-NHC6H4CH(OH)CH3-3,-NHC6H4SO3H-
    4, NHC6H4SO 3H-3)で表されるエチレン系単量体を構成
    成分とするエチレン系重合体(H)との混合樹脂を結着
    樹脂とする電子写真用トナー組成物。
  2. 【請求項2】 2−メチルイミダゾール、2−エチル−
    4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、
    2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダ
    ゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−
    シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエ
    チル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−
    2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチ
    ル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−
    2−メチルイミダゾールトリメリテート、1−シアノエ
    チル−2−フェニルイミダゾールトリメリテート、1−
    シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールト
    リメリテート、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミ
    ダゾールトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−
    (2’−メチルイミダゾリル(1’))−エチル−s−
    トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシ
    ルイミダゾリル−(1’))−エチル−s−トリアジ
    ン、2,4−ジアミノ−6−(2’−エチル−4’−メ
    チルイミダゾリル(1’))−エチル−s−トリアジ
    ン、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾ
    リウムクロライド、1,3−ジベンジル−2−メチルイ
    ミダゾリウムクロライド、2−フェニル−4−メチル−
    5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−
    4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−シアノ
    エチル−2−フェニル−4,5−ジ(シアノエトキシメ
    チル)イミダゾールの一群から選ばれる化合物である請
    求項1記載の電子写真用トナー組成物。
  3. 【請求項3】 含フッ素シランカプリング剤により表面
    処理され、且つ窒素吸着法によるBET比表面積が 300
    〜 1,200m2 /gであるカーボンブラックを含有するこ
    とを特徴とする請求項1記載の電子写真用トナー組成
    物。
  4. 【請求項4】 エチレン系重合体(L)とエチレン系重
    合体(H)の混合樹脂を結着樹脂とするトナーの比誘電
    率(ρ)が8〜30である請求項1記載の電子写真用ト
    ナー組成物。
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